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あと【後】🔗⭐🔉
あと [1] 【後】
〔「跡(アト)」と同源。「跡」の意味の拡大したもの〕
■一■ (名)
(1)背中の方。うしろ。「―から来る」「―につづく」
(2)以後。のち。
⇔先
「泣いた―にすぐ笑う」「お金は―で結構です」「宿題は―でやるよ」
(3)のちの事態。のちのちのこと。「―のことも考えずにやって失敗する」
(4)ある事の結果,残ったもの。「―は,全部お前にまかせる」
(5)ある事の終わったあとに残った感情。なごり。「父の―をしのぶ」
(6)子孫。「―が絶える」
(7)後任の者。次に来る人。「退任した社長の―はもう決まっている」
(8)以前。
⇔先
「『まあ色のわりいことは。真青だよ。いつ時分からわるいのだえ』『なに十五,六日―からよ』/人情本・梅児誉美(初)」
■二■ (副)
数詞に付いて,今よりそれだけ超過するさまを表す。さらに。「―五分で終わる」「―三人すわれる」
あと=が無・い🔗⭐🔉
――が無・い
これきりで,残された余裕はない。
あと=から後から🔗⭐🔉
――から後から
ある物事がとぎれなく連続して起こるさま。次から次に。「―わきあがる雲」
あと=にも先にも🔗⭐🔉
――にも先にも
今までも,またこれからも。それ一回きりのことであることを強調していう。「あんなにこわい思いをしたのは―あの時だけだ」
あと=の雁(カリ)((ガン))が先になる🔗⭐🔉
――の雁(カリ)((ガン))が先になる
あとの者が先に進む者を追い越す。後輩が先輩を追い越すことなどにいう。
あと=の祭り🔗⭐🔉
――の祭り
(1)祭りの翌日,供え物を下げて飲食すること。後宴。
(2)〔祭りのすんだあとの山車(ダシ)の意から〕
時機を逸してかいのないこと。ておくれ。「悔やんでも―だ」
あと=は野となれ山となれ🔗⭐🔉
――は野となれ山となれ
当面のことさえうまくいけば,あとはどうなろうとかまわない。
あと=へ引か
ない🔗⭐🔉
――へ引か
ない
自分の意見・主張に固執し,譲歩しない。「言い出したら―
ない」
ない
自分の意見・主張に固執し,譲歩しない。「言い出したら―
ない」
あと=へも先へも行かぬ🔗⭐🔉
――へも先へも行かぬ
進退きわまる。にっちもさっちもいかない。
あと-の-つき【後の月】🔗⭐🔉
あと-の-つき 【後の月】
前の月。先月。あとげつ。
あと-びさり【後びさり】🔗⭐🔉
あと-びさり [3] 【後びさり】
〔「あとじさり」の転〕
(1)「あとずさり{(1)}」に同じ。「今年の気候は―をするんですよ/吾輩は猫である(漱石)」
(2)カニムシの別名。
(3)アリジゴクの別名。
うしろ【後ろ】🔗⭐🔉
うしろ [0] 【後ろ】
(1)顔や視線が向いているのと反対の方向,または場所。
⇔前
「―を振り返る」「―に退く」
(2)(事物に方向があると考えて)(ア)裏面の方向,または場所。
⇔前
「衝立(ツイタテ)の―に置く」「―で糸を引く」(イ)背中。背。「敵に―を見せる」
(3)順序のあとの方。末の方。
⇔前
「大分―の席次で卒業した」「列の―につく」
(4)芝居の舞台で,俳優の後ろに控え,台詞(セリフ)をつけたり後見をしたりする黒子(クロゴ)。
(5)舞台の陰で,役者の所作につれて効果を高めるためにはやす音曲。
(6)物事の起こったあと。将来。行く末。「なき御―に,口さがなくやは/源氏(夕顔)」
(7)下襲(シタガサネ)のしり。裾(キヨ)。「御衣の御―ひきつくろひなど/源氏(紅葉賀)」
うしろ=を付・ける🔗⭐🔉
――を付・ける
芝居の上演中,黒子(クロゴ)などが台詞(セリフ)を十分に覚えていない役者に台詞を教える。
