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かたし‐めぬき【片し目貫】🔗🔉

かたし‐めぬき片し目貫】 一対の目貫の半端になった片方。西鶴織留2「口のうちより虎の―を取り出し」 ⇒かた‐し【片し】

かた‐め【片目】🔗🔉

かた‐め片目】 ①片方の目。 ②片方の目が見えないこと。 ③(女房詞)比目魚ひらめまたは鰈かれい⇒片目が明く

○片目が明くかためがあく🔗🔉

○片目が明くかためがあく ①すこし文字が読める。枕草子314「いかでか。片目も明きつかうまつらでは」 ②黒星続きの力士がやっと1勝する。 ⇒かた‐め【片目】 かため‐ごと固め事】 固く約束すること。また、固い約束。 ⇒かため【固め】 かた‐めしい片盲‥メシヒ 片方の眼の視力を失っていること。 かため‐の‐さかずき固めの盃‥サカヅキ 約束を固めるために取り交わす盃。 ⇒かため【固め】 かため‐ふで固め筆】 筆の製法で、穂全体をふのりで固めたもの。水筆すいひつ。↔捌さばき筆。 ⇒かため【固め】 かため‐ぶみ固め文】 誓いの文書。約束の証書。 ⇒かため【固め】 かた・める固める】 〔他下一〕[文]かた・む(下二) ①固くする。固まらせる。万葉集20「天地の―・めし国そ」。「道を踏み―・める」「嘘で―・める」 ②かたく約束する。戒める。万葉集9「この篋くしげ開くなゆめとそこらくに―・めし言を」 ③たしかにする。しっかりしたものにする。平家物語2「馬の腹帯を―・め」。「決心を―・める」「身を―・める」 ④警備する。警固する。平家物語9「今井四郎兼平も、八百余騎で勢田を―・めたりけるが」。「守りを―・める」 ⑤一かたまりにする。「同窓で―・める」 ⑥矢を放とうとしてひきしぼる。保元物語「しばし―・めてひやうど射る」 かため‐わざ固め技】 柔道で、抑え込み技・絞め技・関節技の総称。 ⇒かため【固め】 かた‐めん片面】 顔の半面。また、一方の面。半面。「録音テープの―」 ⇒かためん‐ずり【片面刷】 かためん‐ずり片面刷】 一方の面にだけ印刷すること。また、そのもの。 ⇒かた‐めん【片面】 かた‐もい片思い‥モヒ カタオモイの約。万葉集11「あはびの貝の―にして」 かた‐もい片垸‥モヒ 蓋のない土製の椀。万葉集4「―の底にそ我は恋ひなりにける」 かた‐もじ片文字】 文字または名の一部分。枕草子57「なにとかや、―はおぼえでいふはをかし」 かた‐もち肩持ち】 肩を持つこと。ひいき。助力。 ⇒かたもち‐がお【肩持ち顔】 かた‐もち堅餅】 ①乾しかためた餅。 ②鏡餅をくだいて乾したもの。 かたもち‐がお肩持ち顔‥ガホ 肩を持つような顔つき。 ⇒かた‐もち【肩持ち】 かたもち‐ばり片持梁】 一端は固定し、他端を自由にした梁。カンティレバー。 かた‐もの型物】 ①ろくろの代りに型で成形した陶磁器。 ②演出様式・所作などが固定した歌舞伎狂言。 かだ‐ものかだ者】 (カダはカダムの語幹)横着者。浄瑠璃、双生隅田川「無精者よ―と、おどしのために打つ杖の」 かたもの‐や堅物矢】 弓勢ゆんぜいや腕のさえを試みるために、鎧よろい・兜かぶと・鉄板などを射抜くのに用いた矢。 かた‐も・ゆ片燃ゆ】 〔自下二〕 片方ばかり燃える。くすぶりながら燃える。能宣集「夜もすがら―・えわたる蚊やり火に」 かた‐もん固文】 織物の文あやを、糸を浮かさずに固く織ったもの。枕草子23「こき紫の―の指貫さしぬき」↔浮文うきもん かた‐や方屋・片屋・形屋】 ①相撲や競馬などの時、左右・東西に分けた競技者の控える所。