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0485.03 文末・否定[文末]🔗⭐🔉
0485.03 文末・否定[文末]
(1)言えない 言われない 言いきれない 一概に言えない;
誰も言ってない;
思えない 思わない 思われない 考えられない;
〜にも限らない 〜とは限らない やも知れない;
そうしたものでもない 〜という訳のものでもない 訳ではない;
〜ばかりが能ではない
[文例]
●〜という想像は必ずしも私の邪推とは云えなかった。[志賀直哉]
●彼女は内輪づらの善い女であったとは云われない。[井伏鱒二]
●しかし、男との関係も、浮気とは言いきれない。[井伏鱒二]
●当前に何でも話合が出来るようになれば、お前にだってさせないとは云わない。[森鴎外]
●そろそろ働くのを辞めてもらったほうがよさそうだ、と考えていたところなので、出て行っては困るとは誰も言っていない。[吉行淳之介]
●〜かと言う疑問を提起したが、説いて此(ここ)に至っても、此疑問を撤回する必要を見ない。[森鴎外]
●今後来るお前の運命がその為めに必ずしも呪われると決った事はない。[志賀直哉]
●母君と雖、嫉妬の対称にならぬには限らぬのである。[森鴎外]
●「それは貴方の御自由です。しかし、もし貴方の社で、今後ともバスの運転を継続されるなら、その限りではないと思って下さい。」[井伏鱒二]
●〜何もこれは結核の予防に限ったことではない。[森鴎外]
(2)〜ではない;
事はない 手はない;
〜話はない 〜話は聞いた事がない;
〜どの世界にある 〜誰がいる;
話にならない お話にならない も糞もない もへちまもない へったくれもない;
違う 間違いだ;
勘違いだ 見当違い 当たらない;
行(ゆ)かない そうは行かない そうもゆかない 参らない 運ばない 運ばれない 通らない そう好都合には参らない そうは問屋が卸さない そうは烏賊(いか)の金玉(きんたま);
有り得ない 筈がない おかしい
[文例]
●いったい妙子は、ほかの二人ほど井谷に義理があるのではなかった。[谷崎潤一郎]
●人間に論語さえ読ませておけばおとなしくしていると思うと大違いさ。[森鴎外]
●どうもあなたのお書きになるものは少し勝手が違つています。[森鴎外]
●度量がひろいというのは当らない。大まかなんであったといえば、すこし当っている。[井伏鱒二]
●恥ずかしいのなら、私のようにわすれていればよさそうなものだが、妻にはそうもいかないらしい。[三浦哲郎]
●今ならば所謂微苦笑で見られる事が当時ではそう行かなかった。[志賀直哉]
(3)知らない 分からない0399.01 未知0401.11;
珍粉漢粉 珍粉漢 不明 未知数 未詳 詳らかにしない 不定 定かでない 謎0035.06 未見0718.03 不聞不知;
覚えない 記憶にない;
聞かない 聞いたことがない 聞き覚えのない 耳新しい 聞かない0468.01 初耳0465.03;
見ない 見たことがない 見覚えのない 初めて耳にする 初めてお目にかかる 一面識も無い 見る0459.01 未聞0035.14 見ず知らず0718.03 見ない0462.01 見えない;
気の知れない;
例(ためし)が無い;
不測0409.01 不可測 測り知れない 人知も及ばぬ・人智も及ばぬ 空前絶後 前代未聞 希代未聞 前古未曽有;
手がかりの無い 手がかりの付かない;
眼に入らない 死角に入る
[文例]
●私は一度もその出さきのことについて話をきかされたことがない。[井伏鱒二]
●未婚男女の交際とか自由結婚とか云う問題は、当時の人の夢にだに知らなかった。[森鴎外]
●有信の妻は氏名を詳にしない。[森鴎外]
●人一人の生涯というものを測る尺度を、まだ具体的に手に取って見たことが無いのである。[森鴎外]
●雪子より先に妙子が新世帯を持ったことは、誰あって知ろう筈もないので、…[谷崎潤一郎]
●次(つい)で下の関から武蔵が再び小倉に往(い)ったことはあると云うが、忠興に謁したことは聞えない。[森鴎外]
●彼岸前に羽織を着るなぞとはいかに多病な身にもついぞ覚えたことがない。[永井荷風]
(4)手はない 〜話はない 馬鹿はない 馬鹿があるか;
損だ 嘘だ 馬鹿だ 駄目だ 無茶だ 無理だ;
〜どころの騒ぎじゃない 〜どころの候じゃない 候ではない;
あったもんじゃない 堪らない 堪ったもんじゃない とんでもない とんでも無い0106.16;
言えた義理ではない
[文例]
●〜の作品にもつまらぬものがある。それらを黙って通すてはない。[尾崎一雄]
●誰でも釣好きな人ならそうだろうが、私は入漁證を手に入れると、これを活用しなくては嘘だという気持になって来る。[井伏鱒二]
●男がこういう事に何時までも受身でいるという法はない。[志賀直哉]
●「こうやって、みんなで一緒にお酒を飲んでいて愉しくないの」「それは、ちょっと無理だね」[吉行淳之介]