うしろ=を見・せる🔗⭐🔉
――を見・せる
背中を見せて逃げ出す。負けて逃げる。「敵に―・せるとは卑怯(ヒキヨウ)だ」
うしろ-あがり【後ろ上(が)り】🔗⭐🔉
うしろ-あがり [4] 【後ろ上(が)り】
「あとあがり(後上)」に同じ。
うしろ-あわせ【後ろ合(わ)せ】🔗⭐🔉
うしろ-あわせ ―アハセ [4] 【後ろ合(わ)せ】
二人が互いに後ろと後ろとを向け合うこと。背中合わせ。「―に立つ」
うしろ-えもん【後ろ衣紋】🔗⭐🔉
うしろ-えもん [4] 【後ろ衣紋】
袴(ハカマ)を腰骨より高く引き上げる着方。
うしろ-おし【後ろ押し】🔗⭐🔉
うしろ-おし [0] 【後ろ押し】
あとおし。
うしろ-かげ【後ろ影】🔗⭐🔉
うしろ-かげ [4][3] 【後ろ影】
後ろ姿。
うしろ-きず【後ろ傷・後ろ疵】🔗⭐🔉
うしろ-きず 【後ろ傷・後ろ疵】
逃げるとき背後に受けた傷。逃げ傷。武士にとって不名誉なものとされた。
⇔向こう傷
うしろ-くび【後ろ首・後ろ頸】🔗⭐🔉
うしろ-くび [3] 【後ろ首・後ろ頸】
首の後方。
うしろ-げさ【後ろ袈裟】🔗⭐🔉
うしろ-げさ 【後ろ袈裟】
人の背後から袈裟がけにきり下ろすこと。「にげゆく荒灘―/浄瑠璃・先代萩」
うしろ-さがり【後ろ下(が)り】🔗⭐🔉
うしろ-さがり [4] 【後ろ下(が)り】
「あとさがり(後下)」に同じ。
うしろ-ざし【後ろ挿し】🔗⭐🔉
うしろ-ざし [0] 【後ろ挿し】
髷(マゲ)の後ろの方に挿したかんざし。
⇔前挿し
うしろ-じた-ぼいん【後ろ舌母音】🔗⭐🔉
うしろ-じた-ぼいん [6] 【後ろ舌母音】
奥舌面を持ち上げることによって調音する母音。日本語のウ,オなどはこれに属する。奥舌母音。
うしろ-すがた【後ろ姿】🔗⭐🔉
うしろ-すがた [4] 【後ろ姿】
後ろから見た,人の姿。
うしろ-せんりょう【後ろ千両】🔗⭐🔉
うしろ-せんりょう ―リヤウ [4] 【後ろ千両】
(1)〔「後ろ千両前一文」の略〕
後ろ姿ばかりが美しいこと。後ろ弁天。バック-シャン。
(2)後ろ姿が美しいこと。
うしろ-だて【後ろ楯】🔗⭐🔉
うしろ-だて [0] 【後ろ楯】
(1)陰にいてあと押しをし,援助すること。また,その人。パトロン。うしろみ。
(2)背後を守る楯。
うしろ-で【後ろ手】🔗⭐🔉
うしろ-で [0][3] 【後ろ手】
(1)手を背中に回すこと。「―に縛り上げる」
(2)後ろの方。背面。背後。
(3)後ろ姿。「冠などうちゆがめて走らむ―思ふに/源氏(紅葉賀)」
うしろ-の-め【後ろの目】🔗⭐🔉
うしろ-の-め [5] 【後ろの目】
〔悪事の世間に知られやすいことのたとえ〕
本人は気づかずにいても,背後にいつも光っている世間の目。
うしろ-まえ【後ろ前】🔗⭐🔉
うしろ-まえ ―マヘ [3] 【後ろ前】
後ろと前とが逆になること。特に,衣服などの後ろと前とが逆になること。「セーターを―に着る」
うしろ-み【後ろ見】🔗⭐🔉
うしろ-み [3] 【後ろ見】
「後ろ楯(ダテ){(1)}」に同じ。「人の―しつべき心あり/落窪 2」
うしろ-み【後ろ身】🔗⭐🔉
うしろ-み [3] 【後ろ身】
(1)からだの後ろの部分。背後。
(2)「後ろ身頃(ミゴロ)」に同じ。
うしろ-み-がお【後ろ見顔】🔗⭐🔉
うしろ-み-がお ―ガホ 【後ろ見顔】
後見(コウケン)役であると自負している顔。「―にうちいらへ聞えて/源氏(椎本)」
うしろ-みごろ【後ろ身頃・後ろ
】🔗⭐🔉
うしろ-みごろ [4] 【後ろ身頃・後ろ
】
衣服の身頃で胴体の後ろの部分をおおうもの。うしろみ。
⇔前身頃
】
衣服の身頃で胴体の後ろの部分をおおうもの。うしろみ。
⇔前身頃
うしろ-むき【後ろ向き】🔗⭐🔉
