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でっちょう‐そう【粘葉装】‥テフサウ🔗🔉

でっちょう‐そう粘葉装‥テフサウ (デッテフはデツエフの連声。デツは字音デンの転)和装本の製本方式の一つ。料紙を1枚ずつ二つ折りにし、各紙の折り目近くの外側面に糊をつけて重ね合わせ、接着させて一冊とする。糸・紐は用いない。表紙は前後から添えるか、またはくるみ表紙とする。多くは両面に書写・印刷する。開くと胡蝶が羽を広げたような感じとなるので、胡蝶装ともいう。 粘葉装

ねば【粘】🔗🔉

ねば】 ①ねばこいこと。ねばいもの。「お―」 ②(→)「ねばつち」の略。

ねば・い【粘い】🔗🔉

ねば・い粘い】 〔形〕[文]ねば・し(ク) ①ねばり気が多い。ねばっこい。 ②動作が重く鈍い。すばやくない。日葡辞書「ネバイヒト」

ねば‐がた・し【粘固し】🔗🔉

ねば‐がた・し粘固し】 〔形ク〕 ①弾力性があって固い。日葡辞書「ネバガタイキ(木)」 ②ねばりづよい。日葡辞書「ネバガタイヒト」

ねば・す【粘す】🔗🔉

ねば・す粘す】 〔他四〕 ねばるようにする。ねばらせる。〈日葡辞書〉

ねば‐つ・く【粘着く】🔗🔉

ねば‐つ・く粘着く】 〔自五〕 ねばって物につく。ねばねばする。べたつく。「納豆が―・く」

ねばっ‐こ・い【粘っこい】🔗🔉

ねばっ‐こ・い粘っこい】 〔形〕 ①ねばねばしている。ねばりけがある。 ②性格・言動などが、しつこい。また、ねばりづよい。「―・い攻撃」「―・く問い詰める」

ねば‐つち【粘土】🔗🔉

ねば‐つち粘土】 ねばりのある土。ねんど。〈日葡辞書〉

ねば‐ねば【粘粘】🔗🔉

ねば‐ねば粘粘】 糸を引くような粘り気があるさま。また、そういうもの。「やにが―とくっつく」「―を洗い落とす」

ねばり【粘り】🔗🔉

ねばり粘り】 ①ねばること。ねばるもの。また、その性質や程度。「―を取る」 ②耐え忍んで持ちこたえる力。「―のある試合運び」 ⇒ねばり‐がち【粘り勝ち】 ⇒ねばり‐け【粘り気】 ⇒ねばり‐ごし【粘り腰】 ⇒ねばり‐のぎらん【粘芒蘭】 ⇒ねばり‐も【粘藻】

ねばり‐がち【粘り勝ち】🔗🔉

ねばり‐がち粘り勝ち】 あきらめずに耐え忍んで勝つこと。 ⇒ねばり【粘り】

ねばり‐け【粘り気】🔗🔉

ねばり‐け粘り気】 ねばりつく性質。粘着力。 ⇒ねばり【粘り】

ねばり‐ごし【粘り腰】🔗🔉

ねばり‐ごし粘り腰】 相撲などで、相手の攻撃をもちこたえる粘り強い腰。比喩的に、物事に屈しない粘り強い態度。二枚腰。 ⇒ねばり【粘り】

ねばり‐つ・く【粘り着く】🔗🔉

ねばり‐つ・く粘り着く】 〔自五〕 ねばって物につく。「あめが歯に―・く」

ねばり‐づよ・い【粘り強い】🔗🔉

ねばり‐づよ・い粘り強い】 〔形〕[文]ねばりづよ・し(ク) ①ねばりけが多い。 ②耐えしのぶ力が強い。根気づよい。「―・い性格」「―・く戦う」 ③〔理〕靱性じんせいが大きい。

ねばり‐ぬ・く【粘り抜く】🔗🔉

ねばり‐ぬ・く粘り抜く】 〔自五〕 根気強く事をし通す。「最後まで―・く」

ねばり‐のぎらん【粘芒蘭】🔗🔉

ねばり‐のぎらん粘芒蘭】 ユリ科の多年草。高山の草地に生え、高さ20〜30センチメートル。葉は根生し、黄緑色。8月頃花茎の先端に多数の黄色の小花を穂状に開き、花穂はやや粘りつく。 ⇒ねばり【粘り】

