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おさか【忍坂】🔗⭐🔉
おさか【忍坂】
奈良県桜井市忍坂(おっさか)の古名。神武天皇が道臣命(みちのおみのみこと)に命じて、酒盛り中の賊を征伐させた所といわれる。おしさか。
おさかべ‐しんのう【忍壁親王・刑部親王】(シンワウ‥)🔗⭐🔉
おさかべ‐しんのう【忍壁親王・刑部親王】(シンワウ‥)
天武天皇の第九皇子、壬申(じんしん)の乱には父とともに東国で戦う。川島皇子、広瀬王、竹田王などと「帝紀」および上代の諸事を撰し、また、藤原不比等などと「大宝律令」を制定。(〜七〇五)
おし【忍】🔗⭐🔉
おし【忍】
埼玉県行田市の中心部の地名。延徳年間成田親泰がこの地に忍(おし)城を築城。天正一八年石田三成の水攻めを受けた。江戸時代は忍藩の城下町として発展。
おしくま‐の‐みこ【忍熊皇子】🔗⭐🔉
おしくま‐の‐みこ【忍熊皇子】
仲哀天皇の皇子。朝鮮征伐から帰る神功皇后を待ち受け、兄、
坂皇子(かごさかのみこ)とともに淡路島で反乱を起こす。敗れて近江の瀬田で入水自殺。

おし‐じょう【忍城】(‥ジャウ)🔗⭐🔉
おし‐じょう【忍城】(‥ジャウ)
埼玉県行田市にあった城。延徳年間成田親泰が築城。天正一八年の石田三成の水攻めが有名。江戸時代は松平氏、阿部氏らの居城。
しぬ・ぶ【忍ぶ】🔗⭐🔉
しぬ・ぶ【忍ぶ】
〔他バ上二・バ四〕(現在、「の」の甲類の万葉仮名とされている「怒」「努」などを「ぬ」とよんだところから、「しのぶ(偲)」を「しぬぶ」とよみ、それを「しのぶ(忍)」にまでおよぼしてできた語)じっとこらえる。また、目立たないようにひそかにする。
しのば‐・せる【忍ばせる】🔗⭐🔉
しのば‐・せる【忍ばせる】
〔他サ下一〕
1 声(音)、姿などを、目立たないようにする。「足音をしのばせる」「物陰に身をしのばせる」
2 特に、他人にわからないようにそっと入れておく。かくし持つ。「懐中に短刀をしのばせる」
しのび【忍】🔗⭐🔉
しのび【忍】
1 目立たないようにすること。隠れたりして人目を避けること。*古今‐六五四「しのひにあひ知れりける女のもとより」
2 こらえること。がまんすること。
3 =しのびあるき(忍歩)
4 =しのび(忍)の術*荘子抄‐八「しのひの上手」
5 =しのび(忍)の者*太平記‐二〇「逸物の忍(シノヒ)を八幡山へ入れて」
6 =しのびがたな(忍刀)
7 他人の財物をひそかに盗む者。窃盗。
●忍びの緒(お)
1 兜(かぶと)の緒に対する近世の通称。
2 烏帽子(えぼし)が落ちないように髻(もとどり)にかけて結び留める緒。
●忍の術(じゅつ)
身をかくして、暗殺、情報入手などの目的で、ひそかに敵陣や人家などに入り込む術。忍術。
●忍の者(もの)
ひそかに忍びこみ、敵方の様子をさぐる者。忍者。間者。
●忍びの緒(お)🔗⭐🔉
●忍びの緒(お)
1 兜(かぶと)の緒に対する近世の通称。
2 烏帽子(えぼし)が落ちないように髻(もとどり)にかけて結び留める緒。
●忍の術(じゅつ)
身をかくして、暗殺、情報入手などの目的で、ひそかに敵陣や人家などに入り込む術。忍術。
●忍の者(もの)
ひそかに忍びこみ、敵方の様子をさぐる者。忍者。間者。
