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あが・る【上がる・揚がる・挙がる・騰がる】🔗🔉

あが・る【上がる・揚がる・挙がる・騰がる】 〔自ラ五(四)〕 下の方から上の方へ移る。 1 低い所から高い所へ移る。物の上に乗る。*万葉‐四二九二「うらうらに照れる春日にひばり安我里(アガリ)」*虎明本狂言・右流左止「たかき山にあがり」 2 空中に浮かぶ。「花火が揚がる」*平家‐一一「扇は空へぞあがりける」 3 水上、水中から陸上へ移る。*平家‐灌頂「魚の陸にあがれるがごとく」 4 地中から地上へ出る。草などが生える。*虎明本狂言・宗論「あをあをとした物が四五十あがるを」 5 風呂から出る。*夜の寝覚‐一「御湯よりあがらせ給ひて」 6 外から家の中へはいる。*仮・昨日は今日の物語‐下「あがらふとしても、縁が高さにあがりかねて」 7 遊女屋にはいって遊ぶ。登楼する。*洒・通言総籬‐二「八つを打てあがる客は」 8 学校にはいる。「小学校(幼稚園)に上がる」 9 (血が頭に上る意)のぼせてぼうっとなる。ふだんの落ち着きを失う。「上がって答案が書けなくなる」*滑・浮世風呂‐前「湯気に上(アガ)ったさうだ」 10 流れのもとの方へ行く。特に、昔へさかのぼる。→上がりたる世・上がりての人・上がりての世。*栄花‐鶴の林「あがりてもかばかり幸あり」 11 巫女(みこ)などに乗り移っていた神が天に帰る。*平家‐一「山王あがらせ給ひけり」 12 熱い油であげて、食物が食べられる状態になる。「天ぷらが揚がる」 上に立つ者に物などが収められる。 1 年貢(ねんぐ)などが領主の手にはいる。転じて、家賃、地代、収益などが、その受け取り手に収められる。「田地から上がる小作米」 2 領地、役目などを取り上げられる。*日葡辞書「チギャウ、ヤク agatta(アガッタ)」 3 犯人が召し取られる。検挙される。「主犯が挙がる」 地位、体勢、価値、程度などが高まる。 1 ある場所が周囲より高くなる。また、からだやからだの一部が高まる。*竹取「つちより五尺ばかりあがりたる程に」 2 馬が跳ねる。*枕‐三「馬のあがり騒ぐなどもいとおそろしう」 3 地位が進む。昇進する。*源氏‐乙女「おとど、太政大臣にあがり給て」 4 物の値段が高くなる。騰貴する。*天理本金剛般若経集験記平安初期点「米麦踊貴(アガリ)、車馬通はず」 5 能力、勢力、速力、数量、価値などが加わる。「能率が上がる」*浮・傾城禁短気‐一「昔よりはお智恵があがって」 6 技能などがうまくなる。上達する。「腕が上がる」*筑波問答「万の道の事も、難をよく人に言はれてこそあがる事なれ」 7 様子がよくなる。また、人間として立派になる。「風采が上がる」*滑・浮世風呂‐二「女ぶりが上(アガ)った」 8 あたりによく聞こえるような声が出る。高く発せられる。「歓声が上がる」 人によく見えるようになる。広く知られるようになる。 1 高く揚げられる。また、掲載される。「旗が揚がる」*大鏡‐三「うたまくらに名あがりたるところどころ」 2 (名前などが)人によく知られるようになる。