ねばり‐も【粘藻】🔗🔉

ねばり‐も粘藻】 褐藻類ネバリモ科の海藻。粘質のある半球状で、直径2〜5センチメートル。世界各地の潮間帯の岩上に生育。 ⇒ねばり【粘り】

ねば・る【粘る】🔗🔉

ねば・る粘る】 〔自五〕 ①やわらかで、ちぎれにくく、物によくくっつく。徒然草「膠にかわにも作るものなれば―・りたるものにこそ」。「べたべた―・って扱いにくい」 ②長時間にわたって根気づよく事をする。「あきらめずに―・る」

ねば‐わた【粘綿】🔗🔉

ねば‐わた粘綿(→)真綿まわたの異称。

ねやし‐ぎぬ【粘絹】🔗🔉

ねやし‐ぎぬ粘絹(→)「ねりぎぬ(練絹)」に同じ。

ねや・す【黏す・粘す】🔗🔉

ねや・す黏す・粘す】 〔他四〕 ①練ってねばりけがあるようにする、また、やわらかにする。こねる。日葡辞書「ソクイ(続飯)ヲヲ(押)シネヤス」 ②(「錬す」と書く)金属を錬り上げる。精錬する。西大寺本最勝王経平安初期点「鑪の中にして銷ち錬ネヤシて清浄の金を得つ」

ね・ゆ【粘ゆ】🔗🔉

ね・ゆ粘ゆ】 〔自下二〕 ねばる。〈伊呂波字類抄〉

ねり【粘剤】🔗🔉

ねり粘剤】 和紙の流し漉きのため、紙料に混ぜる植物粘液。繊維を均等に分散して漂浮させ、美しく強い紙を造るのに有効に作用する。粘液を抽出する植物は主としてトロロアオイとノリウツギ。

ね・る【練る・錬る・粘る・煉る】(他五)🔗🔉

ね・る練る・錬る・粘る・煉る】 〔他五〕 ①絹を灰汁あくなどで煮て柔らかくする。宇津保物語蔵開上「―・りたるうち綾」。日葡辞書「イトヲネル」 ②木の枝や蔓を柔らかくして曲げて作る。拾遺和歌集「かの岡に萩かる男縄をなみ―・るやねりその砕けてぞ思ふ」 ③こねまぜて、ねばらせる。太平記18「泥に―・られたる魚の如くにて」。「粘土を―・る」「糊を―・る」 ④精製する。為忠百首「潮―・るかまどの煙けをぬるみ雪もたまらぬあまのあばらや」 ⑤革かわ類を撓たわめ作る。なめす。「皮を―・る」 ⑥鉄などに焼きを入れ硬度を調える。精錬する。日葡辞書「カネヲネリキタウ」 ⑦学問・技芸をみがく。心身を鍛える。修養をつむ。浮世床「いやいや、爰ぢやとナ、気を丹田に―・つて、金壱分を胃の腑にとつと落付けてナ」。「人格を―・る」 ⑧推敲すいこうする。何度も考えて一層よくする。「草案を―・る」「作戦を―・る」

ねん‐えき【粘液】🔗🔉

ねん‐えき粘液】 ①ねばりけのある液汁。 ②生物体にある粘りのある液体の総称。粘液腺などから分泌される。蛋白質・糖その他を含み、動物では皮膚が乾燥することを防ぐなど、種々の役割を果たす。 ⇒ねんえき‐しつ【粘液質】 ⇒ねんえき‐すいしゅ【粘液水腫】 ⇒ねんえき‐せん【粘液腺】

ねんえき‐しつ【粘液質】🔗🔉

ねんえき‐しつ粘液質】 ヒポクラテス以来の気質の4類型の一つ。冷静で、不活発であるが、粘り強い気質。淋巴質リンパしつ⇒ねん‐えき【粘液】

ねんえき‐すいしゅ【粘液水腫】🔗🔉

ねんえき‐すいしゅ粘液水腫】 甲状腺の機能減退によって起こる疾患。皮膚が肥厚し、蒼白で浮腫状。基礎代謝が低下し、談話・思考・運動などが鈍くなる。 ⇒ねん‐えき【粘液】

ねんえき‐せん【粘液腺】🔗🔉

ねんえき‐せん粘液腺】 粘液を分泌する外分泌腺。動物では口腔・鼻腔・気道・消化管などの壁に多数存在して粘膜表面に開口し、分泌された粘液が表面を覆う。植物では食虫植物などに顕著。 ⇒ねん‐えき【粘液】