しのび【偲】
(上代は「しのひ」)過去のことや離れている人のことなどを思い慕うこと。*万葉‐三四二六「斯怒比(シノヒ)にせもと紐(ひも)結ばさね」
●忍の術(じゅつ)🔗⭐🔉
●忍の術(じゅつ)
身をかくして、暗殺、情報入手などの目的で、ひそかに敵陣や人家などに入り込む術。忍術。
●忍の者(もの)
ひそかに忍びこみ、敵方の様子をさぐる者。忍者。間者。
しのび【偲】
(上代は「しのひ」)過去のことや離れている人のことなどを思い慕うこと。*万葉‐三四二六「斯怒比(シノヒ)にせもと紐(ひも)結ばさね」
●忍の者(もの)🔗⭐🔉
●忍の者(もの)
ひそかに忍びこみ、敵方の様子をさぐる者。忍者。間者。
しのび【偲】
(上代は「しのひ」)過去のことや離れている人のことなどを思い慕うこと。*万葉‐三四二六「斯怒比(シノヒ)にせもと紐(ひも)結ばさね」
しのび‐あい【忍逢】(‥あひ)🔗⭐🔉
しのび‐あい【忍逢】(‥あひ)
人目を避けて逢うこと。特に、思いあう男女がひそかに逢うこと。密会。
しのび‐あし【忍足】🔗⭐🔉
しのび‐あし【忍足】
足音をたてないようにこっそりと歩くこと。また、その足どり。うかがい足。
しのび‐あま・る【忍び余る】🔗⭐🔉
しのび‐あま・る【忍び余る】
〔自ラ四〕恋しさに耐えきれなくなる。*源氏‐宿木「ともすれば、しのびあまりたる気色見せつつ」
しのび‐あみがさ【忍編笠】🔗⭐🔉
しのび‐あみがさ【忍編笠】
江戸時代、遊里に遊びに行く者が、顔をかくすため、途中の茶店で買ったり借りたりしてかぶった編笠。しのびがさ。
しのび‐ありき【忍歩】🔗⭐🔉
しのび‐ありき【忍歩】
=しのびあるき(忍歩)
しのび‐あり・く【忍び歩く】🔗⭐🔉
しのび‐あり・く【忍び歩く】
〔自カ四〕人目を避けて出歩く。身分の高い人などが、他人に知られないように、こっそりと動きまわる。微行(びこう)する。*源氏‐宿木「わりなくしのびありかん程も」
しのび‐い・る【忍び入る】🔗⭐🔉
しのび‐い・る【忍び入る】
〔自ラ四〕他人の家、敵中などに、人に知られないように、こっそりとはいりこむ。*源氏‐若菜上「いみじくしのびいり給へる、おほん寝くたれのさまを待ちうけて」
しのび‐おとこ【忍男】(‥をとこ)🔗⭐🔉
しのび‐おとこ【忍男】(‥をとこ)
1 夫として公認されず、内証で女と通じている男。隠し男。情夫。密夫。
2 ひそかに女を相手に売淫する男。
3 =しのび(忍)の者
しのび‐おび【忍帯】🔗⭐🔉
しのび‐おび【忍帯】
上帯(うわおび)の下にしめて、外からは見えない帯。かくし帯。
しのび‐おんな【忍女】(‥をんな)🔗⭐🔉
しのび‐おんな【忍女】(‥をんな)
1 内証で通う女。隠し女。
2 公認の遊里以外で売淫する女。私娼。
しのび‐がえし【忍返】(‥がへし)🔗⭐🔉
しのび‐がえし【忍返】(‥がへし)
1 盗賊などがのりこえて侵入できないように、塀の上などに、とがった竹や木または釘などを打ちつけたもの。
2 釘抜きの一種。形が花鋏(はなばさみ)のようで大きい。
3 (1に用いる竹に形が似ているところから)米刺(こめさし)の異称。
しのび‐かえ・す【忍び返す】(‥かへす)🔗⭐🔉
しのび‐かえ・す【忍び返す】(‥かへす)
