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○踏まれた草にも花が咲くふまれたくさにもはながさく🔗⭐🔉
○踏まれた草にも花が咲くふまれたくさにもはながさく
不運な者にも、いつかは幸運がめぐってくることのたとえ。
⇒ふ・む【踏む・履む・践む】
ぶ‐まわし【歩回し】‥マハシ
金を貸して利息を取ること。
ふ‐まん【不満】
心に満たないこと。満足しないこと。不満足。「―を覚える」「―な結果」「不平―」「欲求―」
ぶ‐まん【侮慢】
人をあなどり、自らたかぶること。
ふ‐まんぞく【不満足】
満足しないこと。不満。「―な出来」「そんな回答では―だ」
ふみ【文】
(「文」の字音フンからか)
①かきしるしたもの。文字。万葉集1「―負へる神あやしき亀も」
②文書。書物。神代紀上「一書あるふみに曰いわく」。「―読む月日」
③手紙。書状。また、特に恋文。艶書。土佐日記「かみのたちより呼びに―もてきたれり」。宇治拾遺物語3「思ひかけて、―やるほどの人のなびかぬはなかりけるに」。「―を送る」
④学問。特に、漢学。宇津保物語俊蔭「―の道は少したじろくとも」
⑤漢詩。漢文。源氏物語花宴「その道のは、皆探韻たまはりて―作り給ふ」
⑥紋所の一つ。結文むすびぶみを組み合わせた形にかたどる。
⇒文は遣りたし書く手は持たぬ
ふ‐み【不味】
あじがよくないこと。うまくないこと。
ふみ‐あい【踏合い】‥アヒ
(→)「ふみあわせ」に同じ。
ふみ‐あ・く【踏み明く】
〔他下二〕
道のない所を通って道をつける。源氏物語末摘花「―・けたるあともなく、はるばると荒れ渡りて」
ふみ‐あげ【踏上げ】
信用取引で売り建てている株を損を覚悟で買い戻すことを「踏み」というが、この買戻しによってさらに相場が上昇すること。大阪では「煎いれ上げ」という。
ふみ‐あし【踏足】
立泳ぎなどに用いる、両足を上下に動かす泳法。
ふみ‐あら・す【踏み荒らす】
〔他五〕
足でふんであらす。ふみちらす。浄瑠璃、国性爺合戦「もろこしの地を―・し」。「畑を―・す」
ふみ‐あわせ【文合】‥アハセ
物合ものあわせの一つ。左右に分かれ、作った文を合わせ見て、判者の批判によって優劣を競うもの。
ふみ‐あわせ【踏合せ】‥アハセ
出産・死亡などの穢けがれに行き合わせること。それらの穢に触れること。ふみあい。いきぶれ。触穢しょくえ。
ふみ‐いし【踏石】
①沓脱くつぬぎの所に据え、はきものを置く石。
②飛石とびいしのこと。
ふみ‐いた【踏板】
①架け渡して、その上を踏み渡る板。
②牛車ぎっしゃの前後の口に横に敷き渡した板。しきいた。まえいた。
③足の力を動力とする機具で、左右の足でふむ板。
④階段の段板。
ふみ‐い・れる【踏み入れる】
〔他下一〕[文]ふみい・る(下二)
①中に足を入れる。中に足を押し込む。「ぬかるみに―・れる」
②(「足を―・れる」の形で)ある場所に入る。「秘境に足を―・れる」
ふみ‐うす【踏臼】
(→)唐臼からうすに同じ。
ふみ‐え【踏絵】‥ヱ
①江戸時代、キリシタン宗門を厳禁するため、聖母マリア像・キリスト十字架像などを木版または銅板・真鍮板に刻み、足で踏ませて、宗徒でないことを証明させたこと。1628年(寛永5)から1858年(安政5)まで、多く春先に行われた。また、その像をもいう。絵踏。〈[季]春〉
踏絵
②転じて、その人の主義・立場を試すもの。
ふみ‐おこ・す【踏み起す】
〔他四〕
踏み込んで(ねていた獣などを)驚かして起こす。万葉集3「朝狩に鹿猪しし―・し夕狩に鶉雉とり踏み立て」
ふみ‐おこな・う【践み行う】‥オコナフ
〔他五〕
(道徳や教えを口で言うのでなく)実際に行う。実践する。
ふみ‐おとし【履み落し】
漢詩で、近体詩(七言絶句・七言律詩)の起句に押韻しないこと。出韻。
ふみ‐お・る【踏み折る】‥ヲル
〔他四〕
①転んだり、つまずいたりして足を折る。日葡辞書「アシヲフミヲル」
②踏みつけて折る。「枯枝を―・る」
ふみ‐かえし【踏返し】‥カヘシ
①沓脱石くつぬぎいし。くつぬぎ。東海道中膝栗毛初「何のことはねへ、―の馬蹄石といふもんだ」
②鋳金ちゅうきんで、同形の器物を繰り返して作る手法。
ふみ‐かえ・す【踏み返す】‥カヘス
〔他五〕
足蹴あしげにして引っくりかえす。梅暦「とが人のそばへづかづかと寄つたらば己も同罪と―・されて倒るるお長」
ふみ‐か・える【踏み替える】‥カヘル
