複数辞典一括検索+

ふく‐りん【覆輪・伏輪】🔗🔉

ふく‐りん覆輪・伏輪】 ①刀の鍔つば・鞍くら・茶碗など器物のへりを金属の類でおおい飾ったもの。鍍金ときんを用いたものを金覆輪または黄覆輪、鍍銀を用いたものを銀覆輪または白覆輪という。源平盛衰記18「水精すいしょうの管くだに黄金の―を置きたる笛にて」 ②衣服の袖口・裾などに他の布で細く縁をとったもの。毛吹草5「雲の袖に―掛くる霞かな」 ⇒覆輪掛ける

○覆輪掛けるふくりんかける🔗🔉

○覆輪掛けるふくりんかける いっそう甚だしいことにいう。輪を掛ける。東海道中膝栗毛5「そりや京の人へふくりんかけて、おめえがあたじけねえといふもんだ」 ⇒ふく‐りん【覆輪・伏輪】 ふく・る膨る・脹る】 〔自下二〕 ⇒ふくれる(下一) ふ‐ぐるま文車】 ①室内で書籍を運搬するのに用いる車付きの書棚。ふみぐるま。徒然草「多くて見苦しからぬは―の文」 ②文庫の中で書物や文書類を保管するのに用いた車付きの櫃ひつふくれ膨れ・脹れ】 ①ふくれること。ふくれたもの。万葉集16「尺度さかどらが角の―にしぐひあひにけむ」 ②鉄の合せ目に空気が入って、刀の刃地の一部がふくれあがっているもの。 ⇒ふくれ‐っつら【脹れっ面】 ふくれ‐あが・る膨れ上がる】 〔自五〕 ①ふくれて大きくなる。「希望が―・る」 ②規模・数量・金額が大幅に増大する。「人件費が―・る」 ふくれつがた‐きかん複列型機関‥クワン クランク軸のまわりにシリンダーが2列になって配置された機関。 ふくれ‐っつら脹れっ面】 (フクレヅラの転)両頬をふくらませた不平そうなかおつき。むっとした顔色。「小言を言われて―をする」 ⇒ふくれ【膨れ・脹れ】 ふく・れる膨れる・脹れる】 〔自下一〕[文]ふく・る(下二) ①内から外へ張り出す。内からもちあがる。かさが大きくなる。大鏡「おぼしきこといはぬはげにぞ腹―・るる心地しける」。「餅が―・れる」 ②ある気持でいっぱいになる。源氏物語行幸「この女御殿などおのづから伝へ聞えさせ給ひてむと頼み―・れてなむさぶらひつるを」 ③(頬をふくらして)不平・不満を顔に表す。梅暦「お気の毒ながらさう思つておくんなんしと、けんどんに―・れていふに」。「―・れて口もきかない」 ふくろ(→)「ふくろう」に同じ。〈下学集〉 ふくろ袋・嚢】 ①中に物を入れて、口をとじるようにした入れ物。紙・布・革などでつくる。〈倭名類聚鈔14〉 ②特に、巾着きんちゃく。東海道名所記「旅人の―を貪る故に大水を喜ぶ」 ③子宮、また胞衣えなの俗称。 ④母親。おふくろ。〈日葡辞書〉 ⑤ミカンなどの果肉を包む薄い皮。 ⑥ふくらんで物を入れるようになったもの。「胃―」 ⑦行きづまっていること。行きづまり。「―小路」 ⑧水辺、または池川などの水に囲まれた土地。各川の落ち合った所。 ⇒ふくろ‐あみ【袋網】 ⇒ふくろ‐いし【袋石】 ⇒ふくろ‐いり【袋入り】 ⇒ふくろいり‐ぼん【袋入本】 ⇒ふくろ‐うち【袋打ち】 ⇒ふくろ‐うま【袋馬】 ⇒ふくろ‐おおかみ【袋狼】 ⇒ふくろ‐おび【袋帯】 ⇒ふくろ‐おり【袋織】 ⇒ふくろ‐かけ【袋掛け】 ⇒ふくろがた‐どうぶつ【袋形動物】 ⇒ふくろ‐かんじょう【袋灌頂】 ⇒ふくろ‐ぐま【袋熊】 ⇒ふくろ‐ぐも【袋蜘蛛】 ⇒ふくろ‐ご【袋児】 ⇒ふくろ‐こうじ【袋小路】 ⇒ふくろ‐ずきん【袋頭巾】 ⇒ふくろ‐ずるめ【袋鯣】 ⇒ふくろ‐ぞうし【袋草子・袋草紙】 ⇒ふくろ‐たけ【袋茸】 ⇒ふくろ‐だたき【袋叩き】 ⇒ふくろ‐だな【袋棚】 ⇒ふくろ‐たび【袋足袋】 ⇒ふくろ‐ち【袋地】 ⇒ふくろ‐つぎ【袋接ぎ】 ⇒ふくろ‐づの【袋角】 ⇒ふくろ‐ど【袋戸】 ⇒ふくろ‐どこ【袋床】 ⇒ふくろ‐とじ【袋綴じ】 ⇒ふくろ‐とだな【袋戸棚】 ⇒ふくろ‐ナット【袋ナット】 ⇒ふくろ‐ぬい【袋縫い】 ⇒ふくろ‐ぬの【袋布】 ⇒ふくろ‐ねこ【袋猫】 ⇒ふくろ‐ねずみ【袋鼠】 ⇒ふくろ‐の‐ねずみ【袋の鼠】 ⇒ふくろ‐ばかま【袋袴】 ⇒ふくろ‐ばり【袋貼り】 ⇒ふくろ‐まち【袋町】 ⇒ふくろ‐みち【袋道】 ⇒ふくろ‐みみ【袋耳】 ⇒ふくろ‐むし【袋虫・嚢虫】 ⇒ふくろ‐もち【袋持】 ⇒ふくろ‐もの【袋物】 ⇒ふくろ‐や【袋屋】 ふく‐ろ復路】 かえり道。