*大鏡‐二「かばかりの詩をつくりたらましかば、名のあがらむこともまさりなまし」 3 (事実、証拠、たくらみなどが)はっきり表に現われる。「証拠が上がる」*伎・韓人漢文手管始‐一「じたばたせまひ。工(たく)みの手目(てめ)は上ってある」 4 (効果、実績などが)目立って出てくる。「効果(業績)が上がる」 物事が終わりになる。 1 できあがる。しあがる。また、習い終わる。「問題集が一冊上がる」*日葡辞書「フシンガ agaru(アガル)」 2 すごろくやゲ−ムで、札が最終の所にはいって勝つ。 3 カルタ遊びやトランプなどで手札を場に出し尽くしたり場札を取り尽くしたりして勝つ。また、トランプ、マ−ジャンなどで、役を作って勝つ。*咄・鹿の巻筆‐一「読(よみ)のかるたは壱枚のこり、あがられぬ事」 4 雨などがやむ。天気がよくなる。また、雨期が終わる。「雨(梅雨)が上がる」 5 ある費用で、無事にすむ。ある金額で片がつく。*滑・続膝栗毛‐初「いかう下直(げぢき)にあがります」 6 (貴人の膳が)取り下げられる。*日葡辞書「ゴゼンガ agaru(アガル)<訳>高貴な人の食卓が片づけられる」 7 商売、仕事などがうまくいかなくなる。生活が立ちゆかなくなる。*評判・難波物語「其人ぜんせいのじぶん、あがるべしとは人も思はず」 8 (脈、乳、月経などが)止まる。絶える。*浮・本朝桜陰比事‐四「手足びりびりとふるひ其まま脈あがりぬ」 9 魚、貝、虫などが死ぬ。また、草木が枯れる。*評判・色道大鏡‐一「惣じてあがるといふ詞は、魚の死してはたらかざる(かたち)をいふ」 10 蚕が成長して繭を作らせるための、わらの床に乗せるべき状態になる。 敬意を払うべき人に物が渡される。また、そういう人のいる場所へ向かって行く、訪問する。 1 神仏に物が供えられる。「お灯明が上がる」 2 貴人に献上される。*日葡辞書「ウエサマエ シンモツガ agatta(アガッタ)」 3 (内裏が北にあったので)京都で、北へ行く。*咄・軽口五色紙‐中「東の洞院上る町に」 4 田舎から京阪地方へ行く。 5 大阪で、城の方へ行く。*浮・好色万金丹‐四「阿波座を上(かみ)へあがり」 6 屋敷などに奉公に行く。*滑・浮世風呂‐二「此子が上(アガ)りましたお屋敷さまは」 7 他人の家を訪問する意の謙譲語。参上する。*人情・春色江戸紫‐三「近日参上(アガッ)て伺ひませう」 補助動詞。動詞の連用形に付く。 1 その動作が終わる意を表わす。「染め上がる」「刷り上がる」など。 2 その動作が激しくなる意を表わす。「ふるえあがる」「のぼせあがる」など。 3 いやしめ、ののしる気持を添える。くさる。やがる。「行きあがれ」「ぬかしあがる」など。 〔他ラ五(四)〕(貴人が、献上されたものをとる、の意から)「食う」「飲む」の尊敬語。*虎明本狂言・饅頭「ことの外むまうござる。一つあがりまらせひ」 [補注]類義語の「のぼる」は、だんだん上に行く意で、経過に重点が置かれる。「あがる」は、一気に上に行く、また結果として上にある意で、上にある状態のほうに重点が置かれる。 ●上がりたる世[=上がれる世・上がりての世] 遠い昔。上代。上世。 ●上がりての人 遠い昔の人。上代の人。

