複数辞典一括検索+

なす🔗🔉

なす 〔接尾〕 名詞、時には動詞の連体形に付いて、…のように、…のような、…のごとく、…のごとき、などの意で、連用修飾、または連体修飾に用いられる。上代東国方言では、「のす」という形でも用いられる。語源的には、「似(に)す」、あるいは「成す」とも関係があるかともいわれる。*古事記‐上「国稚(わか)く浮きし脂の如くして、くらげ那州(ナス)ただよへる時」 現代では、名詞に付いて、…のような、…に似ている、の意を表して、次の名詞にかかる。文語ふうの表現。「山なす大波」「玉なす汗」など。

なす【茄子・茄】🔗🔉

なす【茄子・茄】 (「なすび」の変化) 1 ナス科の一年草。インド原産で、重要な果菜として古くから栽培。高さ〇・六〜一メートル。全体に細毛を密布。葉は長柄をもち、長さ一五〜三五センチメートルの卵状楕円形で縁は波状。茎や萼にとげのあるものがある。夏から秋にかけ、先が七〜八裂した径約三センチメートルの淡紫色の花が咲く。果実は楕円形・長楕円形・球形などさまざまで、色も紫黒・紅紫・紫・白色など品種によって異なる。食用。漢名、茄。なすび。《季・夏》 2 (形が似ているところから)茶入れの一種。口元がすぼみ、胴がふくらんだ形のもので、数少なく、唐物(からもの)の最上品とする。なすび。 ●茄子の=鴫焼(しぎやき)[=田楽(でんがく)] =しぎやき(鴫焼)

なす【那須】🔗🔉

なす【那須】 栃木県(下野国)北部、那珂川上流域の地域名。古くは那須国があり、国造が置かれていた。大化改新のときに下野(しもつけ)国に統合されて那須郡となる。 栃木県北東部の地名。中心地の芦野は江戸時代に奥州街道の鍋掛と白坂の間の宿駅として発達。林野が広く、那須温泉郷がある。

なす【那須】🔗🔉

なす【那須】 姓氏。

な・す【成す・為す・生す】🔗🔉

な・す【成す・為す・生す】 〔他サ五(四)〕 (生)生む。出産する。また、生み出す。産出する。*竹取「おのがなさぬ子なれば、心にも従はずなんある」 (成・為) 1 ある行為をする。行う。「なせば成る」*落窪‐四「越前守、今年なん代りけれど、国の事いとよくなしたりければ」 2 ある気持をおこす。*方丈記「ありとしある人は皆浮雲のおもひをなせり」 3 物をつくりあげる。また、事をしとげる。「産をなす」*万葉‐九二八「もののふの八十伴(やそとも)の男は廬(いほり)して都成(なし)たり旅にはあれども」 4 あるものを変えて他のものにする。*万葉‐四二六〇「大君は神にしませば赤駒のはらばふ田井を都と奈之(ナシ)つ」 5 ある状態にする。ある状態をひき起こす。*源氏‐手習「立とまりて火をあかくなして見れば」 6 ある時期になるのを待つ。また、ある時になるのにまかせる。*土左「よるになして京にはいらんと思へば」 7 そのように考える。*大和‐一〇六「忘らるる身は我からのあやまちになしてだにこそ君をうらみめ」 8 官職につける。任命する。*蜻蛉‐中「しひて帥(そち)になし奉りて」 9 ある物を他の物に用いる。*万葉‐三三三六「高山を障(へだて)に所為(なし)て沖つ藻を枕に所為(なし)」 10 貴人がおでましになるようにうながす。*保元‐下「さらば清盛がもとへいれまゐらせよと仰せければ、西八条へなし奉るに」 11 動詞の連用形に付けて、補助動詞のように用いる。そのように…する。また、意識して…する。「言いなす」「住みなす」「着なす」*源氏‐若紫「いと心ことによしありて同じ木草をも植ゑなし給へり」 ●生さぬ仲(なか) 義理の親子の間柄。肉親でない親子の間柄。

な・す【済す】🔗🔉

な・す【済す】 〔他サ四〕(「なす(成)」の、事をしとげるの意から) 1 支払わなければならないものを、残らず支払う。完納する。*西大寺本金光明最勝王経平安初期点‐九「我れ一身のみして、而も堪へて済(ナシ)弁(はた)さむや」 2 特に、借りたものを返す。*虎明本狂言・八句連歌「かる時はいろいろに申せども、なせと申せははらをたつる」 ●済すときの閻魔顔(えんまがお)借(か)るときの地蔵顔(じぞうがお) 他人から金品を借りるときには地蔵のようににこにこした柔和な顔付をしていた者が、それを返済するときには閻魔のように不愉快な顔付をすること。

