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○懐を肥やすふところをこやす🔗⭐🔉
○懐を肥やすふところをこやす
不当の利を得る。腹を肥やす。私腹を肥やす。
⇒ふところ【懐】
ふと‐ざい【太材】
太い木材。
ふと‐ざお【太棹】‥ザヲ
①細棹・中棹に比して、棹が太く胴も大きい三味線。また、その棹。義太夫節のほか津軽三味線などに用いる。ふと。
②義太夫節の異称。
ふと・し【太し】
〔形ク〕
⇒ふとい
ふと‐じ【太字】
線の太い字。「―用のペン」
ふどし【褌】
ふんどし。好色一代男1「―も人を頼まず、帯も手づから前に結び」
ふと‐し・く【太敷く】
〔他四〕
①柱などをいかめしく建てる。宮殿を立派につくる。広敷く。広知る。太知る。太高敷く。万葉集1「秋津の野辺に宮柱―・きませば」
②立派に天の下を治める。万葉集2「瑞穂の国を神ながら―・きまして」
ふと‐じけ【太絓】
太いしけ糸で織った絹布。通言総籬つうげんそうまがき「表具もようござりやした。天地はやつぱり―だが」
ふと‐した
〔連体〕
思いがけない。ちょっとした。「―ことから彼の居場所がわかった」「―はずみ」
ふと‐し‐も
副詞「ふと」を強めていう語。打消を伴う。源氏物語玉鬘「―見わかぬなりけり」
ふと‐し・る【太知る】
〔他四〕
(→)「ふとしく」に同じ。万葉集20「畝傍うねびの宮に宮柱―・り立てて」
ふと‐じろ【太白】
白いかたびら。
ふと‐たかし・く【太高敷く】
〔他四〕
(→)「ふとしく」に同じ。万葉集6「長柄ながらの宮に真木柱―・きて」
ふと‐だすき【太襷】
礼装用のたすきの美称。祝詞、祈年祭「忌部の弱肩に―取り掛けて」
ふと‐たまぐし【太玉串】
玉串の美称。
ふとたま‐の‐みこと【太玉命】
日本神話で天照大神あまてらすおおみかみの岩戸ごもりの際に、天児屋根命あまのこやねのみことと共に祭祀の事をつかさどった神。忌部いんべ氏の祖。五部神の一神。
ふとっ‐ちょ【太っちょ】
よく肥え太っている人。一般にののしっていう語。
ふとっ‐ぱら【太っ腹】
①腹の大きく肥大していること。
②胆きものふといこと。ずぶといこと。また、度量の大きいこと。歌舞伎、名歌徳三升玉垣「歌よみづらの―何にも取りえはござりませぬが」。「―な男」
ふ‐とどき【不届き】
(古くはブトドキとも)
①行きとどかないこと。不注意。不行届き。御伽草子、唐糸草子「かへせとは、もとすけが―か、頼朝の―か」。「―のないようにする」
②道または法律にそむく行いをすること。浄瑠璃、曾根崎「身ども方へは―して、遊山どころではあるまいぞ」。「―千万せんばん」「―者」
③江戸時代、所払ところばらい・追放などに処す裁判の宣告文の末に、罪名に冠して用いた語。
ふと‐ぬの【太布】
太い糸であらく織った布。また、さらしてない粗末な布。好色一代男5「洗ひ柿の袷かたびらに、―の花色羽織に」
ふ‐どの【文殿】
(フミドノの約)
①書籍を納めるところ。文庫。書庫。源氏物語賢木「殿にも―あけさせ給ひて」
②太政官・外記庁げきのちょう・院の庁などで文書を納めるところ。
ふと‐のりと【太祝詞】
「のりと」の美称。
ふと‐ばし【太箸】
新年の祝い事の雑煮を食べるのに用いる太い箸。多く柳で作る。雑煮箸。祝い箸。〈[季]新年〉
ふと‐ばら【太腹】
①肥え太った腹。また、馬などの、腹のふくらんで垂れた部分。平治物語「湖へ馬の―ひたるまで打ち入れ」
②(→)「ふとっぱら」2に同じ。
ふと‐ぶえ【太笛】
神楽笛かぐらぶえの別称。
プドフキン【Vsevolod Illarionovich Pudovkin】
