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あま‐だれ【雨垂れ】🔗🔉

あま‐だれ雨垂れ】 軒先などから落ちる雨のしずく。 ⇒あまだれ‐おち【雨垂れ落ち】 ⇒あまだれ‐びょうし【雨垂れ拍子】 ⇒雨垂れ石を穿つ ○雨垂れ石を穿つあまだれいしをうがつ [漢書枚乗伝「泰山の霤りゅうは石を穿つ」]同じ所に落ちる雨垂れが長い時間をかけて石に穴をあけるように、微力でも根気よく続ければ成就する。点滴石をも穿つ。 ⇒あま‐だれ【雨垂れ】

○雨垂れ石を穿つあまだれいしをうがつ🔗🔉

○雨垂れ石を穿つあまだれいしをうがつ [漢書枚乗伝「泰山の霤りゅうは石を穿つ」]同じ所に落ちる雨垂れが長い時間をかけて石に穴をあけるように、微力でも根気よく続ければ成就する。点滴石をも穿つ。 ⇒あま‐だれ【雨垂れ】 あまだれ‐おち雨垂れ落ち】 あまだれが落ちて打ち当たる所。あまおち。 ⇒あま‐だれ【雨垂れ】 あまだれ‐びょうし雨垂れ拍子‥ビヤウ‥ 拍子を雨だれのように一定間隔に奏すること。日本音楽では、実演に際して拍を伸縮させる例が多いので、譜面どおりに等間隔の基本の拍節を、特に雨垂拍子・地拍子などと称する。謡曲に用例が多い。 ⇒あま‐だれ【雨垂れ】 あまちこ・い甘ちこい】 〔形〕 (軽蔑の気持をこめて)安易である。手ぬるい。浄瑠璃、ひらかな盛衰記「ヤア―・い、ならぬならぬ」 あま‐ちゃ甘茶】 ①ユキノシタ科の落葉低木。ガクアジサイの変種とされる。高さ約1メートル。6月頃淡青色または白色のアジサイに似た花をつける。土常山。甘茶の木。 ②アマチャまたはアマチャヅルの葉を蒸してもみ、青汁を除き、乾かしたもの。煎じて飲料とする。甘味を有するので、4月8日の灌仏会かんぶつえに甘露になぞらえて釈尊像にかける。また硯すずりに入れてすれば書が上達するという。〈[季]春〉 ⇒あまちゃ‐づる【甘茶蔓】 あまちゃ‐づる甘茶蔓】 ウリ科の蔓性多年草。茎は巻ひげがあり他物に巻きつく。葉は5小葉の複葉。雌雄異株。秋、黄緑色の小花を穂状に開く。熟した果実は小球状、黒緑色。葉は甘みがあり、甘茶にする。アマクサ。ツルアマチャ。絞股藍。 ⇒あま‐ちゃ【甘茶】 あま‐ちゃん甘ちゃん】 考えを突き詰めず、いい加減でよしとする人。世間に対する認識の甘い人。 アマチュアamateur】 職業としてでなしに、趣味や余技として携わる人。素人しろうと。愛好家。アマ。「―無線」↔プロフェッショナル アマチュアリズムamateurism】 スポーツ・芸術などで、収入を目的とせず、純粋に愛好するために行うという考え方。アマチュア精神。 あま‐ちょろ・い甘ちょろい】 〔形〕 (アマッチョロイとも) ①考えなどがあまい。安易である。 ②お人よしである。 あま‐つ天津・天つ】 (ツは上代の助詞)「天の」「天にある」の意。「―日」「―神」 ⇒あまつ‐いわさか【天つ磐境】 ⇒あまつ‐えだ【天つ枝】 ⇒あまつ‐おとめ【天つ少女】 ⇒あまつ‐かぜ【天つ風】 ⇒あまつ‐かみ【天つ神】 ⇒あまつかみ‐の‐みこ【天つ神の御子】 ⇒あまつかみ‐の‐よごと【天つ神の寿詞】 ⇒あまつ‐きみ【天つ君】 ⇒あまつ‐くに【天つ国】 ⇒あまつ‐くもい【天つ雲居】 ⇒あまつ‐くらい【天つ位】 ⇒あまつ‐しるし【天つ印・天つ璽】 ⇒あまつ‐そで【天つ袖】 ⇒あまつ‐そら【天つ空】 ⇒あまつ‐つぎて【天つ次】 ⇒あまつ‐つみ【天つ罪】 ⇒あまつ‐のりと【天つ祝詞】 ⇒あまつ‐ひ【天つ日】 ⇒あまつ‐ひこ【天つ彦】 ⇒あまつ‐ひつぎ【天つ日嗣】 ⇒あまつ‐ひもろき【天つ神籬】 ⇒あまつ‐ひれ【天つ領巾】 ⇒あまつ‐まら【天津麻羅】 ⇒あまつ‐みおや【天つ御祖】 ⇒あまつ‐みかど【天つ御門】 ⇒あまつ‐みけ【天つ御食】 ⇒あまつ‐みこ【天つ御子】 ⇒あまつ‐みこと【天つ尊】 ⇒あまつ‐みず【天つ水】 ⇒あまつ‐みずかげ【天つ水影】 ⇒あまつ‐みはかり【天つ御量】 ⇒あまつ‐みや【天つ宮】 ⇒あまつ‐やしろ【天つ社】 あまつ‐いわさか天つ磐境‥イハ‥ 磐境いわさかの美称。神代紀「―を起し樹てて」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐えだ天つ枝】 (天皇の連枝の意)親王の異称。八雲御抄「親王、―」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐おとめ天つ少女‥ヲトメ ①天上に住むという少女。天女。天人。新古今和歌集「久方の―が夏衣」 ②五節ごせちの舞姫。夫木和歌抄18「曇なき豊のあかりに見つるかな―の舞の姿を」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐おとめ天津乙女‥ヲトメ 女優。本名、鳥居栄子。東京生れ。宝塚歌劇団に40年余在籍。