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たいいんはちょうしにかくる【大隠は朝市に隠る】▽中国🔗🔉

たいいんはちょうしにかくる【大隠は朝市に隠る】▽中国 深く悟った真の隠者は、山林などに隠れ住まず、民衆の中に隠れ住む。「大隠は市に隠る」とも。 《参考》 「朝市」は、朝廷と市場の意で、人の多く集まる所。 《出典》 小隠ハ陵藪(リョウソウ)ニ隠レ、大隠ハ朝市ニ隠ル。〔王康〔きょ〕(オウコウキョ)・反招隠詩〕

たいかいのいちぞく【大海の一粟】🔗🔉

たいかいのいちぞく【大海の一粟】 大海の一滴

たいかいのいってき【大海の一滴】🔗🔉

たいかいのいってき【大海の一滴】 非常に広大な所にある非常に小さな物のたとえ。 《類句》大海の一粟(イチソ゛ク)。

たいかいはあくたをえらばず【大海は芥を択ばず】🔗🔉

たいかいはあくたをえらばず【大海は芥を択ばず】 度量の広い人物がよく人を受け入れることのたとえ。 《類句》大海は塵(チリ)を択(エラ)ばず。

たいかいをてでせく【大海を手で塞く】🔗🔉

たいかいをてでせく【大海を手で塞く】 到底できるはずのないことをしようとすることのたとえ。 《類句》大海を手で塞(フサ)ぐ。

たいかのざいはいっきゅうのきにあらず【大厦の材は一丘の木に非ず】▽中国🔗🔉

たいかのざいはいっきゅうのきにあらず【大厦の材は一丘の木に非ず】▽中国 《大きな建物を造る木材は、一つの丘の木だけでは間に合わないの意》大規模なすぐれた物事は、一人の力によるのではなく、大ぜいの人の力によることのたとえ。 《出典》 大厦ノ材ハ一丘ノ木ニ非ズ。太平ノ功ハ一人ノ略ニ非ザルナリ。〔文選(モンセ゛ン)・王褒(オウホウ)・四子講徳論〕

たいかのたおれんとするはいちぼくのささうるところにあらず【大厦の倒れんとするは一木の支うる所に非ず】▽中国🔗🔉

たいかのたおれんとするはいちぼくのささうるところにあらず【大厦の倒れんとするは一木の支うる所に非ず】▽中国 《大きな建物が倒れるときは、1本の木で支えることはできないの意》物事の大勢がすでにある方向に傾きだしたときは、一人の力では支えきれないことのたとえ。「一木大厦の崩るるを支うる能(アタ)わず」とも。 《出典》 子、董常(トウシ゛ョウ)ニ謂(イ)イテ曰(イワ)ク、大厦ノ将(マサ)ニ顛(タオ)レントスルヤ、一木ノ支ウル所ニ非ザルナリ。〔文中子(フ゛ンチュウシ)・事君〕 《類句》大樹(タイシ゛ュ)の将に顛れんとするは一縄(イチシ゛ョウ)の維(ツナ)ぐ所に非ず。

たいかんのうんげい【大旱の雲霓】▽中国🔗🔉

たいかんのうんげい【大旱の雲霓】▽中国 《大ひでりのときに望む、雨の前触れとしての雲や虹(ニシ゛)の意》心から待ち望んでいる物事のたとえ。「雲霓の望み」とも。 《出典》 民ノ之(コレ)ヲ望ムコト、大旱ノ雲霓ヲ望ムガ若(コ゛ト)キナリ。〔孟子(モウシ)・梁恵王下篇〕

たいがんのかじ【対岸の火事】🔗🔉

たいがんのかじ【対岸の火事】 《向こう岸で燃えている、自分には影響のない火事の意》自分には少しも害がなく、関係のない出来事のたとえ。「対岸の火災」とも。 《例文》 「私は選挙権もなく、……今度の選挙は対岸の火事ほどにも思っていない。」《獅子文六(シシフ゛ンロク)・てんやわんや》 《類句》川向こうの火事。

たいかんはちゅうににたり【大姦は忠に似たり】▽中国🔗🔉

たいかんはちゅうににたり【大姦は忠に似たり】▽中国 大悪人というものは、人をごまかしてうまく取り入るので、表面上は忠実な人のように見える。 《参考》 宋(ソウ)の呂誨(リョカイ)が王安石を批評したことば。 《出典》 大姦ハ忠ニ似タリ。大詐(タイサ)ハ信ニ似タリ。〔宋史(ソウシ)・呂誨伝〕

たいぎしんをめっす【大義親を滅す】▽中国🔗🔉

たいぎしんをめっす【大義親を滅す】▽中国 臣下として尽くすべき国家の大事のためには最も深いつながりのある親子兄弟をも顧みない。《春秋左氏伝(シュンシ゛ュウサシテ゛ン)・隠公四年》

