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いき【行き・往き】🔗🔉

いき行き・往き(→)「ゆき」に同じ。

いき‐あ・う【行き合う・行き逢う】‥アフ🔗🔉

いき‐あ・う行き合う・行き逢う‥アフ 〔自五〕 (→)「ゆきあう」に同じ。伊勢物語「狩りしありきけるに―・ひて」

いき‐う・す【行き失す】🔗🔉

いき‐う・す行き失す】 〔自下二〕 (→)「ゆきうす」に同じ。能因本枕草子御前に人々あまた「いづちもいづちも―・せなばやと思ふに」

いき‐かえり【行き帰り・往き還り】‥カヘリ🔗🔉

いき‐かえり行き帰り・往き還り‥カヘリ (→)「ゆきかえり」に同じ。

いき‐がかり【行き掛り】🔗🔉

いき‐がかり行き掛り(→)「ゆきがかり」に同じ。 ○息が切れるいきがきれる ①息ぎれがする。転じて、ものごとに長く堪えられない。 ②息がとまる。死ぬ。 ⇒いき【息】

いき‐かく・る【行き隠る】🔗🔉

いき‐かく・る行き隠る】 〔自下二〕 (→)「ゆきかくる」に同じ。

いき‐がけ【行き掛け】🔗🔉

いき‐がけ行き掛け(→)「ゆきがけ」に同じ。

いき‐かよ・う【行き通う】‥カヨフ🔗🔉

いき‐かよ・う行き通う‥カヨフ 〔自五〕 (→)「ゆきかよう」に同じ。伊勢物語「何のよき事と思ひて―・ひければ」

いき‐しな【行きしな】🔗🔉

いき‐しな行きしな(→)「ゆきしな」に同じ。

いき‐す・ぎる【行き過ぎる】🔗🔉

いき‐す・ぎる行き過ぎる】 〔自上一〕[文]いきす・ぐ(上二) (→)「ゆきすぎる」に同じ。

いき‐ちがい【行き違い】‥チガヒ🔗🔉

いき‐ちがい行き違い‥チガヒ (→)「ゆきちがい」に同じ。

いき‐ちが・う【行き違う】‥チガフ🔗🔉

いき‐ちが・う行き違う‥チガフ 〔自五〕 (→)「ゆきちがう」に同じ。

いき‐つ・く【行き着く】🔗🔉

いき‐つ・く行き着く】 〔自五〕 (→)「ゆきつく」に同じ。

いき‐づまり【行き詰り】🔗🔉

いき‐づまり行き詰り(→)「ゆきづまり」に同じ。

いき‐づま・る【行き詰まる】🔗🔉

いき‐づま・る行き詰まる】 〔自五〕 (→)「ゆきづまる」に同じ。

いき‐づめ【行き詰め】🔗🔉

いき‐づめ行き詰め(→)「ゆきづめ」に同じ。

いき‐どころ【行き所】🔗🔉

いき‐どころ行き所(→)「ゆきどころ」に同じ。

いき‐どま・る【行き止まる】🔗🔉

いき‐どま・る行き止まる】 〔自五〕 (→)「ゆきどまる」に同じ。

いき‐なり【行き成り】🔗🔉

いき‐なり行き成り】 [一]〔名〕 事がらのなりゆき。また、なりゆきにまかせること。十分考えないですること。いきなりさんぼう。いきなりほうだい。洒落本、傾城買指南所「先づおれも、たうとう勘当をくらつた。是からは―といふ世界だ」 [二]〔副〕 (近世は多く「に」を伴って)だしぬけに。突然。または、直接。じかに。浮世床「―に胸ぐらよ」。「横道から―とびだす」「下書きもせず―清書する」 ⇒いきなり‐さんぼう【行き成り三宝】 ⇒いきなり‐だご【生き成り団子】 ⇒いきなり‐ほうだい【行き成り放題】

いきなり‐さんぼう【行き成り三宝】🔗🔉

いきなり‐さんぼう行き成り三宝(→)「いきなりほうだい」に同じ。ゆきなりさんぼう。誹風柳多留10「―男の雨やどり」 ⇒いき‐なり【行き成り】

いきなり‐ほうだい【行き成り放題】‥ハウ‥🔗🔉

いきなり‐ほうだい行き成り放題‥ハウ‥ なるにまかせてかまわないこと。ゆきあたりばったり。 ⇒いき‐なり【行き成り】 ○意気に燃えるいきにもえる ある事をしようという積極的な気持が盛んになる。 ⇒い‐き【意気】

いき‐ば【行き場】🔗🔉

いき‐ば行き場(→)「ゆきば」に同じ。

いき‐ぶれ【行き触れ】🔗🔉

いき‐ぶれ行き触れ】 触穢しょくえの一つ。死者などけがれたものに行き逢ってそのけがれにふれること。ふみあわせ。ゆきぶれ。源氏物語夕顔「いかなる―にかからせ給ふぞや」

いけ‐いけ【行け行け】🔗🔉

いけ‐いけ行け行け】 (普通、平仮名で書く) ①深く考えることなく調子に乗って突っ走ること。 ②派手で軽薄なこと。

おこない【行い】オコナヒ🔗🔉

おこない行いオコナヒ ①しわざ。ふるまい。動作。 ②品行。行状。身持ち。「―がよくない」 ③僧侶が仏道を修めること。また、仏事を行うこと。 ④近畿とその周辺で、年頭の農祈願の祭。滋賀県では、寺行事として頭屋とうや制で行なっている。 ⇒おこない‐がち【行い勝ち】 ⇒おこない‐ごえ【行い声】 ⇒おこない‐びと【行い人】