〔自サ四〕たえしのんで、苦しみを表面に現さないようにする。がまんをかさねる。*源氏‐宿木「かかる気色をも、見え奉らむと忍び返しつつ」
しのび‐かご【忍駕籠】🔗⭐🔉
しのび‐かご【忍駕籠】
人目を避けて駕籠に乗ること。また、その駕籠。主として、遊里に通う駕籠をいう。
しのび‐がさ【忍笠】🔗⭐🔉
しのび‐がさ【忍笠】
=しのびあみがさ(忍編笠)
しのび‐がたな【忍刀】🔗⭐🔉
しのび‐がたな【忍刀】
懐中に隠し持つ刀。ふところ刀。しのび。
しのび‐くぎ【忍釘】🔗⭐🔉
しのび‐くぎ【忍釘】
=かくしくぎ(隠釘)
しのび‐ぐみ【忍組】🔗⭐🔉
しのび‐ぐみ【忍組】
忍びの者の仲間。忍者の仲間。伊賀者や甲賀者などの類。
しのび‐ぐるま【忍車】🔗⭐🔉
しのび‐ぐるま【忍車】
人目を避けて乗って行く車。
しのび‐けんどん【忍倹飩・忍慳貪】🔗⭐🔉
しのび‐けんどん【忍倹飩・忍慳貪】
(「倹飩」は「倹約饂飩(うどん)」の略という)江戸時代、江戸でけんどんそばを持ち運ぶのに用いた長方形の箱。中にしきりがあって、広い方にそばぎり、狭い方に汁つぎの箱や薬味などを入れた。
しのび‐ごえ【忍声】(‥ごゑ)🔗⭐🔉
しのび‐ごえ【忍声】(‥ごゑ)
ひそかにものなどを言う低い声。ひそひそ声。しのびね。小声。
しのび‐ごと【忍言】🔗⭐🔉
しのび‐ごと【忍言】
ひそひそばなし。内密の話。さざめごと。
しのび‐ごと【忍事】🔗⭐🔉
しのび‐ごと【忍事】
隠してする事。内証ごと。密事。みそかごと。
しのび‐ごま【忍駒】🔗⭐🔉
しのび‐ごま【忍駒】
三味線の特殊な駒で、音を他人に聞かれないようにするために、両側の胴木の上に渡した細長い駒。歌舞音曲停止令の出た期間や、午前二時すぎの郭(くるわ)などで用いられた。材質は桑が普通。
地唄。油屋茂作・高砂市蔵作詞。峰崎勾当(こうとう)作曲。寛政頃の作品。夜、恋人を待つやるせなさをうたったもの。立聴き。


しのび‐こ・む【忍び込む】🔗⭐🔉
しのび‐こ・む【忍び込む】
〔自マ五(四)〕人目につかないようにひそかにはいりこむ。しのびいる。
しのび‐こ・む【忍び籠む】🔗⭐🔉
しのび‐こ・む【忍び籠む】
〔他マ下二〕深く包み隠す。*源氏‐行幸「かくしのびこめさせ給ひける恨みも」
しのび‐さんじゅう【忍三重】(‥サンヂュウ)🔗⭐🔉
しのび‐さんじゅう【忍三重】(‥サンヂュウ)
下座音楽の一つ。三重の一つで、暗やみでの静かな探り合いに用いる。「忠臣蔵」五段目や「鈴ケ森」などにある。
しのび‐しのび【忍び忍び】🔗⭐🔉
しのび‐しのび【忍び忍び】
〔副〕人目を忍んでこっそりと。隠れてひそかに。*神楽歌‐採物・弓「やうやう寄り来(こ)志乃比志乃比(シノビシノビ)に」
しのび‐ずきん【忍頭巾】(‥ヅキン)🔗⭐🔉
しのび‐ずきん【忍頭巾】(‥ヅキン)
忍んで歩く時にかぶる頭巾。主に、遊里に通う者が用いた。
しのび‐すげ【忍菅】🔗⭐🔉
しのび‐すげ【忍菅】
地中に根を広く張った菅(すげ)。
しのび‐ちょうちん【忍提灯】(‥チャウチン)🔗⭐🔉
しのび‐ちょうちん【忍提灯】(‥チャウチン)
(「しのびぢょうちん」とも)
1 =がんどうちょうちん(強盗提灯)
2 貴人などが人目を忍んで夜行するときに、替え紋などをしるして携行した提灯。
しのび‐づま【忍夫・忍妻】🔗⭐🔉