うしろ-むすび【後ろ結び】🔗⭐🔉
うしろ-むすび [4] 【後ろ結び】
帯を後ろで結ぶこと。「帯は三色左縄―にして/浮世草子・一代女 1」
うしろ-ゆび【後ろ指】🔗⭐🔉
うしろ-ゆび [3][0] 【後ろ指】
人を後ろから指さして非難すること。陰で悪口を言うこと。「人に―をさされる」
うしろ-いぶせ・し【後ろいぶせし】🔗⭐🔉
うしろ-いぶせ・し 【後ろいぶせし】 (形ク)
将来のことが心配である。「頼朝も―・く思ふなりとて/盛衰記 46」
うしろ-ぐら・い【後ろ暗い】🔗⭐🔉
うしろ-ぐら・い [5] 【後ろ暗い】 (形)[文]ク うしろぐら・し
(1)内心やましい点がある。うしろめたい。「私は―・いことはしていない」
(2)行動に裏表があって疑わしい。「君をも―・き御事に思ひ奉りて/盛衰記 8」
[派生] ――さ(名)
うしろみ-だ・つ【後ろ見立つ】🔗⭐🔉
うしろみ-だ・つ 【後ろ見立つ】 (動タ四)
後見(コウケン)役のように振る舞う。「もてあがめて―・つに/源氏(東屋)」
うしろ・みる【後ろ見る】🔗⭐🔉
うしろ・みる 【後ろ見る】 (動マ上一)
背後にあって世話をする。後見(コウケン)をする。「今参りの差し越えて物知り顔に教へやうなる事言ひ―・みたる,いとにくし/枕草子 28」
うしろ・む【後ろむ】🔗⭐🔉
うしろ・む 【後ろむ】
■一■ (動マ上二)
〔上一段動詞「うしろみる」の上二段化〕
後見(コウケン)する。「なま宮腹にて―・むる人なからむよりは/狭衣 3」
■二■ (動マ四)
〔名詞「うしろみ(後見)」を四段に活用させた語〕
{■一■}に同じ。「いとかく―・むべきにもあらず/寝覚 3」
うしろ-めた・い【後ろめたい】🔗⭐🔉
うしろ-めた・い [5] 【後ろめたい】 (形)[文]ク うしろめた・し
〔「後ろ目痛し」の転〕
(1)後ろ暗いところがあって,良心がとがめる。やましい。「私には―・いところはない」
(2)あとのことが気懸かりだ。将来が心配だ。なりゆきが不安だ。
⇔後ろ安し
「をみなへし―・くも見ゆる哉あれたるやどにひとりたてれば/古今(秋上)」
(3)気が許せない。油断がならない。「これほど―・う思はれ参らせては,世にあつては何かはし候ふべき/平家 2」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
うしろめた-な・し【後ろめたなし】🔗⭐🔉
うしろめた-な・し 【後ろめたなし】 (形ク)
「うしろめたい」に同じ。「かくてのみ有るを―・し/落窪 4」
うしろ-やす・し【後ろ安し】🔗⭐🔉
うしろ-やす・し 【後ろ安し】 (形ク)
あとのことに心配がない。将来のことが安心だ。
⇔後ろめたし
「―・く恥なき人は世にかたはものとおぼしならひたり/紫式部日記」
おくら-か・す【後らかす】🔗⭐🔉
おくら-か・す 【後らかす】 (動サ四)
(1)あとに残す。置き去りにする。「にはかに惑ひ出で給ひし騒ぎに,みな―・してければ,また人もなし/源氏(玉鬘)」
(2)生き残らせる。人を残して,先に死ぬ。「今は限りの道にしも我を―・し/源氏(蜻蛉)」
(3)おろそかにする。なおざりにする。怠る。「後の世の御勤めも,―・し給はず/源氏(匂宮)」
おくら・す【遅らす・後らす】🔗⭐🔉
おくら・す [0] 【遅らす・後らす】
■一■ (動サ五[四])
(1)おくらせる。「開始の時間を―・す」「時計の針を―・す」
(2)あとに残す。置き去りにする。「かぎりなき雲井のよそにわかるとも人を心に―・さむやは/古今(離別)」
(3)人を残して,先に死ぬ。先立つ。「おひ立たむありかも知らぬ若草を―・す露ぞ消えむそらなき/源氏(若紫)」
■二■ (動サ下二)