おこない‐がち【行い勝ち】オコナヒ‥🔗🔉

おこない‐がち行い勝ちオコナヒ‥ 仏事の勤めばかりして日を送ること。紫式部日記「―に口ひひらかし」 ⇒おこない【行い】

おこない‐ごえ【行い声】オコナヒゴヱ🔗🔉

おこない‐ごえ行い声オコナヒゴヱ 読経する声。夫木和歌抄34「苔深きとよらの寺は山伏の―もさびしかりけり」 ⇒おこない【行い】

おこない‐すま・す【行い澄ます】オコナヒ‥🔗🔉

おこない‐すま・す行い澄ますオコナヒ‥ 〔自五〕 ①仏道修行にいそしむ。平家物語10「信濃の国善光寺に―・して」 ②神妙らしくふるまう。殊勝げにふるまう。

おこない‐びと【行い人】オコナヒ‥🔗🔉

おこない‐びと行い人オコナヒ‥ 仏道修行者。源氏物語若紫「なにがし寺といふところにかしこき―侍る」 ⇒おこない【行い】

おこな・う【行う】オコナフ🔗🔉

おこな・う行うオコナフ [一]〔他五〕 物事を一定の方式に従って処理する。 ①物事をなす。とり扱う。執行する。宇津保物語蔵開中「御座所しつらはせ給ひ、事―・はせ給ふ」。源氏物語紅葉賀「宰相二人、左衛門督、右衛門督、左右の楽のこと―・ふ」。大鏡時平「左右の大臣に世の政を―・ふべきよし宣旨くださしめ給へりしに」。「試験を―・う」「広く世に―・われる」 ②(規則を守って)修行する。勤行をする。また、仏事をいとなむ。宇津保物語忠乞「山にこもりて―・はむ。世の中は心うきもの」。源氏物語明石「仁王会など―・はるべし」 ③施し与える。配分する。宇津保物語初秋「凉・仲忠が紀伊国の九日の禄をまだ―・はぬかな」 ④(上の命令文をうけ)手はずを示す。指図する。今昔物語集19「行きてかれ搦めよと―・へば」 ⑤刑罰に処する。処分する。保元物語「参ぜざらん者どもをば死罪に―・ふべし」 ⑥食事をする。食べる。狂言、宗論「たけ一寸ばかりに料理して―・へば、あらうまやと思ひて涙がほろりとこぼるる」 ⑦手ごめにする。滑稽本、続膝栗毛「きやつめを―・つてゐるにちがひはねえ」 [二]〔自四〕 ものごとが一定の方式に従って進行する。徒然草「しばしも滞らず、ただちに―・ひゆくものなり」

ぎょう【行】ギヤウ🔗🔉

ぎょうギヤウ ①文字などの縦のならび。転じて、横のならびにも。くだり。「ア―」 ②律令制の書式で、位が高く官が低いことを示す字。→位署。 ③〔仏〕(梵語saṃskāra) ㋐(能動的意味で)形成するもの。われわれの存在を成り立たせる潜在的形成力。また、さまざまな心的活動。十二因縁の第2。五蘊の第4。 ㋑(受動的意味で)形成されたもの。生滅変化する一切の現象世界の存在。 ④修行しゅぎょう。「無言の―」 ⑤行書の略。「真草―」 ⑥〔哲〕実践。行為。人間的な働き。↔知。 ⑦数学で、行列または行列式で横のならび。 →こう(行)

ぎょうぎょう‐し【仰仰子・行行子】ギヤウギヤウ‥🔗🔉

ぎょうぎょう‐し仰仰子・行行子ギヤウギヤウ‥ 〔動〕(鳴き声から)ヨシキリの異称。〈[季]夏〉

くだり【行】🔗🔉

くだり】 ①上から下までの列。縦の線。万葉集14「風の音の遠き吾妹が着せし衣きぬ手本たもとの―まよひ来にけり」 ②文章の一行。また、それを数える語。源氏物語梅枝「ただ三―ばかりに」。「三―半」 ⇒くだり‐せば【行狭】

こう【行】カウ🔗🔉

こうカウ (呉音はギョウ、唐音はアン) ①ゆくこと。旅。「―をともにする」 ②おこなうこと。すること。ふるまい。 ③古詩の一体。もと楽府がふの楽曲の意。唐以後は比較的長編の叙事詩をいうことが多い。「琵琶―」 ④唐・宋以降設けた商工業の同業組合の一種。西洋のギルドに似たもの。また、問屋・仲介業者あるいは単に商店を指す。 →ぎょう(行) ⇒行を壮にする

こう‐こう【行行】カウカウ🔗🔉

こう‐こう行行カウカウ 次第に進みゆくこと。また、そのさま。和漢朗詠集「―として重ねて―たり」

ゆかく【行かく】🔗🔉

ゆかく行かく】 (行クのク語法)行くこと。万葉集14「児ろが金門かなとよ―し良しも」

ゆかず‐ごけ【行かず後家】🔗🔉

ゆかず‐ごけ行かず後家】 嫁入しないままで老いた女。

ゆき【行き・往き】🔗🔉

ゆき行き・往き】 (イキとも) ①行くこと。歩み進むこと。また、旅行すること。旅。古事記「君が―日長くなりぬ」 ②目的の地に向かって出て行くこと。また、その道程。往路。ゆきみち。「―はよいよい帰りはこわい」「岡山発東京―」↔帰り ⇒行き大名の帰り乞食

ゆき‐あ・う【行き合う・行き逢う】‥アフ🔗🔉

ゆき‐あ・う行き合う・行き逢う‥アフ [一]〔自五〕 ①進んで行って出あう。でくわす。いきあう。万葉集12「道に―・ひて」 ②ぴったり一致する。愚管抄3「この仏法のかた王法のかたの二道の道理のかくひしと―・ひぬれば」 [二]〔他下二〕 行きあうようにさせる。交差させる。古事記「鶺鴒まなばしら尾―・へ」