な・す【寝す】🔗🔉

な・す【寝す】 〔自サ四〕(動詞「ぬ(寝)」に上代の尊敬の助動詞「す」が付いて音の変化したもの)「ぬ」の尊敬語。おやすみになる。お眠りになる。*万葉‐二二二「しきたへの枕とまきて奈世(ナセ)る君かも」

な・す【寝す】🔗🔉

な・す【寝す】 〔他サ四〕(「ぬ(寝)」の他動詞形)眠らせる。寝させる。*万葉‐八〇二「目(ま)な交(かひ)にもとなかかりて安眠(やすい)し奈佐(ナサ)ぬ」

な・す【鳴す】🔗🔉

な・す【鳴す】 〔他サ四〕(「なる(鳴)」に対する古い他動詞)鳴らす。音を立てる。*書紀‐継体七年九月・歌謡「末へをば笛に作り吹き儺須(ナス)」

なす‐おんせんきょう【那須温泉郷】(‥ヲンセンキャウ)🔗🔉

なす‐おんせんきょう【那須温泉郷】(‥ヲンセンキャウ) 栃木県北部、那須岳南東部と北西部の山腹にある温泉群。那須湯本・高雄・弁天・大丸・北・板室・三斗小屋などの温泉があり、古くから那須七湯と呼ばれた。泉質は主に硫化水素泉。

なす‐か【茄子科・茄科】(‥クヮ)🔗🔉

なす‐か【茄子科・茄科】(‥クヮ) 双子葉植物の一科。世界に約九〇属二千余種あり、熱帯および温帯に広く分布する。特に、中米から南米にかけて、地域特産の属が四〇もあるが、アジアとヨーロッパにはナス属・チョウセンアサガオ属など少数のものしか自生しない。日本にはハシリドコロ、ヤマホオズキ、ヒヨドリジョウゴなどが山野に自生し、他に、観賞用のものが野生化したホオズキ、食用に栽培するジャガイモ、ナス、栽培に許可の必要なタバコ等がある。なすび科。

なす‐かざんたい【那須火山帯】(‥クヮザンタイ)🔗🔉

なす‐かざんたい【那須火山帯】(‥クヮザンタイ) 北海道北西部の利尻島から渡島(おしま)半島・東北地方東部を縦断し、長野県北東部に達する火山帯。羊蹄(ようてい)山・有珠(うす)山・八甲田山・岩手山・磐梯山・那須岳・浅間山などが属する。

なすか‐なさぬか🔗🔉

なすか‐なさぬか (刃物や棒をもって、果樹に向かい「なすかなさぬか」などととなえるところからいう。「なす」は「成す」の意)=きまじない(木呪)

な‐す・ぎる【無過ぎる】🔗🔉

な‐す・ぎる【無過ぎる】 〔連語〕「…しない」という程度がはなはだしい。なさすぎる。「物を知らなすぎる」

なすこくぞう‐ひ【那須国造碑】(なすコクザウ‥)🔗🔉

なすこくぞう‐ひ【那須国造碑】(なすコクザウ‥) 栃木県那須郡湯津上村笠石に所在する石碑。花崗岩製、八行一五二字の碑文が刻まれている。文武天皇四年に没した那須国造韋提のために建碑されたもの。唐の永昌元年(六八九)の年号を用いているところから帰化人の作かといわれる。

なす‐こん【茄子紺】🔗🔉

なす‐こん【茄子紺】 茄子の色のような紺色。

なす‐しちとう【那須七党】(‥シチタウ)🔗🔉

なす‐しちとう【那須七党】(‥シチタウ) =なすしゅう(那須衆)

なす‐しゅう【那須衆】🔗🔉

なす‐しゅう【那須衆】 中世、下野那須郡を根拠とした武士七家の連合組織。烏山の那須氏を中心に、支族の蘆野氏・福原氏・千本氏・伊王野氏と、武蔵丹党の出である大関氏・太田原氏が党を組織して活躍した。那須七党。江戸時代には幕府に仕えて交替寄合に任ぜられた那須氏・福原氏・蘆野氏・太田原氏の四家をいう。

