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広辞苑の検索結果 (51)
つけ【付け・附け】🔗⭐🔉
つけ【付け・附け】
[一]〔名〕
①つけること。
②書きつけ。勘定書。また、借買いすること。「―がたまる」
③手紙。浮世床初「此中―をよこした女よ」
④めぐりあわせ。運。折。さいさき。前兆。東海道中膝栗毛4「北八、手めへ今日は大分―がわりいぜ」
⑤付帳つけちょうの略。
⑥(歌舞伎用語)争闘演技、見得みえ、駆け出すとき、物を投げつけるときなど、強く印象づけるため、舞台上手かみてで、板を拍子木ひょうしぎ様の二つの柝きでたたくこと。付拍子。
[二]〔接尾〕
①動詞の連用形に付いて、常にそのことをしている意を表す。「行き―の店」
②(ヅケと連濁)年月日について、文書発行の日付を示す。
⇒付けが回って来る
つけ‐あが・る【付け上がる】🔗⭐🔉
つけ‐あが・る【付け上がる】
〔自五〕
相手の寛大なのに乗じて増長ぞうちょうする。泉鏡花、冠弥左衛門「予て石村の下に―・り目下は虫とも思はぬ手合」。「甘い顔をすると―・る」
つけ‐あげ【付け揚げ】🔗⭐🔉
つけ‐あげ【付け揚げ】
①あげもの。てんぷら。
②(鹿児島地方で)薩摩揚のこと。
つけ‐あわ・せる【付け合わせる】‥アハセル🔗⭐🔉
つけ‐あわ・せる【付け合わせる】‥アハセル
〔他下一〕[文]つけあは・す(下二)
①はなれないように合わせる。くっつける。
②添えてあしらう。配合する。
つけ‐いだ・す【付け出す】🔗⭐🔉
つけ‐いだ・す【付け出す】
〔他四〕
あとをつけて、見つけ出す。好色二代男「やがて―・し、心任せに討たすべし」
つけ‐い・る【付け入る】🔗⭐🔉
つけ‐い・る【付け入る】
[一]〔自五〕
①敵が退くのに乗じて、攻勢に出る。
②機会に乗ずる。つけこむ。「弱みに―・る」
[二]〔他下二〕
逃げるのを追いかけて、城などへ入りこませる。〈日葡辞書〉
つけ‐おち【付け落ち】🔗⭐🔉
つけ‐おち【付け落ち】
帳簿などに、品物の価格・数量など記載すべきものが脱落していること。つけおとし。
つけ‐おとし【付け落し】🔗⭐🔉
つけ‐おとし【付け落し】
(→)「つけおち」に同じ。
つけ‐か・える【付け替える】‥カヘル🔗⭐🔉
つけ‐か・える【付け替える】‥カヘル
〔他下一〕[文]つけか・ふ(下二)
とりかえて付ける。また、別の所に付ける。「ボタンを―・える」「リボンを―・える」
○付けが回って来るつけがまわってくる🔗⭐🔉
○付けが回って来るつけがまわってくる
(請求書が後で回ってくることから)以前の無理や悪事の報いがめぐってくる。
⇒つけ【付け・附け】
つけ‐がみ【付紙】
①文書中の必要な箇所にしるしとしてつけておく紙。さげがみ。付箋。不審紙。
②合図や目じるしとして門口などに貼り付けた紙。
つけ‐がみ【付髪】
①年少者の髪の短いのを補うために付け添えた髪。そえがみ。
②髪を結う時に添え入れる髪。いれげ。
つけ‐がもい【付鴨居】‥ヰ
塗壁にとりつけた化粧鴨居。
つけ‐がろう【付家老】‥ラウ
江戸時代、幕府から親藩三家に、または大名の本家から分家に、監督として付けておいた家老。つけびと家老。付人。御付。
つけ‐がわせ【付為替】‥ガハセ
海上運送の貨物引渡しの際、回漕問屋仲間の習慣によって約定運賃以外に荷受人に請求する金銭。
つけ‐ぎ【付木】
スギやヒノキの薄片の一端に硫黄いおうを塗りつけたもの。火を他の物に移すのに用いた。いおうぎ。火付け木。
⇒つけぎ‐つき【付木突き】
つけぎ‐つき【付木突き】
付木を作ること。また、その職人。
⇒つけ‐ぎ【付木】
つけ‐ぎょぎょう【漬け漁業】‥ゲフ
海面または海中に竹木の束、柴などを漬け、集まる魚などを採捕する漁業。シイラ漬けなど。→ふしづけ(柴漬)1
つけ‐く【付句】
「付合つけあい」参照。
つげ‐ぐし【黄楊櫛】
ツゲの木で作った櫛。万葉集11「朝づく日向ふ―旧ふりぬれど」
つけ‐ぐすり【付け薬】
皮膚に塗り、または貼る外用薬。膏薬・塗薬の類。↔飲薬のみぐすり
つげ‐ぐち【告げ口】
人の隠し事や過失をこっそり他人に告げること。いいつけぐち。密告。尾崎紅葉、不言不語「仂はしたなき―にもあらじ」。「先生に―する」
つけ‐くわ・える【付け加える】‥クハヘル
〔他下一〕[文]つけくは・ふ(下二)
あるものの上にさらに添える。つけたす。付加する。「説明を―・える」
つけ‐げいき【付け景気】
うわべだけの景気。からげいき。
つけ‐げんき【付け元気】
うわべだけの元気。からげんき。尾崎紅葉、阿蘭陀芹「実は幽霊に会ふのは好ましくないのであるから―で飛出しました」
つけ‐こ【付子】
鳴き声のよいウグイス・ホオジロなどのそばに同類の鳥をつけて、その音色を習わせること。また、そのつけておく鳥。
つけ‐ごえ【付声】‥ゴヱ
①他人の声に添えて発する声。
②本人は物を言わないで、別の人にしゃべらせること。好色一代女6「声をかしげなれば、牛夫ぎゅうに―させ」
つけ‐こみ【付込み】
①つけこむこと。乗ずること。
②付込帳の略。
③芝居見物の際に、観客が自分の好みの席を茶屋や出方でかたに申し込んで確保しておくこと。広津柳浪、煩悩「―の客も断はる程な大入り」
⇒つけこみ‐ちょう【付込帳】
つけこみ‐ちょう【付込帳】‥チヤウ
仕訳しわけせずに、事項を日付順に記入する帳簿。
⇒つけ‐こみ【付込み】
つけ‐こ・む【付け込む】
〔自五〕
①機会に乗じてする。つけ入る。「無知に―・む」
②あとをつけて、居所を確かめる。
③あらかじめ約束しておく。あらかじめ申し込む。
④仕訳しわけをせずに帳面に記入する。
つけ‐こ・む【漬け込む】
〔他五〕
桶などに漬物を仕込む。「大根を―・む」
つけ‐ころも【付衣】
裾を長く仕立てた僧衣。多くは黒色。
つけ‐さげ【付下げ】
和服の文様の付け方の一つ。元来は仕立て上がった着物の前も後ろも文様が肩山の方を向いている文様の置き方。現在は多く小紋以外に上前裾すそ・胸元・袖などに絵羽風に文様を染めた訪問着を指す。
つけ‐ざし【付け差し】
自分が口をつけた杯またはキセルなどを人に与えること。遊里などで、情の深さを示すしぐさとされた。つけざ。好色一代男1「敦盛を取つて抑へて熊谷が―せしとなり」
つげ‐さと・す【告げ諭す】
〔他五〕
さとして言い聞かせる。説き聞かせる。
つけ‐し【付師】
歌舞伎で、下座げざ音楽を選定・新作する人。付帳つけちょうを製作する狂言作者をもいう。
つけ‐しば【漬柴】
(→)柴漬ふしづけに同じ。
つけ‐しゅうげん【付祝言】‥シウ‥
能楽で、1日の番組の最後に付ける短い謡うたい。祝言能を演ずる代りにその終末の一部分を謡うもの。
つけ‐しょいん【付書院】‥ヰン
床の間の脇に設けた板張りで、縁側に張り出し、前に明り障子を立てたもの。机を造りつけにする。書院床。出文机いだしふづくえ。書院構え。書院棚。明り床。明書院。つけじょいん。
付書院
つけ‐じょう【付状】‥ジヤウ
①(→)添状そえじょうに同じ。
②貴人に書状を差し出す時、はばかってその宛名を、その傍に仕える人の名宛としたもの。
つけ‐じら【付けじら】
晴着の染模様で、紙型を用いて染めたもの。↔かきじら
つげ‐しら・せる【告げ知らせる】
〔他下一〕[文]つげしら・す(下二)
告げて知らせる。通知する。告知する。
つけ‐しる【付け汁】
(ツケジルとも)うどん・そば・テンプラなどにつける汁。たれ。
つけ‐じろ【付城】
(ツケシロとも)
①本城に付属した城。出城でじろ。
②敵の城を攻めるために敵城に対して築いた城。向城むかいじろ。日葡辞書「ツケシロヲスル」
つけ‐ずまい【付け争い】‥ズマヒ
馬が人や荷物をのせるのを嫌がって跳ねること。太平記20「この馬俄かに属強つけずまいをして騰あがつつ跳おどつつ狂ひけるに」
つけ‐すま・う【付け争ふ】‥スマフ
〔自四〕
馬が人の乗るのを嫌って、尻を横へふり向ける。〈日葡辞書〉
つけ‐そ・える【付け添える】‥ソヘル
〔他下一〕[文]つけそ・ふ(下二)
つけ加える。つけ足す。
つけ‐だい【付台】
①金銀を人に遣わすときの台。近世、黄金一枚・銀子一枚などと書いた包紙を台に糊で貼りつけ、金銀は別に包んで与えた。
②すし屋で、握ったすしを置くための客の前の台。
つけ‐だけ【付竹】
竹製の付木つけぎ。また、一般に付木。源平盛衰記16「燧ひうち―硫黄など用意して」
つけ‐たし【付足し】
つけたすこと。また、つけたしたもの。つけたり。
つけ‐だし【付出し】
①つけだすこと。
②売掛金の請求書。かきだし。かきつけ。勘定書。
③相撲で、実力が認められ、前相撲を経ずに、いきなり幕下から取り始めること。また、その力士。
④(→)「差出し」2に同じ。
つけ‐た・す【付け足す】
〔他五〕
あるものの上にさらに加える。補う。追加する。
つけ‐だ・す【付け出す】
〔他五〕
①帳簿などに記し始める。
②商品の売上代金を請求するために、書いてだす。
③馬などの背につけて送り出す。
④あとをつけて出る。尾行する。
つけ‐たて【付立て】
①帳面にしるしをつけること。
②歌舞伎で、立稽古が済んでから、衣裳・小道具、特に鳴物の相談をして付帳つけちょうを作ること。
③絵画で、輪郭を用いず、じかに墨または色彩でえがくもの。東洋画の技法、没骨もっこつの一種。
⇒つけたて‐ふで【付立て筆】
つけたて‐ふで【付立て筆】
付立3に用いる大形の筆。
⇒つけ‐たて【付立て】
つけ‐たり【付】
(動詞「付ク」の連用形に完了の助動詞タリの付いた語)
①主なものに対して、それにつけ加えたもの。付録。源平盛衰記1「五郎の夜の闇打、―五節始めの事」
②おまけとして添えられたもの。そえもの。また、口実。「私などはほんの―にすぎない」「視察は―で、接待が目的だ」
つけ‐ぢえ【付け知恵】‥ヱ
いれぢえ。さしぢえ。浮世風呂3「はたから―がございますからいとどおしやべりになります」
つけ‐ちょう【付帳】‥チヤウ
演劇上演に先立って、必要な大道具・小道具・衣装・鬘などの品目、また鳴物の指定などをそれぞれ一冊に書き出したもの。略して「付つけ」とも。
つけ‐つけ
〔副〕
無遠慮に突っかかるようにものを言うさま。ずけずけ。浄瑠璃、妹背山婦女庭訓「また―と何言ひをる」。「―文句を言う」
つけっ‐ぱなし【付けっ放し】
つけたまま放っておくこと。「テレビを―で寝てしまう」
つけ‐どこ【付床】
取りはずしの自由な置床。
つけ‐どころ【付け所・着け所】
①つけるべき箇所。「目の―」
②雅楽で、句頭の独唱または音頭の独奏から、斉唱または合奏に移る所。
つけ‐とどけ【付け届け】
①謝礼や義理で届ける贈物・祝儀。「盆暮の―」
②転じて、賄賂わいろ。
③とどけ出ること。訴え出ること。浮世草子、沖津白波「たがひに宿へ―して善悪を沙汰し申さん」
つけ‐な【漬菜】
①漬物に用いる菜。また、塩に漬けた菜。
②漬物に適した唐菜とうな・白菜はくさいの類。
つけ‐ね【付け値】
買い手がつけたねだん。↔言い値
つけ‐ね【付け根】
物と物とがくっついている際きわの部分。「股ももの―」
つけ‐ねら・う【付け狙う】‥ネラフ
〔他五〕
絶えずあとをつけて攻撃する機会をうかがう。「要人を―・う」
つげ‐の‐おぐし【黄楊の小櫛】‥ヲ‥
ツゲの木で作った小櫛。万葉集9「君なくは何なそ身よそはむくしげなる―も取らむとも思もはず」
つけ‐は【漬葉】
菜・大根の葉の塩漬。〈日葡辞書〉
つけ‐ば【付け場】
⇒つきば(着場)
つけ‐ばしら【付柱】
①付書院つけしょいんの外方の柱。書院柱。
②意匠上の必要などから付けた柱形。片蓋かたふた柱。
つけ‐ばな【付け鼻】