今昔物語集28「埒より東の左の―の西のそばに立てて御覧じけり」 ②相撲場の四本柱しほんばしらの内。土俵場。〈日葡辞書〉 ⇒かたや‐いり【方屋入】 かた‐や片や】 一方は。片方は。「―大鵬、こなた柏戸」 かた‐や片矢】 一対の中の1本の矢。片手矢かたてや。↔諸矢もろや かた‐や片屋】 雨水が一方に多く落ちるように造った屋根。 かた‐や傍屋】 母屋の傍らにある家屋。狂言、縄綯なわない「腹が立ちまするによつて、―へつれて参り」 かたや‐いり方屋入】 ①力士が土俵場に入ること。 ②(→)土俵入どひょういりに同じ。 ⇒かた‐や【方屋・片屋・形屋】 かた‐やき肩灼き】 古代の占法、太占ふとまにのこと。 かた‐やき堅焼・固焼】 かたく焼くこと。また、そのもの。 かた‐や・く肩灼く】 〔自四〕 肩灼きをして占う。万葉集14「武蔵野に占へ―・き真実まさてにも告らぬ君が名卜うらに出にけり」 か‐だやし蚊絶やし】 カダヤシ科の淡水産の硬骨魚。全長約5センチメートル。メダカに似るが、同科のグッピー同様に胎生。1回に数十匹の稚魚を産む。カの幼虫(ぼうふら)を食べることからの名。北米の原産。日本各地で飼われ、東北地方以南では野生化。タップミノー。 かた‐やぶ片藪】 畑・道などに沿って片方にある藪。 かた‐やぶり型破り】 ①定型または月並みな型を破っていること。また、そのもの。「―な発想」 ②風変りなこと。また、そのもの。「―の人物」 かた‐やま片山】 一方にだけ傾斜のある山。一説に、孤立した山。かたわらの山。また、へんぴな山。万葉集16「足引のこの―に二つ立ついちひがもとに」 ⇒かたやま‐かげ【片山陰】 ⇒かたやま‐きし【片山岸】 ⇒かたやま‐もと【片山下】 かたやま片山】 姓氏の一つ。 ⇒かたやま‐けんざん【片山兼山】 ⇒かたやま‐せん【片山潜】 ⇒かたやま‐てつ【片山哲】 ⇒かたやま‐とうくま【片山東熊】 ⇒かたやま‐ほっかい【片山北海】 ⇒かたやま‐りゅう【片山流】 かた‐やま肩山】 衣服の肩のいちばん高い部分で、前身頃まえみごろと後身頃うしろみごろとの境目をなす部分。→和服(図) かたやま堅山】 姓氏の一つ。 ⇒かたやま‐なんぷう【堅山南風】 かた‐やまが片山家】 へんぴな山里にある家。 かたやま‐がい片山貝‥ガヒ イツマデガイ科の巻貝。貝殻は細長く、淡褐色。本州・九州の田の溝などにすむ。中国の長江流域や台湾、フィリピンにも分布。日本住血吸虫の中間宿主で、名は本症の感染源が初めてつきとめられた広島県福山市神辺町の片山地区に因む。ミヤイリガイ。 かたやま‐かげ片山陰】 片山で陰になっている所。新古今和歌集「ひさぎ生ふる―に忍びつつ吹きけるものを秋の夕風」 ⇒かた‐やま【片山】 かたやま‐きし片山岸】 片山の崖。万葉集10「―に霞たなびく」 ⇒かた‐やま【片山】 かたやま‐けんざん片山兼山】 江戸中期の儒学者。上野こうずけの人。荻生徂徠の古文辞学にあきたらず、漢唐の古注、宋明諸家の説を参酌、山子学と称する折衷学を唱えた。(1730〜1782) ⇒かたやま【片山】 かた‐やまざと片山里】 片田舎の山里。へんぴな山里。新撰六帖1「あらし吹く―の秋の末」 かたやま‐せん片山潜】 社会運動家。美作みまさか出身。アメリカのイェール大学に学び、帰国後、労働組合運動・社会主義運動を指導。1914年(大正3)再渡米、ロシア革命後共産主義者となり、ソ連に渡ってコミンテルン執行委員となる。