〔他下一〕
体重をかけて踏んでいる足を替える。「足を―・えて休む」
ふみ‐がき【文書】
手紙を書くこと。また、その書きぶり。源氏物語槿「わかわかしき御―なども」
ふみ‐かた・める【踏み固める】
〔他下一〕[文]ふみかた・む(下二)
ふんでかたくする。「足下を―・める」
ふみ‐がね【踏金】
雪駄の裏の後方に打ってある金具。
ふみ‐かぶり【踏み被り】
①おとしあな。日葡辞書「フミカブリニワ(遭)ウ」
②自分からまねく不利。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「みな手前の―、無念をこらへて」
ふみ‐かぶ・る【踏み被る】
〔他四〕
①水たまりや穴などにふみこむ。日葡辞書「アナニフミカブル」
②踏みつけて、そのはねかえりを身にうける。日葡辞書「ドロ(泥)ヲフミカブル」
③自分でしたことから不利益を蒙る。人の術中におちいる。浄瑠璃、心中天の網島「ごんせと留めたる女景清、錣しころと頭巾、つい―・る客もあり」
ふみ‐がら【文殻】
(読み終わって)不用となった手紙。古手紙。ふみほご。世間胸算用5「京大坂の名ある女郎の―なり」
ふみ‐ぎ【踏木】
足を乗せておく木。特に機はたで、緯よこ糸を通す時に経たて糸を上下させ杼口ひぐちを作るために足で踏む木。
ふみ‐きり【踏切】
①鉄道線路と道路とが交差する場所。「―を渡る」
②跳躍競技において、強く足を踏み切ること。また、その場所。「―板」
③思いきること。ふんぎり。
④相撲で、足を土俵の外に出すこと。踏越し。
ふみ‐き・る【踏み切る】
〔他五〕
①踏んで切る。日本永代蔵1「一生のうち、草履の鼻緒を―・らず」
②跳ぶ前に強く踏んで反動をつける。
③転じて、思い切ってその事に乗り出す。「実施に―・る」
④相撲で、足を土俵の外に出す。ふみこす。
ふみ‐くく・む【踏み含む】
〔他四〕
衣きぬや袴はかまを、中にある足が裾を踏むように裾長く着用する。平家物語2「素絹の衣の短みじからかなるに、白き大口―・み」
ふみ‐くら【文庫・文倉】
書籍をおさめておくくら。ぶんこ。宇津保物語蔵開上「これは―ならむ」
ふみ‐ぐるま【文車】
(→)「ふぐるま」に同じ。
ふみ‐ぐるま【踏車】
水車の一種。羽根車を足で踏んで回転させ揚水する。小揚程の灌漑用。
踏車
ふみ‐ぐわ【踏鍬】‥グハ
鍬頭を片足でふんで突きさし土を返す、鋤に似た形状の鍬。
ふみ‐ごえ【踏肥】
家畜がその小屋の中で敷きわら・糞尿などを踏みつけ腐らし、こやしとなったもの。
ふみ‐こ・える【踏み越える】
〔自下一〕[文]ふみこ・ゆ(下二)
①ふんで越える。ふんで通りすぎる。「国境を―・える」
②困難などを切りぬけて進む。「苦難を―・える」
ふみ‐こくら【踏みこくら】
競ってふみつけること。ふみつけ合うこと。浄瑠璃、百日曾我「はりこくら、―はこの膝骨の砕くるまで」
ふみ‐こし【踏越し】
相撲で、思わず足を土俵の外に出すこと。→勇み足。
⇒ふみこし‐はいだて【踏越脛楯】
ふみこし‐はいだて【踏越脛楯】
脛楯の一種。膝の上を鎖で編み、所々に桴金いかだがねをつけて下を細くつぼめたもの。
⇒ふみ‐こし【踏越し】
ふみ‐こた・える【踏み堪える】‥コタヘル
〔自下一〕[文]ふみこた・ふ(下二)
①足をふんばってこらえる。「土俵際で―・える」
②必死に頑張って苦難をしのぐ。「苦境を―・える」
ふみ‐ことば【文言葉】
手紙に用いる言葉。枕草子262「―なめき人こそいとにくけれ」
ふみ‐ごほめか・す【踏みごほめかす】
〔他四〕
踏んでごとごと音を立てる。枕草子56「蔵人のいみじく高く―・して」
ふみ‐こみ【踏込み】
①ふみこむこと。「内容への―が足りない」
②歌舞伎舞踊で、左右の足をとんとんと拍子をとって踏みつづけること。
③家の玄関などで履物をぬいでおく所。
⇒ふみこみ‐だたみ【踏込畳】
⇒ふみこみ‐どこ【踏込床】
⇒ふみこみ‐ろ【踏込炉】
ふみこみ‐だたみ【踏込畳】
茶室において、茶道口から入る時踏み込む畳の称。踏入畳。→茶室(図)。
⇒ふみ‐こみ【踏込み】
ふみこみ‐どこ【踏込床】
床框とこがまちを用いず、座敷の畳面と同じ高さにした床の間。
⇒ふみ‐こみ【踏込み】
ふみこみ‐ろ【踏込炉】
①土間に設けた炉。
②床の土間に面した1辺をコの字形にあけて設けた炉。
⇒ふみ‐こみ【踏込み】
ふみ‐こ・む【踏み込む】
[一]〔自五〕
①ふんで落ちこむ。大鏡忠平「いと悪しき泥を―・みて候つれば」
