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うま【馬】🔗🔉

うま【馬】 (「馬」の字音「マ」の転じたものという。平安以降、「むま」と表記した例が多い) 1 ウマ科の哺乳動物。体高一・二〜一・七メートルぐらい。首は長く、まえがみとたてがみがあり、尾は長毛で覆われ、草食性で臼歯が発達。体毛は褐色、黒色、赤褐色、白色などで、古くから鹿毛(かげ)、青毛、栗毛、葦毛(あしげ)などと呼ばれる。ヨーロッパ、アジアの原産で、世界各地で家畜として飼育。品種はアラブ、サラブレッドなど数十種あり、日本産のものでは、南部馬、三春馬、最上馬、仙台馬などが知られていたが、現在なお、在来種の面影を保っているのは、木曾馬、御崎馬(みさきうま)などだけである。農耕、運搬、乗馬、競馬などに用いるほか、肉は食用、皮は皮製品にされる。こま。 2 (座興、または芝居として)馬のまねごとをすること。また、その役。 3 馬をかたどったり、馬の名称を用いたりした玩具、遊戯用具や道具。 馬の形に似せて作った玩具。木馬その他、種類はきわめて多い。踏み台や脚立。体操用具の鞍馬(あんば)。すごろくのこま。将棋のこまで、桂馬または、成角(なりかく=竜馬)の略。天正カルタ、ウンスンカルタ、めくりカルタの組み札の一つで、騎馬の絵があるもの。 4 紋所の名称の一つ。馬にかたどったもの。放れ馬、覊馬(つなぎうま)など。 5 馬に似ていたり、馬を連想させたりするもの。 姿や形が大きすぎるもの。大きな男根、また、その所有者をいう隠語。遊女。〔浮・好色伊勢物語〕(馬の腹帯に似ているところから)月経時に用いる丁字形の帯。転じて、月経。おうま。 6 未払いの遊興費などを取り立てるために客について行く者。つきうま。 〔接頭〕動植物などで。同種類のもののうち大きなものを表わす語。「うまびる」「うまうど」「うまぜり」など。 ●馬が合(あ)う (馬とその乗り手の呼吸がぴったり合うの意からの語か)気が合う。しっくりとゆく。意気投合する。 ●馬と猿(さる) 仲のよいことのたとえ。猿は馬屋の守護で、正月のうまや祭には猿の絵馬が用いられた。 ●馬に経文(きょうもん) =うま(馬)の耳に念仏 ●馬に乗るまで牛に乗れ (速い馬に乗る前にのろい牛に乗って慣れる必要があるの意から)高い地位につくには、その前に低い地位にあって努めなくてはならない。また、出世には段階がある、の意にいう。 ●馬には乗ってみよ、人には添うてみよ 馬のよしあしは実際に乗ってみなくてはわからず、人柄のよしあしもいっしょに暮らしてみなければ本当のところはわからない。何事も自分で直接確かめてみよ、の意。 ●馬の足(あし) 芝居で使う張り子の馬の中にはいって脚の役をする者。また、その役。下級の役者をあざけっていうのにも用いる。馬役者。 ●馬の籠抜(かごぬ)け (馬が籠抜けの軽業をするのは無理であるところから)無理を承知ですることのたとえ。また、窮屈で困ることのたとえ。牛の籠抜け。 ●馬の印(かね) 馬の産地や品位を示すためにその後足のももに押す焼き印。かね。 ●馬の草飼(くさか)い (「うまのくさがい」とも) 1 馬に草を与えること。 2 馬に若草を食わせる時節。すなわち陰暦四月ごろ。 ●馬の口(くち) 1 馬の手綱。馬のくちとり縄。馬の口輪。 2 江戸時代、人や貨物の輸送に当たる馬について徴収する税。駒の口。 3 (武家の玄関のすぐ横に厩(うまや)があることから)武家の玄関。 ●馬の背を=分ける[=越す] 夕立などが、馬の背を境にして分かれるくらい、ある地域で降っているのに、すぐ近くが晴れているさまにいう。 ●馬の玉(たま) 1 馬または牛、羊、鹿などの腹中に生成する灰色または褐色の結石様のもの。鮓荅(さとう)。石糞。けだま。ヘイサラバサラ。 2 「めのう(瑪瑙)」の異称。 ●馬の角(つの) (「史記‐索隠」に「丹求帰、秦王日曰、烏頭白、馬生角、乃許耳」とある故事から)決してありえないことのたとえ。 ●馬の爪 馬の足のひづめ。馬爪(ばず)。 ⇒親見出し ●馬の塔(とう) 中世末期から尾張地方で行なわれた走り馬行事。熱田神宮の端午の走り馬に始まるというが、のちには大須観音その他の仏閣の行事に伴って祭礼化し、華美となり、藩の取締りを受けた。 ●馬の内侍(ないし) 1 局部の巨大な女。 2 丙午(ひのえうま)生まれの女をたわむれていう。 ●馬のはなむけ ⇒親見出し ●馬の鼻を立て直す 馬の鼻先をもと来た方へ向け変える。 ●馬の骨(ほね) 素姓のわからない下賤の者をあざけっていう語。*浮・元禄大平記‐二「よしよしいづくの馬の骨にせよ」 ●馬の耳(みみ)に=風(かぜ)[=念仏(ねんぶつ)] (「馬耳東風(ばじとうふう)」による。馬の耳に風が当たっても(馬に念仏をきかせても)馬はいっこう気にとめないところから)人の話が耳にはいっても全然心を動かさないことのたとえ。牛の角に蜂。 うわのそらで、人の忠告に従う気がないことのたとえ。無知なために、高尚なことを聞いても、いっこうに理解できないことのたとえ。自分の利益にならないことを聞いて、関心を示さないことのたとえ。知らぬ顔。 ●馬の六具(ろくぐ) 軍陣の馬の防御具の総称。馬面(ばめん)、胸懸(むなかけ)、馬鎧(うまよろい)、鎖手綱、鎖脚絆、鉄沓(かなぐつ)の六種。 ●馬は=馬(うま)づれ[=道(みち)づれ] 同類相伴ってうまくいくことのたとえ。牛に牛づれ。 ●馬を牛に=替える[=乗り替える] (速い馬から遅い牛に乗り替える意から)すぐれたものを捨てて、劣ったものに替えるたとえ。 ●馬を鹿(しか) (中国、秦の趙高は自分の権勢を確かめようとして、皇帝に鹿を献じて馬と言いはったという「史記‐秦始皇本紀」の故事から)人を威圧して、筋道の通らないことを無理に通すことのたとえ。「鷺を烏」の類。 ●馬を繋(つな)ぐ (権力者の御機嫌うかがいに来て、その門前に乗馬をつなぐところから)おべっかを使う、へつらう意の遊里語。

うま‐びゆ【馬・馬歯🔗🔉

うま‐びゆ【馬・馬歯 「すべりひゆ(滑)」の異名。

おま【馬】🔗🔉

おま【馬】 「うま(馬)」の変化した語。

ふ‐ば【馬】🔗🔉

ふ‐ば【馬】 1 馬車で、予備に外側につけておく馬。副馬(そえうま)。特に、天子の乗輿に用いる副馬。また、天子の副馬をつかさどる官名。 2 (中国で魏晋以後、皇女の婿となった者は馬都尉の官に任ぜられたところから)皇帝や貴人の婿。

ま【馬】🔗🔉

ま【馬】 馬(うま)。*万葉‐八〇八「竜の麻(マ)をあれは求めむ」

むま【馬】🔗🔉

むま【馬】 1 ⇒うま(馬) 2 将棋で、駒の古称。

め‐りょう【馬料・馬】(‥レウ)🔗🔉

め‐りょう【馬料・馬】(‥レウ) 奈良・平安時代、五位以上の文武の在京官人に支給された馬の飼育料。官位により等級がある。ばりょう。

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