日舞を得意とした。(1905〜1980) あまつ‐かぜ天つ風】 天を吹く風。古今和歌集「―雲の通ひぢ吹きとぢよ」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐かみ天つ神】 天にいる神。高天原たかまのはらの神。また、高天原から降臨した神、また、その子孫。続日本紀15「―御孫みまの命みこと」↔国つ神。 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつかみ‐の‐みこ天つ神の御子】 天子。天皇。神武紀「―来でますと聞うけたまわりて」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつかみ‐の‐よごと天つ神の寿詞】 天つ神が天皇を寿ことほぐ詞。中臣寿詞なかとみのよごとをいう。 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐きみ天つ君】 天子。天皇。 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐くに天つ国】 天上にある国。高天原たかまのはら。神代紀「―に照らし臨みたまふこと」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐くもい天つ雲居‥ヰ ①天の、雲のあるところ。大空。 ②宮中。禁中。 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐くらい天つ位‥クラヰ 天皇の位。皇位。 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あま‐づけ淡漬・味漬】 ①あま塩の漬物。 ②あさづけ。 あまっ‐こ尼っこ】 女をののしっていう語。あまっちょ。誹風柳多留10「―を未練のないがかひにくる」 あまつさえ剰えアマツサヘ 〔副〕 (アマリサエの音便アマッサエの転)前文をうけて、それだけでも並大抵でないのに、その上にさらに(悪いことが)加わる意を表す。そればかりか。その上に。あまさえ。狂言、柿山伏「この貴い山伏を最前から鳥類禽類に喩へをる。―鳶ぢやと云うた」。日葡辞書「アマッサエ」。「日は暮れて、―雪までも降って来た」 ▷近年はアマツサエが多いが、転ずる前の形のアマッサエも使う。 あまつ‐しるし天つ印・天つ璽】 ①天上にある越えてはならない境界線。万葉集10「―と定めてし天の河原に」 ②天つ神の子孫としての証拠。また、皇位のしるし。祝詞、大殿祭「―の剣・鏡を捧げ持ちたまひて」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐そで天つ袖】 天人の衣の袖。五節ごせちの舞姫の袖にもいう。源氏物語少女「少女子も神さびぬらし―」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐そら天つ空】 ①大空。てん。古今和歌集「久堅の―にも住まなくに」 ②宮中。禁中。古今和歌集雑体「言の葉を―まで聞えあげ」 ③はるかに遠く、かけ離れた所。古今和歌集「―なる人を恋ふとて」 ④心の落ちつかぬこと。うわのそら。万葉集12「我が心―なり地つちは踏めども」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あま‐づた・う天伝ふ‥ヅタフ 〔自四〕 天をつたう。大空を通る。万葉集3「―・ひ来る雪じもの」 あま‐づたう天伝ふ‥ヅタフ 〔枕〕 「日」「入日」にかかる。万葉集2「―入日さしぬれ」 あまっ‐たる・い甘ったるい】 〔形〕 ①味が度をすぎて甘い。「―・いあめ」 ②愛情の表現やあまえかたが度をこえている。「―・い話し方」 ③通俗的で人にこびている。鋭さやしまりのない。「―・い文章」 あまっ‐た・れる甘ったれる】 〔自下一〕 (アマエタレルの転)馴れ親しみ、こびる態度をとる。ひどく甘える。自立心がとぼしく他を頼る。「母に―・れる」「―・れた事を言うな」 あま‐つち甘土】 ①耕地の表土を、人工によって改良したもの。上地うわじ。上土うわつち。 ②転じて、小作権。→甘土権⇒あまつち‐けん【甘土権】 あまつち‐けん甘土権】 (香川・岐阜県などで)慣行小作権。上土権。 ⇒あま‐つち【甘土】 あまっ‐ちょ尼っちょ(→)「あまっこ」に同じ。 あまっ‐ちょろ・い甘っちょろい】 〔形〕 アマチョロイの促音化。 あま‐つづき雨続き】 雨の降り続くこと。あめつづき。 あまつ‐つぎて天つ次】 高天原たかまのはら以来つづいて来たこと。祝詞、神賀詞「―の神賀かむほきの吉詞よごと⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐つみ天つ罪】 ①天上で犯した罪。