⇒おくらせる
おくら・せる【遅らせる・後らせる】🔗⭐🔉
おくら・せる [0] 【遅らせる・後らせる】 (動サ下一)[文]サ下二 おくら・す
おくれるようにする。おそくする。「集合時間を―・せる」「締め切りを一日―・せる」
おく・る【遅る・後る】🔗⭐🔉
おく・る 【遅る・後る】 (動ラ下二)
⇒おくれる
おくれ【遅れ・後れ】🔗⭐🔉
おくれ [0] 【遅れ・後れ】
(1)おくれること。あとになること。「―を取り戻す」「一時間―」
(2)おくれ毛。「そそけたる御―をあらため給へ/浮世草子・一代男 1」
(3)気おくれ。「―が来る」「気遣ひ召さんな―はせぬ/浄瑠璃・近江源氏」
後れを取(ト)・る🔗⭐🔉
後れを取(ト)・る
(1)他よりおくれた段階にある。負ける。先んじられる。「新市場の開拓に―・る」
(2)気力がなくなる。気おくれする。
おくれ-げ【後れ毛】🔗⭐🔉
おくれ-げ [0][3] 【後れ毛】
〔おくれて生えた毛の意〕
短くて結えないために,両鬢(リヨウビン)のあたりに残る毛。ほつれて下がった髪の毛。多く,女性の髪についていう。おくれ髪。愛敬(アイキヨウ)毛。遊び毛。「―をかきあげる」
おくれ-ざき【後れ咲き】🔗⭐🔉
おくれ-ざき [0] 【後れ咲き】
通常よりおくれて咲くこと。おそ咲き。
おくれ-ばせ【後れ馳せ】🔗⭐🔉
おくれ-ばせ [0] 【後れ馳せ】
(1)人よりおくれてかけつけること。「―にやって来る」
(2)時機を逸すること。「―ながらお祝い申し上げます」
おくれ-さきだ・つ【後れ先立つ】🔗⭐🔉
おくれ-さきだ・つ 【後れ先立つ】 (動タ四)
(1)あとになったり,先になったりする。「おそくとく色づく山のもみぢ葉は―・つ露や置くらむ/後撰(秋下)」
(2)ある者は生き残り,ある者は死んでゆく。「限りあらむ道にも,―・たじと契(チギ)らせ給ひけるを/源氏(桐壺)」
おく・れる【遅れる・後れる】🔗⭐🔉
おく・れる [0] 【遅れる・後れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おく・る
(1)物事の実現が一定の日時・時刻よりあとになる。遅くなる。《遅》「列車は定刻より一〇分―・れて発車した」「約束の時間に―・れる」「学校に―・れる」
(2)進み方が他より小さくて,へだたりができる。また,後からついて行くようになる。
⇔進む
《遅》「先頭から五メートル―・れる」「時計が―・れている」
(3)他が進むのに対して,元の位置にとどまる。《後》「流行に―・れる」「―・れ居て君に恋ひつつ現(ウツ)しけめやも/万葉 3752」
(4)親族や親しい人が先に死に,自分は生き残る。《後》「夫に―・れる」
(5)(「怯れる」とも書く)気持ちがくじける。気おくれする。《後》「お種は少しく―・れたが/多情多恨(紅葉)」
(6)才能・性質などが劣る。「心の色なく,情―・れ/徒然 141」
ご【後】🔗⭐🔉
ご [0] 【後】
あることが起こったのち。あと。「その―」「夕食―」
ご・す【後す】🔗⭐🔉
ご・す 【後す】 (動サ変)
今よりあとになる。「それは―・して生捕るは易いこと/歌舞伎・好色伝授」
しり【尻・臀・後】🔗⭐🔉
しり 【尻・臀・後】
■一■ [2] (名)
(1)四足動物の胴の後肢の付け根の後方,肛門のあるあたりで,肉が豊かについているところ。臀部(デンブ)。けつ。おいど。いしき。
(2)空間的または時間的に順序をなして続いているものの,最後の部分。後尾。しまい。うしろ。
⇔あたま
「行列の―につく」「言葉の―」
(3)上と下,前とうしろ,本と末,頂と底のあるものの,下・うしろ・末・底の部分。「縄の―」「なべの―」
