じょう ヂヤウ 【嬢・娘】 ■一■ [1] （名） 娘。「お―」「私や―はよろしうござりますが/滑稽本・玉櫛笥」 ■二■ （接尾） （１）未婚の女性の氏名に付けて，敬称として用いる。「田中―」 （２）職業を表す語に付けて，その職にたずさわる女性であることを示す。「交換―」「案内―」

じょう-かく ヂヤウ― [0] 【嬢核・娘核】 細胞分裂に際し，核分裂で生じた二つの核。分裂前の核（母核）に対していう。

じょう-さいぼう ヂヤウサイバウ [3] 【嬢細胞・娘細胞】 一回の細胞分裂の結果生じた二個の細胞。分裂前の母細胞に対していう。

じょう-し ヂヤウ― [1] 【娘子・嬢子】 （１）女の子。少女。処女。 （２）婦人。女。また，他人の妻。

じょうし-ぐん ヂヤウ― [3] 【娘子軍】 〔誤って「ろうしぐん」とも〕 （１）女性の率いる軍隊。また，女性だけで組織した軍隊。もと，中国，唐の平陽公主の率いた軍の名。 （２）女性の団体。

じょうし-かん ヂヤウシクワン 【娘子関】 中国，山西省と河北省の境，石家荘の西方にある関門。太行山脈を越える要地。

むす-め [3] 【娘】 〔「産(ム)す女」の意〕 （１）親にとって，女の子供。息女(ソクジヨ)。 ⇔息子(ムスコ) 「一人の息子と二人の―がいる」 （２）若い未婚の女性。「若い―さんたち」

――三人持てば身代(シンダイ)つぶす 娘の嫁入りに多額の費用がかかるたとえ。

――一人に婿(ムコ)八人 一人の娘に対して婿の希望者が多いこと。一つの物事に対して希望する人が多いたとえ。

むすめ-かくしゅ [4] 【娘核種】 放射性の核種が崩壊して生ずる，もととは異なる元素の核種。安定な核種になるまで，娘核種がさらに崩壊を繰り返すこともある。

むすめ-かたぎ [4] 【娘気質】 娘に共通した気質。世なれない娘らしい気だて。むすめぎ。むすめごころ。

むすめ-ぎ [3] 【娘気】 「娘心(ムスメゴコロ)」に同じ。「彼に会釈さへ為(シ)かねつ。―の可羞(ハズカシサ)に/金色夜叉（紅葉）」

むすめ-ぎだゆう ―ダイフ [4] 【娘義太夫】 女性の義太夫語り。天保年間（1830-1844）頃から江戸で流行し，明治20年代から末年までが全盛期であった。竹本綾之助・豊竹呂昇(ロシヨウ)らが有名。女浄瑠璃。女義太夫。俗に，垂れ義太とも。

むすめ-ぐみ [0] 【娘組】 未婚の女子による年齢集団。集まって夜なべ仕事をしたり，寝泊まりする娘宿のある場合もある。 →若者組

むすめ-ご 【娘子】 「娘(ムスメ)」に同じ。「此方にはをな上臈というて―が御座らうが/狂言記・貰聟」

むすめ-ご [3] 【娘御】 他人の娘を敬っていう語。

むすめ-ごころ [4] 【娘心】 娘らしい心。純でうぶな少女の心にいうことが多い。娘気。「感じやすい―」

むすめ-ざかり [4] 【娘盛り】 未婚の女性として美しい年頃。「年は鬼もといふ十八の―/浮雲（四迷）」

むすめ-し [3] 【娘師】 〔盗賊の用いた隠語〕 土蔵破りのこと。

むすめ-っ-こ [3] 【娘っ子】 「娘」を親しんで，また軽んじていう語。

むすめ-どうじょうじ ―ダウジヤウジ 【娘道成寺】 「京鹿子(キヨウガノコ)娘道成寺」の通称。

むすめ-ばら 【娘腹】 母とその娘の両方を妻とした場合に，その娘の方から生まれた子。 ⇔親腹 「親腹の御子をば五の宮，―の御子をば六宮とて/栄花（初花）」

むすめ-ぶん 【娘分】 （１）娘として扱うこと。また，その人。「色茶屋の―といふものをこしらへて/人情本・辰巳園 3」 （２）江戸深川の岡場所で，芸妓の取り締まりをする女。「おかぢはつとめのあげく―となり/洒落本・玉の」

むすめ-むこ [4] 【娘婿】 娘の夫。女婿(ジヨセイ)。

むすめ-やど [4] 【娘宿】 娘組の泊まる宿。めらし宿。

ろうし-ぐん ラウシ― [3] 【娘子軍】 ⇒じょうしぐん（娘子軍）

むすめ【娘】 a daughter;→英和 a girl (少女).→英和 〜らしい girlish;→英和 maidenly.→英和 ‖娘時代 one's girlhood.