ゆき‐あし【行き足・行き脚】🔗🔉

ゆき‐あし行き足・行き脚】 船などが、そのままの速さで走り続けること。いきあし。「―が止まる」

ゆき‐あわ・す【行き合わす】‥アハス🔗🔉

ゆき‐あわ・す行き合わす‥アハス [一]〔自五〕 (→)「行き合わせる」に同じ。 [二]〔自下二〕 ⇒ゆきあわせる(下一)

ゆき‐あわ・せる【行き合わせる】‥アハセル🔗🔉

ゆき‐あわ・せる行き合わせる‥アハセル 〔自下一〕[文]ゆきあは・す(下二) 行った所でたまたま出合う。「会場で知人と―・せた」「事故現場に―・せる」

ゆき‐いた・る【行き至る】🔗🔉

ゆき‐いた・る行き至る】 〔自四〕 そこへ行きつく。到達する。

ゆき‐う・す【行き失す】🔗🔉

ゆき‐う・す行き失す】 〔自下二〕 ゆくえが知れなくなる。いきうす。

ゆき‐かい【行き交い・往き交い】‥カヒ🔗🔉

ゆき‐かい行き交い・往き交い‥カヒ 行きかうこと。ゆきき。往来。 ⇒ゆきかい‐じ【行き交い路】

ゆきかい‐じ【行き交い路】‥カヒヂ🔗🔉

ゆきかい‐じ行き交い路‥カヒヂ 行き交う道。往来の途中。古今和歌集哀傷「かりそめの―とぞ思ひこし」 ⇒ゆき‐かい【行き交い・往き交い】

ゆき‐か・う【行き交う・往き交う】‥カフ🔗🔉

ゆき‐か・う行き交う・往き交う‥カフ 〔自五〕 あるものは行き、あるものは来る。行ったり来たりする。また、行き通う。源氏物語桐壺「御使の―・ふほどもなきに」

ゆき‐かえり【行き帰り・往き還り】‥カヘリ🔗🔉

ゆき‐かえり行き帰り・往き還り‥カヘリ ゆきとかえり。往復。いきかえり。

ゆき‐かえ・る【行き帰る・往き還る】‥カヘル🔗🔉

ゆき‐かえ・る行き帰る・往き還る‥カヘル 〔自五〕 ①出て行って、また、かえる。ゆききする。万葉集6「―・り常にわが見し香椎潟」 ②年月など、古いものが去って、またあらたにやってくる。万葉集20「あらたまの年―・り春立たば」

ゆき‐がかり【行き掛り】🔗🔉

ゆき‐がかり行き掛り】 (イキガカリとも) ①行きかかるついで。行きがけ。 ②すでに物事が進行しつつあること。また、物事にかかり合いが出来ていること。それまでの関係・事情。「―上じょうやめられない」「今までの―をさらりと捨てる」

ゆき‐かか・る【行き掛かる】🔗🔉

ゆき‐かか・る行き掛かる】 〔自五〕 ①行ってかかわる。源氏物語須磨「うけひかざらむものゆゑ、―・りて空しうかへらむ後手うしろでも」 ②行こうとする。行きはじめる。 ③行ってそこにさしかかる。通りかかる。

ゆき‐かく・る【行き隠る】🔗🔉

ゆき‐かく・る行き隠る】 〔自四・下二〕 行って隠れる。行って姿が見えなくなる。いきかくる。万葉集6「―・る島の埼々」

ゆき‐かぐ・る【行きかぐる】🔗🔉

ゆき‐かぐ・る行きかぐる】 〔自下二〕 未詳。求婚する意か。一説に、寄り集まる。万葉集9「水門みなと入りに船漕ぐごとく―・れ人のいふ時」

ゆき‐がけ【行き掛け】🔗🔉

ゆき‐がけ行き掛け】 (イキガケとも) ①行く途中。行くついで。「―に用を足す」 ②行こうとする時。「―に客が来る」 ⇒行き掛けの駄賃 ○行き掛けの駄賃ゆきがけのだちん (問屋へ駄馬をひいて行くついでに、荷物を馬につけて運び、運賃を自分の所得とすることから)事のついでに他の事をするたとえ。 ⇒ゆき‐がけ【行き掛け】