②勢いよく足を踏み入れる。伍太力菩薩「―・み―・み薙ぎ立てられ」
③無断で入りこむ。案内なく、無理に入りこむ。人情本、春色辰巳園「私とおまへが対さしでゐる処とこへ、―・んで来たればこそ」。「警官が―・む」
④気張ってする。思いきってする。歌舞伎、勧善懲悪覗機関「一分三朱と申しまするは、―・んで買ひました」
⑤問題に深く立ち入る。「もう一歩―・んだ議論が必要だ」
[二]〔他五〕
①足を中に入れる。無事志有意「娘のあたつている中へ足を―・み」
②自分を深入りさせる。
ふみ‐こら・す【踏み凝らす】
〔他四〕
ふんでこり固まらせる。祝詞、神賀詞「下つ岩根に―・し」
ふみ‐ころ・す【踏み殺す】
〔他五〕
ふみつけて殺す。
ふみ‐さく・む【踏みさくむ】
〔他四〕
難儀しつつ踏み分けていく。祝詞、祈年祭「磐根木の根―・みて」
ふみ‐さし【文挿し・文差し】
(→)「ふみばさみ」に同じ。
ふみ‐しか・る【踏みしかる】
〔自四〕
怒りの形相ぎょうそうで足をふんばる。曾我物語6「時致は四天王を作り損じたる様にて、―・りてぞ立ちたりける」
ふみ‐しだ・く【踏みしだく】
〔他五〕
(古くは清音)
①ふんでこなごなにする。ふみにじる。貫之集「鶯の花―・く木のもとは」。「野草を―・く」
②強く踏んでしわにする。住吉物語「ひとへ袴―・きさし歩み給へる御姿」
ふみ‐し・める【踏み締める】
〔他下一〕[文]ふみし・む(下二)
しっかりとふむ。力を入れてふむ。ふみ固める。「大地を―・める」「一歩一歩―・めながら登る」
ふみ‐すか・す【踏み透かす】
〔他四〕
鐙あぶみに置いた足を開いてふんばり、鐙と馬の腹との間を離す。平家物語9「左右の鐙を―・し」
ふみ‐ずし【文厨子】‥ヅ‥
書籍をのせておく棚。ふみだな。書物棚。
ふみずもう【文相撲】‥ズマフ
狂言。大名が新参者を召し抱え、これと相撲をとって負ける。そこで、大名は相撲の書を読んでとり直すが、結局失敗する。ふずもう。
ふみ‐そら・す【踏み反らす】
〔他四〕
足を前に出して、身体を後ろにそらせる。そりかえる。古今著聞集10「やがて死に入りて足を―・しければ」
ふみた【札・簡】
(フミイタ(文板)の約)ふだ。〈日本霊異記下訓釈〉
ふみ‐だい【踏台】
①高い所のものを取ったり、高い所へ上がったりするために足場とする台。あしつぎ。ふみつぎ。
②比喩的に、ある目的を達するために一時利用するもの。「人を―にして出世する」
ふみ‐たお・す【踏み倒す】‥タフス
〔他五〕
①踏みつけて倒す。
②代金または借金を支払わないままにしてしまう。歌舞伎、韓人漢文手管始「家主を―・し町内を食ひ倒して」。「宿泊料を―・す」
③人の面目をきずつける。
ふみ‐だ・す【踏み出す】
〔自五〕
①足を踏んで前に進む。「右足から―・す」
②ある範囲の外へ足を出す。「土俵を―・す」
③(仕事に)とりかかる。着手する。「再建に―・す」
④新たな方面に進出する。「政界に―・す」
ふみ‐た・てる【踏み立てる】
〔他下一〕[文]ふみた・つ(下二)
①足を地に踏みしめて立つ。源氏物語若菜下「乱脚病みだりかくびょうといふ物所せく起り患ひ侍りて、はかばかしく―・つることも侍らず」
②踏み込んで(鳥などを)飛び立たせる。
③踏台とする。落窪物語1「あげよとのたまふなり、とのたまへば、物―・ててあげつ」
④物を踏んで足につき立てる。太平記16「矢尻を蹄に―・てて」。「釘を―・てる」
ふみ‐だな【書棚】
ほんだな。しょだな。書架。
ふみ‐だわら【踏俵】‥ダハラ
力士が土俵に上がる時に足をかける、土俵の外側中段に埋め込んだ俵。→土俵場(図)
ふみ‐だん【踏段】
梯子・階段など、踏んでのぼる段。
ふみ‐ちが・える【踏み違える】‥チガヘル
〔他下一〕[文]ふみちが・ふ(下二)
①段差のある所などで、足の下ろし所を誤る。「階段を―・える」
②踏みそこねて足を痛める。「左足を―・える」
③進むべき道を誤る。「人生を―・えた」
ふみ‐ちら・す【踏み散らす】
〔他五〕
①ふんで散らしみだす。ふみあらす。ふみちらかす。枕草子87「この雪の山、…わらはべなどに―・させず」
②袴や指貫さしぬきなどの長い裾を強く踏んでさばく。枕草子33「薄二藍ふたあい、青鈍あおにびの指貫など、―・してゐためり」
ふみ‐づか【文塚】
詩文の草稿をうずめて建てた塚。
ふみ‐づかい【文使】‥ヅカヒ
①手紙を相手に届ける使い。
