【翠】 14画　羽部　［人名漢字］ 区点=3173　16進=3F69　シフトJIS=9089 【翆】異体字異体字 10画　羽部 区点=7035　16進=6643　シフトJIS=E3C1 《音読み》　スイ〈ch〉 《訓読み》　みどり 《名付け》　あきら・みどり 《意味》 ｛名｝よごれのないみどりの羽。「翡翠ヒスイ（水辺にすむ小鳥の名。全身に青緑色の美しい羽毛をもつ。かわせみ。雄を翡、雌を翠という。また、宝石の名。光沢のある濃いみどり色をしており、装飾品とする）」 ｛名・形｝みどり。翡翠ヒスイのような青緑色。山・草・葉などよごれない青みどりのもの。青みどりの。 《解字》 会意兼形声。「羽＋音符卒シュツ（小さい、よけいな成分を去って小さくしめる）」。からだの小さくしまった小鳥のこと。また、よごれを去った純粋な色。 《単語家族》 粹（＝粋。よごれを去った米）と同系。 《熟語》 →熟語 →下付・中付語

【翠羽】 スイウ かわせみの羽。珍しいものとされ、装飾品の材料とされた。

【翠雨】 スイウ 青葉に降る雨。〈類義語〉緑雨。穀物の生長を助ける雨。美しい黒髪に降りかかる雨。

【翠阜】 スイフ 青々とした丘。「重楼翠阜出霜暁＝重楼翠阜霜暁ニ出ヅ」〔→蘇軾〕

【翠柳】 スイリュウ 青々とした柳。

【翠苔】 スイタイ みどり色のこけ。『翠蘚スイセン』

【翠華】 スイカ かわせみの羽で飾った天子の旗。「翠華南幸＝翠華南幸ス」〔陳鴻〕

【翠被】 スイヒ かわせみの羽でつくった着物。「翠被怱怱見執鞭＝翠被怱怱鞭ヲ執ルヲ見ル」〔→元好問〕

【翠浪】 スイロウ 青みどり色の波。▽青々とした広い畑、青々とした連山などのたとえとしても用いられる。『翠波スイハ・翠濤スイトウ』「分畦翠浪走雲陣＝畦ニ分カルル翠浪ハ雲陣ヲ走ラシム」〔→蘇軾〕

【翠帷】 スイイ みどり色のとばり。『翠幄スイアク・翠帳スイチョウ』

【翠陰】 スイイン ＝翠蔭。青葉のかげ。〈類義語〉緑陰。

【翠屏】 スイヘイ みどり色の屏風ビョウブ。青々とした山や樹木の茂った崖ガケのたとえ。

【翠鳥】 スイチョウ 鳥の名。かわせみ。青緑色の美しい羽をしている。『翠禽スイキン』

【翠嵐】 スイラン 青々とした山にかかったもや。青々とした山の姿の形容。

【翠煙】 スイエン 青みを帯びた煙。青みを帯びたもや。遠くの青々とした森にかかっているもや。

【翠蛾】 スイガ ＝翠娥。青黒い三日月形の眉マユ。美人の美しい眉のこと。転じて、美人のこと。

【翠鈿】 スイデン かわせみの羽または、翡翠ヒスイでつくったかんざし。『翠釵スイサイ』「翠鈿金圧臉＝翠鈿金ハ臉ヲ圧ス」

【翠微】 スイビ もやがたちこめている青々とした山。「開軒見翠微＝軒ヲ開キテ翠微ヲ見ル」〔→高啓〕高山の八合目あたり。みどりにけむる山の中腹。

【翠楼】 スイロウ 青く塗った高殿。遊女屋のこと。〈類義語〉青楼。『翠館スイカン』

【翠嶂】 スイショウ 青々としたきりたった峰。

【翠髪】 スイハツ 女性の黒々した美しい毛髪。みどりの黒髪。〈類義語〉緑髪。

【翠鳳】 スイホウ みどり色の鳳凰ホウオウ。かわせみと鳳凰。鳥の形をあらわした髪飾り。かわせみの羽で鳳凰をかたどった天子の旗の飾り。西王母の乗る車。（６）天子の乗用する車。

【翠輦】 スイレン 天子の乗用するみどり色の手押し車。「望断平時翠輦過＝望断ス平時翠輦ノ過リシヲ」〔→李商隠〕

【翠黛】 スイタイ 青黒いまゆずみ。美人のまゆのこと。▽もやがかかって青々と見える遠山の形容としても用いる。〈類義語〉緑黛リョクタイ。転じて、美人のこと。

【翠嶺】 スイレイ 青々とした山。『翠巒スイラン』

【翠観】 スイカン みどり色の屋根瓦ガワラをふいた道観（道教の寺）。

【翠翹】 スイギョウ かわせみの羽。かわせみの羽をかたどってつくった婦人の髪飾り。▽「翹」は、高くそりあがった羽。「翠翹金雀キンジャク玉掻頭ギョクソウトウ（いずれも婦人の髪飾り）」〔→白居易〕

【翠簾】 スイレン みどり色のすだれ。『翠箔スイハク』

【翠鬟】 スイカン 輪型に巻いた、美人のつやつやしいまげ。「憑誰整翠鬟＝誰ニ憑リテカ翠鬟ヲ整ヘン」

【翠靄】 スイアイ 青みを帯びたもや。