たいぎはだいごのもとい【大疑は大悟の基】🔗🔉

たいぎはだいごのもとい【大疑は大悟の基】 大いに疑問を持つことは、すぐれた悟りの基であるということ。 《類句》迷わぬ者に悟りなし。

たいきばんせい【大器晩成】▽中国🔗🔉

たいきばんせい【大器晩成】▽中国 《大きな器はすぐにはできあがらないの意》真の大人物は、その発達が遅くて若いころには目立たないが、後に大成するということ。 《出典》 〔老子(ロウシ)・第四十一章〕 《類句》大才晩成。

たいぎょはしょうちにすまず【大魚は小池に棲まず】🔗🔉

たいぎょはしょうちにすまず【大魚は小池に棲まず】 《大きな魚は狭い池には住まないように》大人物は、その才能にふさわしくないつまらない地位であくせく働かないということ。「大魚は小水に棲むことなし」とも。 《類句》鶴(ツル)は枯れ木に巣をくわず。

たいぎょをいっする【大魚を逸する】🔗🔉

たいぎょをいっする【大魚を逸する】 《大きな魚をつり落とすの意》価値の高い大事な物を手に入れ損なうことのたとえ。あと一歩というところで大事を仕損じることのたとえ。 《例文》 「あんな大人物を採用しないなんて。大魚を逸したね。」

たいぐんにせきしょなし【大軍に関所無し】🔗🔉

たいぐんにせきしょなし【大軍に関所無し】 大軍は地の利がよくても防ぎにくいということ。 《類句》大軍に切所(セッショ)無し。

たいけんはぐなるがごとし【大賢は愚なるが如し】🔗🔉

たいけんはぐなるがごとし【大賢は愚なるが如し】 非常に賢い人は、知識をひけらかさないから、一見愚かな人のように見えるということ。 《類句》大智(タイチ)は愚の如し。

たいこうはさいきんをかえりみず【大行は細謹を顧みず】▽中国🔗🔉

たいこうはさいきんをかえりみず【大行は細謹を顧みず】▽中国 大事業を行おうとするときには、こまごましたつまらない事がらなどを問題にしない。 《参考》 俗に「細謹(小さなつつしみ、礼儀作法)」を「細瑾(少しのきず・欠点)」と書くことがある。 《出典》 大行ハ細謹ヲ顧ミズ、大礼ハ小譲ヲ辞セズ。〔史記(シキ)・項羽本紀〕

たいこうはせつなるがごとし【大巧は拙なるが如し】▽中国🔗🔉

たいこうはせつなるがごとし【大巧は拙なるが如し】▽中国 本当に技芸のすぐれた人は、その技芸を自慢しないから、見掛けは下手なように見える。 《出典》 大直ハ屈スルガ若(コ゛ト)ク、大巧ハ拙ナルガ若ク、大弁ハ訥(トツ)ナルガ若シ。〔老子(ロウシ)・第四十五章〕

たいこくをおさむるはしょうせんをにるがごとし【大国を治むるは小鮮を煮るが如し】▽中国🔗🔉

たいこくをおさむるはしょうせんをにるがごとし【大国を治むるは小鮮を煮るが如し】▽中国 大国を治めるには、くずれやすい小魚を煮るようにゆったりと行い、こまごましたやり方をせず、寛大にするほうがよいということ。 《出典》 大国ヲ治ムルハ、小鮮ヲ烹(ニ)ルガ若(コ゛ト)シ。道ヲ以(モッ)テ天下ニ莅(ノソ゛)メバ、其(ソ)ノ鬼(キ)、神(シン)ナラズ。〔老子(ロウシ)・第六十章〕

たいこばんをおす【太鼓判を押す】🔗🔉

たいこばんをおす【太鼓判を押す】 《太鼓のように大きな印判を押すの意》絶対に間違いがないと保証することのたとえ。 《例文》 「専門家が太鼓判を押したのだから、大丈夫だよ。」

たいこもばちのあたりよう【太鼓も撥の当たりよう】🔗🔉

たいこもばちのあたりよう【太鼓も撥の当たりよう】 《太鼓を強くたたけば大きく響き、弱くたたけば小さく響くように》やり方次第で相手の反応が違ってくるということ。

たいこをたたく【太鼓を叩く】🔗🔉

たいこをたたく【太鼓を叩く】 《相の手の太鼓をたたくの意》相手にへつらって調子を合わせることのたとえ。 《例文》 「惚(ホ)れたとなったら……女の歓心を買うためには一生懸命お太鼓を叩き、」《谷崎潤一郎(タニサ゛キシ゛ュンイチロウ)・幇間》

