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ひ【秘】🔗🔉

】 ひめること。かくすこと。「―中の―」

ひ‐うん【秘蘊】🔗🔉

ひ‐うん秘蘊】 学問・芸術・武芸などで、もっとも奥深く大切なところ。奥義。

ひ‐おう【秘奥】‥アウ🔗🔉

ひ‐おう秘奥‥アウ ①物事のおくそこ。秘密。 ②奥深いこと。奥深くて知りにくいこと。「芸道の―をきわめる」

ひ‐かく【秘閣】🔗🔉

ひ‐かく秘閣】 ①大切な文書などを秘蔵しておく庫。 ②天子の書物を所蔵する書庫。秘館。秘府。 ③墨柄すみづかの異称。

ひ‐かん【秘巻】‥クワン🔗🔉

ひ‐かん秘巻‥クワン 秘密の文書または書物。

ひ‐き【秘記】🔗🔉

ひ‐き秘記】 秘密の記録。

ひ‐ぎ【秘技】🔗🔉

ひ‐ぎ秘技】 限られた人しか知らない秘密のわざ。

ひ‐ぎ【秘儀】🔗🔉

ひ‐ぎ秘儀】 秘密の儀式。密儀みつぎ

ひ‐ぎ【秘戯】🔗🔉

ひ‐ぎ秘戯】 秘密に行う楽しみ。男女の交歓。「―図」

ひ‐きゅう【秘笈】‥キフ🔗🔉

ひ‐きゅう秘笈‥キフ (「笈」は書箱)最も大切に保存された本。宝書。

ひ‐きょう【秘教】‥ケウ🔗🔉

ひ‐きょう秘教‥ケウ 秘密の教えや儀式を重んずる宗教。

ひ‐きょう【秘経】‥キヤウ🔗🔉

ひ‐きょう秘経‥キヤウ 真言秘密の法門を説いた経典。金剛頂経・大日経・蘇悉地そしつじ経・瑜祇ゆぎ経など。

ひ‐きょう【秘境】‥キヤウ🔗🔉

ひ‐きょう秘境‥キヤウ 人跡のまれな、様子がよく知られていない土地。「―アマゾン」

ひ‐きょく【秘曲】🔗🔉

ひ‐きょく秘曲】 特別の家系または技量の者に限り伝授する秘伝の楽曲。

ひ‐けい【秘計】🔗🔉

ひ‐けい秘計】 ①人に知れないようにめぐらすはかりごと。秘密のはかりごと。 ②間に立って取り持つこと。媒介。周旋。平家物語11「便宜びんぎをうかがひ高聞に達せしめ、―をめぐらし、あやまりなきよしを宥ゆうぜられ」 ③都合をつけること。工面くめん。金策。