素戔嗚尊すさのおのみことが天上(高天原)で犯した罪。祝詞、大祓詞「―と畔放あはなち、溝埋みぞうみ」↔国つ罪。 ②朝廷の命による処罰。継体紀「恭つつしみて―を行へ」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あま‐つつみ雨障(→)「あまさわり」に同じ。万葉集4「―君に副たぐひてこの日暮さむ」 あまつ‐のりと天つ祝詞】 祝詞の美称。祝詞、大祓詞「―の太祝詞ごとを」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あま‐つばめ雨燕】 アマツバメ目アマツバメ科の鳥。小形で、ヒヨドリぐらい。喉・腰が白色のほか、全体黒褐色で、青色の光沢がある。夏季、高山や島の断崖に群棲。また、広くはアマツバメ科の鳥の総称で、世界に約90種。すべて飛びながら昆虫を捕食。脚の4趾はみな前方に向かっているので、岩壁に懸垂できるが、樹枝には留まることができない。ツバメとは類縁が遠い。日本には、アマツバメ・ヒメアマツバメ・ハリオアマツバメが見られる。アマドリ。アマクロツバメ。〈[季]夏〉 あまつばめ ハリオアマツバメ 撮影:小宮輝之 あまつ‐ひ天つ日】 太陽。日輪。玉葉集「―の光は清く照らす世に」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あま‐つび雨粒】 あまつぶ。 あまつ‐ひこ天つ彦】 天つ神の子。古事記「此の人は―(瓊瓊杵尊)の御子」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつひこひこほのににぎ‐の‐みこと天津彦彦火瓊瓊杵尊⇒ににぎのみこと あまつ‐ひつぎ天つ日嗣】 天照大神あまてらすおおみかみの系統を継承すること。皇位の継承。また、その皇位。古事記「天つ神の御子の―」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐ひもろき天つ神籬】 神籬ひもろきの美称。神代紀「―及び天津磐境いわさかを起し樹てて」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐ひれ天つ領巾】 天女の首から肩に垂らした領巾ひれ。あまひれ。万葉集10「織女たなばたつめの―かも」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あま‐つぶ雨粒】 雨の粒。あめつぶ。 あまっぷり‐かざっぷき雨っ降り風っ吹き】 雨が降り風が吹くことを勢いをつけていった奴詞やっこことばあまつ‐まら天津麻羅(→)天目一箇神あまのまひとつのかみに同じ。 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐みおや天つ御祖】 天皇の遠祖。天照大神あまてらすおおみかみから鸕鷀草葺不合尊うがやふきあえずのみことまでの称。天祖。神武紀「天祖あまつみおや彦火瓊瓊杵尊ひこほのににぎのみこと⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐みかど天つ御門】 皇居の門。転じて、皇居。朝廷。万葉集2「久方の―を懼かしこくも定め給ひて」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐みけ天つ御食】 食物の美称。祝詞、大嘗祭「―の長御食の遠御食と」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐みこ天つ御子】 天つ神の子。天皇。天子。 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐みこと天つ尊】 天照大神あまてらすおおみかみ。日の神。万代和歌集「岩戸あけし―のそのかみに」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐みず天つ水‥ミヅ [一]〔名〕 (天の水の意)雨。万葉集18「緑児の乳乞ふが如く―仰ぎてそ待つ」 [二]〔枕〕 「仰ぎて待つ」にかかる。万葉集2「大船の思ひたのみて―仰ぎて待つに」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐みずかげ天つ水影‥ミヅ‥ 天上にある水の面に映って見えるもの。仲哀紀「―の如く押し伏せて我が見る国」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐みはかり天つ御量】 天つ神のはからい。祝詞、大殿祭「―以ちて」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐みや天つ宮】 天上にある宮殿。