○行き掛けの駄賃ゆきがけのだちん🔗🔉

○行き掛けの駄賃ゆきがけのだちん (問屋へ駄馬をひいて行くついでに、荷物を馬につけて運び、運賃を自分の所得とすることから)事のついでに他の事をするたとえ。 ⇒ゆき‐がけ【行き掛け】 ゆき‐かご雪籠】 劇場で、小さく刻んだ紙を入れて日覆ひおおい2に吊す竹製の籠。紐で揺り動かし、中の紙を落として降雪に見せる。 ゆき‐がこい雪囲い‥ガコヒ ①草木などの霜雪の害を防ぐために、藁わら・筵むしろなどで囲っておおうこと。また、そのもの。 雪囲い 撮影:関戸 勇 ②降雪量の多い地方で、家の入口・周囲などを筵・簀・板などで囲うもの。雪垣。〈[季]冬〉 ゆき‐かぜ雪風】 雪と風。また、雪まじりの風。蜻蛉日記「―いふかたなうふりくらがりて」 ゆき‐かた行き方】 ①行く道順。行く方法。 ②やりかた。しかた。「各人各様の―」 ゆき‐かた悠紀方】 悠紀に関する方。悠紀に関する物事。金葉和歌集「―の朝日の里をよめる」↔主基すきゆき‐がた行き方】 行くべき方。行った方角。ゆくえ。いきがた。拾遺和歌集雑恋「玉藻刈るあまの―さす竿の」。「―知れず」 ゆき‐がた雪形】 山腹の雪の消え具合によってできる形。→雪占ゆきうら ゆき‐か・つ行きかつ】 〔自下二〕 行くことができる。万葉集14「あらたまの伎倍きへの林に汝を立てて―・つましじ」 ゆき‐がっせん雪合戦】 雪を丸めてぶつけあう遊び。雪投げ。〈[季]冬〉 ゆき‐がて雪糅て】 雪がまじること。雪まじり。後撰和歌集「神無月しぐればかりは降らずして―にさへなどかなるらむ」 ゆき‐がまえ行構え‥ガマヘ ⇒ぎょうがまえ ゆき‐かよ・う行き通う‥カヨフ 〔自五〕 かよって行く。行き来する。かよう。いきかよう。万葉集3「―・ひつついや常世とこよまで」 ゆき‐かわ・る行き変る‥カハル 〔自四〕 進んで行って他にかわる。経て行って改まる。万葉集11「年月の―・るまで」 ゆき‐き行き来・往き来】 (イキキとも) ①行くことと来ること。行ったり来たりすること。往来。「―がはげしい」 ②交際。つきあい。「―が絶える」 ゆき‐ぎえ雪消え(→)「ゆきげ」1に同じ。 ⇒ゆきぎえ‐づき【雪消月】 ゆきぎえ‐づき雪消月】 陰暦2月の異称。 ⇒ゆき‐ぎえ【雪消え】 ゆき・く行き来・往き来】 〔自カ変〕 行ったり来たりする。往来する。通行する。万葉集1「まつち山―・くと見らむ紀人きひとともしも」 ゆき‐ぐつ雪沓】 雪道を歩くのに履く深いわらぐつ。〈[季]冬〉 ゆき‐ぐに雪国】 降雪量の多い地方。雪の多い国。 ゆきぐに雪国】 小説。川端康成作。1935〜47年、諸誌に分載。雪深い温泉宿を舞台に、無為な主人公をめぐる芸者と美少女の心理模様を、繊細で抒情的な筆致で描く。 ゆき‐くぼ雪窪】 山地斜面で遅くまで積雪が残る浅い窪み。 ゆき‐ぐも雪雲】 雪を降らす雲。雪をふくむ雲。雪もようの雲。〈[季]冬〉 ゆき‐ぐもり雪曇り】 雪雲のために空が曇ること。空が曇って雪模様になること。 ゆき‐くら・す行き暮す】 〔自四〕 日の暮れるまで行く。旅の途中で日が暮れる。万葉集7「あしひきの山―・し宿からば」 ゆき‐ぐれ行き暮れ】 行く途中で日が暮れること。千五百番歌合「やどからんゆくへも見えず久方のあまのかはらの―の空」 ゆき‐ぐれ雪暗れ・雪暮れ】 雪模様で空が暗くなること。また、雪が降りながら日が暮れること。〈[季]冬〉。民部卿家歌合「埋もれて梢に変る深山路もまた跡絶えぬ―の空」 ゆき‐く・れる行き暮れる】 〔自下一〕[文]ゆきく・る(下二) 行く途中で日が暮れる。平家物語9「―・れて木の下かげを宿とせば花や今宵のあるじならまし」 ゆき‐げ雪気】 雪になりそうなけはい。ゆきもよい。後拾遺和歌集「とやがへる白斑の鷹のこゐをなみ―の空に合はせつるかな」 ゆき‐げ雪消】 ①雪が消えること。特に、冬に積もった雪が春になって消えること。また、その時。または、その所。ゆきどけ。ゆきぎえ。万葉集3「―する山道すらをなづみぞわが来る」 ②雪がとけて生ずる水。ゆきどけ水。万葉集18「射水川―溢はふりて」〈[季]春〉 ⇒ゆきげ‐の‐さわ【雪消の沢】 ⇒ゆきげ‐みず【雪消水】 ゆき‐けし雪消し】 旧暦11月、粉餅・菓子・果物などを贈答したこと。 ゆき‐げしき雪景色】 雪の降る景色。雪の積もった景色。 ゆき‐げしょう雪化粧‥シヤウ 積もった雪で景物・景色が白く美しくかわること。 ゆき‐げた行桁】 橋の縦の方向に沿って渡した桁。橋桁。平家物語4「橋の―をさらさらさらと走り渡る」 ゆき‐げた雪下駄】 雪国で冬期に用いる、歯を高くしてすべり止めの金具を打った下駄。〈[季]冬〉 ゆきげ‐の‐さわ雪消の沢‥サハ 奈良市の春日神社付近にある沢。(歌枕) ⇒ゆき‐げ【雪消】 ゆきげ‐みず雪消水‥ミヅ 雪どけの水。〈[季]春〉 ⇒ゆき‐げ【雪消】 ゆき‐けむり雪煙】 雪が強い風などのために舞い上がって煙のように見えるもの。〈[季]冬〉 ゆき‐ごい雪乞い‥ゴヒ 雪が降るようにと神仏に祈願すること。 ゆき‐こかし雪転し(→)「ゆきころがし」に同じ。 ゆき‐こぎ雪漕ぎ(→)雪袴ゆきばかまに同じ。 ゆき‐ごや雪小屋】 (長野県で)正月小屋のこと。 ゆき‐ころがし雪転がし】 雪をかためて積雪の上をころがし、大きな丸いかたまりとすること。ゆきまろばし。ゆきころばかし。ゆきこかし。 ゆき‐ざお雪竿‥ザヲ 積もった雪の深さを計る目盛りをつけた竿。また、雪中に目じるしに立てる竿。〈[季]冬〉 ゆき‐さき行先⇒ゆくさき ゆき‐さけ雪裂け】 降り積もった雪の重みのために、木の枝などが裂け折れること。 ゆき‐ざさ雪笹】 ユリ科の多年草。山地に自生。高さ約30センチメートル。葉はササに似るが幅広く楕円形。初夏、茎頂に円錐花序を出し、白色の小花を密集する。液果は赤色球形で有毒。若芽は美味。 ゆきざさ ゆき‐さらし雪晒し】 雪国で、麻布などを雪の上で晒すこと。また、その布。仮名草子、強盗鬼神「越後の―」 ゆき‐さ・る行き去る】 〔自五〕 去って行く。去る。栄華物語嶺月「つながねど―・ることもなく」 ゆき‐じ雪路‥ヂ 雪の降り積もる路。ゆきみち。 ゆき‐しずり雪垂‥シヅリ 雪が木の枝などからくずれ落ちること。また、その雪。 ゆき‐しつ雪質】 雪の性質。積雪は新雪あらゆき・しまり雪・ざらめ雪・霜ざらめ雪などに分類される。 ゆき‐しな行きしな】 (シナは接尾語)行く時。行く時のついで。行きがけ。いきしな。「―に立ち寄る」 ゆき‐しまき雪しまき】 雪がはげしく降って風の吹きまくること。〈[季]冬〉 ゆき‐じもの雪じもの】 〔枕〕 「行き通ふ」にかかる。万葉集3「久方の天あま伝ひ来る―往き通ひつつ」 ゆ‐ぎしょう湯起請‥シヤウ 中世、盗みなどの実否をただすために、起請文を書かせた上で熱湯に手を入れさせ、手のただれなどによって判定したこと。古代の探湯くかたちの遺風。 ゆき‐じょろう雪女郎‥ヂヨラウ 雪女ゆきおんなの異称。〈[季]冬〉 ゆき‐しる雪汁】 雪どけの水。雪汁水。〈[季]春〉。源平盛衰記34「富士の裾野の―に富士の河水増さりつつ」 ゆき‐しろ雪代】 (ユキシルの転)雪どけの水。雪代水。〈[季]春〉 ゆき‐じろ雪白】 ①雪のように白いこと。 ②鷹の腹・背・嘴くちばし・爪まで白いものの称。「―の鷹」 ③三盆白さんぼんじろの異称。 ゆき‐すぎ行過ぎ】 (イキスギとも) ①目的の所よりも先へ行くこと。通りすぎること。 ②程度をこえてすること。 ⇒ゆきすぎ‐もの【行過ぎ者】 ゆきすぎ‐もの行過ぎ者】 でしゃばり者。なまいきな者。いきすぎもの。 ⇒ゆき‐すぎ【行過ぎ】 ゆき‐す・ぎる行き過ぎる】 〔自上一〕[文]ゆきす・ぐ(上二) (イキスギルとも) ①止まらずにある地点を通って行く。通り過ぎる。 ②目的の所よりも先へ行く。「―・ぎて引き返す」 ③程度を越す。「―・ぎた規制」 ゆき‐ずり行き摩り・行き摺り】 ①道ですれ違うこと。また、その時、匂いなどがつくこと。風雅和歌集「―の衣にうつれ萩が花旅のしるしと人に語らむ」。「―の人に道をたずねる」 ②道を行くついで。通りすがり。狭衣物語4「かのありし―の梢に」。「―に立ち寄る」 ③ちょっとしたこと。かりそめ。その場かぎり。今昔物語集28「―のうちつけ心に宣はむこと」。「―の縁」 ⇒ゆきずり‐の‐すくせ【行き摩りの宿世】 ⇒ゆきずり‐の‐ひと【行き摩りの人】 ゆき‐ずり雪摺り】 鷹の尾羽などを雪ですり切らしたもの。また、雪のように白い尾羽。 ゆきずり‐がさ雪滑笠】 上部の傾斜がやや急な菅笠すげがさ。雪すべり笠。 ゆきずり‐の‐すくせ行き摩りの宿世】 道を行ってすれ違うのも前世からの因縁であるということ。狭衣物語2「―ある人やはありけむ」 ⇒ゆき‐ずり【行き摩り・行き摺り】 ゆきずり‐の‐ひと行き摩りの人】 通りすがりの人。途中ですれ違っただけの、縁もゆかりもない人。 ⇒ゆき‐ずり【行き摩り・行き摺り】 ゆき‐ぞら雪空】 いまにも雪が降り出しそうな空。雪模様の空。〈[季]冬〉

