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い【×汝】🔗🔉

い【×汝】 [代](格助詞「が」を伴って用いる)二人称の人代名詞。相手を卑しめていう語。おまえ。「―が作り仕へまつれる大殿のうち」〈記・中〉→其(し) →己(な)

いまし【×汝】🔗🔉

いまし【×汝】 [代]二人称の人代名詞。親しみの気持ちで相手をさす。そなた。なんじ。おまえ。「駿河の海おしへに生ふる浜つづら―をたのみ母にたがひぬ」〈万・三三五九〉◆上代語であるが、平安時代にも漢文訓読語としては用いられた。日本書紀の古訓によく用いられる語。→まし →みまし

うぬ【×汝・△己】🔗🔉

うぬ【×汝・己】 [代]二人称の人代名詞。相手をののしっていう語。「おの」の音変化ともいう。きさま。てめえ。「―まで死なせてなるものか」〈鴎外・山椒大夫〉反射代名詞。自分自身。「バカ、―がケンカをして、泣くやつがあるか」〈山本有三・生きとし生けるもの〉[感]相手に対する憎しみやあざけりを表す語。「―如何(どう)するか見やがれ」〈二葉亭・浮雲〉

うぬ‐ら【×汝△等・△己△等】🔗🔉

うぬ‐ら【×等・等】 [代]二人称の人代名詞。「うぬ」の複数形。きさまら。てめえら。

し【×其・×汝】🔗🔉

し【×其・×汝】 [代]《格助詞「が」を伴って「しが」の形で用いられる》中称の指示代名詞。それ。「烏草樹(さしぶ)の木―が下に生ひだてる葉広斎(ゆ)つ真椿」〈記・下・歌謡〉二人称の人代名詞。おまえ。「うつくしく―が語らへばいつしかも人となり出でて」〈万・九〇四〉反射代名詞。その者自身をさす。おのれ。「―が身の程知らぬこそいと心憂けれ」〈落窪・一〉

しゃ【×汝】🔗🔉

しゃ【×汝】 [代]二人称の人代名詞。相手を卑しめていう語。きさま。おまえ。「名のりて過ぎるほととぎす、―が父に似て、父に似ず」〈浄・寿の門松〉

じょ‐よう【×汝窯】‐エウ🔗🔉

じょ‐よう【×汝窯】‐エウ 中国河南省臨汝県にあった宋代の陶窯。すぐれた青磁を産した。臨汝窯。

な【△己・×汝】🔗🔉

な【己・×汝】 [代]一人称の人代名詞。わたくし。自分。「常世辺(とこよへ)に住むべきものを剣大刀―が心からおそやこの君」〈万・一七四一〉二人称の人代名詞。あなた。おまえ。なんじ。「千鳥鳴く佐保の川門(かはと)の瀬を広み打橋渡す―が来と思へば」〈万・五二八〉◆もと一人称であったものが、二人称に転用されたもの。

な‐おと【×汝△弟】🔗🔉

な‐おと【×弟】 弟を親しみを込めていう語。わが弟。「愛(は)しきよし―のみこと」〈万・三九五七〉

な‐せ【×汝△兄】🔗🔉

な‐せ【×兄】 《上代語。本来「な」は一人称》女性が男性を親しんでよぶ語。あなた。いろせ。いろね。せ。「―の子やとりのをかぢし中だをれ我(あ)を音(ね)し泣くよ息(いく)づくまでに」〈万・三四五八〉

な‐どり【×汝鳥】🔗🔉

な‐どり【×汝鳥】 あなたの鳥。あなたの意に従う鳥。「今こそは我鳥(わどり)にあらめ後は―にあらむを」〈記・上・歌謡〉

なにも【×汝△妹】🔗🔉

なにも【×妹】 《「なのいも」の音変化。本来「な」は一人称》男が女を親しんで呼ぶ語。あなた。「愛(うつく)しき我(あ)が―の命(みこと)」〈記・上〉

な‐ね【×汝ね】🔗🔉

な‐ね【×汝ね】 《本来「な」は一人称。「ね」は敬愛の意を表す》親愛の気持ちを込めて相手を呼ぶ語。「朝髪の思ひ乱れてかくばかり―が恋ふれそ夢(いめ)に見えける」〈万・七二四〉

な‐びと【×汝人】🔗🔉

な‐びと【×汝人】 [代]《「なひと」とも》二人称の人代名詞。おまえ。「能(よ)く園を作るや―」〈允恭紀〉

な‐むち【×汝】🔗🔉

な‐むち【×汝】 [代]《代名詞「な」+「むち(貴)」から》「なんじ」に同じ。「ああ、―軽の皇子(みこ)」〈孝徳紀〉

なれ【×汝】🔗🔉

なれ【×汝】 [代]二人称の人代名詞。おまえ。なんじ。「親なしに―生(な)りけめや」〈推古紀・歌謡〉

な‐んじ【×汝・×爾】‐んぢ🔗🔉

な‐んじ【×汝・×爾】‐んぢ [代]《「なむち」の音変化》二人称の人代名詞。多く、対等またはそれ以下の人に用いられる。「―コレヲワキマエタカ」〈天草本伊曾保・イソポが生涯〉

汝の敵を愛せよ🔗🔉

汝の敵を愛せよ 《Love your enemies.》悪意を抱いて迫害する者に対して、慈愛をもって接せよ。新約聖書「マタイによる福音書」第五章、「ルカによる福音書」第六章にある言葉。

汝自(みずか)らを知れ🔗🔉

汝自(みずか)らを知れ 自分の無知を自覚し、自分の心を高めるように励め。ソクラテスの行動上の標語で、アポロの神殿に掲げられていたという。

なん‐だち【×汝△達】🔗🔉

なん‐だち【×達】 [代]《古くは「なむたち」》二人称の人代名詞。なんじたち。おまえたち。「―が戦ひて敵を殺すは、大の功なり」〈塵袋〉

まし【×汝】🔗🔉

まし【×汝】 [代]二人称の人代名詞。みまし。いまし。おまえ。「―は、え知らじ」〈宇津保・俊蔭〉

み‐まし【×汝】🔗🔉

み‐まし【×汝】 [代]二人称の人代名詞。あなた。「―大臣の仕へ奉(まつ)り来しさまは」〈続紀宣命〉

わい‐ら【×汝△等】🔗🔉

わい‐ら【×等】 [代]二人称の人代名詞。相手を卑しめて、ぞんざいに言う。おまえら。「―が居ればやかましい。とっとと行けと」〈浄・博多小女郎〉一人称の人代名詞。「わい」の複数にも単数にも用いる。「―同士色事の噂(うはさ)も」〈洒・浪花色八卦〉

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[音]ジョ    ニョ [訓]なんじ    なれ [部首]水 [総画数]6 [コード]区点    3882      JIS   4672      S‐JIS 93F0 [難読語] →うぬ‐ら【汝等・己等】な‐おと【汝弟】な‐せ【汝兄】なにも【汝妹】わい‐ら【汝等】

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