ひ‐けつ【秘訣】🔗🔉

ひ‐けつ秘訣】 事を行うのに最も効果が多くて、しかもめったに他人に知らせない法。おくのて。おくぎ。「成功の―」「若さの―」

ひ‐けつ【秘結】🔗🔉

ひ‐けつ秘結】 大便が滞って出ないこと。便秘。「―症」

ひ‐けん【秘鍵】🔗🔉

ひ‐けん秘鍵】 ①秘密の奥義。秘鑰ひやく。 ②秘密の宗義。

ひ‐ご【秘語】🔗🔉

ひ‐ご秘語】 秘密の言葉。犯罪者や秘密結社員などの間で用いる特殊な言語。

ひ‐ごん【秘錦】🔗🔉

ひ‐ごん秘錦(→)緋金錦ひごんきに同じ。

ひ‐さく【秘策】🔗🔉

ひ‐さく秘策】 秘密のはかりごと。秘計。「―を授ける」

ひ‐さく【秘賾】🔗🔉

ひ‐さく秘賾】 奥ふかくして秘密な真理。

ひ‐し【秘史】🔗🔉

ひ‐し秘史】 秘められた歴史。世に現れない裏面史。

ひ‐じ【秘事】🔗🔉

ひ‐じ秘事】 秘密の事。容易に知り得ないこと。ひめごと。「―を明かす」 ⇒秘事は睫

ひし‐かくし【秘し隠し】🔗🔉

ひし‐かくし秘し隠し】 (ヒシガクシとも)秘し隠すこと。秘密にして隠すこと。ひたかくし。

○秘事は睫ひじはまつげ🔗🔉

○秘事は睫ひじはまつげ 秘事などというものは自分の睫と同じように、案外ごく手近な所にあるもので、ただ気が付かないだけである。毛吹草2「―の如し」 ⇒ひ‐じ【秘事】 ひじ‐ば・る肘張るヒヂ‥ 〔自四〕 ①肘を張り出す。 ②意地を張る。意気を示す。気勢を張る。栄華物語本雫「―・らせ給ふあはれに見奉る」 ひし‐ひし緊緊・犇犇】 ①物がおされて鳴るさま。源氏物語夕顔「足音―と踏みならしつつ」 ②すきまなくぴったりと寄りつくさま。古今著聞集16「互ひに―と取りくみて」。平家物語4「平家の兵ども十四五騎、―と落ち重なつて」 ③動作の勢いの激しいさま。宇治拾遺物語1「―とただ食ひに食ふ音のしければ」 ④手厳しいさま。ゆるみないさま。源平盛衰記34「―と事定まりぬ」 ⑤鞭むちなどで強く打つさま。ぴしぴし。日葡辞書「ヒシヒシトウタルル」 ⑥強く身に迫って感じるさま。ひし。「有難さを―と感じる」 びし‐びし緊緊・犇犇】 ①鼻汁をすすりあげる音。万葉集5「咳しわぶかひ鼻―に」 ②物がしなって風を切ったり打ち当たったりして発する連続音。また、そのさま。「鞭を―鳴らす」 ③手加減せず容赦なく行うさま。「―取り締まる」 ぴし‐ぴし緊緊・犇犇】 ①はげしく物を折る音。びしびし。 ②鞭むちなどで強く打つ音。 ③容赦なく厳しく行うさま。「―と仕込む」 ひじ‐ぶとん肘蒲団ヒヂ‥ (→)「肘突き」に同じ。 ひじ‐ほうもん秘事法門‥ホフ‥ 〔仏〕浄土真宗の異安心いあんじんの一種。教義を公開せず、信者にのみその内容を秘密裡に伝えるものをいい、特定の一派を指すわけではない。夜中の秘事、隠密の釈義、十劫秘事、不拝おがまず秘事などともいわれ、江戸時代の土蔵おくら秘事などが有名。 びし‐ま 小さな鉛のおもり(びし)を多数つけた釣糸。真鯛釣りなどに使う。 ひじ‐まき臂巻・釧ヒヂ‥ (→)くしろに同じ。〈倭名類聚鈔14ひじ‐まくら肘枕ヒヂ‥ 自分の肘をまげて枕の代りにすること。 ひし‐むすび菱結び】 紐の結び方。菱形に結ぶもの。 ひし‐めき】 ひしめくこと。騒動。 ひしめき‐あ・う犇き合う‥アフ 〔自五〕 多くの人や物が限られた空間で互いに押し合う。「小さな家が―・う街並」 ひし‐め・く犇く】 〔自五〕 ①ひしひしと音がする。能因本枕草子職の御曹司におはします頃「―・くに驚かせ給ひて」 ②大勢が押し合って騒ぎ立てる。混雑して押し合う。宇治拾遺物語1「百人ばかり―・き集まりて」。「群衆が―・く」 ひし‐もち菱餅】 ①菱の実を粉にして作った餅。 ②菱形に切った餅。紅・白・緑の3色を重ねて、雛の節句に供える。ひしがたもち。〈[季]春〉 ひじ‐もち肘持ちヒヂ‥ 扇や笏しゃくを持って肘を張ったさま。源氏物語末摘花「儀式官のねり出でたる―覚えて」 ひ‐しゃ飛車】 ①物語・伝説などで、風に乗じ空中を飛行するという車。今昔物語集1「阿闍世王を召寄せて、我が―に相乗せて」 ②将棋の駒の名。角行かくぎょうとともに最も有力な攻撃の駒で大駒おおごまといい、縦・横直線に幾枡でも進退できる。成ると竜王となって、本来の性能のほかに斜めに1枡ずつ進退することができる。飛。 ⇒ひしゃ‐おち【飛車落ち】 ⇒ひしゃとり‐おうて【飛車取王手】 ぴしゃ 物が勢いよく当たり、はね、くっつきなどするさま。 ヒジャーブḥijāb アラビア】 (幕・遮蔽物の意)イスラム教徒の女性が顔や髪を覆うベールの一種。ヘジャーブ。ヒジャブ。→チャドル ひしゃ‐おち飛車落ち】 将棋で、上手うわてが最初から飛車を外して対戦すること。 ⇒ひ‐しゃ【飛車】 ひしゃかい‐しんど被写界深度】 撮影で、ある距離の被写体にピントを合わせた場合、その前後の被写体についても鮮鋭な像を結ぶ範囲。レンズの焦点距離が短いほど、また絞りこむほど深くなる。→焦点深度 ひしゃく柄杓・杓】 (ヒサコ(瓠)の転。のち、シャクは「杓」の音から出たもののように誤られた) ①湯・水などを汲みとる具。竹・木・金属などでつくり柄をつけたもの。しゃく。ひさく。→ひさご。 ②茶道で、茶釜から湯を汲みとるために用いる具。 柄杓 ⇒ひしゃく‐たて【柄杓立て】 ひ‐しゃく飛錫】 (錫杖しゃくじょうを飛ばして行くからいう)僧または道士が巡遊すること。行脚あんぎゃ。雲水うんすいひしゃ・ぐ拉ぐ】 [一]〔他五〕 おしつぶす。ひさぐ。 [二]〔自下二〕 ⇒ひしゃげる(下一) び‐じゃく微弱】 勢いや力が、かすかで弱いこと。「―な震動」 ひしゃく‐たて柄杓立て】 茶の湯用の柄杓を立てておく具。しゃくたて。 ⇒ひしゃく【柄杓・杓】 ひしゃ・げる拉げる】 〔自下一〕[文]ひしや・ぐ(下二) おされてつぶれる。ひしげる。尾崎紅葉、不言不語「拆ひしゃげたる学校帽子を」 ひしゃ‐たい被写体】 写しとられる対象。 ぴしゃっ‐と 〔副〕 ①窓や戸を勢いよく閉める音、あるいは水や水分を含んだものが一気に打ち当たる音、また、そのさま。「泥水を―はねる」 ②高圧的な態度で相手を封ずるさま。「―断る」 ひしゃとり‐おうて飛車取王手‥ワウ‥ 将棋の王手飛車のこと。転じて、二つのうちどちらか一方によって確実に目的を達せられるような計略・手段。人情本、春色梅美婦祢「本街道を逃れば追手に取巻れるだらうし、閑道へかかれば狼が居るといふし、―を喰つたのだア」 ⇒ひ‐しゃ【飛車】 ぴしゃ‐ぴしゃ ①平手でつづけ打ちするさま。 ②液体などがつづけてはねるさま。 ③戸・障子をつづけて勢いよく閉めるさま。 ピジャマpyjamas⇒パジャマ びしゃ‐まつり備謝祭(→)御歩射おびしゃに同じ。 びしゃもん毘沙門】 (梵語Vaiśravaṇa あまねく聞く意)毘沙門天の略。 ⇒びしゃもん‐だち【毘沙門立ち】 ⇒びしゃもん‐てん【毘沙門天】 ⇒びしゃもん‐どう【毘沙門堂】 びしゃもん‐だち毘沙門立ち】 毘沙門天のように勇ましく突っ立つこと。仁王立ち。 ⇒びしゃもん【毘沙門】 びしゃもん‐てん毘沙門天】 〔仏〕四天王・十二天の一つ。須弥山しゅみせんの中腹北方に住し、夜叉・羅刹らせつを率いて北方世界を守護し、また財宝を守るとされる神。甲冑を着けた忿怒ふんぬの武将形に表され、片手に宝塔を捧げ、片手に鉾ほこまたは宝棒を持つ。日本では七福神の一つともされる。また多聞天たもんてんとも訳し、四天王を列挙する場合には普通この名称を用いる。