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き・く【利く・効く】🔗🔉

き・く利く・効く】 〔自五〕 (「聞く」と同源) ①有効にはたらく。活動する。栄華物語根合「あはれ、―・き給へる口かなと、上達部殿上人ほめ申し給ふ」。「気が―・く」 ②ききめがある。効能が現れる。「薬が―・く」 ③可能である。できる。「洗濯が―・く」「見晴らしが―・く」 ④(他動詞として、「口を利く」の形で)物を言う。特に他人の世話などの場合に使う。 ◇ふつう1・3は「利く」、2は「効く」と書く。

き・く【聞く・聴く】🔗🔉

き・く聞く・聴く】 〔他五〕 ➊言語・声・音などに対し、聴覚器官が反応を示し活動する。 ①聴覚器に音の感覚を生ずる。声・音が耳にはいる。万葉集5「うぐひすの声おと―・くなへに梅の花吾家わぎえの園に咲きて散る見ゆ」。「鐘の音を―・く」 ②人の言葉をうけいれて意義を認識する。聞き知る。万葉集20「君が上はさやかに―・きつ思ひしごとく」。源氏物語帚木「寝たりけるこゑのしどけなき、いとよく似通ひたればいもうとと―・き給ひつ」。「講義を―・く」 ③他人から伝え聞く。古事記「そらみつ日本の国に雁子産と未だ―・かず」。「彼は結婚したと―・いたが」「―・くところによると」 ④聞き入れる。従う。許す。万葉集3「もののふの臣の壮士おとこは大王おおきみの任まけのまにまに―・くといふものそ」。「無理を―・いてもらう」 ⑤よく聞いて処理する。読史余論「天下の事は後白河―・き給ひ信西いよいよ任用せらる」。「訴えを―・く」 ⑥注意して耳にとめる。傾聴する。拾遺和歌集「松原越しに鳴くたづのあな長々し―・く人なしに」。「注意を―・く」 ⑦(「訊く」とも書く)尋ねる。問う。源氏物語夕顔「忍び給へば若君の上をだにえ―・かず」。「道を―・く」「都合を―・く」「己の胸に―・け」 ➋(「利く」とも書く)物事をためし調べる。 ①かぎ試みる。かぐ。浄瑠璃、浦島年代記「酒の香―・けば前後を忘るる」。「香こうを―・く」 ②味わい試みる。狂言、伯母が酒「好い酒か悪しい酒か私が―・いて見ずばなりますまい程に、一つ―・かせて下されい」 ③あてて試みる。なぞらえる。準じる。「広さを柱に―・いて戸を作る」 ◇広く一般には「聞」を使い、注意深く耳を傾ける場合に「聴」を使う。 ⇒聞いて呆れる ⇒聞いて極楽、見て地獄 ⇒聞いて千金、見て一文 ⇒聞きしに勝る ⇒聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥 ⇒聞く耳持たぬ ⇒聞けば聞腹 ⇒聞けば気の毒、見れば目の毒

広辞苑 ページ 4700