しのび‐づま【忍夫・忍妻】
1 (忍夫)人目を忍んで契った男。隠し男。忍び男。密夫。
2 (忍妻)人目を忍んで契った女。隠し女。忍び女。密婦。
しのび‐て【短手・忍手】🔗⭐🔉
しのび‐て【短手・忍手】
(「しのびで」とも)柏手(かしわで)の打ち方の一つ。右手の親指を除いた四本の指で左の掌(てのひら)を音を立てないように打つ作法。神葬祭や、伊勢神宮の祭式で行う。
しのび‐どころ【忍所】🔗⭐🔉
しのび‐どころ【忍所】
1 なつかしく思う所。*源氏‐真木柱「ここら年経(へ)給へる御すみかの、いかでかしのびどころなくはあらむ」
2 人目を避けて隠れ住んでいる所。忍んで通う所。隠れ家。*源氏‐葵「やむことなきしのび所多うかかづらひ給へれば」
しのび‐とど・む【忍び止む】🔗⭐🔉
しのび‐とど・む【忍び止む】
〔他マ下二〕心中にじっとおさえていて、表面に出さない。*源氏‐帚木「睦言(むつごと)もえしのびとどめずなんありける」
しのび‐とり【忍取】🔗⭐🔉
しのび‐とり【忍取】
夜中に忍び寄って、敵城をのっ取ること。
しのび‐・ない【忍びない】🔗⭐🔉
しのび‐・ない【忍びない】
〔連語〕(上二段動詞「しのぶ(忍)」の残存した未然形に、助動詞「ない」の付いたもの)がまんができない。多く「…するにしのびない」の形で、そうすることにたえられないの意を表す。「見るに忍びない」
しのび‐なき【忍泣】🔗⭐🔉
しのび‐なき【忍泣】
声を立てないようにして泣くこと。人目をはばかって、声をひそめて泣くこと。
しのび‐な・く【忍び泣く・忍び鳴く】🔗⭐🔉
しのび‐な・く【忍び泣く・忍び鳴く】
〔自カ五(四)〕
1 (忍泣)人目をはばかって、声をおさえて泣く。声をたてないで泣く。
2 (忍鳴)鳥などが、ひそやかに鳴く。声をおさえて鳴く。*海道記「山郭公忍びなく」
しのび‐ね【忍音】🔗⭐🔉
しのび‐ね【忍音】
1 あたりをはばかるようなひそひそ声。しのび声。小声。*源平盛衰記‐三一「忍音(シノビネ)に念仏申」
2 しのび泣きの声。人知れずもらす泣き声。*更級「しのびねをのみ泣きて」
3 四月頃に聞くほととぎすの初音(はつね)。声をひそめた鳴き声で、本格的に鳴く前のもの。また、鶯などにもいう。*落窪‐三「郭公待ちつる宵のしのび音は」
しのび‐ねお【忍根緒】(‥ねを)🔗⭐🔉
しのび‐ねお【忍根緒】(‥ねを)
=しのび(忍)の緒
しのび‐のこ・す【忍び残す】🔗⭐🔉
しのび‐のこ・す【忍び残す】
〔他サ四〕隠して出さないで置く。*源氏‐薄雲「かくしのびのこされたる事ありけるをなむつらく思ひぬるとの給はすれば」
しのび‐のりもの【忍乗物】🔗⭐🔉
しのび‐のりもの【忍乗物】
人目を避けて行く者を乗せる乗物。
しのび‐び【忍火】🔗⭐🔉
しのび‐び【忍火】
音のしないように打つ切り火。
しのび‐びと【忍人】🔗⭐🔉
しのび‐びと【忍人】
1 人目を忍んで契った男、または女。人目をはばかりながら通って来る人。しのびづま。
2 世を隠れ忍ぶ人。隠者。隠遁者。世捨人。
3 =しのび(忍)の者
しのび‐ぶね【忍船】🔗⭐🔉
しのび‐ぶね【忍船】
戦国時代の水軍で用いた隠密用の船で、漁船などに扮して敵情を探るもの。
しのび‐まわり【忍回】(‥まはり)🔗⭐🔉
しのび‐まわり【忍回】(‥まはり)
