【吟月】 ギンゲツ・ツキニギンズ 月を見ながら詩歌を口ずさむ。

【吟叫】 ギンキョウ 泣き叫ぶ。民間の歌曲の名。物売りの売り声の調子で歌う歌。

【吟行】 ギンコウ 詩歌を口ずさみながら歩いていく。旅行しながら詩歌をつくること。

【吟社】 ギンシャ 詩人が漢詩をつくったりよんだりする目的でつくる集まり。

【吟味】 ギンミ 詩歌を口ずさんで味わうこと。『吟嚼ギンシャク・吟咀ギンソ』詩歌の趣・味わい。〔国〕詳しく調べる。〔国〕罪を取り調べる。

【吟客】 ギンカク 詩歌をつくる人。詩人。

【吟唱｛誦｝】 ギンショウ 詩歌を、声を出して、節をつけてうたう。『吟詠ギンエイ・吟咏ギンエイ・吟哦ギンガ・吟弄ギンロウ・吟歌ギンカ・吟頌ギンショウ・吟諷ギンプウ・吟謡ギンヨウ』▽「吟哦」の「哦」は声を出して歌う。「六年西顧空吟哦＝六年西ヲ顧ミテ空シク吟哦ス」〔→韓愈〕

【吟嘯】 ギンショウ 声を長く引いて詩歌を歌う。「何妨吟嘯且徐行＝何ゾ妨ゲン吟嘯シテカツ徐行スルヲ」〔→蘇軾〕時世を嘆いて出す声。嘆声。〔→後漢書〕

【吟懐】 ギンカイ 詩歌をつくりたいと思う気持ち。『吟魂ギンコン・吟興ギンキョウ・吟情ギンジョウ・吟心ギンシン』

【垠崖】 ギンガイ そびえたつがけ。「垠崖劃崩豁＝垠崖ハ劃トシテ崩豁タリ」〔→韓愈〕

【垠咢】 ギンガク かぎり。はて。極限。▽「咢」は、かどだったがけ。『垠際ギンサイ』

【憖憖】 ギンギン 笑うさま。うやまいつつしむさま。

【言言】 ゲンゲン ひとことひとこと。→〈意味〉ギンギン つつしむさま。「二爵而言言斯＝二爵ニシテ言言タリ」〔→礼記〕

【銀山】 ギンザン 銀を産出する鉱山。銀色の山。▽白い高波をたとえる。「銀山堆裏看青山＝銀山堆裏ニ青山ヲ看ル」〔→黄庭堅〕

【銀甲】 ギンコウ 銀でつくったよろい。弦楽器をひくときに用いる銀製のつめ。

【銀世界】 ギンセカイ 一面雪におおわれた美しいけしきのこと。

【銀艾】 ギンガイ 銀製の印と、緑色のくみひも。高官が帯びた。▽「艾」は、緑のよもぎ。『銀印緑綬ロクジュ』

【銀行】 ギンコウ 両替リョウガエの店。金銭を預かったり貸しつけたりする金融機関。

【銀字】 ギンジ 銀で音階を書きしるした笛。『銀管ギンカン』銀粉で書いた字。

【銀花】 ギンカ 銀色の花。▽明るく輝く灯火や、降ってくる美しい雪をあらわす。

【銀杏】 ギンキョウ・イチョウ 木の名。葉は扇形で秋に黄葉する。「公孫樹」とも。▽イチャウは、近世の中国語、鴨脚ヤアチャオの転じたもの。ギンナン いちょうの実。▽ギンナンは、唐宋トウソウ音、ギンアンの転じたもの。

【銀牀】 ギンショウ 井戸につけた、銀でつくったいげた。銀で飾った寝台。

【銀青】 ギンセイ 銀製の印と、青色のくみひも。秦シン・漢のころ、光禄大夫が帯びた。『銀印青綬ギンインセイジュ』

【銀座】 ギンザ〔国〕徳川幕府直轄の、銀貨を鋳造した役所。

【銀黄】 ギンコウ 銀と黄金。白色と黄色。銀印と金印。いずれも高位高官が身につけた。銀製の印と、黄色のくみひも。「銀印黄綬ギンインコウジュ」とも。

【銀釧】 ギンセン 銀製のうでわ。「皓腕肥来銀釧窄＝皓腕肥エ来タリテ銀釧窄シ」〔→白居易〕

【銀漢】 ギンカン 天の川のこと。『銀河ギンガ・銀湾ギンワン』「銀漢応接鳳城＝銀漢ハカニマサニ鳳城ニ接スルナルベシ」〔→杜甫〕

【銀鉤】 ギンコウ 銀製のかぎ。▽非常にたくみな草書を形容することばとしても用いる。「太常妙蹟兼銀鉤＝太常ノ妙蹟銀鉤ヲ兼ヌ」〔→呉偉業〕銀製のすだれかけ。銀製の帯どめ。

【銀管】 ギンカン 銀製の管を軸にした筆。「銀字」と同じ。

【銀鞍】 ギンアン 銀で飾ったりっぱなくら。

【銀箭】 ギンセン 漏刻の、目盛りをつけた銀の棒。「銀箭金壺漏水多＝銀箭金壺漏水多シ」〔→李白〕銀の矢。▽降ってくる大雨をあらわす。「忽驚銀箭四山飛＝忽チ驚ク銀箭四山ニ飛ブヲ」〔→元好問〕

【銀篦】 ギンペイ 琴をひくための銀製のつめ。銀のかんざし。『銀釵ギンサイ』

【銀燭】 ギンショク 明るく輝くともしび。『銀灯ギントウ』

【銀蟾】 ギンセン 月のこと。▽月の中に蟾蜍センジョ（ひきがえる）がいるという伝説から。

【齦齶】 ギンガク・ゴンガク 岩石などが、でこぼこしているさま。