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かる【着る】🔗⭐🔉
かる【着る】
(上代東国方言)キ(着)アルの転じたケルの訛。万葉集20「七重―衣にませる子ろが膚はも」
き【着】🔗⭐🔉
き【着】
着ること。また、着るもの。神楽歌、宮人「―のよろしもよ」
き‐おもり【着重り】🔗⭐🔉
き‐おもり【着重り】
衣服を厚着したために重いこと。
き‐おろし【着下ろし】🔗⭐🔉
き‐おろし【着下ろし】
着古した着物を目下に与えること。また、その物。
き‐ぎわ【着際】‥ギハ🔗⭐🔉
き‐ぎわ【着際】‥ギハ
①着る手ぎわ。着っぷり。着た様子。日葡辞書「キギワノヨイヒト」
②着物の端のところ。曾我物語6「笄こうがいにて、障子ごしに、袴の―をさしければ」
③着たばかりの時。また、着ようとする際。
き‐こなし【着こなし】🔗⭐🔉
き‐こなし【着こなし】
着こなすこと。また、そのさま。色道大鏡「―あしし」。「和服の―がうまい」
き‐こな・す【着こなす】🔗⭐🔉
き‐こな・す【着こなす】
〔他五〕
からだにしっくり合わせて自分に似合うようにたくみに着物を着る。「モーニングを―・した紳士」
き‐こみ【着込み・着籠み】🔗⭐🔉
き‐こみ【着込み・着籠み】
護身用に鎖帷子くさりかたびらなどを上着の下に重ねて着ること。また、その鎖帷子など。きごめ。日葡辞書「キゴミ」
き‐こ・む【着込む・着籠む】🔗⭐🔉
き‐こ・む【着込む・着籠む】
[一]〔他下二〕
着物の下にこめて着る。内へ入れて着る。源氏物語葵「口うちすげみて、髪―・めたるあやしの者ども」
[二]〔他五〕
①上着の下に重ねて着る。着物をたくさん着る。「―・んで来たので寒くない」
②「着る」を強めていう語。「タキシードを―・んで現れた」
き‐ころ・す【着殺す】🔗⭐🔉
き‐ころ・す【着殺す】
〔他四〕
1枚の着物をだめになるまで着る。浮世風呂3「気に入つた着物をさつさつと―・すがいいのさ」
き‐じゃく【着尺】🔗⭐🔉
き‐じゃく【着尺】
大人用の1枚の着物に要するだけの反物の長さと幅。ふつう長さ1反(約11.4メートル)、幅9寸5分(約36センチメートル)。↔羽尺はじゃく。
⇒きじゃく‐じ【着尺地】
⇒きじゃく‐もの【着尺物】
きじゃく‐じ【着尺地】‥ヂ🔗⭐🔉
きじゃく‐じ【着尺地】‥ヂ
(→)着尺物に同じ。
⇒き‐じゃく【着尺】
きじゃく‐もの【着尺物】🔗⭐🔉
きじゃく‐もの【着尺物】
着尺の反物。
⇒き‐じゃく【着尺】
き‐すて【着捨て・着棄て】🔗⭐🔉
き‐すて【着捨て・着棄て】
着すてること。また、着すてた物。着ふるして不用となったもの。
き‐す・てる【着捨てる】🔗⭐🔉
き‐す・てる【着捨てる】
〔他下一〕[文]きす・つ(下二)
①着物を脱いでそのままにしておく。ぬぎすてにする。
②同じ着物を着られるだけ着てそのまますててしまう。好色一代女6「島原大夫職の―・てし物にかはらず」
きせかえ‐にんぎょう【着せ替え人形】‥カヘ‥ギヤウ🔗⭐🔉
きせかえ‐にんぎょう【着せ替え人形】‥カヘ‥ギヤウ
着ている紙製・布製などの衣服をとりかえて遊ぶ人形。
きせ‐か・える【着せ替える・着せ代える】‥カヘル🔗⭐🔉
きせ‐か・える【着せ替える・着せ代える】‥カヘル
〔他下一〕[文]きせか・ふ(下二)