1 ひそかに巡回して、見まわること。
2 =しのびめつけ(忍目付)
しのび‐もとゆい【忍元結】(‥もとゆひ)🔗⭐🔉
しのび‐もとゆい【忍元結】(‥もとゆひ)
外部から見えないように結ぶ元結。
しのび‐ものみ【忍物見】🔗⭐🔉
しのび‐ものみ【忍物見】
主に戦国時代、山野にかくれていて、ひそかに敵情をさぐり、報告する役。足軽などがこれに当たった。かまりものみ。草かまり。
しのび‐やか【忍びやか】🔗⭐🔉
しのび‐やか【忍びやか】
〔形動〕(「やか」は接尾語)動作や音声などが他の注意をひかないようなひそやかなさま。また、人目に立たないようなさま。*宇津保‐楼上上「しのびやかにわらひ給けしき」
しのび‐やつ・す【忍び窶す】🔗⭐🔉
しのび‐やつ・す【忍び窶す】
〔他サ四〕人目を避け、粗末ななりをする。*源氏‐玉鬘「いみじくしのびやつしたれど」
しのび‐やつ・る【忍び窶る】🔗⭐🔉
しのび‐やつ・る【忍び窶る】
〔自ラ下二〕人目を避け、目だたない粗末ななりになる。*源氏‐宿木「田舎びたる人どもに、しのびやつれたるありきも見えじとて」
しのび‐よ・る【忍び寄る】🔗⭐🔉
しのび‐よ・る【忍び寄る】
〔自ラ五(四)〕そっとそばに近づく。ひそかに近づく。「秋が忍び寄る」*夜の寝覚‐一「あながちに忍びよらむも、世の聞き耳のいとほしきに」
しのび‐わざ【忍業】🔗⭐🔉
しのび‐わざ【忍業】
人目をしのんですること。人目をしのんで妻あるいは夫をもつこと。*源氏‐若菜上「心づからのしのびわざしいでたるなむ」
しのび‐わらい【忍笑】(‥わらひ)🔗⭐🔉
しのび‐わらい【忍笑】(‥わらひ)
声をひそめて笑うこと。
しのぶ【忍】🔗⭐🔉
しのぶ【忍】
1 シダ類ウラボシ科の落葉多年草。本州以西の山地の樹上や岩上に着生。根茎は長くはい、淡褐色の鱗片で密におおわれる。葉は長さ五〜一〇センチメートルの葉柄をもつ。葉身は厚い草質で光沢があり、長さ二〇〜三〇センチメートルの三角状で、羽状に三〜四回分裂する。裂片は長楕円形。胞子嚢群は裂片の縁の、小脈の先端に生じ、つぼ形の包膜におおわれる。根茎をまるめて玉をつくり軒下などにつるす。和名は「忍ぶ草」の略で、土がなくても堪え忍んで育つところからという。ことなしぐさ。《季・夏》
2 「のきしのぶ(軒忍)」の古名。歌語として、動詞「忍ぶ」あるいは「偲ぶ」と掛詞にして、恋や懐旧の歌に用いられる。また、しのぶずりに用いる草と考えられたところから、「乱る」の縁語ともなる。《季・秋》
3 (「伊勢‐一〇〇」の「忘れ草を忍ぶ草とやいふとて」から)「かんぞう(萱草)」の誤称。
4 「しのぶずり(忍摺)」「しのぶもじずり(忍捩摺)」の略。
5 襲(かさね)の色目の名。表は薄萌葱(うすもえぎ)、裏は青。また、表をしのぶずりにする場合もあったか。秋に着用。
6 「しのぶわげ(忍髷)」の略。
●忍の=衣(ころも)[=摺衣(すりごろも)]
しのぶずりの衣。忍草(しのぶぐさ)をすりつけた衣。恋心をつつみかくす、人を恋いしたうなどの意を「しのぶ」に掛け、「乱る」の縁語として用いる歌語。
●忍の乱(みだ)れ
しのぶずりの模様の乱れているところから、人に忍ぶ恋の心まどいなどの意を掛けていう歌語。
●忍の=衣(ころも)[=摺衣(すりごろも)]🔗⭐🔉