ソ連の映画監督。エイゼンシュテインとともにモンタージュ理論の発展に寄与。作「母」「アジアの嵐」など。(1893〜1953)
プトマイン【ptomaine】
動物組織とくに肉類が腐敗するときに生成する有毒物質の総称。食中毒の一因。死毒。
ふと‐まき【太巻】
太く巻くこと。また、太く巻いたもの。煙草・のりまきなどにいう。↔細巻
ふと‐まち【太町】
(太占ふとまにに表れる形が町すなわち区画・仕切に似るのでいう)(→)「ふとまに」に同じ。釈日本紀5「太占を―と読むは甲の穴の体に拠れるなり」
ふと‐まに【太占・太兆】
(フトは美称)古代に行われた卜占の一種。鹿の肩甲骨を焼いて、その面に生じた割れ目の形で吉凶を占う。古事記上「天つ神の命みこともちて―に卜相うらなひて」
ぶ‐どまり【歩留り】
①原料の使用量に対する製造品の量の比率。「―がいい」
②食品の、その原形物に対する可食率。主に魚類・野菜類・粉類についていう。
ふと・む【太む】
[一]〔自四〕
太くなる。ほっそりしない。ぶざまである。さゝめごと「この旨わきまへぬ好士は、くだけ縮み―・みたれども、結構の句をのみむねと思へり」
[二]〔他下二〕
太くする。〈日葡辞書〉
ふと‐むぎ【太麦】
オオムギの異称。本草和名「大麦、和名布止牟岐」
ふと‐め【太め】
やや太いさま。「ちょっと―の人」
ふと‐もの【太物】
絹織物を呉服というのに対し、綿織物・麻織物を総称した語。
⇒ふともの‐だな【太物店】
ふともの‐だな【太物店】
太物をあきなう店。呉服屋。
⇒ふと‐もの【太物】
ふと‐もも【太股】
足の、つけ根に近い太い部分。保元物語「須藤九郎に弓手の―を射させ」
ふと‐もも【蒲桃】
フトモモ科の常緑高木。インドネシア原産。高さ8メートル。葉は披針形で厚い。花は紫白色・大形で雄しべは長い。液果は芳香があり、食用。
ふと‐やか【太やか】
ふといさま。
ふとり【太織】
フトオリの約。日本永代蔵1「紬の―」
⇒ふとり‐じま【太織縞】
ふとり‐じし【太り肉】
ふとった肉づき。
ふとり‐じま【太織縞】
太織の縞織物。
⇒ふとり【太織】
ふとり‐せ・む【太り責む】
〔自下二〕
ひどくふとる。平治物語「―・めたる大の男の、大鎧はきたり、馬は大きなり、乗りわづらふうへ」
ふと・る【太る・肥る】
〔自五〕
①肉が肥えて厚みをます。
②財産がふえる。豊かになる。「身代が―・る」
プトレマイオス【Ptolemaios Klaudios】
天文学者・数学者・地理学者。2世紀前半にアレクサンドリアで活躍。天動説を主張。また、その地理学説は15世紀の新航路発見に至るまで動かし難いものとされ、その著「アルマゲスト」は天動説および当時の数学・天文学・物理学に関して、コペルニクス時代に至るまで約1400年間権威を保った。英語名トレミー。
プトレマイオス‐ちょう【プトレマイオス朝】‥テウ
(Ptolemies)アレクサンドロス大王の死後、部将プトレマイオス(1世)がエジプトに建てた王朝。首都アレクサンドリアはヘレニズム文化の中心地として栄えたが、クレオパトラ7世の死をもって断絶。ラゴス朝。(前305〜前30)
ふ‐とん【蒲団・布団】
(「蒲」「団」はともに唐音)
①蒲がまの葉で編み、坐禅などに用いる円座。ほたん。正法眼蔵坐禅儀「坐禅のとき、袈裟けさをかくべし。―をしくべし」
②(「布団」は当て字)綿・藁わらまたはパンヤ・羽毛などを布地でくるみ、座りまたは寝る時に敷いたり掛けたりするもの。〈[季]冬〉。「―を敷く」
⇒ふとん‐むし【布団蒸し】
ふとん【蒲団】
