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かく‐なわ【結果・香菓泡】🔗🔉

かく‐なわ結果・香菓泡】 (カクノアワの約) ①ひもを結んだような曲がりくねった形にした、昔の揚げ菓子。材料不明。江家次第10「唐菓子二杯、―一杯」 ②1のように曲がりくねり交錯するさま。古今和歌集雑体「―に思ひ乱れて」 ③刀をふり回し、交錯させて使うこと。平家物語4「蜘蛛手、―、十文字…八方すかさず斬つたりけり」

かく‐の‐あわ【結果・香菓泡】🔗🔉

かく‐の‐あわ結果・香菓泡(→)「かくなわ」1に同じ。〈倭名類聚鈔16

かた・ぬ【結ぬ】🔗🔉

かた・ぬ結ぬ】 〔他下二〕 結び束ねる。ひとまとめにする。万葉集18「年の内のこと―・ね持ち」

けかい‐な・し【結解無し】🔗🔉

けかい‐な・し結解無し】 〔形ク〕 きまりがつかない。はかどらない。しまりがなくてだらしがない。安斎随筆「結解なしをけかいなしとよむ」

けち【結】🔗🔉

けち】 (呉音) ①競技の相手を定めて弓を射、勝負を決すること。また、その時。 ②囲碁で、終局に近づき、駄目を詰めよせること。また、その目。闕けち。源氏物語空蝉「碁打ちはてて―さすわたり、心とげに見えて」 →けつ(結)

けち‐えん【結縁】🔗🔉

けち‐えん結縁】 〔仏〕 ①仏道に入る縁を結ぶこと。成仏・得道の因縁を結ぶこと。源氏物語鈴虫「これをだにこの世の―にて」 ②関係がつくこと。縁故を結ぶこと。 ⇒けちえん‐かんじょう【結縁灌頂】 ⇒けちえん‐ぎょう【結縁経】 ⇒けちえん‐はっこう【結縁八講】

けちえん‐かんじょう【結縁灌頂】‥クワンヂヤウ🔗🔉

けちえん‐かんじょう結縁灌頂‥クワンヂヤウ 密教で、広く一般の人に仏縁を結ばせるために行う灌頂。信者に花を曼荼羅まんだら上に投げさせ、当たった諸尊を宿縁あるものとして、その秘法を授ける。↔伝法灌頂。 ⇒けち‐えん【結縁】

けちえん‐ぎょう【結縁経】‥ギヤウ🔗🔉

けちえん‐ぎょう結縁経‥ギヤウ 結縁のために人々が集まって経文を書写し供養すること。古今著聞集2「使庁の―を再興の事」 ⇒けち‐えん【結縁】

けちえん‐はっこう【結縁八講】‥カウ🔗🔉

けちえん‐はっこう結縁八講‥カウ 結縁のために俗人が僧を請じて行う法華八講。 ⇒けち‐えん【結縁】

けち‐がん【結願】‥グワン🔗🔉

けち‐がん結願‥グワン 〔仏〕日を定めて催した法会・修法の終了すること。また、その日。けつがん。源氏物語賢木「果ての日は我が御事を―にて、世をそむき給ふ由仏に申させ給ふに」↔開白かいびゃく⇒けちがん‐にち【結願日】

けちがん‐にち【結願日】‥グワン‥🔗🔉

けちがん‐にち結願日‥グワン‥ 結願にあたる日。 ⇒けち‐がん【結願】

けつ【結】🔗🔉

けつ】 (呉音はケチ) ①しめくくること。おわり。むすび。 ②漢詩で、結句の略。「起承転―」 ③〔仏〕有情うじょうを結縛して生死の苦から出ることができないようにする意。煩悩ぼんのうの異称。

けつ‐いん【結印】🔗🔉

けつ‐いん結印】 〔仏〕手に印いんを結ぶこと。

けつ‐えん【結縁】🔗🔉

けつ‐えん結縁⇒けちえん

けっ‐か【結果】‥クワ🔗🔉

けっ‐か結果‥クワ ①実を結ぶこと。結んだ実。結実。 ②(effect)原因によって生み出されたもの。また、ある行為によって生じたもの。その生み出された状態。副詞的にも用いる。「実験の―」「よい―をもたらす」「話し合いの―解決する」↔原因。 ⇒けっか‐オーライ【結果オーライ】 ⇒けっか‐し【結果枝】 ⇒けっか‐せきにん【結果責任】 ⇒けっか‐せつ【結果説】 ⇒けっか‐てき【結果的】 ⇒けっかてき‐かじゅうはん【結果的加重犯】 ⇒けっか‐の‐びょうどう【結果の平等】 ⇒けっか‐はん【結果犯】 ⇒けっか‐ろん【結果論】