ゆき‐か・つ【行きかつ】🔗🔉

ゆき‐か・つ行きかつ】 〔自下二〕 行くことができる。万葉集14「あらたまの伎倍きへの林に汝を立てて―・つましじ」

ゆき‐かよ・う【行き通う】‥カヨフ🔗🔉

ゆき‐かよ・う行き通う‥カヨフ 〔自五〕 かよって行く。行き来する。かよう。いきかよう。万葉集3「―・ひつついや常世とこよまで」

ゆき‐さ・る【行き去る】🔗🔉

ゆき‐さ・る行き去る】 〔自五〕 去って行く。去る。栄華物語嶺月「つながねど―・ることもなく」

ゆき‐しな【行きしな】🔗🔉

ゆき‐しな行きしな】 (シナは接尾語)行く時。行く時のついで。行きがけ。いきしな。「―に立ち寄る」

ゆき‐す・ぎる【行き過ぎる】🔗🔉

ゆき‐す・ぎる行き過ぎる】 〔自上一〕[文]ゆきす・ぐ(上二) (イキスギルとも) ①止まらずにある地点を通って行く。通り過ぎる。 ②目的の所よりも先へ行く。「―・ぎて引き返す」 ③程度を越す。「―・ぎた規制」

ゆき‐ずり【行き摩り・行き摺り】🔗🔉

ゆき‐ずり行き摩り・行き摺り】 ①道ですれ違うこと。また、その時、匂いなどがつくこと。風雅和歌集「―の衣にうつれ萩が花旅のしるしと人に語らむ」。「―の人に道をたずねる」 ②道を行くついで。通りすがり。狭衣物語4「かのありし―の梢に」。「―に立ち寄る」 ③ちょっとしたこと。かりそめ。その場かぎり。今昔物語集28「―のうちつけ心に宣はむこと」。「―の縁」 ⇒ゆきずり‐の‐すくせ【行き摩りの宿世】 ⇒ゆきずり‐の‐ひと【行き摩りの人】