↔往路 ふくろ‐あみ袋網】 網漁具の袋状の部分。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろい袋井‥ヰ 静岡県西部、太田川流域の市。もと東海道の宿駅。メロン・茶などの集散地。楽器・電気機械・食品などの工場が立地。人口8万3千。 ふくろ‐いし袋石】 黒褐色で中空の石。いわつぼ。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐いり袋入り】 袋の中へ入っていること。また、そのもの。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろいり‐ぼん袋入本】 江戸後期、2冊または3冊から成る黄表紙を、上質の紙を用いて1冊に合わせ綴じ、色刷りの袋に入れて特製本として刊行したものの称。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろうフクロフ ①フクロウ目フクロウ科の鳥。大きさはカラスぐらい。顔は灰白色、額は褐色。背面・下面共に灰白色の地に褐色の縦斑があり、下面の方が著しく白っぽい。森の繁みや木の洞にすみ、夜出てノネズミなどを捕らえて食う。フクロウ目は世界に約200種、日本には約10種が分布。そのうち、特にミミズクとの対比で耳羽のないものをフクロウと総称するが、分類学上の区別ではない。母喰鳥。〈[季]冬〉。〈本草和名〉 ふくろう フクロウ 提供:OPO →鳴声 提供:NHKサービスセンター ②狂言。(→)「梟山伏ふくろやまぶしに同じ。 ふくろ‐うち袋打ち】 打紐などを中空になるように組むこと。また、その紐。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐うま袋馬】 子をつれた牝馬。ははだ。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐おおかみ袋狼‥オホカミ フクロネズミ目(有袋類)フクロオオカミ科の哺乳類。1属1種。体長1〜1.3メートルほど。イヌに似た体形で、毛色は灰色から黄茶色の地色に、腰を中心に15本ほどの黒い横縞をもつ。有袋類中の猛獣とされ、以前はタスマニア島に多数生息していたが、駆除されて現在では絶滅したと考えられている。タスマニアオオカミ。サイラシン。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐おび袋帯】 袋織にした二重になった帯。正装・礼装用。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐おり袋織】 二重織物の一種。表裏2枚の組織を耳部は一重織にし、筒状をなすように織ること。また、その織り方のもの。下着・帯などに応用。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐かけ袋掛け】 果樹栽培で、幼果のうちに紙製の袋で果実を包むこと。病虫害や損傷を防ぎ、果物の品質を上げるために行う。〈[季]夏〉 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろがた‐どうぶつ袋形動物⇒たいけいどうぶつ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐かんじょう袋灌頂‥クワンヂヤウ 胞衣納えなおさめに際し、産児の息災生長を祈るため、僧の灌頂を受けること。