けっ‐かい【結改】🔗🔉

けっ‐かい結改】 ①陰暦5月・9月の25日に行われた楊弓の競技。 ②楊弓で、賭弓のりゆみなどの時すでに定まった組の順番を再び籤くじにより改めること。

けっ‐かい【結界】🔗🔉

けっ‐かい結界】 ①〔仏〕修行や修法のために一定区域を限ること。また、その区域に仏道修行の障害となるものの入ることを許さないこと。「女人―」 ②寺院の内陣と外陣との間、または外陣中に僧俗の座席を分かつために設けた木柵。 ③帳場格子。 ⇒けっかい‐ち【結界地】

けっかい‐ち【結界地】🔗🔉

けっかい‐ち結界地】 〔仏〕修行の妨げとなる者の入ることを許さない地域。昔、高野山・比叡山などの女人登山禁制地。 ⇒けっ‐かい【結界】

けっか‐オーライ【結果オーライ】‥クワ‥🔗🔉

けっか‐オーライ結果オーライ‥クワ‥ 過程はどうであれ、結果がよければ全体をよしとすること。 ⇒けっ‐か【結果】

けっ‐かく【結核】🔗🔉

けっ‐かく結核】 ①〔医〕(Tuberkel ドイツ) ㋐結核菌によって起こされた小さな結節状の病変。 ㋑結核症または肺結核の略。 ②〔地〕(concretion)堆積岩や土壌中に見られる瘤状または不規則な団塊で周囲より硬いもの。炭酸カルシウムやケイ酸などが化石その他を核として沈殿してできる。酸化鉄や酸化マンガンの塊が土壌中に見られるものも指す。 ⇒けっかく‐きん【結核菌】 ⇒けっかく‐しょう【結核症】 ⇒けっかく‐よぼう‐ほう【結核予防法】

けっかく‐きん【結核菌】🔗🔉

けっかく‐きん結核菌】 (Mycobacterium tuberculosis ラテン)結核症の病原体。グラム陽性の細長い桿菌。抗酸菌。種々の菌型のうちヒト型とウシ型が人の結核症を起こす。1882年コッホが発見。 ⇒けっ‐かく【結核】

けっかく‐しょう【結核症】‥シヤウ🔗🔉

けっかく‐しょう結核症‥シヤウ (Tuberkulose ドイツ)結核菌の感染によって起こる慢性感染症。侵入門戸は大多数が肺。肺・腸・腎臓などの種々の臓器や骨・関節・皮膚などを侵し、また結核性の脳脊髄膜炎・胸膜炎・腹膜炎などを起こす。 ⇒けっ‐かく【結核】

けっかく‐よぼう‐ほう【結核予防法】‥バウハフ🔗🔉

けっかく‐よぼう‐ほう結核予防法‥バウハフ 伝染の危険がある肺結核または喉頭結核の予防を規定した法律。定期診断・BCG接種・患者届出・療養所収容・医療費公費負担などを規定。1919年(大正8)制定、51年全面改正、2007年廃止。 ⇒けっ‐かく【結核】

けっか‐し【結果枝】‥クワ‥🔗🔉

けっか‐し結果枝‥クワ‥ 果樹で、花芽をつけそれに果実のなる枝。 ⇒けっ‐か【結果】

けっか‐せきにん【結果責任】‥クワ‥🔗🔉

けっか‐せきにん結果責任‥クワ‥ 故意・過失にかかわりなく、結果に対して負う責任。 ⇒けっ‐か【結果】

けっか‐せつ【結果説】‥クワ‥🔗🔉

けっか‐せつ結果説‥クワ‥ 〔倫〕行為の結果を道徳的評価の対象とする説。動機の如何を問わず、その結果を問題とするものと、偶然を排し動機と関連する志向的結果だけを対象とするものとがある。↔動機説。 ⇒けっ‐か【結果】