②特に、遊里に出入りして、遊女の手紙を届けるのを業とした者。
ふみ‐つぎ【踏継ぎ】
(→)「ふみだい」に同じ。
ふみ‐づき【文月】
陰暦7月の異称。ふづき。〈[季]秋〉
ふみ‐づくえ【文机】
書籍をのせる机。ふづくえ。宇津保物語祭使「―に向かひて」
ふみ‐つくり【文作】
漢詩を作ること。また、その人。源氏物語少女「殿にも―しげく」
ふみ‐つけ【踏付け】
①ふみつけること。
②軽んじあなどること。「人を―にする」
ふみ‐つ・ける【踏み付ける】
〔他下一〕[文]ふみつ・く(下二)
①足で踏んで跡をつける。新古今和歌集恋「霜の上に跡―・くる浜千鳥」
②ふんでおさえる。足で強くふむ。義経記3「肩をも膝をも―・けて通りけり」。「吸い殻を―・ける」
③軽んじあなどる。面目をきずつける。甲陽軍鑑4「家に旧功の諸侍をも―・くれば」。「後輩に―・けられる」
ふみ‐つぶ・す【踏み潰す】
〔他五〕
①ふんでつぶす。「箱を―・す」
②敵を取りひしぐ。うち滅ぼす。甲陽軍鑑10「駿河義元公の信長を―・しなさるべきとて」
③人の面目をなくさせる。「親の顔を―・す」
ふみ‐つよ・る【踏み強る】
〔他四〕
強く力を入れて足をふんばる。宇治拾遺物語14「―・りて立てりければ」
ふみ‐づら【文面】
書きあらわされた文章。ぶんめん。好色一代男6「―け高く、長文の書き手」
ふみ‐づら【踏面】
階段の水平面。また、その幅。
ふみ‐て【筆】
(文手の意)ふで。万葉集16「わが毛らはみ―はやし」
ふみ‐ど【踏処】
(→)「ふみどころ」に同じ。醒睡笑「上らんとすれば、やはらかにて足の―弱く」
ふみ‐とお・る【踏み通る】‥トホル
〔自四〕
ふんで通って行く。万葉集20「山河を岩根さくみて―・り」
ふみ‐どころ【踏み処】
足でふむべきところ。足でふんで立つところ。ふみど。「足の―もない」
ふみ‐とどま・る【踏み止まる】
〔自五〕
①足に力を入れてとどまる。「土俵際で―・る」
②他人の去った後まで残る。太平記33「葉室左衛門督に至るまで宮を落しまゐらせんとて―・つて討たれ給ふ」。「現場に―・る」
③それ以上進むのをやめて打ち切る。思いとどまる。「決裂の一歩手前で―・る」
ふみ‐とどろか・す【踏み轟かす】
〔他五〕
ふんでとどろかせる。ふんで鳴りひびかせる。ふみならす。古今和歌集恋「天の原―・し鳴る神も」
ふみ‐どの【文殿】
①書物をいれておく所。書庫。文庫。ふどの。
②校書殿きょうしょでんの別称。
ふみ‐と・む【踏み止む】
〔他下二〕
踏んで跡を残す。歌で多く「文留む」にかけて用いる。後撰和歌集春「―・めてける跡のくやしさ」
ふみ‐なずさ・う【踏みなづさふ】‥ナヅサフ
〔他四〕
足場がわるく、歩くのに難渋する。〈新撰字鏡2〉
ふみ‐なら・す【踏み均す】
〔他五〕
ふんで平らにする。万葉集6「大宮人の―・し通ひし道は」。「新雪を―・す」
ふみ‐なら・す【踏み鳴らす】
〔他五〕
ふんでなりひびかせる。ふみとどろかす。源氏物語浮舟「汀の氷を―・す馬の足音さへ」。「床を―・す」
ふみ‐にじ・る【踏み躙る】
〔他五〕
①ふみつけてこなごなにする。ふみあらす。蹂躙じゅうりんする。図書寮本類聚名義抄「蹂躙じゆうりんとフミニシテ」。「花壇を―・る」
②人の体面・面目などをつぶす。「好意を―・る」
ふみにない【文荷】‥ニナヒ
狂言。太郎冠者と次郎冠者が主人の恋文を届けに行く途中、あまり文が重いのであけて読みあげると、「こいしやこいしや」とあるので、小石が沢山で重いのだという。荷文にないぶみ。
ふみ‐ぬき【踏貫・踏抜き】
くぎ・とげなどを踏んで足に突き刺すこと。また、その傷。ふみぬぎ。
ふみ‐ぬ・く【踏み貫く・踏み抜く】
〔他五〕
①踏んでつき通す。深く踏みこむ。万葉集13「ひた土に足―・き夏草を腰になづみ」
②踏んで穴をあける。浄瑠璃、曾我五人兄弟「大地を奈落へ―・けと」。「床板を―・く」
③くぎ・とげなどを踏んで、足に穴をあける。今昔物語集5「足に大きなるくひを―・きたり」
ふみ‐ぬ・ぐ【踏み脱ぐ】
〔他四〕
(古くは清音)袴・沓などを足でふんでぬぐ。万葉集5「穿沓うけぐつを脱き棄つる如く―・きて行くちふ人は」
ふみ‐の‐つかさ【図書寮・書司・大学寮】
①⇒ずしょりょう。
②⇒しょし。
③⇒だいがくりょう
ふみ‐の‐はかせ【書博士】
①皇子の誕生で、御湯殿の儀式がある時、読書の事に奉仕した博士。紫式部日記「夜さりの御湯殿とても、さまばかりしきりてまゐる…御―ばかりやかはりけん」