①鼻が傷ついた時などに形を整えるためにつける人造の鼻。
②扮装や仮装に用いる張子などの作り鼻。
つけ‐ばり【漬鉤】
(→)置鉤おきばりに同じ。
つけ‐び【付け火】
故意に火をつけること。放火。また、その火から起こった火災。
つけ‐ひげ【付け髭】
(→)「作り髭」に同じ。
つけ‐びと【付け人】
①側近につけておく人。つきそい人。つきびと。
②(→)付家老つけがろうに同じ。
③侠客などを応援する浪人。
つけ‐ひも【付け紐】
子供の着物の胴の両側または後方に縫いつけてある紐。
つけ‐びょうし【付拍子】‥ビヤウ‥
(→)「つけ(付)」[一]6のこと。
つけ‐びん【付け鬢】
仮につけた鬢。
つけ‐ぶせ【付け布施】
本家や親方の家の葬儀などの時、親類や子方の者が僧に贈る金銭。
つけ‐ふだ【付け札】
物の目印に付ける札。さげふだ。
つけ‐ぶみ【付け文】
恋文を送ること。また、その恋文。
つげ‐ぶみ【告文】
⇒こうもん
つけ‐ペン【付ペン】
ペン軸の先にはめこみ、インクをつけながら書くペン。また、そのペン先。
つけ‐ぼくろ【付け黒子】
容色を引き立たせるために顔に描き、または貼りつけるほくろ。
つげ‐まくら【黄楊枕】
ツゲの木でつくった枕。万葉集11「夕されば床のへ去らぬ―」
つけ‐まげ【付け髷】
別に作っておいて頭髪に添えつける髷。つけわげ。
つけ‐まつげ【付け睫毛】
化粧・仮装用の人工の睫毛。
つけ‐まつり【付祭】
①江戸時代、山王社・神田明神などの祭礼に、町々の山車だしのほかに、踊屋台で娘・子供に手踊などをさせて余興としたもの。
②付けそえて言い、または行うこと。付け加えられるきまり文句。浮世風呂2「南京の鉢を割つたことがいつの小言にも―だ」
つけ‐まわ・す【付け回す】‥マハス
〔他五〕
人のあとをつけて、どこまでも追いまわす。「若い娘を―・す」
つけ‐まわ・る【付け回る】‥マハル
〔自五〕
人のあとをつけて離れない。つきまとう。
つげ‐まわ・る【告げ回る】‥マハル
〔他五〕
あちこちへ言いふらす。
つけ‐め【付け目】
①賭博で、ねらいをつけた札または采さいの目。
②つけこむ所。めあて。ねらい。「そこがこっちの―さ」
つけ‐めん【付け麺】
つけ汁につけて食べる麺。
つけ‐もの【付物】
①付け添えるもの。つきもの。
②衣服に飾りとしてとりつけるもの。特に、京都賀茂神社の祭の放免ほうべんの飾り物。
③雅楽で、楽器の伴奏をつけること。催馬楽さいばらでは笙しょう・篳篥ひちりきなどを合わせる。
④箏組歌に付属曲として教習する曲。「六段」「みだれ」など。
⑤祭に出す練物ねりもの。
⑥(→)「ものづけ」に同じ。
つけ‐もの【漬物】
野菜などを塩または糠味噌などに漬けて、ならした食品。こうのもの。
つけ‐やき【付け焼き】
魚肉や獣肉に醤油などを塗って焼くこと。また、その焼いたもの。てりやき。
つけ‐やきば【付焼刃】
①鈍刀に鋼はがねの焼刃だけをつけたしたもの。
②一時その場を間に合わせるために、にわかに習い覚えること。また、その覚えた知識。「―では役に立たない」「―は剥げやすい」
つげ‐や・る【告げ遣る】
〔他五〕
知らせてやる。万葉集15「いざ―・らむ旅の宿りを」
つ・ける【付ける・附ける・着ける・就ける・即ける】
〔他下一〕[文]つ・く(下二)
➊二つの物を離れない状態にする。
①ぴったり一緒にする。くっつける。貼る。竹取物語「この玉の枝に文ぞ―・けたりける」。万葉集20「わぎもこが―・けし紐が緒お絶えにけるかも」。「身頃に袖を―・ける」
②書き入れる。記す。あとを残す。印する。徒然草「人の語りしままに書き―・けはべるなり」。「日誌を―・ける」「足跡を―・ける」
③染める。色をうつす。万葉集17「かきつばた衣にすり―・けますらをのきそひ狩りする月は来にけり」。日葡辞書「イロヲツクル」
④塗る。こすりつける。源氏物語末摘花「鼻に紅を―・けて見給ふに」。日葡辞書「キズニクスリヲツクル」
➋ある物を他の物の後に従わせる。
①服従させる。味方にする。従わせる。孝徳紀「任那みまなの国を以て百済くだらに属つけ賜ふ」
②あとにつづかせる。つづける。無名抄「君が宿にて君と明かさんと―・けたるを」。日葡辞書「レンガ(連歌)ヲツクル」
③尾行する。追跡する。あとを追う。日葡辞書「アトヲツクル、アトヲツケテユク」。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「今まで西口に―・けてゐましたが、爰へはまだ見えぬか」
④つきそわせる。かしずかせる。源氏物語花宴「心も空にて思ひ至らぬくまなき良清、惟光を―・けてうかがはせ給ひければ」。日葡辞書「ヒトニヒトヲツクル」。「付き添いを―・ける」
⑤従って学ばせる。「家庭教師に―・ける」
➌ある物を他の物のところまで及びつかせる。
①届かせる。行きつかせる。及ぼす。到着させる。伊勢物語「あるじ聞き―・けて」。日葡辞書「フネヲツクル」
②増し加える。添える。源氏物語末摘花「すこし今めきたるけを―・けばやとぞ、乱れたる心には心もとなく思ひゐたる」。日本永代蔵5「近代の縁組は相生・形にも構はず、―・けておこす金性の娘を好む事世の習ひとはなりぬ」。「割増金を―・ける」「はずみを―・ける」
③設ける。「道を―・ける」「書斎に電話を―・ける」
➍身にまといつける。
①身にまとう。着る。万葉集3「しらぬひ筑紫の綿は身に―・けて未だは着ねど」。「首飾りを―・ける」
②わがものとする。「教養を身に―・ける」「手に職を―・ける」
➎感覚や力を働かす。
①心をむける。万葉集19「うつせみの常なき見れば世の中に心―・けずて思ふ日そ多き」。日葡辞書「キ・ココロヲツクル」「メヲツクル」
②燃えうつらせる。発火させる。伊勢物語「この野はぬす人あなりとて火―・けむとす」。日葡辞書「イエニヒヲツクル」
③ともす。器具のスイッチを入れる。源氏物語末摘花「大となぶら消えにけるをともし―・くる人もなし」。「電灯を―・ける」
➏他にあつらえる。
①ことづける。伊勢物語「修業者あひたり、京にその人の御もとにとてふみかきて―・く」。今昔物語集19「己れが兄弟にて侍る僧に―・けて言はしめ侍るなり」
②負わせる。源氏物語野分「そのほかはつゆ難―・くべうもあらず」。「なんくせを―・ける」
③呼ぶ。命名する。源氏物語桐壺「光君といふ名は高麗人のめで聞えて―・け奉りける」。日葡辞書「ナヲツクル」
④定める。「値段を―・ける」「見込みを―・ける」
⑤決着に至らせる。まとめる。「片を―・ける」「話を―・ける」
➐ある位置におかせる。
①即位させる。平家物語8「抑、臣等が慮りを以て選びて位に―・け奉らん事、用捨私有るに似たり」。「王位に―・ける」
②すわらせる。「席に―・ける」
③位置を占めさせる。「上座に―・ける」
④役を与える。「局長の地位に―・ける」
➑(他の動詞に付いて)常に…する。なれる。源氏物語桐壺「亡せ給ひにし御息所の御かたちに似給へる人を三代の宮仕につたはりぬるにえ見奉り―・けぬに」。日葡辞書「ワザヲシツクル」「フネニノリツケタヒト」。「使い―・ける」
➒他の動詞に付いて、勢いのはげしい意を表し、あるいは語調を強める。「叱り―・ける」
➓(主に「…につけて」の形で)応じる。関する。よる。ことよせる。古今和歌集序「心に思ふことを見るもの聞くものに―・けていひいだせるなり」。源氏物語桐壺「朝夕の宮仕に―・けても人の心をうごかし」。「雨風に―・けて子を思う」「それに―・けても金の欲しさよ」「よいに―・け悪いに―・け」
◇到着・着席・着用などの場合に「着」、就任・就労などでは「就」、即位には「即」を使う。
つ・ける【漬ける】
〔他下一〕[文]つ・く(下二)
①(「浸ける」とも書く)ひたす。うるおす。万葉集7「広瀬河袖―・くばかり」。「洗濯物を水に―・ける」
②塩またはぬかみそなどに入れる。つけものにする。「なすを―・ける」
つ・げる【告げる】
〔他下一〕[文]つ・ぐ(下二)
(「継ぐ」と同源。事柄を言葉によって人に受けつがせる意)
①伝え知らせる。注進する。万葉集17「橘のにほへる苑にほととぎす鳴くと人―・ぐ網ささましを」。日葡辞書「ウグイスキタッテハルヲツグル」。「いとまを―・げる」
②教える。説く。古今和歌集雑「住吉とあまは―・ぐとも長居すな」。「仏の道を―・げる」
③ふれ示す。多くの人々に伝達する。今昔物語集12「もろもろの人に、この舎利をにぎりたることを―・げて知らしむ」。「開会を―・げる」「時を―・げる」
④(状態の現出を示す意から転じて)そういう状態になる。「風雲急を―・げる」「一段落を―・げる」
づ・ける【付ける】
〔接尾〕
(体言に付いて、下一段活用の動詞をつくる)ある物事を付け加える。そのような状態にさせる。「元気―・ける」「意味―・ける」「関係―・ける」「位置―・ける」→つける(付)
つけろ‐ばいばい【つけろ売買】
取引所において、売手または買手のつけた一定の値段で相手が売るだけ買い、また買うだけ売ること。
つけ‐わけ【付け分け】
仕分けして帳面に付けること。狂言、文山立「身共は仕合せをしたとき、―をせうと思うて、矢立を用意した」
つ‐ごう【都合】‥ガフ
(「都」はすべての意)
①合計。ひっくるめて。平家物語7「―其勢七万余騎」。「―五百」
②ほかの事柄との関係。なりゆき。ぐあい。浮世風呂4「是でもお天気―が悪いと、休みが勝ますからネ」。「―をきく」「一身上の―」
③やりくり。てはず。「―をつける」「百万円―する」
④ぐあいのよいさま。また、ぐあいのよい場所。
⑤要するに。結局。コリャード懺悔録「―言ひ詰められてそれに任せまらした」
つこうどツカウド
無愛想でとげとげしい態度。つっけんどん。浄瑠璃、仮名手本忠臣蔵「どうれといふも―なる」
⇒つこうど‐ごえ【つかうど声】
つこう‐ど【仕人】ツカウ‥
①⇒つかいびと(資人)。
②朝廷の用に使われる人。
つこうど‐ごえ【つかうど声】ツカウドゴヱ
けんのある無愛想な言いかた。とがり声。つこど声。
⇒つこうど
つこう‐まつ・る【仕る】ツカウマツル
(ツカ(仕)ヘマツ(奉)ルの転)
[一]〔自四〕
「仕える」の謙譲語。おつかえ申し上げる。伊勢物語「年頃よそには―・れど」
[二]〔他四〕
①㋐「行う」「なす」の謙譲語。その動作の及ぶ対象を敬う。おつくりする。さしあげる。つかまつる。竹取物語「さやうの宮仕―・らじと思ふを」
㋑転じて、「行う」「なす」を、聞き手に対してへりくだっていう。いたします。源氏物語手習「狐の―・るなり。この木のもとになむ、時々あやしきわざなむし侍る」
②(他の動詞の連用形に付いて)その動作をしてさしあげる。源氏物語澪標「御乳母めのとたちだに、心にまかせたる事、ひきいだし―・るな」
つこど‐ごえ【つこど声】‥ゴヱ
⇒つこうどごえ
つ‐ごもり【晦日・晦】
(ツキゴモリ(月隠)の約)
①月の光が隠れて見えなくなること。また、その頃。(陰暦の)月のおわり頃。下旬。蜻蛉日記上「春夏なやみくらして、八月―にとかうものしつ」
②月の最終日。みそか。(古くは「つごもりの日」ということが多い)源氏物語松風「月ごとの十四、五日、―の日行はるべき普賢講・阿弥陀・釈迦さかの念仏」
⇒つごもり‐がた【晦方】
⇒つごもり‐そば【晦蕎麦】
つごもり‐がた【晦方】
月のみそかの頃。古今和歌集春「やよひの―に」
⇒つ‐ごもり【晦日・晦】
つごもり‐そば【晦蕎麦】
(→)「みそかそば」に同じ。
⇒つ‐ごもり【晦日・晦】
つさか【津阪】
姓氏の一つ。
⇒つさか‐とうよう【津阪東陽】
つさか‐とうよう【津阪東陽】‥ヤウ