ねん‐かつ【粘滑】‥クワツ🔗🔉

ねん‐かつ粘滑‥クワツ ねばってなめらかなこと。

ねん‐きん【粘菌】🔗🔉

ねん‐きん粘菌】 アメーバ状の栄養体と、胞子をつくる子実体の両方をもつ原生動物の一群。かつては菌類の一群とされた。真正粘菌(変形菌)と細胞性粘菌に大別される。

ねんけつ‐たん【粘結炭】🔗🔉

ねんけつ‐たん粘結炭】 石炭の一種。乾留すると一定温度において溶融し、揮発分を発生した後、多孔性の硬いコークスとなるもの。製鉄用コークスの原料。

ねん‐せい【粘性】🔗🔉

ねん‐せい粘性】 ①ねばる性質。 ②〔理〕(viscosity)流体内部で流れの速度が一様でないとき、速度を一様にしようとする力が生ずるような流体の性質。実在の流体には必ず多少の粘性がある。 ⇒ねんせい‐りつ【粘性率】

ねんせい‐りつ【粘性率】🔗🔉

ねんせい‐りつ粘性率】 粘性の大小を表す量。流体中で流れの速度が異なるところがあると境界面で剪断せんだん応力が働き、その大きさは境界面の面積と面に垂直方向の速度勾配とに比例し、その間の比例係数として粘性率が定義される。一般に温度により著しく変化する。単位はパスカル秒またはポアズ。粘性係数。粘度。 ⇒ねん‐せい【粘性】

ねん‐たい【粘体】🔗🔉

ねん‐たい粘体】 固体と液体との中間の性質をもつ物体。飴・糊などの類。

ねんだん‐せい【粘弾性】🔗🔉

ねんだん‐せい粘弾性】 固体・液体の力学的性質の一つ。外力を加えて生じる変形が、時間に無関係な弾性的変形と時間に影響される粘性的流動の重なりとして現れる現象。高分子物質などで特に著しい。→レオロジー→クリープ

ねんちゃく‐ざい【粘着剤】🔗🔉

ねんちゃく‐ざい粘着剤】 接着剤の一種。一時的な接着に用い、後で剥がすことができる。合成樹脂系・合成ゴム系などがある。 ⇒ねん‐ちゃく【粘着】

ねんちゃく‐しつ【粘着質】🔗🔉

ねんちゃく‐しつ粘着質】 ①(→)粘液質に同じ。 ②(→)粘着性に同じ。 ③しつこい性格であること。 ⇒ねん‐ちゃく【粘着】

ねんちゃく‐せい【粘着性】🔗🔉

ねんちゃく‐せい粘着性】 ①ねばりつく性質。 ②〔心〕感情の動きが少なく、知的な働きが緩慢で、ときに爆発的に感情放出を行う気質。 ⇒ねん‐ちゃく【粘着】

ねんちゃく‐テープ【粘着テープ】🔗🔉

ねんちゃく‐テープ粘着テープ】 伸ばしてそのまま貼れるように糊を塗布したテープ。セロファン‐テープ・ビニール‐テープ・ガム‐テープなど。 ⇒ねん‐ちゃく【粘着】

ねんちゃく‐りょく【粘着力】🔗🔉

ねんちゃく‐りょく粘着力】 ねばりつく力。 ⇒ねん‐ちゃく【粘着】

ねん‐ちゅう【粘稠・黏稠】‥チウ🔗🔉

ねん‐ちゅう粘稠・黏稠‥チウ ねばりけがあって密度の濃いこと。 ⇒ねんちゅう‐ざい【粘稠剤・黏稠剤】

ねんちゅう‐ざい【粘稠剤・黏稠剤】‥チウ‥🔗🔉

ねんちゅう‐ざい粘稠剤・黏稠剤‥チウ‥ 液体に粘性を与えるため混ぜる物質。 ⇒ねん‐ちゅう【粘稠・黏稠】

ねん‐ど【粘土】🔗🔉

ねん‐ど粘土】 土壌学的には通常0.002ミリメートル以下の粒子をいう。造岩鉱物の化学的風化過程で生成する結晶質、非晶質の各種の粘土鉱物、酸化物鉱物から成る。広くは水を含めば粘性をもつ土の総称。れんが・瓦・セメント・陶磁器の製造原料となり、また児童の工作材料とする。ねばつち。「―細工」 ⇒ねんど‐かく【粘土槨】 ⇒ねんど‐がん【粘土岩】 ⇒ねんど‐こうしょう【粘土鉱床】 ⇒ねんど‐こうぶつ【粘土鉱物】 ⇒ねんど‐しつ【粘土質】