着衣を取りかえて着せる。着替えさせる。「新しい服に―・える」
きせ‐か・ける【着せ掛ける】🔗⭐🔉
きせ‐か・ける【着せ掛ける】
〔他下一〕[文]きせか・く(下二)
①着物などを体の上にかぶせる。着物を着せるようにする。「コートを―・ける」
②人に難儀・罪などを負わせる。日葡辞書「シンロウ(辛労)ヲキセカクル」
きせ‐はぎ【着せ剥ぎ】🔗⭐🔉
きせ‐はぎ【着せ剥ぎ】
①俳優に興行中だけ衣裳を貸すこと。また、その衣裳。
②奉公人に奉公中だけ着物を貸すこと。また、その着物。
き・せる【着せる】🔗⭐🔉
き・せる【着せる】
〔他下一〕[文]き・す(下二)
①衣服などを身に付けさせる。着させる。古事記中「一つ松人にありせば太刀佩けましを衣―・せましを」。雄略紀「ぬば玉の甲斐の黒駒鞍―・せば」。「子供に服を―・せる」「歯に衣を―・せない」
②他の物を包む。かぶせる。
③負わせる。受けさせる。昨日は今日の物語「まづ養育なされ候ふとて、恩に御―・せ候へども」。「罪を―・せる」「恩に―・せる」
④打つ。たたく。仁勢物語「馬取の鼻捻はなねじほどの棒もがな濡らせる人を―・せて腹癒いん」
きせ‐わた【着せ綿・被綿】🔗⭐🔉
きせ‐わた【着せ綿・被綿】
①(→)「きくのきせわた」に同じ。
②物の上にかぶせた綿。
③〔植〕シソ科の多年草。高さ約80センチメートル。茎は四角、葉は楕円形で縁に粗い切れ込みがある。秋の初め、上部の葉腋に淡紅色の唇形花が群がって開く。
きそい‐がり【着襲狩・競狩】キソヒ‥🔗⭐🔉
きそい‐がり【着襲狩・競狩】キソヒ‥
(「競狩」は「着襲きそい」を「競きそい」と解したのに基づく)5月の節句に、狩の衣服を整えて山野に出て薬草や鹿茸ろくじょうを採集する行事。くすりがり。万葉集17「かきつばた衣にすりつけますらをの―する月は来にけり」
き‐そ・う【着襲ふ】‥ソフ🔗⭐🔉
き‐そ・う【着襲ふ】‥ソフ
〔他四〕
着物を重ねて着る。万葉集5「布肩衣ありのことごと―・へども寒き夜すらを」
き‐そな・う【着具ふ】‥ソナフ🔗⭐🔉
き‐そな・う【着具ふ】‥ソナフ
〔他四〕
整えて着用する。きちんと着る。古事記上「白
の衣手―・ふ」

きそ‐はじめ【着衣始】🔗⭐🔉
きそ‐はじめ【着衣始】
江戸時代、正月に新衣を着始めること。また、その儀式。〈[季]新年〉
き‐そ・む【着初む】🔗⭐🔉
き‐そ・む【着初む】
〔他下二〕
初めて着る。着はじめる。
きた‐きり【着た切り】🔗⭐🔉
きた‐きり【着た切り】
今着ている衣服だけで、他に着がえのないこと。
⇒きたきり‐すずめ【着た切り雀】
きたきり‐すずめ【着た切り雀】🔗⭐🔉
きたきり‐すずめ【着た切り雀】
(「舌切雀」の語呂に合わせた語)着た切りの人。浮世風呂3「こちとらはどうで―ときてゐるから」
⇒きた‐きり【着た切り】
き‐な・す【着為す】🔗⭐🔉
き‐な・す【着為す】
〔他四〕
ある状態になるように着る。着て、ある状態にする。源氏物語夕顔「黄なるすずしの単袴、長く―・したる童」
き‐なや・す【着萎す】🔗⭐🔉
き‐なや・す【着萎す】
〔他四〕
着てよれよれにする。着てぐたぐたにする。蜻蛉日記上「―・したるものの」
き‐なら・う【着習ふ】‥ナラフ🔗⭐🔉
き‐なら・う【着習ふ】‥ナラフ
〔他四〕
着ることになれる。
き‐なり【着形】🔗⭐🔉
き‐なり【着形】
着物をきた形。
き‐の‐まま【着の儘】🔗⭐🔉