○行き大名の帰り乞食ゆきだいみょうのかえりこじき🔗🔉

○行き大名の帰り乞食ゆきだいみょうのかえりこじき 旅行の最中は贅沢ぜいたくをし、帰る時は旅費が欠乏するということ。 ⇒ゆき【行き・往き】 ゆき‐だおれ行き倒れ・行き斃れ‥ダフレ 病気や空腹、疲れや寒さのために路上に倒れ、あるいは死ぬこと。また、その人。いきだおれ。「―の人を助ける」 ゆき‐たが・う行き違ふ‥タガフ [一]〔自四〕 (→)「ゆきちがう」(自五)に同じ。 [二]〔自下二〕 (→)「ゆきちがえる」に同じ。 ゆき‐たけ裄丈】 ①衣服のゆきとたけ。いきたけ。 ②転じて、物事の都合。前後の関係。 ゆき‐たたき雪叩き】 物に積もりまたは付着した雪をたたいて落とすこと。 ゆき‐た・つ行き立つ】 〔自五〕 (イキタツとも) ①出立する。 ②物事が進行して成り立つ。できあがる。 ③生活の方法がたつ。暮しが立ち行く。 ゆき‐だまり雪溜まり】 雪の吹きだまり。 ゆき‐だるま雪達磨】 大小二つの雪の玉を重ね、木炭・炭団たどんなどで目鼻をつけたもの。〈[季]冬〉 ⇒ゆきだるま‐しき【雪達磨式】 ゆきだるま‐しき雪達磨式】 (雪達磨を作る時、雪の塊を転がすと雪が付着して見る見る大きくなるように)次から次へと目に見えてふえて行くさま。「借金が―にふえる」 ⇒ゆき‐だるま【雪達磨】 ゆきち諭吉⇒ふくざわゆきち(福沢諭吉) ゆき‐ちがい行違い‥チガヒ (イキチガイとも) ①すれちがいになって、出会わないでしまうこと。「―になる」 ②意志がうまく通じなくて、くいちがうこと。手筈が狂うこと。「感情的な―が生じる」「計画に―を生じた」 ⇒ゆきちがい‐ざま【行違い様】 ゆきちがい‐ざま行違い様‥チガヒ‥ 行きちがう瞬間。 ⇒ゆき‐ちがい【行違い】 ゆき‐ちが・う行き違う‥チガフ [一]〔自五〕 (イキチガウとも) ①行き来する。行き交う。源氏物語竹河「―・ふ車の音、先追ふ声々も」 ②互いに違った方向に行く。すれちがう。「―・ったまま、ついに会えなかった」 ③意志がうまく通じなくて、物事がうまく行かなくなる。手筈が狂う。「計画が―・う」 [二]〔自下二〕 ⇒ゆきちがえる(下一) ゆき‐ちが・える行き違える‥チガヘル 〔自下一〕[文]ゆきちが・ふ(下二) 行く方向を誤る。間違えて行く。 ゆき‐ち・る行き散る】 〔自四〕 行って別れ散る。行ってちりぢりになる。いきちる。源氏物語須磨「年月経ばかかる人々も、えしもありはてでや―・らむ」 ゆき‐づき雪月】 陰暦12月の異称。西鶴織留1「始めて懐炉といふ物を仕出し―頃より売りけるほどに」 ゆき‐づきよ雪月夜】 雪のある時の月夜。 ゆき‐つ・く行き着く】 〔自五〕 (イキツクとも) ①行って目的地に到着する。ある最終的な状態に達する。「―・いた所は倒産だった」 ②(命・精力・資力などが)尽きる。行きづまる。 ③すっかり参る。酒酔い・恋情などにいう。浄瑠璃、嫗山姥こもちやまうば「かの男に―・いて毎日百通二百通」 ④くまなく付着する。能因本枕草子正月一日は「白き物の―・かぬ所は」 ゆき‐つけ行き付け】 行きなれていること。常に行って、なじんでいること。いきつけ。「―の店」 ゆき‐つばき雪椿】 ツバキ科の常緑低木。東北・北陸の日本海側の山地に分布。高さ1〜2メートルでツバキに似るが、枝幹はやや斜上。4〜5月頃の雪どけ後、サザンカに似た花を開く。油はツバキに劣る。観賞用で、園芸品種が多い。オクツバキ。サルイワツバキ。 ゆき‐つぶて雪礫】 雪を握り固めて礫のようにしたもの。〈[季]冬〉 ゆき‐づまり行詰り】 行きづまること。また、その所や状態。いきづまり。「仕事に―を感ずる」「金融の―」 ゆき‐づま・る行き詰まる】 〔自五〕 (イキヅマルとも) ①行ってその先がつまる。行きどまりとなる。 ②物事が、困難に出会って、その先へ進まなくなる。「商売が―・る」 ゆき‐つ・む行き詰む】 〔自四〕 行けるところまで行く。 ゆき‐づめ行き詰め】 (イキヅメとも) ①行手がふさがっていること。 ②絶えずいくこと。 ゆきつ‐もどりつ行きつ戻りつ】 行ったり戻ったり。行ったり来たり。「―思案にくれる」 ゆき‐つり雪釣】 子供の遊戯。糸の先に木炭などを結びつけ、これに雪を付着させ、雪の塊を大きくする。〈[季]冬〉 ゆき‐づり雪吊り】 (ユキツリとも)雪折れを防ぐために、庭木などの枝を支柱から縄でつり上げること。〈[季]冬〉 ゆき‐つ・る行き連る】 〔自下二〕 連れ立って行く。同行する。道づれになる。古今著聞集16「山伏一人又いもじする男一人―・れて上りけり」 ゆき‐ていいち湯木貞一】 料亭経営者。神戸生れ。大阪・京都・東京に料理店「吉兆」を展開。日本料理の向上と発展に寄与。(1901〜1997) ⇒ゆき【湯木】 ゆき‐でん悠紀田】 悠紀に供える新穀を作る田。↔主基田すきでん ゆき‐でん悠紀殿】 大嘗祭だいじょうさいの時の悠紀に建てられる殿舎。↔主基殿すきでん ゆき‐どい雪訪い‥ドヒ 雪の降った時、人の安否をたずね見舞うこと。雪見舞。日葡辞書「ユキドイニマイル」 ゆき‐どうろう雪灯籠】 雪をかためて穴をうがち、その中に灯心などを入れて点火するもの。 ゆき‐とお・る行き通る‥トホル 〔自四〕 通って行く。踏み破って通る。万葉集11「巌すら―・るべき建男ますらおも恋とふ事は後悔のちくいにあり」 ゆき‐どけ雪解け・雪融け】 ①雪がとけること。また、その時。ゆきげ。〈[季]春〉 ②(ソ連の作家エレンブルグが1956年に著した小説の題名から)東西両陣営間の対立緊張の緩和をいう。 ⇒ゆきどけ‐みち【雪解け道】 ゆきどけ‐みち雪解け道】 雪どけのぬかるんだ道。 ⇒ゆき‐どけ【雪解け・雪融け】 ゆき‐どころ行き所】 (イキドコロとも)行くべき所。行った所。行き場。「―が無い」 ゆき‐どし雪年】 雪の多く降る年。豊年であるとする。狂言、木六駄「当年は―で御座る」

