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あと【後】🔗🔉

あと [1] 【後】 〔「跡(アト)」と同源。「跡」の意味の拡大したもの〕 ■一■ (名) (1)背中の方。うしろ。「―から来る」「―につづく」 (2)以後。のち。 ⇔先 「泣いた―にすぐ笑う」「お金は―で結構です」「宿題は―でやるよ」 (3)のちの事態。のちのちのこと。「―のことも考えずにやって失敗する」 (4)ある事の結果,残ったもの。「―は,全部お前にまかせる」 (5)ある事の終わったあとに残った感情。なごり。「父の―をしのぶ」 (6)子孫。「―が絶える」 (7)後任の者。次に来る人。「退任した社長の―はもう決まっている」 (8)以前。 ⇔先 「『まあ色のわりいことは。真青だよ。いつ時分からわるいのだえ』『なに十五,六日―からよ』/人情本・梅児誉美(初)」 ■二■ (副) 数詞に付いて,今よりそれだけ超過するさまを表す。さらに。「―五分で終わる」「―三人すわれる」

あと=が無・い🔗🔉

――が無・い これきりで,残された余裕はない。

あと=から後から🔗🔉

――から後から ある物事がとぎれなく連続して起こるさま。次から次に。「―わきあがる雲」

あと=にも先にも🔗🔉

――にも先にも 今までも,またこれからも。それ一回きりのことであることを強調していう。「あんなにこわい思いをしたのは―あの時だけだ」

あと=の雁(カリ)((ガン))が先になる🔗🔉

――の雁(カリ)((ガン))が先になる あとの者が先に進む者を追い越す。後輩が先輩を追い越すことなどにいう。

あと=の祭り🔗🔉

――の祭り (1)祭りの翌日,供え物を下げて飲食すること。後宴。 (2)〔祭りのすんだあとの山車(ダシ)の意から〕 時機を逸してかいのないこと。ておくれ。「悔やんでも―だ」

あと=は野となれ山となれ🔗🔉

――は野となれ山となれ 当面のことさえうまくいけば,あとはどうなろうとかまわない。

あと=へ引かない🔗🔉

――へ引かない 自分の意見・主張に固執し,譲歩しない。「言い出したら―ない」

あと=へも先へも行かぬ🔗🔉

――へも先へも行かぬ 進退きわまる。にっちもさっちもいかない。

あと-の-つき【後の月】🔗🔉

あと-の-つき 【後の月】 前の月。先月。あとげつ。

あと-びさり【後びさり】🔗🔉

あと-びさり [3] 【後びさり】 〔「あとじさり」の転〕 (1)「あとずさり{(1)}」に同じ。「今年の気候は―をするんですよ/吾輩は猫である(漱石)」 (2)カニムシの別名。 (3)アリジゴクの別名。

うしろ【後ろ】🔗🔉

うしろ [0] 【後ろ】 (1)顔や視線が向いているのと反対の方向,または場所。 ⇔前 「―を振り返る」「―に退く」 (2)(事物に方向があると考えて)(ア)裏面の方向,または場所。 ⇔前 「衝立(ツイタテ)の―に置く」「―で糸を引く」(イ)背中。背。「敵に―を見せる」 (3)順序のあとの方。末の方。 ⇔前 「大分―の席次で卒業した」「列の―につく」 (4)芝居の舞台で,俳優の後ろに控え,台詞(セリフ)をつけたり後見をしたりする黒子(クロゴ)。 (5)舞台の陰で,役者の所作につれて効果を高めるためにはやす音曲。 (6)物事の起こったあと。将来。行く末。「なき御―に,口さがなくやは/源氏(夕顔)」 (7)下襲(シタガサネ)のしり。裾(キヨ)。「御衣の御―ひきつくろひなど/源氏(紅葉賀)」