別名を倶毘羅(梵語Kubera)といい、インド神話では財宝の神。毘沙門天王。 毘沙門天 ⇒びしゃもん【毘沙門】 びしゃもん‐どう毘沙門堂‥ダウ 京都市山科区にある天台宗の門跡寺院。703年(大宝3)奈良に創建。平安遷都の際、最澄が京都出雲路に移転したとも、1195年(建久6)円智の創建ともいう。江戸初期、安祥寺の旧跡に移転。のち代々法親王が入寺して、毘沙門堂門跡と称した。旧称、出雲寺。 ⇒びしゃもん【毘沙門】 ひし‐やらい菱矢来】 竹を菱形に組んで作った矢来。ひしがたやらい。 ぴしゃり ①押しひしぐ音。びしゃり。 ②戸・障子などを勢いよく閉めるさま。 ③平手で打つさま。 ④水などのはねるさま。 ⑤高圧的にきっぱりと拒絶するさま。「―とはねつける」 ⑥少しの食いちがいもなく合うさま。ぴたり。「予想が―と当たる」 ひ‐しゅ匕首】 鐔つばのない懐中用の短剣。懐剣の類。あいくち。太平記13「失せたりし―の剣これなり」 ひ‐しゅ脾腫】 脾臓がはれてふくらんだ状態。白血病・悪性リンパ腫・門脈圧亢進症・脂質代謝異常・感染症などに見られ、重量1000グラム以上のものを巨脾という。 ひ‐じゅ非儒】 儒者でないもの。 び‐しゅ美酒】 味のよい酒。うまざけ。 ビジュアルvisual】 視覚に訴えるさま。「オーディオ‐―」「―な雑誌」 ひし‐ゆい菱結い‥ユヒ 縄で菱形を作る縛り方。菱縄。歌舞伎、小袖曾我薊色縫「四つに掛つた縄よりも、又―にからまれて」 ひ‐しゅう比周‥シウ ①[論語為政「君子は周して比せず、小人は比して周せず」]私心による偏った交わりと、公正な道による広い交わり。 ②[左伝文公18年]悪人と仲間になること。徒党を組むこと。 ひ‐しゅう卑湿‥シフ ⇒ひしつ ひ‐しゅう肥州‥シウ 肥前ひぜん・肥後ひご国の総称。 ひ‐しゅう飛州‥シウ 飛騨ひだ国の別称。 ひ‐しゅう秘宗】 (秘密宗の意)真言宗の異称。 ひ‐しゅう悲秋‥シウ ものがなしい秋。風物の悲哀を感ずる秋。 ひ‐しゅう悲愁‥シウ ①かなしみとうれい。 ②かなしみうれえること。 ひ‐じゅう比重‥ヂユウ ①(specific gravity)ある物質の密度と標準物(普通はセ氏4度の蒸留水)の密度との比。 ②転じて、相対的な重要度。「この点に―をおく」 ⇒ひじゅう‐けい【比重計】 ⇒ひじゅう‐せんこう【比重選鉱】 ⇒ひじゅう‐びん【比重瓶】 び‐しゅう尾州‥シウ 尾張おわり国の別称。 ⇒びしゅう‐け【尾州家】 び‐しゅう美醜‥シウ ①うつくしいこととみにくいこと。よい事物とわるい事物。 ②容姿のよいこととわるいこと。また、うつくしい人とみにくい人。 び‐しゅう備州‥シウ 備前びぜん・備中びっちゅう・備後びんご国の総称。 ビジューbijou フランス】 宝石。玉飾。 びしゅう‐け尾州家‥シウ‥ 徳川氏三家の一つ。徳川家康の第9子義直を祖とする。尾張・美濃および信濃の一部を領した。石高61万9000石。尾張家。 ⇒び‐しゅう【尾州】 ひじゅう‐けい比重計‥ヂユウ‥ 液体および固体の比重を測定する器具。浮秤・比重瓶・比重秤などの総称。 ⇒ひ‐じゅう【比重】 ひじゅう‐せんこう比重選鉱‥ヂユウ‥クワウ 比重の違いを利用して鉱石を分離すること。→祢古ねこ流し⇒ひ‐じゅう【比重】 ひじゅう‐びん比重瓶‥ヂユウ‥ 主に液体の比重を測定するための瓶。一定容積を精密に取り、その質量をはかる。ピクノメーター。 ⇒ひ‐じゅう【比重】 び‐じゅうもう微絨毛】 細胞表面にある直径0.1マイクロメートル程度の突起。小腸上皮の管腔面のような吸収の盛んな部位などに多く見られる。 びしゅかつま毘首羯磨】 (梵語Viśvakarman)帝釈天たいしゃくてんの臣で種々の細工物を作り、建築をつかさどる天神。毘首。 び‐じゅく糜粥】 ①うすいかゆ。しるかゆ。かゆ。 ②食物が胃の中で消化され粥状となったもの。糜汁びじゅうビシュケクBishkek】 中央アジア、キルギス共和国の首都。天山山脈西部のキルギス山脈の北麓に位置する工業・交通の中心地。人口80万8千(2004)。旧称フルンゼ。1991年改称。 ひ‐じゅつ秘術】 秘して人に表さない術。奥の手。「―を尽くして戦う」 び‐じゅつ美術】 (fine artsの訳語)本来は芸術一般を指すが、現在では絵画・彫刻・書・建築・工芸など造形芸術を意味する。アート。クンスト。 ⇒びじゅつ‐かい【美術界】 ⇒びじゅつ‐かん【美術館】 ⇒びじゅつ‐し【美術史】 ⇒びじゅつ‐ひん【美術品】 びじゅつ‐かい美術界】 美術家の社会。美術家仲間。 ⇒び‐じゅつ【美術】 びじゅつ‐かん美術館‥クワン 美術品を収集・保存・研究・陳列して一般の展覧・研究に資する施設。研究と企画展示のみを行う施設を指すこともある。博物館の一種。 ⇒び‐じゅつ【美術】 びじゅつ‐し美術史】 美術の変遷・展開を調査・研究する学問分野。 ⇒び‐じゅつ【美術】 びじゅつ‐ひん美術品】 美術の作品。 ⇒び‐じゅつ【美術】 ビシュヌViṣṇu 梵⇒ヴィシュヌ ビシュバリクBishbalik・別失八里】 (五城の意)中央アジア、天山北路のオアシス都市。唐の北庭都護府の設けられた所。今のジムサ(Jimusa)地方に当たる。 ヒジュラhijrah アラビア】 (出発・移住の意)西暦622年に、ムハンマドがメッカ市民の迫害からメディナに逃れたこと。この年をイスラム暦の元年とするところから、イスラム暦をヒジュラ暦と呼ぶ。ヘジラ。聖遷。→イスラム暦 びじゅる 沖縄地方で、占い石。うがんじゅ(拝所)に人の座像の石があり、これを持ちあげ、重さの感じで吉凶を占う。八重山諸島では辻に建っている聖石をいう。 ひ‐じゅん批准】 ①臣下の奏上する文書・事柄に対し、君主が可否を決して裁許すること。 ②〔法〕(ratification)全権委員が署名した条約を、当該国家において憲法上条約締結権限を与えられた者が確認し同意すること。 ひ‐しょ飛書】 ①書状をいそいで送ること。また、急ぎの手紙。飛札。 ②匿名の投書。 ひ‐しょ秘所】 ①秘めた所。かくしどころ。 ②あの世。冥土。醒睡笑「そのとし―に行く」 ひ‐しょ秘書】 ①秘して人に見せない書籍。秘本。 ②秘密の文書。また、それを取り扱う人。 ③天子の蔵書。 ④要職にある人などに直属して、これを助け、また機密の文書や用務をつかさどる職。セクレタリー。 ⇒ひしょ‐かん【秘書官】 ⇒ひしょ‐かん【秘書監】 ひ‐しょ避暑】 涼しい地に転地して夏の暑さをさけること。〈[季]夏〉。江談抄「炎暑の時、…―を以て事となす」↔避寒。 ⇒ひしょ‐ち【避暑地】 び‐じょ美女‥ヂヨ 容姿のうつくしい女。 ⇒びじょ‐ざくら【美女桜】 ひ‐しょう卑小‥セウ 取るに足りないこと。ちっぽけなこと。「―な存在」「―な欲に迷う」 ひ‐しょう卑称】 自己または相手の動作・状態をいやしめていうこと。また、その称。「やつがれ」「うぬ」「…しやがる」などの類。 ひ‐しょう飛翔‥シヤウ 空中をとびかけること。 ひ‐しょう婢妾‥セフ 婢と妾。女中やめかけ。召使いの女。 ひ‐しょう悲傷‥シヤウ かなしみいたむこと。かなしくいたましいこと。悲愴ひそうひ‐しょう費消‥セウ 金銭・物品をつかい果たすこと。ついやしなくすこと。消費。「公金―」 ひ‐しょう裨将‥シヤウ (「裨」は、たすける意)大将をたすける将。副将。 ひ‐じょう肥饒‥ゼウ 地味の肥えてゆたかなこと。 ひ‐じょう非常‥ジヤウ ①尋常でないこと。世の常でないこと。異常。 ②平常とは異なる状況や出来事であること。