たいざんのやすきにおく【泰山の安きに置く】▽中国🔗🔉

たいざんのやすきにおく【泰山の安きに置く】▽中国 泰山のようにどっしりとした安定した状態にすることのたとえ。「泰山の安き」とも。 《参考》 「泰山」は、山東省にある名山で、古来天子の祭るべき聖山とされた。 《出典》 掌(タナコ゛コロ)ヲ反(カエ)スノ易(ヤス)キヨリ出(イ)デ、泰山ノ安キニ居(オ)ラズ。〔文選(モンセ゛ン)・枚乗(ハ゛イシ゛ョウ)・上書して呉王を諫む〕

たいざんはどじょうをゆずらず【泰山は土壌を譲らず】▽中国🔗🔉

たいざんはどじょうをゆずらず【泰山は土壌を譲らず】▽中国 《泰山はわずかな土くれでも他に譲らずに自分のものとして受け入れるの意》度量の広い人は他の人々のちょっとした意見も聞き入れて自己を大きくすることのたとえ。 《参考》 「泰山」は、山東省の名山。「太山」と同じ。 《出典》 太山ハ土壌ヲ譲ラズ、故ニ能(ヨ)ク其(ソ)ノ大ヲ成ス。河海ハ細流ヲ択(エラ)バズ、故ニ能ク其ノ深(シン)ヲ就(ナ)ス。〔史記(シキ)・李斯伝〕 《類句》河海は細流を択ばず。

たいざんほくと【泰山北斗】▽中国🔗🔉

たいざんほくと【泰山北斗】▽中国 《泰山と北斗星のように》その分野の権威者として尊ばれる人のたとえ。「泰斗」とも。 《参考》 「泰山」は、山東省の名山。 《出典》 唐興リ、愈(ユ)、六経(リッケイ)ノ文ヲ以(モッ)テ、諸儒ノ倡(ショウ)ト為(ナ)ル。愈没シテヨリ、其(ソ)ノ言大イニ行ワレ、学者之(コレ)ヲ仰グコト、泰山北斗ノ如(コ゛ト)シト云(イ)ウ。〔唐書(トウシ゛ョ)・韓愈伝・賛〕

たいざんめいどうしてねずみいっぴき【大山鳴動して鼠一匹】▽西洋🔗🔉

たいざんめいどうしてねずみいっぴき【大山鳴動して鼠一匹】▽西洋 大騒ぎした割には結果がつまらないことのたとえ。 《参考》 (イ)「大山」は「太山」とも書く。 (ロ)ラテン語のことわざから。

たいざんをわきばさみてほっかいをこゆ【太山を挾みて北海を超ゆ】▽中国🔗🔉

たいざんをわきばさみてほっかいをこゆ【太山を挾みて北海を超ゆ】▽中国 《太山をわきにかかえて北海を飛び越えるの意》人の力では不可能であることのたとえ。 《参考》 「太山」は、山東省にある名山「泰山(タイサ゛ン)」のこと。「北海」は、渤海(ホ゛ッカイ)のこと。 《出典》 為(ナ)サザル者ト、能(アタ)ワザル者トノ形ハ、何ヲ以(モッ)テ異ナルカト。曰(イワ)ク、太山ヲ挾ミテ以テ北海ヲ超エントス。人ニ語リテ曰ク、我(ワレ)能ワズト。是(コ)レ誠ニ能ワザルナリ。〔孟子(モウシ)・梁恵王上篇〕

たいしょうひとりでいくさはできぬ【大将一人で戦はできぬ】🔗🔉

たいしょうひとりでいくさはできぬ【大将一人で戦はできぬ】 《大将だけでは戦争はできないように》物事を成し遂げるには、指導する者とそれを盛り立てる者とが必要であるということ。

たいしょくはいのちのとりこし【大食は命の取り越し】🔗🔉

たいしょくはいのちのとりこし【大食は命の取り越し】 普通以上に多量に食べる人は健康を害して長生きしないということ。 《類句》大食短命。

たいしょくはらにみつればがくもんはらにいらず【大食腹に満つれば学問腹に入らず】🔗🔉

たいしょくはらにみつればがくもんはらにいらず【大食腹に満つれば学問腹に入らず】 満腹するほど食べると、頭の働きが鈍くなって勉強しても身に付かないということ。

たいしょこうしょから【大所高所から】🔗🔉

たいしょこうしょから【大所高所から】 個々の都合や細かい事がらにこだわらないで、大きな観点・視野で物事を行うようす。大局的な見地から。 《例文》 「今この工事を中止すれば困ることもいろいろ出て来るだろうが、大所高所から判断して中止と決定したのだ。」

たいじんはせきしのこころをうしなわず【大人は赤子の心を失わず】▽中国🔗🔉

たいじんはせきしのこころをうしなわず【大人は赤子の心を失わず】▽中国 徳の高い人は、赤ん坊のような純真な心をいつまでも失わない。また、君主たる者は人民の心を失わない。 《出典》 孟子(モウシ)曰(イワ)ク、大人ナル者ハ、其(ソ)ノ赤子ノ心ヲ失ワザル者ナリ。〔孟子(モウシ)・離婁下篇〕

