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する【為る】🔗🔉

する為る】 [一]〔自サ変〕[文]す(サ変) 動作・作用が現れる意。 ①「…(が)する」の形で、その事柄が起こる(のが感ぜられる)意を表す。万葉集1「ますらをの鞆ともの音すなり」。万葉集7「霜曇りすとにかあらむ」。「頭痛がする」「花のにおいがする」 ②その状態・状況にある意、また、それをもたらす意を表す。古事記「畝火山木の葉さやぎぬ風吹かむとす」。万葉集15「旅にして物思ふ時にほととぎすもとなな鳴きそあが恋まさる」。「子供にやさしくする」「席から立とうとする」「夏が終わろうとする」「頭がすっきりする」→する[二]2。 ③価あたいする。「この本は千円する」 ④時が経過する。「3日したら帰る」 ⑤「…としたことが」の形で、「…であるものが」の意を表す。「私としたことが、気づきませんで失礼しました」 ⑥「…とする」「…と(に)して(は)」「…と(に)すれば」の形で、…の立場・水準によって考える意を表す。「が負数であるとする」「彼にしては出来が悪い」 ⑦他の語と複合して動詞をつくる。→する[二]6。 [二]〔他サ変〕[文]す(サ変) 行動をおこす意。 ①その動作を行う。なす。万葉集1「熟田津にきたつに船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな」。土佐日記「船を出だして漕ぎ来る道に手向けする所あり」「いとはつらく見ゆれどこころざしはせむとす」。日葡辞書「メシヲスル」「ホウコウヲスル」。「する事は何もない」「しゃれたネクタイをする」「柵をする」 ②その状態・状況にならせる。「目を白黒する」「罪を軽くする」「部屋をきれいにする」 ③「…にする」の形で、あるものを何かにあてる、何かの位置にすえる、代えるなどの意を表す。万葉集5「梅の花咲きたる苑そのの青柳は蘰かずらにすべくなりにけらずや」。「子供を医者にする」「品物を金にする」 ④「…にする」「…とする」の形で、感ずる、みなす、考えるなどの意を表す。万葉集2「吾はもや安見児得たり皆人の得がてにすとふ安見児得たり」。万葉集8「この花の一よのうちに百種の言そこもれるおほろかにすな」。方丈記「憂へなきを楽しみとす」。「失敗を後の戒めとする」「事件を問題にする」「人をばかにする」 ⑤何かの役・つとめをする。「町長をする」「教師をする」 ⑥体言、形容詞の連用形、漢語、外来語などと複合して動詞をつくる。徒然草「下部に酒飲ますることは心すべきことなり」。平家物語灌頂「暁起きの袖の上、山路の露もしげくして」。平家物語11「しかれども高慶たちまちに純熟して」。「書類にサインする」「外国に出張する」 ⑦選んでそれに決める。「朝食はパンにする」 ⑧「…とする」の形で、文を閉じて断定を強めるのに使う。徒然草「おろそかなるをもてよしとす」 ⑨「お…する」の形で、謙譲の意を表す。「荷物をお持ちする」 ⇒すまじきものは宮仕 ⇒する事なす事

な・る【生る・成る・為る】🔗🔉

な・る生る・成る・為る】 〔自五〕 現象や物事が自然に変化していき、そのものの完成された姿をあらわす。 ➊無かったものが新たに形ができて現れる。 ①動植物などが生ずる。うまれでる。推古紀「親無しに汝なれ―・りけめや」。万葉集5「石木より―・りでし人か」 ②《生》草木が実を結ぶ。みのる。万葉集18「橘の―・れるその実」。「蜜柑が―・る」 ③なりわいとする。耕作する。万葉集20「防人さきむりに発たむ騒きに家の妹いむが―・るべき事を言はず来ぬかも」 ➋別の物・状態にかわる。 ①以前と違った状態・内容にかわる。万葉集14「後れ居て恋ひば苦しも朝狩の君が弓にも―・らましものを」。日葡辞書「ハダカニナル」「テキニナル」。「病気に―・る」 ②ある状態にいたる。万葉集5「盛に咲ける梅の花散るべく―・りぬ」。竹取物語「物思ふにはかた時になむ老に―・りにけると見ゆ」。「大人に―・る」 ③その時刻・時期にいたる。万葉集3「かへるべく時は―・りけり」。土佐日記「七日に―・りぬ」。源氏物語桐壺「右近の司の宿直奏もうしの声聞ゆるは、丑に―・りぬるなるべし」。「夜に―・る」 ④あるものの用を果たす。また、ある役を演ずる。「失敗がいい薬に―・る」「ハムレットに―・る」 ⑤なり果てる。平家物語2「当家傾けうとする謀叛の奴が―・れる姿よ」 ⑥将棋で、王・金以外の駒こまが敵陣に入り、また敵陣から動いて裏返しになり、飛車と角行は元来の力のほかに金・銀の資格を併せ持ち、他の駒は全部金の力を得ることをいう。 ➌行為の結果、完成する。 ①できあがる。しあがる。万葉集14「むろがやの都留の堤の―・りぬがに児ろは言へども未だ寝なくに」。「研究が―・る」「なせば―・る」 ②組み立てられている。成立する。「三つの段落から―・る文章」 ③望みがかなう。成功する。源氏物語須磨「御門のお前に夜昼さぶらひ給ひて、奏し給ふ事の―・らぬはなかりしかば」。「志が―・る」 ④恋愛で成功する。万葉集14「池の堤に刺す楊―・りも―・らずも汝と二人はも」。好色一代女1「人なほ―・らぬに気をなやみてこがれ死もありける」 ⑤できる。することができる。狂言、皹あかがり「茶の湯などとあれば、掃除に気をつくるといふが、汝はさやうのことは―・るまいな」。「辛抱が―・るほどならば」 ⑥匹敵する。狂言、八句連歌「扨も扨も見事な御手跡で御座るが、…こなたには、―・らせられますまい」 ⑦差支えない。堪え得る。狂言、笠の下「師匠より譲られた笠でござるによつて、雨露にうたせても、又は人に誘はれても―・りませぬほどに」。日葡辞書「セイデナラヌ」 ⑧暮しがたつ。浮世草子、好色敗毒散「されども別れし女房が明暮しほたらと―・らぬ世帯に、世話をやき死にせし事を思ひ出せば」 ➍(そのことが自然に生ずる意から) ①高貴の人の行為をあらわす。平家物語1「上皇つひに崩御―・りぬ」。平家物語6「かしこへ行幸―・つて紅葉を叡覧―・るに」 ②(動詞の連用形、動作を表す漢語に、「お(御)…に―・る」の形で付いて)行為者に対する敬意を表す。「お聞きに―・る」「御覧に―・る」 ⇒なっていない ⇒成らぬうちが楽しみ ⇒成らぬ堪忍するが堪忍 ⇒成るはいやなり思うは成らず

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