胞衣灌頂。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふく‐ろく復禄】 もとの俸禄にかえされること。 ふく‐ろく福禄】 ①幸いと封禄。日葡辞書「フクロクミニアマル」 ②幸い。 ③福禄寿の略。 ⇒ふくろく‐じゅ【福禄寿】 ⇒ふくろく‐じん【福禄人】 ふくろく‐じゅ福禄寿】 七福神の一つ。短身、長頭で、ひげが多く、経巻を結びつけた杖を携え、多く鶴を従える。福禄人。中国では南極星の化身という。 ⇒ふく‐ろく【福禄】 ふくろく‐じん福禄人(→)福禄寿に同じ。 ⇒ふく‐ろく【福禄】 ふくろ‐ぐま袋熊】 コアラのこと。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐ぐも袋蜘蛛】 ①フクログモ科フクログモ属のクモの総称。植物の葉上や落葉に糸で袋状の住居をつくって潜み、夜間徘徊して昆虫を捕食する。体長3〜12ミリメートル。日本に約50種。 ②ジグモの別称。〈[季]夏〉 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐ご袋児】 卵胞に包まれたまま生まれた胎児。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐こうじ袋小路‥ヂ 行きづまって通り抜けることのできない小路。転じて、物事の行きづまること。↔抜小路。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐ずきん袋頭巾‥ヅ‥ 形が袋状で、頭を包んで被る頭巾。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐ずるめ袋鯣】 内臓を去り、薄皮を剥ぎ、胴を袋形にした鯣。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐ぞうし袋草子・袋草紙‥ザウ‥ (→)「袋綴じ」に同じ。(書名別項) ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろぞうし袋草紙‥ザウ‥ 歌学書。2巻。藤原清輔著。1157年(保元2)頃成る。歌会作法・故実・逸話などを集成。 ふくろだ袋田】 茨城県北部、大子だいご町の地名。 ⇒ふくろだ‐おんせん【袋田温泉】 ⇒ふくろだ‐の‐たき【袋田の滝】 ふくろだ‐おんせん袋田温泉‥ヲン‥ 茨城県北部、久慈川支流の滝川に沿う温泉。田毎たごとの湯。 ⇒ふくろだ【袋田】 ふくろ‐たけ袋茸】 担子菌類の食用きのこ。全体が灰白色で、大きな壺つぼを有する。東南アジアなどで稲わらなどを材料として栽培。出荷するのは、外被膜につつまれた袋状の未熟なもので、中華料理などに利用する。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐だたき袋叩き】 一人を多数の人がとりまいて、さんざんに叩くこと。転じて、大勢でとりまいてさかんに非難をあびせること。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐だな袋棚】 ①床の間・書院などの脇の上部に設けた戸棚。袋戸棚。 ②茶道に用いる茶棚で、志野棚を模して桑・桐などで造り、薄塗を施したもの。志野袋棚。紹鴎じょうおう棚。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろだ‐の‐たき袋田の滝】 袋田温泉付近、滝川にかかる滝。四度ノ滝よんどのたき。 袋田の滝 撮影:山梨勝弘 ⇒ふくろだ【袋田】 ふくろ‐たび袋足袋】 足の親指と他の指との間にへだてのない足袋。