●今は小説にでもこんな事を書いたら、伏線が置いてあるに呆れるどころの騒ぎではない。[森鴎外]
(5)御免だ0743.05 駄目だ 無理だ 嫌だ 嫌0719.01 願い下げる0743.07 うんざりだ うんざりする;
降参 参る 参った 負けた かなわない;
よしてくれ 措いてくれ
[文例]
●「赤い靴下は願い下げだね」[志賀直哉]
●「まだ勘弁してくれないか。もういいだろう、もう勘弁してくれ」と私は心のなかで念じていた。[井伏鱒二]
(6)意を異にする 異を立てる 不同意0743.02;
良しとしない 潔しとしない;
理解に苦しむ
(7)気持がしない 無い 無くなる;
そうした気分が起こらない 〜する気にならない 動かない
[文例]
●強(しう)て著作の興を呼ぶ、気にもならなくなった。[永井荷風]
●もう煙草を喫む気にもなれぬのである。[森鴎外]
(8)とも見えない 風がない 形跡がない 気配がない 様子がない;
様子0016.01;
至らなかった ならない;
〜の感じが弱い 〜の感じが薄い;
らしくない 似ない
[文例]
●しかし、女にはそのことを思い出した様子がない。[吉行淳之介]
●スピーチはまだ終る気配はない。[吉行淳之介]
●此より後〜三十日間の行往の迹(あと)は、さしあたり尋ぬることを得ない。[森鴎外]
●〜は、〜読過して鈔写するに及ばなかった。[森鴎外]
●是は廃嫡せられたものの言に似ない。[森鴎外]
(9)出来ない 出来ない相談 無理 思いもよらない事 考えられない 駄目 有り得ない;
すべもない べくもない 由もない;
どう仕様もない 手が付けられない 手に負えない 手に余る 手が届かない 始末に負えない;
梃子摺(てこず)る0059.02 持て余す0565.08 〜兼ねる0059.04 あぐねる;
処置無し;
切りが無い;
当てはない;
難儀だ0362.04 〜悪(にく)い 〜難(がた)い
[文例]
●要求が過大になる。出来ない相談になる。[森鴎外]
●〜いることまでは見分けるべくもなかった[谷崎潤一郎]
●〜も少しのことで喧嘩になりかけた。私はどちらが正しいか知らないので、仲裁に立つすべもなかった。[井伏鱒二]
●チヌは〜、私に恋慕の素振を見せていいか悪いかわからなくて始末に困っていた。[井伏鱒二]
●英文の紹介本は私の語学力では手にあまった。[井伏鱒二]
●自身は勿論、はたからもどうにも手のつけようがなかった。[志賀直哉]
(10)無用 御無用 余計 必要ない いい;
須(もち)いない 〜を要さない;
構わない 結構だ;
及ばない までもない 〜するまでもない;
始まらない 仕様がない;
心配ない 心配無用 気にしない
[文例]
●以上は公私略の記する所に據る。今煩(はん)を厭(いと)うて本文を引くに及ばない。[森鴎外]
●零と零を集めて算術をするようなもので始まらないのである。[森鴎外]
●「おれに会ったって、仕方がないだろう。」[吉行淳之介]
0485.04 文末・疑問[文末]
怪しい 奇(あや)し 異(あや)し 怪し 危ない 当てはない 請け合えない 覚束ない;
怪しむ 怪しがる 怪しばむ;
〜に苦しむ 理解に苦しむ 判断に苦しむ おかしい0421.01 不思議だ 〜のはずがない;
〜気が知れない0399.01;
変に思う 気になる 気にする0391.02;
疑心暗鬼を生ず;
怪訝(けげん)に思う 首を捻る 首を傾げる 小首をかしげる 小首を捻る 小首を傾ける;
疑いを挟(さしはさ)む 訝(いぶか)しい 訝(いぶか)る 訝(いぶか)しがる 訝(いぶか)しむ 異を挟む おかしがる 危ぶむ 危ながる;
考える 考え込む 不審を抱く;
どうかと思う;
如何(いか)にぞ 如何(いか)にぞや;
不可解;
胡散臭い 胡散らしい 如何(いかが)わしい 臭い;
不確か 曖昧0401.08 覚束ない 危ない0424.07 不可思議;
不可解0401.10 狐につままれる;
妙な話だ 急な話だね;
何(なん)だい どうしたんだい 何(なに)かね
[文例]
●少くも疑を挟む余地がある。[森鴎外]
●私は二人が姉妹かどうか怪しんでいたが…[庄野潤三]
●(男の様子に)三輪はかすかな異常を感じた。[吉行淳之介]
●〜と受取ったまま疑うことのなかった自分を私は怪しんだ。[吉行淳之介]
●「あんな奴とつき合ってる奴の気が知れない。」[志賀直哉]
●「身受でもしようというはなしですか。それは考物ですよ。」[永井荷風]
●一体御主人の博聞強記は好いが、科学を遣っている癖に仏法の本なんかを読むのは分からないて。[森鴎外]
●その毒婦と此女と、仕ている事は殆ど変りないと思うが、どういうものであろう。[志賀直哉]
●「用事だっていうけど、どういうこと」[吉行淳之介]
●「ああいうのは女が見てどうだい」[志賀直哉]
●(鮨屋の女主人の厚化粧は具合が悪い。そのくせ女客の香水は)〜抵抗がないのだが、あれは何だろう。[吉行淳之介]
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