うしろ=を付・ける🔗🔉

――を付・ける 芝居の上演中,黒子(クロゴ)などが台詞(セリフ)を十分に覚えていない役者に台詞を教える。

うしろ=を見・せる🔗🔉

――を見・せる 背中を見せて逃げ出す。負けて逃げる。「敵に―・せるとは卑怯(ヒキヨウ)だ」

うしろ-あがり【後ろ上(が)り】🔗🔉

うしろ-あがり [4] 【後ろ上(が)り】 「あとあがり(後上)」に同じ。

うしろ-あわせ【後ろ合(わ)せ】🔗🔉

うしろ-あわせ ―アハセ [4] 【後ろ合(わ)せ】 二人が互いに後ろと後ろとを向け合うこと。背中合わせ。「―に立つ」

うしろ-えもん【後ろ衣紋】🔗🔉

うしろ-えもん [4] 【後ろ衣紋】 袴(ハカマ)を腰骨より高く引き上げる着方。

うしろ-おし【後ろ押し】🔗🔉

うしろ-おし [0] 【後ろ押し】 あとおし。

うしろ-かげ【後ろ影】🔗🔉

うしろ-かげ [4][3] 【後ろ影】 後ろ姿。

うしろ-きず【後ろ傷・後ろ疵】🔗🔉

うしろ-きず 【後ろ傷・後ろ疵】 逃げるとき背後に受けた傷。逃げ傷。武士にとって不名誉なものとされた。 ⇔向こう傷

うしろ-くび【後ろ首・後ろ頸】🔗🔉

うしろ-くび [3] 【後ろ首・後ろ頸】 首の後方。

うしろ-げさ【後ろ袈裟】🔗🔉

うしろ-げさ 【後ろ袈裟】 人の背後から袈裟がけにきり下ろすこと。「にげゆく荒灘―/浄瑠璃・先代萩」

うしろ-さがり【後ろ下(が)り】🔗🔉

うしろ-さがり [4] 【後ろ下(が)り】 「あとさがり(後下)」に同じ。

うしろ-ざし【後ろ挿し】🔗🔉

うしろ-ざし [0] 【後ろ挿し】 髷(マゲ)の後ろの方に挿したかんざし。 ⇔前挿し

うしろ-じた-ぼいん【後ろ舌母音】🔗🔉

うしろ-じた-ぼいん [6] 【後ろ舌母音】 奥舌面を持ち上げることによって調音する母音。日本語のウ,オなどはこれに属する。奥舌母音。

うしろ-すがた【後ろ姿】🔗🔉

うしろ-すがた [4] 【後ろ姿】 後ろから見た,人の姿。

うしろ-せんりょう【後ろ千両】🔗🔉

うしろ-せんりょう ―リヤウ [4] 【後ろ千両】 (1)〔「後ろ千両前一文」の略〕 後ろ姿ばかりが美しいこと。後ろ弁天。バック-シャン。 (2)後ろ姿が美しいこと。

うしろ-だて【後ろ楯】🔗🔉

うしろ-だて [0] 【後ろ楯】 (1)陰にいてあと押しをし,援助すること。また,その人。パトロン。うしろみ。 (2)背後を守る楯。

うしろ-で【後ろ手】🔗🔉

うしろ-で [0][3] 【後ろ手】 (1)手を背中に回すこと。「―に縛り上げる」 (2)後ろの方。背面。背後。 (3)後ろ姿。「冠などうちゆがめて走らむ―思ふに/源氏(紅葉賀)」

うしろ-の-め【後ろの目】🔗🔉

うしろ-の-め [5] 【後ろの目】 〔悪事の世間に知られやすいことのたとえ〕 本人は気づかずにいても,背後にいつも光っている世間の目。

うしろ-まえ【後ろ前】🔗🔉

うしろ-まえ ―マヘ [3] 【後ろ前】 後ろと前とが逆になること。特に,衣服などの後ろと前とが逆になること。「セーターを―に着る」

うしろ-み【後ろ見】🔗🔉

うしろ-み [3] 【後ろ見】 「後ろ楯(ダテ){(1)}」に同じ。「人の―しつべき心あり/落窪 2」

うしろ-み【後ろ身】🔗🔉

うしろ-み [3] 【後ろ身】 (1)からだの後ろの部分。背後。 (2)「後ろ身頃(ミゴロ)」に同じ。

うしろ-み-がお【後ろ見顔】🔗🔉

うしろ-み-がお ―ガホ 【後ろ見顔】 後見(コウケン)役であると自負している顔。「―にうちいらへ聞えて/源氏(椎本)」

うしろ-みごろ【後ろ身頃・後ろ🔗🔉

うしろ-みごろ [4] 【後ろ身頃・後ろ】 衣服の身頃で胴体の後ろの部分をおおうもの。うしろみ。 ⇔前身頃

うしろ-むき【後ろ向き】🔗🔉

うしろ-むき [0] 【後ろ向き】 (名・形動) (1)後ろを見せていること。 ⇔前向き (2)考え方や取り組み方などが消極的・後退的であるさま。 ⇔前向き 「―な施策」