き‐の‐まま【着の儘】
着ているままで、着物をとりかえないさま。着の身着の儘。
きのみ‐きのまま【着の身着の儘】🔗⭐🔉
きのみ‐きのまま【着の身着の儘】
①(→)「着の儘」に同じ。
②着ている着物のほか、何物も持っていないこと。東海道中膝栗毛初「貧乏人の気散じさ、―」。「―で避難する」
き‐ばえ【着映え】🔗⭐🔉
き‐ばえ【着映え】
衣服など身に着けてりっぱに見えること。「―がしない着物だ」
き‐はや・す【着栄す】🔗⭐🔉
き‐はや・す【着栄す】
〔他四〕
人目に立つほどに着飾る。紫式部日記「宰相の君は…衣の色も人よりけに―・し給へり」
○気は世を蓋うきはよをおおう
[史記項羽本紀「力は山を抜き気は世を蓋う」]気力が雄大で世を圧倒すること。蓋世がいせい。
⇒き【気】
き‐ふるし【着古し】🔗⭐🔉
き‐ふるし【着古し】
着て古くなること。また、その着物。古着。
き‐ふる・す【着古す】🔗⭐🔉
き‐ふる・す【着古す】
〔他五〕
着物を古くなるまで着る。きならす。〈日葡辞書〉
き‐まわし【着回し】‥マハシ🔗⭐🔉
き‐まわし【着回し】‥マハシ
一つの服を、組合せを変えて着ること。「―のきく服」
きる【着る・著る】🔗⭐🔉
きる【着る・著る】
〔他上一〕
①身につける。着用する。万3「筑紫の綿は身につけて未だはきねど暖かに見ゆ」。平家物語4「紺地の錦のひたたれに唐綾威の鎧きて」。「洋服をきる」
▷現代では、袴はかま・ズボン・靴下などは「はく」、帽子は「かぶる」、手袋は「はめる」を用いる。
②はく。枕草子45「似にげなきもの。…下衆げすの紅の袴きたる」。狂言、料理聟「袴をきたことがないによつて」
③かぶる。曠野「笠をきてみなみな蓮に暮れにけり」(古梵)
④受ける。身に負う。御伽草子、猿源氏草子「又いなと申せば、人の怨みをきると言ひ」。「罪をきる」「恩にきる」
け・す【着す】🔗⭐🔉
け・す【着す】
〔他四〕
(「着る」の尊敬語)お召しになる。万葉集4「吾がせこが―・せる衣」
け・り【服り・着り】🔗⭐🔉
け・り【服り・着り】
〔他ラ変〕
(上一段活用の着ルの連用形キにアリの付いたキアリの約)着ている。万葉集6「吾がせこが―・る衣きぬ薄し」
じゃく・す【着す】ヂヤク‥🔗⭐🔉
じゃく・す【着す】ヂヤク‥
〔自サ変〕
執着する。狂言、鶏猫けいみょう「物毎に―・すによつての事ぢや」
ちゃく‐い【着衣】🔗⭐🔉
ちゃく‐い【着衣】
衣服を着ること。また、着た衣服。ちゃくえ。
⇒ちゃくい‐えい【着衣泳】
⇒ちゃくい‐の‐いわい【着衣の祝】
ちゃく‐い【着意】🔗⭐🔉
ちゃく‐い【着意】
①心をとどめること。気をつけること。
②心に思いついた考え。着想。
ちゃくい‐えい【着衣泳】🔗⭐🔉
ちゃくい‐えい【着衣泳】
水難事故の際などに、衣服をつけたまま泳ぐこと。
⇒ちゃく‐い【着衣】
ちゃくい‐の‐いわい【着衣の祝】‥イハヒ🔗⭐🔉
ちゃくい‐の‐いわい【着衣の祝】‥イハヒ
産児に初めてうぶぎを着せる祝い。うぶぎのいわい。ちゃくえ。
⇒ちゃく‐い【着衣】
ちゃく‐え【着衣】🔗⭐🔉
ちゃく‐え【着衣】
①⇒ちゃくい。
②(→)「着衣ちゃくいの祝」に同じ。
ちゃく‐えき【着駅】🔗⭐🔉
ちゃく‐えき【着駅】
汽車・電車などの到着先の駅。「―払い」↔発駅
ちゃく‐がん【着岸】🔗⭐🔉
ちゃく‐がん【着岸】
岸に着くこと。
