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する【▽為る】🔗⭐🔉
する【▽為る】

動サ変
〔命令形は「しろ」「せよ」〕

自
ある現象が起こる。
「稲光[雨漏り]が━」
「深々と底冷えが━」
「むんむんと人いきれが━」
感覚器官を通して音・味・香りなどが感じられる。
「背後で物音が━」
「レモンのような味が━」
「羽根のような手触りが━」
体に異常を感じる。
「頭痛[めまい・息切れ・耳鳴り・吐き気]が━」
心にある気持ちや感じなどをもつ。そのような心持ちが起こる。
「寂しい思いが━」
「追われているような気[感じ]が━」
「気後れ[胸騒ぎ]が━」
「気後れする」など、「が」を言わない形でも使う。
《状態性名詞+「がする」または「のした…」の形で》そういう性状・性質をもっている。
「体力的には見劣りが━」
「間延びのした声」
「世間擦れのした考え方」
「日焼けのした顔」
「見劣りする」「日焼けした…」など、「が」「の」を言わない形でも使う。
《金額を表す語に付いて》その値段である。
「この時計は十万円もした」
「その本いくらした?」
「いくらもしない(=安い)」
「一円もしない(=無料だ)」
《時間を表す語に付いて》時が経過する。たつ。
「五分もすれば着くでしょう」
「しばらくしてから行く」
《情態副詞+「とする」、トタル型形容動詞の連用形+「する」の形で》そういう様態的性質をもった現象・感覚が現れる。また、そういう様態的性質をもっている。
「注射器が腕にちくりとした」
「体格はがっしりとしている」
「ぼんやりとした不安が私を襲う」
「杳ようとして行方が知れない」
「がっしりしている」など、「と」を言わない形でも使う。
《様態を表す形容詞・形容動詞の連用形、「こう」「そう」など、副詞句に直接付いて》そのような行動や態度をとる。
「静かにしろ」
「人に優しく━」
「彼女とは常日ごろ親しくしている」
「言われたとおりに━」
「こうすればいいでしょう」
《「…とする」の形で》
仮定の内容を受けて、ひとまずそう考えておく。…と仮定する。
「かりに宝くじに当たったとしてみよう」
「ある政党が過半数をとったと━」
意見や判断を受けて、そういう考えがあることを示す。…と見なす。
「即座に協力すべきだと━意見が多数を占める」
「気象庁では津波の心配はないとしています」
◇報道などで多用される言い方。
その見解や判断に自分は関与しないことを表し、「とりあえずの判断である」というニュアンスや、責任を回避している印象も与える。自分の意見や判断を示す場合は、「…と考える[見なす・判断する・主張する]」など主体的な表現を使う。

他
自分の意志である動作・行為を行う。また、無意識のうちにある動作・行為を行う。
「勉強[早起き・連絡・協力・けんか]を━」
「困ったことをしてくれるわい」
「よそ見[うっかりミス]を━」
「苦労をして作曲したオペラです」
「する」の尊敬語には「なさる」、謙譲語には「仕つかまつる」、丁重語には「致す」などがある。
体にある現象が生じる。特に、病気など好ましくない現象が生じる。
「呼吸[咳せき・おなら・病気・突き指]を━」