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐ち袋地】 他人の土地に囲まれていて公道に通じていない土地。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐つぎ袋接ぎ】 接木法の一つ。台木の皮部と木質部との中間に箆へらを入れて穴をあけ、これに接穂つぎほを挿入し固定する方法。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐づの袋角】 (形が袋に似ているから)シカ科の動物の角で、毎年春に脱落後の再生中の時期のものを指す。骨の芯が裸出せず、皮膚をかぶって柔らかな状態の角。鹿茸ろくじょう。〈[季]夏〉 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐ど袋戸】 袋棚のふすま戸。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐どこ袋床】 床の間の前面の左右いずれかに小壁を造ったもの。小壁に下地窓をあけるのが普通。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐とじ袋綴じ‥トヂ 書物の綴じ方の一つ。文字を記した面を外側にして紙を1枚ずつ中央から二つに折り、幾枚かを重ね、折り目でない方を糸・こよりなどで下綴じする。前後に表紙を添え、明朝綴じ・康綴じなどに綴じる。普通の和装本はこの装丁が多い。漢籍では線装本という。袋草子。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐とだな袋戸棚(→)袋棚1に同じ。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐ナット袋ナット】 (cap nut)特殊ナットの一種。行きどまりの穴にねじが切ってあり、主に内圧を受ける管を締めてふさぐのに用いる。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐ぬい袋縫い‥ヌヒ 布地の表を外にして合わせ、縫代ぬいしろを浅く縫い、これを裏返して裁ち目を中に包むように仕上りの線を縫う縫い方。布の縁の糸がほつれるのを防ぐ。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐ぬの袋布】 ポケットの口の裏側に縫いつける、袋状の布。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐ねこ袋猫】 フクロネズミ目(有袋類)フクロネコ科フクロネコ属5種の総称。オーストラリアとニューギニアに分布。頭胴長30〜40センチメートル、尾長20センチメートルほど。黄色っぽい毛色に白い斑点をもつ。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐ねずみ袋鼠】 オポッサムの異称。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐の‐ねずみ袋の鼠】 袋の中に入れられた鼠。逃れることのできないたとえ。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐ばかま袋袴(→)行灯袴あんどんばかまに同じ。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐ばり袋貼り】 額や襖ふすま・壁紙を貼る時の下貼りの貼り方。下貼り用の紙のへりにだけ糊をつけて、他の部分を浮かして貼り込む。