けっか‐てき【結果的】‥クワ‥🔗🔉

けっか‐てき結果的‥クワ‥ 目的や経過などは無視して、結果のみから判断するさま。「―にはうまく行った」 ⇒けっ‐か【結果】

けっかてき‐かじゅうはん【結果的加重犯】‥クワ‥ヂユウ‥🔗🔉

けっかてき‐かじゅうはん結果的加重犯‥クワ‥ヂユウ‥ 犯罪行為がさらに重い結果を発生させた場合、それによって刑が加重される犯罪。例えば、傷害罪を犯した結果被害者が死亡すれば傷害致死罪として加重処罰される。けっかてきかちょうはん。 ⇒けっ‐か【結果】

けっか‐の‐びょうどう【結果の平等】‥クワ‥ビヤウ‥🔗🔉

けっか‐の‐びょうどう結果の平等‥クワ‥ビヤウ‥ 結果が平等で、著しい格差がないこと。機会の平等に対置される理念。 ⇒けっ‐か【結果】

けっか‐はん【結果犯】‥クワ‥🔗🔉

けっか‐はん結果犯‥クワ‥ 犯罪の構成要件上、行為のほかに一定の外部的結果の発生を必要とする犯罪。殺人罪・窃盗罪の類。↔挙動犯。 ⇒けっ‐か【結果】

けっか‐ろん【結果論】‥クワ‥🔗🔉

けっか‐ろん結果論‥クワ‥ 原因や経過を無視して、ただ結果だけを見てする議論。 ⇒けっ‐か【結果】

けっ‐かん【結巻】‥クワン🔗🔉

けっ‐かん結巻‥クワン 経典や書物の最終の巻。

けつ‐がん【結願】‥グワン🔗🔉

けつ‐がん結願‥グワン ⇒けちがん。日葡辞書「ケッグヮンジャウジュスル」

けつ‐げ【結夏】🔗🔉

けつ‐げ結夏】 〔仏〕 ①夏安居げあんごを始めること。入安居。結制。 ②夏安居の初日、すなわち陰暦4月16日。〈[季]夏〉

けつ‐げ【結解】🔗🔉

けつ‐げ結解】 ①〔仏〕煩悩の束縛(結)と、束縛から脱すること(解)。 ②古代から中世において、決算・勘定の意味。特に荘園の年貢・公事などの1年の収支決算を指して多く用いられた。けちげ。けっけ。げげ。御成敗式目「―を遂げ勘定を請くべし」 ③当道座で、会計をつかさどる検校。

けっ・す【結す】🔗🔉

けっ・す結す】 [一]〔自サ変〕 便秘する。秘結する。犬子集えのこしゅう「―・したる身に薬をや呑ますらん」 [二]〔他サ変〕 むすぶ。結論する。源平盛衰記39「上人―・して曰く」

す・く【結く】🔗🔉

す・く結く】 〔他四〕 網を編む。夫木和歌抄33「いせしまや蜑あまのたはれに―・く網のめならぶ人もなほぞ恋しき」

むすば・る【結ばる】🔗🔉

むすば・る結ばる】 〔自四〕 ①結んだようになって解けにくくなる。閉じられる。 ②結びつきができる。人とのつながりが生じる。尾崎紅葉、不言不語「かねて此の世は果敢なきものに諦めたれば、此縁の―・らぬも縁なり」

むすば・れる【結ばれる】🔗🔉

むすば・れる結ばれる】 〔自下一〕 人と人とが親しい関係になる。特に、男女が結婚する。「神前で―・れる」

むすばわ・る【結ばはる】ムスバハル🔗🔉

むすばわ・る結ばはるムスバハル 〔自下二〕 (→)「むすぼおる」に同じ。むすぼれる。

むすび‐あわ・せる【結び合わせる】‥アハセル🔗🔉

むすび‐あわ・せる結び合わせる‥アハセル 〔他下一〕 二つの物を結びつけて一つに続ける。また、物事を関係づける。「二つの話を―・せる」

むすび‐がみ【結び髪】🔗🔉

むすび‐がみ結び髪】 髪をとり分けて鬢びん・髱たぼをつくらない女の髪。また、ただぐるぐると巻きつけた女の髪。 ⇒むすび【結び】

むすび‐かりがね【結雁金・結雁】🔗🔉

むすび‐かりがね結雁金・結雁】 紋所の名。雁の両翼のもとを交えて結んだ形。→雁金(図)⇒むすび【結び】

むすび‐き【結び木】🔗🔉

むすび‐き結び木】 山境のしるしに、生えている木を曲げ結んでおくこと。また、そのもの。捻木ねじりぎ⇒むすび【結び】

むすび‐きり【結び切り】🔗🔉

むすび‐きり結び切り】 ①紐ひもなどを結んだままにしてほどかないこと。 ②紐などをこまむすびにすること。 ③水引などを飾りむすびにせずに、こまむすびにすること。 ⇒むすび【結び】