ゆき‐たが・う【行き違ふ】‥タガフ🔗🔉

ゆき‐たが・う行き違ふ‥タガフ [一]〔自四〕 (→)「ゆきちがう」(自五)に同じ。 [二]〔自下二〕 (→)「ゆきちがえる」に同じ。

ゆき‐ちが・う【行き違う】‥チガフ🔗🔉

ゆき‐ちが・う行き違う‥チガフ [一]〔自五〕 (イキチガウとも) ①行き来する。行き交う。源氏物語竹河「―・ふ車の音、先追ふ声々も」 ②互いに違った方向に行く。すれちがう。「―・ったまま、ついに会えなかった」 ③意志がうまく通じなくて、物事がうまく行かなくなる。手筈が狂う。「計画が―・う」 [二]〔自下二〕 ⇒ゆきちがえる(下一)

ゆき‐ちが・える【行き違える】‥チガヘル🔗🔉

ゆき‐ちが・える行き違える‥チガヘル 〔自下一〕[文]ゆきちが・ふ(下二) 行く方向を誤る。間違えて行く。

ゆき‐ち・る【行き散る】🔗🔉

ゆき‐ち・る行き散る】 〔自四〕 行って別れ散る。行ってちりぢりになる。いきちる。源氏物語須磨「年月経ばかかる人々も、えしもありはてでや―・らむ」

ゆき‐つ・く【行き着く】🔗🔉

ゆき‐つ・く行き着く】 〔自五〕 (イキツクとも) ①行って目的地に到着する。ある最終的な状態に達する。「―・いた所は倒産だった」 ②(命・精力・資力などが)尽きる。行きづまる。 ③すっかり参る。酒酔い・恋情などにいう。浄瑠璃、嫗山姥こもちやまうば「かの男に―・いて毎日百通二百通」 ④くまなく付着する。能因本枕草子正月一日は「白き物の―・かぬ所は」

ゆき‐づま・る【行き詰まる】🔗🔉

ゆき‐づま・る行き詰まる】 〔自五〕 (イキヅマルとも) ①行ってその先がつまる。行きどまりとなる。 ②物事が、困難に出会って、その先へ進まなくなる。「商売が―・る」

ゆき‐つ・む【行き詰む】🔗🔉

ゆき‐つ・む行き詰む】 〔自四〕 行けるところまで行く。

ゆき‐づめ【行き詰め】🔗🔉

ゆき‐づめ行き詰め】 (イキヅメとも) ①行手がふさがっていること。 ②絶えずいくこと。

ゆきつ‐もどりつ【行きつ戻りつ】🔗🔉

ゆきつ‐もどりつ行きつ戻りつ】 行ったり戻ったり。行ったり来たり。「―思案にくれる」

ゆき‐どころ【行き所】🔗🔉

ゆき‐どころ行き所】 (イキドコロとも)行くべき所。行った所。行き場。「―が無い」

ゆき‐どまり【行き止り】🔗🔉

ゆき‐どまり行き止り】 行手がふさがって、それから先へ行けないこと。また、その所。いきどまり。「道は―になる」

ゆき‐どま・る【行き止まる】🔗🔉

ゆき‐どま・る行き止まる】 〔自五〕 (古くは清音。イキドマルとも) ①行く途中でとまる。立ち止まる。 ②行き着く。進んで行ってそこでとまる。行手がふさがって、それから先へ行けなくなる。古今和歌集「世の中はいづれかさして我がならん―・るをぞ宿と定むる」 ③物事が行きづまる。