江戸後期の儒学者。伊勢の人。名古屋で医学を学び、のち京都に移り儒学を独学。津藩儒として藩校の創設に尽力。著に藩祖藤堂高虎伝「聿脩いっしゅう録」の他、「夜航詩話」「東陽先生詩文集」など。(1757〜1825)
⇒つさか【津阪】
つざき【津崎】
姓氏の一つ。
⇒つざき‐のりこ【津崎矩子】
つざき‐のりこ【津崎矩子】
村岡局むらおかのつぼねの本名。
⇒つざき【津崎】
つし
家の屋根裏の物置場。古くは床を竹簀子たけすのこで張ってあった。ずし。
つし【地】
(上代東国方言)「つち(地)」の訛。万葉集20「あめ―のいづれの神を祈らばか」
つじ【辻】
①道路が十字形に交叉している所。四辻。「つむじ」とも。宇津保物語俊蔭「三条京極の―に立ち給へり」
②みちばた。みちすじ。ちまた。「―説法」「―君」「―斬り」
③縦横筋違いの筋を交叉させた染模様。
④「つじぶさ(辻総)」の略。
つじ【辻】
姓氏の一つ。
⇒つじ‐くにお【辻邦生】
⇒つじ‐しずお【辻静雄】
⇒つじ‐ぜんのすけ【辻善之助】
⇒つじ‐なおしろう【辻直四郎】
つじ【旋毛】
①(「つじげ(辻毛)」の略か)(→)「つむじ」に同じ。好色二代男「二つばかりの子の鼻たれて、あたまの―ゆがうで」
②笠などの頂上。てっぺん。西鶴織留2「―の抜けたる葛笠をかづき」
つじ‐あきない【辻商い】‥アキナヒ
道ばたに店を張ってする商売。つじうり。大道あきない。
つじ‐あんどう【辻行灯】
⇒つじあんどん
つじ‐あんどん【辻行灯】
江戸時代、辻番所の前や街路に設置されていた街灯。
辻行灯
つじ‐うら【辻占】
①四辻に立ち、初めに通った人の言葉を聞いて物事の吉凶を判ずる占い。
②偶然起こった物事を将来の吉凶判断のたよりとすること。
③紙片に種々の文句を記し、巻煎餅などに挟み、これを取ってその時の吉凶を占うもの。「―売」
辻占の版木
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
⇒つじうら‐せんべい【辻占煎餅】
つじうら‐せんべい【辻占煎餅】
辻占をそえて包んだ煎餅。
⇒つじ‐うら【辻占】
つじ‐うり【辻売】
①(→)「辻商あきない」に同じ。
②育児呪法の一つ。病弱の子を連れて早朝辻に出、最初または3番目の通行人にその子を買ってもらう形式をとって、その人を仮親とし、名をつけてもらうもの。
つじ‐おどり【辻踊】‥ヲドリ
辻に集まってする踊り。
つじ‐かご【辻駕籠】
町の辻に待っていて客を乗せる駕籠。町駕籠。
つじ‐かぜ【旋風・辻風】
つむじかぜ。せんぷう。大鏡道長「俄かに―の吹きまつひて」
つじ‐がため【辻固め】
警衛のため道筋や辻々に置いた警固。
つじ‐が‐はな【辻が花】
室町中期から江戸初頭にかけて盛行した絵模様染め。草花文様を紅色に染めたもので、麻布の単物ひとえもののかたびらに行われ、女性や子供が着たという。現今は縫い締め絞りによる絵文様染めの称。
つじ‐がみ【辻髪】
①子供の頭の旋毛つむじを中心として周囲の小部分の髪を円形に残し、他を剃り落としたもの。
②10歳くらいの子供の称。
つじ‐かんじゃ【辻冠者】‥クワン‥
町に横行する無頼ぶらいの若者。平家物語8「いふかひなき―ばら」
つじ‐かんじん【辻勧進】‥クワン‥
路上で通行人に寄進を仰ぐこと。
つじ‐ぎみ【辻君】
夜、路傍に立って客をさそい、色を売る女。じごく。よたか。たちぎみ。
つじ‐ぎり【辻斬】
武士が刀剣の切れ味をためし、または武術を練るため、街頭で往来の人を斬ること。また、その武士。太平記12「毎夜京白河を廻つて―をしけるほどに」
つじ‐くにお【辻邦生】
小説家。東京生れ。東大卒。フランス文学を基礎とした作風で人間の存在を歴史と風土の中に追究。作「安土往還記」「背教者ユリアヌス」など。(1925〜1999)
辻邦生
提供:毎日新聞社
⇒つじ【辻】
つじ‐ぐるま【辻車】
路傍で客を待っている人力車。
つじ‐げ【辻毛】
(→)「つむじ(旋毛)」に同じ。太平記13「背中は竜の如くにして、四十二の―を巻いて背筋を連なれり」
つじ‐げい【辻芸】
路傍で行われる大道芸。
つじ‐ごうしゃく【辻講釈】‥ガウ‥
路傍で軍談・講談などをして、往来の聴衆から銭を乞うこと。また、その人。大道講釈。辻噺つじばなし。辻談義。
つじ‐ごうとう【辻強盗】‥ガウタウ
夜間など、往来で待ちぶせして通行人から金品を奪い取る強盗。
つじ‐さかもり【辻酒盛】
路傍で催す酒宴。
つじ‐さんどう【辻山道】‥ダウ
道中。路傍。狂言、米市「あの米市御料人の御盃が、何と此様な―で成る物でおりやるぞ」
つじ‐しずお【辻静雄】‥シヅヲ
フランス料理研究家。東京生れ。早大卒。日本に本格的なフランス料理を導入。(1933〜1993)
⇒つじ【辻】
つじ‐じぞう【辻地蔵】‥ヂザウ
路傍にある地蔵尊。
つじ‐しばい【辻芝居】‥ヰ
路傍に小屋掛けして興行する芝居。
つじ‐ずまい【辻争い】‥ズマヒ
馬が道を進むのを嫌がること。〈日葡辞書〉→つけずまい
つじ‐ずもう【辻相撲】‥ズマフ
①路傍に小屋掛けして興行する相撲。
②素人しろうとが町の辻などに集まって行う相撲。〈[季]秋〉
つじ‐せっぽう【辻説法】‥ポフ
路傍で往来の人にする説法。辻談義。
つじ‐ぜんのすけ【辻善之助】
歴史学者。姫路生れ。東大教授、史料編纂所長。学士院会員。実証的な日本仏教史研究を確立。著「日本仏教史」「日本文化史」など。文化勲章。(1877〜1955)
⇒つじ【辻】
つじ‐だち【辻立ち】
町角に立つこと。また、町角で見物すること。また、その人。好色一代女1「情目づかひとて、近づきにもあらぬ人の―にも見かへりて」
つじ‐だんぎ【辻談義】
①辻説法つじせっぽう。また、それをする人。西鶴織留1「―も仏のまねの口をあき」
②辻講釈つじごうしゃく。
つじ‐つま【辻褄】
(「辻」は道があい、「褄」は左右があうものであるからいう。また、辻も褄も裁縫用語という)あうべきところがあうはずの物事の道理。始めと終り。筋道。
⇒辻褄が合う
つけ‐じょう【付状】‥ジヤウ
①(→)添状そえじょうに同じ。
②貴人に書状を差し出す時、はばかってその宛名を、その傍に仕える人の名宛としたもの。
つけ‐じら【付けじら】
晴着の染模様で、紙型を用いて染めたもの。↔かきじら
つげ‐しら・せる【告げ知らせる】
〔他下一〕[文]つげしら・す(下二)
告げて知らせる。通知する。告知する。
つけ‐しる【付け汁】
(ツケジルとも)うどん・そば・テンプラなどにつける汁。たれ。
つけ‐じろ【付城】
(ツケシロとも)
①本城に付属した城。出城でじろ。
②敵の城を攻めるために敵城に対して築いた城。向城むかいじろ。日葡辞書「ツケシロヲスル」
つけ‐ずまい【付け争い】‥ズマヒ
馬が人や荷物をのせるのを嫌がって跳ねること。太平記20「この馬俄かに属強つけずまいをして騰あがつつ跳おどつつ狂ひけるに」
つけ‐すま・う【付け争ふ】‥スマフ
〔自四〕
馬が人の乗るのを嫌って、尻を横へふり向ける。〈日葡辞書〉
つけ‐そ・える【付け添える】‥ソヘル
〔他下一〕[文]つけそ・ふ(下二)
つけ加える。つけ足す。
つけ‐だい【付台】
①金銀を人に遣わすときの台。近世、黄金一枚・銀子一枚などと書いた包紙を台に糊で貼りつけ、金銀は別に包んで与えた。
②すし屋で、握ったすしを置くための客の前の台。
つけ‐だけ【付竹】
竹製の付木つけぎ。また、一般に付木。源平盛衰記16「燧ひうち―硫黄など用意して」
つけ‐たし【付足し】
つけたすこと。また、つけたしたもの。つけたり。
つけ‐だし【付出し】
①つけだすこと。
②売掛金の請求書。かきだし。かきつけ。勘定書。
③相撲で、実力が認められ、前相撲を経ずに、いきなり幕下から取り始めること。また、その力士。
④(→)「差出し」2に同じ。
つけ‐た・す【付け足す】
〔他五〕
あるものの上にさらに加える。補う。追加する。
つけ‐だ・す【付け出す】
〔他五〕
①帳簿などに記し始める。
②商品の売上代金を請求するために、書いてだす。
③馬などの背につけて送り出す。
④あとをつけて出る。尾行する。
つけ‐たて【付立て】
①帳面にしるしをつけること。
②歌舞伎で、立稽古が済んでから、衣裳・小道具、特に鳴物の相談をして付帳つけちょうを作ること。
③絵画で、輪郭を用いず、じかに墨または色彩でえがくもの。東洋画の技法、没骨もっこつの一種。
⇒つけたて‐ふで【付立て筆】
つけたて‐ふで【付立て筆】
付立3に用いる大形の筆。
⇒つけ‐たて【付立て】
つけ‐たり【付】
(動詞「付ク」の連用形に完了の助動詞タリの付いた語)
①主なものに対して、それにつけ加えたもの。付録。源平盛衰記1「五郎の夜の闇打、―五節始めの事」
②おまけとして添えられたもの。そえもの。また、口実。「私などはほんの―にすぎない」「視察は―で、接待が目的だ」
つけ‐ぢえ【付け知恵】‥ヱ
いれぢえ。さしぢえ。浮世風呂3「はたから―がございますからいとどおしやべりになります」
つけ‐ちょう【付帳】‥チヤウ
演劇上演に先立って、必要な大道具・小道具・衣装・鬘などの品目、また鳴物の指定などをそれぞれ一冊に書き出したもの。略して「付つけ」とも。
つけ‐つけ
〔副〕
無遠慮に突っかかるようにものを言うさま。ずけずけ。浄瑠璃、妹背山婦女庭訓「また―と何言ひをる」。「―文句を言う」
つけっ‐ぱなし【付けっ放し】
つけたまま放っておくこと。「テレビを―で寝てしまう」
つけ‐どこ【付床】
取りはずしの自由な置床。
つけ‐どころ【付け所・着け所】
①つけるべき箇所。「目の―」
②雅楽で、句頭の独唱または音頭の独奏から、斉唱または合奏に移る所。
つけ‐とどけ【付け届け】
①謝礼や義理で届ける贈物・祝儀。「盆暮の―」
②転じて、賄賂わいろ。
③とどけ出ること。訴え出ること。浮世草子、沖津白波「たがひに宿へ―して善悪を沙汰し申さん」
つけ‐な【漬菜】
①漬物に用いる菜。また、塩に漬けた菜。
②漬物に適した唐菜とうな・白菜はくさいの類。
つけ‐ね【付け値】
買い手がつけたねだん。↔言い値
つけ‐ね【付け根】
物と物とがくっついている際きわの部分。「股ももの―」
つけ‐ねら・う【付け狙う】‥ネラフ
〔他五〕
絶えずあとをつけて攻撃する機会をうかがう。「要人を―・う」
つげ‐の‐おぐし【黄楊の小櫛】‥ヲ‥
ツゲの木で作った小櫛。万葉集9「君なくは何なそ身よそはむくしげなる―も取らむとも思もはず」
つけ‐は【漬葉】
菜・大根の葉の塩漬。〈日葡辞書〉
つけ‐ば【付け場】
⇒つきば(着場)
つけ‐ばしら【付柱】
①付書院つけしょいんの外方の柱。書院柱。
②意匠上の必要などから付けた柱形。片蓋かたふた柱。
つけ‐ばな【付け鼻】
①鼻が傷ついた時などに形を整えるためにつける人造の鼻。
②扮装や仮装に用いる張子などの作り鼻。
つけ‐ばり【漬鉤】
(→)置鉤おきばりに同じ。
つけ‐び【付け火】
故意に火をつけること。放火。また、その火から起こった火災。
つけ‐ひげ【付け髭】
(→)「作り髭」に同じ。
つけ‐びと【付け人】
①側近につけておく人。つきそい人。つきびと。
②(→)付家老つけがろうに同じ。
③侠客などを応援する浪人。
つけ‐ひも【付け紐】
子供の着物の胴の両側または後方に縫いつけてある紐。
つけ‐びょうし【付拍子】‥ビヤウ‥
(→)「つけ(付)」[一]6のこと。
つけ‐びん【付け鬢】
仮につけた鬢。
つけ‐ぶせ【付け布施】
本家や親方の家の葬儀などの時、親類や子方の者が僧に贈る金銭。
つけ‐ふだ【付け札】
物の目印に付ける札。さげふだ。
つけ‐ぶみ【付け文】
恋文を送ること。また、その恋文。
つげ‐ぶみ【告文】
⇒こうもん
つけ‐ペン【付ペン】