小説。田山花袋作。1907年(明治40)「新小説」に発表。日本の自然主義文学の代表作。中年作家の女弟子に対する恋情を描き、大胆な現実暴露によって文壇を衝動させた。
→文献資料[蒲団]
ふとん‐むし【布団蒸し】
人を布団で包みおさえて苦しめること。
⇒ふ‐とん【蒲団・布団】
ふな【船・舟】
「ふね」の古形。多く複合語に用いられる。万葉集20「国々の防人つどひ―乗りて」。「―人」
ふな【鮒】
コイ科フナ属の硬骨魚の総称。口ひげはなく、背部はオリーブ色で隆起し、腹部は銀白色または金色。全長普通10〜15センチメートル、まれに45センチメートルに及ぶ。各地の淡水に分布し、キンブナ・ギンブナ・ナガブナ・ニゴロブナ・ゲンゴロウブナなどが日本にすむ。飼養変種には金魚がある。ホンブナ。マブナ。常陸風土記「―・鯉、多に住めり」
キンブナ
提供:東京動物園協会
ぶな【橅・椈・山毛欅】
ブナ科の落葉高木。やや高い山地に生え、ブナ帯の代表種。特に日本海側山地に多い。幹の高さ約20メートル。葉は広卵形。5月頃、淡緑色の花を開き、単性で雌雄同株。果実は殻斗かくと内にあって堅く、10月頃成熟し、食用、また「ぶなのあぶら」を搾る。木材は器具材となり、また、クレオソートを含む。樹皮は染料となる。ブナノキ。ソバノキ。シロブナ。→橅ぶな科
ブナ【Buna】
ドイツのイー‐ゲー‐ファルベン社が開発したブタジエン系合成ゴム。最初、ブタジエンをナトリウム触媒で重合させて製したので、この名がある。
ふな‐あきうど【船商人】
船客に物をあきなう人。
ふな‐あし【船脚・船足】
①船の進む速さ。「―がおそい」「―がにぶる」
②船体の、水中に没している部分の深さ。喫水きっすい。
ふな‐あそび【船遊び】
船に乗ってあそぶこと。船遊山ふなゆさん。船逍遥ふなしょうよう。〈[季]夏〉
ふな‐あたり【船中り】
船酔いのこと。
ふな‐あまり【船余り】
船が、岸につきあたった反動で少し岸から離れること。一説に、「かへり来む」にかかる枕詞。古事記下「大君を島にはぶらば―い返り来むぞ」
ふな‐あらそい【船争い】‥アラソヒ
船についての争い。船を得ようとして争うこと。浄瑠璃、信州川中島合戦「事の起りは―」
ふな‐あらため【船改め・船検め】
役人が船を取り調べること。船舶の臨検。また、その役。
ふ‐ない【府内】
①府のうち。府の区域または管轄内。
②⇒ごふない(御府内)
ふない【府内】
大分市の旧称。古代、豊後国府の所在地。
ぶ‐ない【部内】
①その部のうち。ある関係者の間。
②令制での地方行政区画の内。
ふな‐いかだ【船筏】
多くの小船を繋ぎ並べて、その上に長い板をならべ、筏のようにしたもの。太平記16「項羽―を沈め」
ふな‐いくさ【船軍】
①兵船の軍兵。水軍。雄略紀「―を率ゐて高麗を撃つ」
②水上の戦闘。水戦。平家物語11「能登の守教経、―は様ようあるものぞとて」
ふな‐いた【船板】
①造船用の板。また、船に使用した古材。多くはその腐朽したのを板塀などにする。→曝板しゃれいた。
②船中のあげいた。
⇒ふないた‐べい【船板塀】
ふないた‐べい【船板塀】
和船の古板で作った塀。
⇒ふな‐いた【船板】
ふな‐いり【船入】
①船を入れるための人造の港。〈日葡辞書〉
②貴人の納棺式。お船入。ふねいり。
フナイン‐イブン‐イスハーク【Ḥunayn ibn Isḥāq】
アラビアの科学者。古代ギリシアの医学・哲学・天文学・数学など多数の科学書をアラビア語に翻訳。自ら医書なども著し、科学の発達に貢献。(809〜873)
ふな‐うた【舟唄・船歌】