●忍の=衣(ころも)[=摺衣(すりごろも)]
しのぶずりの衣。忍草(しのぶぐさ)をすりつけた衣。恋心をつつみかくす、人を恋いしたうなどの意を「しのぶ」に掛け、「乱る」の縁語として用いる歌語。
●忍の乱(みだ)れ
しのぶずりの模様の乱れているところから、人に忍ぶ恋の心まどいなどの意を掛けていう歌語。
しのぶ【信夫】
福島県の旧郡名。現在の福島市。上代、伊達郡と共に信夫国を形成。大化改新の時に陸奥国の郡となり、明治元年陸奥国の分割により岩代国に属した。
●忍の乱(みだ)れ🔗⭐🔉
●忍の乱(みだ)れ
しのぶずりの模様の乱れているところから、人に忍ぶ恋の心まどいなどの意を掛けていう歌語。
しのぶ【信夫】
福島県の旧郡名。現在の福島市。上代、伊達郡と共に信夫国を形成。大化改新の時に陸奥国の郡となり、明治元年陸奥国の分割により岩代国に属した。
しの・ぶ【忍ぶ】🔗⭐🔉
しの・ぶ【忍ぶ】
〔他バ上二〕
1 気持を押える。じっとこらえる。我慢する。*万葉‐三九四〇「わが背子がつみし手見つつ志乃備(シノビ)かねつも」
2 目立たないようにする。隠れたりして人目を避ける。*拾遺‐六二二「しのぶれど色にいでにけりわが恋は」
〔他バ五(四)〕
1
1に同じ。*平中‐二「こと局に、人あまた見ゆるを、えしのばで、言ひやる」
2
2に同じ。*平家‐一二「平家の子孫京中に多くしのんでありときく」
[補注](1)「偲(しの)ぶ」との関係については「しのぶ(偲)」の項の補注参照。(2)現代語では五段活用が普通であるが例外として「…するにしのびない」の形で上二段型が残っている。→しのびない




しのぶ‐いし【忍石】🔗⭐🔉
しのぶ‐いし【忍石】
黒褐色の酸化マンガン鉱。岩石の割れ目にシダ植物の忍(しのぶ)のような形に樹枝状に沈殿し、よく化石と間違えられる。
しのぶ‐が‐おか【忍岡】(‥をか)🔗⭐🔉
しのぶ‐が‐おか【忍岡】(‥をか)
東京都台東区の北西部にある上野台地の旧称。江戸時代は東叡山寛永寺の境内で、現在は上野公園がある。
しのぶがおか‐ぶんこ【忍岡文庫】(しのぶがをか‥)🔗⭐🔉
しのぶがおか‐ぶんこ【忍岡文庫】(しのぶがをか‥)
林羅山が寛永七年江戸上野忍岡の邸内に設けた文庫。のち江戸城二の丸内の銅造りの官庫を移築したが、明暦三年の大火で焼失。
しのぶ‐かぐま【忍かぐま】🔗⭐🔉
しのぶ‐かぐま【忍かぐま】
シダ類ウラボシ科の常緑多年草。各地の深山の林下に生える。短くて太く横に這う根茎から、長さ三〇〜八〇センチメートルになる葉を叢生する。葉柄は葉身よりも短く、褐色の鱗片に密におおわれる。葉身は革質で光沢があり、長さ二〇〜四〇センチメートルの長卵形で羽状に三回分裂する。裂片は楕円形で縁に深い切れ込みがある。胞子嚢群は葉の裏面に生じ、円腎形の包膜におおわれる。
しのぶ‐ぐさ【忍草】🔗⭐🔉
しのぶ‐ぐさ【忍草】
1 =しのぶ(忍)1
2 =のきしのぶ(軒忍)
3 「わすれぐさ(忘草)」の異名。
しのぶ‐ずり【忍摺・信夫摺】🔗⭐🔉
しのぶ‐ずり【忍摺・信夫摺】
忍草の葉を布帛に摺りつけて染めたもの。その模様の乱れた形状から、しのぶもじずりともいう。しのぶ。《季・秋》*伊勢‐一「しのぶずりの狩衣」
しのぶぞめ‐しぼり【忍染絞】🔗⭐🔉
しのぶぞめ‐しぼり【忍染絞】