ペン軸の先にはめこみ、インクをつけながら書くペン。また、そのペン先。
つけ‐ぼくろ【付け黒子】
容色を引き立たせるために顔に描き、または貼りつけるほくろ。
つげ‐まくら【黄楊枕】
ツゲの木でつくった枕。万葉集11「夕されば床のへ去らぬ―」
つけ‐まげ【付け髷】
別に作っておいて頭髪に添えつける髷。つけわげ。
つけ‐まつげ【付け睫毛】
化粧・仮装用の人工の睫毛。
つけ‐まつり【付祭】
①江戸時代、山王社・神田明神などの祭礼に、町々の山車だしのほかに、踊屋台で娘・子供に手踊などをさせて余興としたもの。
②付けそえて言い、または行うこと。付け加えられるきまり文句。浮世風呂2「南京の鉢を割つたことがいつの小言にも―だ」
つけ‐まわ・す【付け回す】‥マハス
〔他五〕
人のあとをつけて、どこまでも追いまわす。「若い娘を―・す」
つけ‐まわ・る【付け回る】‥マハル
〔自五〕
人のあとをつけて離れない。つきまとう。
つげ‐まわ・る【告げ回る】‥マハル
〔他五〕
あちこちへ言いふらす。
つけ‐め【付け目】
①賭博で、ねらいをつけた札または采さいの目。
②つけこむ所。めあて。ねらい。「そこがこっちの―さ」
つけ‐めん【付け麺】
つけ汁につけて食べる麺。
つけ‐もの【付物】
①付け添えるもの。つきもの。
②衣服に飾りとしてとりつけるもの。特に、京都賀茂神社の祭の放免ほうべんの飾り物。
③雅楽で、楽器の伴奏をつけること。催馬楽さいばらでは笙しょう・篳篥ひちりきなどを合わせる。
④箏組歌に付属曲として教習する曲。「六段」「みだれ」など。
⑤祭に出す練物ねりもの。
⑥(→)「ものづけ」に同じ。
つけ‐もの【漬物】
野菜などを塩または糠味噌などに漬けて、ならした食品。こうのもの。
つけ‐やき【付け焼き】
魚肉や獣肉に醤油などを塗って焼くこと。また、その焼いたもの。てりやき。
つけ‐やきば【付焼刃】
①鈍刀に鋼はがねの焼刃だけをつけたしたもの。
②一時その場を間に合わせるために、にわかに習い覚えること。また、その覚えた知識。「―では役に立たない」「―は剥げやすい」
つげ‐や・る【告げ遣る】
〔他五〕
知らせてやる。万葉集15「いざ―・らむ旅の宿りを」
つ・ける【付ける・附ける・着ける・就ける・即ける】
〔他下一〕[文]つ・く(下二)
➊二つの物を離れない状態にする。
①ぴったり一緒にする。くっつける。貼る。竹取物語「この玉の枝に文ぞ―・けたりける」。万葉集20「わぎもこが―・けし紐が緒お絶えにけるかも」。「身頃に袖を―・ける」
②書き入れる。記す。あとを残す。印する。徒然草「人の語りしままに書き―・けはべるなり」。「日誌を―・ける」「足跡を―・ける」
③染める。色をうつす。万葉集17「かきつばた衣にすり―・けますらをのきそひ狩りする月は来にけり」。日葡辞書「イロヲツクル」
④塗る。こすりつける。源氏物語末摘花「鼻に紅を―・けて見給ふに」。日葡辞書「キズニクスリヲツクル」
➋ある物を他の物の後に従わせる。
①服従させる。味方にする。従わせる。孝徳紀「任那みまなの国を以て百済くだらに属つけ賜ふ」
②あとにつづかせる。つづける。無名抄「君が宿にて君と明かさんと―・けたるを」。日葡辞書「レンガ(連歌)ヲツクル」
③尾行する。追跡する。あとを追う。日葡辞書「アトヲツクル、アトヲツケテユク」。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「今まで西口に―・けてゐましたが、爰へはまだ見えぬか」
④つきそわせる。かしずかせる。源氏物語花宴「心も空にて思ひ至らぬくまなき良清、惟光を―・けてうかがはせ給ひければ」。日葡辞書「ヒトニヒトヲツクル」。「付き添いを―・ける」
⑤従って学ばせる。「家庭教師に―・ける」
➌ある物を他の物のところまで及びつかせる。
①届かせる。行きつかせる。及ぼす。到着させる。伊勢物語「あるじ聞き―・けて」。日葡辞書「フネヲツクル」
②増し加える。添える。源氏物語末摘花「すこし今めきたるけを―・けばやとぞ、乱れたる心には心もとなく思ひゐたる」。日本永代蔵5「近代の縁組は相生・形にも構はず、―・けておこす金性の娘を好む事世の習ひとはなりぬ」。「割増金を―・ける」「はずみを―・ける」
③設ける。「道を―・ける」「書斎に電話を―・ける」
➍身にまといつける。
①身にまとう。着る。万葉集3「しらぬひ筑紫の綿は身に―・けて未だは着ねど」。「首飾りを―・ける」
②わがものとする。「教養を身に―・ける」「手に職を―・ける」
➎感覚や力を働かす。
①心をむける。万葉集19「うつせみの常なき見れば世の中に心―・けずて思ふ日そ多き」。日葡辞書「キ・ココロヲツクル」「メヲツクル」
②燃えうつらせる。発火させる。伊勢物語「この野はぬす人あなりとて火―・けむとす」。日葡辞書「イエニヒヲツクル」
③ともす。器具のスイッチを入れる。源氏物語末摘花「大となぶら消えにけるをともし―・くる人もなし」。「電灯を―・ける」
➏他にあつらえる。
①ことづける。伊勢物語「修業者あひたり、京にその人の御もとにとてふみかきて―・く」。今昔物語集19「己れが兄弟にて侍る僧に―・けて言はしめ侍るなり」
②負わせる。源氏物語野分「そのほかはつゆ難―・くべうもあらず」。「なんくせを―・ける」
③呼ぶ。命名する。源氏物語桐壺「光君といふ名は高麗人のめで聞えて―・け奉りける」。日葡辞書「ナヲツクル」
④定める。「値段を―・ける」「見込みを―・ける」
⑤決着に至らせる。まとめる。「片を―・ける」「話を―・ける」
➐ある位置におかせる。
①即位させる。平家物語8「抑、臣等が慮りを以て選びて位に―・け奉らん事、用捨私有るに似たり」。「王位に―・ける」
②すわらせる。「席に―・ける」
③位置を占めさせる。「上座に―・ける」
④役を与える。「局長の地位に―・ける」
➑(他の動詞に付いて)常に…する。なれる。源氏物語桐壺「亡せ給ひにし御息所の御かたちに似給へる人を三代の宮仕につたはりぬるにえ見奉り―・けぬに」。日葡辞書「ワザヲシツクル」「フネニノリツケタヒト」。「使い―・ける」
➒他の動詞に付いて、勢いのはげしい意を表し、あるいは語調を強める。「叱り―・ける」
➓(主に「…につけて」の形で)応じる。関する。よる。ことよせる。古今和歌集序「心に思ふことを見るもの聞くものに―・けていひいだせるなり」。源氏物語桐壺「朝夕の宮仕に―・けても人の心をうごかし」。「雨風に―・けて子を思う」「それに―・けても金の欲しさよ」「よいに―・け悪いに―・け」
◇到着・着席・着用などの場合に「着」、就任・就労などでは「就」、即位には「即」を使う。
つ・ける【漬ける】
〔他下一〕[文]つ・く(下二)
①(「浸ける」とも書く)ひたす。うるおす。万葉集7「広瀬河袖―・くばかり」。「洗濯物を水に―・ける」
②塩またはぬかみそなどに入れる。つけものにする。「なすを―・ける」
つ・げる【告げる】
〔他下一〕[文]つ・ぐ(下二)
(「継ぐ」と同源。事柄を言葉によって人に受けつがせる意)
①伝え知らせる。注進する。万葉集17「橘のにほへる苑にほととぎす鳴くと人―・ぐ網ささましを」。日葡辞書「ウグイスキタッテハルヲツグル」。「いとまを―・げる」
②教える。説く。古今和歌集雑「住吉とあまは―・ぐとも長居すな」。「仏の道を―・げる」
③ふれ示す。多くの人々に伝達する。今昔物語集12「もろもろの人に、この舎利をにぎりたることを―・げて知らしむ」。「開会を―・げる」「時を―・げる」
④(状態の現出を示す意から転じて)そういう状態になる。「風雲急を―・げる」「一段落を―・げる」
づ・ける【付ける】
〔接尾〕
(体言に付いて、下一段活用の動詞をつくる)ある物事を付け加える。そのような状態にさせる。「元気―・ける」「意味―・ける」「関係―・ける」「位置―・ける」→つける(付)
つけろ‐ばいばい【つけろ売買】
取引所において、売手または買手のつけた一定の値段で相手が売るだけ買い、また買うだけ売ること。
つけ‐わけ【付け分け】
仕分けして帳面に付けること。狂言、文山立「身共は仕合せをしたとき、―をせうと思うて、矢立を用意した」
つ‐ごう【都合】‥ガフ
(「都」はすべての意)
①合計。ひっくるめて。平家物語7「―其勢七万余騎」。「―五百」
②ほかの事柄との関係。なりゆき。ぐあい。浮世風呂4「是でもお天気―が悪いと、休みが勝ますからネ」。「―をきく」「一身上の―」
③やりくり。てはず。「―をつける」「百万円―する」
④ぐあいのよいさま。また、ぐあいのよい場所。
⑤要するに。結局。コリャード懺悔録「―言ひ詰められてそれに任せまらした」
つこうどツカウド
無愛想でとげとげしい態度。つっけんどん。浄瑠璃、仮名手本忠臣蔵「どうれといふも―なる」
⇒つこうど‐ごえ【つかうど声】
つこう‐ど【仕人】ツカウ‥
①⇒つかいびと(資人)。
②朝廷の用に使われる人。
つこうど‐ごえ【つかうど声】ツカウドゴヱ
けんのある無愛想な言いかた。とがり声。つこど声。
⇒つこうど
つこう‐まつ・る【仕る】ツカウマツル
(ツカ(仕)ヘマツ(奉)ルの転)
[一]〔自四〕
「仕える」の謙譲語。おつかえ申し上げる。伊勢物語「年頃よそには―・れど」
[二]〔他四〕
①㋐「行う」「なす」の謙譲語。その動作の及ぶ対象を敬う。おつくりする。さしあげる。つかまつる。竹取物語「さやうの宮仕―・らじと思ふを」
㋑転じて、「行う」「なす」を、聞き手に対してへりくだっていう。いたします。源氏物語手習「狐の―・るなり。この木のもとになむ、時々あやしきわざなむし侍る」
②(他の動詞の連用形に付いて)その動作をしてさしあげる。源氏物語澪標「御乳母めのとたちだに、心にまかせたる事、ひきいだし―・るな」
つこど‐ごえ【つこど声】‥ゴヱ
⇒つこうどごえ
つ‐ごもり【晦日・晦】
(ツキゴモリ(月隠)の約)
①月の光が隠れて見えなくなること。また、その頃。(陰暦の)月のおわり頃。下旬。蜻蛉日記上「春夏なやみくらして、八月―にとかうものしつ」
②月の最終日。みそか。(古くは「つごもりの日」ということが多い)源氏物語松風「月ごとの十四、五日、―の日行はるべき普賢講・阿弥陀・釈迦さかの念仏」
⇒つごもり‐がた【晦方】
⇒つごもり‐そば【晦蕎麦】
つごもり‐がた【晦方】
月のみそかの頃。古今和歌集春「やよひの―に」
⇒つ‐ごもり【晦日・晦】
つごもり‐そば【晦蕎麦】
(→)「みそかそば」に同じ。
⇒つ‐ごもり【晦日・晦】
つさか【津阪】
姓氏の一つ。
⇒つさか‐とうよう【津阪東陽】
つさか‐とうよう【津阪東陽】‥ヤウ
江戸後期の儒学者。伊勢の人。名古屋で医学を学び、のち京都に移り儒学を独学。津藩儒として藩校の創設に尽力。著に藩祖藤堂高虎伝「聿脩いっしゅう録」の他、「夜航詩話」「東陽先生詩文集」など。(1757〜1825)
⇒つさか【津阪】
つざき【津崎】
姓氏の一つ。
⇒つざき‐のりこ【津崎矩子】
つざき‐のりこ【津崎矩子】
村岡局むらおかのつぼねの本名。
⇒つざき【津崎】
つし
家の屋根裏の物置場。古くは床を竹簀子たけすのこで張ってあった。ずし。
つし【地】
(上代東国方言)「つち(地)」の訛。万葉集20「あめ―のいづれの神を祈らばか」
つじ【辻】
①道路が十字形に交叉している所。四辻。「つむじ」とも。宇津保物語俊蔭「三条京極の―に立ち給へり」
②みちばた。みちすじ。ちまた。「―説法」「―君」「―斬り」
③縦横筋違いの筋を交叉させた染模様。
④「つじぶさ(辻総)」の略。
つじ【辻】
姓氏の一つ。
⇒つじ‐くにお【辻邦生】
⇒つじ‐しずお【辻静雄】
⇒つじ‐ぜんのすけ【辻善之助】
⇒つじ‐なおしろう【辻直四郎】