水夫が艪・櫂かいを押しながらうたう歌。さおうた。櫂歌。欸乃あいだい。土佐日記「舟子・かぢとりは―歌ひて」→バルカローラ
ふな‐うつし【船移し】
船の荷物を他の船に積みかえること。
ふな‐えい【船酔い】‥ヱヒ
(→)「ふなよい」に同じ。土佐日記「―の淡路の島のおほいご」
ふなおか‐やま【船岡山】‥ヲカ‥
京都市北区にある小丘。眺望よく、古く雪見の名所、また応仁の乱には戦略上の拠点となった。山上に織田信長を祀る建勲神社がある。
船岡山
撮影:的場 啓
ふな‐おくり【船送り】
船にのせて送ること。
ふな‐おけ【舟桶】‥ヲケ
(→)「つづ桶」に同じ。
ふな‐おさ【船長】‥ヲサ
舟子のかしら。水夫の長。船頭。
ふな‐おろし【船卸し】
①新造の船を初めて水上に浮かべること。進水。洒落本、浪華色八卦「―によばれた戻りか、はぜ釣りのついでに寄つて」
船卸し
撮影:関戸 勇
②船の積荷をおろすこと。
ふ‐なか【不仲】
仲のよくないこと。不和。浄瑠璃、八百屋お七「俄に―な様子をば聞て」
ぶな‐か【橅科・山毛欅科】‥クワ
双子葉植物の一科。常緑または落葉の広葉樹で高木。花は雌雄別の尾状花序で、果実は椀状の殻斗かくとに囲まれ、多くは俗に「どんぐり」と呼ばれる。北半球の温帯に多く、また、一属(ナンキョクブナ属)は南アメリカ・オーストラリア・ニュー‐ギニアに分布。ブナ・ナラ・カシ・クリ・シイなど、全体で8属900種ほどある。
ふな‐がかり【船繋り】
船を繋いで港に泊まること。また、その港。ふなとどめ。ふなどまり。かかり。〈日葡辞書〉。色道大鏡「―の旅人」
ふな‐がく【船楽】
中古、川や池に竜頭鷁首りょうとうげきすの船を浮かべ、その中で奏した雅楽。十訓抄「大井に―の時」
ふな‐かけ【船駆け】
船を駆け走らせる競争。ふなくらべ。ふなぎおい。
ふな‐かげ【船影】
船のかげ。船の姿。せんえい。
ふな‐がこい【舟囲い】‥ガコヒ
将棋で、王将の囲い方の一つ。振飛車ふりびしゃに対して用いる。
ふな‐かざり【船飾り】
出帆の用意をして、船を飾り調えること。旗・武器・船体の色塗などの装備をすること。艤装。万葉集20「―吾あがせむ日ろを見も人もがも」
ふな‐かじ【船火事】‥クワ‥
船またはその積荷に起こる火災。
ふな‐かた【船方】
船に乗ることを業とする者。ふなのり。せんどう。かこ。
ふな‐がた【船形・舟形】
船の形。
⇒ふながた‐こうはい【舟形光背】
⇒ふながた‐せっかん【舟形石棺】
ふながた‐こうはい【舟形光背】‥クワウ‥
仏像の背後にある光背で舟形をしたもの。
舟形光背
⇒ふな‐がた【船形・舟形】
ふながた‐せっかん【舟形石棺】‥セキクワン
古墳時代の石棺の一種。舟の形の連想からの命名だが、舟を模したかどうかは疑問がある。割竹形石棺から変化した形式。日本で4世紀後半から5世紀頃に発達した。
⇒ふな‐がた【船形・舟形】
ふな‐き【船木】
船をつくる材木。船材。万葉集3「足柄山に―伐り」
ふな‐ぎお・う【船競ふ】‥ギホフ
〔自四〕
船をきそい合って漕ぐ。万葉集20「―・ふ堀江の河の水際みなきわに」
ふな‐ぎみ【船君】
①船中の乗客の主たる人。土佐日記「心地悩む―」
②船長ふなおさの敬称。
ふな‐きり【船切】
饂飩うどん・蕎麦そばのまだ茹ゆでてないものを槽ふねに並べたもの。
ふな‐ぐ【船具】
船の舵かじ・櫂かい・帆・碇いかりなどの器具。
ふなくい‐むし【船食虫】‥クヒ‥
フナクイムシ科の二枚貝。貝殻は退化して小さく、白色で細紐状の動物体の前端に付着している。殻長、殻幅、殻高とも、7センチメートル程度。海中の木材に穿孔して石灰質の管をつくり、その中にすむ。木造船舶や杭などに付着してその内部に侵入・生長し、大害を与える。世界に広く分布。