万葉集2「久方の―に神ながら神と座いませば」 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あまつ‐やしろ天つ社】 天つ神を祭った神社。崇神紀「―、国つ社及び神地かむどころ、神戸かむべを定む」↔国つ社 ⇒あま‐つ【天津・天つ】 あま‐づら案摩面】 ①案摩の答舞「二の舞」に用いる腫面はれおもての女面。 ②(形が膨れて、1に似るところから)器物につける環の取手とってあま‐でら尼寺】 尼の住む寺。尼屋・尼寺にじ・比丘尼びくに寺ともいう。 ⇒あまでら‐ござん【尼寺五山】 あまでら‐ござん尼寺五山】 京都の景愛寺・通玄寺・檀林寺・護念寺・恵林寺。また、鎌倉の太平寺(高松寺)・東慶寺・国恩寺・護法寺・禅明寺の称。尼五山にごさん・あまござん⇒あま‐でら【尼寺】 あま‐てら・す天照らす】 〔自四〕 (古くはアマデラスとも) ①「天照る」の尊敬語。天に輝いておられる。万葉集18「―・す神の御代より」 ②天下をお治めになる。三代実録38「―・し治めきこしめすゆゑは」 あまてらす‐おおみかみ天照大神・天照大御神‥オホ‥ 伊弉諾尊いざなぎのみことの女むすめ。高天原たかまのはらの主神。皇室の祖神。大日孁貴おおひるめのむちとも号す。日の神と仰がれ、伊勢の皇大神宮(内宮)に祀り、皇室崇敬の中心とされた。 あま‐て・る天照る】 〔自四〕 大空に照る。天に光る。万葉集15「久方の―・る月は見つれども」 あまてる‐かみ天照神】 天照大神あまてらすおおみかみの別称。狭衣物語4「―の御けはひ、いちじるく現はれいで給ひて」 あまてる‐や天照るや】 〔枕〕 「日」にかかる。 あま‐ど雨戸】 家の外まわりの戸で、主に風雨を防ぎ、また夜の用心のためのもの。 あま‐どい雨樋‥ドヒ 軒先から雨だれをうけて流す細長い樋。 あま‐とう甘党‥タウ 酒類よりは甘いものの方を好む人。↔辛党からとう あま‐どうふく雨胴服(→)雨羽織あまばおりに同じ。 あま‐どころ甘野老・萎蕤】 山野に普通なユリ科の多年草。約40センチメートルの茎をやや斜めに伸ばし、楕円形の葉を互生。初夏、葉腋から長さ2センチメートルほどの緑白色の鐘形の花を1〜2個垂らす。小球形の果実は熟すと暗緑色。地下茎は少し甘味があり、薬用、古くは澱粉製造用。アマナ。イズイ。エミグサ。〈書言字考節用集〉 あまどころ アマドコロ 提供:OPO あま‐と・ぶ天飛ぶ】 〔自四〕 大空を飛ぶ。古事記「―・ぶ鳥も使そ」 あまとぶ‐や天飛ぶや】 〔枕〕 「かり(雁)」「かる(軽)」にかかる。 あま‐どり雨鳥】 アマツバメの別称。〈新撰字鏡8あま‐な甘菜】 ①味の甘い菜。ナズナなどの類。↔辛菜からな。 ②ユリ科の多年草。草地に生じ、球茎からニラに似た葉を出す。春、紫色の筋のある星形6弁の白花を開く。球茎は食用、また滋養強壮剤とする。マツバユリ。ムギグワイ。 ③フナバラソウの古名。 ④アマドコロの古名。 ⑤ナルコユリの古名。 あま‐な・う和ふ・甘なふアマナフ 〔自四〕 ①意見がまとまる。同意する。舒明紀「群臣まえつきみたちの―・はずして」 ②和解する。仲よくする。継体紀「竟ついに―・ふこと無くして」 ③(他動詞的に)甘んじて受ける。好む。雨月物語1「清貧を―・ひて、…調度のわづらはしきを厭ふ」 あま‐なつ甘夏】 夏みかんの一種。甘く酸味の少ない改良品種。甘夏蜜柑。 甘夏 撮影:関戸 勇 あま‐なっとう甘納豆】 アズキ・キントキ・インゲンなどの豆類をゆでて糖蜜で煮つめ、汁気をよく切って砂糖をまぶした菓子。 甘納豆 撮影:関戸 勇 あま‐に甘煮】 味の甘い煮方。甘く煮たもの。「南瓜かぼちゃの―」 あま‐に亜麻仁】 亜麻の種子。扁平卵円形で、黄色または褐色。しぼって亜麻仁油をとる。亜麻子あまし⇒あまに‐ゆ【亜麻仁油】 あまに‐ゆ亜麻仁油】 亜麻仁から搾った油。黄ないし褐色の乾性油。塗料・ワニス・印刷インク・印肉・リノリウムなどを製するのに用いる。また、灌腸かんちょう薬。あまにんゆ。あましゆ。 ⇒あま‐に【亜麻仁】 あま‐にゅうどう尼入道‥ニフダウ 在家のまま髪を剃って仏道にはいった尼。尼女房。 あまねく遍く・普く】 〔副〕 (形容詞アマネシの連用形から)すべてにわたって、広く。「全国に―知られる」 あまね・し遍し・普し】 〔形ク〕 広くゆきわたっている。万葉集8「木末こぬれ―・く色づきにけり」 あまね‐わ・す遍はすアマネハス 〔他四〕 あまねく及ぼす。残る所なくする。大唐西域記長寛点「孤独に周アマネハシ給ふ」 あまね‐わ・る遍はるアマネハル 〔自四〕 広くゆきわたる。日本霊異記「正税を下たまひて百姓おおみたからに―・りたり」 あまの天野】 ①大阪府河内長野市の地名。金剛寺がある。 ②天野酒の略。 ⇒あまの‐ざけ【天野酒】 ⇒あまの‐だる【天野樽】 あまの天野】 姓氏の一つ。 ⇒あまの‐さだかげ【天野信景】 ⇒あまの‐そうほ【天野宗歩】 ⇒あまの‐ていゆう【天野貞祐】 ⇒あまの‐もとのすけ【天野元之助】 あま‐の天の】 「天てんにある」「天の」の意。アメノともよむ。→あめの⇒あまの‐いのち【天の命】 ⇒あまの‐いわくすぶね【天の磐櫲樟船】 ⇒あまの‐いわくら【天の磐座】 ⇒あまの‐いわと【天の磐戸】 ⇒あまの‐いわふね【天の磐船】 ⇒あまの‐いわや【天の岩屋】 ⇒あまの‐いわやと【天の岩屋戸】 ⇒あまの‐うきはし【天の浮橋】 ⇒あまの‐おはばり【天尾羽張】 ⇒あまの‐かくや【天の加久矢】 ⇒あまの‐かぐやま【天香山・天香具山】 ⇒あまの‐かわら【天の河原】 ⇒あまの‐さいわい【天の幸】 ⇒あまの‐さかて【天の逆手】 ⇒あまの‐さかほこ【天の逆鉾】 ⇒あまの‐すいがき【天の透垣】 ⇒あまの‐せきもり【天の関守】 ⇒あまの‐たけち【天の高市】 ⇒あまの‐たむさけ【天の甜酒】 ⇒あまの‐たりよ【天の足夜】 ⇒あまの‐と【天の戸】 ⇒あまの‐とがわ【天の戸河】 ⇒あまの‐とりふね【天の鳥船】 ⇒あまの‐ぬほこ【天の瓊矛】 ⇒あまの‐のりごと【天の詔琴】 ⇒あまの‐はぐるま【天の羽車】 ⇒あまの‐はごろも【天の羽衣】 ⇒あまの‐はそで【天の羽袖】 ⇒あまの‐ははきり【天の羽羽斫】 ⇒あまの‐ははや【天の羽羽矢】 ⇒あまの‐ははゆみ【天の羽羽弓】 ⇒あまの‐はら【天の原】 ⇒あまの‐ますひと【天の益人】 ⇒あまの‐みかげ【天の御蔭】 ⇒あまの‐みはかり【天の御量】 ⇒あまの‐みはしら【天の御柱】 ⇒あまの‐むらくも‐の‐つるぎ【天叢雲剣】 ⇒あまの‐やすのかわ【天の安の河】 ⇒あまの‐やそかげ【天の八十蔭】 ⇒あまの‐やちまた【天の八衢】 ⇒あまの‐よそ【天の余所】 あま‐の‐いさり海人の漁火】 (古くはアマノイザリとも)漁夫が漁をする時にたく火。万葉集15「―はともし合へり見ゆ」 あまのいぬかい海犬養‥カヒ 姓氏の一つ。 ⇒あまのいぬかい‐の‐すくね‐おかまろ【海犬養宿祢岡麻呂】 あまのいぬかい‐の‐すくね‐おかまろ海犬養宿祢岡麻呂‥カヒ‥ヲカ‥ 万葉歌人。天平6年(734)応詔歌「み民われ生けるしるしありあめつちの栄ゆる時にあへらく思へば」(万6)の作者。伝不詳。 ⇒あまのいぬかい【海犬養】 あまの‐いのち天の命】 (「天命てんめい」を訓読した語か)生命。狂言、空腕「―を拾うた」 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐いわくすぶね天の磐櫲樟船‥イハ‥くすで造った堅固な船。日本神話で伊弉諾いざなぎ・伊弉冉いざなみの2神が子の蛭子ひるこをのせて流したという。 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐いわくら天の磐座‥イハ‥ 高天原たかまのはらの大殿で皇孫すめみまのいたという御座みくら。〈神代紀訓注〉 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐いわと天の磐戸‥イハ‥ ⇒あまのいわやと⇒あま‐の【天の】 あまのいわとわけ‐の‐かみ天石戸別神‥イハ‥ 日本神話で、御門みかどの守護神として天孫降臨の際に随伴したという神。みかどのかみ。 あまの‐いわふね天の磐船‥イハ‥ ①(天の堅牢な船の意)日本神話にみえる船の名。神武紀「―に乗りて天より降止くだりいでませり」 ②天の川を渡るという船。堀河百首「彦星の―ふなでして」 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐いわや天の岩屋‥イハ‥ 高天原たかまのはらにあったという岩屋。神代紀「―に閉こもり居すに至りて」 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐いわやと天の岩屋戸‥イハ‥ 天の岩屋の戸。日本神話で天照大神あまてらすおおみかみが素戔嗚尊すさのおのみことの暴状を怒り天の岩屋に籠もったため、天地が常闇とこやみとなった。群神が相談して種々の物を飾り、天児屋根命あまのこやねのみことが祝詞を奏し天鈿女命あまのうずめのみことが舞ったところ、大神が出てきて、世が再び明るくなった。北半球で冬至に太陽の力が弱まり復活する型の神話。古事記「是に天照大御神見畏みて、―を開きてさしこもり坐しき」 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐うきはし天の浮橋】 神が高天原たかまのはらから地上へ降りるとき、天地の間にかかるという橋。神代紀「伊弉諾尊・伊弉冉尊、―の上に立たして」 ⇒あま‐の【天の】 あまのうずめ‐の‐みこと天鈿女命・天宇受売命】 日本神話で、天岩屋戸あまのいわやとの前で踊って天照大神あまてらすおおみかみを慰め、また、天孫降臨に随従して天の八衢やちまたにいた猿田彦神を和らげて道案内させたという女神。