ねん‐ど【粘度】🔗🔉

ねん‐ど粘度】 流体の粘性のこと。または、その大きさを示す量、すなわち粘性率のこと。 ⇒ねんど‐けい【粘度計】

ねん‐とう【粘投】🔗🔉

ねん‐とう粘投】 野球で、投手が再三のピンチをしのぎながら投球すること。

ねんど‐かく【粘土槨】‥クワク🔗🔉

ねんど‐かく粘土槨‥クワク 古墳の埋葬施設の一種。木棺の周囲を粘土で被覆したもの。 ⇒ねん‐ど【粘土】

ねんど‐がん【粘土岩】🔗🔉

ねんど‐がん粘土岩】 堆積岩の一種。粘土粒子(直径256分の1ミリメートル以下)の集積した岩石。粘板岩・頁岩けつがんなどのうち細粒のものの総称。 ⇒ねん‐ど【粘土】

ねんど‐けい【粘度計】🔗🔉

ねんど‐けい粘度計】 流体の粘度を測定する器具。毛細管式・落球式・回転式・振動式などがある。 ⇒ねん‐ど【粘度】

ねんど‐こうしょう【粘土鉱床】‥クワウシヤウ🔗🔉

ねんど‐こうしょう粘土鉱床‥クワウシヤウ 有用な粘土鉱物を主成分とする鉱床。カオリン鉱床・酸性白土鉱床・蝋石ろうせき鉱床などの類。 ⇒ねん‐ど【粘土】

ねんど‐こうぶつ【粘土鉱物】‥クワウ‥🔗🔉

ねんど‐こうぶつ粘土鉱物‥クワウ‥ 粘土の主体を構成する鉱物。カオリナイト・アロフェン・モンモリロン石・緑泥石・絹雲母などの類。 ⇒ねん‐ど【粘土】

ねんど‐しつ【粘土質】🔗🔉

ねんど‐しつ粘土質】 粘土を多く含有する性質。 ⇒ねん‐ど【粘土】

ねんばん‐がん【粘板岩】🔗🔉

ねんばん‐がん粘板岩】 堆積岩の一種。泥(特に粘土)が固結して生じた暗灰ないし黒色緻密の岩石が弱変成したもので、薄く剥げやすい。スレート・石盤・硯石などに用いる。

ねん‐まく【粘膜】🔗🔉

ねん‐まく粘膜】 消化管・気道・泌尿生殖道などの管や腔所の内面をおおう柔らかい湿った上皮。常に表面に粘液を分泌している。 ⇒ねんまく‐がん【粘膜癌】

ねんまく‐がん【粘膜癌】🔗🔉

ねんまく‐がん粘膜癌】 粘膜上皮に発生した癌が粘膜にひろがり、粘膜内にとどまっているもの。粘膜内癌。 ⇒ねん‐まく【粘膜】

ねん‐もう【粘毛】🔗🔉

ねん‐もう粘毛】 植物の若葉・萼がくなどにあって、粘液を分泌する毛。→腺毛 ○念も無いねんもない ①思慮がない。狂言、馬口労ばくろう「ねんもなう行くまいぞ」 ②思いがけない。とんでもない。狂言、樽聟「―事、やる事はならぬ」 ③面白みがない。心をひかれることがない。男色大鑑「―絵などは見劣りて昔にあらぬ思ひとなれり」 ⇒ねん【念】

ねん‐りょく【粘力】🔗🔉

ねん‐りょく粘力】 ねばる力。ねばりづよさ。

へな【埴・粘土】🔗🔉

へな埴・粘土】 黒くて粘気ねばりけのある水底の泥土。荒壁に塗る。ねんど。へなつち。

へな‐つち【粘土】🔗🔉

へな‐つち粘土⇒へな(埴)

[漢]粘🔗🔉

 字形  筆順 〔米部5画/11画/常用/3920・4734〕 〔音〕ネン(呉) デン(漢) 〔訓〕ねばる [意味] ねばりつく。ねばりけがある。「粘着・粘土・粘膜・粘板岩・粘葉でっちょう」 [解字] 形声。「米」+音符「占」(=一か所に定着する)。ねばりつく米の意。[黏]が本字。

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