ちゃく‐がん【着眼】🔗⭐🔉
ちゃく‐がん【着眼】
物事をしたり考えたりするために、特定のところに目をつけること。その目のつけかた。また、目のつけどころ。着目。「いいところに―した」
⇒ちゃくがん‐てん【着眼点】
ちゃくがん‐てん【着眼点】🔗⭐🔉
ちゃくがん‐てん【着眼点】
目のつけどころ。
⇒ちゃく‐がん【着眼】
ちゃく‐ぎょ【着御】🔗⭐🔉
ちゃく‐ぎょ【着御】
①天皇などが席または目的地につくことの尊敬語。↔発御はつぎょ。
②天皇などが衣服を着けることの尊敬語。お召しになること。
ちゃく‐ざ【着座】🔗⭐🔉
ちゃく‐ざ【着座】
①座につくこと。すわること。
②公卿が任官して、太政官庁・外記庁げきのちょうの座に着く儀式。
ちゃく‐じ【着時】🔗⭐🔉
ちゃく‐じ【着時】
①到着の時刻。
②即時。すぐ。日葡辞書「チャクジニスル」
ちゃく‐じつ【着実】🔗⭐🔉
ちゃく‐じつ【着実】
態度が、おちついて軽率でないこと。また、物事があぶなげなく行われること。「―な気風」「―に業績を伸ばす」
ちゃく‐しゅ【着手】🔗⭐🔉
ちゃく‐しゅ【着手】
①手をつけること。とりかかること。しはじめ。「研究に―する」
②〔法〕(「著手」とも書く)犯罪の実行の開始、すなわち犯罪構成要件の一部分が実現されたこと。窃盗犯で、金品を物色する行為をはじめたときなど。実行の着手の有無により未遂と予備・陰謀とに区別される。
ちゃく‐しゅう【着臭】‥シウ🔗⭐🔉
ちゃく‐しゅう【着臭】‥シウ
においを付けること。特に、無臭のガスなどににおいを付けて嗅ぎ取れるようにすること。
ちゃく‐じゅん【着順】🔗⭐🔉
ちゃく‐じゅん【着順】
競走などで目標地点への到着順序。「―判定」
ちゃく・する【着する・著する】🔗⭐🔉
ちゃく・する【着する・著する】
[文]着す(サ変)
[一]〔自サ変〕
①ぴったりとつく。
②いたる。とどく。到着する。古今著聞集2「舟をになひて岸に―・しけり」
③執着する。「一事に―・する」→着じゃくす。
[二]〔他サ変〕
きる。着用する。また、身につける。持つ。
ちゃく‐ちゃく【着着】🔗⭐🔉
ちゃく‐ちゃく【着着】
物事が順序を追ってはかどるさま。一歩一歩。「仕事が―と進む」
ちゃく‐に【着荷】🔗⭐🔉
ちゃく‐に【着荷】
荷物が到着すること。また、その荷物。ちゃっか。
ちゃく‐メロ【着メロ】🔗⭐🔉
ちゃく‐メロ【着メロ】
着信メロディーの略。着信音がメロディーになっているもの。
ちゃっ‐か【着火】チヤククワ🔗⭐🔉
ちゃっ‐か【着火】チヤククワ
火をつけること。火がつくこと。点火。
⇒ちゃっか‐てん【着火点】
ちゃっ‐か【着果】チヤククワ🔗⭐🔉
ちゃっ‐か【着果】チヤククワ
果実がつくこと。主にその収量との関連でいう。
ちゃっ‐か【着荷】チヤク‥🔗⭐🔉
ちゃっ‐か【着荷】チヤク‥
荷物が到着すること。また、その荷物。ちゃくに。
ちゃっか‐てん【着火点】チヤククワ‥🔗⭐🔉
ちゃっか‐てん【着火点】チヤククワ‥
(→)発火点に同じ。
⇒ちゃっ‐か【着火】
ちゃっ‐かん【着艦】チヤク‥🔗⭐🔉
ちゃっ‐かん【着艦】チヤク‥
①艦に到着すること。
②飛行機が航空母艦などの甲板に降着すること。
ちゃっ‐きん【着金】チヤク‥🔗⭐🔉
ちゃっ‐きん【着金】チヤク‥
送金が到着すること。
ちゃっ‐けん【着剣】チヤク‥🔗⭐🔉