モスクワに客死。著「我社会主義」「日本の労働運動」「自伝」など。(1859〜1933) ⇒かたやま【片山】 かたやまづ‐おんせん片山津温泉‥ヲン‥ 石川県加賀市にある温泉。加賀温泉郷の一つ。柴山潟から湧泉し、泉質は塩化物泉。 かたやま‐てつ片山哲】 政治家。和歌山県生れ。東大卒。弁護士として無産運動に参加。第二次大戦後、日本社会党委員長。1947〜48年連立内閣の首相。(1887〜1978) 片山哲 撮影:田村 茂 ⇒かたやま【片山】 かたやま‐とうくま片山東熊】 建築家。長門萩生れ。工部大学校卒。代表作は赤坂離宮(東宮御所)・奈良博物館・京都博物館など。(1854〜1917) ⇒かたやま【片山】 かたやま‐なんぷう堅山南風】 日本画家。本名、熊次。熊本生れ。花鳥画に華麗な作風を開いた。日本美術院同人。文化勲章。(1887〜1980) ⇒かたやま【堅山】 かたやま‐びょう片山病‥ビヤウ (→)日本住血吸虫病に同じ。 かたやま‐ほっかい片山北海‥ホク‥ 江戸中期の折衷学派の儒学者。越後の人。大坂で儒学を教授し、また、詩をよくし混沌社を設ける。江戸の入江北海、京都の江村北海とともに三北海と称。(1723〜1790) ⇒かたやま【片山】 かたやま‐もと片山下】 片山の麓。 ⇒かた‐やま【片山】 かたやま‐りゅう片山流‥リウ (→)伯耆ほうきに同じ。 ⇒かたやま【片山】 かた‐ゆうぐれ片夕暮‥ユフ‥ 夕暮になろうとする頃。古今著聞集2「―に…月見にとて」 かだゆう‐ぶし嘉太夫節カダイフ‥ 古浄瑠璃の一派。延宝(1673〜1681)頃、京都で語った宇治嘉太夫(後の宇治加賀掾)を祖とする。芸風は繊細優美で、角太夫かくたゆう節と並んで人気を博す。後の義太夫節に影響を与えた。加賀節。 かた‐ゆき片行き】 一方にかたよること。かたいき。世間胸算用3「金銀ほど―のする物はない」 かた‐ゆき片裄】 ①衣服の左右の裄の片方。 ②衣服を着た時、左右いずれかに片寄ること。 かた‐ゆき肩裄】 衣服の背縫いから袖口までの長さ。裄。 かた‐ゆで固茹で】 食品をかたくゆでること。また、そのもの。 かた‐ゆれ偏揺れ】 機体や船体の上下軸回りの回転運動。ヨーイング。 かた‐よ・せる片寄せる】 〔他下一〕[文]かたよ・す(下二) ①一方へ寄せる。 ②一方へまとめる。かたづける。好色一代女6「口鼻かかは奥の一間を―・せて」 かた‐より片寄り・偏り】 ①一方に寄ること。万葉集10「秋の田の穂向ほむきの寄れる―にわれは物思ふつれなきものを」 ②一方に偏すること。また、その程度。「栄養の―」 かた‐より片縒り・片撚り】 左右どちらか一方によりをかけること。万葉集10「―に糸をそわが搓る」 かた‐よ・る片寄る・偏る】 〔自五〕 ①片方へ寄る。傾く。万葉集14「宇良野の山に月つく―・るも」。「―・った考え」 ②一方に力を貸す。味方する。不公平になる。蜻蛉日記「数々に君―・りて引くなれば柳のまゆも今ぞ開くる」 カタラーゼKatalase ドイツ】 過酸化水素を水と酸素とに分解する反応の触媒となる酵素。ほとんどすべての細胞に存在。外傷にオキシフルをつけると出る泡は、この作用による。 かたらい語らいカタラヒ ①話し合うこと。談合。「たのしい―」 ②睦言むつごと。源氏物語帚木「寝覚めの―にも」 ③男女の契り。狂言、夷大黒「伊邪那岐伊邪那美の尊…男女の―をなし」 ④説いて仲間に引き入れること。説得。