ふなくいむし
ふな‐くじ【船公事】
船の碇泊税。〈日葡辞書〉
ふな‐くだり【舟下り・船下り】
景観を楽しみながら、流れにのってふねで川を下ること。川下り。
ふな‐ぐら【船蔵・船庫】
①水辺に設けて、船を納めておく建物。
②船中で貨物を入れておく所。船艙。
ふな‐くら・ぶ【船競ぶ】
〔自下二〕
舟をこぎあらそう。競漕する。ふなぎおう。拾遺和歌集雑「百敷の大宮人は舟ならべ朝川わたり―・べ夕川わたり」
ふな‐くらべ【船競べ】
船をきそい合って漕ぐこと。競漕。
ふな‐ぐり【船繰り】
船の不足を補うために、配船のやりくりをすること。
ふな‐こ【舟子・船子】
舟に乗り込んで舟をあやつる人。ふなびと。ふなかた。かこ。水夫。土佐日記「―・かぢとりは船歌うたひて」
ぶな‐こ【橅子】
ブナ・ヒバなどの材をテープ状に薄く削ったもの。巻き固め、鉢・皿などに成形し、塗物として仕上げる。
ふな‐ごこう【舟後光】‥クワウ
(→)舟形光背に同じ。
ふな‐ごこち【船心地】
(→)「ふなごころ」1に同じ。日葡辞書「フナゴコチガアル、また、フナゴコチデゴザル」
ふな‐ごころ【船心】
①ふなよいの気持。ふなごこち。義経記7「昨日は御船に召され、―に損じ給ひて」
②船に乗った心持。
ふな‐こし【船越】
(舟をかついで越したからいう)島や半島などで、陸地がくびれて細くなっている所。
⇒ふなこし‐おび【船越帯】
ふなこし‐おび【船越帯】
格子柄の博多織に独鈷とっこの文様のある男用の帯。明治維新前に流行。
⇒ふな‐こし【船越】
ふな‐こじり【船鐺】
刀の鞘さやの鐺が船底形に反そったもの。船底鐺。
ふな‐ごや【船小屋】
船・船具を納めておく小屋。冬季、海の荒れる日の多い日本海沿岸に多い。船屋。
ふな‐ざお【船棹】‥ザヲ
船を操り動かすのに用いる棹。
ふなさか‐とうげ【船坂峠】‥タウゲ
兵庫県赤穂郡から岡山県備前市に至る峠(標高180メートル)。山陽道の難所。後醍醐天皇の隠岐遷幸の時、児島高徳が車駕を奪おうとした所という。
ふな‐さし【船差】
船の棹をさす人。ふねさし。申楽談儀「―になりて漕ぎし、面白かりし也」
ふな‐し【船師】
①船頭。船長。
②近世、廻船などの海上商人の称。
ふな‐じ【船路】‥ヂ
船の行きかようみち。また、船でする旅。海路。航路。土佐日記「―なれど馬のはなむけす」
ふなじょう‐かいぼん【舟状海盆】‥ジヤウ‥
(→)トラフに同じ。
ふな‐しょうよう【船逍遥】‥セウエウ
(→)「船遊び」に同じ。重之集「難波にて―して」
ふな‐じるし【船印・船標】
船舶の所有者・乗手などを示す標識。幕府や大名の船は帆に家紋を書くなどした。
ふな‐しろ【船代】
①⇒みふなしろ(御船代)。
②漁獲物の代分しろわけに際し、船の受ける配分。
⇒ふなしろ‐まつり【船代祭】
ふなしろ‐まつり【船代祭】
伊勢神宮の遷宮式で、「みふなしろ」の材木を伐採する時に行う祭。
⇒ふな‐しろ【船代】
ふな・ず【船出】‥ヅ
〔自下二〕
船に乗って出る。ふなでする。和泉式部集「思ふ人とぞわれは―・づる」
ふな‐すえ【船据え】‥スヱ
船の碇泊する所。港。祝詞、遣唐奉幣「―無きによりて播磨国より船乗るとて」
ふな‐ずし【鮒鮨・鮒鮓】
馴鮨なれずしの一種。ニゴロブナの鱗うろこ・鰓えら・臓物を取り去って塩漬にしたものを、飯と交互に重ねて漬け込み自然発酵させたもの。酸味と臭味が強い。近江の名産。〈[季]夏〉
ふな‐せ【船瀬】
船が碇泊する所。ふなだまり。万葉集6「―ゆ見ゆる淡路島」
ふな‐ぞこ【船底】
