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きょう-げん【狂言】🔗🔉

きょう-げん キヤウ― [3] 【狂言】 (1)日本の伝統芸能の一。猿楽の滑稽・卑俗な部分を劇化した芸能。室町時代に成立。猿楽能と併せ行われるが,舞踊的・象徴的な能と異なり,物まねの要素や写実的な科白(セリフ)劇の性格をもつ。主役をシテまたはオモ,相手役をアドという。独立して演じられる本狂言と能の曲中に行われる間(アイ)狂言とに大別される。江戸時代には大蔵流・鷺(サギ)流・和泉(イズミ)流の三流があったが,明治時代に鷺流は絶えた。能狂言。 (2)歌舞伎の演目。歌舞伎狂言。 (3)人をあざむくために仕組むたくらみ。お芝居。「―自殺」「―強盗」 (4)道理にはずれた言葉や行為。たわごと。「孔明が臥竜の勢をききをじしてかかる―をば云ふ/太平記 20」 (5)ふざけて面白おかしく言うこと。また,その言葉や動作。「正直にては能き馬はまうくまじかりけりと―して打連れてこそ上りけれ/盛衰記 34」

きょうげん-うたい【狂言謡】🔗🔉

きょうげん-うたい キヤウ―ウタヒ [5] 【狂言謡】 狂言小歌など能狂言の中で謡われる謡の総称。能の一節をそのまま謡うもの,能の謡を模した節で謡うもの,狂言独自の節づけをしたものなどがある。

きょうげん-おうぎ【狂言扇】🔗🔉

きょうげん-おうぎ キヤウ―アフギ [5] 【狂言扇】 能狂言で用いる扇。大蔵流は霞(カスミ)に若松,和泉流は雪輪に折松葉と銀杏(イチヨウ)の葉の吹き寄せの図柄。

きょうげん-かた【狂言方】🔗🔉

きょうげん-かた キヤウ― [0] 【狂言方】 (1)能楽師のうち,狂言を演じる人。本狂言・間狂言・三番叟(サンバソウ)などをつとめる。 (2)歌舞伎で,下級の狂言作者。幕の開閉,プロンプター,科白(セリフ)の書き抜きなどを担当。

きょうげん-きご【狂言綺語】🔗🔉

きょうげん-きご キヤウ― [5] 【狂言綺語】 〔「きょうげんきぎょ」とも〕 道理に合わない言と,巧みに飾った語。無いことを装飾して言い表したつくりごと。小説・物語・戯曲などを卑しめていう語。「―の誤ちは,仏を讃むる種として/梁塵秘抄」

きょうげん-こうた【狂言小歌】🔗🔉

きょうげん-こうた キヤウ― [5] 【狂言小歌】 狂言謡の一。「住吉」「柴垣」など,室町時代の俗謡に由来したと考えられる特殊な謡物。恋心をうたったものが多い。能の小歌と区別していう。小歌。

きょうげん-こうたい【狂言小謡】🔗🔉

きょうげん-こうたい キヤウ―ウタヒ [6] 【狂言小謡】 狂言で,主として酒宴の場で,酌に立つときにうたう,短い謡い物。小謡。

きょうげん-ざ【狂言座】🔗🔉

きょうげん-ざ キヤウ― [0] 【狂言座】 (1)能舞台で,橋懸かりが後座(アトザ)に接する部分の奥まった場所。間狂言を演じる役者が控える位置。間座(アイザ)。 →能舞台 (2)歌舞伎を演じる劇場。操り芝居のための操り座に対していう。

きょうげん-さくしゃ【狂言作者】🔗🔉

きょうげん-さくしゃ キヤウ― [5] 【狂言作者】 歌舞伎で,劇場専属の脚本作者。

きょうげん-し【狂言師】🔗🔉

きょうげん-し キヤウ― [3] 【狂言師】 (1)能狂言を演ずる役者。 →狂言方 (2)「御(オ)狂言師」に同じ。 (3)嘘をついて人をだます常習犯。からくりや。

きょうげん-じょうるり【狂言浄瑠璃】🔗🔉

きょうげん-じょうるり キヤウ―ジヤウ― [5] 【狂言浄瑠璃】 (1)歌舞伎脚本で,清元・常磐津(トキワズ)などの浄瑠璃を使った場面がある作品。 (2)浄瑠璃を地(ジ)とする歌舞伎舞踊。

きょうげん-ばかま【狂言袴】🔗🔉

きょうげん-ばかま キヤウ― [5] 【狂言袴】 能狂言の狂言方が用いる袴。紋尽くしの模様がある。

きょうげん-ばしら【狂言柱】🔗🔉

きょうげん-ばしら キヤウ― [5] 【狂言柱】 〔狂言座に接するところから〕 後見柱(コウケンバシラ)の別名。

きょうげん-ぼん【狂言本】🔗🔉

きょうげん-ぼん キヤウ― [0] 【狂言本】 ⇒絵入(エイ)り狂言本(キヨウゲンボン)

きょうげん-まく【狂言幕】🔗🔉

きょうげん-まく キヤウ― [3] 【狂言幕】 ⇒定式幕(ジヨウシキマク)

きょうげん-まわし【狂言回し】🔗🔉

きょうげん-まわし キヤウ―マハシ [5] 【狂言回し】 (1)芝居などで,筋の進行に終始かかわっている役柄。 (2)(比喩的に)表立たずに,物事の進行係の役を務める人物。

きょうげん-めん【狂言面】🔗🔉

きょうげん-めん キヤウ― [3] 【狂言面】 狂言で用いる仮面。神・鬼・動物などの扮装に用いる。大黒・恵比寿(エビス)・武悪(ブアク)・祖父(オオジ)・乙(オト)・賢徳・うそふき・狐(キツネ)などがある。

きょうげん-やくしゃ【狂言役者】🔗🔉

きょうげん-やくしゃ キヤウ― [5] 【狂言役者】 (1)能狂言を演ずる役者。狂言師。 (2)歌舞伎狂言を演ずる役者。

きょうげんき【狂言記】🔗🔉

きょうげんき キヤウゲンキ 【狂言記】 狂言の台本集。江戸時代に版本として刊行。狂言記・続狂言記・狂言記外篇・狂言記拾遺の四種があり,各五十番,計二百番を絵入りで収める。いずれの流儀によるものか不明。

きょうげん【狂言】(和英)🔗🔉

きょうげん【狂言】 a No(h) farce (能の);[作りごと]a trick;→英和 a fake.→英和 ‖狂言自殺 a sham suicide.

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