②⇒しょはかせ
ふみ‐のめ・す【踏みのめす】
〔他四〕
したたかに踏む。ふみたおす。ふみにじる。浄瑠璃、心中天の網島「ぎやつとのめらせ、起きれば踏付け―・し」
ふみ‐ばこ【文箱・文筥】
⇒ふばこ。〈倭名類聚鈔13〉
ふみ‐ばさみ【文挟み】
①宣命せんみょうなどの文書を挟んで差し出すのに用いる白木の杖つえ。長さ5尺ばかりで、端に鳥口とりぐちという嘴くちばし状の金具を取り付け、それに文書を挟む。ふばさみ。ふみさし。文杖ふづえ・ぶんじょう。竹取物語「一人の男、―に文を挟みて申す」
②読みさしの書物に挟む、金・銀・象牙などのうすい板。後の「しおり」の類。
ふみ‐はじめ【書始】
(→)読書始とくしょはじめに同じ。源氏物語桐壺「七つになり給へば―などせさせ給ひて」
ふみ‐はずし【踏外し】‥ハヅシ
①ふみはずすこと。特に、あやまち、失敗。風来六部集「―は有るものなれども、同じやうな―でも、することとせぬことあり」
②鳥を捕らえるわなの一種。
ふみ‐はず・す【踏み外す】‥ハヅス
〔他五〕
①ふみどころをあやまって、足をそらす。太平記25「―・して太子夫人もろともに海底に落入り給ひてけり」。「はしごを―・す」
②道義にはずれた行為をする。「人の道を―・す」
③失敗する。失脚する。
ふみ‐はだか・る【踏みはだかる】
〔自四〕
足をひろげて立つ。今昔物語集27「牛の―・りて、はたらかで立てりければ」
ふみ‐はな・す【踏み放す】
〔他四〕
鐙あぶみから足をはずして馬からおり、馬だけを行かせる。乗り放す。太平記26「馬を―・して徒立かちだちになつて」
②転じて、その人の主義・立場を試すもの。
ふみ‐おこ・す【踏み起す】
〔他四〕
踏み込んで(ねていた獣などを)驚かして起こす。万葉集3「朝狩に鹿猪しし―・し夕狩に鶉雉とり踏み立て」
ふみ‐おこな・う【践み行う】‥オコナフ
〔他五〕
(道徳や教えを口で言うのでなく)実際に行う。実践する。
ふみ‐おとし【履み落し】
漢詩で、近体詩(七言絶句・七言律詩)の起句に押韻しないこと。出韻。
ふみ‐お・る【踏み折る】‥ヲル
〔他四〕
①転んだり、つまずいたりして足を折る。日葡辞書「アシヲフミヲル」
②踏みつけて折る。「枯枝を―・る」
ふみ‐かえし【踏返し】‥カヘシ
①沓脱石くつぬぎいし。くつぬぎ。東海道中膝栗毛初「何のことはねへ、―の馬蹄石といふもんだ」
②鋳金ちゅうきんで、同形の器物を繰り返して作る手法。
ふみ‐かえ・す【踏み返す】‥カヘス
〔他五〕
足蹴あしげにして引っくりかえす。梅暦「とが人のそばへづかづかと寄つたらば己も同罪と―・されて倒るるお長」
ふみ‐か・える【踏み替える】‥カヘル
〔他下一〕
体重をかけて踏んでいる足を替える。「足を―・えて休む」
ふみ‐がき【文書】
手紙を書くこと。また、その書きぶり。源氏物語槿「わかわかしき御―なども」
ふみ‐かた・める【踏み固める】
〔他下一〕[文]ふみかた・む(下二)
ふんでかたくする。「足下を―・める」
ふみ‐がね【踏金】
雪駄の裏の後方に打ってある金具。
ふみ‐かぶり【踏み被り】
①おとしあな。日葡辞書「フミカブリニワ(遭)ウ」
②自分からまねく不利。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「みな手前の―、無念をこらへて」
ふみ‐かぶ・る【踏み被る】
〔他四〕
①水たまりや穴などにふみこむ。日葡辞書「アナニフミカブル」
②踏みつけて、そのはねかえりを身にうける。日葡辞書「ドロ(泥)ヲフミカブル」
③自分でしたことから不利益を蒙る。人の術中におちいる。浄瑠璃、心中天の網島「ごんせと留めたる女景清、錣しころと頭巾、つい―・る客もあり」
ふみ‐がら【文殻】
(読み終わって)不用となった手紙。古手紙。ふみほご。世間胸算用5「京大坂の名ある女郎の―なり」
ふみ‐ぎ【踏木】
足を乗せておく木。特に機はたで、緯よこ糸を通す時に経たて糸を上下させ杼口ひぐちを作るために足で踏む木。
ふみ‐きり【踏切】
①鉄道線路と道路とが交差する場所。「―を渡る」
②跳躍競技において、強く足を踏み切ること。また、その場所。「―板」
③思いきること。ふんぎり。
④相撲で、足を土俵の外に出すこと。踏越し。
ふみ‐き・る【踏み切る】
〔他五〕
①踏んで切る。日本永代蔵1「一生のうち、草履の鼻緒を―・らず」
②跳ぶ前に強く踏んで反動をつける。
