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広辞苑の検索結果 (21)

え‐げ【穢気】ヱ‥🔗🔉

え‐げ穢気ヱ‥ 禁忌とされる、けがれた気。死・出産などによるけがれ。十訓抄「この程北の方ふさがらず、若し―もこそあれといひて」

え‐こく【穢国】ヱ‥🔗🔉

え‐こく穢国ヱ‥ (→)穢土えど1に同じ。

え‐しん【穢身】ヱ‥🔗🔉

え‐しん穢身ヱ‥ 〔仏〕けがれた身。凡夫ぼんぷの身。平家物語3「いかでか有待うだいの―を救療くりょうせん」

えたヱタ🔗🔉

えたヱタ (「下学集」など中世以降、侮蔑の意をこめて「穢多」の2字を当てた)中世・近世の賤民身分の一つ。牛馬の死体処理などに従事し、罪人の逮捕・処刑にも使役された。江戸幕藩体制下では、非人とともに士農工商より下位の身分に固定、一般に居住地や職業を制限され、皮革業に関与する者が多かった。1871年(明治4)太政官布告により平民の籍に編入された後も社会的差別が存続し、現在なお根絶されていない。塵袋「ゑとりをはやくいひて、いひゆがめて―と云へり、たととは通音也」→部落解放運動

え‐ど【穢土】ヱ‥🔗🔉

え‐ど穢土ヱ‥ ①〔仏〕けがれた国土。三界六道の苦しみのある世界。凡夫の住む娑婆しゃば。この世。現世。穢国。梁塵秘抄「普賢文珠は獅子象に乗り娑婆の―にぞ出で給ふ」↔浄土じょうど。 ②糞くその異称。宇治拾遺物語2「四条の北なる小路に―をまる」

かい‐お【穢汚】クワイヲ🔗🔉

かい‐お穢汚クワイヲ ①けがれ。よごれ。 ②恥辱。汚穢おわい

きたな・い【汚い・穢い】🔗🔉

きたな・い汚い・穢い】 〔形〕[文]きたな・し(ク) ①触れるのもいやなほど、よごれている。清潔でない。竹取物語「―・きところのものきこしめしたれば、みここち悪しからむものぞ」。「足が―・い」 ②乱雑である。乱れている。「―・い字」 ③よこしまである。正しくない。腹黒い。続日本紀26「―・き心を以て、朝廷みかどを動かし傾けむとして」 ④卑怯ひきょうである。恥を知らない。古今著聞集9「―・くもうしろをば見するものかな、しばし引きかへせ、物いはむ」。「―・い手で勝つ」 ⑤野卑である。下品である。源氏物語東屋「守もいやしき人にはあらざりけり、上達部のすぢにて、中らひも物―・き人ならず」。「言葉遣いが―・い」 ⑥けちである。しわい。「金に―・い」

きたな・し【汚し・穢し】🔗🔉

きたな・し汚し・穢し】 〔形ク〕 ⇒きたない

きたな‐び・る【汚びる・穢びる】🔗🔉

きたな‐び・る汚びる・穢びる】 〔自下二〕 きたないさまをする。卑怯ひきょうなふるまいをする。太平記5「―・れて敵に笑はるな」

きたな・む【汚む・穢む】🔗🔉

きたな・む汚む・穢む】 〔他四〕 きたないと思う。けがらわしいと思う。発心集「この病者に至りては、いとひ―・む人のみありて」

きたな‐らし・い【汚らしい・穢らしい】🔗🔉

きたな‐らし・い汚らしい・穢らしい】 〔形〕[文]きたなら・し(シク) きたなく見える。けがらわしく感ずる。

けが・し【穢し・汚し】🔗🔉

けが・し穢し・汚し】 〔形シク〕 けがらわしい。夫木和歌抄36「年ふれば―・しきみぞに落ちぶれて」

けが・す【穢す・汚す】🔗🔉

けが・す穢す・汚す】 〔他五〕 ①きたなくする。よごす。西大寺本最勝王経平安初期点「血流れて泥と成りて其の地を霑ぬらし汙ケガセるとを見つ」。平家物語5「滝壺を―・さじとや」。「純な心を―・す」 ②名誉・名声などにきずをつける。源氏物語椎本「竜田の川の濁る名をも―・し」。「社名を―・す」 ③女子の貞操をきずつける。雄略紀「皇女を姧けがしまつりて任身はらましめたり」 ④人格・実力のない者が高い地位に就く。また、自分がある地位や席につくことを、謙遜していう。平家物語1「その人ならでは―・すべき官ならねども」。「末席を―・す」 ⑤手や口をつけてよごす。宇治拾遺物語2「鯛のあら巻三つもて…今二巻きは―・さで置きてさぶらふ」