(4)あとに残った,処理しなくてはならない懸案。あと始末。「不始末の―を持って行く」
(5)(「じり」の形で)名詞の下に付いて複合語をつくる。(ア)ものの一番終わり,または終わりの部分をいう。「幕―」「帳―」「言葉―」(イ)「帳尻」の略。「貿易―」
■二■ (接尾)
助数詞。矢羽に用いる鳥の羽を数えるのに用いる。尾羽を用いるところからいう。大ワシは一四枚,小ワシは一二枚,タカは一〇枚で一尻という。「紺の布百反,鷲の羽百―/義経記 7」
しり-え【後方・後】🔗⭐🔉
しり-え ―ヘ [3][0] 【後方・後】
(1)うしろの方。後方。うしろ。
⇔まえ
(2)左右に分かれて勝ちを競う競技で,右方の組。「みな,前・―の心,駒どりに方分きて/源氏(若菜下)」
しりえ-の-まつりごと【後の政】🔗⭐🔉
しりえ-の-まつりごと ―ヘ― 【後の政】
皇后が天皇の政をたすけること。「必ず―有るべし/続紀(天平一宣命)」
しりえ-の-みや【後の宮】🔗⭐🔉
しりえ-の-みや ―ヘ― 【後の宮】
「後宮(コウキユウ)」を訓読した語。
のち【後】🔗⭐🔉
のち-の-あおい【後の葵】🔗⭐🔉
のち-の-あおい ―アフヒ 【後の葵】
賀茂の祭の当日に簾(スダレ)などに掛けた葵を,祭りが過ぎてもそのまま付けておいたもの。「祭過ぎぬれば,―不用なりとて,ある人の御簾なるを皆取らせられ侍りしが/徒然 138」
のち-の-あした【後の朝】🔗⭐🔉
のち-の-あした 【後の朝】
男女が会って共寝をした翌朝。のちのあさ。きぬぎぬ。「―は,残り多かるここちなむする/枕草子(一三九・能因本)」
のち-の-あやめ【後の菖蒲】🔗⭐🔉
のち-の-あやめ 【後の菖蒲】
「六日(ムイカ)の菖蒲(アヤメ)」に同じ。
のち-の-いみな【後の諱】🔗⭐🔉
のち-の-いみな 【後の諱】
死後に贈られる称号。おくりな。いみな。「後の御いみな清慎公と聞ゆ/栄花(月の宴)」
のち-の-おや【後の親】🔗⭐🔉
のち-の-おや 【後の親】
実の親が死んだあと,親として頼りにする人。まま親。「今はただ,この―をいみじうむつびまつはし聞こゆ/源氏(若紫)」
のち-の-きく【後の菊】🔗⭐🔉
のち-の-きく 【後の菊】
「十日(トオカ)の菊」に同じ。
のち-の-こと【後の事】🔗⭐🔉
のち-の-こと 【後の事】
(1)死後に営む仏事や法事。のちの業(ワザ)。「命つきぬと聞こしめすとも,―おぼし営むな/源氏(松風)」
(2)後産(アトザン)。のちのもの。「心もとなきもの…子生みたる―の久しき/枕草子 160」
のち-の-つき【後の月】🔗⭐🔉
のち-の-つき 【後の月】
(1)陰暦八月十五夜に対して,九月十三夜の月。十三夜。[季]秋。《―庭に化物つくりけり/太祇》
(2)閏月(ウルウヅキ)。
のち-の-つきみ【後の月見】🔗⭐🔉
のち-の-つきみ 【後の月見】
(1)陰暦九月十三夜の月見。八月一五日の中秋の月見に対していう。「―の芋を食て,屁のごとき小冊成る/滑稽本・浮世風呂(前)」
(2)近世,遊里での紋日(モンビ)の一。陰暦九月一三日に遊女を揚げて月見をした。「河庄が所へも―の払というて/浄瑠璃・天の網島(下)」
のち-の-ひがん【後の彼岸】🔗⭐🔉
のち-の-ひがん 【後の彼岸】
秋の彼岸のこと。[季]秋。
のち-の-ひな【後の雛】🔗⭐🔉
のち-の-ひな 【後の雛】
九月九日の重陽(チヨウヨウ)の節句の菊雛。[季]秋。《白に黄に―衣女夫衣/露月》
のち-の-ほとけ【後の仏】🔗⭐🔉
のち-の-ほとけ 【後の仏】
釈迦仏のあとを継ぐ仏。すなわち弥勒(ミロク)仏。「釈迦のみあと石に写し置き敬ひて―に譲りまつらむ捧げまうさむ/仏足石歌」
のち-の-もの【後の物】🔗⭐🔉
のち-の-もの 【後の物】