十訓抄「道摩、堀川の右府の―にて」 ⇒かたらい‐ぐさ【語らい種】 ⇒かたらい‐ぜい【語らひ勢】 ⇒かたらい‐びと【語らひ人】 かたらい‐ぐさ語らい種カタラヒ‥ 話のたね。かたりぐさ。万葉集17「万代の―といまだ見ぬ人にも告げむ」 ⇒かたらい【語らい】 かたらい‐ぜい語らひ勢カタラヒ‥ 語らって味方に引き入れた軍勢。話し合いによる加勢。狂言、粟田口「もし人の御―などにおいでなさるる時分」 ⇒かたらい【語らい】 かたらい‐つ・く語らひ付くカタラヒ‥ [一]〔自四〕 話し合ってなじみになる。言い寄ってむすばれる。源氏物語若紫「兵部卿の宮なむ忍びて―・き給へりけるを」 [二]〔他下二〕 味方に引き入れる。手なずける。枕草子87「かかる者をなん―・けて置きためる」 かたらい‐と・る語らひ取るカタラヒ‥ 〔他四〕 説いて味方にする。源氏物語玉鬘「この家の二郎を―・りて」 かたらい‐びと語らひ人カタラヒ‥ 語り合う人。相談相手。源氏物語若菜下「小侍従といふ―は」 ⇒かたらい【語らい】 かたらい‐よ・す語らひ寄すカタラヒ‥ 〔他下二〕 説いて自分の方へ近づけ寄らせる。栄華物語初花「こともよう―・せては」 かたらい‐よ・る語らひ寄るカタラヒ‥ 〔自四〕 説きつけて先方へ近づき寄る。言い寄る。源氏物語総角「ここなる若き人を―・りたるなりけり」 かたら・う語らうカタラフ 〔他五〕 (カタリア(合)フの約。真情を打ち明けて語る意) ①語り合う。睦まじく語る。また、打ち明けて語る。万葉集5「二人並び居―・ひし心背きて家ざかりいます」。「水入らずで―・う」 ②親しく交わる。うちとける。伊勢物語「ねむごろにあひ―・ひける友だちのもとに」 ③男女が約束する。いいかわす。契る。拾遺和歌集「女を―・ひ侍りけるが」 ④説いて仲間に引き入れる。味方にとりこむ。源氏物語夕顔「小君を―・ひ給へど」。「同志を―・って決起する」 ⑤わけを話して頼む。今昔物語集14「われを相せよとおのおの―・へば」 かた‐らか堅らか】 速やかなさま。早速。一説に、確実なさま。続日本後紀5「平らけく―に帰し給ふべし」 かたらく語らく】 (語ルのク語法)言い語ること。語ることには。万葉集2「立ち留り吾に―」 かたり 堅い物の触れ、または落ちる音。 かたり語り】 ①語ること。話。物語。万葉集9「永き世の―にしつつ」 ②能や狂言で、叙事的な内容を旋律なしに、ことばで物語ること。また、その部分。 ③歌舞伎で、看板や番付の外題げだいの上に、その作の大要を七五調で述べたもの。 ④演劇・映画などで、ストーリーを進行させるために行う朗読。ナレーション。 ⇒かたり‐あい【語り間】 ⇒かたり‐く【語り句】 ⇒かたり‐ぐさ【語り種】 ⇒かたり‐くち【語り口】 ⇒かたり‐ごと【語辞】 ⇒かたり‐て【語り手】 ⇒かたり‐はんぶん【語り半分】 ⇒かたり‐べ【語部】 ⇒かたり‐もの【語り物】 かたり騙り】 うまいことを言って人をだまして金品をまきあげること。また、その人。「―にしてやられる」 ⇒かたり‐ごと【騙り事】 がたり 堅い物が打ち当たりなどして発するやや大きな音。 ⇒がたり‐ぴしり ガタリFélix Guattari】 フランスの精神分析家・思想家。ドゥルーズとの共著「アンチ‐オイディプス」などで現代文明を批判。(1930〜1992) かたり‐あい語り間‥アヒ 能の間あい狂言の役のうち、ワキの所望によって故事来歴などを語るもの。 ⇒かたり【語り】 かたり‐あ・う語り合う‥アフ 〔他五〕 話し合う。相談する。 かたり‐あか・す語り明かす】 〔他五〕 話をしあって夜をあかす。夜どおし語る。