あ・ぐ【上ぐ・揚ぐ・挙ぐ】🔗🔉

あ・ぐ【上ぐ・揚ぐ・挙ぐ】 〔他ガ下二〕⇒あげる(上)

あげ‐あし【上足・挙足・揚足】🔗🔉

あげ‐あし【上足・挙足・揚足】 1 獣や鳥が、片方の足を地面からあげること。また、その足。 2 片方の足を曲げて他方の足の上に乗せること。また、そのような形で腰を掛けたり、あぐらをかくこと。 3 相撲や柔道などで宙に浮き上がった足。浮き足。 4 転じて、相手の言いそこない。 5 相場の値動きの足取りが上昇傾向にあること。⇔下げ足 ●揚足を打(う)つ 一方の足を他方の足の上に乗せて、腰掛けたり、あぐらをかいたりする。くつろいだしぐさにいう。 ●揚足を取(と)る 1 相撲や柔道などで、倒すために相手のあげた足を取る。また、そのようにして倒す。 2 相手の言いそこないや言葉じりをとらえてなじり責める。

あげ‐うた【上歌・挙歌】🔗🔉

あげ‐うた【上歌・挙歌】 1 上代歌謡で、声を張り上げて、高い調子で歌うもの。⇔下歌(さげうた)。 2 謡曲の一小段で、高い調子の音階から始まり、低い音階で終わる、拍節的なうたい方の部分。⇔下歌(さげうた)

あげ‐かすがい【挙鎹】(‥かすがひ)🔗🔉

あげ‐かすがい【挙鎹】(‥かすがひ) 揚げ戸などを止める掛け金。

あげ‐く【挙句・揚句】🔗🔉

あげ‐く【挙句・揚句】 1 連歌、連句の最後の七七の句。*長短抄‐下「あげ句を書き懐帋をばとづるへし」 2 物事の終わり。終わってからの結果。*仮・犬枕「くたびるる物 入湯の挙句(アゲク)」 3 (単独、または「に」を伴って副詞的に)結局のところ。その結果として。とどのつまり。「処置に困ったあげく…」*史記抄‐一一「皆力のつよい者ぢゃが、あげくにわどれも人に殺されて死で」 ●挙句の果(は)て 「あげく(挙句)2、3」を強めた言い方。*浮・男色十寸鏡‐上「あげくのはてには、ざいざい若衆をかっ手元えよびたてて」

●挙句の果(は)て🔗🔉

●挙句の果(は)て 「あげく(挙句)2、3」を強めた言い方。*浮・男色十寸鏡‐上「あげくのはてには、ざいざい若衆をかっ手元えよびたてて」 あげ‐くだし【上下】 吐いたりくだしたりすること。

あげ‐じょろう【揚女郎・挙女郎】(‥ヂョラウ)🔗🔉

あげ‐じょろう【揚女郎・挙女郎】(‥ヂョラウ) 揚屋に呼んで遊興する遊女。太夫や格子などの高級な遊女。あがり女郎。揚屋女郎。

あげ‐せん【挙銭・上銭・揚銭】🔗🔉

あげ‐せん【挙銭・上銭・揚銭】 1 中世、出挙(すいこ)として金銭を貸しつけること。また、その金銭。こせん。 2 うわまえをはねて取る金。 3 働いて得る賃金。稼ぎ。労賃。 4 遊女などをよんで遊興する時の費用。揚げ代。 5 ばくちのてら銭。

あげ‐ぢょうちん【揚提灯・挙提灯】(‥ヂャウチン)🔗🔉

あげ‐ぢょうちん【揚提灯・挙提灯】(‥ヂャウチン) 長い柄をつけて高く揚げる提灯。

あげ‐て【挙げて・上げて】🔗🔉

あげ‐て【挙げて・上げて】 〔副〕 1 多くのものを全体としてまとめていう場合に用いる。すべて。残らず。こぞって。「町をあげて応援する」*大智度論天安二年点「天下国土、称(アケ)て知りぬべし」 2 多くのものを一つ一つとり立てていう場合に用いる。いちいち。*大慈恩寺三蔵法師伝院政期点‐八「胡(いか)んぞ勝(アケ)て言ふ可けむや」

あげ‐もち・いる【挙げ用いる】(‥もちゐる)🔗🔉

あげ‐もち・いる【挙げ用いる】(‥もちゐる) 〔他ア上一(ワ上一)〕(室町時代頃からヤ行にも活用)採用し、官職につかせる。また、その地位を引き上げる。*談・風流志道軒伝‐一「賢者あれども登庸(アゲモチユル)ことを知らず」