つじ【旋毛】
①(「つじげ(辻毛)」の略か)(→)「つむじ」に同じ。好色二代男「二つばかりの子の鼻たれて、あたまの―ゆがうで」
②笠などの頂上。てっぺん。西鶴織留2「―の抜けたる葛笠をかづき」
つじ‐あきない【辻商い】‥アキナヒ
道ばたに店を張ってする商売。つじうり。大道あきない。
つじ‐あんどう【辻行灯】
⇒つじあんどん
つじ‐あんどん【辻行灯】
江戸時代、辻番所の前や街路に設置されていた街灯。
辻行灯
つじ‐うら【辻占】
①四辻に立ち、初めに通った人の言葉を聞いて物事の吉凶を判ずる占い。
②偶然起こった物事を将来の吉凶判断のたよりとすること。
③紙片に種々の文句を記し、巻煎餅などに挟み、これを取ってその時の吉凶を占うもの。「―売」
辻占の版木
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
⇒つじうら‐せんべい【辻占煎餅】
つじうら‐せんべい【辻占煎餅】
辻占をそえて包んだ煎餅。
⇒つじ‐うら【辻占】
つじ‐うり【辻売】
①(→)「辻商あきない」に同じ。
②育児呪法の一つ。病弱の子を連れて早朝辻に出、最初または3番目の通行人にその子を買ってもらう形式をとって、その人を仮親とし、名をつけてもらうもの。
つじ‐おどり【辻踊】‥ヲドリ
辻に集まってする踊り。
つじ‐かご【辻駕籠】
町の辻に待っていて客を乗せる駕籠。町駕籠。
つじ‐かぜ【旋風・辻風】
つむじかぜ。せんぷう。大鏡道長「俄かに―の吹きまつひて」
つじ‐がため【辻固め】
警衛のため道筋や辻々に置いた警固。
つじ‐が‐はな【辻が花】
室町中期から江戸初頭にかけて盛行した絵模様染め。草花文様を紅色に染めたもので、麻布の単物ひとえもののかたびらに行われ、女性や子供が着たという。現今は縫い締め絞りによる絵文様染めの称。
つじ‐がみ【辻髪】
①子供の頭の旋毛つむじを中心として周囲の小部分の髪を円形に残し、他を剃り落としたもの。
②10歳くらいの子供の称。
つじ‐かんじゃ【辻冠者】‥クワン‥
町に横行する無頼ぶらいの若者。平家物語8「いふかひなき―ばら」
つじ‐かんじん【辻勧進】‥クワン‥
路上で通行人に寄進を仰ぐこと。
つじ‐ぎみ【辻君】
夜、路傍に立って客をさそい、色を売る女。じごく。よたか。たちぎみ。
つじ‐ぎり【辻斬】
武士が刀剣の切れ味をためし、または武術を練るため、街頭で往来の人を斬ること。また、その武士。太平記12「毎夜京白河を廻つて―をしけるほどに」
つじ‐くにお【辻邦生】
小説家。東京生れ。東大卒。フランス文学を基礎とした作風で人間の存在を歴史と風土の中に追究。作「安土往還記」「背教者ユリアヌス」など。(1925〜1999)
辻邦生
提供:毎日新聞社
⇒つじ【辻】
つじ‐ぐるま【辻車】
路傍で客を待っている人力車。
つじ‐げ【辻毛】
(→)「つむじ(旋毛)」に同じ。太平記13「背中は竜の如くにして、四十二の―を巻いて背筋を連なれり」
つじ‐げい【辻芸】
路傍で行われる大道芸。
つじ‐ごうしゃく【辻講釈】‥ガウ‥
路傍で軍談・講談などをして、往来の聴衆から銭を乞うこと。また、その人。大道講釈。辻噺つじばなし。辻談義。
つじ‐ごうとう【辻強盗】‥ガウタウ
夜間など、往来で待ちぶせして通行人から金品を奪い取る強盗。
つじ‐さかもり【辻酒盛】
路傍で催す酒宴。
つじ‐さんどう【辻山道】‥ダウ
道中。路傍。狂言、米市「あの米市御料人の御盃が、何と此様な―で成る物でおりやるぞ」
つじ‐しずお【辻静雄】‥シヅヲ
フランス料理研究家。東京生れ。早大卒。日本に本格的なフランス料理を導入。(1933〜1993)
⇒つじ【辻】
つじ‐じぞう【辻地蔵】‥ヂザウ
路傍にある地蔵尊。
つじ‐しばい【辻芝居】‥ヰ
路傍に小屋掛けして興行する芝居。
つじ‐ずまい【辻争い】‥ズマヒ
馬が道を進むのを嫌がること。〈日葡辞書〉→つけずまい
つじ‐ずもう【辻相撲】‥ズマフ
①路傍に小屋掛けして興行する相撲。
②素人しろうとが町の辻などに集まって行う相撲。〈[季]秋〉
つじ‐せっぽう【辻説法】‥ポフ
路傍で往来の人にする説法。辻談義。
つじ‐ぜんのすけ【辻善之助】
歴史学者。姫路生れ。東大教授、史料編纂所長。学士院会員。実証的な日本仏教史研究を確立。著「日本仏教史」「日本文化史」など。文化勲章。(1877〜1955)
⇒つじ【辻】
つじ‐だち【辻立ち】
町角に立つこと。また、町角で見物すること。また、その人。好色一代女1「情目づかひとて、近づきにもあらぬ人の―にも見かへりて」
つじ‐だんぎ【辻談義】
①辻説法つじせっぽう。また、それをする人。西鶴織留1「―も仏のまねの口をあき」
②辻講釈つじごうしゃく。
つじ‐つま【辻褄】
(「辻」は道があい、「褄」は左右があうものであるからいう。また、辻も褄も裁縫用語という)あうべきところがあうはずの物事の道理。始めと終り。筋道。
⇒辻褄が合う
つけ‐ぐすり【付け薬】🔗⭐🔉
つけ‐ぐすり【付け薬】
皮膚に塗り、または貼る外用薬。膏薬・塗薬の類。↔飲薬のみぐすり
つけ‐くわ・える【付け加える】‥クハヘル🔗⭐🔉
つけ‐くわ・える【付け加える】‥クハヘル
〔他下一〕[文]つけくは・ふ(下二)
あるものの上にさらに添える。つけたす。付加する。「説明を―・える」
つけ‐げいき【付け景気】🔗⭐🔉
つけ‐げいき【付け景気】
うわべだけの景気。からげいき。
つけ‐げんき【付け元気】🔗⭐🔉
つけ‐げんき【付け元気】
うわべだけの元気。からげんき。尾崎紅葉、阿蘭陀芹「実は幽霊に会ふのは好ましくないのであるから―で飛出しました」
つけ‐こ・む【付け込む】🔗⭐🔉
つけ‐こ・む【付け込む】
〔自五〕
①機会に乗じてする。つけ入る。「無知に―・む」
②あとをつけて、居所を確かめる。
③あらかじめ約束しておく。あらかじめ申し込む。
④仕訳しわけをせずに帳面に記入する。
つけ‐ざし【付け差し】🔗⭐🔉
つけ‐ざし【付け差し】
自分が口をつけた杯またはキセルなどを人に与えること。遊里などで、情の深さを示すしぐさとされた。つけざ。好色一代男1「敦盛を取つて抑へて熊谷が―せしとなり」
つけ‐じら【付けじら】🔗⭐🔉
つけ‐じら【付けじら】
晴着の染模様で、紙型を用いて染めたもの。↔かきじら
つけ‐しる【付け汁】🔗⭐🔉
つけ‐しる【付け汁】
(ツケジルとも)うどん・そば・テンプラなどにつける汁。たれ。
つけ‐ずまい【付け争い】‥ズマヒ🔗⭐🔉
つけ‐ずまい【付け争い】‥ズマヒ
馬が人や荷物をのせるのを嫌がって跳ねること。太平記20「この馬俄かに属強つけずまいをして騰あがつつ跳おどつつ狂ひけるに」
つけ‐すま・う【付け争ふ】‥スマフ🔗⭐🔉
つけ‐すま・う【付け争ふ】‥スマフ
〔自四〕
馬が人の乗るのを嫌って、尻を横へふり向ける。〈日葡辞書〉
つけ‐そ・える【付け添える】‥ソヘル🔗⭐🔉
つけ‐そ・える【付け添える】‥ソヘル
〔他下一〕[文]つけそ・ふ(下二)
つけ加える。つけ足す。
つけ‐た・す【付け足す】🔗⭐🔉
つけ‐た・す【付け足す】
〔他五〕
あるものの上にさらに加える。補う。追加する。
つけ‐だ・す【付け出す】🔗⭐🔉
つけ‐だ・す【付け出す】
〔他五〕
①帳簿などに記し始める。
②商品の売上代金を請求するために、書いてだす。
③馬などの背につけて送り出す。
④あとをつけて出る。尾行する。
つけ‐ぢえ【付け知恵】‥ヱ🔗⭐🔉
つけ‐ぢえ【付け知恵】‥ヱ
いれぢえ。さしぢえ。浮世風呂3「はたから―がございますからいとどおしやべりになります」
つけっ‐ぱなし【付けっ放し】🔗⭐🔉
つけっ‐ぱなし【付けっ放し】
つけたまま放っておくこと。「テレビを―で寝てしまう」
つけ‐どころ【付け所・着け所】🔗⭐🔉
つけ‐どころ【付け所・着け所】
①つけるべき箇所。「目の―」
②雅楽で、句頭の独唱または音頭の独奏から、斉唱または合奏に移る所。
つけ‐とどけ【付け届け】🔗⭐🔉
つけ‐とどけ【付け届け】
①謝礼や義理で届ける贈物・祝儀。「盆暮の―」
②転じて、賄賂わいろ。
③とどけ出ること。訴え出ること。浮世草子、沖津白波「たがひに宿へ―して善悪を沙汰し申さん」
つけ‐ね【付け値】🔗⭐🔉
つけ‐ね【付け値】
買い手がつけたねだん。↔言い値
つけ‐ね【付け根】🔗⭐🔉
つけ‐ね【付け根】
物と物とがくっついている際きわの部分。「股ももの―」
つけ‐ねら・う【付け狙う】‥ネラフ🔗⭐🔉
つけ‐ねら・う【付け狙う】‥ネラフ
〔他五〕
絶えずあとをつけて攻撃する機会をうかがう。「要人を―・う」
つけ‐ばな【付け鼻】🔗⭐🔉
つけ‐ばな【付け鼻】
①鼻が傷ついた時などに形を整えるためにつける人造の鼻。
②扮装や仮装に用いる張子などの作り鼻。
つけ‐び【付け火】🔗⭐🔉
つけ‐び【付け火】
故意に火をつけること。放火。また、その火から起こった火災。
つけ‐ひげ【付け髭】🔗⭐🔉
つけ‐ひげ【付け髭】
(→)「作り髭」に同じ。
つけ‐びと【付け人】🔗⭐🔉
つけ‐びと【付け人】
①側近につけておく人。つきそい人。つきびと。
②(→)付家老つけがろうに同じ。
③侠客などを応援する浪人。
つけ‐ひも【付け紐】🔗⭐🔉
つけ‐ひも【付け紐】
子供の着物の胴の両側または後方に縫いつけてある紐。
つけ‐びん【付け鬢】🔗⭐🔉
つけ‐びん【付け鬢】
仮につけた鬢。
つけ‐ぶせ【付け布施】🔗⭐🔉
つけ‐ぶせ【付け布施】
本家や親方の家の葬儀などの時、親類や子方の者が僧に贈る金銭。
つけ‐ふだ【付け札】🔗⭐🔉
つけ‐ふだ【付け札】
物の目印に付ける札。さげふだ。
つけ‐ぶみ【付け文】🔗⭐🔉
つけ‐ぶみ【付け文】
恋文を送ること。また、その恋文。
つけ‐ぼくろ【付け黒子】🔗⭐🔉
つけ‐ぼくろ【付け黒子】
容色を引き立たせるために顔に描き、または貼りつけるほくろ。
つけ‐まげ【付け髷】🔗⭐🔉
つけ‐まげ【付け髷】
別に作っておいて頭髪に添えつける髷。つけわげ。
つけ‐まつげ【付け睫毛】🔗⭐🔉
つけ‐まつげ【付け睫毛】
化粧・仮装用の人工の睫毛。
つけ‐まわ・す【付け回す】‥マハス🔗⭐🔉
つけ‐まわ・す【付け回す】‥マハス
〔他五〕
人のあとをつけて、どこまでも追いまわす。「若い娘を―・す」
つけ‐まわ・る【付け回る】‥マハル🔗⭐🔉
つけ‐まわ・る【付け回る】‥マハル
〔自五〕
人のあとをつけて離れない。つきまとう。
つけ‐め【付け目】🔗⭐🔉
つけ‐め【付け目】
①賭博で、ねらいをつけた札または采さいの目。
②つけこむ所。めあて。ねらい。「そこがこっちの―さ」
つけ‐めん【付け麺】🔗⭐🔉
つけ‐めん【付け麺】
つけ汁につけて食べる麺。
つけ‐やき【付け焼き】🔗⭐🔉
つけ‐やき【付け焼き】
魚肉や獣肉に醤油などを塗って焼くこと。また、その焼いたもの。てりやき。
つ・ける【付ける・附ける・着ける・就ける・即ける】🔗⭐🔉
つ・ける【付ける・附ける・着ける・就ける・即ける】
〔他下一〕[文]つ・く(下二)
➊二つの物を離れない状態にする。
①ぴったり一緒にする。くっつける。貼る。竹取物語「この玉の枝に文ぞ―・けたりける」。万葉集20「わぎもこが―・けし紐が緒お絶えにけるかも」。「身頃に袖を―・ける」
②書き入れる。記す。あとを残す。印する。徒然草「人の語りしままに書き―・けはべるなり」。「日誌を―・ける」「足跡を―・ける」
③染める。色をうつす。万葉集17「かきつばた衣にすり―・けますらをのきそひ狩りする月は来にけり」。日葡辞書「イロヲツクル」
④塗る。こすりつける。源氏物語末摘花「鼻に紅を―・けて見給ふに」。日葡辞書「キズニクスリヲツクル」
➋ある物を他の物の後に従わせる。