むすび‐こんぶ【結び昆布】🔗🔉

むすび‐こんぶ結び昆布】 昆布を小さく結んだもの。福茶・雑煮などに入れる。むすびこぶ。〈[季]新年〉 ⇒むすび【結び】

むすび‐さより【結び針魚】🔗🔉

むすび‐さより結び針魚】 骨を除いたサヨリを結んだもの。茶碗盛りなどに入れる。 ⇒むすび【結び】

むすび‐じょう【結び状】‥ジヤウ🔗🔉

むすび‐じょう結び状‥ジヤウ 巻きたたんで端を折り結んだ書状。封に墨を引く。古く、艶書、のちに表向きの儀礼にも用いた。むすびぶみ。 ⇒むすび【結び】

むすび‐たま【結び玉】🔗🔉

むすび‐たま結び玉】 縄・紐などの結び合わせた部分にできるかたまり。 ⇒むすび【結び】

むすび‐つき【結び付き】🔗🔉

むすび‐つき結び付き】 結びつくこと。二つのものの密接な関係。つながり。「政界と財界の―」 ⇒むすび【結び】

むすび‐つ・く【結び付く】🔗🔉

むすび‐つ・く結び付く】 [一]〔自五〕 ①結んで一つになる。からまりつく。「顔と名前がなかなか―・かない」 ②心を合わせて一つになる。密接なつながりが生ずる。「友情で―・く」「犯人に―・く証拠」 [二]〔他下二〕 ⇒むすびつける(下一)

むすび‐づくえ【結び机】🔗🔉

むすび‐づくえ結び机】 木の枝を並べ、紙縒こよりで所々を結び、神饌などを供える机としたもの。 ⇒むすび【結び】

むすび‐つ・ける【結び付ける】🔗🔉

むすび‐つ・ける結び付ける】 〔他下一〕[文]むすびつ・く(下二) ①ゆわえつける。縛りつける。「旗をさおに―・ける」 ②関係づける。「噴火と地震を―・けて考える」

むすび‐とうだい【結び灯台】🔗🔉

むすび‐とうだい結び灯台】 細く丸い3本の木を緒で結び合わせ、その上下を拡げ、上に油皿を置いて点火するもの。宮中で夜間公事くじを行う時などに用いた。竹の灯ともしび⇒むすび【結び】

むすび‐とじ【結び綴じ】‥トヂ🔗🔉

むすび‐とじ結び綴じ‥トヂ (→)「大和綴じ」に同じ。 ⇒むすび【結び】

むすび‐とめ【結び留め】🔗🔉

むすび‐とめ結び留め】 結び目をつくること。結節。 ⇒むすび【結び】

むすび‐と・める【結び留める】🔗🔉

むすび‐と・める結び留める】 〔他下一〕[文]むすびと・む(下二) 結びつけて離れないようにする。

むすび‐の‐かみ【結びの神】🔗🔉

むすび‐の‐かみ結びの神】 縁結びの神。→むすぶのかみ⇒むすび【結び】

むすび‐ばな【結び花】🔗🔉

むすび‐ばな結び花】 糸で花の形を結び作ったもの。衣服・調度などの装飾に用いた。後には、薄い板に練りぐり糸を糊で貼り、それをきって花葉を作ることもあった。 ⇒むすび【結び】

むすび‐ひも【結び紐】🔗🔉

むすび‐ひも結び紐】 結び合わせてつくった紐。また、衣服などに結ぶために付けた紐。 ⇒むすび【結び】

むすび‐ぶくろ【結び袋】🔗🔉

むすび‐ぶくろ結び袋】 糸で編んだ袋。一説に、口をひもで閉じる袋とも。すきぶくろ。栄華物語本雫「みな―にて造り枝につけて、蔵人二人持たり」 ⇒むすび【結び】

むすび‐ぶみ【結び文】🔗🔉

むすび‐ぶみ結び文(→)「結び状」に同じ。 ⇒むすび【結び】

むすび‐まつ【結び松】🔗🔉

むすび‐まつ結び松】 願をかけたり誓いを立てたりしたしるしに、松の小枝を結ぶこと。また、その松。万葉集2「磐代の野中に立てる―心も解けず古おもほゆ」 ⇒むすび【結び】