たいせいりじにいらず【大声里耳に入らず】▽中国🔗🔉

たいせいりじにいらず【大声里耳に入らず】▽中国 《高尚(コウショウ)な音楽は俗人の耳には受け入れられないの意》高級な言論は俗人には理解されないということ。 《出典》 〔荘子(ソウシ゛)・天地篇〕

たいちはぐのごとし【大智は愚の如し】▽中国🔗🔉

たいちはぐのごとし【大智は愚の如し】▽中国 すぐれた知恵のある人は、こざかしい知恵を用いないから、一見すると、愚者のようであるということ。 《出典》 大勇ハ怯(キョウ)ナルガ若(コ゛ト)ク、大智ハ愚ナルガ如シ。至貴(シキ)ハ軒冕(ケンヘ゛ン)無クシテ栄エ、至仁(シシ゛ン)ハ導引セズシテ寿(イノチナカ゛)シ。〔蘇軾(ソショク)・欧陽少師の致仕を賀するの啓〕 《類句》大智は愚に異ならず。大賢は愚なるが如し。

たいと【泰斗】▽中国🔗🔉

たいと【泰斗】▽中国 泰山北斗

たいのおよりいわしのあたま【鯛の尾より鰯の頭】🔗🔉

たいのおよりいわしのあたま【鯛の尾より鰯の頭】 大きな団体で人に支配される部下になるよりも、小さな団体でもその首領となるほうがよいということ。 《類句》大鳥の尾よりも小鳥の頭。鶏口となるも牛後となる勿(ナカ)れ。

たいびょうにくすりなし【大病に薬無し】🔗🔉

たいびょうにくすりなし【大病に薬無し】 物事が極度に悪くなったときは、施す方法がないということ。

たいへいのゆめ【太平の夢】🔗🔉

たいへいのゆめ【太平の夢】 平和で人々に進取の気風のなくなった世の中のたとえ。 《例文》 「鎖国をした日本が太平の夢をむさぼっている間に、世界は激動していた。」 《参考》 「太平」は「泰平」とも書く。

たいべんはとつなるがごとし【大弁は訥なるが如し】▽中国🔗🔉

たいべんはとつなるがごとし【大弁は訥なるが如し】▽中国 本当に雄弁な人は、口数が多くないから、かえって口下手な人のように見えるということ。 《出典》 大巧ハ拙(セツ)ナルガ若(コ゛ト)ク、大弁ハ訥ナルガ若シ。〔老子(ロウシ)・第四十五章〕 《類句》大弁は声無し。

たいぼくのしたにしょうぼくそだつ【大木の下に小木育つ】🔗🔉

たいぼくのしたにしょうぼくそだつ【大木の下に小木育つ】 勢力のある人の所には大ぜいの人が保護されたりかくまわれたりしているということ。

たいぼくはかぜにおられる【大木は風に折られる】🔗🔉

たいぼくはかぜにおられる【大木は風に折られる】 人より抜きん出てすぐれた人はねたみや攻撃を受けやすいということ。 《類句》出る杭(クイ)は打たれる。高木風に倒る。

たいもひとりはうまからず【鯛も一人は旨からず】🔗🔉

たいもひとりはうまからず【鯛も一人は旨からず】 《うまいはずのたいも一人で食べるとうまく感じられないの意》どんなものでも大ぜいで楽しく食べればうまいということ。

たいゆうはきょうなるがごとし【大勇は怯なるが如し】▽中国🔗🔉

たいゆうはきょうなるがごとし【大勇は怯なるが如し】▽中国 真の勇者は、慎重であってみだりに人と争ったりしないから、一見臆病者(オクヒ゛ョウモノ)のようであるということ。 《参考》 大智は愚の如し。 《出典》 〔蘇軾(ソショク)・欧陽少師の致仕を賀するの啓〕

たいゆうはたたかわず【大勇は闘わず】▽中国🔗🔉

たいゆうはたたかわず【大勇は闘わず】▽中国 真の勇者はみだりに人と争わないということ。 《出典》 〔淮南子(エナンシ゛)・説林訓〕

たいよくはむよくににたり【大欲は無欲に似たり】🔗🔉

たいよくはむよくににたり【大欲は無欲に似たり】 大きな望みを持つ者は、小さな利益などは問題にしないので、欲がないように見えるということ。 欲が深すぎると、欲に迷って損を招きやすく、無欲と同じ結果になるということ。 《出典》 究竟(キュウキョウ)は理即(リソク)にひとし、大欲は無欲に似たり。〔徒然草(ツレツ゛レク゛サ)〕

