【臨】 18画　臣部　［六年］ 区点=4655　16進=4E57　シフトJIS=97D5 《常用音訓》リン／のぞ…む 《音読み》　リン（リム）〈ln〉 《訓読み》　のぞむ 《名付け》　み 《意味》 ｛動｝のぞむ。高い所から下を見る。また、下を見おろす高い所に位置する。「臨海」「臨于泉上者酔翁亭也＝泉上ニ臨ムモノハ、酔翁亭ナリ」〔→欧陽脩〕 ｛動｝のぞむ。面と向かう。その物事や、その時期に当面する。「臨終」「臨発＝発スルニ臨ム」「臨別＝別レニ臨ム」「臨之以荘則敬＝コレニ臨ムニ荘ヲモッテスレバスナハチ敬ス」〔→論語〕 ｛動｝他人の来ることをあらわす敬語。おいでになる。「光臨（おいでになる）」「駕臨ガリン（おいでになる）」 ｛動・名｝死者のところに集まって泣く。また、その儀式。▽去声に読む。「哀臨三日＝哀臨スルコト三日」〔→漢書〕 ｛名｝周易の六十四卦カの一つ。兌下坤上ダカコンショウの形で、表面は静かだが、やがて強くのびようとするさま。 《解字》 会意。臣は、下に伏せてうつむいた目を描いた象形文字。臨は「臣（ふせ目）＋人＋いろいろな品」で、人が高い所から下方の物を見おろすことを示す。 《単語家族》 覽（＝覧。下を見る）と同系。 《類義》 →視 《熟語》 →熟語 →下付・中付語 →故事成語 →主要人名

【臨川】 リンセン 地名。江西省にある県。▽三国時代の呉によって郡がおかれたことから。

【臨月】 リンゲツ 子どもがうまれる予定の月。うみづき。

【臨本】 リンポン 習字・図画などの手本。

【臨安】 リンアン 地名。南宋ナンソウの都。今の浙江セッコウ省杭州コウシュウ市にあたる。

【臨池】 リンチ イケニノゾム池のそばにいくこと。〈故事〉習字のこと。▽後漢の張芝チョウシが池のそばで書を習ったとき、池の水が墨で黒くなったという故事から。〔→王羲之〕

【臨床】 リンショウ 病床に臨む。医者が治療のために病人のそばにいくこと。医学で、理論の分野ではなく、実際に病人の診察・治療をする仕事。

【臨況】 リンキョウ 身分の高い人が自分の家にたずねてくること。

【臨幸】 リンコウ 天子が行幸してその場所に臨む。

【臨風】 リンプウ・カゼニノゾム 高い所で風に向かってたつ。「臨風却立驚＝風ニ臨ンデ却立シテ驚ク」〔→蘇軾〕

【臨皐】 リンコウ 地名。湖北省黄岡コウコウ県の南、長江の北岸にある。

【臨時】 リンジ トキニノゾムその物事を行うべき時機になること。その時かぎりで、一時的であること。その場に応じて特別に行うこと。「臨時列車」

【臨書】 リンショ 習字の手本をそばに置き、それを見て字を書く。『臨帖リンチョウ』

【臨席】 リンセキ・セキニノゾム その人が会場に出席することの敬語。

【臨済宗】 リンザイシュウ〔仏〕唐の臨済義玄を開祖とする禅宗の一派。日本には建久二年（一一九一）に僧栄西エイサイによって伝えられた。

【臨終】 リンジュウ 〔仏〕「臨命終時」の略。死に臨むこと。人が死ぬこと。

【臨深】 リンシン・フカキニノゾム 深い淵フチのそばや高いがけの上にたつ。▽非常に危険な状態にたとえる。

【臨莅】 リンリ 天子がその場に臨む。

【臨眺】 リンチョウ 高い所に登って、遠くをながめやる。

【臨御】 リンギョ 天子として天下をおさめる。『臨馭リンギョ』

【臨淵】 リンエン・フチニノゾム 深い淵フチのへりに臨む。▽非常に危険な状態にたとえる。

【臨検】 リンケン 実際にその場所にいってしらべる。『臨按リンアン』

【臨照】 リンショウ 日月などが上から下を照らす。神仏などがごらんになる。君主が天下をおさめる。〈類義語〉照臨。

【臨摸】 リンモ・リンボ 手本を見て書き写すことと、手本の上に紙を置いて透かして写すこと。

【臨監】 リンカン その現場に出かけていって取り締まりをする。

【臨機応変】 リンキオウヘン・キニノゾミヘンニオウズ その場の条件・情勢に応じて適切に処理する。

【臨殯】 リンピン・ヒンニノゾム 死者を埋葬する前に棺に入れたまま安置しておくときに来て弔うこと。

【臨川】 リンセン〈人名〉→「王安石オウアンセキ」