ナスターチウム🔗🔉

ナスターチウム (英nasturtium)〈ナスタシヤム・ナスタアシウム〉=のうぜんはれん(凌霄葉蓮)

なす‐だけ【那須岳】🔗🔉

なす‐だけ【那須岳】 栃木県北部にある複合火山。活火山茶臼岳(一九一七メートル)を主峰とし、朝日岳(一九〇三メートル)、三本槍岳(一九一五メートル)、南月山(みなみがっさん=一七七六メートル)、黒尾谷岳(一五八三メートル)から成る。

なす‐の【那須野】🔗🔉

なす‐の【那須野】 =なすのはら(那須野原)

なすの‐がみ【那須野紙】🔗🔉

なすの‐がみ【那須野紙】 =からすやまがみ(烏山紙)

なすの‐はら【那須野原】🔗🔉

なすの‐はら【那須野原】 栃木県北部、那珂川と箒川の間の扇状地。地下水が深く開拓は遅れ、上代は狩りが行われた。那須野。

なす‐の‐よいち【那須余市】🔗🔉

なす‐の‐よいち【那須余市】 平安末期・鎌倉初期の武将。下野国(栃木県)那須の人。与市・与一とも。名は宗高。源義経に従って活躍、寿永四年屋島の合戦では、扇の的を射落とし、弓の名手とうたわれた。丹波、信濃など五国に荘園を賜り、那須の総領となったが、のち剃髪して上洛、伏見の即成院で没したといわれる。生没年不詳。

なすび【茄子・茄】🔗🔉

なすび【茄子・茄】 1 =なす(茄子)1*本草和名「茄子和名奈須比」 2 =なす(茄子)2 3 (形動)(1は安価で貧乏人でも食えるというところから)まずしいことをいう。貧乏。貧窮。 4 紋所の名。なすの果実・花・葉を組み合わせて図案化したもの。葉付き三つ茄子、茄子桐、三つ割り茄子など種々あり、その変形も多い。

なすび‐がね【茄子鉄漿】🔗🔉

なすび‐がね【茄子鉄漿】 少女などが、遊びでなすの実の皮を歯にあてて、おはぐろをつけたまねをすること。また、その歯。なすびば。

なすび‐ぐすり【茄子薬】🔗🔉

なすび‐ぐすり【茄子薬】 いぼ・ほくろ・なまず・しらくも・わきがなどにきくという民間薬。夏、江戸で売り歩いた。

なすび‐でんがく【茄子田楽】🔗🔉

なすび‐でんがく【茄子田楽】 =しぎやき(鴫焼)

なすび‐ば【茄子歯】🔗🔉

なすび‐ば【茄子歯】 1 黒くなった虫歯。 2 おはぐろをした歯。 3 =なすびがね(茄子鉄漿)

なすり‐あい【擦合】(‥あひ)🔗🔉

なすり‐あい【擦合】(‥あひ) 互いにこするようにして付け合うこと。また、責任などを押し付け合うこと。「責任のなすり合い」

なすり‐つ・ける【擦り付ける】🔗🔉

なすり‐つ・ける【擦り付ける】 〔他カ下一〕なすりつ・く〔他カ下二〕 1 押しつけてこすりつける。こするようにしてつける。すりつける。ぬりつける。「泥を衣服になすりつける」 2 自分の責任や過失などを他のものに押しつける。強いて転嫁する。「罪を他人になすりつける」*人情・春色梅児誉美‐四「借金其外(そのほか)を丹次郎になすり付(ツケ)」

なす・る【擦る】🔗🔉

なす・る【擦る】 〔他ラ五(四)〕 1 物の表面に当ててこする。すりつける。こすりつける。*滑・浮世風呂‐四「頭へ青黛を泥(ナス)って、ちと否身たっぷりの拵へ」 2 自分の責任や過失などを他のものに負わせる。転嫁する。なすりつける。*滑・浮世床‐初「可愛さうに酒に咎をなするンぢゃアねへが」

な‐すれ‐ぞ🔗🔉

な‐すれ‐ぞ 〔副〕(「なにすれぞ」が変化した「なんすれぞ」の「ん」の無表記。漢文訓読に用いられる)どうして。何故に。*法華義疏長保四年点‐二「何為(ナスレソ)長劫は短時と為ること能はざらむや」

日国ナスで始まるの検索結果 1-33