たいりはりならず【大利は利ならず】▽中国🔗🔉

たいりはりならず【大利は利ならず】▽中国 大きな利益は、一見すると利益があるようには見えない。 《出典》 大智(タイチ)ハ智ナラズ、大謀(タイホ゛ウ)ハ謀(ハカ)ラズ、大勇ハ勇ナラズ、大利ハ利ナラズ。〔六韜(リクトウ)・武韜・発啓〕

たいをかわす【体を躱す】🔗🔉

たいをかわす【体を躱す】 襲われて、身を翻して避ける。 《例文》 「小石が飛んで来たのでとっさに体をかわした。」 非難・追及などを切り抜けることのたとえ。 《例文》 「彼の失敗を追及しようとしても、いつもうまく体をかわされてしまう。」

たおれてのちやむ【倒れて後已む】▽中国🔗🔉

たおれてのちやむ【倒れて後已む】▽中国 途中でくじけずに死ぬまで努力し続けることのたとえ。 《参考》 「倒れる」は「斃れる」とも書く。 《出典》 身ノ老ユルヲ忘ルルナリ、年(トシ)数ノ足ラザルヲ知ラザルナリ。俛焉(ヘ゛ンエン)トシテ日ニ孳孳(シシ)タル有リ、斃(タオ)レテ后(ノチ)已ム。〔礼記(ライキ)・表記篇〕 《類句》死して後已む。

たおれてもつちをつかむ【倒れても土を掴む】🔗🔉

たおれてもつちをつかむ【倒れても土を掴む】 転んでも只では起きない

たかがしれる【高が知れる】🔗🔉

たかがしれる【高が知れる】 その物事の程度が分かっていて大したことはない。 《例文》 「あんな強がりを言っているが、高が知れているさ。」

たががゆるむ【箍が緩む】🔗🔉

たががゆるむ【箍が緩む】 緊張が緩んで秩序がなくなることのたとえ。 《例文》 「マイホーム主義もけっこうだが、なにか理想が失われて箍(タカ゛)が緩んだような世の中になってしまった。」 年を取ってしっかりした所がなくなることのたとえ。 《参考》 「緩む」は、「弛む」とも書く。 《対句》箍(タカ゛)を締める。

たかきにのぼるはひくきよりす【高きに登るは低きよりす】▽中国🔗🔉

たかきにのぼるはひくきよりす【高きに登るは低きよりす】▽中国 《高い所に登るには低い所から始めるの意》物事には一定の順序があって、順序どおりに行わなければならないということ。 《出典》 君子ノ道ハ、譬(タト)エバ遠キニ行クニ必ズ邇(チカ)キヨリスルガ如(コ゛ト)ク、譬エバ高キニ登ルニ必ズ卑(ヒク)キヨリスルガ如シ。〔中庸(チュウヨウ)〕 《類句》遠きに行くは必ず近きよりす。

たかねのはな【高嶺の花】🔗🔉

たかねのはな【高嶺の花】 《登って行くことのできない高い峰に咲いている花の意》望んでも直接自分のものにすることのできないすぐれたもののたとえ。 《例文》 「あのコートは高峰(タカネ)の花とあきらめました。」 《参考》 「高嶺」は「高根」とも書く。

たあるくもくろあるくもおなじ【田歩くも畔歩くも同じ】🔗🔉

たあるくもくろあるくもおなじ【田歩くも畔歩くも同じ】 →畦から行くも田から行くも同じ

たいいんはいちにかくる【大隠は市に隠る】🔗🔉

たいいんはいちにかくる【大隠は市に隠る】 ふつう、世捨て人といえば人里離れた場所に隠れ、俗世間から逃れようとするものだが、真に悟りきった世捨て人は市中にいて、俗人と交わりながら暮らしているということ。 ◎「大隠」はすっかり悟りを開いた世捨て人・隠者の意。 〔出〕王康きょ(おうこうきょ)

たいおんはほうぜず【大恩は報ぜず】🔗🔉

たいおんはほうぜず【大恩は報ぜず】 小さな恩だとすぐに気づいて、そのたびごとに恩返しができるものだが、大きな恩になると、その大きさのためにかえって気づくことができず、報いることなく終わってしまうことが多いということ。 ◎「大恩は報いず」「大恩は忘る」とも言う。

たいかいのいってき【大海の一滴】🔗🔉

たいかいのいってき【大海の一滴】 果てしなく広いところに、きわめて小さいものがあることのたとえ。 〔類〕滄海の一粟

たいかいはあくたをえらばず【大海は芥を択ばず】🔗🔉

たいかいはあくたをえらばず【大海は芥を択ばず】 度量の大きい人は、相手がたとえつまらない人物であろうと、人のいかんを問わずすべて受け入れるというたとえ。 ◎「芥」はごみの意。大海は川からごみが流れ込んできても、いっこう気にすることなく受け入れるの意から。 〔類〕河海は細流を択ばず