あ・げる【上げる・揚げる・挙げる】🔗🔉

あ・げる【上げる・揚げる・挙げる】 〔他ガ下一〕あ・ぐ〔他ガ下二〕 下の方から上の方へ移す。 1 低い所から高い所へ移す。 上へやる。「足(手)をあげる」「盃をあげる」「屋根にあげる」下がっている物を上の方にとめる。*源氏‐若菜下「みすあげさせ給て」(垂れた髪を)上の方で結ぶ。*伊勢‐二三「くらべこし振分髪も肩すぎぬ君ならずして誰かあぐべき」上の方へとばす。「しぶき(はね)をあげる」 2 空中に浮かぶようにする。また、雲が空に広がる。「凧をあげる」*平家‐二「烽火をあげたりければ」 3 水上、水中から陸上へ移す。*平家‐一一「あげおいたる舟の陰を」 4 外から家の中に入らせる。「家(座敷)にあげる」 5 遊女、芸妓などをよび入れる。また、よんで遊ぶ。*浮・西鶴織留‐一「丸屋の七左衛門かたに太夫の吉野を揚げ置」 6 寺子屋、学校などに入れる。「大学にあげても…」*仮・浮世物語‐一「寺にあげて手ならひをさすれども」 7 のぼせてぼうっとする。「血道をあげる」*栄花‐若ばえ「気(け)あげさせ給ふな」 8 下に敷いてあるものを取りのける。「畳(蒲団)をあげる」 9 胃から物をもどす。吐く。 10 (揚)(金網の上にのせて油を切ることから)熱い油で煮て、食べられるようにする。 物を取りあげる。また、罪人を召しとる。 1 官が領地、役目などを取りあげる。没収する。*浄・桂川連理柵‐下「長右衛門は呉服所をあげられ」 2 (1から転じて)物をむりに取りあげる。巻きあげる。奪いとる。盗みとる。*伎・幼稚子敵討‐五「今鋭ふ成て油断せぬ故、大抵では上げられぬぞい」 3 犯人をつかまえる。召しとる。「ホシをあげる」 地位、体勢、価値、程度などを高める。 1 ある箇所をまわりより高くする。体や、体の一部を高くする。また、上に向ける。*漢書楊雄伝天暦二年点「仰ぎて首を(アケ)、以て高視す」 2 馬を跳ねさせる。走り躍らせる。*弁内侍「御随身かねみねにあげさせて御覧ぜし」 3 地位を進める。昇進させる。*続日本紀‐天平元年八月五日・宣命「冠位一階上(あげ)賜ふ事を始め」 4 物の値段、給料などを高くする。値上げする。 5 能力、勢力、速力、数量、価値などを加える。「能率をあげる」「スピードをあげる」「気勢をあげる」 6 技能などを上達させる。「腕をあげる」*談・古朽木‐一「能書にもせよ、人の手まで上(アゲ)る事がどうしてなるものぞ」 7 顔だち、身なりなどをよくする。「男ぶりをあげる」 8 あたりによく聞こえるような声を出す。高く発する。*土左「からうた、声あげていひけり」 9 潮が満ちてくる。「潮があげる」 人によく見えるようにする。広く知られるようにする。 1 手に持って高くする。高く揚げる。持ちあげる。*堤中納言‐虫めづる姫君「袋などあぐるだにあやしくおもたきかな」 2 (名前を)世に広める。*平家‐五「後代に名をあげたりし物にて候」 3 人々の前で行なう。「式をあげる」 4 一つ一つとりたてる。また、特別のものとして示す。「一事をあげて言う」*書紀‐顕宗即位前(図書寮本訓)「誰か能く大節(ことはり)を激揚(アケム)」 5 (実例、証拠などを)はっきり表面にあらわす。*浄・伽羅先代萩‐六「態と悪事に一味して、まっかう手めを上げよふ為」 6 (効果、実績などを)目立って現われるようにする。「成果(成績)をあげる」 7 ほめたたえる。称揚する。また、ある役目や仕事に適した人としてすすめる。推挙する。「上げたり下げたりする」*大唐西域記長寛元年点‐五「淑(よ)き匿(あ)しきを褒(アゲ)貶(くた)し」 8 大勢の人を集め動かして事を始める。*平治‐下「佐殿すでに義兵をあげ給ふときこえしかば」 物事を終わりまでする。 1 しあげる。なしとげる。すませる。習い終える。*大鏡‐三「さばかりせばきつぼに折り回し、おもしろくあげ給へば」*日葡辞書「フシンヲ aguru(アグル)」*咄・鯛の味噌津‐謡「人の十日であぐる謡を」 2 とり下げる。かたづける。*武家調味故実「はいぜん参らする時は上より、上る時は下よりと云は」 3 ある費用ですませる。ある金額で片を付ける。*滑・浮世床‐初「壱分。ヱ。それで上(アゲ)るつもりかヱ」 4 遊興や投資に金を使い果たす。つぎこむ。入れあげる。*浄・心中二枚絵草紙‐中「新地ぐるいに身代あげ」 5 すべてを出す。全部を集める。「国(一家)をあげて行なう」「全力をあげる」 6 子を得る。生む。「男の子をあげる」 敬意を払うべき人に物を渡す。また、そういう人のいる場所に行かせる。 1 神仏に供える。奉納する。*栄花‐鶴の林「経一偈(げ)をあげさせ給て」 2 敬うべき人にさし出す。さし上げる。また、現代では、「さしあげる」に比べて、相手への敬意が軽く、対等、または目下の者に与える場合に多く用い、さらに、与える、やるの意の丁寧な言い方としても用いる。「友達にあげた本」「子供におやつをあげる」*謡曲・烏帽子折「このおん腰の物を上げ申さうずるにて候ふ」 3 (返上する意から)ある場所に出入りすることや、ある資格をもつことを断わる。*浮・傾城禁短気‐三「明日から師匠あげてのける」 4 言いかけられたなぞなぞの答えを言わないで相手にお返しする。なぞを言いかけたものに答えを言うよう求める。*咄・露休置土産‐一「謎をかけけれども、一座に解く人なければ『此謎はあげませう』といふ」 5 都へ向かって行かせる。のぼす。*源氏‐玉鬘「とかくかまへて京にあげ奉りてんといふ」 6 屋敷などに奉公にやる。*滑・浮世風呂‐二「六つの秋御奉公に上(アゲ)ました」 7 他人の家を敬い、そこを訪問させる。参上させる。*黄・莫切自根金生木‐上「大ちゃくな借手をあげませふ」 補助動詞として用いる。 1 (動詞の連用形に付いて)その動作を完了する意を表わす。「染めあげる」「刷りあげる」「刈りあげる」など。 2 その動作の対象を敬う気持を添える。「存じあげる」「申しあげる」「願いあげる」 3 (動詞の連用形に、助詞「て(で)」の付いた形に添えて)その動作を他にしてやることの丁寧な表現。「取ってあげる」「呼んであげる」