ちゃっ‐けん【着剣】チヤク‥
銃の先に銃剣をつけること。
ちゃっ‐こ【着袴】チヤク‥🔗⭐🔉
ちゃっ‐こ【着袴】チヤク‥
①はかまをはくこと。
②(→)袴着はかまぎに同じ。
ちゃっ‐こう【着工】チヤク‥🔗⭐🔉
ちゃっ‐こう【着工】チヤク‥
工事に着手すること。
ちゃっ‐こう【着港】チヤクカウ🔗⭐🔉
ちゃっ‐こう【着港】チヤクカウ
船が港に着くこと。入港。
ちゃっこう‐りょう【着香料】チヤクカウレウ🔗⭐🔉
ちゃっこう‐りょう【着香料】チヤクカウレウ
食品に匂いをつけるために用いる香料。
ちゃっ‐こく【着国】チヤク‥🔗⭐🔉
ちゃっ‐こく【着国】チヤク‥
国もとに到着すること。日葡辞書「ゴチャッコクナサレタ」
つか・う【付かふ・着かふ】ツカフ🔗⭐🔉
つか・う【付かふ・着かふ】ツカフ
〔自四〕
(ツクに接尾語フの付いた語)ひきつづいてつく。万葉集10「色―・ふ秋の露霜な降りそね妹が手本たもとを纏まかぬ今夜は」
つき‐あま・る【着き余る】🔗⭐🔉
つき‐あま・る【着き余る】
〔自四〕
人数が多くて、席からはみ出る。席におさまりきらない。源氏物語少女「数定まれる座に―・りて帰りまかづる大学の衆どもあるを」
つき‐な・む【着き並む】🔗⭐🔉
つき‐な・む【着き並む】
〔自四〕
居並んで着席する。つきならぶ。宇津保物語梅花笠「男きんだち―・み給ひぬ」
つき‐なら・ぶ【着き並ぶ】🔗⭐🔉
つき‐なら・ぶ【着き並ぶ】
〔自四〕
(→)「つきなむ」に同じ。
つき‐に‐けり【着きにけり】🔗⭐🔉
つき‐に‐けり【着きにけり】
(謡曲・浄瑠璃の文の末尾に多く用いられることから)終り。しまい。二番鶏「つれなさの―には冷火燵ひえごたつ」(貞佐)
つき‐わた・る【着き渡る】🔗⭐🔉
つき‐わた・る【着き渡る】
〔自四〕
ずらりと並んで着座する。源氏物語胡蝶「おとどの君を始め奉りて、皆―・り給ふ」
つ・く【付く・附く・着く・就く・即く】🔗⭐🔉
つ・く【付く・附く・着く・就く・即く】
[一]〔自五〕
➊二つの物が離れない状態になる。
①ぴったり一緒になる。くっつく。古事記下「たこむらに虻あむかき―・き」。万葉集20「旅と云へど真旅になりぬ家の母もが着せし衣に垢―・きにかり」。「よく―・く糊のり」
②㋐しるしが残る。源氏物語帚木「かかる疵さへ―・きぬれば」
㋑書き入れられる。記される。「帳簿に―・いていない」
㋒そまる。万葉集7「倭やまとの宇陀の真赤土まはにのさ丹―・かば」
③沿う。源氏物語末摘花「蔭に―・きて立ち隠れ給へば」。「塀に―・いて曲がる」
④(目に)とまる。注意をひく。万葉集1「へそがたの林のさきの狭野榛さのはりの衣に着くなす眼に―・くわが背」。「耳に―・く」
➋他のもののあとに従いつづく。
①心を寄せる。従う。味方する。万葉集14「高き嶺に雲のつくのすわれさへに君に―・きなな高嶺と思もひて」。伊勢物語「家刀自まめに思はむといふ人に―・きて人の国へいにけり」。平家物語9「平家にそむいて源氏に―・かんとしけるが」。日葡辞書「ヒトノテニツク」。「彼の言葉に―・く」
②あとに続く。随従する。源氏物語若紫「忍びて引き入りたまふに―・きてすべり入りて」「法花三昧行ふ堂の懺法の声山おろしに―・きて聞えくる」。「兄に―・いて行く」
③つきそう。かしずく。平家物語10「是も八つより―・き奉て、重景にも劣らず不便にし給ひければ」