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ・ぶ綻ぶ】 〔自上二〕 (ホコロブの転) ①縫い目・綴じ目などの糸が切れて解ける。〈日葡辞書〉 ②こらえ切れないで涙がこぼれる。浄瑠璃、傾城反魂香「こらへるたけと包めども、咽び―・び泣きゐたり」 ふくろ‐まち袋町】 道路が行きどまりになっていて、通りぬけられない町。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐みち袋道】 通りぬけできない道。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐みみ袋耳】 ①一度聞いたことは決して忘れないこと。また、その人。 ②織物の耳の部分を袋織としたもの。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐むし袋虫・嚢虫】 フクロムシ目の蔓脚まんきゃく類の総称。海産のカニ・エビ類に寄生し、宿主に性的変化(寄生去勢)を起こす。宿主の体内に組織を広げ、宿主の組織と融合する。フクロムシ・ナガフクロムシ・イタフクロムシ・ツブフクロムシの各科を含む。根頭類。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐もち袋持】 ①(旅行用の物を袋に入れて従者に持たせたことから)袋を持ってあとについて行く者。近世では、皮製の銀袋かねぶくろを持って供をする商家の丁稚でっち。 ②何事をしても、人に後れをとるもの。古事記伝10「事功の人に後るる者を世俗に―といふ」 ③年老いるまで痘瘡とうそうにかからない人。また、(痘瘡の跡がないから)美人の称。誹風柳多留5「支度金取つて行くのは―」 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐もの袋物】 ①紙入れ・煙草入れ・がま口・手提てさげなど、日用の袋状の入れ物の総称。 ②袋に入れた品物。 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろ‐や袋屋】 袋物ふくろものを商う店、または人。ふくろものや。鹿の巻筆「遠州浜松、―の治兵衛といふもの」 ⇒ふくろ【袋・嚢】 ふくろやまぶし梟山伏】 狂言。梟にとりつかれて奇声を発する病人を直そうと山伏が祈るが、自分が奇声を出しはじめる。梟ふくろうふく‐わかし福沸し】 ①元旦に、若水を汲んでわかすこと。 ②正月の7日・15日などに年神に供えた餅を粥に入れて煮て食うこと。福入り雑煮。鏡あげ。〈[季]新年〉 ふく‐わけ福分け】 祝賀の物、また貰い物などを分けて他人に与えること。おふくわけ。福渡し。 ふく‐わげ吹髷】 女の髪の結い方。片外かたはずしのちには丸髷まるまげ・勝山髷に似て、輪が高く浮き出たもの。吹輪ふきわより髷が短く、丸い。腰元などが結い、現在は「おふく」と称し、舞妓が結う。ふきわげ。 ふくわ‐じゅつ腹話術】 一人で人形を遣いながら、唇・歯を動かさずに声を出し、あたかもその人形が話しているかのように見せかける術。 ぶぐわ‐そうえん歩桑桑園‥グハサウヱン カイコノウジバエが産卵していない桑を栽培する桑園で、原蚕種飼育に用いられる。 ふく‐わたし福渡し(→)「ふくわけ」に同じ。 ふく‐わら福藁】 正月、庭に敷くわら。清めのためとも、年賀の客を迎えるためともいう。〈[季]新年〉 ふく‐わらい福笑い‥ワラヒ 正月の遊びの一つ。目隠しをして、おかめなど顔の輪郭だけを書いた紙の上に眉・目・鼻・口をかたどった紙を置き、できあがりのおかしさを楽しむもの。〈[季]新年〉 福笑い 撮影:関戸 勇 ふ‐くん夫君】 他人の夫おっとの敬称。 ふ‐くん父君】 他人の父の敬称。ちちぎみ。 ふ‐くん府君】 ①漢代、郡の太守の敬称。 ②亡父の敬称。「家―」 ③神の称。