思い設けぬこと。事変。急変。「国家―の際」「―持出しの品」 ③(多く、「―な」「―に」の形で)平凡でないさま。ひととおりでないさま。甚だしいさま。「―な速さ」「―にすぐれた人」 ④〔仏〕無常。 ⑤貴人の死。栄華物語月宴「もし―の事もおはしまさば」 ⇒ひじょう‐かいだん【非常階段】 ⇒ひじょう‐ぐち【非常口】 ⇒ひじょう‐けいかい【非常警戒】 ⇒ひじょう‐けいほう【非常警報】 ⇒ひじょう‐こしゅう【非常呼集】 ⇒ひじょう‐コック【非常コック】 ⇒ひじょう‐じ【非常時】 ⇒ひじょうじたい‐せんげん【非常事態宣言】 ⇒ひじょう‐しゅだん【非常手段】 ⇒ひじょう‐じょうこく【非常上告】 ⇒ひじょう‐しょうしゅう【非常召集】 ⇒ひじょう‐しょく【非常食】 ⇒ひじょう‐せん【非常線】 ⇒ひじょう‐ちょうよう‐けん【非常徴用権】 ⇒ひじょう‐に【非常に】 ⇒ひじょう‐ボタン【非常ボタン】 ひ‐じょう非情‥ジヤウ ①喜怒哀楽の情がないこと。また、人間味や思いやりのないこと。「―な仕打ち」 ②〔仏〕感情を持たないもの。木石ぼくせきの類。無情。↔有情うじょう び‐しょう眉睫‥セフ まゆとまつげ。至って近いところのたとえ。 び‐しょう美称】 物や人を飾ったりほめたりする呼び方。美名。「酒」を「百薬の長」という類。 び‐しょう美粧‥シヤウ 美しくよそおうこと。美しい化粧。 ⇒びしょう‐いん【美粧院】 び‐しょう微小‥セウ きわめて小さいこと。また、そのもの。「―な生物」 ⇒びしょう‐かん【微小管】 ⇒びしょう‐じしん【微小地震】 び‐しょう微少‥セウ きわめて少ないこと。僅少。「―ながら細菌を検出」 び‐しょう微笑‥セウ にっこり笑うこと。ほほえみ。「―を浮かべる」 び‐しょう微晶‥シヤウ 微細な結晶。特に、火山岩の石基に含まれているきわめて微細な結晶。 び‐しょう微傷‥シヤウ 軽微な負傷。すこしのきず。 び‐じょう尾錠‥ヂヤウ (→)「びじょがね」に同じ。 び‐じょう鼻茸⇒はなたけ びしょう‐いん美粧院‥シヤウヰン 美容院。 ⇒び‐しょう【美粧】 ひじょう‐かいだん非常階段‥ジヤウ‥ 火災・地震など非常の場合、避難のために使用する階段。 ⇒ひ‐じょう【非常】 びじょう‐かじょ尾状花序‥ジヤウクワ‥ 総状花序の一つ。クリ・クルミ・ヤナギの類の花序で、花被は発達せず、けものの尾のように長く垂下し、雄花穂は花後は花ごとに散らず花序の元から落ちる。 びしょう‐かん微小管‥セウクワン 細胞内にある蛋白質繊維で、太さ約24ナノメートルの微小な中空の管。球状の蛋白質チューブリンが円筒状に連なって形成される。細胞の運動、形の形成や保持、細胞内の物質輸送に関係する。細胞分裂の際に現れる紡錘体も微小管の集合したもの。微細管。 ⇒び‐しょう【微小】 ひ‐じょうぎ樋定木‥ヂヤウ‥ 細長い溝を彫った定木。〈日葡辞書〉 ひ‐じょうきん非常勤‥ジヤウ‥ 常勤でないこと。「―講師」 ひじょう‐ぐち非常口‥ジヤウ‥ 火災・事故など、非常の場合に避難するために設けた出入口。 ⇒ひ‐じょう【非常】 ひ‐しょうぐん裨将軍‥シヤウ‥ (「裨」は、たすける意)副将軍。副将。裨将。 ひじょう‐けいかい非常警戒‥ジヤウ‥ 重大犯罪などが発生し、またはそれが予期される場合に、犯人の逮捕や警備のため特定地域を特に厳重に警戒すること。 ⇒ひ‐じょう【非常】 ひじょう‐けいほう非常警報‥ジヤウ‥ 非常の場合に危急を知らせる号音または信号。 ⇒ひ‐じょう【非常】 ひじょう‐こしゅう非常呼集‥ジヤウ‥シフ 軍隊で、非常の場合に兵に武装させ集合させること。 ⇒ひ‐じょう【非常】 ひじょう‐コック非常コック‥ジヤウ‥ 電車・バスなどで、非常の際に乗客が自分で非常口やドアのロックをはずす取っ手。 ⇒ひ‐じょう【非常】 ひじょう‐じ非常時‥ジヤウ‥ ①国家的または国際的に重大な危機に面した時。 ②事変のおこった時。 ⇒ひ‐じょう【非常】 ひ‐じょうしき非常識‥ジヤウ‥ 常識にはずれていること。常識のないこと。「―な振舞い」 ひしょう‐じけん非訟事件】 訴訟手続によらずに裁判所によって処理される民事事件。法人の解散・清算の監督、家事審判、民事調停など。訴訟と異なり裁量的な利害の調整を主とする。 びしょう‐じしん微小地震‥セウヂ‥ マグニチュードが3以下の小さい地震。マグニチュードが1以下のものを極微小ごくびしょう地震と呼ぶことがある。 ⇒び‐しょう【微小】 ひじょうじたい‐せんげん非常事態宣言‥ジヤウ‥ 国家非常事態の布告のこと。 ⇒ひ‐じょう【非常】 ひしょう‐しつ非晶質‥シヤウ‥ 結晶質でないもの。物質を構成する原子の配列に規則性のないものをいう。無定形。アモルファス。 ⇒ひしょうしつ‐きんぞく【非晶質金属】 ⇒ひしょうしつ‐はんどうたい【非晶質半導体】 ひしょうしつ‐きんぞく非晶質金属‥シヤウ‥ 構成原子の配列に規則性のない金属。通常の結晶性金属と異なり、耐食性・強度・磁性特性などに優れる。液体状態からの急冷、金属蒸気の低温表面への蒸着などで作る。アモルファス金属。 ⇒ひしょう‐しつ【非晶質】 ひしょうしつ‐はんどうたい非晶質半導体‥シヤウ‥ダウ‥ 構成原子の配列に規則性のない半導体。結晶半導体より性能は劣るが、薄膜作成が容易で安価に製造できる。高効率の太陽電池として多用される非晶質ケイ素の類。アモルファス半導体。 ⇒ひしょう‐しつ【非晶質】 ひじょう‐しゅだん非常手段‥ジヤウ‥ ①非常の場合における臨機の処置。 ②特に、暴力的手段。「―に訴える」 ⇒ひ‐じょう【非常】 び‐しょうじょ美少女‥セウヂヨ 容貌の美しい少女。好色一代女1「いづれを見ても十一二三までの―なるが」 ひじょう‐じょうこく非常上告‥ジヤウジヤウ‥ 刑事訴訟法上、確定判決に対して、もっぱら法令解釈の誤りを是正しその統一を図るために認められた救済手続。申立て権は検事総長のみが有する。 ⇒ひ‐じょう【非常】 ひじょう‐しょうしゅう非常召集‥ジヤウセウシフ 戦時に、予備役軍人を召集すること。 ⇒ひ‐じょう【非常】 ひじょう‐しょく非常食‥ジヤウ‥ 災害など非常時のために準備しておく食料。 ⇒ひ‐じょう【非常】 ひ‐じょうすう被乗数】 掛け算で、かけられる方の数。a×bの場合のひじょう‐せん非常線‥ジヤウ‥ 重大犯罪・火災などが発生したとき、犯人逮捕や警備のために、土地の区域を限定して行う警戒。また、その区域を囲む線。 ⇒ひ‐じょう【非常】 ひじょう‐ちょうよう‐けん非常徴用権‥ジヤウ‥ (jus angariae ラテン)戦時中、緊急の必要がある場合、交戦国が自国の領域または占領地に入ってきた中立国の輸送機関を、一定の賠償を支払って徴用する権利。 ⇒ひ‐じょう【非常】 ひ‐しょうてん被昇天】 (Assumption)聖母マリアが死後、霊肉ともに天の栄光に上げられたというカトリックの教義。1950年決定。祝日は8月15日。 ひじょう‐に非常に‥ジヤウ‥ 〔副〕 はなはだしく。大層。「―小さい」→非常3⇒ひ‐じょう【非常】 ひ‐じょうにんりじこく非常任理事国‥ジヤウ‥ 国連の安全保障理事会を構成する15カ国のうち五つの常任理事国以外の理事国。任期2年、連続の再選は不可。 び‐しょうねん美少年‥セウ‥ 容貌の美しい少年。「紅顔の―」 び‐じょうふ美丈夫‥ヂヤウ‥ 美貌の若者。立派な男。 ひじょう‐ボタン非常ボタン‥ジヤウ‥ 災害・事故などの非常事態を知らせるために押すボタン。 ⇒ひ‐じょう【非常】 ひ‐じょうり非条理‥デウ‥ 道理とは異なる範疇にあるさま。不条理。 びしょう‐りゅう美笑流‥セウリウ 華道の流派の一つ。安永(1772〜1781)以後の生花成立期に藤原正甫が出て活躍。 びじょ‐がね尾錠金ビヂヨ‥ (ビジョウガネの約)鐙あぶみを吊るのに用いた金具。また、チョッキやズボンの背後、または帯革などに取り付け、左右から締め寄せる小金具。締金。力金。尾錠。→鉸具かこ ひしょ‐かん秘書官‥クワン 内閣総理大臣・各省大臣などに直属し、機密の事務をつかさどる公務員。 ⇒ひ‐しょ【秘書】 ひしょ‐かん秘書監】 ①中国の官名。宮中の図書・秘記などをつかさどった。 ②図書頭ずしょのかみの唐名。 ⇒ひ‐しょ【秘書】 ひ‐しょく比色】 色の濃さまたは色調を比較すること。 ⇒ひしょく‐けい【比色計】 ひ‐しょく非職】 ①現職でないこと。また、その人。 ②官吏の地位はそのままで職務だけ免ぜられること。宮崎三昧、指環「去暮中不筋の進物を受たりとの事にて俄かに―を命ぜられ」 ひ‐しょく罷職】 (ハイショクの慣用読み)職をやめること。また、職をやめさせること。 び‐しょく美色】 ①うつくしい色。 ②うつくしい容貌。美人。 び‐しょく美食】 うまい物や贅沢な物をたべること。また、その食物。今昔物語集5「麦、大豆等を以て―として」。「―家」 ひしょく‐けい比色計】 溶液の色の濃さを透過光で比較し、定量分析をする装置。 ⇒ひ‐しょく【比色】 ひしょく‐しゃ被食者】 他種の生物に捕食される生物。生態学の用語。↔捕食者 びじょ‐ざくら美女桜‥ヂヨ‥ クマツヅラ科の観賞用多年草。南アメリカ原産。一年草として栽培。高さ約20センチメートル。葉は長楕円形で先端がとがる。夏、筒状の小さな合弁花を多数散形花序につける。色は白・紅・紫・淡紅など。ハナガサ。バーベナ。 ⇒び‐じょ【美女】 ひ‐じょすう被除数‥ヂヨ‥ 割り算で、割られる方の数。a÷bの場合のひしょ‐ち避暑地】 避暑に適した土地。〈[季]夏〉 ⇒ひ‐しょ【避暑】 ビショップbishop】 ①キリスト教会の高級聖職者。司教。主教。監督。 ②チェスの駒の一つ。斜めに動ける。 ビショップ‐かんビショップ環‥クワン (最初の観測者S. E. Bishop1827〜1909に因む)太陽や月を中心とする赤褐色の大きな光環。火山の爆発などで高層大気に噴きあげられた微細な粒子によって光が回折するために生じる。 びしょ‐ぬれびしょ濡れ】 びしょびしょに濡れること。ずぶぬれ。「雨で―になる」 びしょ‐びしょ ①大量の雨や水が絶え間なく降り注ぐさま。「雨が―と降り続く」 ②大量の水を含んでひどく濡れているさま。 ビジョンvision】 ①視覚。 ②幻影。 ③未来像。将来展望。見通し。「長期的な―」 ひ‐じり】 (「日知り」の意) ①日のように天下の物事を知る人。一説に、日を知る人、天文暦数に長ずる人の意とする。聖人。 ②天皇。万葉集1「橿原の―の御世ゆ」 ③物事にすぐれた人。古今和歌集「歌の―なりける」 ④神仙。仙人。垂仁紀「是の常世の国は神仙ひじりの秘区かくれたるくに」 ⑤清酒の異称。万葉集3「酒の名を―と負おおせし古昔いにしえの大き聖の言ことのよろしさ」→聖人3。 ⑥高徳の僧。源氏物語鈴虫「仏に近き―の身にて」 ⑦官僧以外、一般の僧の称。また、寺院に所属せず、ひとり修行している隠遁僧の称。上人。宇津保物語蔵開中「われは―になりにたれ」。「空也―」 ⑧高野聖こうやひじりの略。 ⑨(その姿が高野聖に似ているから)呉服などを背負った行商人。浮世草子、新著聞集「尭順といふ商ひ―あり」 ⇒ひじり‐あんどん【聖行灯】 ⇒ひじり‐うし【聖牛】 ⇒ひじり‐かた【聖方】 ⇒ひじり‐ごこち【聖心地】 ⇒ひじり‐ごころ【聖心】 ⇒ひじり‐ことば【聖言葉】 ⇒ひじり‐ざま【聖様】 ⇒ひじり‐だ・つ【聖立つ】 ⇒ひじり‐づか【聖柄】 ⇒ひじり‐の‐みよ【聖の御代】 ⇒ひじり‐まど【聖窓】 ⇒ひじり‐め【聖目】 ひ‐じり火尻】 (九州地方で)木尻きじりのこと。 ひじり‐あんどん聖行灯】 (形が高野聖の笈おいに似ているから、また、聖窓にかけるからともいう)近世、遊郭の局見世つぼねみせの格子こうしにかけて看板に代えた掛行灯。ひじりあんどう。 ⇒ひ‐じり【聖】 ひじり‐うし聖牛】 水制すいせいの一種。雑木を棟木のように結び、その間に柵を設け、蛇籠じゃかごを数本並べた装置。せいぎゅう。 大聖牛 ⇒ひ‐じり【聖】 ひじり‐かすりひぢり掠りヒヂリ‥ 盗んだりかすめ取ったりすること。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「まんざら―を食ふやうな女子でもござんせぬ」 ひじり‐かた聖方】 ①平安中期以降、高野山を根拠として、勧進などのため諸国を遍歴した念仏者。高野山を日本の総菩提所としたのはこの聖方の力による。高野三方さんかたの一つ。高野聖。 ②(→)「ひじり」9に同じ。 ⇒ひ‐じり【聖】 ひじり‐こヒヂリ‥ どろ。ひじ。こひじ。法華経玄賛平安中期点「肉をば塗つちヒチリコに当て」 ひじり‐ごこち聖心地(→)「ひじりごころ」に同じ。 ⇒ひ‐じり【聖】 ひじり‐ごころ聖心】 法師のような心。また、出家しようとする心。道心。源氏物語「御―の深くなり行くにつけても」 ⇒ひ‐じり【聖】 ひじり‐ことば聖言葉】 僧の言うことば。僧らしいことば。源氏物語横笛「をかしきふしもなき―」 ⇒ひ‐じり【聖】 ひじり‐ざま聖様】 僧らしい有様。源氏物語橋姫「いと世づかぬ―にて」 ⇒ひ‐じり【聖】 ひじり‐だけ聖岳】 静岡・長野県境、赤石山脈南部の高峰。標高3013メートル。 聖岳 提供:オフィス史朗 ひじり‐だ・つ聖立つ】 〔自四〕 いかにも聖らしい振舞をする。坊主くさく見える。源氏物語若菜上「―・ちこの世離れがほにもあらぬものから」 ⇒ひ‐じり【聖】 ひじり‐づか聖柄】 三鈷柄さんこづかの剣。また、鮫皮さめがわを付けない木地のままの刀の柄ともいう。 ⇒ひ‐じり【聖】 ひじり‐の‐みよ聖の御代】 ①天皇の御世みよを尊んでいう語。聖代。万葉集1「橿原の―ゆ」 ②よく治まった御世。後撰和歌集「―のあとならへとぞ」 ⇒ひ‐じり【聖】 ひじり‐まど聖窓】 遊郭の局見世つぼねみせに設けた一種の窓。出格子でごうしに似てそれより小さく箱形に張り出したもの。 ⇒ひ‐じり【聖】 ひじり‐め聖目⇒せいもく。徒然草「碁盤のすみに石を立ててはじくに…ここなる―を直ぐに弾けば、立てたる石必ず当る」 ⇒ひ‐じり【聖】 ひしりょう‐てい非思量底‥リヤウ‥ 〔仏〕禅宗で、思量にとらわれず、一切の束縛から解き放たれた自在の境地。 ひじ・るヒヂル 〔他四〕 盗む。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「おのりやちよこちよこ腰なもの―・るな」 ひじ・る聖る】 〔自四〕 (「聖ひじり」を活用させた語)聖らしくふるまう。戒律を守り、世俗を絶つ。沙石集4「若うより―・りて侍りしかば」。日葡辞書「ヒジリキッタヒト」 びじ‐れいく美辞麗句】 巧みにうわべを美しく飾った文句。暗に内容や誠意のないことにいう。「―をつらねる」 ひ‐しろ樋代⇒みひしろ(御樋代) ひ‐じろ火代】 (「しろ」は一定の区画のこと。関東・中部地方で)囲炉裏。炉。火焚じろ。 ひし‐ろう皮脂漏(→)脂漏に同じ。 ひ‐じわ陽皺】 〔植〕(ヒシバ(秀芝)の転訛か)オヒシバ・メヒシバの総称。