①服従させる。味方にする。従わせる。孝徳紀「任那みまなの国を以て百済くだらに属つけ賜ふ」
②あとにつづかせる。つづける。無名抄「君が宿にて君と明かさんと―・けたるを」。日葡辞書「レンガ(連歌)ヲツクル」
③尾行する。追跡する。あとを追う。日葡辞書「アトヲツクル、アトヲツケテユク」。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「今まで西口に―・けてゐましたが、爰へはまだ見えぬか」
④つきそわせる。かしずかせる。源氏物語花宴「心も空にて思ひ至らぬくまなき良清、惟光を―・けてうかがはせ給ひければ」。日葡辞書「ヒトニヒトヲツクル」。「付き添いを―・ける」
⑤従って学ばせる。「家庭教師に―・ける」
➌ある物を他の物のところまで及びつかせる。
①届かせる。行きつかせる。及ぼす。到着させる。伊勢物語「あるじ聞き―・けて」。日葡辞書「フネヲツクル」
②増し加える。添える。源氏物語末摘花「すこし今めきたるけを―・けばやとぞ、乱れたる心には心もとなく思ひゐたる」。日本永代蔵5「近代の縁組は相生・形にも構はず、―・けておこす金性の娘を好む事世の習ひとはなりぬ」。「割増金を―・ける」「はずみを―・ける」
③設ける。「道を―・ける」「書斎に電話を―・ける」
➍身にまといつける。
①身にまとう。着る。万葉集3「しらぬひ筑紫の綿は身に―・けて未だは着ねど」。「首飾りを―・ける」
②わがものとする。「教養を身に―・ける」「手に職を―・ける」
➎感覚や力を働かす。
①心をむける。万葉集19「うつせみの常なき見れば世の中に心―・けずて思ふ日そ多き」。日葡辞書「キ・ココロヲツクル」「メヲツクル」
②燃えうつらせる。発火させる。伊勢物語「この野はぬす人あなりとて火―・けむとす」。日葡辞書「イエニヒヲツクル」
③ともす。器具のスイッチを入れる。源氏物語末摘花「大となぶら消えにけるをともし―・くる人もなし」。「電灯を―・ける」
➏他にあつらえる。
①ことづける。伊勢物語「修業者あひたり、京にその人の御もとにとてふみかきて―・く」。今昔物語集19「己れが兄弟にて侍る僧に―・けて言はしめ侍るなり」
②負わせる。源氏物語野分「そのほかはつゆ難―・くべうもあらず」。「なんくせを―・ける」
③呼ぶ。命名する。源氏物語桐壺「光君といふ名は高麗人のめで聞えて―・け奉りける」。日葡辞書「ナヲツクル」
④定める。「値段を―・ける」「見込みを―・ける」
⑤決着に至らせる。まとめる。「片を―・ける」「話を―・ける」
➐ある位置におかせる。
①即位させる。平家物語8「抑、臣等が慮りを以て選びて位に―・け奉らん事、用捨私有るに似たり」。「王位に―・ける」
②すわらせる。「席に―・ける」
③位置を占めさせる。「上座に―・ける」
④役を与える。「局長の地位に―・ける」
➑(他の動詞に付いて)常に…する。なれる。源氏物語桐壺「亡せ給ひにし御息所の御かたちに似給へる人を三代の宮仕につたはりぬるにえ見奉り―・けぬに」。日葡辞書「ワザヲシツクル」「フネニノリツケタヒト」。「使い―・ける」
➒他の動詞に付いて、勢いのはげしい意を表し、あるいは語調を強める。「叱り―・ける」
➓(主に「…につけて」の形で)応じる。関する。よる。ことよせる。古今和歌集序「心に思ふことを見るもの聞くものに―・けていひいだせるなり」。源氏物語桐壺「朝夕の宮仕に―・けても人の心をうごかし」。「雨風に―・けて子を思う」「それに―・けても金の欲しさよ」「よいに―・け悪いに―・け」
◇到着・着席・着用などの場合に「着」、就任・就労などでは「就」、即位には「即」を使う。
づ・ける【付ける】🔗⭐🔉
づ・ける【付ける】
〔接尾〕
(体言に付いて、下一段活用の動詞をつくる)ある物事を付け加える。そのような状態にさせる。「元気―・ける」「意味―・ける」「関係―・ける」「位置―・ける」→つける(付)
つけ‐わけ【付け分け】🔗⭐🔉
つけ‐わけ【付け分け】
仕分けして帳面に付けること。狂言、文山立「身共は仕合せをしたとき、―をせうと思うて、矢立を用意した」
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つけ【付け・附け】🔗⭐🔉
つけ 【付け・附け】
〔動詞「付ける」の連用形から〕
■一■ [2] (名)
(1)勘定書き。請求書。書きつけ。「―をまわす」
(2)現金払いでなく,後日まとめて勘定することにして帳簿につけておくこと。「―で買い物をする」「この店は―がきく」
(3)歌舞伎で,見得(ミエ)・駆け足・打擲(チヨウチヤク)・立ち回りなどの時,上手(カミテ)横で大道具方または狂言方が,拍子木に似た柝(キ)で板を打つこと。また,その拍子。つけ拍子。
(4)「付け帳」の略。
(5)(普通「ツケ」と書く)囲碁で,相手の石に単独で接触させて打つ手。
(6)理由。口実。「赤児を―に転寝(ゴロネ)しては/露小袖(乙羽)」
(7)手紙。「此中(コンジユウ)―をよこした女(アマ)よ/滑稽本・浮世床(初)」
(8)その人についてまわる運。「ここは―が悪い。又さきへ行つて飲みやれ/滑稽本・膝栗毛 8」
(9)連歌・俳諧で,「付合」に関するすべての事象(付心・付所・付味など)をさしていう語。
(10)名詞の下に付いて,それを付けることの意を表す。「かざり―」「袖―」
→につけ(連語)
■二■ (接尾)
動詞の連用形に付いて,し慣れていることの意を表す。「行き―の店」
つけ=が回って
来る🔗⭐🔉
――が回って
来る
〔あとから請求書が回ってくる意から〕
悪いことや無理をしたことの報いが現れる。
来る
〔あとから請求書が回ってくる意から〕
悪いことや無理をしたことの報いが現れる。
づけ【付け】🔗⭐🔉
づけ 【付け】
〔動詞「付ける」の連用形から〕
(1)名詞に付いて,それを付けること,それで付けることなどの意を表す。「さん―で呼ぶ」「糊―」
(2)日付を示す数詞の下に付いて,その日付であることを表す。「三日―の手紙」「四月一日―で採用する」
つけ-あが・る【付け上(が)る】🔗⭐🔉
つけ-あが・る [4][0] 【付け上(が)る】 (動ラ五[四])
相手の寛大さにつけこんで,増長する。「下手(シタテ)に出れば―・る」
つけ-あわせ【付け合(わ)せ】🔗⭐🔉
つけ-あわせ ―アハセ [0] 【付け合(わ)せ】
彩りを添えるため,または味をひき立たせるために料理に添えて出すもの。生野菜や海藻,調理した人参・ポテトなど。
つけ-あわ・せる【付け合(わ)せる】🔗⭐🔉
つけ-あわ・せる ―アハセル [5][0] 【付け合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二つけあは・す
(1)他の物に添える。あしらいとして添える。「肉料理にサラダを―・せる」
(2)二つの物を離れないように合わせる。[日葡]
つけ-いた【付(け)板・ツケ板】🔗⭐🔉
つけ-いた [0] 【付(け)板・ツケ板】
歌舞伎で,ツケを打つ時に用いる板。下に置き,両手に持った二つの柝(キ)でたたいて音を出す。
つけ-いだ・す【付け出だす】🔗⭐🔉
つけ-いだ・す 【付け出だす】 (動サ四)
捜し出す。見つけ出す。「やう
此程(仇ヲ)―・し/浮世草子・武道伝来記 5」

此程(仇ヲ)―・し/浮世草子・武道伝来記 5」
つけ-い・る【付(け)入る】🔗⭐🔉
つけ-い・る [3][0] 【付(け)入る】 (動ラ五[四])
相手の弱みやすきをうまくとらえて,利用する。つけこむ。「相手の弱点に―・る」「すきに―・る」
[可能] つけいれる
つけ-うた【付(け)歌】🔗⭐🔉
つけ-うた [0] 【付(け)歌】
神楽・催馬楽・朗詠などで,発声の人の歌う第一句に付けて第二句以降を唱和すること。助音(ジヨイン)。「法皇も―せさせおはします/平家 5」
つけ-うま【付(け)馬】🔗⭐🔉
つけ-うま [0][2] 【付(け)馬】
未払いの遊興費などを取りたてるために,客と一緒に客の家までついて行く人。つきうま。うま。「―をつける」
つけ-うり【付(け)売り】🔗⭐🔉
つけ-うり [0] 【付(け)売り】
木材取引の一。製材所などから買い付けた製品の相対取引による問屋段階での販売方法。せりなどによる市売りに対していう。
つけ-おび【付(け)帯】🔗⭐🔉
つけ-おび [3] 【付(け)帯】
(1)女帯の一。後ろで結ぶ部分と胴の部分を別にした帯。軽装帯。
(2)「下げ帯」に同じ。
つけ-か・える【付(け)替える】🔗⭐🔉
つけ-か・える ―カヘル [4][3][0] 【付(け)替える】 (動ア下一)[文]ハ下二 つけか・ふ
他の物に替えて別のものを付ける。「ボタンを―・える」
つけ-がな【付(け)仮名】🔗⭐🔉
つけ-がな [0] 【付(け)仮名】
「ふりがな」に同じ。
つけ-がね【付け金】🔗⭐🔉
つけ-がね 【付け金】
(1)遊里で,つけ届けの金銭。遊女から茶屋へ,茶屋から女中へ贈る。「それだから―も,てえ
気をつけておくこつちやあござんせん/洒落本・傾城買四十八手」
(2)持参金。「相応の―して子のなき方へ養子につかはし/浮世草子・織留 6」

気をつけておくこつちやあござんせん/洒落本・傾城買四十八手」
(2)持参金。「相応の―して子のなき方へ養子につかはし/浮世草子・織留 6」
つけ-がね【付け鉄漿】🔗⭐🔉
つけ-がね 【付け鉄漿】
〔近世女性語〕
おはぐろ。
つけ-がみ【付(け)紙】🔗⭐🔉
つけ-がみ [2] 【付(け)紙】
(1)文書の中の必要な箇所や,疑問のある箇所に,目印のためつけておく紙。不審紙。付箋(フセン)。「医書を…読みて合点の行かぬ所に―をつける/咄本・昨日は今日」
(2)門口などに貼り,合図や目印にした紙。「その東の門口に―をしておきけるは/浮世草子・諸艶大鑑 6」
つけ-がみ【付(け)髪】🔗⭐🔉
つけ-がみ [2] 【付(け)髪】
(1)髪が短い場合,それを補うために付け添えた髪。
(2)髪を結ぶとき,添え入れた髪。そえがみ。
(3)野郎頭の歌舞伎俳優が,役に扮するとき用いるかつら。
つけ-がもい【付け鴨居】🔗⭐🔉
つけ-がもい ―ガモ
[3] 【付け鴨居】
座敷などの塗り壁面にとりつけた化粧鴨居。
[3] 【付け鴨居】
座敷などの塗り壁面にとりつけた化粧鴨居。
つけ-くわ・える【付(け)加える】🔗⭐🔉
つけ-くわ・える ―クハヘル [5][0] 【付(け)加える】 (動ア下一)[文]ハ下二 つけくは・ふ
すでにある物事に,あとから新しい物事を添える。付加する。「文章を二行―・える」
つけ-くわわ・る【付(け)加わる】🔗⭐🔉
つけ-くわわ・る ―クハハル [5][0] 【付(け)加わる】 (動ラ五[四])
すでにあるものに,さらに別のものが付け足される。「代金に手数料が―・る」
つけ-げいき【付(け)景気】🔗⭐🔉
つけ-げいき [3] 【付(け)景気】
うわべを景気よさそうによそおうこと。から景気。「ほんの―に詰らない事をしてのけた/たけくらべ(一葉)」
つけ-げんき【付(け)元気】🔗⭐🔉
つけ-げんき [3] 【付(け)元気】
うわべを元気よさそうによそおうこと。から元気。「―の高声で,『御機嫌よう!』と一礼すると/平凡(四迷)」
つけ-こ【付(け)子】🔗⭐🔉
つけ-こ [2] 【付(け)子】
鳴き声のよいウグイスやホオジロのそばに,同類の鳥の雛をつけて,その音色を学ばせること。また,そのつけておく雛。
つけ-こみ【付(け)込み】🔗⭐🔉
つけ-こみ [0] 【付(け)込み】
(1)つけこむこと。乗ずること。
(2)(仕訳をしないで)帳簿に記入すること。