鈿女命。猿女君さるめのきみの祖とする。 あまのおしひ‐の‐みこと天忍日命】 天孫降臨の時、天久米命あまのくめのみことらと刀や弓矢を持って先駆したという神。大伴連おおとものむらじの祖とする。 あまのおしほみみ‐の‐みこと天忍穂耳尊】 日本神話で、瓊瓊杵尊ににぎのみことの父神。素戔嗚尊すさのおのみことと天照大神あまてらすおおみかみの誓約うけいの際に生まれた神。正哉吾勝勝速日まさかあかつかちはやひ天忍穂耳尊。 あまの‐おはばり天尾羽張‥ヲ‥ 伊弉諾尊いざなぎのみことが迦具土神かぐつちのかみを斬った剣の名。伊都いつの尾羽張。 ⇒あま‐の【天の】 あま‐の‐おもて案摩の面】 ①舞楽の案摩の舞に用いる仮面。長方形の紙に白絹を貼り、眼・鼻・口を描く。あまのめ。蔵面ぞうめん。 案摩の面 ②矢羽の斑。1に似て、上に黒い山形、下に黒い鱗形の斑のある鷲の羽。あまのめ。 あまの‐かくや天の加久矢】 古事記にみえる矢の名。鹿などを射るのに用いる矢の意か。天の真鹿児矢まかこや。古事記「天つ神の賜へりて天の波士弓―」 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐かぐやま天香山・天香具山】 ①高天原たかまのはらにあったという山。 ②⇒かぐやま⇒あま‐の【天の】 あま‐の‐かるも海人の刈藻】 海人の刈りとる海藻。「乱る」の序詞として用いる。古今和歌集「幾代しもあらじわが身をなぞもかく―に思ひ乱るる」 あまのかるも海人の刈藻】 ①平安末期成立の擬古物語。4巻。右大将の中宮藤壺に対する悲恋遁世談。 ②大田垣蓮月の歌集。 あま‐の‐がわ天の川・天の河‥ガハ (中国の伝説に、牽牛星と織女星とがこの河を渡って、7月7日に出逢うという)銀河系の円板部の恒星が天球に投影されたもの。数億以上の恒星から成り、天球の大円に沿って淡く帯状に見える。銀漢。漢。天漢。河漢かかん。天の戸河。〈[季]秋〉。万葉集10「―楫の音聞ゆ彦星と織女たなばたつめと今夕逢ふらしも」→銀河系 天の川 提供:東京大学理学部木曽観測所 M17と銀河 撮影:Anglo-Australian Observatory/Royal Observatory,Edinburgh あま‐の‐がわ天之川‥ガハ 大阪府枚方ひらかた市禁野きんやの地名。あたりを同名の川が流れる。(歌枕) 天之川 撮影:的場 啓 あまの‐かわら天の河原‥カハラ ①日本神話で天上界にあるという河原。万葉集2「久方の―に八百万千万やおよろずちよろず神の神集かむつどひ集ひいまして」 ②天の川の河原。万葉集8「牽牛ひこほしの嬬つま迎へ船漕ぎ出らし―に霧の立てるは」 ⇒あま‐の【天の】 あまのくめ‐の‐みこと天久米命】 天孫降臨の時、天忍日命あまのおしひのみことらと刀や弓矢を持って先駆したという神。久米直くめのあたいらの祖とする。 あま‐の‐こ海人の子】 ①漁夫の子。万葉集5「漁あさりする―どもと人はいへど」 ②遊女。和漢朗詠集「白浪のよするなぎさによをすぐす―なれば宿も定めず」 あまのこやね‐の‐みこと天児屋命・天児屋根命】 日本神話で、興台産霊こごとむすひの子。天岩屋戸の前で、祝詞を奏して天照大神あまてらすおおみかみの出現を祈り、のち、天孫に従ってくだった五部神いつとものおのかみの一人で、その子孫は代々大和朝廷の祭祀をつかさどったという。中臣・藤原氏の祖神とする。 あまの‐さいわい天の幸‥サイハヒ 願ってもないさいわい。 ⇒あま‐の【天の】 あま‐の‐さえずり海人の囀り‥サヘヅリ 聞きわけにくい漁夫の言葉。源氏物語松風「鵜飼ども召したるに、―おぼし出でらる」 あまの‐さかて天の逆手】 呪術の一つで、事の成就を誓うためや、人を呪のろう時に打った拍手かしわで。古事記「―を青柴垣あおふしがきに打ち成して」 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐さかほこ天の逆鉾】 ①降魔の呪術として、鉾をさかさに立てたものか。播磨風土記逸文「赤土あかにを出し賜ひき。その土を―に塗りて」 ②「天の瓊矛ぬほこ」の後世の称。 ⇒あま‐の【天の】 あま‐の‐さぐめ天探女】 日本神話で、天照大神あまてらすおおみかみの詔を受けて天稚彦あめわかひこを問責に降った雉きぎしを天稚彦に射殺させた女の名。後世の天邪鬼あまのじゃくあまの‐ざけ天野酒】 中世、天野山金剛寺で造った名酒。あまの。 ⇒あまの【天野】 あま‐の‐ざこ天邪古(→)「あまのじゃく」に同じ。〈日葡辞書〉 あまの‐さだかげ天野信景】 江戸中期の和学者。尾張藩士。著「塩尻」「伊勢大神宮参詣記」など。(1663〜1733) ⇒あまの【天野】 あま‐の‐じゃく天邪久・天邪鬼】 ①昔話に出てくる悪者。人に逆らい、人の邪魔をする。天探女あまのさぐめの系統を引くといわれるが、変形が多い。あまんじゃぐめ。〈壒嚢鈔10〉。