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おとし【落し】🔗🔉

おとし落し】 ①おとすこと。おとしたもの。「つるべ―」 ②入れるはずのものをうっかり忘れること。紫式部日記「え読み侍らぬところどころ、文字―ぞ侍らむ」 ③馬などを、急な坂道をくだらせること。平家物語9「究竟の荒馬のり、悪所―」 ④鳥獣などを捕らえるしかけ。また、おとし穴。日葡辞書「ヲトシニイルル」→おし(圧)[一]9。 ⑤話の結末。話のおち。「―話」 ⑥木製火鉢の内部の、灰を入れる部分。銅などでつくる。おとしがけ。「銅あかの―」 ⑦戸の桟さんにつけて敷居の穴におとし入れる戸締り用の木片。くるる。 ⑧㋐鉱脈中の品位のよい鉱石を含む部分で、下方に長くつづく形のもの。 ㋑鉱石や廃石を重力で流し落とす通路。 ⑨謡曲で下行する節の一つ。数種の型がある。おち。 ⑩近世邦楽で、終止のための定型的な旋律。種目により種々の型がある。例えば義太夫節の大落し・上総かずさ落し、常磐津・清元の豊後落しなど。 ⑪ウサギの糞。〈日葡辞書〉 ⑫裁ち落し。余りぎれ。 ⑬「落し巾着ぎんちゃく」の略。 ⇒おとし‐あな【落し穴】 ⇒おとし‐あみ【落し網】 ⇒おとし‐いも【落し薯】 ⇒おとし‐え【落し餌】 ⇒おとし‐えん【落し縁】 ⇒おとし‐がけ【落し懸け・落し掛け】 ⇒おとし‐がみ【落し紙】 ⇒おとし‐ぎんちゃく【落し巾着】 ⇒おとし‐ご【落し子】 ⇒おとし‐ざし【落し差し】 ⇒おとし‐だて【落し閉て】 ⇒おとし‐だな【落し棚】 ⇒おとし‐だね【落し胤】 ⇒おとし‐たまご【落し玉子】 ⇒おとし‐ちがいだな【落し違い棚】 ⇒おとし‐づの【落角】 ⇒おとし‐てんじょう【落し天井】 ⇒おとし‐どころ【落し所】 ⇒おとし‐ぬし【落し主】 ⇒おとし‐の‐おや【落しの親】 ⇒おとし‐ばなし【落し噺・落し咄】 ⇒おとし‐ばらげ【落し散毛】 ⇒おとし‐ぶた【落し蓋】 ⇒おとし‐ぶみ【落し文・落書】 ⇒おとし‐ぼり【落し堀】 ⇒おとし‐まえ【落し前】 ⇒おとし‐まく【落し幕】 ⇒おとし‐みず【落し水】 ⇒おとし‐みそ【落し味噌】 ⇒おとし‐もの【落し物】 ⇒おとし‐もの【落し者】 ⇒おとし‐や【落し矢】 ⇒おとし‐やき【落し焼】

おとし‐あな【落し穴】🔗🔉

おとし‐あな落し穴】 ①人や鳥獣をだまして落とすために地面に仕掛けた穴。 ②人をおとしいれる謀略。「―にはまる」 ③大きな失敗や不幸につながることでありながら、うっかり見逃している点。「高度成長の―」 ⇒おとし【落し】

おとし‐あみ【落し網】🔗🔉

おとし‐あみ落し網】 定置網の一種。魚が逃げないよう昇り勾配のある網をつけ、袋網に誘導する仕掛けをもったもの。大謀網だいぼうあみから発展した。 落し網 ⇒おとし【落し】

おとし‐いも【落し薯】🔗🔉

おとし‐いも落し薯】 吸物にすりいもを落とし入れた料理。 ⇒おとし【落し】

おとし‐え【落し餌】‥ヱ🔗🔉

おとし‐え落し餌‥ヱ 鷹が雛に樹上から落として与える餌。 ⇒おとし【落し】

おとし‐えん【落し縁】🔗🔉

おとし‐えん落し縁(→)落縁おちえんに同じ。 ⇒おとし【落し】

おとし‐がけ【落し懸け・落し掛け】🔗🔉

おとし‐がけ落し懸け・落し掛け】 ①急な坂。源氏物語東屋「―の高き所に」 ②仏龕ぶつがんなどの欄間らんまの下につける雲形などのほりもの。 ③床の間や書院窓の上に架けわたす横木。 ④元禄頃に流行した元結もとゆいのかけ方。根元に近くかけるもの。 ⑤火鉢のおとし。 ⇒おとし【落し】

