複数辞典一括検索+
ひら・く【開く】🔗⭐🔉
ひら・く【開く】

自五
閉じていたものが排されて、行き来できたり見通せるようになったりする。開放した状態になる。開あく。
「ドア[門・ゲート]が━」
「幕が━」
「バッグの口が━」
「コックを右に回すと弁が━」
漢字書きの場合、「開ひらく」と「開あく」の読み方の区別がつかないことが多い(ふりがなが必要な場合もある)。
⇔閉まる・閉じる
畳んでいた物や閉じていた物が広がる。
「傘[扇子]が━」
「パラシュートが━」
⇔閉じる
固く閉じたものが広がった状態になる。特に、つぼみや若葉がほころんだ状態になる。また、花が咲く。
「茶葉が完全に━まで
せんじる」
「ユリのつぼみが━」
「花が━」
接合したり重なり合ったりしていた部分が離れた状態になる。特に、目や口が開あいた状態になる。
「莢さやが━」
「貝(の口)が━」
「ふさがっていた傷口が━」
「眠くて目が━・かない」
「浅く━・いた口から吐息がもれる」
「心が━(=隠し事やわだかまりをなくして打ち解けた気持ちになる)」など、比喩的にも使う。
その日の業務が始まる。また、引き続き業務を行う。開あく。
「店は朝九時に━」
「このデパートは夜八時まで━・いている」
⇔閉まる
《「瞳孔どうこうが━」の形で》瞳孔が最大限に散大し、光に反応しなくなる。
「瞳孔が━・いている」
◇死の認定の一つとする。
選挙で、開票される。
「都市部が━」
「大票田が━」
隔たりが大きくなる。また、大きな隔たりがある。
「差[点差・ゲーム差]が━」
「一、二位間の距離が━」
「年齢が一回りも━・いている」
「〔打撃フォームで〕左右の足が━・きすぎている」
先のほうが広がっている。
「このズボンは裾すそが大きく━・いている」
⇔閉じる・すぼむ
スポーツで、力のためがなく有効な姿勢が持続できなくなる。
「体からだ・たい[肩]が━」

他五
閉じていたものを排して、自由に行き来したり難なく見通したりできるようにする。開放した状態にする。開あける。
「扉[門戸・城門]を━」
「カーテン[幕]を━」
「胸元を━・いて医師の診察を待つ」
⇔閉める・閉じる
畳んでいた物や閉じていた物を広げる。
「手帳[本]を━」
「教科書の八ページ目を━」
「傘を━」
「巻物を━」
⇔閉じる
中身を取り出すために、ふたや封じ目などを開ける。
「ふた[封]を━」
「風呂敷ふろしき[包み]を━」
「財布を━」
「弁当を━」
「手紙を━」
固く閉じた物が広がる。特に、草木がつぼみや若葉をほころばせる。また、花を咲かせる。
「ネムノキは昼は葉を━・き夜は閉じる」
「ツバキが花を━」
(閉じていた)体の部分を開放した状態にする。開あける。
「大きく口を━・いて息を吸い込む」
「しっかりと目を━・いて見る」
「得意そうに鼻の穴を━」
「両足を━・いて立ちはだかる」
「クジャクが羽を━」
⇔閉じる
「現代音楽に目を━」「おもむろに口を━」「胸襟きょうきんを━」「眉まゆを━」など、比喩的・抽象的な意味を表す慣用句がある。
足の先のほうが広がるようにする。
「爪先つまさきを━」
「スキーを逆八字形に━・いて斜面を登る」
《「魚を━」の形で》魚の調理法で、腹(または背)を切り離して一枚に広がった形にする。開きにする。
「ウナギを腹から━」
国(特に、港)を開放して、諸外国が自由に出入りできるようにする。また、そのようにして国と国が交流する状態を作り出す。
「国を━・いて隣国と交わる」
「交易のために港を━」
「隣国と国交を━」
⇔閉じる・閉ざす
《「━・かれた…」「━・かれている」の形で》特段の制限や統制を設けないさま。閉鎖的でない。開放された。オープンな。
「━・かれた社会」
「本校はまだ社会に向けて十分に━・かれてはいない」
新しく仕事を始めるために、ある所に組織の拠点を設ける。開設する。また、その仕事を引き続き行う。
「ビルの二階に事務所を━」
「駅前に保育所を━」
「ネット上でオンラインショップを━」
「下町で輸入雑貨の店を━・いていた」
⇔閉める・閉じる・畳む
新たに国家や王朝を作る。また、新しい宗教・宗派や技芸などの流派を作る。立てる。興す。
「国[○○王朝]を━」
「鎌倉に幕府を━」
「一宗派を━」
「二刀流を━」
《「口座を━」の形で》銀行と取引を始めるために、明細を記す帳簿を作り設ける。開設する。
「○○銀行に口座を━」
会や催しを行う。開催する。開会する。
「会議[サイン会]を━」
「バザーを━」
「個展[リサイタル]を━」
「公民館で市民大学講座を━」
「沖縄でサミットが━・かれる」
⇔閉じる
店や事務所がその日の業務を始める。また、引き続きその業務を行う。開あける。
「朝九時に店を━」
「夜は九時まで店を━・いている」
⇔閉める・閉じる
生活に適した空間を得るために未開の地に手を加える。また、そのようにして農地・道・居住地などを作る。開拓・開墾する。
「原野[山林]を━」
「山を━・いて寺を建てる」
「新田を━」
「山を切り崩して道を━」
「▽拓く」とも。
未来へ向けて新しい状況・局面・境地などを作り出す。
「問題解決への突破口を━」
「戦後文学に新生面を━」
「和平への道を━」
「未来を━」
「芸道に新境地を━」
「▽拓く」とも。
〔慣用句的に〕未来のための足がかりとなるものを作り出す。
「研究の端たんを━」
「発展の基礎を━」
《「蒙もうを━」の形で》道理に暗い者を教え導く。啓蒙けいもうする。
「大衆の蒙を━」
「師(の教え)が私の蒙を━・いてくれた」
「▽啓く」と書く。
《「悟りを━」の形で》迷いを去って真理を会得する。悟りの境地に達する。また、一般に物事の道理を会得する。悟る。
「俗念を去って悟りを━」
隔たりを大きくする。開あける。広げる。
「ゴール間近で一気に距離を━」
⇔詰める・狭める
《「体たいを━」の形で》一方の足を後ろへ引いて(半身の姿勢で)相手との距離をとる。
「体を━・いて出し投げを打つ」
コンピューターで、プログラムを画面に呼び出して作業などができる状態にする。
「ファイルを━」
「画面を━」
⇔閉じる
数学で、平方根・立方根を求める。開平する。開立かいりゅうする。また、括弧かっこのついた式を括弧のない式に変える。
「平方に━」
校正で、原稿の漢字の部分をかなに改める。
「かなに━」
◆
切り開く意で「▽拓く」(

)、書物や手紙を開く意で「▽披く」(
「手紙を披く」)、巻いた物や閉じた物を広げて見る意で「▽展く」(
「巻物[親展]を展く」)とも書くが、一般には「開く」を使う。
はもっぱら「▽啓く」を使う(「開」とはしがたい)。
開ける
開き
関連語
大分類‖植物‖しょくぶつ
中分類‖咲く‖さく





























































明鏡国語辞典 ページ 5278 での【開く】単語。