④従いまなぶ。「先生に―・く」
➌あるものが他のところまで及びいたる。
①到着する。届く。万葉集15「家人は待ち恋ふらむに遠の国未だも―・かず大和をも遠くさかりて」。土佐日記「澪標みおつくしのもとよりいでて難波に―・きて河尻に入る」。「目的地に―・く」「荷物が―・く」
②通じる。「道が―・く」
➍その身にまつわる。
①その身にそなわる。源氏物語葵「物になさけおくれてすぐすぐしき所―・き給へるあまりに」。「身に―・いている物」
②わが物となる。すっかりその物となる。「くせが―・く」
③ぴったりする。よくあう。源氏物語桐壺「大殿の君いとをかしげにかしづかれたる人とは見ゆれど心にも―・かず覚え給ひて」
➎感覚や力などが働きだす。
①その気になる。心がきまる。源氏物語若紫「かの人の御かはりに明暮の慰みにも見ばやと思ふ心深う―・きぬ」。平家物語2「他人の口よりもれぬさきに、かへり忠して命生かうど思ふ心ぞ―・きにける」。「決心が―・く」
②力や才能が加わる。源氏物語帚木「寝覚の語らひにも身の才―・き朝廷おおやけに仕うまつるべき道々しき事を教へて」。「力が―・く」
③(「点く」とも書く)燃え始める。ともる。万葉集2「冬ごもり春さりくれば野ごとに―・きてある火の風の共むた靡くが如く」。「火が―・く」「電灯が―・く」
④感染して効果を生じる。「種痘が―・く」
⑤植えた木や挿木さしきが根をおろす。猿蓑「さし木―・きたる月の朧夜」(凡兆)
⑥(「憑く」と書く)のりうつる。大鏡伊尹「護法―・きたる法師おはします御屏風のつらにひきつけられて」。日葡辞書「テングガヒトニツク」
⑦(「ついている」の形で)運が向いている。
➏定まる。決まる。
①定められ負う。平治物語「その頼信を打ち返して信頼と―・き給ふ右衛門督殿は」。「名が―・く」
②値が定まる。値する。「値段が―・いていない」「高く―・く」
③おさまる。落ちつく。まとまる。「かたが―・く」「話が―・く」
➐ある位置に身をおく。
①帝位にのぼる。即位する。源氏物語薄雲「御位に―・きおはしまししまで」。「皇位に―・く」
②その場所に安定する。座をしめる。源氏物語桐壺「みこたちの御座の末に源氏―・き給へり」。徒然草「出仕して饗膳などに―・く時も」。「床に―・く」
③任務を負う。仕事を始める。「任に―・く」
④こもる。「鳥屋とやに―・く」「塒ねぐらに―・く」
➑(他の語に付けて用いる。多くヅクとなる)その様子になる。なりかかる。平家物語6「入道相国病ひ―・き給ひし日よりして、水をだに喉へ入れたまはず」→づく。
➒(「つきて」「ついて」の形で)
㋐関して。徒然草「古への聖代すべて起請文に―・きて行はるるまつりごとはなきを」。「一身上の事に―・いて」
㋑…ごとに。「一人に―・き、一点限り」
➓(助詞の「に」に接続して)…により。…だから。「定休日に―・き休業します」
[二]〔他下二〕
⇒つける(下一)
◇➌1や➐2には「着」、➐はふつう「就」で、特に➐1には「即」を使う。
つけ‐どころ【付け所・着け所】🔗⭐🔉
つけ‐どころ【付け所・着け所】
①つけるべき箇所。「目の―」
②雅楽で、句頭の独唱または音頭の独奏から、斉唱または合奏に移る所。
つ・ける【付ける・附ける・着ける・就ける・即ける】🔗⭐🔉
つ・ける【付ける・附ける・着ける・就ける・即ける】