うしろ-むすび【後ろ結び】🔗🔉

うしろ-むすび [4] 【後ろ結び】 帯を後ろで結ぶこと。「帯は三色左縄―にして/浮世草子・一代女 1」

うしろ-ゆび【後ろ指】🔗🔉

うしろ-ゆび [3][0] 【後ろ指】 人を後ろから指さして非難すること。陰で悪口を言うこと。「人に―をさされる」

うしろ-いぶせ・し【後ろいぶせし】🔗🔉

うしろ-いぶせ・し 【後ろいぶせし】 (形ク) 将来のことが心配である。「頼朝も―・く思ふなりとて/盛衰記 46」

うしろ-ぐら・い【後ろ暗い】🔗🔉

うしろ-ぐら・い [5] 【後ろ暗い】 (形)[文]ク うしろぐら・し (1)内心やましい点がある。うしろめたい。「私は―・いことはしていない」 (2)行動に裏表があって疑わしい。「君をも―・き御事に思ひ奉りて/盛衰記 8」 [派生] ――さ(名)

うしろみ-だ・つ【後ろ見立つ】🔗🔉

うしろみ-だ・つ 【後ろ見立つ】 (動タ四) 後見(コウケン)役のように振る舞う。「もてあがめて―・つに/源氏(東屋)」

うしろ・みる【後ろ見る】🔗🔉

うしろ・みる 【後ろ見る】 (動マ上一) 背後にあって世話をする。後見(コウケン)をする。「今参りの差し越えて物知り顔に教へやうなる事言ひ―・みたる,いとにくし/枕草子 28」

うしろ・む【後ろむ】🔗🔉

うしろ・む 【後ろむ】 ■一■ (動マ上二) 〔上一段動詞「うしろみる」の上二段化〕 後見(コウケン)する。「なま宮腹にて―・むる人なからむよりは/狭衣 3」 ■二■ (動マ四) 〔名詞「うしろみ(後見)」を四段に活用させた語〕 {■一■}に同じ。「いとかく―・むべきにもあらず/寝覚 3」

うしろ-めた・い【後ろめたい】🔗🔉

うしろ-めた・い [5] 【後ろめたい】 (形)[文]ク うしろめた・し 〔「後ろ目痛し」の転〕 (1)後ろ暗いところがあって,良心がとがめる。やましい。「私には―・いところはない」 (2)あとのことが気懸かりだ。将来が心配だ。なりゆきが不安だ。 ⇔後ろ安し 「をみなへし―・くも見ゆる哉あれたるやどにひとりたてれば/古今(秋上)」 (3)気が許せない。油断がならない。「これほど―・う思はれ参らせては,世にあつては何かはし候ふべき/平家 2」 [派生] ――げ(形動)――さ(名)

うしろめた-な・し【後ろめたなし】🔗🔉

うしろめた-な・し 【後ろめたなし】 (形ク) 「うしろめたい」に同じ。「かくてのみ有るを―・し/落窪 4」

うしろ-やす・し【後ろ安し】🔗🔉

うしろ-やす・し 【後ろ安し】 (形ク) あとのことに心配がない。将来のことが安心だ。 ⇔後ろめたし 「―・く恥なき人は世にかたはものとおぼしならひたり/紫式部日記」

おくら-か・す【後らかす】🔗🔉

おくら-か・す 【後らかす】 (動サ四) (1)あとに残す。置き去りにする。「にはかに惑ひ出で給ひし騒ぎに,みな―・してければ,また人もなし/源氏(玉鬘)」 (2)生き残らせる。人を残して,先に死ぬ。「今は限りの道にしも我を―・し/源氏(蜻蛉)」 (3)おろそかにする。なおざりにする。怠る。「後の世の御勤めも,―・し給はず/源氏(匂宮)」