船の底。せんてい。また、そのような形のもの。「―袖」
⇒ふなぞこ‐うえ【船底植え】
⇒ふなぞこ‐てんじょう【船底天井】
⇒ふなぞこ‐まくら【船底枕】
ふなぞこ‐うえ【船底植え】‥ウヱ
サツマイモの苗の植えつけ法。茎を船底形に曲げて植えつける。
⇒ふな‐ぞこ【船底】
ふなぞこ‐てんじょう【船底天井】‥ジヤウ
船底を逆さにしたような、中央が両端より高くなった天井。数寄屋建築や住宅の浴室などに用いる。
⇒ふな‐ぞこ【船底】
ふなぞこ‐まくら【船底枕】
底が船底状に反そりのある箱枕。
⇒ふな‐ぞこ【船底】
ふな‐ぞろえ【船揃え】‥ゾロヘ
一団の船が航海に出るために整列し準備をすること。平家物語11「摂津の国渡辺より―して、八島へすでに寄せんとす」
ぶな‐たい【橅帯・山毛欅帯】
日本の植生帯の一つ。落葉広葉樹帯を代表する。ブナ・ミズナラを主体に多くのカエデ類を含む。本州中部では標高約700〜1500メートル。→植生帯(表)
ふな‐だいく【船大工】
船を造る大工。船工。船匠。
ふな‐だいしょう【船大将】‥シヤウ
軍船をひきいる将軍。船手の大将。船奉行ふなぶぎょう。
ふな‐だち【発船】
(→)船出に同じ。応神紀「大津より―して往まかりぬ」
ふな‐た・つ【船立つ】
〔自四〕
船出する。推古紀平安中期点「当摩皇子難波より発船フナタツ」
ふな‐たで【船たで】
(漁村語)船底を虫に食われ、あるいは腐朽するのを防ぐために、船を浜に引き揚げて底の外部を焼くこと。船たでを行う特定の場所を、たで場という。たで船。おばやし。
ふな‐だな【船枻・船棚】
刳船くりぶねの舷側板。中世後期以降の船では、船体を構成する外板のこと。上棚・中棚・根棚がある。万葉集17「―打ちてあへて漕ぎ出め」→和船
ふな‐たび【船旅】
船に乗ってする旅行。
ふな‐だま【船霊・船玉】
①船の守護霊。賽子さいころ・女の髪の毛・人形・五穀・銭などを神体として船中にまつる。ふなだまさま。
②船中でまつる守護神。摂津の住吉の神・水天宮・金毘羅こんぴら権現など。船神。船霊神。
ふな‐だまり【船溜り】
船舶が風波を避けるための碇泊所。船瀬ふなせ。
ふな‐だより【船便り】
船の便宜。船のついで。ふなびん。
ふな‐だんす【船箪笥】
①千石船などに積んで用いた、小形で頑丈な造りの箪笥。
②廻船で用いる懸硯かけすずりや帳箱・衣裳櫃いしょうびつの類の俗称。
ふな‐ちん【船賃】
船に乗ったり、船で荷物を運んだり、または船をやとったりする時に払う料金。
ふな‐つ【船津】
船の碇泊する所。ふなつき。万葉集10「八十やその―にみ船停とどめよ」
ふな‐つき【船着き】
船のついて泊まる所。ふながかり。はとば。みなと。船着き場ば。
ふな‐つば【船鍔】
洋式木造船舶の最上甲板の両側にあって、肋骨の上端を覆い、外板を支える材。
ふな‐づみ【船積み】
船舶に貨物を積載すること。「―港」
ふな‐づり【船釣】
⇒ふねづり
ふな‐て【船手】
①船の通路。航路。隆信集「―に残る冬の通ひぢ」
②兵船の軍勢。ふないくさ。水軍。海軍。
③船のことを取り扱う者。船のことを支配する役人。
⇒ふなて‐がしら【船手頭】
ふな‐で【船出】
船が港を出ること。でふね。出帆。比喩的に、新しい生活の出発にもいう。万葉集15「朝なぎに―をせむと」
ふなて‐がしら【船手頭】
江戸幕府の職名。船手組の長。若年寄の支配に属し、幕府の用船を管理し、海上運輸にあたった。1862年(文久2)軍艦奉行の付属となる。船奉行。御船手。
⇒ふな‐て【船手】
ふな‐と【舟人】
(九州地方で)船頭。漁夫。
ふな‐と【船門】
港。曾丹集「玉垣の三津の―に春なればゆきかふ人の花をたむくる」