〔他下一〕[文]つ・く(下二)
➊二つの物を離れない状態にする。
①ぴったり一緒にする。くっつける。貼る。竹取物語「この玉の枝に文ぞ―・けたりける」。万葉集20「わぎもこが―・けし紐が緒お絶えにけるかも」。「身頃に袖を―・ける」
②書き入れる。記す。あとを残す。印する。徒然草「人の語りしままに書き―・けはべるなり」。「日誌を―・ける」「足跡を―・ける」
③染める。色をうつす。万葉集17「かきつばた衣にすり―・けますらをのきそひ狩りする月は来にけり」。日葡辞書「イロヲツクル」
④塗る。こすりつける。源氏物語末摘花「鼻に紅を―・けて見給ふに」。日葡辞書「キズニクスリヲツクル」
➋ある物を他の物の後に従わせる。
①服従させる。味方にする。従わせる。孝徳紀「任那みまなの国を以て百済くだらに属つけ賜ふ」
②あとにつづかせる。つづける。無名抄「君が宿にて君と明かさんと―・けたるを」。日葡辞書「レンガ(連歌)ヲツクル」
③尾行する。追跡する。あとを追う。日葡辞書「アトヲツクル、アトヲツケテユク」。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「今まで西口に―・けてゐましたが、爰へはまだ見えぬか」
④つきそわせる。かしずかせる。源氏物語花宴「心も空にて思ひ至らぬくまなき良清、惟光を―・けてうかがはせ給ひければ」。日葡辞書「ヒトニヒトヲツクル」。「付き添いを―・ける」
⑤従って学ばせる。「家庭教師に―・ける」
➌ある物を他の物のところまで及びつかせる。
①届かせる。行きつかせる。及ぼす。到着させる。伊勢物語「あるじ聞き―・けて」。日葡辞書「フネヲツクル」
②増し加える。添える。源氏物語末摘花「すこし今めきたるけを―・けばやとぞ、乱れたる心には心もとなく思ひゐたる」。日本永代蔵5「近代の縁組は相生・形にも構はず、―・けておこす金性の娘を好む事世の習ひとはなりぬ」。「割増金を―・ける」「はずみを―・ける」
③設ける。「道を―・ける」「書斎に電話を―・ける」
➍身にまといつける。
①身にまとう。着る。万葉集3「しらぬひ筑紫の綿は身に―・けて未だは着ねど」。「首飾りを―・ける」
②わがものとする。「教養を身に―・ける」「手に職を―・ける」
➎感覚や力を働かす。
①心をむける。万葉集19「うつせみの常なき見れば世の中に心―・けずて思ふ日そ多き」。日葡辞書「キ・ココロヲツクル」「メヲツクル」
②燃えうつらせる。発火させる。伊勢物語「この野はぬす人あなりとて火―・けむとす」。日葡辞書「イエニヒヲツクル」
③ともす。器具のスイッチを入れる。源氏物語末摘花「大となぶら消えにけるをともし―・くる人もなし」。「電灯を―・ける」
➏他にあつらえる。
①ことづける。伊勢物語「修業者あひたり、京にその人の御もとにとてふみかきて―・く」。今昔物語集19「己れが兄弟にて侍る僧に―・けて言はしめ侍るなり」
②負わせる。源氏物語野分「そのほかはつゆ難―・くべうもあらず」。「なんくせを―・ける」
③呼ぶ。命名する。源氏物語桐壺「光君といふ名は高麗人のめで聞えて―・け奉りける」。日葡辞書「ナヲツクル」
④定める。「値段を―・ける」「見込みを―・ける」
⑤決着に至らせる。まとめる。「片を―・ける」「話を―・ける」
➐ある位置におかせる。