布に小皺を寄せて糸でくくり、一度水につけてから染料に浸して、不規則な濃淡模様を染め出したもの。羽織の裏地や長襦袢などに用いる。
しのぶら・う【忍ぶらう】(しのぶらふ)🔗⭐🔉
しのぶら・う【忍ぶらう】(しのぶらふ)
〔他ハ四〕(上二段動詞「しのぶ(忍)」の反復継続態)ずっと耐えしのぶ。感情をおさえつづける。*万葉‐三七九一「舎人をとこも忍経等氷(しのぶらひ)還らひ見つつ」
[補注]語尾の「ふ」は反復・継続の助動詞とされるものであろうが、「しのぶらふ」という語形の成立については確説がない。
すい‐かずら【忍冬】(すひかづら)🔗⭐🔉
すい‐かずら【忍冬】(すひかづら)
スイカズラ科の常緑つる性木本。各地の山野や路傍に生える。全体に褐色の細毛がある。茎は細長く、左螺旋の方向に巻いて他物に右巻きにからんでのび、長さ四〜五メートルに達する。葉は長さ約五センチメートルの卵形または楕円形で柄をもち対生。花は初夏に葉腋に二個ずつならんでつき、長さ三〜五センチメートルで、細長い筒部があり、先は五裂して四片は上向きに一片は下向きに開き、芳香がある。初め白または淡紅色で、のち黄色に変わる。果実は径約六ミリメートルの球形で黒く熟す。葉は利尿・解熱・はれものの薬に用いる。漢名、忍冬・金銀花。にんどう。《季・夏》
すいかずら‐か【忍冬科】(すひかづらクヮ)🔗⭐🔉
すいかずら‐か【忍冬科】(すひかづらクヮ)
双子葉植物の一科。世界に一二属約二五〇種ある。大多数が北半球の温帯と熱帯の山岳地に生育する低木または高木、稀に草木。この仲間は多くの自生種が日本にあり、ニワトコ、ヤブデマリ、サンゴジュ、ヒョウタンボク、スイカズラ、タニウツギなどで、庭木や生垣として栽培されるものも多い。にんどう科。
すい‐ずら【忍冬】(すひづら)🔗⭐🔉
すい‐ずら【忍冬】(すひづら)
「すいかずら(忍冬)」の異名。
にん【忍】🔗⭐🔉
にん【忍】
1 こらえ、がまんすること。*十訓抄‐八「忍を信ずるによりて褒美にあへるたとへなり」
2 仏語。
一般に、忍辱(にんにく)・安忍・通達の三義。他からの侮辱などに耐え、みずからの苦しみにも心を動かすことなく、真実の道理を悟って、心を安んずること。
修行の階位である四善根の一つ、忍法のこと。四諦の理をはっきり捉えて、善根が定まり、悪趣に落ちることのない位。


にん‐かい【忍界】🔗⭐🔉
にん‐かい【忍界】
(衆生(しゅじょう)の三毒をはじめとする、いろいろな煩悩を忍受する世界の意)仏語。娑婆(しゃば)世界のこと。忍土。
にん‐く【忍苦】🔗⭐🔉
にん‐く【忍苦】
苦しみを耐えしのぶこと。
にん‐じゃ【忍者】🔗⭐🔉
にん‐じゃ【忍者】
=にんじゅつつかい(忍術使)
にん‐じゅ【忍受】🔗⭐🔉
にん‐じゅ【忍受】
こらえて身に受けること。がまんして受け入れること。
にん‐じゅう【忍従】🔗⭐🔉
にん‐じゅう【忍従】
しのびこらえてしたがうこと。忍耐して何事にも従順であること。「忍従の生活」
にん‐じゅつ【忍術】🔗⭐🔉
にん‐じゅつ【忍術】
詭計、変装、速歩、跳躍などを用いて、相手の形勢を偵察したり、放火、殺人などの目的で他国や他家などに入り込む術。安土桃山時代以後盛んとなり、甲賀流・伊賀流などがあった。隠形術。忍びの術。忍法。