ひじ‐ほうもん【秘事法門】‥ホフ‥🔗🔉

ひじ‐ほうもん秘事法門‥ホフ‥ 〔仏〕浄土真宗の異安心いあんじんの一種。教義を公開せず、信者にのみその内容を秘密裡に伝えるものをいい、特定の一派を指すわけではない。夜中の秘事、隠密の釈義、十劫秘事、不拝おがまず秘事などともいわれ、江戸時代の土蔵おくら秘事などが有名。

ひ‐しゅう【秘宗】🔗🔉

ひ‐しゅう秘宗】 (秘密宗の意)真言宗の異称。

ひ‐じゅつ【秘術】🔗🔉

ひ‐じゅつ秘術】 秘して人に表さない術。奥の手。「―を尽くして戦う」

ひ‐しょ【秘所】🔗🔉

ひ‐しょ秘所】 ①秘めた所。かくしどころ。 ②あの世。冥土。醒睡笑「そのとし―に行く」

ひ‐しょ【秘書】🔗🔉

ひ‐しょ秘書】 ①秘して人に見せない書籍。秘本。 ②秘密の文書。また、それを取り扱う人。 ③天子の蔵書。 ④要職にある人などに直属して、これを助け、また機密の文書や用務をつかさどる職。セクレタリー。 ⇒ひしょ‐かん【秘書官】 ⇒ひしょ‐かん【秘書監】