「後産(アトザン)」に同じ。のちのこと。「寅の時ばかりに生れ給ひて,声高に泣き給ふ…―もいと平らかなり/宇津保(蔵開上)」
のち-の-やぶいり【後の藪入り】🔗⭐🔉
のち-の-やぶいり 【後の藪入り】
七月一六日の盆の藪入り。正月の藪入りに対していう。
のち-の-よ【後の世】🔗⭐🔉
のち-の-よ [4][0] 【後の世】
(1)これからの世。将来。「―まで語り継ぐ」
(2)死後。また,死後の世界。後世(ゴセ)。来世。あの世。
のち-の-よつ【後の四つ】🔗⭐🔉
のち-の-よつ 【後の四つ】
近世,江戸吉原で,引け時に拍子木を打って知らせた時刻。遊郭での終業時間は四つ(午後一〇時頃)とされていたが,実際に終業する九つ(午後一二時頃)に四つとして打ったもの。引け四つ。「―三味線引きとあばた也/柳多留 15」
のち-の-わざ【後の業】🔗⭐🔉
のち-の-わざ 【後の業】
「後の事{(1)}」に同じ。「便悪しく狭き所にあまたあひゐて,―ども営みあへる/徒然 30」
ゆり【後】🔗⭐🔉
ゆり 【後】
のち。後刻。「灯火(トモシビ)の光に見ゆるさ百合花―も逢はむと思ひそめてき/万葉 4087」
あと【後】(和英)🔗⭐🔉
あと【後】
(1) the back[rear](後方);→英和
the future (将来).→英和
(2)[残り]the rest[remainder];→英和
the others.〜に[で][時]later on;afterward;after;→英和
[位置]after;behind;→英和
in the rear.→英和
〜の[時]later;→英和
subsequent;→英和
[位置]back;backward;→英和
rear;the next[following];→英和
the latter.→英和
〜になる fall behind.〜に残る(残される) remain (be left) behind.〜に回す put off;postpone.→英和
‖後は野となれ山となれ After me the deluge.
あとずさり【後ずさりする】(和英)🔗⭐🔉
あとずさり【後ずさりする】
move[step]backwards;flinch;→英和
draw back.
あとのまつり【後の祭(だ)】(和英)🔗⭐🔉
あとのまつり【後の祭(だ)】
a day after the fair (be too late).→英和
うしろ【後ろ】(和英)🔗⭐🔉
うしろすがた【後ろ姿】(和英)🔗⭐🔉
うしろすがた【後ろ姿】
a person's back;from behind.
うしろで【後ろ手に縛る】(和英)🔗⭐🔉
うしろで【後ろ手に縛る】
tie a person's hands behind his back.
うしろまえ【後ろ前に着る】(和英)🔗⭐🔉
うしろまえ【後ろ前に着る】
wearwith the front side back.
うしろむき【後ろ向きになる】(和英)🔗⭐🔉
うしろむき【後ろ向きになる】
[背を向ける]turn one's back upon another.〜になって with one's back (turned).
うしろめたい【後ろめたい】(和英)🔗⭐🔉
うしろめたい【後ろめたい】
⇒後ろ暗い.
うしろゆび【後ろ指をさされる】(和英)🔗⭐🔉
うしろゆび【後ろ指をさされる】
be spoken unkindly of;be backbitten.
おくれげ【後れ毛】(和英)🔗⭐🔉
おくれげ【後れ毛】
loose hair.
のち【後】(和英)🔗⭐🔉
のちのち【後々】(和英)🔗⭐🔉
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