夏目漱石、夢十夜「鶏とりの鳴く真似をしたものは天探女あまのじゃくである」→うりこひめ。 ②わざと人の言に逆らって、片意地を通す者。 ③仁王や四天王の像がふまえている小鬼。 あま‐の‐じゃこ天邪鬼(→)「あまのじゃく」に同じ。 あまの‐すいがき天の透垣】 宮中にある透垣。あまのすいがい。 ⇒あま‐の【天の】 あま‐の‐すてぶね海人の捨舟】 漁夫が乗り捨てた舟。寄るべのない身の上にたとえる。玉葉集「塩干にとまる―」 あまの‐せきもり天の関守】 天にあるとする関所の番人。万代和歌集「―誰かすゑけむ」 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐そうほ天野宗歩】 江戸後期の将棋棋士。前名留次郎、のち富次郎。江戸生れ。剃髪して宗歩と号。御城将棋に出勤奮戦。近代将棋の祖といわれ、棋聖と称される。著「将棊精選」。(1816〜1859) ⇒あまの【天野】 あまの‐たけち天の高市】 高天原たかまのはらで諸神が集会したという所。また、高天原の市。神代紀「八十万の神を―に会かむつどえにつどへて」 ⇒あま‐の【天の】 あまのたぢからお‐の‐みこと天手力男命‥ヲ‥ 天岩屋戸あまのいわやとを開いて天照大神あまてらすおおみかみを出したという大力の神。天孫の降臨に従う。 あまのたねこ‐の‐みこと天種子命】 日本神話で、天児屋根命あまのこやねのみことの孫(一説に子)。神武天皇の即位に天つ神の寿詞よごとを奏し、のち、祭祀をつかさどったという。中臣氏の祖。 あまの‐たむさけ天の甜酒】 甜酒たむさけの美称。 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐たりよ天の足夜】 満ち足りた良い夜。万葉集13「夢いめにだに逢ふと見えこそ―を」 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐だる天野樽】 (もと天野酒を入れたのでいう)柄樽えだる・角樽つのだるの異称。 ⇒あまの【天野】 あまの‐ていゆう天野貞祐‥イウ 哲学者・教育者。神奈川県生れ。京大卒、同教授。一高校長・文相・独協大初代学長を歴任。カント研究家。著「道理の感覚」など。(1884〜1980) 天野貞祐 撮影:田村 茂 ⇒あまの【天野】 あまの‐と天の戸】 ①天の岩屋の戸。万葉集20「ひさかたの―開き」 ②天の川の水門みと。後撰和歌集「たなばたの―わたる今宵さへ」 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐とがわ天の戸河‥ガハ あまのがわ。小町集「―の樋口あけ給へ」 ⇒あま‐の【天の】 あまのとこたち‐の‐かみ天常立神】 古事記で、天地開闢かいびゃくの時、現れたという神。 あまのとみ‐の‐みこと天富命】 日本神話で、天太玉命あまのふとだまのみことの孫。神武天皇の時代、天種子命あまのたねこのみこととともに神事をつかさどり、また、造営にあずかり、鏡・玉・木綿ゆうなどを作ったという。 あまの‐とりふね天の鳥船】 日本神話にみえる、速力のはやい船。また、それを神として呼んだ称。 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐ぬほこ天の瓊矛】 (玉で飾った美しい鉾の意)日本神話で伊弉諾いざなぎ・伊弉冉いざなみの2神が、滄溟あおうなはらを探ったという鉾。神代紀「―を以て指し下ろして探る」 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐のりごと天の詔琴】 神の託宣を請うのに用いた和琴わごん⇒あま‐の【天の】 あまの‐はぐるま天の羽車】 神の遷宮・渡御とぎょの時に、神霊を奉安する車。 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐はごろも天の羽衣】 ①天人の着る薄く軽い衣。着て虚空を翔るためのものという。竹取物語「―納れり」 ②天皇が神今食じんごんじき・新嘗祭にいなめさいなどの大祭で沐浴する時に着たゆかたびら。 ⇒あま‐の【天の】 あまのはしだて天橋立】 京都府宮津市宮津湾の砂洲さす。日本三景の一つ。延長約3キロメートルの白砂の松林で、成相山・傘松からの縦一文字と、大内峠おうちとうげからの横一文字の景色は特に有名。 天橋立 撮影:山梨勝弘 あまの‐はそで天の羽袖】 ①天人の羽衣の袖。 ②五節ごせちの舞姫の衣の袖。源氏物語少女「少女子が―にかけし心は」 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐ははきり天の羽羽斫】 (「はは」は蛇の意)(→)「おろちのあらまさ(大蛇の麁正)」に同じ。 