「泰山―」 ぶ‐くん武勲】 軍事上の功績。武功。「―赫々」 ⇒ぶくん‐し【武勲詩】 ぶくん‐し武勲詩】 (chanson de geste フランス)11〜14世紀のフランスで、職業的歌手により弦楽器の伴奏をつけて歌われた英雄叙事詩。物語は虚構と史実をとりまぜ、功名・忠節・戦友愛の戦士的世界を描く。現存詩編は約80編。→ロランの歌→シッド ⇒ぶ‐くん【武勲】 ふくん‐ぼん付訓本・附訓本(→)点本に同じ。 ふけ深け】 ①深くなること。ふけること。千載和歌集「はかなくもわが世の―を知らずして」 ②泥深いところ。湿地。沼地。深田ふけだ。平家物語8「或は谷―をも嫌はず」。日葡辞書「フケニハマル」 ふけ雲脂・頭垢】 皮脂腺の分泌物が乾燥し、皮膚に灰白色の鱗状となって付着するもの。頭部に多く生じる。いろこ。うろこ。〈倭名類聚鈔(十巻本)2ふけ普化】 唐代の禅僧。普化宗の開祖。鈴を振って遊行し、衆生を教化した。( 〜860)→普化宗 ぶ‐け武家】 ①武士の系統の家。武門。 ②将軍。また、将軍に仕える人の総称。一般に、武士。平家物語7「清盛は平氏の糟糠、―の塵芥ちんがい」↔公家くげ ふ‐けい不敬】 皇室・社寺に対して、敬意を失すること。 ⇒ふけい‐ざい【不敬罪】 ふ‐けい不稽】 言説のよりどころのないこと。でたらめ。無稽。妄誕。 ふ‐けい父兄】 ①ちちとあに。 ②児童または生徒の保護者。 ⇒ふけい‐かい【父兄会】 ふ‐けい父系】 父親方の系統。↔母系。 ⇒ふけい‐しん【父系親】 ⇒ふけい‐せい【父系制】 ふ‐けい負荊】 [史記廉頗藺相如伝](「荊」は罪人をむちうついばらのむち。それを背負って自分の処罰を求めることから)深く謝罪の意をあらわすこと。「肉袒―」 ふ‐けい婦兄】 妻の兄。 ふ‐けい婦警】 婦人警察官の略称。 ふ‐けい符契(→)「わりふ」に同じ。 ふ‐けい腐刑(→)宮刑きゅうけいに同じ。 ふ‐けい譜系】 血統関係を図式的にあらわしたもの。系譜。譜図。 ぶ‐げい武芸】 武道についての技芸。弓・馬・剣・槍・銃砲などの術。武技。武術。甲陽軍鑑14「―四門とは、弓・鉄炮・兵法・馬、是れ四なり」 ⇒ぶげい‐しゃ【武芸者】 ⇒ぶげい‐じゅうはっぱん【武芸十八般】 ⇒ぶげい‐ひゃっぱん【武芸百般】 ふけい‐かい父兄会‥クワイ 保護者会の旧称。 ⇒ふ‐けい【父兄】 ふ‐けいき不景気】 ①物事の、繁昌しないこと。誹風柳多留拾遺18「―な事だと行灯かきたてる」 ②愛嬌または元気のないこと。誹風柳多留4「―なお子だと乳母は木戸を出る」。「―な顔をする」 ③しょぼくれていて面白くないこと。人情本、春色辰巳園「ヲヤヲヤここも差合さしか、―な」 ④〔経〕(depression)経済活動の一般的沈滞状態。物価・賃金の下落、生産の全般的縮小、失業の増大などを伴う。不況。↔好景気 ふけい‐ざい不敬罪】 天皇・皇族・神宮・皇陵などに対して不敬の行為をする罪。1947年の刑法改正で削除。 ⇒ふ‐けい【不敬】 ふ‐けいざい不経済】 むだな費用の多いこと。金銭・時間・労力などをむだに使うこと。「時間の―だ」 ふけい‐ざい賦形剤】 薬剤を服用しやすくするなどのために加える物質。水薬における蒸留水、散薬における乳糖など。成形薬。補形薬。 ぶげい‐しゃ武芸者】 ①武芸にたずさわる人。 ②武芸に長じている人。 ⇒ぶ‐げい【武芸】 ぶげい‐じゅうはっぱん武芸十八般‥ジフハチ‥ 18種目の武芸。日本と中国、または時代によって異なるが、日本で普通には、弓術・馬術・槍術・剣術・水泳術・抜刀術・短刀術・十手術・銑鋧しゅりけん術・含針術・薙刀術・砲術・捕手術・柔術・棒術・鎖鎌術・錑もじり術・隠形しのび術をいう。→十八般⇒ぶ‐げい【武芸】 ふけい‐しん父系親】 〔法〕父方の血族。 ⇒ふ‐けい【父系】 ふけい‐せい父系制】 (patrilineal system)出生と同時に父方の血縁集団の成員とみなされ、個人の権利や義務が規定される制度。 ⇒ふ‐けい【父系】 ぶげい‐ひゃっぱん武芸百般‥ヒヤク‥ あらゆる武芸。「―に通じる」 ⇒ぶ‐げい【武芸】 ぶけ‐えぼし武家烏帽子(→)さむらい烏帽子に同じ。 ふけ‐おやま老女形】 ①歌舞伎の役柄。女形のうち、老女役を専門とするもの。花車方かしゃがた。 ②文楽人形の頭かしらの一つ。中年の女性の頭。「絵本太功記」の操、「心中紙屋治兵衛」(紙治)のおさんなどに用いる。 ぶけ‐かぞく武家華族‥クワ‥ もと武家で、明治初年華族に列せられた者。→大名華族→公家くげ華族 ぶけ‐がた武家方】 ①武家の人々。武家衆。 ②武家の側。南北朝時代の足利あしかが方。↔宮方↔公家方 ふ‐げき巫覡】 (ブゲキとも)神と人との感応を媒介する者。神に仕えて人の吉凶を予言する者。女を巫、男を覡という。太平記1「―祈れども験しるし無し」 ぶけぎりものがたり武家義理物語】 浮世草子。井原西鶴作。6巻6冊。1688年(元禄1)刊。私利・私欲を捨てても義理をつくした武士の精神を描いた26の話から成る、西鶴武家物の一つ。 →文献資料[武家義理物語] ぶけ‐こじつ武家故実】 武家に関する故実。↔公家くげ故実 ふけ‐こ・む老け込む】 〔自五〕 年をとってすっかり衰えた様子になる。老い込む。「妻に先立たれて急に―・んだ」 ぶけ‐じだい武家時代】 武家が政権をにぎっていた時代。鎌倉時代から江戸時代末に至る約680年間をいう。↔王朝時代 ふけ‐しゅう普化宗】 江戸時代に盛行した禅宗の一派。唐の普化を祖とし、1254年(建長6)に東福寺の覚心が伝来。その徒を虚無僧こむそうといい、尺八を吹いて諸国を巡行。下総一月寺・武蔵鈴法寺を本山としたが、1871年(明治4)廃宗。 ぶけ‐しゅう武家衆】 将軍に近侍する人々。幕府に出仕する武士。武家方。↔公家くげぶけ‐しょはっと武家諸法度】 江戸幕府が武家の守るべき義務を定めた重要法令。徳川家康が以心崇伝らに起草させ秀忠の名で出した1615年(元和1)の13カ条(のち19カ条)の制令をはじめとして、将軍が代替わりごとに下した。居城の修築、婚姻、参勤交代などを規定し、諸大名の武力を制限し、諸大名を監察し、秩序の維持を図ることなどを目的とした。 →文献資料[武家諸法度] ふけじょろ外精霊】 (九州南部地方で)無縁仏。ふけじろ。ともどん。 ぶけ‐せいじ武家政治‥ヂ 武家が政権を握って行う政治。征夷大将軍が幕府を開いて行なった鎌倉・室町・江戸3幕府の政治。 ふけ‐そう普化僧】 普化宗の僧。→虚無僧こむそう ふけ‐だ深田】 泥の深い田。ふかだ。ふけ。太平記2「西は―にて馬の足も立たず」 ふ‐けつ不潔】 きたないこと。けがれていること。不浄。「―なトイレ」「―な金」↔清潔 ふけつ溥傑】 (Pujie)清朝最後の皇帝、溥儀の弟。学習院・陸軍士官学校・陸軍大学校卒。満州国の軍人となる。第二次大戦後ソ連に抑留、1960年特赦。のち全国人民代表大会常務委員。書家としても有名。(1907〜1994) ふ‐げつ風月⇒ふうげつ ふ‐けっか不結果‥クワ 思わしくない結果。不首尾。夏目漱石、それから「自己の問題を解決する時間が遅くなると云ふ―を生ずる」 ぶけ‐づくり武家造】 武家らしい住宅様式のこと。初期は主殿造、後期は書院造で、特に武家造というべき武家特有の様式はない。 フゲッタfughetta イタリア】 〔音〕(→)小フーガに同じ。 ぶけ‐てんそう武家伝奏】 武家の奏請を天皇・上皇に取り次ぐ公家の役職。伝奏が室町時代に寺社伝奏と分化して始まり、江戸時代には勅使として下向するなど、関白に次ぐ重職とされ、納言・参議の中から選んで補した。定員二人で両伝奏ともいう。 ふけ‐とり雲脂取り】 頭のふけを落とすのに使う道具。また、ふけとり用の香水。

広辞苑覆輪で始まるの検索結果 1-2