①即位させる。平家物語8「抑、臣等が慮りを以て選びて位に―・け奉らん事、用捨私有るに似たり」。「王位に―・ける」
②すわらせる。「席に―・ける」
③位置を占めさせる。「上座に―・ける」
④役を与える。「局長の地位に―・ける」
➑(他の動詞に付いて)常に…する。なれる。源氏物語桐壺「亡せ給ひにし御息所の御かたちに似給へる人を三代の宮仕につたはりぬるにえ見奉り―・けぬに」。日葡辞書「ワザヲシツクル」「フネニノリツケタヒト」。「使い―・ける」
➒他の動詞に付いて、勢いのはげしい意を表し、あるいは語調を強める。「叱り―・ける」
➓(主に「…につけて」の形で)応じる。関する。よる。ことよせる。古今和歌集序「心に思ふことを見るもの聞くものに―・けていひいだせるなり」。源氏物語桐壺「朝夕の宮仕に―・けても人の心をうごかし」。「雨風に―・けて子を思う」「それに―・けても金の欲しさよ」「よいに―・け悪いに―・け」
◇到着・着席・着用などの場合に「着」、就任・就労などでは「就」、即位には「即」を使う。
と・く【着く】🔗⭐🔉
と・く【着く】
〔自四〕
(ツクの転)到着する。つく。古事記中「伊知遅いちじ島、美島に―・き」
は・く【佩く・帯く・着く・穿く・履く】🔗⭐🔉
は・く【佩く・帯く・着く・穿く・履く】
〔他五・下二〕
①(多く「佩く」と書く)腰につける。さす。帯びる。古事記中「やつめさす出雲建いずもたけるが―・ける太刀つづら多纏さわまきさ身なしにあはれ」「一つ松人にありせば太刀―・けましを」
②《穿》腰から下の部分を覆う衣類を身につける。うがつ。「ズボンを―・く」
③《履》下駄・靴・足袋たび・靴下などを、足先につける。万葉集9「髪だにも掻きは梳らず履くつをだに―・かず行けども」。源氏物語浮舟「わが沓を―・かせて、自らは供なる人々のあやしきものを―・きたり」。天草本伊曾保物語「足袋を―・き」
④弦を弓にかける。万葉集14「陸奥の安太多良あだたら真弓はじき置きて反せらしめきなば弦つら―・かめかも」。万葉集2「梓弓弦緒つらお取り―・け引く人は」
[漢]着🔗⭐🔉
着 字形
筆順
〔羊(
)部6画/12画/教育/3569・4365〕
〔音〕チャク(漢) ジャク〈ヂャク〉(呉)
〔訓〕きる・きせる・つく・つける
[意味]
①きる。衣服などを身につける。(対)脱。「着衣・着用・着服」▶衣服を数える語としても使う。「背広一着」
②つく。ぴったりとついて離れない。(対)離。「着席・着陸・密着・土着・愛着あいちゃく・あいじゃく」
③ゆきつく。とどく。(対)発。「到着・終着・先着・着信・着弾」▶到着の順序にもいう。「第二着」
④きまりがつく。おちつく。「決着・着実・沈着」
⑤つける。くっつける。「着手・着色・着眼」
⑥動詞に付いて、その動作がゆきつく意を添える助字。「逢着ほうちゃく・瞞着まんちゃく」
[解字]
もと、「
」の俗字。→[著]
[下ツキ
愛着・安着・延着・横着・活着・帰着・吸着・凝着・巾着・近着・決着・結着・膠着・固着・糊着・参着・執着・祝着・終着・新着・接着・先着・早着・装着・弾着・沈着・定着・展着・到着・同着・撞着・土着・頓着・粘着・発着・必着・漂着・不着・付着・逢着・瞞着・未着・密着・捫着・悶着・癒着・来着・落着・恋着




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