たいかいをてでふさぐ【大海を手で塞ぐ】🔗🔉

たいかいをてでふさぐ【大海を手で塞ぐ】 とうていできるはずのないことのたとえ。 〔類〕大河を手で堰く

たいかのたおれんとするはいちぼくのささうるところにあらず【大廈の倒れんとするは一木の支うる所に非ず】🔗🔉

たいかのたおれんとするはいちぼくのささうるところにあらず【大廈の倒れんとするは一木の支うる所に非ず】 国が滅びかけているときのように、大きなものが衰勢に向かっているときには、いかにすぐれていようと一人ぐらいの力ではどんなにあがいても、とうてい救うことはできないということ。 ◎「大廈」は大きな建物で、それが倒れかかっているときには一本の木ではとても支えきれないの意から。「倒れん」は本来「顛れん」と書く。 〔出〕文中子(ぶんちゅうし)

たいかんのうんげいをのぞむ【大旱の雲霓を望む】🔗🔉

たいかんのうんげいをのぞむ【大旱の雲霓を望む】 切々と待ち望むことのたとえ。 ◎「大旱」はひどい日照り、「雲霓」は雲と虹(にじ)のこと。ひどい日照りのときに雨の前兆である雲や虹を心待ちにするの意から。 〔出〕孟子(もうし) 〔類〕鶴首

たいかんはちゅうににたり【大姦は忠に似たり】🔗🔉

たいかんはちゅうににたり【大姦は忠に似たり】 大悪人というものは、本性を隠してたくみにふるまうので、あたかも忠臣のように見えるということ。 ◎「大姦」は大悪人の意。 〔出〕宋史(そうし)

たいがんのかじ【対岸の火事】🔗🔉

たいがんのかじ【対岸の火事】 自分にはまったく影響がなく、痛くもかゆくもないできごとのたとえ。 ◎向こう岸の火事はこちらの岸には飛び火してくる危険がないことから。「対岸の火災」とも言う。 〔類〕風馬牛

たいきしょうよう【大器小用】🔗🔉

たいきしょうよう【大器小用】 すぐれた才能を持つりっぱな人物を低い地位において、つまらない仕事しかさせず、せっかくの才能を十分に生かさないこと。 ◎「大器」は大きな器(うつわ)の意から転じて、大きな器量を持つ人物のこと。「小用」はちょっとしたつまらない用事のこと。 〔出〕後漢書(ごかんじょ)

たいきばんせい【大器晩成】🔗🔉

たいきばんせい【大器晩成】 大人物というものは、じっくりゆっくりと大成するものであるということ。 ◎大きな器(うつわ)はちょっとやそっとでは作れず、普通の物より遅れてでき上がるの意から。 〔出〕老子 〔類〕大きい薬缶は沸きが遅い 〔対〕小鍋はじきに熱くなる 〔較〕Who goes slowly goes far.(ゆっくり歩む者が遠く行く)

たいぎ しんをめっす【大義 親を滅す】🔗🔉

たいぎ しんをめっす【大義 親を滅す】 大義をまっとうするためには、私情を捨て、親子兄弟でさえも犠牲にすることがあるということ。 ◎「大義」は国家などに尽くすべき大きな道義の意。それを守るためには肉親をも殺すの意から。 〔出〕春秋左伝

たいぎはたいごのもとい【大疑は大悟の基】🔗🔉

たいぎはたいごのもとい【大疑は大悟の基】 大きな疑いを持つということは、大きな悟りが得られるということでもある。疑問を持つことがなければ悟りを得ることもない、疑いこそ悟りのもとであるということ。 〔類〕迷わぬ者に悟りなし

たいぎめいぶん【大義名分】🔗🔉

たいぎめいぶん【大義名分】 人として守らなければならない道義上の本分。また、事をするときの根拠とする、もっともらしい理由のこと。 ◎「大義」は人間として行うべき道理、臣下として君主に尽くすべき道の意。「名分」は守るべき道義上の決まりの意。

たいぎょはしょうちにすまず【大魚は小池に棲まず】🔗🔉

たいぎょはしょうちにすまず【大魚は小池に棲まず】 大きな魚が小さな池には棲まないように、大人物は、つまらない地位や仕事にとどまっていないというたとえ。 〔較〕A great ship must have deep water.(大船は深海を要す)

たいぐんにせきしょなし【大軍に関所なし】🔗🔉

たいぐんにせきしょなし【大軍に関所なし】 大軍にとってその進軍をはばむ関所などというものはない。大きな勢力にはとうていかなわないことのたとえ。

たいけんはぐなるがごとし【大賢は愚なるが如し】🔗🔉

たいけんはぐなるがごとし【大賢は愚なるが如し】 きわめて賢い人は、知識や賢さを表面に現さないから、一見、愚か者のように見えるということ。 〔類〕大巧は拙なるが若し/大智は愚の如し