にんじゅつ‐つかい【忍術使】(‥つかひ)🔗⭐🔉
にんじゅつ‐つかい【忍術使】(‥つかひ)
忍術を使うこと。また、その人。忍者。
にんしょう【忍性】(ニンシャウ)🔗⭐🔉
にんしょう【忍性】(ニンシャウ)
鎌倉時代の律宗の僧。字は良観。弘長元年鎌倉に赴き、光泉寺開山、極楽寺第一祖となり、また北条時宗の命で蒙古軍の退却を祈願。一方、四天王寺に悲田院・敬田院を建てて病人を救い、各地に橋や道路を作るなど、社会事業・福祉活動に尽力。医王如来と呼ばれ、のち後醍醐天皇から「菩薩」の称号を与えられた。(一二一七〜一三〇三)
にん‐たい【忍耐】🔗⭐🔉
にん‐たい【忍耐】
たえしのぶこと。こらえること。辛抱。耐忍。「忍耐力」「忍耐強い人」
にん‐どう【忍冬】🔗⭐🔉
にん‐どう【忍冬】
「すいかずら(忍冬)」の漢名、および異名。また、生薬としては、葉を乾かしたものをいう。漢方では、止血、殺菌、利尿などに、民間では多く、淋病の利尿用に用いる。
にんどう‐いばら【忍冬薔薇】🔗⭐🔉
にんどう‐いばら【忍冬薔薇】
「のいばら(野薔薇)」の異名。
にんどう‐しゅ【忍冬酒】🔗⭐🔉
にんどう‐しゅ【忍冬酒】
すいかずらの花の乾燥させたものを用いて作った薬用酒。のいばらなどを用いた代用品もある。
にんどう‐もん【忍冬文】🔗⭐🔉
にんどう‐もん【忍冬文】
すいかずらのような蔓草を図案化した唐草模様。ギリシア・ローマ文化の東漸につれ、西域・中国南北朝を経て日本の飛鳥美術に大きな影響を与えた。法隆寺玉虫厨子飾金具はその一例。
にん‐にく【大蒜・蒜・葫・忍辱】🔗⭐🔉
にん‐にく【大蒜・蒜・葫・忍辱】
ユリ科の多年草。西アジア原産と考えられ、漢以後西域から中国に伝わり、東漸して日本にも渡来した。鱗茎を食用または強壮薬に用いるため畑で広く栽培される。高さ〇・六〜一メートル。全体に強烈な臭気をもち、地中に淡褐色の大形の鱗茎がある。葉は線形。夏、くちばし状の総苞葉の中に紫色を帯びた白い小さな花をつけ、花の間には「むかご」がまじる。健胃・発汗・利尿・
痰・整腸薬などに用いるほか、古くから、肉類・ソースの重要な香辛料の一つ。漢名、葫。ひる。おおびる。ににく。にもじ。ろくとう。ガーリック。《季・春》

にん‐にく【忍辱】🔗⭐🔉
にん‐にく【忍辱】
=にんにくはらみつ(忍辱波羅蜜)
●忍辱の=衣(ころも)[=袈裟(けさ)・鎧(よろい)]
忍辱の心はいっさいの害難を防ぐというところから、忍辱の心を身を護る衣にたとえていう語。転じて、袈裟。
●忍辱の=衣(ころも)[=袈裟(けさ)・鎧(よろい)]🔗⭐🔉
●忍辱の=衣(ころも)[=袈裟(けさ)・鎧(よろい)]
忍辱の心はいっさいの害難を防ぐというところから、忍辱の心を身を護る衣にたとえていう語。転じて、袈裟。
にんにく‐はらみつ【忍辱波羅蜜】
仏語。菩薩の六種の修行(六波羅蜜)の一つ。外からの種々の侮辱や迫害を耐えしのんで心を動かさないこと。忍辱。
にんにく‐はらみつ【忍辱波羅蜜】🔗⭐🔉
にんにく‐はらみつ【忍辱波羅蜜】
仏語。菩薩の六種の修行(六波羅蜜)の一つ。外からの種々の侮辱や迫害を耐えしのんで心を動かさないこと。忍辱。
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