ゆき‐の‐つどい【行きの集い】‥ツドヒ🔗🔉

ゆき‐の‐つどい行きの集い‥ツドヒ 行き集まること。また、その所。万葉集13「里人の―に」

ゆき‐の・ぶ【行き延ぶ】🔗🔉

ゆき‐の・ぶ行き延ぶ】 〔自上二〕 落ち延びて進んで行く。

ゆき‐ば【行き場】🔗🔉

ゆき‐ば行き場】 行くべき場所。ゆくさき。ゆきどころ。いきば。「どこにも―がない」

ゆき‐ぶり【行き触り】🔗🔉

ゆき‐ぶり行き触り】 行く時に触れること。行き合うこと。ゆきずり。道ゆきぶり。

ゆき‐ふ・る【行き触る】🔗🔉

ゆき‐ふ・る行き触る】 〔自四〕 ①行く時それにさわる。行こうとして接触する。行き合う。万葉集8「草枕旅行く人も―・らば」 ②行ってけがれに触れる。

ゆき‐ぶれ【行き触れ】🔗🔉

ゆき‐ぶれ行き触れ】 ①(→)「ゆきぶり」に同じ。 ②(→)「いきぶれ」に同じ。

ゆき‐まじ・る【行き交じる・行き雑じる】🔗🔉

ゆき‐まじ・る行き交じる・行き雑じる】 〔自四〕 行ってまじる。多くのものが行き合ってまじる。雑沓する。源氏物語夕顔「山寺こそ、なほかやうのことおのづから―・り物まぎるること侍らめ」

ゆき・みる【行き廻る】🔗🔉

ゆき・みる行き廻る】 〔自上一〕 行きめぐる。万葉集8「明日香川―・みる岳おかの秋萩は」

ゆき‐むか・う【行き向かふ】‥ムカフ🔗🔉

ゆき‐むか・う行き向かふ‥ムカフ 〔自四〕 ①次々と過ぎ去ってはまたやってくる。万葉集13「―・ふ年の緒長く仕へ来し」 ②その方へ行く。出向く。今昔物語集31「若干そこばくの神人じんにん等…かの粟田口の宮に―・ひて」 ③立ち向かって行く。ぶつかって行く。平家物語2「その儀ならば、―・つてうばひとどめ奉れ」

ゆき‐めぐ・る【行き廻る】🔗🔉

ゆき‐めぐ・る行き廻る】 〔自四〕 行って、あちらこちらをめぐり歩く。万葉集6「―・り見とも飽かめや」

ゆき‐や・る【行き遣る】🔗🔉

ゆき‐や・る行き遣る】 〔自四〕 あえて行く。行ききる。進行を続ける。土佐日記「行けど猶―・られぬは」

ゆき‐ゆ・く【行き行く】🔗🔉

ゆき‐ゆ・く行き行く】 〔自四〕 行きに行く。進みに進む。行き続ける。伊勢物語「―・きて駿河の国に到りぬ」

ゆく‐ゆく【行く行く】🔗🔉

ゆく‐ゆく行く行く】 ①行く末。やがて。将来。玉くしげ「或は今善き事も―のためにあしく」。「―は大物になるだろう」 ②(副詞的に)行きながら。顕宗紀(図書寮本)院政期点「臥しつつ泣き行ユクユクおらびて」。「話は―しよう」

[漢]行🔗🔉

 〔彳部3画〕 ⇒行部

[漢]行🔗🔉

 字形  筆順 〔行部0画/6画/教育/2552・3954〕 〔音〕コウ〈カウ〉(漢) ギョウ〈ギャウ〉(呉) アン(唐) 〔訓〕く・く・おこなう (名)みち・ゆき・つら [意味] ①ゆく。 ㋐歩いていく。すすむ。「行進・行住坐臥ぎょうじゅうざが・歩行・通行・急行」 ㋑よそへ出かける。旅(にゆく)。「行を共にする」「行程・行李こうり・行在所あんざいしょ・壮行・紀行」 ㋒ゆかせる。すすめる。動かす。「行軍・行文・行脚あんぎゃ・発行・刊行」 ㋓持ちあるく。「行火あんか・行灯あんどん」 ㋔歩きながら。ゆくゆく。「行吟・行商ぎょうしょう」 ②おこなう。 ㋐ある事をする。おこない。ふるまい。「行為・行政ぎょうせい・興行こうぎょう・言行・品行・非行」 ㋑ギョウ〔仏〕悟りにいたるための実践。「無言の行」「行者・勤行ごんぎょう・修行しゅぎょう・難行」 ③とどこおらない。 ㋐ギョウ漢字の書体の一つ。「行書・楷行草かいぎょうそう」 ㋑漢詩の一体。音調がとどこおらない詩。「琵琶びわ行」 ④ギョウ(文字の)たてのならび。「行列・行間・行頭・改行・ア行」 ⑤ギョウ令制で、官位を称する際、官が位に相応せず低い官である場合に挿入する語。(対)守。「正二位行大納言」 ⑥問屋。みせ。「銀行・行員」▶もと、同列に並ぶ意から、中国の唐・宋そう以後に起こった同業組合の称。 [解字] 解字十字路を描いた象形文字。人通りの多い大通り(を歩いて進む)の意。 [下ツキ 悪行・易行道・移行・一行・印行・淫行・運行・横行・汚行・改行・蟹行・角行・寒行・願行・刊行・慣行・敢行・緩行・雁行・奇行・紀行・逆行・急行・躬行・凶行・強行・挙行・吟行・銀行・苦行・径行・携行・決行・血行・兼行・現行・言行・興行・孝行・航行・五行・勤行・山行・私行・試行錯誤・施行・膝行・実行・執行・舟行・醜行・獣行・修行・巡行・順行・所行・諸行・徐行・進行・遂行・水行・随行・性行・盛行・先行・専行・潜行・善行・壮行・操行・走行・遡行・素行・即行・続行・大行・退行・代行・他行・蛇行・単行・断行・知行・直行・通行・同行・徳行・篤行・独行・鈍行・難行・爬行・跛行・発行・板行・版行・犯行・蛮行・非行・飛行・尾行・微行・百行・品行・奉行・併行・平行・並行・暴行・歩行・密行・夜行・遊行・洋行・予行・乱行・力行・陸行・履行・流行・旅行・励行・厲行・連行 [難読] 行纏はばき・行縢むかばき・行方ゆくえ・行衛ゆくえ

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