「友と―・す」 かたり‐あわ・す語り合す‥アハス 〔他下二〕 互いに語る。話し合う。相談する。語り合う。源氏物語明石「むつごとを―・せむ人もがな」 かたり‐い・ず語り出づ‥イヅ 〔他下二〕 話し出す。源氏物語末摘花「いにしへのこと―・でてうち泣きなどし給ふ」 かたり‐く語り句】 ①(→)「かたりぐさ」に同じ。狂言、小傘「此度お勤め下されますれば、某の永々―でござる」 ②平家(平曲)で、節を付けずに語る演奏法。↔引句ひきく⇒かたり【語り】 かたり‐ぐさ語り種】 話題となる事柄。話のたね。「あとあとまでの―」 ⇒かたり【語り】 かたり‐くち語り口】 語りかた。語る口ぶり。 ⇒かたり【語り】 かたり‐ごと語辞】 昔から世々語り伝えたことば。古事記「ことの―」 ⇒かたり【語り】 かたり‐ごと騙り事】 ①かたりをすること。詐欺。 ②作りごと。うそ。 ⇒かたり【騙り】 かたり‐さ・く語り放く】 〔他下二〕 話をして晴れ晴れしない心をはらす。万葉集19「―・け見さくる人目乏ともしみと」 かたり‐しら・ぶ語り調ぶ】 〔他下二〕 調子に乗って話す。図に乗って語る。枕草子28「他人ことひとにも―・ぶるもいとにくし」 かたり‐そ・う語り添ふ‥ソフ 〔他下二〕 つけ加えて語る。夫木和歌抄25「―・へしのびけらしきももよ経て忍ばれゆかむ清き白浜」 かたり‐つが・う語り継がふ‥ツガフ 〔他四〕 (カタリツグに接尾語フの付いた語)くり返しかたりつぐ。万葉集13「万代に―・へと」 かたり‐つ・ぐ語り継ぐ】 〔他五〕 つぎつぎに語り伝える。万葉集3「―・ぎ言ひ継ぎゆかむ富士の高嶺は」 かたり‐つく・す語り尽くす】 〔他五〕 言いたいことをすべて語る。「一晩では―・すことができない」 かたり‐つた・える語り伝える‥ツタヘル 〔他下一〕[文]かたりつた・ふ(下二) 語って世人や後世に伝える。 かたり‐て語り手】 語る人。話す人。話し手。 ⇒かたり【語り】 カタリナCatharina ラテン】 ①アレクサンドリアのカタリナ。4世紀初頭に殉教したと伝えるエジプトの聖女。学識豊かで、異教の学者50人を論破、キリスト教に改宗させたという。 ②シエナのカタリナ。イタリアのドミニコ会修道女。神秘家で、キリストとの霊的婚姻の体験後、アヴィニョンに幽囚された教皇グレゴリウス11世のローマ帰還に尽力。「対話」を著述。(1347〜1380) かたり‐な・す語り成す】 〔他四〕 それらしく話をする。巧みに語る。源氏物語帚木「心はえながら、鼻のわたりをこづきて―・す」 カタリ‐はカタリ派】 (Cathari ラテン)12〜13世紀の西欧に広がったキリスト教異端の一派。その呼称は清浄を意味するギリシア語に由来。マニ教起源で、善悪二元論の影響を受け、禁欲的・使徒的生活を追求。南フランスではアルビジョワ派と呼ばれた。 かたり‐はんぶん語り半分(→)話半分に同じ。 ⇒かたり【語り】 がたり‐ぴしり (→)「がたぴし」に同じ。 ⇒がたり かたり‐ふる・す語り古す】 〔他五〕 すでに多くの人が何度も語っている。言い古す。「―・された話」 かたり‐べ語部】 ①古代、儀式に際して旧辞・伝説を語ることを職とした品部しなべ。出雲・美濃・但馬などに分布。 ②広く、物事を次の世代に語り伝える人。「被爆体験の―」 ⇒かたり【語り】 かたり‐もの語り物】 声楽の種目流派のうち、旋律など音楽としての面白味よりも歌詞の意味内容の伝達を第一義的に重視する傾向の強いもの。