けがらい【穢らひ】ケガラヒ🔗🔉

けがらい穢らひケガラヒ けがれ。源氏物語夕顔「おぼえぬ―に触れたるよしを奏し給へ」

けがら・う【穢らふ】ケガラフ🔗🔉

けがら・う穢らふケガラフ 〔自四〕 (ケガルに接尾語フの付いた語) ①けがれる。けがれにふれる。源氏物語手習「―・ひたる人とて、立ちながら追ひ返しつ」 ②喪に服する。栄華物語嶺月「左衛門の御方にて皆―・ひ給へり」

けがらわし・い【穢らわしい・汚らわしい】ケガラハシイ🔗🔉

けがらわし・い穢らわしい・汚らわしいケガラハシイ 〔形〕[文]けがらは・し(シク) ①けがれたさまである。不浄である。孝徳紀(北野本)院政期点「殯もがり…汙穢ケカラハシク散し埋むること得じ」 ②いとわしい。また、さげすむべきである。下品だ。「見るのも―・い」「―・いことを言うな」

けが・る【穢る・汚る】🔗🔉

けが・る穢る・汚る】 〔自下二〕 ⇒けがれる(下一)

けがれ【穢れ・汚れ】🔗🔉

けがれ穢れ・汚れ】 ①きたないこと。よごれ。不潔。不浄。「うぶで―を知らぬ」 ②神前に出たり勤めにつくのをはばかる出来事。服喪・産穢さんえ・月経など。宇津保物語俊蔭「いつよりか御―は止み給ひし」 ③名誉を傷つけられること。汚点。「お家の―」

けが・れる【穢れる・汚れる】🔗🔉

けが・れる穢れる・汚れる】 〔自下一〕[文]けが・る(下二) ①きたなくなる。よごれる。悪習に染まる。源氏物語絵合「かぐや姫の、この世の濁りにも―・れず」。「そんなものを見ると目が―・れる」「―・れた金」 ②名誉・名声などにきずがつく。源氏物語少女「あぢきなく、むなしき事にて、人の御名や―・れむ」。「履歴が―・れる」 ③女子の貞操がきずつく。源氏物語賢木「世に―・れたりともおぼし捨つまじきを頼みにて」 ④(古代の俗信から)忌服きぶく・産穢さんえ・月経などによって身体が不浄となる。源氏物語浮舟「よべより―・れさせ給ひて」

わいはく【濊貊・穢貊】🔗🔉

わいはく濊貊・穢貊】 主に中国東北部から朝鮮北部・東部に住んだ古代のツングース系民族。夫余・高句麗・沃沮よくそなどはこれに属するとされる。わいばく。かいはく。

[漢]穢🔗🔉

 字形 〔禾部13画/18画/6750・6352〕 〔音〕エ〈ヱ〉(呉) ワイ(漢) 〔訓〕けがれる・けがらわしい [意味] けがれる。けがらわしい。きたない。けがれ。「穢土・触穢・産穢・汚穢おわい

大辞林の検索結果 (12)

え-しん【穢身】🔗🔉

え-しん ― [0][1] 【穢身】 〔仏〕 けがれた身。凡夫の身。

え-ど【穢土】🔗🔉

え-ど ― [1] 【穢土】 (1)〔仏〕 〔汚れた国土の意〕 煩悩(ボンノウ)のある世界。凡夫の住むこの世。現世。 ⇔浄土 「厭離(オンリ)―」 (2)大便。糞。「四条の北なる小路に―をまる/宇治拾遺 2」