むすび‐め【結び目】🔗🔉

むすび‐め結び目】 結び合わせた所。ゆいめ。 ⇒むすび【結び】

むす・ぶ【結ぶ】🔗🔉

むす・ぶ結ぶ】 [一]〔他五〕 (ムスは生成する意のムス(産)か)しっかりとまとまった形のあるものにする意。 ①糸や紐ひもなどの端を組んで、ゆわえる。また、結び目をつくる。万葉集18「白珠の五百つ集ひを手に―・び」。万葉集20「初秋風涼しき夕解かむとそ紐は―・びし妹に会はむため」。枕草子95「かしこう縫ひつと思ふに、針をひき抜きつれば、はやくしりを―・ばざりけり」。「ネクタイを―・ぶ」 ②離れているものをつなぎとめる。二つ以上のものをつなぐ。源氏物語「嘆きわび空に乱るる我が魂を―・びとどめよしたがひの妻」。「2点を―・ぶ直線」 ③生命の安全や多幸を祈る呪術として木の枝や草を組み合わす。万葉集2「磐白の浜松が枝をひき―・びまさきくあらばまたかへりみむ」 ④契りを交わす。固く約束する。万葉集3「根深めて―・びし心忘れかねつも」。日葡辞書「エンヲムスブ、また、エンペン(縁辺)ヲムスブ」。「同盟を―・ぶ」 ⑤結束する。徒党を組む。結託する。平家物語10「東夷北狄党を―・び群をなして入洛のあひだ」。「手を―・ぶ」「権力者と―・んで事を構える」 ⑥編みつくる。構えつくる。落窪物語4「黄金して、透箱を衣箱の大きさにして毯たんの組して―・べるに」。方丈記「三十あまりにして…一の庵を―・ぶ」。古今著聞集2「初めは密印を―・び、後には法華経を誦す」 ⑦(「掬ぶ」と書く)手のひらを組んで水をすくい飲む。古今和歌集「―・ぶ手の雫に濁る山の井の」 ⑧形をなす。また、結実する。源氏物語明石「旅衣うら悲しさにあかしかね草の枕は夢も―・ばず」。大鏡後一条「根をおほしてつくろひおほしたてつればこそ、枝もしげりて、木の実をも―・べや」。「努力が実を―・ぶ」 ⑨握り飯をつくる。「二つほど大きく―・んでくれ」 ⑩固く閉じる。「口をへの字に―・ぶ」「―・んで開いて」 ⑪終りとする。とどめとする。「論を―・ぶ」 ⑫句末や文末の活用語の語尾の変化を、上の係りの語に応じた形とする。「『こそ』は已然形で―・ぶ」 [二]〔自五〕 ①露・氷などが凝る。かたまる。また、結実する。和泉式部日記「露―・ぶ道のまにまに朝ぼらけ濡れてぞ来つる手枕のそで」。「実が―・ぶ」 ②気がふさぐ。今昔物語集2「かかる片輪者なれば、いかがすべきと嘆き―・ぶに」

むすぼお・る【結ぼほる】ムスボホル🔗🔉

むすぼお・る結ぼほるムスボホル 〔自下二〕 (→)「むすぼれる」に同じ。拾遺和歌集「春くれば柳の糸もとけにけり―・れたる我がこころかな」

むすぼ・る【結ぼる】🔗🔉

むすぼ・る結ぼる】 〔自下二〕 ⇒むすぼれる(下一)

むすぼれ‐ごころ【結ぼれ心】🔗🔉

むすぼれ‐ごころ結ぼれ心】 晴ればれしない心。

むすぼ・れる【結ぼれる】🔗🔉

むすぼ・れる結ぼれる】 〔自下一〕[文]むすぼ・る(下二) ①むすばれて解けにくくなる。 ②露などがおく。凝る。かたまる。 ③気がふさいで晴ればれしない。ふさぐ。万葉集18「懇ねもころに思ひ―・れ嘆きつつ」 ④関係がある。縁つづきである。曾我物語5「武蔵・相模にはこの殿ばらの一門ならぬ者や候。かく申す義盛も―・るるは知り給はずや」