③転じて、思い切ってその事に乗り出す。「実施に―・る」
④相撲で、足を土俵の外に出す。ふみこす。
ふみ‐くく・む【踏み含む】
〔他四〕
衣きぬや袴はかまを、中にある足が裾を踏むように裾長く着用する。平家物語2「素絹の衣の短みじからかなるに、白き大口―・み」
ふみ‐くら【文庫・文倉】
書籍をおさめておくくら。ぶんこ。宇津保物語蔵開上「これは―ならむ」
ふみ‐ぐるま【文車】
(→)「ふぐるま」に同じ。
ふみ‐ぐるま【踏車】
水車の一種。羽根車を足で踏んで回転させ揚水する。小揚程の灌漑用。
踏車
ふみ‐ぐわ【踏鍬】‥グハ
鍬頭を片足でふんで突きさし土を返す、鋤に似た形状の鍬。
ふみ‐ごえ【踏肥】
家畜がその小屋の中で敷きわら・糞尿などを踏みつけ腐らし、こやしとなったもの。
ふみ‐こ・える【踏み越える】
〔自下一〕[文]ふみこ・ゆ(下二)
①ふんで越える。ふんで通りすぎる。「国境を―・える」
②困難などを切りぬけて進む。「苦難を―・える」
ふみ‐こくら【踏みこくら】
競ってふみつけること。ふみつけ合うこと。浄瑠璃、百日曾我「はりこくら、―はこの膝骨の砕くるまで」
ふみ‐こし【踏越し】
相撲で、思わず足を土俵の外に出すこと。→勇み足。
⇒ふみこし‐はいだて【踏越脛楯】
ふみこし‐はいだて【踏越脛楯】
脛楯の一種。膝の上を鎖で編み、所々に桴金いかだがねをつけて下を細くつぼめたもの。
⇒ふみ‐こし【踏越し】
ふみ‐こた・える【踏み堪える】‥コタヘル
〔自下一〕[文]ふみこた・ふ(下二)
①足をふんばってこらえる。「土俵際で―・える」
②必死に頑張って苦難をしのぐ。「苦境を―・える」
ふみ‐ことば【文言葉】
手紙に用いる言葉。枕草子262「―なめき人こそいとにくけれ」
ふみ‐ごほめか・す【踏みごほめかす】
〔他四〕
踏んでごとごと音を立てる。枕草子56「蔵人のいみじく高く―・して」
ふみ‐こみ【踏込み】
①ふみこむこと。「内容への―が足りない」
②歌舞伎舞踊で、左右の足をとんとんと拍子をとって踏みつづけること。
③家の玄関などで履物をぬいでおく所。
⇒ふみこみ‐だたみ【踏込畳】
⇒ふみこみ‐どこ【踏込床】
⇒ふみこみ‐ろ【踏込炉】
ふみこみ‐だたみ【踏込畳】
茶室において、茶道口から入る時踏み込む畳の称。踏入畳。→茶室(図)。
⇒ふみ‐こみ【踏込み】
ふみこみ‐どこ【踏込床】
床框とこがまちを用いず、座敷の畳面と同じ高さにした床の間。
⇒ふみ‐こみ【踏込み】
ふみこみ‐ろ【踏込炉】
①土間に設けた炉。
②床の土間に面した1辺をコの字形にあけて設けた炉。
⇒ふみ‐こみ【踏込み】
ふみ‐こ・む【踏み込む】
[一]〔自五〕
①ふんで落ちこむ。大鏡忠平「いと悪しき泥を―・みて候つれば」
②勢いよく足を踏み入れる。伍太力菩薩「―・み―・み薙ぎ立てられ」
③無断で入りこむ。案内なく、無理に入りこむ。人情本、春色辰巳園「私とおまへが対さしでゐる処とこへ、―・んで来たればこそ」。「警官が―・む」
④気張ってする。思いきってする。歌舞伎、勧善懲悪覗機関「一分三朱と申しまするは、―・んで買ひました」
⑤問題に深く立ち入る。「もう一歩―・んだ議論が必要だ」
[二]〔他五〕
①足を中に入れる。無事志有意「娘のあたつている中へ足を―・み」
②自分を深入りさせる。
ふみ‐こら・す【踏み凝らす】
〔他四〕
ふんでこり固まらせる。祝詞、神賀詞「下つ岩根に―・し」
ふみ‐ころ・す【踏み殺す】
〔他五〕
ふみつけて殺す。
ふみ‐さく・む【踏みさくむ】
〔他四〕
難儀しつつ踏み分けていく。祝詞、祈年祭「磐根木の根―・みて」
ふみ‐さし【文挿し・文差し】
(→)「ふみばさみ」に同じ。
ふみ‐しか・る【踏みしかる】
〔自四〕
怒りの形相ぎょうそうで足をふんばる。曾我物語6「時致は四天王を作り損じたる様にて、―・りてぞ立ちたりける」
ふみ‐しだ・く【踏みしだく】
〔他五〕
(古くは清音)
①ふんでこなごなにする。ふみにじる。貫之集「鶯の花―・く木のもとは」。「野草を―・く」
②強く踏んでしわにする。住吉物語「ひとへ袴―・きさし歩み給へる御姿」
ふみ‐し・める【踏み締める】
〔他下一〕[文]ふみし・む(下二)
しっかりとふむ。力を入れてふむ。ふみ固める。「大地を―・める」「一歩一歩―・めながら登る」
ふみ‐すか・す【踏み透かす】
〔他四〕
鐙あぶみに置いた足を開いてふんばり、鐙と馬の腹との間を離す。平家物語9「左右の鐙を―・し」