には、「勉強する」「呼吸する」など、「を」を言わない言い方をするものも多い。
ある役割を務める。
「教師[パン屋]をしている」
「一年前は町内会長をしていた」
「司会[受付]を━」
ある物を身につける。
「右手に包帯を━」
「ネクタイ[指輪・手袋・眼鏡]を━」
「覆面を━」
「付けまつげを━」
「首輪をした犬」
《連体修飾語+名詞+「をして…」または「をした…」の形で》そのような性質・形状・状態である。
「彼は長い髪をしている」
「苦虫をかみつぶしたような顔をしている」
「がっしりした体格をした人」
「複雑な構造をした機械」
「丸い形をした屋根」
〜ヲに状態性の複合名詞をとる言い方もある(仏頂面をしている)。
《「AをBに━」などの形で》あるものを別のものや別の状態に変える。
「鉄鉱石を鋼はがねに━」
「誘拐事件を小説に━」
「部屋をきれいに━」
「台所を使いやすく━」
「身を粉こにして働く」
《多く「AをBに━」の形で》人をある職業や地位につける。
「子供を医者に━」
「腹心の部下を重役に━」
《多く「AをBに━」の形で》あるものをある用にあてる。特に、他の代用として役立てる。
「土地を担保に━」
「木刀を杖つえに━」
「ひざを枕まくらに━」
「かき集めた一億円を身代金と━」
《「AをB
に/と━」の形で》あるものをそのような価値や資格をもったものとして扱う。
「写真を趣味
に/と━」
「先輩を目標
に/と━」
「遠足を楽しみに━」
「よくも人をばかにしたな」
「受賞を大いなる喜びと━」
《「AをB
と/に━」の形で》判断・選択してそれと決める。
「上位三名を同格
と/に━」
「試合は中止
と/に━」
「贈り物は花束に━」
「昼飯をウナギに━」
《「…とされる」の形で》→される

補動
《動詞連用形に助詞「は」「も」「や」「さえ」「こそ」などを添えた形に付いて》その動詞の(否定の)意味をとりたてたり強めたりする。
「英語が話せは━がうまくはない」
「読みもしないで批評はするな」
「さぼったことなど分かりやしないさ」
「心配こそすれ忘れたことなど一度もない」
《「たりする」「などする」の形で》他に同類があることを暗示しながら、動作・状態を例示するのをまとめあげる。
「泣いたり笑ったりして暮らす」
「すねたり(など)して悪い子ね」
《「〜方かたをする」の形で》その方法・しかたで物事を行う。また、迷惑や被害がそうしたしかたで起こる。
「高圧的な口の利き方を━」
「むごい殺され方をしたもんだ」
《「お[ご]…する」の形で、間に動詞連用形やサ変動詞語幹が入って》謙譲
Aに…する、A(の事物)を…するという動作について、Aを高める。
「明日先生にお会いします」
「山田さんをご案内━」
「御社のますますのご発展をお祈りします」
「またのご来店をお待ちしております」
「こちらからご連絡しましょうか」
→お(御)
・ご(御)
◇「お[ご]…される」は「される」を参照。→「される」の注意
近年、「(私は)会社をお休みします」など、動作の及ぶ人物のない、美化語的な用法も見られる。
より敬意の度合いの高い言い方に「お[ご]…申し上げる」がある。
謙譲表現は自分側の動作について言うものなので、尊敬表現として他人の動作について使うのは誤り。「×
先生が君にお会いしたいそうだ(○
お会いになりたいそうだ)」「×
ご利用するサービスをお選びください(○
ご利用になるサービス)」「×
明日までに弊社にご連絡してください(○
ご連絡ください)」
自分側の動作であっても、他人に及ばないものについて使うのは誤り。「×
私は一週間ほどご旅行します」
◆以下のような形でも使う(それぞれの項目を参照)。→…うとする(助動詞「う」
)・…まいとする(助動詞「まい」
)・…ようにする(助動詞「ようだ」
)・ことにする・とすると・とすれば・としたら・として・としても・としたことが・にしろ・にせよ・にして・にしては・にしても・にしたって・をして
《名詞、動詞・形容詞の連用形、副詞などに付いてサ変複合動詞を作る》それぞれの語幹に動作・状態などの意を添える。
「愛━・涙━・キック━・取引━・びっくり━・ひんやり━」
「信ずる」「感ずる」「応ずる」「重んずる」など、語幹が漢字一字からなるものには「〜ずる」となるものも多い。これらは近年「信じる」「感じる」「応じる」「重んじる」のように下一段化して使う傾向が強い。また、「愛する」「訳する」「略する」などは、他に「愛す」「訳す」「略す」があり、これらは口語では五段化する。
す(サ変)
関連語
大分類‖行う‖おこなう
中分類‖する‖する
大分類‖行う‖おこなう
中分類‖行い‖おこない
大分類‖行う‖おこなう
中分類‖実行‖じっこう
大分類‖行う‖おこなう
中分類‖遂行‖すいこう





















































































明鏡国語辞典 ページ 3267 での【為る】単語。