ひしょ‐かん【秘書官】‥クワン🔗🔉

ひしょ‐かん秘書官‥クワン 内閣総理大臣・各省大臣などに直属し、機密の事務をつかさどる公務員。 ⇒ひ‐しょ【秘書】

ひしょ‐かん【秘書監】🔗🔉

ひしょ‐かん秘書監】 ①中国の官名。宮中の図書・秘記などをつかさどった。 ②図書頭ずしょのかみの唐名。 ⇒ひ‐しょ【秘書】

ひ‐すう【秘枢】🔗🔉

ひ‐すう秘枢】 秘密で大切なこと。また、その物事。

ひ・する【秘する】🔗🔉

ひ・する秘する】 〔他サ変〕[文]秘す(サ変) 見えないようにかくす。ひめる。秘密にする。平家物語11「余りに―・して子の親方には教へずして」。「特に名を―・す」

ひ‐せき【秘跡・秘蹟】🔗🔉

ひ‐せき秘跡・秘蹟】 〔宗〕カトリック教会におけるサクラメントの訳語。

ひ‐せつ【秘説】🔗🔉

ひ‐せつ秘説】 秘めて人に知らせない説。

ひ‐ぞう【秘蔵】‥ザウ🔗🔉

ひ‐ぞう秘蔵‥ザウ (古くはヒソウ)秘めて大切におさめ持つこと。大切にしてしまっておくこと。また、そのもの。古今著聞集16「ならびなき美女ありけり、兵庫頭仲正なん思ひて―しけり」。「―の品」「―の娘」 ⇒ひぞう‐えぼし【秘蔵烏帽子】 ⇒ひぞう‐っ‐こ【秘蔵っ子】

ひぞう‐えぼし【秘蔵烏帽子】‥ザウ‥🔗🔉

ひぞう‐えぼし秘蔵烏帽子‥ザウ‥ (「えぼし」は「えぼし子」の意)わが子のようにかわいがっている子。浮世床2「寵愛の―が来たわいのう」 ⇒ひ‐ぞう【秘蔵】

ひぞう‐っ‐こ【秘蔵っ子】‥ザウ‥🔗🔉

ひぞう‐っ‐こ秘蔵っ子‥ザウ‥ ⇒ひぞっこ ⇒ひ‐ぞう【秘蔵】

ひぞうほうやく【秘蔵宝鑰】‥ザウ‥🔗🔉

ひぞうほうやく秘蔵宝鑰‥ザウ‥ 空海の著。3巻。830年(天長7)ごろ成る。「十住心論」の内容を簡略化して記したもの。

ひ‐そく【秘色】🔗🔉

ひ‐そく秘色】 ①中国浙江省の越州窯で晩唐・五代に作られた青磁。宇津保物語藤原君「―の坏つき」 ②秘色色ひそくいろの略。 Munsell color system: 5B8/3 ⇒ひそく‐いろ【秘色色】

ひそく‐いろ【秘色色】🔗🔉

ひそく‐いろ秘色色】 ①瑠璃るり色。 Munsell color system: 5B8/3 ②襲かさねの色目。表は瑠璃色、裏は薄色。または表は経たて紫、緯ぬき青の織色で、裏は薄色。 ⇒ひ‐そく【秘色】

ひぞっ‐こ【秘蔵っ子】🔗🔉

ひぞっ‐こ秘蔵っ子】 大事にしている子ども。また、そのようにあつかわれている目下の者。

ひ‐ちゅう【秘中】🔗🔉

ひ‐ちゅう秘中】 秘密にしている物事のうち。 ⇒ひちゅう‐の‐ひ【秘中の秘】

ひちゅう‐の‐ひ【秘中の秘】🔗🔉

ひちゅう‐の‐ひ秘中の秘】 秘密の中でも最も重要な秘密。 ⇒ひ‐ちゅう【秘中】

ひ‐ちょく【秘勅】🔗🔉

ひ‐ちょく秘勅】 秘密に発せられたみことのり。

ひ‐でん【秘伝】🔗🔉

ひ‐でん秘伝】 秘密にして容易に伝えない奥義。「―を授ける」

ひ‐とう【秘湯】‥タウ🔗🔉

ひ‐とう秘湯‥タウ 人にあまり知られていない温泉。

ひ‐とく【秘匿】🔗🔉

ひ‐とく秘匿】 秘密に隠しておくこと。「情報源を―する」

ひ‐ふ【秘府】🔗🔉

ひ‐ふ秘府】 ①貴重なものを納めておくくら。秘庫。 ②朝廷の書物庫。秘閣。「―本」

ひ‐ふ【秘符】🔗🔉

ひ‐ふ秘符(→)護符ごふに同じ。

ひ‐ぶ【秘部】🔗🔉

ひ‐ぶ秘部】 ①秘密の部分。隠された部分。 ②男女の外部生殖器。

ひ‐ふう【秘封】🔗🔉

ひ‐ふう秘封】 他人に見せないよう厳重に封をしておくこと。また、そのもの。

ひ‐ぶつ【秘仏】🔗🔉

ひ‐ぶつ秘仏】 信仰上の理由で、厨子ずしの中などに納めてふだんは人に見せない仏像。「―開扉」

ひふりゃく【秘府略】🔗🔉

ひふりゃく秘府略】 一種の百科全書。831年(天長8)勅を奉じて滋野貞主しげののさだぬしらが撰。中国の群書から関連した記文を引用し部類を立てたもの。引用書は1500種余に及ぶ。平安初期の漢文学隆盛の記念塔ともいうべきもの。1000巻のうち2巻のみ現存。

ひ‐ほう【秘方】‥ハウ🔗🔉

ひ‐ほう秘方‥ハウ 秘密とされている薬物の調合の方法。

ひ‐ほう【秘宝】🔗🔉

ひ‐ほう秘宝】 大切にし、みだりに人に見せない宝。

ひ‐ほう【秘法】‥ハフ🔗🔉

ひ‐ほう秘法‥ハフ 秘密の方法。

ひ‐ほう【秘法】‥ホフ(仏教)🔗🔉

ひ‐ほう秘法‥ホフ 〔仏〕秘密の修法しゅほう。広義には密教の修法のすべてを指すが、狭義には特にその中でもみだりに伝授しないものをいう。

ひ‐ほん【秘本】🔗🔉

ひ‐ほん秘本】 ①大切に所蔵して人に見せない書物。秘蔵本。 ②春本。

ひほんたまくしげ【秘本玉くしげ】🔗🔉

ひほんたまくしげ秘本玉くしげ】 国学書。本居宣長著。2巻。1787年(天明7)成る。和歌山藩主徳川治貞の諮問により、古道の大意を述べ治者の行うべき方策・心がまえを説く。別巻「玉くしげ」は89年(寛政1)刊行。本巻は秘本とされたが1851年(嘉永4)刊行。