きょ【挙】🔗🔉

きょ【挙】 1 ある計画に基づいた行動。また、そのくわだて。計画。 2 推薦すること。推挙すること。また、推薦文。*大鏡‐三「前頭の挙によりて」 ●挙に=出(で)る[=いず] 相手に影響を及ぼすようなきわだった行為をする。

●挙に=出(で)る[=いず]🔗🔉

●挙に=出(で)る[=いず] 相手に影響を及ぼすようなきわだった行為をする。 きょ【虚】 1 むなしいこと。内容のないこと。人のいないこと。空虚。うつろ。から。 2 雑念や私欲などのないこと。わだかまりのない平明な心。虚心。 3 備えのないこと。すきがあること。油断。不用意。「虚を窺う」 4 事実でないこと。 うそ。いつわり。そらごと。虚言。寓言。虚構。フィクション。 5 あな。すきま。「虚を漏りくる風」 6 元気や気力のない状態。虚弱。 7 そら。大空。「黒雲虚を覆う」 二十八宿の一つ。玄武七宿の第四宿。今の水瓶座のβ(ベータ)星とその隣の子馬座のα(アルファ)星との二個の星を合わせたもの。虚宿。とみてぼし。 ●虚に=乗(じょう)ず[=乗(の)る] 備えのないのにつけこむ。相手のすきを突く。 ●虚をつく 相手の油断に乗じて攻めかかる。予想外、不用意の面を攻撃する。

きょ‐あい【挙哀】🔗🔉

きょ‐あい【挙哀】 中国で、葬式、または納棺後、棺の側にあって泣声をあげる礼。死者をまつるために哭泣する礼。わが国では、御大葬の時、八省院朝集堂前で諸臣がこの礼をとった。→こあい