ふみ‐ずし【文厨子】‥ヅ‥
書籍をのせておく棚。ふみだな。書物棚。
ふみずもう【文相撲】‥ズマフ
狂言。大名が新参者を召し抱え、これと相撲をとって負ける。そこで、大名は相撲の書を読んでとり直すが、結局失敗する。ふずもう。
ふみ‐そら・す【踏み反らす】
〔他四〕
足を前に出して、身体を後ろにそらせる。そりかえる。古今著聞集10「やがて死に入りて足を―・しければ」
ふみた【札・簡】
(フミイタ(文板)の約)ふだ。〈日本霊異記下訓釈〉
ふみ‐だい【踏台】
①高い所のものを取ったり、高い所へ上がったりするために足場とする台。あしつぎ。ふみつぎ。
②比喩的に、ある目的を達するために一時利用するもの。「人を―にして出世する」
ふみ‐たお・す【踏み倒す】‥タフス
〔他五〕
①踏みつけて倒す。
②代金または借金を支払わないままにしてしまう。歌舞伎、韓人漢文手管始「家主を―・し町内を食ひ倒して」。「宿泊料を―・す」
③人の面目をきずつける。
ふみ‐だ・す【踏み出す】
〔自五〕
①足を踏んで前に進む。「右足から―・す」
②ある範囲の外へ足を出す。「土俵を―・す」
③(仕事に)とりかかる。着手する。「再建に―・す」
④新たな方面に進出する。「政界に―・す」
ふみ‐た・てる【踏み立てる】
〔他下一〕[文]ふみた・つ(下二)
①足を地に踏みしめて立つ。源氏物語若菜下「乱脚病みだりかくびょうといふ物所せく起り患ひ侍りて、はかばかしく―・つることも侍らず」
②踏み込んで(鳥などを)飛び立たせる。
③踏台とする。落窪物語1「あげよとのたまふなり、とのたまへば、物―・ててあげつ」
④物を踏んで足につき立てる。太平記16「矢尻を蹄に―・てて」。「釘を―・てる」
ふみ‐だな【書棚】
ほんだな。しょだな。書架。
ふみ‐だわら【踏俵】‥ダハラ
力士が土俵に上がる時に足をかける、土俵の外側中段に埋め込んだ俵。→土俵場(図)
ふみ‐だん【踏段】
梯子・階段など、踏んでのぼる段。
ふみ‐ちが・える【踏み違える】‥チガヘル
〔他下一〕[文]ふみちが・ふ(下二)
①段差のある所などで、足の下ろし所を誤る。「階段を―・える」
②踏みそこねて足を痛める。「左足を―・える」
③進むべき道を誤る。「人生を―・えた」
ふみ‐ちら・す【踏み散らす】
〔他五〕
①ふんで散らしみだす。ふみあらす。ふみちらかす。枕草子87「この雪の山、…わらはべなどに―・させず」
②袴や指貫さしぬきなどの長い裾を強く踏んでさばく。枕草子33「薄二藍ふたあい、青鈍あおにびの指貫など、―・してゐためり」
ふみ‐づか【文塚】
詩文の草稿をうずめて建てた塚。
ふみ‐づかい【文使】‥ヅカヒ
①手紙を相手に届ける使い。
②特に、遊里に出入りして、遊女の手紙を届けるのを業とした者。
ふみ‐つぎ【踏継ぎ】
(→)「ふみだい」に同じ。
ふみ‐づき【文月】
陰暦7月の異称。ふづき。〈[季]秋〉
ふみ‐づくえ【文机】
書籍をのせる机。ふづくえ。宇津保物語祭使「―に向かひて」
ふみ‐つくり【文作】
漢詩を作ること。また、その人。源氏物語少女「殿にも―しげく」
ふみ‐つけ【踏付け】
①ふみつけること。
②軽んじあなどること。「人を―にする」
ふみ‐つ・ける【踏み付ける】
〔他下一〕[文]ふみつ・く(下二)
①足で踏んで跡をつける。新古今和歌集恋「霜の上に跡―・くる浜千鳥」
②ふんでおさえる。足で強くふむ。義経記3「肩をも膝をも―・けて通りけり」。「吸い殻を―・ける」
③軽んじあなどる。面目をきずつける。甲陽軍鑑4「家に旧功の諸侍をも―・くれば」。「後輩に―・けられる」
ふみ‐つぶ・す【踏み潰す】
〔他五〕
①ふんでつぶす。「箱を―・す」
②敵を取りひしぐ。うち滅ぼす。甲陽軍鑑10「駿河義元公の信長を―・しなさるべきとて」
③人の面目をなくさせる。「親の顔を―・す」
ふみ‐つよ・る【踏み強る】
〔他四〕
強く力を入れて足をふんばる。宇治拾遺物語14「―・りて立てりければ」
ふみ‐づら【文面】
書きあらわされた文章。ぶんめん。好色一代男6「―け高く、長文の書き手」
ふみ‐づら【踏面】
階段の水平面。また、その幅。
ふみ‐て【筆】
(文手の意)ふで。万葉集16「わが毛らはみ―はやし」
ふみ‐ど【踏処】
(→)「ふみどころ」に同じ。醒睡笑「上らんとすれば、やはらかにて足の―弱く」
ふみ‐とお・る【踏み通る】‥トホル
〔自四〕
ふんで通って行く。万葉集20「山河を岩根さくみて―・り」