(3)座敷や席を予約すること。「―にまはるたいこもち/洒落本・北華通情」
つけこみ-ちょう【付(け)込み帳】🔗⭐🔉
つけこみ-ちょう ―チヤウ [0] 【付(け)込み帳】
⇒当座帳(トウザチヨウ)
つけ-こ・む【付(け)込む】🔗⭐🔉
つけ-こ・む [0][3] 【付(け)込む】 (動マ五[四])
(1)機会をうまくとらえて利用する。つけいる。「人の弱みに―・む」
(2)帳面に書き入れる。「収支を帳簿に―・む」
(3)あらかじめ約束しておく。「初会馴染ぢやあ前びろから―・んでなくちやあいけません/歌舞伎・小春穏沖津白波」
(4)跡を追って居場所をつきとめる。「此善六が―・んだ,お染久松二人の者を/歌舞伎・お染久松色読販」
[可能] つけこめる
つけ-さげ【付(け)下げ】🔗⭐🔉
つけ-さげ [0] 【付(け)下げ】
和服の模様の付け方の名。すべての文様が,肩山を頂点に上向きになるようにしたもの。訪問着に次ぐ格。
つけ-ざし【付(け)差し】🔗⭐🔉
つけ-ざし 【付(け)差し】
自分が口をつけた酒杯や,キセルを人にさし出すこと。遊里などで,相手に対する情愛の深さを示す行為とされた。「こは珍しい―と,押戴いて飲んだりけり/浄瑠璃・堀川波鼓(上)」
つけ-しょいん【付(け)書院】🔗⭐🔉
つけ-しょいん ―シヨ
ン [3] 【付(け)書院】
書院造りで,床の間わきの縁側に張り出して設けた出窓のような部分。文机(フヅクエ)ほどの高さの板張りの前方に明かり障子をつけたもの。鎌倉末期から室町時代にかけて住宅に設けられた造りつけの出文机(イダシフヅクエ)が,座敷の装飾となったもの。書院床(ドコ)。書院棚。書院構え。明かり床。明かり書院。
→出文机
付け書院
[図]
ン [3] 【付(け)書院】
書院造りで,床の間わきの縁側に張り出して設けた出窓のような部分。文机(フヅクエ)ほどの高さの板張りの前方に明かり障子をつけたもの。鎌倉末期から室町時代にかけて住宅に設けられた造りつけの出文机(イダシフヅクエ)が,座敷の装飾となったもの。書院床(ドコ)。書院棚。書院構え。明かり床。明かり書院。
→出文机
付け書院
[図]
つけ-じょう【付(け)状】🔗⭐🔉
つけ-じょう ―ジヤウ [0][2] 【付(け)状】
(1)「添え状」に同じ。
(2)貴人に直接に手紙を差し出すのを遠慮して,あて名をその傍に仕えている人とした手紙。文面は直接貴人にあてる。
つけ-じょうゆ【付け醤油】🔗⭐🔉
つけ-じょうゆ ―ジヤウユ [3] 【付け醤油】
刺し身など,醤油をつけて食べる料理で小皿に入れて出される醤油。
つけ-じる【付(け)汁】🔗⭐🔉
つけ-じる [0] 【付(け)汁】
うどん・そば・てんぷらなどにつける汁。たれ。つゆ。つけしる。
つけ-じろ【付(け)城】🔗⭐🔉
つけ-じろ [0] 【付(け)城】
(1)本城とは別に,要所に築いた城。出城。
(2)攻撃の拠点として敵城の近くに築いた城。向かい城。「三河の内吉良の城へ取かけ,―をして是をせむる/甲陽軍鑑(品三一)」
つけ-だい【付(け)台】🔗⭐🔉
つけ-だい [2] 【付(け)台】
すし屋で,カウンターの客に,すしを握って出す台。
つけ-だけ【付(け)竹】🔗⭐🔉
つけ-だけ [2] 【付(け)竹】
竹製の付け木。火口(ホクチ)。「燧(ヒウチ)・―・硫黄など用意して,燧袋にしつらひ入れ/盛衰記 16」
つけ-たし【付(け)足し】🔗⭐🔉
つけ-たし [0] 【付(け)足し】
(1)つけたすこと。また,そのもの。
(2)二次的な事柄。つけたり。「用件は―で,本当は顔が見たいのだ」
つけ-だし【付(け)出し】🔗⭐🔉
つけ-だし [0] 【付(け)出し】
(1)勘定書。売掛金の請求書。
(2)相撲で,最下級から順次出世せずに,力量を認められて,最初から番付にのること。また,その力士。「幕下―」
つけ-た・す【付(け)足す】🔗⭐🔉
つけ-た・す [0][3] 【付(け)足す】 (動サ五[四])
すでにあるものにさらにつけ加える。追加する。「用件を―・す」
[可能] つけたせる
つけ-だ・す【付(け)出す】🔗⭐🔉
つけ-だ・す [0][3] 【付(け)出す】 (動サ五[四])
(1)(帳簿などに)記入し始める。「日記を―・す」
(2)商品の売掛金の請求書を書いて出す。「酒・肴詳しう―・して…書付けを渡す/歌舞伎・五大力」
(3)荷物を馬などの背につけ,送りだす。「荷物を―・さなかつたら,お前達はどうして食うんだ/夜明け前(藤村)」
(4)値をつけはじめる。「一匁五分より―・し四匁八分までにのぞめども/浮世草子・胸算用 1」
つけ-たり【付けたり】🔗⭐🔉
つけ-たり [0] 【付けたり】
〔動詞「付く」の連用形に助動詞「たり」の付いたものから〕
(1)主なものにつけ加えられた,大した価値のないもの。付録。「最後の注意書きは―にすぎない」
(2)だしに使うもの。口実。「旦那への用は―で,御用が済むと直ぐ嬢様の/社会百面相(魯庵)」
つけ-ちょう【付(け)帳】🔗⭐🔉
つけ-ちょう ―チヤウ [0] 【付(け)帳】
上演に必要な大道具・小道具・衣装・鬘(カツラ)・下座音楽などをそれぞれ分冊にして書き出した帳面。付け立て帳。付(ツケ)。
つけっ-ぱなし【付けっ放し】🔗⭐🔉
つけっ-ぱなし [0] 【付けっ放し】
電気などをつけたままにしておくこと。「テレビを―で寝てしまった」
つけ-どこ【付(け)床】🔗⭐🔉
つけ-どこ [0] 【付(け)床】
「置き床」に同じ。
つけ-どころ【付(け)所・着(け)所】🔗⭐🔉
つけ-どころ [0] 【付(け)所・着(け)所】
注意を向けるべきところ。「目の―が違う」
つけ-とどけ【付(け)届け】🔗⭐🔉
つけ-とどけ [0] 【付(け)届け】 (名)スル
(1)謝礼や依頼,義理などのために,他人に金銭や物品を贈ること。また,その贈り物。「盆暮れの―」
(2)届け出ること。通報すること。「不埒なれば其家に―すれば/浮世草子・桜陰比事 5」
つけ-なお・す【付(け)直す】🔗⭐🔉
つけ-なお・す ―ナホス [0][4] 【付(け)直す】 (動サ五[四])
改めて付ける。「ボタンを―・す」「値を―・す」
[可能] つけなおせる
つけ-ね【付(け)値】🔗⭐🔉
つけ-ね [2][0] 【付(け)値】
買い手がつける値段。
⇔言い値
つけ-ね【付(け)根】🔗⭐🔉
つけ-ね [0][3] 【付(け)根】
物と物とがくっついている,根元の部分。「枝の―」「腕の―」
つけ-ねら・う【付け狙う】🔗⭐🔉
つけ-ねら・う ―ネラフ [0][4] 【付け狙う】 (動ワ五[ハ四])
たえずあとをつけて,機会をうかがう。「刺客に―・われる」
つけ-ばしら【付(け)柱】🔗⭐🔉
つけ-ばしら [3] 【付(け)柱】
(1)付け書院の外側の柱。書院柱。
(2)「片蓋柱(カタフタバシラ)」に同じ。
つけ-ばな【付(け)鼻】🔗⭐🔉
つけ-ばな [2] 【付(け)鼻】
仮装したり,役者が扮装(フンソウ)するときなどにつける,張り子などの人造の鼻。
つけ-び【付(け)火】🔗⭐🔉
つけ-び [2] 【付(け)火】
故意に火をつけること。また,その火から起こった火災。放火。
つけ-ひげ【付け髭】🔗⭐🔉
つけ-ひげ [0][2] 【付け髭】
人工的に作ったひげ。また,それを付けること。つくりひげ。
つけ-びと【付(け)人】🔗⭐🔉
つけ-びと [0] 【付(け)人】
(1)ある人のそばにいて,身の回りの世話をする人。つきびと。
(2)特に相撲で,関取の世話をする若い相撲取り。若い者。
(3)「付家老(ツケガロウ)」に同じ。
つけ-ひも【付け紐】🔗⭐🔉
つけ-ひも [0] 【付け紐】
着物の胴に縫い付けてある紐。
つけ-びょうし【付(け)拍子】🔗⭐🔉
つけ-びょうし ―ビヤウシ [3] 【付(け)拍子】
「つけ(付){(3)}」に同じ。
つけ-ぶせ【付(け)布施】🔗⭐🔉
つけ-ぶせ [0] 【付(け)布施】
本家の葬式の際,親類筋の者が僧侶に渡す布施。
つけ-ふだ【付(け)札】🔗⭐🔉
つけ-ふだ [2] 【付(け)札】
目印に付ける札。さげふだ。
つけ-ぶみ【付(け)文】🔗⭐🔉
つけ-ぶみ [0][2] 【付(け)文】 (名)スル
思う相手に恋文をひそかに渡るようにすること。また,その恋文。ラブレター。
つけ-ペン【付け―】🔗⭐🔉
つけ-ペン [0] 【付け―】
(万年筆でなく)ペン軸にペン先をはめこみ,インクをつけながら書くペン。
つけ-ぼくろ【付け黒子】🔗⭐🔉
つけ-ぼくろ [3] 【付け黒子】
美容などの目的で顔につけるほくろ。ムーシュ。
つけ-まつり【付(け)祭り】🔗⭐🔉
つけ-まつり [3] 【付(け)祭り】
〔本祭に付けて行う祭りの意〕
(1)江戸時代,山王神社や神田明神などの祭礼の行列で,余興として山車(ダシ)につく,踊り屋台や練り物・地走りなどのこと。
(2)転じて,話のあとに付け加えていう文句。
つけ-まわし【付(け)回し】🔗⭐🔉
つけ-まわし ―マハシ [0] 【付(け)回し】
付け{(1)}を他人へ回すこと。
つけ-まわ・す【付(け)回す】🔗⭐🔉
つけ-まわ・す ―マハス [4][0] 【付(け)回す】 (動サ五[四])
どこまでもうるさくあとをつける。「しつこくあとを―・す」
つけ-まわ・る【付(け)回る】🔗⭐🔉
つけ-まわ・る ―マハル [0][4] 【付(け)回る】 (動ラ五[四])
しつこくあとをつける。つけてまわる。「女の跡を―・る/灰燼(鴎外)」
つけ-もの【付(け)物】🔗⭐🔉
つけ-もの [2][0] 【付(け)物】
(1)直垂(ヒタタレ)や水干の綴(ト)じ目に綴じ付ける飾り物。菊綴じの類。「祭の日の放免の―に,ことやうなる紺の布四五反にて馬をつくりて/徒然 225」
(2)催馬楽(サイバラ)など,雅楽の歌物の助奏楽器。
(3)箏(ソウ)組歌に付随する段物・砧物(キヌタモノ)・弄斎(ロウサイ)物など器楽曲の称。
つけ-やき【付(け)焼き】🔗⭐🔉
つけ-やき [0] 【付(け)焼き】
醤油・味醂(ミリン)などで調味したたれをつけながら焼くこと。また,そうして焼いたもの。
つけ-やきば【付(け)焼き刃】🔗⭐🔉
つけ-やきば [3] 【付(け)焼き刃】
〔鈍刀に鋼(ハガネ)の焼き刃を付け足したものをいうところから〕
一時の間に合わせに,にわかに覚え込んだ知識や技術。「―の知識」
つ・ける【付ける】🔗⭐🔉
つ・ける [2] 【付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 つ・く
接触・接合・付着させる。
(1)二つの物が触れたまま離れないようにする。接合する。くっつける。「二本のコードをはんだで―・ける」「折れた骨をもと通りに―・ける」
(2)ある物と他の物を接近させていって,表面がぴたりと触れるようにする。「顔を窓ガラスに―・けてのぞきこむ」
(3)ある物に異質な物を付着・浸透させる。「顔に墨を―・ける」「傷口に薬を―・ける」「シャツにしみを―・ける」
(4)ある物に,付随的な物を添える。(ア)(多く「着ける」と書く)着物や装身具をからだの一部に装う。「下着を―・ける」「はかまを―・ける」(イ)付属品をとりつける。「ドアに鍵を―・ける」(ウ)(「附ける」とも書く)ある物を付随させる。「条件を―・ける」「利息を―・ける」(エ)草木に花や実が生じる。「ツバキが赤い花を―・ける」「梅が実を―・ける」
(5)あとを残す。(ア)力を加えたりしてあとを残す。「テーブルに傷を―・ける」「紙に折り目を―・ける」(イ)印(シルシ)を記す。「該当する項目に〇を―・ける」(ウ)帳簿などに記入する。「家計簿を―・ける」「日記を―・ける」