きょ‐か【挙火】(‥クヮ)🔗🔉

きょ‐か【挙火】(‥クヮ) 1 (昔、朝鮮で国王に直訴する者のために設けられたもので、首都漢城の南山で狼煙(のろし)をあげることによって、その意を示したところから)松明(たいまつ)、ともしびをかかげること。また、狼煙を打ち上げること。 2 かまどで煮たきをすること。転じて、生計をたてること。

きょ‐か【挙家】🔗🔉

きょ‐か【挙家】 家内残らず。うちじゅう。一家全体。

きょ‐ぐう【挙隅】🔗🔉

きょ‐ぐう【挙隅】 (「論語‐述而」の「子曰、不憤不啓、不発、挙一隅三隅、則不復也」による)一隅を挙げて他の三隅を知ること。ものを教えるのに、一部を知らせて全体を理解させること。

きょぐう‐ほう【挙隅法】(‥ハフ)🔗🔉

きょぐう‐ほう【挙隅法】(‥ハフ) 修辞法の一つ。全体の一部を示して、その全体を知らせること。

きょ‐こう【挙行】(‥カウ)🔗🔉

きょ‐こう【挙行】(‥カウ) 事を行なうこと。式や行事などを公にとり行なうこと。

きょこうち‐ほう【挙行地法】(キョカウチハフ)🔗🔉

きょこうち‐ほう【挙行地法】(キョカウチハフ) 婚姻挙行地の法律。国際私法上、婚姻の方式の準拠法とされている。

きょ‐こく【挙国】🔗🔉

きょ‐こく【挙国】 (国を挙(あ)げての意)一国全体。国民全部。国中のすべてが一体となって事に当たる場合にいう。

きょこく‐いっち【挙国一致】🔗🔉

きょこく‐いっち【挙国一致】 国民全体が一つになって同一の態度をとること。

きょ‐ざ【挙座】🔗🔉

きょ‐ざ【挙座】 その場にいあわせた者すべて。満座。その場のすべてが同一の態度をとる場合にいう。

きょ‐し【挙子】🔗🔉

きょ‐し【挙子】 1 中国の官吏登用試験である科挙に応ずる人。 2 子をもうけること。

きょ‐し【挙止】🔗🔉

きょ‐し【挙止】 たちいふるまい。挙動。動作。

きょ‐し【挙試】🔗🔉

きょ‐し【挙試】 ⇒こし(挙試)

きょ‐しき【挙式】🔗🔉

きょ‐しき【挙式】 儀式を行なうこと。特に、結婚式をあげること。

きょ‐しゅ【挙手】🔗🔉

きょ‐しゅ【挙手】 手を挙げること。特に、賛否、希望の有無、敬礼など、意志を表わす場合に用いる。 ●挙手の礼(れい) 右手を帽子の前びさしの右端にあげてひじを張り相手に注目する敬礼。

●挙手の礼(れい)🔗🔉

●挙手の礼(れい) 右手を帽子の前びさしの右端にあげてひじを張り相手に注目する敬礼。 きょ‐じゅ【巨儒・鉅儒】 偉大な儒者。大儒。碩儒。

きょ‐しょう【挙証】🔗🔉

きょ‐しょう【挙証】 証拠をあげて示すこと。事実の有無を裁判所に証明すること。立証。

きょ‐しょう【挙踵】🔗🔉

きょ‐しょう【挙踵】 1 足をつまだてること。また、足をつまだてて人を待つこと。 2 馬のひづめの異状。蹄踵部が蹄冠部の上方に位置をかえたもの。

きょ‐じょう【挙状】(‥ジャウ)🔗🔉

きょ‐じょう【挙状】(‥ジャウ) 1 所職や官位をのぞむ者を適当な個人や機関に推薦する書状。吹挙状(すいきょじょう)。 2 鎌倉・室町時代、訴訟手続きの際に添付された文書。 地頭御家人以下の郎党そのほかの他人の支配に属している者が、自分の名義で訴訟するときに、主家、本所、地頭などが添えて提出した書状。これがない場合は直訴として受けつけられなかった。同じく正員から代官を立てて訴訟を代理させる旨を裁判所に通知する文書。