ゆい【結い】ユヒ🔗🔉

ゆい結いユヒ ①結うこと。源氏物語若菜上「御腰―」 ②標しめを結うこと。万葉集3「その山に標結ひ立てて―の恥しつ」 ③田植などの時に互いに力を貸し合うこと。また、その人。てまがえ。堀河百首「明日はただ―も傭はで」 ④銭を数える語。100文を1結とした。

ゆい‐あ・げる【結い上げる】ユヒ‥🔗🔉

ゆい‐あ・げる結い上げるユヒ‥ 〔他下一〕[文]ゆひあ・ぐ(下二) ①結んで上へあげる。 ②結び終える。髪などを結い整った形にし上げる。

ゆい‐お【結い緒】ユヒヲ🔗🔉

ゆい‐お結い緒ユヒヲ 結んだ緒。結ぶのに用いる緒。ゆいひも。宇津保物語吹上下「―には緂だんの組して結ひて」

ゆい‐おけ【結桶】ユヒヲケ🔗🔉

ゆい‐おけ結桶ユヒヲケ 桶にたがをかけること。また、その桶。天正十八年刊本節用集「―師」

ゆい‐がしら【結い頭】ユヒ‥🔗🔉

ゆい‐がしら結い頭ユヒ‥ はちまき。義経記5「揉もみ烏帽子に―して」

ゆい‐かた・む【結ひ固む】ユヒ‥🔗🔉

ゆい‐かた・む結ひ固むユヒ‥ 〔他下二〕 しばって固くする。固く結ぶ。祝詞、祈年祭「荷の緒―・めて」

ゆい‐がみ【結い髪】ユヒ‥🔗🔉

ゆい‐がみ結い髪ユヒ‥ 結い上げた頭髪。

ゆい‐から・げる【結い紮げる】ユヒ‥🔗🔉

ゆい‐から・げる結い紮げるユヒ‥ 〔他下一〕[文]ゆひから・ぐ(下二) 結んでからげつける。

ゆい‐から・む【結ひ搦む】ユヒ‥🔗🔉

ゆい‐から・む結ひ搦むユヒ‥ 〔他下二〕 縛りからめる。縛りあげる。宇治拾遺物語8「首かしなどいふ物をはげられて―・められて」

ゆい‐ぐら【結鞍】ユヒ‥🔗🔉

ゆい‐ぐら結鞍ユヒ‥ 小荷駄こにだ用の荷鞍。荷物を結びつけるので結び鞍ともいう。宇津保物語吹上上「白金の馬に沈じんの―おきて」

ゆい‐こ・む【結ひ籠む】ユヒ‥🔗🔉

ゆい‐こ・む結ひ籠むユヒ‥ 〔他下二〕 結んで中へ入れる。中へ入れて結ぶ。宇津保物語蔵開上「同じき裳一かさね―・め給へり」

ゆい‐こめ【結い籠め】ユヒ‥🔗🔉

ゆい‐こめ結い籠めユヒ‥ 結んで中へ入れること。また、中へ入れて結んだもの。宇津保物語楼上上「たけ五尺なる裳を―にきせ給ひて」

ゆい‐ぞめ【結い初め】ユヒ‥🔗🔉

ゆい‐ぞめ結い初めユヒ‥ 新年になって初めて髪を結うこと。初結。〈[季]新年〉

ゆい‐つ・ける【結い付ける】ユヒ‥🔗🔉

ゆい‐つ・ける結い付けるユヒ‥ 〔他下一〕[文]ゆひつ・く(下二) ①結んで付ける。結びつける。縛りつける。大唐西域記院政期点「乃ち懐はらに木盂ぼくうを繋ユヒツケて」 ②(髪などを)結いなれる。