(6)栄養・体力・知識などを備えさせる。「実力を―・ける」「教養を身に―・ける」「手に職を―・ける」「変な癖を―・けないように」
〔「身に―・ける」は「着ける」とも書く〕
(7)連歌・俳諧で,前の句に後の句を,うまくつながるように続ける。
そばに寄せる。
(1)人をそばに置く。(ア)つき添わせる。「要人に護衛を―・ける」(イ)あとに寄り添う。「先頭にぴたりと―・けている」(ウ)対立するものの一方にある人を組み入れる。「近隣諸国を味方に―・ける」
(2)ある物を近くに寄せる。(ア)(多く「着ける」と書く)乗り物を移動させて,ある場所に横付けにする。「車を正面玄関に―・ける」「船を岸壁に―・ける」(イ)他に対して苦情を寄せる。「納入された品にクレームを―・ける」「文句を―・ける」
他の人のあとをこっそり追う。「捜査員が容疑者を―・けていく」「だれかに―・けられている」
あるものを加え,新しい状態にする。
(1)新たに設ける。設置する。「自宅に電話を―・ける」「道を―・ける」
(2)(「点ける」とも書く)ある現象・活動などがあらわれるようにする。(ア)点火する。「火を―・ける」「ストーブを―・ける」(イ)あかりをともす。また,電気などで動く器具を働かせる。「ランプを―・ける」「あかりを―・ける」「テレビを―・ける」
(3)ある物に名称・評点などを与える。(ア)命名する。「生まれた子に名を―・ける」(イ)予算を割りあてる。「予算を―・ける」(ウ)評点・値段を与える。「合格点を―・ける」「せり市で一千万の値を―・ける」
説明を加える。「もっともらしい理由を―・けて会社を休む」
実現・決着の望まれていたことを実現・決着させる。「問題に決着を―・ける」「円満に話を―・ける」「渡りを―・ける」「けりを―・ける」
区分をはっきりさせる。差が出るようにする。「けじめを―・ける」「一馬身の差を―・ける」
判断・予想を行う。「見当を―・ける」「完成の目処を―・ける」
感覚・意識を働かせる。
(1)(「…に気をつける」の形で)注意力・警戒心をそこに注ぐ。「車に気を―・ける」
(2)(「…に目をつける」の形で)関心を寄せる。特別な注意を向ける。「それまで捨てられていたカンの殻に目を―・けた」
「…につけ(て)」の形で用いる。
(1)(「…につけ,…につけ」の形で)それぞれの状況において,の意を表す。「暑いに―・け,寒いに―・け,苦労は絶えない」
(2)(「…につけ」「…につけて(も)」の形で)それに伴って,関連して,の意を表す。「それに―・けても思い出されるのは…」「何かに―・けていやみを言う」
関係をもたせる。
(1)ことづける。託す。「京に,その人の御もとにとて文書きて―・く/伊勢 9」
(2)それをきっかけとする。かこつける。「心に思ふことを見る物,聞く物に―・けて言ひいだせるなり/古今(仮名序)」
動詞の連用形に付ける。
(1)その動作の激しいことを表す。「どなり―・ける」「にらみ―・ける」「しかり―・ける」
(2)その動作に慣れていることを表す。「やり―・けない仕事」「この子はしかられ―・けている」
〔「付く」に対する他動詞〕
[慣用] 色を―・因縁を―・折り紙を―・方(カタ)を―・眼(ガン)を―・けちを―・知恵を―・注文を―・唾(ツバ)を―・手を―・難を―・熨斗(ノシ)を―・箔(ハク)を―・火を―・眉(マユ)に唾を―・味噌(ミソ)を―・目星を―・目安を―・勿体(モツタイ)を―・埒(ラチ)を―/金に糸目をつけぬ・手が付けられない
接触・接合・付着させる。
(1)二つの物が触れたまま離れないようにする。接合する。くっつける。「二本のコードをはんだで―・ける」「折れた骨をもと通りに―・ける」
(2)ある物と他の物を接近させていって,表面がぴたりと触れるようにする。「顔を窓ガラスに―・けてのぞきこむ」
(3)ある物に異質な物を付着・浸透させる。「顔に墨を―・ける」「傷口に薬を―・ける」「シャツにしみを―・ける」
(4)ある物に,付随的な物を添える。(ア)(多く「着ける」と書く)着物や装身具をからだの一部に装う。「下着を―・ける」「はかまを―・ける」(イ)付属品をとりつける。「ドアに鍵を―・ける」(ウ)(「附ける」とも書く)ある物を付随させる。「条件を―・ける」「利息を―・ける」(エ)草木に花や実が生じる。「ツバキが赤い花を―・ける」「梅が実を―・ける」
(5)あとを残す。(ア)力を加えたりしてあとを残す。「テーブルに傷を―・ける」「紙に折り目を―・ける」(イ)印(シルシ)を記す。「該当する項目に〇を―・ける」(ウ)帳簿などに記入する。「家計簿を―・ける」「日記を―・ける」
(6)栄養・体力・知識などを備えさせる。「実力を―・ける」「教養を身に―・ける」「手に職を―・ける」「変な癖を―・けないように」
〔「身に―・ける」は「着ける」とも書く〕
(7)連歌・俳諧で,前の句に後の句を,うまくつながるように続ける。
そばに寄せる。
(1)人をそばに置く。(ア)つき添わせる。「要人に護衛を―・ける」(イ)あとに寄り添う。「先頭にぴたりと―・けている」(ウ)対立するものの一方にある人を組み入れる。「近隣諸国を味方に―・ける」
(2)ある物を近くに寄せる。(ア)(多く「着ける」と書く)乗り物を移動させて,ある場所に横付けにする。「車を正面玄関に―・ける」「船を岸壁に―・ける」(イ)他に対して苦情を寄せる。「納入された品にクレームを―・ける」「文句を―・ける」
他の人のあとをこっそり追う。「捜査員が容疑者を―・けていく」「だれかに―・けられている」
あるものを加え,新しい状態にする。
(1)新たに設ける。設置する。「自宅に電話を―・ける」「道を―・ける」
(2)(「点ける」とも書く)ある現象・活動などがあらわれるようにする。(ア)点火する。「火を―・ける」「ストーブを―・ける」(イ)あかりをともす。また,電気などで動く器具を働かせる。「ランプを―・ける」「あかりを―・ける」「テレビを―・ける」
(3)ある物に名称・評点などを与える。(ア)命名する。「生まれた子に名を―・ける」(イ)予算を割りあてる。「予算を―・ける」(ウ)評点・値段を与える。「合格点を―・ける」「せり市で一千万の値を―・ける」
説明を加える。「もっともらしい理由を―・けて会社を休む」
実現・決着の望まれていたことを実現・決着させる。「問題に決着を―・ける」「円満に話を―・ける」「渡りを―・ける」「けりを―・ける」
区分をはっきりさせる。差が出るようにする。「けじめを―・ける」「一馬身の差を―・ける」
判断・予想を行う。「見当を―・ける」「完成の目処を―・ける」
感覚・意識を働かせる。
(1)(「…に気をつける」の形で)注意力・警戒心をそこに注ぐ。「車に気を―・ける」
(2)(「…に目をつける」の形で)関心を寄せる。特別な注意を向ける。「それまで捨てられていたカンの殻に目を―・けた」
「…につけ(て)」の形で用いる。
(1)(「…につけ,…につけ」の形で)それぞれの状況において,の意を表す。「暑いに―・け,寒いに―・け,苦労は絶えない」
(2)(「…につけ」「…につけて(も)」の形で)それに伴って,関連して,の意を表す。「それに―・けても思い出されるのは…」「何かに―・けていやみを言う」
関係をもたせる。
(1)ことづける。託す。「京に,その人の御もとにとて文書きて―・く/伊勢 9」
(2)それをきっかけとする。かこつける。「心に思ふことを見る物,聞く物に―・けて言ひいだせるなり/古今(仮名序)」
動詞の連用形に付ける。
(1)その動作の激しいことを表す。「どなり―・ける」「にらみ―・ける」「しかり―・ける」
(2)その動作に慣れていることを表す。「やり―・けない仕事」「この子はしかられ―・けている」
〔「付く」に対する他動詞〕
[慣用] 色を―・因縁を―・折り紙を―・方(カタ)を―・眼(ガン)を―・けちを―・知恵を―・注文を―・唾(ツバ)を―・手を―・難を―・熨斗(ノシ)を―・箔(ハク)を―・火を―・眉(マユ)に唾を―・味噌(ミソ)を―・目星を―・目安を―・勿体(モツタイ)を―・埒(ラチ)を―/金に糸目をつけぬ・手が付けられない
づ・ける【付ける】🔗⭐🔉
づ・ける 【付ける】 (接尾)
〔動詞下一段型活用。「つける」の転〕
名詞に付く。
(1)その物事を他につけ加える意を表す。「元気―・ける」「関係―・ける」
(2)その物事・事柄を他に与える意を表す。「位置―・ける」「性格―・ける」
つけ【付け】(和英)🔗⭐🔉
つけ【付け】
a bill.→英和
〜にする chargeto one's account.〜で買う buy on credit.〜がきく have credit.
つけあがる【付け上がる】(和英)🔗⭐🔉
つけあがる【付け上がる】
grow impudent (生意気)[vain (うぬぼれ)];be puffed up.
つけあわせ【付け合わせる】(和英)🔗⭐🔉
つけあわせ【付け合わせる】
addas a relish.→英和
つけいる【付け入る】(和英)🔗⭐🔉
つけいる【付け入る】
⇒付け込む.
つけげんき【付け元気】(和英)🔗⭐🔉
つけげんき【付け元気】
a show of courage;<米>a bluff.→英和
つけこむ【付け込む[付け入る]】(和英)🔗⭐🔉
つけこむ【付け込む[付け入る]】
take advantage of;enter(帳簿に).→英和
つけたし【付け足し】(和英)🔗⭐🔉
つけたし【付け足し】
⇒付けたり.
つけたす【付け足す】(和英)🔗⭐🔉
つけたす【付け足す】
add.→英和
つけね【付け値】(和英)🔗⭐🔉
つけね【付け値】
the price offered;the offer[bid].→英和
つけね【付け根】(和英)🔗⭐🔉
つけね【付け根】
the root[joint,base].→英和
つけひげ【付け髭】(和英)🔗⭐🔉
つけひげ【付け髭】
a false moustache[beard].
つけふだ【付け札】(和英)🔗⭐🔉
つけふだ【付け札】
⇒荷札.
つけぼくろ【付け黒子】(和英)🔗⭐🔉
つけぼくろ【付け黒子】
a beauty spot.
つけまわす【付け回す】(和英)🔗⭐🔉
つけまわす【付け回す】
⇒付け狙(ねら)う.
つけやき【付け焼きの】(和英)🔗⭐🔉
つけやき【付け焼きの】
broiled with soy.〜にする broil with soy.
つけやきば【付け焼刃】(和英)🔗⭐🔉
つけやきば【付け焼刃】
borrowed plumes;a makeshift;→英和
a thin veneer.
つける【付[着]ける】(和英)🔗⭐🔉
つける【付[着]ける】
[取り付ける]put[fix,stick];→英和
attach[fasten];→英和
[添加]add;→英和
[塗る]put;apply;→英和
use;→英和
[記入]put down;enter;→英和
keep;→英和
[値を]offer;→英和
bid;→英和
[付けにする]⇒付け;[尾行]follow;→英和
shadow;→英和
dog;→英和
[火を]light;→英和
set fire;[電灯などを]put on;[車を]drive up;draw[pull]up;[船を]bring;→英和
[着用]put on;wear.→英和
付[着]けてwith;→英和
in(着用).→英和
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