きょ‐じょう【挙場】(‥ヂャウ)🔗🔉

きょ‐じょう【挙場】(‥ヂャウ) 1 中国で、官吏任用のための科挙(かきょ)の試験場。 2 (場所をあげて、の意)その場所にいるものすべて。会場全体。満場。

きょしょう‐せきにん【挙証責任】🔗🔉

きょしょう‐せきにん【挙証責任】 訴訟で、ある事実の存否について証拠を挙げ、証明をすべき責任。もし証明がつかない場合には、その当事者が、判決で不利益な判断を受けることになる。立証責任。

きょしょう‐ちょくりつ【挙踵直立】🔗🔉

きょしょう‐ちょくりつ【挙踵直立】 体操で、基本姿勢のうち、両方の踵をあげ、つま先で立つ直立姿勢。

きょ‐しょく【挙燭】🔗🔉

きょ‐しょく【挙燭】 ともしびをかかげること。転じて、賢者を登用すること。

きょ‐じん【挙人】🔗🔉

きょ‐じん【挙人】 1 律令制で、式部省の官吏登用試験を受験するよう推挙された大学寮の学生(がくしょう)。こじん。こにん。 2 中国で官吏試験に応じる者。また、その合格者。漢代には地方長官、大臣から官吏に推挙された者、唐・宋では進士の試験を受ける者、明・清では地方試験である郷試に合格した者に与えられる称号。

きょ‐・す【挙す】🔗🔉

きょ‐・す【挙す】 〔他サ変〕ものなどをさしあげる。転じて、人をある地位に推薦する。推挙する。また、あげ用いる。登用する。*平家‐三「法印に挙せらる」

きょ‐せい【挙世】🔗🔉

きょ‐せい【挙世】 世をあげて。世の中すべてが同一の態度をとる場合にいう。

きょ‐ぜい【挙税】🔗🔉

きょ‐ぜい【挙税】 ⇒こぜい(挙税)

きょ‐そ【挙措】🔗🔉

きょ‐そ【挙措】 (「挙」は上にあげる、「措」は下に置くの意)あげることと置くこと。転じて、たちいふるまい。起居動作。挙止。挙動。 ●挙措を=失(うしな)う[=失(しっ)す] 取り乱した行動をとる。不穏当な行動をする。

●挙措を=失(うしな)う[=失(しっ)す]🔗🔉

●挙措を=失(うしな)う[=失(しっ)す] 取り乱した行動をとる。不穏当な行動をする。 きょ‐そう【距爪】(‥サウ) 鶏などの蹴爪(けづめ)。

きょ‐ぞく【挙族】🔗🔉

きょ‐ぞく【挙族】 一族残らず。一門全体。

きょ‐たつ【挙達】🔗🔉

きょ‐たつ【挙達】 (「ぎょたつ」とも) 1 推挙によって栄達すること。推挙されて、地位や官職などがあがること。 2 ある事をとりあげて進達すること。目上の人に申し出たり許可を得たりすること。