ゆい‐はた【結機】ユヒ‥🔗🔉

ゆい‐はた結機ユヒ‥ ⇒ゆはた(纈)。万葉集16「―の袖つけ衣着し我を」

ゆい‐ひも【結い紐】ユヒ‥🔗🔉

ゆい‐ひも結い紐ユヒ‥ 結んだ紐。結ぶための紐。ゆいお。

ゆい‐め【結い目】ユヒ‥🔗🔉

ゆい‐め結い目ユヒ‥ 結んだところ。結び目。

ゆ・う【結う】ユフ🔗🔉

ゆ・う結うユフ 〔他五〕 ばらばらになっているものをまとめて一つの形に組み立てる意。 ①むすぶ。しばる。くくる。(古く、物を結ぶことによって、他のものが入りこんだり手をつけたりすることを禁じた)万葉集20「大君の見しし野辺には標しめ―・ふべしも」。万葉集15「独りのみきぬる衣の紐解かば誰かも―・はむ家遠くして」。枕草子151「衣長にてたすき―・ひたるが這ひ出でたるも」。平家物語12「足を―・へとぞ下知しける」 ②髪を結ぶ。万葉集11「肥人こまひとの額髪ぬかがみ―・へるしめ木綿ゆうの染みにし心われ忘れめや」。源氏物語桐壺「みづら―・ひ給へるつらつき」。「高島田に―・う」 ③結び構える。組み立てる。万葉集19「鳥座とくら―・ひすゑてそ我が飼ふ真白斑ましらふの鷹」。日葡辞書「ヲケ(桶)ヲユウ」。「生垣を―・いめぐらす」 ④つくろい縫う。糸などでつづる。枕草子90「几帳どもの綻び―・ひつつ」

ゆう‐はた【結機】ユフ‥🔗🔉

ゆう‐はた結機ユフ‥ (→)「ゆいはた」に同じ。→ゆはた

ゆす・う【結ふ】ユスフ🔗🔉

ゆす・う結ふユスフ 〔他四〕 (上代東国方言)むすぶ。万葉集20「―・ひし紐の解くらく思へば」

ゆわ・う【結はふ】ユハフ🔗🔉

ゆわ・う結はふユハフ [一]〔他四〕 (ユフに接尾語フが付いた語)むすぶ。ゆう。しばる。ゆわえる。白氏文集天永点「面しりえでに縛ユハハれて」 [二]〔他下二〕 ⇒ゆわえる(下一)

ゆわえ‐つ・ける【結わえ付ける】ユハヘ‥🔗🔉

ゆわえ‐つ・ける結わえ付けるユハヘ‥ 〔他下一〕[文]ゆはへつ・く(下二) むすびつける。ゆわいつける。

ゆわ・える【結わえる】ユハヘル🔗🔉

ゆわ・える結わえるユハヘル 〔他下一〕[文]ゆは・ふ(下二) (ひもなどを)むすぶ。しばる。ゆう。〈書言字考節用集〉

ゆわ・く【結わく】ユハク🔗🔉

ゆわ・く結わくユハク 〔他五〕 ゆわえる。 ○湯を立てるゆをたてる ①風呂をわかす。 ②湯立ゆだてをする。 ⇒ゆ【湯】 ○湯を使うゆをつかう 風呂に入る。湯あみする。 ⇒ゆ【湯】 ○湯を引くゆをひく 湯を使う。入浴する。平治物語「御湯引かせ給へとて湯殿へすかし入れ奉りて」 ⇒ゆ【湯】 ○湯を沸かして水にするゆをわかしてみずにする 折角の骨折りをむだにすることのたとえ。「湯を沸かして水に入れる」とも。 ⇒ゆ【湯】

[漢]結🔗🔉

 字形  筆順 〔糸部6画/12画/教育/2375・376B〕 〔音〕ケツ(漢) ケチ(呉) 〔訓〕むすぶ・う・わえる [意味] ①(糸すじを)一つにたばねる。ゆわえる。ゆう。「結束・結縄けつじょう・結髪・連結」 ②かたくくくる。ばらばらの状態から一つにまとめる・まとまる。「結氷・結合・結成・結婚・結縁けちえん・凍結・凝結・団結」。でき上がった形にする・なる。「結実・結果」 ③しめくくりをつける。終わりになる。むすび。「結語・結末・結願けちがん・終結・起承転結」 [解字] 形声。「糸」+音符「吉」(=容器の口をきっちりしめる)。糸やひもで袋状の容器の口をしっかりとしばる意。 [下ツキ 鬱結・完結・帰結・起承転結・凝結・終結・集結・増結・妥結・団結・直結・締結・凍結・秘結・氷結・連結・論結 [難読] 結納ゆいのう・結城紬ゆうきつむぎ

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