たいこうはさいきんをかえりみず【大行は細謹を顧みず】🔗🔉

たいこうはさいきんをかえりみず【大行は細謹を顧みず】 大事を成し遂げようとするときには、取るに足らない事柄など気にもかけないということ。 ◎「細謹」は小さなことに気を配ること。「大行は小謹を顧みず」とも言う。 〔出〕史記

たいこうはせつなるがごとし【大巧は拙なるが若し】🔗🔉

たいこうはせつなるがごとし【大巧は拙なるが若し】 すぐれた技術を持つ真の名人は小細工をしないから、ちょっと見たところではかえって下手に見えるということ。 〔出〕老子 〔類〕大賢は愚なるが如し/大智は愚の如し

たいこうぼう【太公望】🔗🔉

たいこうぼう【太公望】 釣り人のこと。 ◎中国周の文王が渭水(いすい)のほとりで釣りを楽しんでいた呂尚(りょしょう)に出会ったとき、この人物こそ太公(文王の父)が待ち望んでいた人物だ、と言ったという故事から。 〔出〕史記 〔例〕「太公はようよう蟹(かに)を一つ釣り」(古川柳)

たいこうをなすものはしゅうにはからず【大功を成す者は衆に謀らず】🔗🔉

たいこうをなすものはしゅうにはからず【大功を成す者は衆に謀らず】 大事業を成し遂げようとする人は大勢の人々の意見を聞いたり相談したりなどせず、自分独自の考えで事を断行するということ。 〔出〕戦国策

たいこうをろんずるものはしょうかをろくせず【大功を論ずる者は小過を録せず】🔗🔉

たいこうをろんずるものはしょうかをろくせず【大功を論ずる者は小過を録せず】 大きな功績を表彰しようといろいろ議論する場合、たとえその功績のかげに小さな過失が見つかったとしても大目に見て、問題にしないということ。 〔出〕漢書(かんじょ)

たいこばんをおす【太鼓判を捺す】🔗🔉

たいこばんをおす【太鼓判を捺す】 絶対に大丈夫だ、まちがいないと自信を持って保証すること。 ◎保証人として太鼓のように大きな判をおす意から。

たいこもばちのあたりよう【太鼓も撥の当たりよう】🔗🔉

たいこもばちのあたりよう【太鼓も撥の当たりよう】 相手がどのように対応してくるかは、こちらのやり方しだいだというたとえ。 ◎太鼓は撥のたたき方ひとつで、音が大きくもなれば小さくもなることから。なお「撥」は「桴」とも書く。

たいざんのやすきにおく【泰山の安きに置く】🔗🔉

たいざんのやすきにおく【泰山の安きに置く】 ものごとを安定したゆるぎないものにすることのたとえ。 ◎「泰山」は中国山東省にある名山の名。どっしりした泰山のように、まったく心配のない安定した状態にするの意から。

たいざんほくと【泰山北斗】🔗🔉

たいざんほくと【泰山北斗】 →泰斗(たいと)

たいざんめいどうしてねずみいっぴき【大山鳴動して鼠一匹】🔗🔉

たいざんめいどうしてねずみいっぴき【大山鳴動して鼠一匹】 大げさに騒いだわりに、たいしたことのない結果に終わることのたとえ。 ◎大きな山が音を鳴り響かせて動くので大噴火でも起こるのかと見ていると、鼠がたった一匹出てきただけだったの意から。なお「大山」は「泰山」とも書く。ローマの詩人ホラティウスのことばから。英語はThe mountain is in labor and brings forth a mouse.(山が産気づき鼠を一匹生む)

たいせいはりじにいらず【大声は里耳に入らず】🔗🔉

たいせいはりじにいらず【大声は里耳に入らず】 あまりにもりっぱな理論は世の中一般の人にはなかなか理解してもらえないということ。 ◎「大声」は高尚な音楽、「里耳」は俗人の耳の意。高尚な音楽は俗人にはわからないの意から。 〔出〕荘子(そうじ)

たいぜんじじゃく【泰然自若】🔗🔉

たいぜんじじゃく【泰然自若】 落ちつきはらってびくともせず、ものに動じないこと。 ◎「泰然」も「自若」も、あわてずに悠然(ゆうぜん)と構えていること。

たいちはぐのごとし【大智は愚の如し】🔗🔉

たいちはぐのごとし【大智は愚の如し】 ほんとうに知恵のあるすぐれた大人物は、その知恵をひけらかさないから、ちょっと見たところでは愚か者のように見えるということ。 〔出〕蘇軾(そしょく) 〔類〕大賢は愚なるが如し/大巧は拙なるが如し