きたな・い【汚い・穢い】🔗🔉

きたな・い [3] 【汚い・穢い】 (形)[文]ク きたな・し (1)よごれていて不快な感じを与える。「―・い手」「―・い部屋」 (2)粗暴・ぞんざいで不快な感じを与える。きちんとしていなくて乱雑だ。「字が―・い」「机の上が―・い」 (3)下品である。野卑である。「―・い言葉でののしる」 (4)物に執着する気持ちが強い。欲が深い。けちである。「意地が―・い」「金に―・い」 (5)公明正大でない。あくどくて醜悪だ。「―・いやり方」 (6)いさぎよくない。卑怯(ヒキヨウ)である。「―・しや,返せ返せといふやから多かりけれども/平家 7」 [派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)

きたな・し【汚し・穢し】🔗🔉

きたな・し 【汚し・穢し】 (形ク) ⇒きたない

けが・し【穢し】🔗🔉

けが・し 【穢し】 (形シク) けがらわしい。「年ふれば―・しきみぞにおちぶれて/散木奇歌集」

けが・す【汚す・穢す】🔗🔉

けが・す [2][0] 【汚す・穢す】 (動サ五[四]) (1)清らかなものや美しいものをきたなくする。「聖域を―・す」「滝壺(タキツボ)を―・さじとや/平家 5」 (2)名誉や名声に傷をつける。そこなう。「家名を―・す」 (3)分に過ぎた地位につく。自分のことについてへりくだっていうことが多い。「会長の席を―・す」「神崎遊女宮木は後拾遺集を―・す/十訓 7」 (4)女性を犯す。 〔「けがれる」に対する他動詞〕 [可能] けがせる

けがら・う【穢らふ】🔗🔉

けがら・う ケガラフ 【穢らふ】 (動ハ四) 〔動詞「けがる」に接尾語「ふ」の付いた語〕 (1)けがれに触れる。「かく―・ひたればとまるべきにもあらず/蜻蛉(中)」 (2)喪に服する。「故宮の御方につけつつ,さるべき殿ばら―・ひ給へり/栄花(嶺の月)」 (3)「死ぬ」の婉曲表現。「ある大徳のけさひきかけたりしままに,やがて―・ひにしかば/蜻蛉(上)」

けがらわし・い【汚らわしい・穢らわしい】🔗🔉

けがらわし・い ケガラハシイ [5] 【汚らわしい・穢らわしい】 (形)[文]シクけがらは・し そのものがけがれていて,こちらまでけがれてしまいそうな感じをいう。 (1)きたならしくて不快だ。醜悪でいとわしい。「そんな話は聞くのも―・い」 (2)(死・疫病・出産・月経などによって)不浄だ。清浄でない。「吾が身の―・しきものを滌(アラ)ひ去(ス)てむとのたまひて/日本書紀(神代上訓)」 [派生] ――げ(形動)――さ(名)

けが・る【汚る・穢る】🔗🔉

けが・る 【汚る・穢る】 (動ラ下二) ⇒けがれる

けがれ【汚れ・穢れ】🔗🔉

けがれ [3][0] 【汚れ・穢れ】 (1)けがれること。特に精神的にみにくいこと。よくないこと。「この世の―に染まる」「―を知らない純真な少年」 (2)名誉をけがすこと。「家名の―」 (3)死・疫病・出産・月経などによって生じると信じられている不浄。罪・災いとともに,共同体に異常をもたらす危険な状態とみなされ,避け忌まれる。

けが・れる【汚れる・穢れる】🔗🔉

けが・れる [3][0] 【汚れる・穢れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 けが・る きたない状態になる。多く,観念的・内面的なきたなさをいう。 (1)正しさ・清潔さ・清らかさを失う。神聖さがそこなわれる。「身も心も―・れてしまった」「―・れた金を受け取る」 (2)女性が貞操を失う。 (3)服喪・月経・出産などのために,不浄になる。「よべより―・れさせ給ひて/源氏(浮舟)」 〔「けがす」に対する自動詞〕

わいばく【貊・穢貊】🔗🔉

わいばく貊・穢貊】 古代,中国東北部から朝鮮北東部にかけて居住していた種族。ツングース系といわれ,狩猟・牧畜を主とし農耕も行なっていた。その中から夫余(フヨ)・高句麗などが出た。 〔貊は「かいはく」とも読む〕

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