歌い物に比べて、歌詞は長編で叙事的・散文的傾向が強く、歌唱のメリスマは少なく、ことばの部分で旋律が規定されない部分が多い。平家(平曲)・謡曲・浄瑠璃・薩摩琵琶・筑前琵琶・浪花節などがこれに属する。↔歌い物 ⇒かたり【語り】 かたり‐よ・る語り寄る】 〔自四〕 寄り集まって語りあう。万葉集14「あしとひとごと―・らしも」 カタルcatarrhe オランダ・加答児】 粘膜の漿液滲出と粘液分泌がつよい炎症の一型。(宇田川玄随「西説内科撰要」に出る語)「腸―」 ⇒カタルせい‐はいえん【カタル性肺炎】 かた・る語る】 〔他五〕 ①事柄や考えを言葉で順序立てて相手に伝える。一部始終をすっかり話す。万葉集20「息おき長川は絶えぬとも君に―・らむ言尽きめやも」。伊勢物語「まことならぬ夢語りをす。子三人を呼びて―・りけり」。「心境を―・る」「友人と文学を―・る」 ②筋のある一連の話をする。源氏物語橋姫「昔物語などに―・り伝へて」。「民話を―・る」 ③節や抑揚をつけてよむ。朗読するように述べる。大鏡道長「都にはまつらむものを逢坂の関まできぬとつげややらまし、などたどたどしげに―・るさま」。徒然草「この行長入道、平家物語を作りて生仏しょうぶつといひける盲目に教へて―・らせけり」。「浪花節を―・る」 ④親しくする。うちとけて付き合う。浄瑠璃、曾根崎「日頃―・るはここらと思ひ、男づくで貸したぞよ」 ⑤物事の状態や成行きなどが内部事情や意味などをおのずからに示す。「その態度は内心の動揺を―・っていた」 ⇒語るに落ちる ⇒語るに足る かた・る騙る】 〔他五〕 (うちとけて親しげに「語る」ことから)安心させてだます。だまして金品などを取る。日本永代蔵2「随分道中の人に馴れたる心の、針屋、筆屋―・られて」。「名を―・る」 ガダルカナル‐とうガダルカナル島‥タウ (Guadalcanal)南太平洋、ソロモン諸島南東部の火山島。面積5300平方キロメートル。太平洋戦争中の1942年、日米激戦の地。 カタルシスkatharsis ギリシア】 (浄化・排泄の意) ①古代ギリシアの医学で、病的な体液を体外へ排出すること。瀉血しゃけつ。 ②オルフェウス教・ピタゴラス学派・エンペドクレスなどにおける、罪からの魂の浄きよめ。 ③アリストテレスは悲劇の目的をパトス(苦しみの感情)の浄化にあるとした。最も一般的な理解では、悲劇を見て涙をながしたり恐怖を味わったりすることで心の中のしこりを浄化するという意味。 ④抑圧されて無意識の中にとどまっていた精神的外傷によるしこりを、言語・行為または情動として外部に表出することによって消散させようとする心理療法の技術。浄化法。精神分析の用語。 カタルせい‐はいえんカタル性肺炎(→)気管支肺炎の別称。 ⇒カタル【catarrhe オランダ・加答児】 カタルニアCataluña スペイン】 (Catalunya カタルニア)スペイン北東部、地中海に臨む地方。カタルニア語が使われ、中世以来独特の文化を有し、今日も強い自治権を有する。中心都市はバルセロナ。英語名カタロニア。カタルーニャ。 ⇒カタルニア‐ご【カタルニア語】 カタルニア‐ごカタルニア語】 (Catalan)スペインのカタルニア地方で用いられている言語。フランス南端のピレネー地方、地中海のサルデーニャ島などにも少数の話し手がいる。ロマンス諸語に属する。 ⇒カタルニア【Cataluña スペイン】

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