たいてきとみておそれずしょうてきとみてあなどらず【大敵と見て恐れず小敵と見て侮らず】🔗🔉

たいてきとみておそれずしょうてきとみてあなどらず【大敵と見て恐れず小敵と見て侮らず】 相手がどんなに強そうに見えても決して恐れてはならないし、どれほど弱そうに見えても断じて侮ってはならないということ。

たいと【泰斗】🔗🔉

たいと【泰斗】 人々から尊敬される、その道の権威者、第一人者のこと。 ◎「泰山北斗」の略で、中国山東省にある泰山と、北斗七星とが、ともに重要な存在として人々から仰ぎ見られていたことから。 〔出〕唐書(とうじょ)

たいなくばえそ【鯛なくば狗母魚】🔗🔉

たいなくばえそ【鯛なくば狗母魚】 よいもの、ふさわしいものがないときには、少々劣っていても代わりのものでがまんするよりしかたがないということ。 ◎「狗母魚」はかまぼこの材料となる魚で、鯛がなければ狗母魚で代用するしかないの意から。 〔較〕When all fruit fails,welcome haws.(果物がなけりゃ、さんざしの実でも)

たいへいらく【太平楽】🔗🔉

たいへいらく【太平楽】 好きかってなことを気楽に言ったりしたりすること。 ◎天下太平を祝う雅楽の曲名から。「太平楽を言う」「太平楽を並べる」などとも言う。

たいぼくはかぜにおらる【大木は風に折らる】🔗🔉

たいぼくはかぜにおらる【大木は風に折らる】 →高木は風に折らる

たいもひとりはうまからず【鯛も一人はうまからず】🔗🔉

たいもひとりはうまからず【鯛も一人はうまからず】 食事はやはり大勢で食べるほうがおいしいということ。 ◎鯛のように美味な魚でも、一人で食べるのでは味気ないということから。 〔較〕It is the company that makes the feast.(仲間があってごちそうとなる)

たいようのてっているうちにほしくさをつくれ【太陽の照っているうちに干し草を作れ】🔗🔉

たいようのてっているうちにほしくさをつくれ【太陽の照っているうちに干し草を作れ】 →陽の照っているうちに干し草を作れ

たいよくはむよくににたり【大欲は無欲に似たり】🔗🔉

たいよくはむよくににたり【大欲は無欲に似たり】 大きな欲を持つ人は、目先の小さな利益には関心を示さないから、まわりの人には一見、無欲であるかのように見えるということ。また、欲の深い者は欲ばりすぎて失敗し、なんの利益も得られず、結局は欲のない者と同じ結果に終わることが多いということ。 〔較〕Grasp all,lose all.(みんなつかんでみんな失う)

たいりょうのあした【大漁の明日】🔗🔉

たいりょうのあした【大漁の明日】 大漁の翌日もまた大漁であるとは限らず、不漁であるかもしれない。よいことばかり、そう長続きはしないもの。だから、よいことのあったあとは心してかかれというたとえ。

たおれてのち やむ【斃れて後 已む】🔗🔉

たおれてのち やむ【斃れて後 已む】 死ぬまで努力を続け、途中でくじけず、生きている限りやり抜くこと。 ◎倒れて死んだ後で、はじめてやめるの意から。「後」は本来「后」と書く。 〔出〕礼記(らいき) 〔類〕死して後已む

たかいふねかりてやすいこざかなつる【高い舟借りて安い小魚釣る】🔗🔉

たかいふねかりてやすいこざかなつる【高い舟借りて安い小魚釣る】 趣味・道楽のためなら、損得など度外視してしまうことのたとえ。 ◎「高い舟借って安い小魚(こうお)釣る」とも言う。

たかがしれる【高が知れる】🔗🔉

たかがしれる【高が知れる】 どのくらいか知れたもので、たいしたことはないということ。 ◎「高」は物の数量や金額、程度やねうちの意。

たかきにのぼるにはひくきよりす【高きに登るにはひくきよりす】🔗🔉

たかきにのぼるにはひくきよりす【高きに登るにはひくきよりす】 事をおこなう場合には、手近なところから順序を追って、確実にやるべきだということ。 ◎「ひくき」は本来「卑き」と書く。高い所に登るには、まず低い所から登り始めるの意から。 〔出〕中庸(ちゅうよう) 〔類〕遠きに行くは必ず近きよりす 〔較〕He who would climb the ladder must begin at the bottom.(はしごを登るには一段目から)

たかねのはな【高嶺の花】🔗🔉

たかねのはな【高嶺の花】 手の届かない高い嶺(みね)に咲く美しい花のように、遠くからただあこがれて眺めるだけで、とても自分のものとして手にすることのできないもののたとえ。 ◎「高根の花」と書くことがあるが、本来は誤用。 〔較〕One may look at a star but not pull at it.(人は星を見ることはできるが引っぱって取ることはできない)

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