おとし‐がみ【落し紙】🔗🔉

おとし‐がみ落し紙】 便所で使う紙。清紙きよめがみ⇒おとし【落し】

おとし‐ぎんちゃく【落し巾着】🔗🔉

おとし‐ぎんちゃく落し巾着】 ひもをつけて首や襟えりにかけるようにした巾着。おとし。 ⇒おとし【落し】

おとし‐ご【落し子】🔗🔉

おとし‐ご落し子】 貴人が、妻以外の女に生ませた子。おとしだね。比喩的に、ある事柄に付随して、意図されないで生ずる事柄。「受験地獄の―」 ⇒おとし【落し】

おとし‐ざし【落し差し】🔗🔉

おとし‐ざし落し差し】 刀をきちんとささずに、こじりを下げてさすこと。 ⇒おとし【落し】

おとし‐だて【落し閉て】🔗🔉

おとし‐だて落し閉て】 戸を上から落として閉めるようにしたもの。 ⇒おとし【落し】

おとし‐だな【落し棚】🔗🔉

おとし‐だな落し棚】 床脇の棚の一形式。落違棚おとしちがいだな。 落し棚 ⇒おとし【落し】

おとし‐だね【落し胤】🔗🔉

おとし‐だね落し胤】 貴人が、妻以外の女に生ませた子。落し子。らくいん。 ⇒おとし【落し】

おとし‐たまご【落し玉子】🔗🔉

おとし‐たまご落し玉子】 吸物の汁の中へ生卵を割って落とした料理。 ⇒おとし【落し】

おとし‐ちがいだな【落し違い棚】‥チガヒ‥🔗🔉

おとし‐ちがいだな落し違い棚‥チガヒ‥ (→)「落し棚」に同じ。 ⇒おとし【落し】

おとし‐つ・く【落し着く】🔗🔉

おとし‐つ・く落し着く】 〔他下二〕 ①気持をおちつかせる。なだめる。日葡辞書「シアン(思案)ヲヲトシツクル」 ②おちつきはらう。どっしりと構える。好色一代女1「万事―・けて居たる客」 ③考えを定める。きめこむ。浮世草子、沖津白波「必定一休の正筆に―・け」

おとし‐てんじょう【落し天井】‥ジヤウ🔗🔉

おとし‐てんじょう落し天井‥ジヤウ 他の部分より一段低く作った天井。主として茶室で使われる。おち天井。 ⇒おとし【落し】

おとし‐どころ【落し所】🔗🔉

おとし‐どころ落し所】 結着を付けるのに最適な場面。「―をさぐる」「―を心得た人」 ⇒おとし【落し】

おとし‐ぬし【落し主】🔗🔉

おとし‐ぬし落し主】 その金品を落としたり置き忘れたりした人。「財布の―が現れる」 ⇒おとし【落し】

おとし‐の‐おや【落しの親】🔗🔉

おとし‐の‐おや落しの親】 仮の親に対して、生みの親のこと。 ⇒おとし【落し】

おとし‐ばなし【落し噺・落し咄】🔗🔉

おとし‐ばなし落し噺・落し咄】 話の最後を語呂合せや洒落しゃれで落ちをつける小話。烏亭焉馬うていえんばらにより話芸として発展、のち落語らくごと呼ばれる。→落語⇒おとし【落し】

おとし‐ばらげ【落し散毛】🔗🔉

おとし‐ばらげ落し散毛】 女の髪の結い方。鬢差びんさしを用いず、鬢を耳の脇に垂れ下がった形に結うもの。江戸後期、文化頃からの髪風。おとしばら。 ⇒おとし【落し】

おとし‐ぶた【落し蓋】🔗🔉

おとし‐ぶた落し蓋】 ①なべなどの、直接材料にかぶせるため、すっぽり中に落ち込むように作った蓋。さしぶた。 ②箱の側面を口にし、縦にみぞに沿って上げ下げして開閉するように作った蓋。 ⇒おとし【落し】

おとし‐ぶみ【落し文・落書】🔗🔉

おとし‐ぶみ落し文・落書】 ①公然と言えないことを記して、わざと通路などに落としておく文書。らくしょ。愚管抄5「かゝる歌よみて、おほく―に書きなどしけるとぞ」 ②オトシブミ科の甲虫の総称。また、ナミオトシブミの通称。体長は3〜10ミリメートル。頭部が細長い。夏、広葉樹の葉を丸めた中に産卵して地上に落とす。これを「ほととぎすの落文」「落文の揺籃ようらん」という。中の幼虫は、内面を食べて育つ。〈[季]夏〉 おとしぶみ ナミオトシブミ 提供:ネイチャー・プロダクション ⇒おとし【落し】

おとし‐ぼり【落し堀】🔗🔉

おとし‐ぼり落し堀】 用水の残りを落とすために設けた堀。 ⇒おとし【落し】

おとし‐まえ【落し前】‥マヘ🔗🔉

おとし‐まえ落し前‥マヘ (もと的屋などの隠語)もめごとの仲に立って話をつけること。失敗や無礼をはたらいた時などのあとしまつ。「―をつける」 ⇒おとし【落し】

おとし‐まく【落し幕】🔗🔉

おとし‐まく落し幕】 劇場で、綱を引くと落ちるように装置した幕。振り落し幕。 ⇒おとし【落し】

おとし‐みず【落し水】‥ミヅ🔗🔉

おとし‐みず落し水‥ミヅ 稲を刈る前に、田の水を流し去ること。また、その水。〈[季]秋〉 ⇒おとし【落し】

おとし‐みそ【落し味噌】🔗🔉

おとし‐みそ落し味噌】 味噌をすらないままで汁をつくること。また、その汁。 ⇒おとし【落し】

おとし‐もの【落し物】🔗🔉

おとし‐もの落し物】 うっかり気づかずに落としたもの。遺失物。 ⇒おとし【落し】

おとし‐もの【落し者】🔗🔉

おとし‐もの落し者】 他国または寺院に逃してやる罪人。 ⇒おとし【落し】

おとし‐や【落し矢】🔗🔉

おとし‐や落し矢】 ①上差うわざしの矢。 ②低い方へ射おろす矢。おろし矢。 ⇒おとし【落し】

おとし‐やき【落し焼】🔗🔉

おとし‐やき落し焼】 熱したフライパンや鉄板などに材料をスプーンなどで流し落として焼く調理法。また、その料理や菓子。 ⇒おとし【落し】 ○御土砂を掛けるおどしゃをかける おべっかを述べ立てて相手の心をひきつける。おべんちゃらを言う。 ⇒お‐どしゃ【御土砂】

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