きょ‐ちょう【挙朝】(‥テウ)🔗🔉

きょ‐ちょう【挙朝】(‥テウ) 朝廷の人残らず。朝廷全体。朝廷全体が同一の態度をとる場合にいう。

きょ‐とう【挙党】(‥タウ)🔗🔉

きょ‐とう【挙党】(‥タウ) 政党など、党の全体。党が一体となって事に当たる場合にいう。「挙党体制」

きょ‐どう【挙動】🔗🔉

きょ‐どう【挙動】 1 たちいふるまい。動作。行為。ようす。「挙動不審」 2 体操で、他の動作と区別できる単一な動作。「一挙動で降りる」

きょどう‐はん【挙動犯】🔗🔉

きょどう‐はん【挙動犯】 外部的な結果の発生を必要としないで、単にある動作をするだけで完成する犯罪。結果犯に対するもの。住居侵入罪など。

きょ‐にん【挙任】🔗🔉

きょ‐にん【挙任】 あげ用いること。特にひきあげて、重く用いること。ばってき。

きょ‐はく【挙白】🔗🔉

きょ‐はく【挙白】 (「白」はさかずきの意)さかずきをあげて酒を飲むこと。また、他人に酒をすすめること。 木下長嘯子の別号。

きょはくしゅう【挙白集】(‥シフ)🔗🔉

きょはくしゅう【挙白集】(‥シフ) 江戸前期の歌人木下長嘯子の歌文集。一〇巻八冊。死後、慶安二年刊。五巻までは歌集、六巻以後は文集で、物語論、文学観を展開。

きょ‐へい【挙兵】🔗🔉

きょ‐へい【挙兵】 兵をあげること。いくさを起こしたり、反乱などの軍事行動を起こしたりすること。

きょ‐よう【挙用】🔗🔉

きょ‐よう【挙用】 地位を引き上げて用いること。登用。

きょ‐れい【挙例】🔗🔉

きょ‐れい【挙例】 例をあげること。実例を示すこと。

きょれい‐ほう【挙例法】(‥ハフ)🔗🔉

きょれい‐ほう【挙例法】(‥ハフ) 修辞法の一つ。実例を挙げて論旨を明らかにするもの。

こ‐あい【挙哀】🔗🔉

こ‐あい【挙哀】 (「こ」は「挙」の呉音)禅家で、葬儀の仏事が終わった後、参列の僧が哀、哀、哀と三度声を挙げること。

こ‐し【挙試】🔗🔉

こ‐し【挙試】 (「こ」は「挙」の呉音)律令制で、大学の学生(がくしょう)に課せられる試験。→貢挙

こ‐じん【挙人】🔗🔉

こ‐じん【挙人】 (「こ」は「挙」の呉音)中古、大学寮から推薦された、式部省の官吏登用の受験有資格者。きょじん。

こ‐ぜい【挙税】🔗🔉

こ‐ぜい【挙税】 国が稲を貸し付けてその利を収取すること。出挙(すいこ)。

こ‐せん【挙銭】🔗🔉

こ‐せん【挙銭】 鎌倉時代、出挙(すいこ)のために貸し出された金銭。

こぞっ‐て【挙って】🔗🔉

こぞっ‐て【挙って】 〔副〕「こぞりて(挙)」の変化した語。*役者論語‐耳塵集「諸人こぞってにくめり」

こぞり‐て【挙りて】🔗🔉

こぞり‐て【挙りて】 〔副〕同じ行動をしない人がひとりもいないことを示す。一人残らず。だれもかれも。こぞって。*石山寺本金剛般若経集験記平安初期点「翕(コソリ)て共に聞きて、飲食を競ひ送る」

こぞ・る【挙る】🔗🔉

こぞ・る【挙る】 〔自ラ四〕ことごとく集まる。一人残らずそろう。*保元‐上「音に聞こゆる為朝見んとてこぞり給ふ」 〔他ラ四〕残らず人を集める。*大唐西域記長寛元年点‐一「国を挙(コゾ)て僧徒皆来て会集す」

こ‐にん【挙人】🔗🔉

こ‐にん【挙人】 律令制で、大学寮で修学し、二経以上に通じ、式部省の省試を受験するよう推挙された学生(がくしょう)。合格すれば位階を授けられ出身する。きょじん。

ころも【挙母】🔗🔉

ころも【挙母】 愛知県豊田市の旧称。

しりあげ‐むし【挙尾虫】🔗🔉

しりあげ‐むし【挙尾虫】 1 シリアゲムシ科の昆虫。体長約一・五センチメートル。体は黒色で細長い。四枚のはねは褐色を帯び透明で、黒斑がある。雄の尾端にはさみがあり、サソリのように尾を上に曲げる習性がある。四〜七月発生し、葉上の虫の死体などを食べる。本州以南の日本各地に分布。 2 シリアゲムシ科に属する昆虫の総称。はねにきれいな斑紋をもつ種類が多く、はさみの形によって分類される。日本にはシリアゲムシなど約二〇種がある。

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