ふな‐どいや【船問屋】‥ドヒ‥
回漕または積荷取扱を業とする廻船問屋。ふなどんや。日本永代蔵6「小早作り出して、―に名をとるもあり」
ふなとく【船徳】
落語。船宿の居候になっている若旦那の徳さんが、急造の船頭になって失敗する話。
ふな‐どこ【船床・船笭】
船中の床に敷く簀すのこ。
ふな‐とどめ【船止め】
船を碇泊させること。また、その所。ふながかり。ふなどまり。
ふなと‐の‐かみ【岐神】
伊弉諾尊いざなぎのみことが黄泉国よみのくにから逃げ帰り、禊祓みそぎはらえをした時に投げ捨てた杖から化生した神。集落の入口などの分岐点にまつられ、災禍の侵入を防ぐ神、また道路や旅行の神とされた。くなとのかみ。ちまたのかみ。道祖神。
ふな‐どまり【船泊り】
(→)「ふなはて」に同じ。
ふな‐どめ【船留め】
①船を碇泊させること。
②船出または船の通行を禁じること。ふねどめ。日葡辞書「フナドメデアル」
ふな‐ども【船艫】
船のとも。船尾。万葉集19「―にみ立ちいまして」
ふな‐なます【鮒膾】
鮒の身を薄切りにして辛子酢・蓼酢たですなどで和あえた料理。〈[季]春〉
ふな‐なり【船形】
船の形。ふながた。
ふな‐に【船荷】
船舶に積んで運送する貨物。
⇒ふなに‐しょうけん【船荷証券】
ふなに‐しょうけん【船荷証券】
(bill of land)船荷の受渡しにおいて、船主が運送品を船積みしたこと、および仕向け地で引き渡すことを証した有価証券。BL
⇒ふな‐に【船荷】
ふな‐ぬし【船主】
船の所有者。せんしゅ。
ぶな‐の‐き【橅の木】
⇒ぶな
ふな‐の‐へ【船の枻】
(→)「ふなだな」に同じ。〈神代紀下訓注〉
ふな‐の‐へ【船の舳】
船のへさき。万葉集19「墨吉すみのえのわが大御神―に領うしはきいまし」
ふな‐のり【船乗り】
①船に乗って出立すること。万葉集1「熟田津にきたつに―せむと月待てば」
②船に乗ることを業とする者。船員。
ふな‐のりこみ【船乗込み】
船による乗込み。特に、歌舞伎の名優が大坂に初めて乗り込む時、あるいは大坂の俳優が久しぶりに江戸から帰った時、歓迎のために行われた儀式。俳優や関係者などが主な川筋を航行し、道頓堀へ着き劇場に入る。
ふな‐ば【船場】
船の出入りする所。ふなつき。はとば。浄瑠璃、博多小女郎波枕「女郎衆は駕籠で―まで」
ふなはし【舟橋】
姓氏の一つ。
⇒ふなはし‐せいいち【舟橋聖一】
ふな‐はし【船橋】
多くの船を並べ繋ぎ、その上に板を渡して橋としたもの。うきはし。万葉集14「かみつけの佐野の―取り放し親は離さくれど吾わは離さかるがへ」
ふなばし【船橋】
千葉県北西部、東京湾北岸の市。臨海部は京葉工業地帯の一部を形成する。内陸の台地上は住宅開発が進行。東京の衛星都市として人口が急増。人口57万。
ふなばし【船橋】
能。古作を世阿弥が改作。上野国佐野で相愛の男女が会おうとして船橋から落とされて死んだという説話を脚色、その死後の妄執を描く。
ふな‐ばしご【船梯子】
船の乗り降りに用いるはしご。舷梯。タラップ。
ふなはし‐せいいち【舟橋聖一】
小説家。東京生れ。東大卒。行動主義・能動精神を謳った「ダイヴィング」で注目され、戦中に長編「悉皆屋康吉」を書く。戦後は官能的作品に本領を示す。作「雪夫人絵図」「ある女の遠景」など。(1904〜1976)
舟橋聖一
撮影:石井幸之助
⇒ふなはし【舟橋】
ふな‐ばた【船端・舷】
船のへり。船の側面。ふなべり。宇治拾遺物語3「―にゐて、うつぶして海を見れば」
⇒船端に刻む






広辞苑 ページ 17315 での【○懐を肥やす】単語。