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐ははや天の羽羽矢】 日本神話で、天若日子あめわかひこが天神から賜り、神武天皇・饒速日命にぎはやひのみことが天孫民族の証とした矢。古事記「天のまかこ弓―」→羽羽矢⇒あま‐の【天の】 あまの‐ははゆみ天の羽羽弓】 天の羽羽矢を射る弓。旧事紀「天羽羽弓」 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐はら天の原】 ①おおぞら。万葉集2「―ふりさけ見れば」 ②日本神話の天上界。高天原たかまのはら。古事記「吾が隠こもりますによりて―おのづから闇くらく」 ⇒あま‐の【天の】 あまのふとだま‐の‐みこと天太玉命】 日本神話の五部神いつとものおのかみの一神。天岩屋戸あまのいわやとの前で天香山あまのかぐやまの真榊まさかきを取り、玉・鏡・和幣にきてをかけ、天照大神あまてらすおおみかみの出現を祈った。斎部いみべ氏の祖とする。 あまのほあかり‐の‐みこと天火明命】 天照大神あまてらすおおみかみの子天忍穂耳命あまのおしほみみのみことの子。尾張連おわりのむらじの祖とする。 あまのほひ‐の‐みこと天穂日命】 日本神話で、素戔嗚尊すさのおのみことと天照大神あまてらすおおみかみの誓約うけいの際に生まれた子。天孫降臨に先だち、出雲国に降り、大国主命おおくにぬしのみこと祭祀の祭主となる。出雲国造いずものくにのみやつこらの祖とする。千家せんげ氏はその子孫という。 あまの‐ますひと天の益人】 数が増し栄えてゆく人民。祝詞、大祓詞「国中に成り出でむ―ら」 ⇒あま‐の【天の】 あま‐の‐まてがた海人の両手肩】 (マ(両)は「真」で、完全な、左右両方の、の意)海人が潮水を汲み入れて運び、または藻塩草を刈って掻き集めなどをするのに、両手・両肩を労して働くこと。「待つ」にかかる序詞としても用いる。壬二みに集「伊勢の海の―待てしばし恨みに波のひまはなくとも」 あまのまひとつ‐の‐かみ天目一箇神】 天照大神あまてらすおおみかみが天岩屋戸あまのいわやとに隠れた時、刀・斧など、祭器を作ったという神。後世、金工・鍛冶の祖神とする。天津麻羅あまつまらあまの‐みかげ天の御蔭】 (天をおおう意)宮殿をほめたたえていう語。日の御蔭。天の八十蔭やそかげ。祝詞、大殿祭「皇御孫すめみまの命の―日の御蔭と造り仕へまつれる」 ⇒あま‐の【天の】 あまのみくまり‐の‐かみ天之水分神「水分神みくまりのかみ参照。 あまのみなかぬし‐の‐かみ天御中主神】 古事記で、造化の三神の一柱。天地開闢かいびゃくのはじめ、高天原たかまのはらに最初に出現、天の中央に座して宇宙を主宰したという神。中国の思想による天帝の観念から作られたという。 あまの‐みはかり天の御量】 日本神話にみえる、材木などの長短を測った道具。古語拾遺「―を以もちひ、大峡小峡おおかいおかいの材を伐りて」 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐みはしら天の御柱】 日本神話で、伊弉諾いざなぎ・伊弉冉いざなみ2神が磤馭慮島おのごろしまにくだって立てた柱。そのまわりを回って結婚した。また、天地を支えたという柱。 ⇒あま‐の【天の】 あまのみはしら‐の‐かみ天御柱神】 国御柱神とともに風神で、元官幣大社竜田神社の祭神。 あまの‐むらくも‐の‐つるぎ天叢雲剣】 日本神話で、素戔嗚尊すさのおのみことが八岐大蛇やまたのおろちを退治した時、その尾から出たという剣。これを天照大神あまてらすおおみかみに奉った。後に、草薙剣くさなぎのつるぎと称して熱田神宮に祀る。 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐もとのすけ天野元之助】 中国農業経済研究者。京大卒。満鉄調査部につとめ、中国各地の実態調査に従事。のち大阪市立大・追手門学院大教授。著「支那農業経済論」「中国農業史研究」など。(1901〜1980) ⇒あまの【天野】 あまの‐やすのかわ天の安の河‥カハ 日本神話で天上にあったという河。神々の会合した所とする。古事記「―を中におきて」 ⇒あま‐の【天の】 あまの‐やそかげ天の八十蔭(→)「あまのみかげ」に同じ。 [reference]⇒あま‐の【天

あまだれ‐おち【雨垂れ落ち】🔗🔉

あまだれ‐おち雨垂れ落ち】 あまだれが落ちて打ち当たる所。あまおち。 ⇒あま‐だれ【雨垂れ】

あまだれ‐びょうし【雨垂れ拍子】‥ビヤウ‥🔗🔉

あまだれ‐びょうし雨垂れ拍子‥ビヤウ‥ 拍子を雨だれのように一定間隔に奏すること。日本音楽では、実演に際して拍を伸縮させる例が多いので、譜面どおりに等間隔の基本の拍節を、特に雨垂拍子・地拍子などと称する。謡曲に用例が多い。 ⇒あま‐だれ【雨垂れ】

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