ひみつ‐かい【秘密会】‥クワイ🔗🔉

ひみつ‐かい秘密会‥クワイ 傍聴を禁じ、公開されない会議。国会では会議の公開を原則とするが、出席議員の3分の2以上の議決により、秘密会となし得る。 ⇒ひ‐みつ【秘密】

ひみつ‐がいこう【秘密外交】‥グワイカウ🔗🔉

ひみつ‐がいこう秘密外交‥グワイカウ 国民に知らせず、政府当局のみにより秘密に行われる外交。 ⇒ひ‐みつ【秘密】

ひみつ‐かんじょう【秘密灌頂】‥クワンヂヤウ🔗🔉

ひみつ‐かんじょう秘密灌頂‥クワンヂヤウ 〔仏〕 ①真言密教で行う灌頂。 ②最高の灌頂。伝法阿闍梨あじゃり位灌頂を受けた後、さらに能力の優れた者が受ける。 ⇒ひ‐みつ【秘密】

ひみつ‐きょう【秘密教】‥ケウ🔗🔉

ひみつ‐きょう秘密教‥ケウ 〔仏〕 ①天台宗の化儀の四教の一つ。能力の異なる人が一緒に聞いて、それぞれ異なる利益を受けながら、相互にはそれを知らせないような教え。→五時八教。 ②秘密の奥深い教え。密教のこと。 ⇒ひ‐みつ【秘密】

ひみつ‐けっしゃ【秘密結社】🔗🔉

ひみつ‐けっしゃ秘密結社】 入社式を秘儀として行い、共通の目的を遂行するため加入者に一定の守秘義務を課す団体。未開社会における年齢集団的なもののほか、政治的・宗教的な性格のものは未開社会・文明社会を問わず広く見られる。 ⇒ひ‐みつ【秘密】

ひみつ‐じゅ【秘密呪】🔗🔉

ひみつ‐じゅ秘密呪】 真言・陀羅尼の総称。 ⇒ひ‐みつ【秘密】

ひみつ‐しゅっぱん【秘密出版】🔗🔉

ひみつ‐しゅっぱん秘密出版】 非合法な出版物を秘密に刊行すること。また、その出版物。 ⇒ひ‐みつ【秘密】

ひみつ‐せんきょ【秘密選挙】🔗🔉

ひみつ‐せんきょ秘密選挙】 投票を無記名とし、または封緘ふうかんしてその内容を他に知らせない選挙。秘密投票。 ⇒ひ‐みつ【秘密】

ひみつ‐つみたてきん【秘密積立金】🔗🔉

ひみつ‐つみたてきん秘密積立金】 貸借対照表に公表されていない積立金。資産の過小評価、減価償却費や引当金の過大計上などによって生ずる。これにより、企業の実際の財政状態は貸借対照表に示されたものより良好となる。 ⇒ひ‐みつ【秘密】

ひみつほご‐ほう【秘密保護法】‥ハフ🔗🔉

ひみつほご‐ほう秘密保護法‥ハフ 正式名称は「日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法」。相互防衛援助協定(MSA)等に基づき米国から受ける装備品・情報などについて一定の秘密を保護し、その探知・漏泄ろうせつなどを処罰する法律。防衛秘密保護法。1954年制定。 ⇒ひ‐みつ【秘密】

ひみつ‐り【秘密裏・秘密裡】🔗🔉

ひみつ‐り秘密裏・秘密裡】 外の人に知られない状態で。秘密のうち。「―に準備を進める」 ⇒ひ‐みつ【秘密】

ひみつろうじ‐ざい【秘密漏示罪】🔗🔉

ひみつろうじ‐ざい秘密漏示罪】 医師・薬剤師・弁護士・弁護人・公証人・宗教祈祷祭祀の職にある者、またはこれらの職にあった者などが、その業務上取り扱ったことについて知った他人の秘密を漏らす罪。 ⇒ひ‐みつ【秘密】

ひ・む【秘む】🔗🔉

ひ・む秘む】 〔他下二〕 ⇒ひめる(下一)

ひめ‐ごと【秘め事】🔗🔉

ひめ‐ごと秘め事】 ①秘めて人に知らせない事柄。ないしょごと。秘事ひじ。 ②神秘な事柄。

ひめ‐やか【秘めやか】🔗🔉

ひめ‐やか秘めやか】 ひっそりと内に秘めたさま。ひそかで人に知られないさま。「―な恋」

ひ・める【秘める】🔗🔉

ひ・める秘める】 〔他下一〕[文]ひ・む(下二) 隠して人に示さないようにする。外から見えないようにして内部に持つ。源氏物語絵合「いといたく―・めて」。「心に―・める」「可能性を―・める」

ひ‐もん【秘文】🔗🔉

ひ‐もん秘文】 秘密の呪文。

ひ‐もん【秘紋】🔗🔉

ひ‐もん秘紋(→)「隠し紋」に同じ。

ひ‐やく【秘薬】🔗🔉

ひ‐やく秘薬】 秘めて他に知らせない薬。秘方の薬。秘伝の薬。

ひ‐やく【秘鑰】🔗🔉

ひ‐やく秘鑰】 ①秘密のかぎ。 ②秘密を明らかにする手段。

ひ‐よう【秘要】‥エウ🔗🔉

ひ‐よう秘要‥エウ おくのて。奥義。秘訣。

ひ‐ろく【秘録】🔗🔉

ひ‐ろく秘録】 秘密にされている記録。

ひ‐わ【秘話】🔗🔉

ひ‐わ秘話】 包み隠されて、世に知られていない話。「終戦―」

ペルー【Peru・秘露】🔗🔉

ペルーPeru・秘露】 南米北西部、太平洋岸の共和国。もとインカ帝国の地。1532年スペインが征服。1821年独立。国土は山岳地帯・海岸砂漠地帯・森林地帯に大別され、面積128万5000平方キロメートル。住民はメスティーソと先住民が多く、主要言語はスペイン語とケチュア語。人口2755万(2004)。首都リマ。→南アメリカ(図) リマ 撮影:田沼武能

[漢]秘🔗🔉

 字形  筆順 〔禾部5画/10画/教育/4075・486B〕 [祕] 字形 〔示部5画/10画/6716・6330〕 〔音〕(呉)(漢) 〔訓〕める [意味] ①人に知らせないようにする。かくす。ひめる。「秘中の秘」「胸中に秘して語らない」「秘密・秘伝・極秘ごくひ・部外秘」 ②人知でははかり知れない。「神秘」 ③通じがわるい。「秘結・便秘」 [解字] 形声。「示」(=かみ)+音符「必」(=閉じる)。入り口をぴたっと閉めて、神の事のように中がわからないようにする意。「秘」は、「示」を「禾」に誤った俗字。 [下ツキ 奥秘・厳秘・極秘・神秘・便秘・黙秘 [難読] 秘露ペルー

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