ふみ‐どころ【踏み処】
足でふむべきところ。足でふんで立つところ。ふみど。「足の―もない」
ふみ‐とどま・る【踏み止まる】
〔自五〕
①足に力を入れてとどまる。「土俵際で―・る」
②他人の去った後まで残る。太平記33「葉室左衛門督に至るまで宮を落しまゐらせんとて―・つて討たれ給ふ」。「現場に―・る」
③それ以上進むのをやめて打ち切る。思いとどまる。「決裂の一歩手前で―・る」
ふみ‐とどろか・す【踏み轟かす】
〔他五〕
ふんでとどろかせる。ふんで鳴りひびかせる。ふみならす。古今和歌集恋「天の原―・し鳴る神も」
ふみ‐どの【文殿】
①書物をいれておく所。書庫。文庫。ふどの。
②校書殿きょうしょでんの別称。
ふみ‐と・む【踏み止む】
〔他下二〕
踏んで跡を残す。歌で多く「文留む」にかけて用いる。後撰和歌集春「―・めてける跡のくやしさ」
ふみ‐なずさ・う【踏みなづさふ】‥ナヅサフ
〔他四〕
足場がわるく、歩くのに難渋する。〈新撰字鏡2〉
ふみ‐なら・す【踏み均す】
〔他五〕
ふんで平らにする。万葉集6「大宮人の―・し通ひし道は」。「新雪を―・す」
ふみ‐なら・す【踏み鳴らす】
〔他五〕
ふんでなりひびかせる。ふみとどろかす。源氏物語浮舟「汀の氷を―・す馬の足音さへ」。「床を―・す」
ふみ‐にじ・る【踏み躙る】
〔他五〕
①ふみつけてこなごなにする。ふみあらす。蹂躙じゅうりんする。図書寮本類聚名義抄「蹂躙じゆうりんとフミニシテ」。「花壇を―・る」
②人の体面・面目などをつぶす。「好意を―・る」
ふみにない【文荷】‥ニナヒ
狂言。太郎冠者と次郎冠者が主人の恋文を届けに行く途中、あまり文が重いのであけて読みあげると、「こいしやこいしや」とあるので、小石が沢山で重いのだという。荷文にないぶみ。
ふみ‐ぬき【踏貫・踏抜き】
くぎ・とげなどを踏んで足に突き刺すこと。また、その傷。ふみぬぎ。
ふみ‐ぬ・く【踏み貫く・踏み抜く】
〔他五〕
①踏んでつき通す。深く踏みこむ。万葉集13「ひた土に足―・き夏草を腰になづみ」
②踏んで穴をあける。浄瑠璃、曾我五人兄弟「大地を奈落へ―・けと」。「床板を―・く」
③くぎ・とげなどを踏んで、足に穴をあける。今昔物語集5「足に大きなるくひを―・きたり」
ふみ‐ぬ・ぐ【踏み脱ぐ】
〔他四〕
(古くは清音)袴・沓などを足でふんでぬぐ。万葉集5「穿沓うけぐつを脱き棄つる如く―・きて行くちふ人は」
ふみ‐の‐つかさ【図書寮・書司・大学寮】
①⇒ずしょりょう。
②⇒しょし。
③⇒だいがくりょう
ふみ‐の‐はかせ【書博士】
①皇子の誕生で、御湯殿の儀式がある時、読書の事に奉仕した博士。紫式部日記「夜さりの御湯殿とても、さまばかりしきりてまゐる…御―ばかりやかはりけん」
②⇒しょはかせ
ふみ‐のめ・す【踏みのめす】
〔他四〕
したたかに踏む。ふみたおす。ふみにじる。浄瑠璃、心中天の網島「ぎやつとのめらせ、起きれば踏付け―・し」
ふみ‐ばこ【文箱・文筥】
⇒ふばこ。〈倭名類聚鈔13〉
ふみ‐ばさみ【文挟み】
①宣命せんみょうなどの文書を挟んで差し出すのに用いる白木の杖つえ。長さ5尺ばかりで、端に鳥口とりぐちという嘴くちばし状の金具を取り付け、それに文書を挟む。ふばさみ。ふみさし。文杖ふづえ・ぶんじょう。竹取物語「一人の男、―に文を挟みて申す」
②読みさしの書物に挟む、金・銀・象牙などのうすい板。後の「しおり」の類。
ふみ‐はじめ【書始】
(→)読書始とくしょはじめに同じ。源氏物語桐壺「七つになり給へば―などせさせ給ひて」
ふみ‐はずし【踏外し】‥ハヅシ
①ふみはずすこと。特に、あやまち、失敗。風来六部集「―は有るものなれども、同じやうな―でも、することとせぬことあり」
②鳥を捕らえるわなの一種。
ふみ‐はず・す【踏み外す】‥ハヅス
〔他五〕
①ふみどころをあやまって、足をそらす。太平記25「―・して太子夫人もろともに海底に落入り給ひてけり」。「はしごを―・す」
②道義にはずれた行為をする。「人の道を―・す」
③失敗する。失脚する。
ふみ‐はだか・る【踏みはだかる】
〔自四〕
足をひろげて立つ。今昔物語集27「牛の―・りて、はたらかで立てりければ」
ふみ‐はな・す【踏み放す】
〔他四〕
鐙あぶみから足をはずして馬からおり、馬だけを行かせる。乗り放す。太平記26「馬を―・して徒立かちだちになつて」
広辞苑 ページ 17353 での【○踏まれた草にも花が咲く】単語。