おくら・す【遅らす・後らす】🔗🔉

おくら・す [0] 【遅らす・後らす】 ■一■ (動サ五[四]) (1)おくらせる。「開始の時間を―・す」「時計の針を―・す」 (2)あとに残す。置き去りにする。「かぎりなき雲井のよそにわかるとも人を心に―・さむやは/古今(離別)」 (3)人を残して,先に死ぬ。先立つ。「おひ立たむありかも知らぬ若草を―・す露ぞ消えむそらなき/源氏(若紫)」 ■二■ (動サ下二) ⇒おくらせる

おくら・せる【遅らせる・後らせる】🔗🔉

おくら・せる [0] 【遅らせる・後らせる】 (動サ下一)[文]サ下二 おくら・す おくれるようにする。おそくする。「集合時間を―・せる」「締め切りを一日―・せる」

おく・る【遅る・後る】🔗🔉

おく・る 【遅る・後る】 (動ラ下二) ⇒おくれる

おくれ【遅れ・後れ】🔗🔉

おくれ [0] 【遅れ・後れ】 (1)おくれること。あとになること。「―を取り戻す」「一時間―」 (2)おくれ毛。「そそけたる御―をあらため給へ/浮世草子・一代男 1」 (3)気おくれ。「―が来る」「気遣ひ召さんな―はせぬ/浄瑠璃・近江源氏」

後れを取(ト)・る🔗🔉

後れを取(ト)・る (1)他よりおくれた段階にある。負ける。先んじられる。「新市場の開拓に―・る」 (2)気力がなくなる。気おくれする。

おくれ-げ【後れ毛】🔗🔉

おくれ-げ [0][3] 【後れ毛】 〔おくれて生えた毛の意〕 短くて結えないために,両鬢(リヨウビン)のあたりに残る毛。ほつれて下がった髪の毛。多く,女性の髪についていう。おくれ髪。愛敬(アイキヨウ)毛。遊び毛。「―をかきあげる」

おくれ-ざき【後れ咲き】🔗🔉

おくれ-ざき [0] 【後れ咲き】 通常よりおくれて咲くこと。おそ咲き。

おくれ-ばせ【後れ馳せ】🔗🔉

おくれ-ばせ [0] 【後れ馳せ】 (1)人よりおくれてかけつけること。「―にやって来る」 (2)時機を逸すること。「―ながらお祝い申し上げます」

おくれ-さきだ・つ【後れ先立つ】🔗🔉

おくれ-さきだ・つ 【後れ先立つ】 (動タ四) (1)あとになったり,先になったりする。「おそくとく色づく山のもみぢ葉は―・つ露や置くらむ/後撰(秋下)」 (2)ある者は生き残り,ある者は死んでゆく。「限りあらむ道にも,―・たじと契(チギ)らせ給ひけるを/源氏(桐壺)」

おく・れる【遅れる・後れる】🔗🔉

おく・れる [0] 【遅れる・後れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おく・る (1)物事の実現が一定の日時・時刻よりあとになる。遅くなる。《遅》「列車は定刻より一〇分―・れて発車した」「約束の時間に―・れる」「学校に―・れる」 (2)進み方が他より小さくて,へだたりができる。また,後からついて行くようになる。 ⇔進む 《遅》「先頭から五メートル―・れる」「時計が―・れている」 (3)他が進むのに対して,元の位置にとどまる。《後》「流行に―・れる」「―・れ居て君に恋ひつつ現(ウツ)しけめやも/万葉 3752」 (4)親族や親しい人が先に死に,自分は生き残る。《後》「夫に―・れる」 (5)(「怯れる」とも書く)気持ちがくじける。気おくれする。《後》「お種は少しく―・れたが/多情多恨(紅葉)」 (6)才能・性質などが劣る。「心の色なく,情―・れ/徒然 141」

ご【後】🔗🔉

[0] 【後】 あることが起こったのち。あと。「その―」「夕食―」

ご・す【後す】🔗🔉

ご・す 【後す】 (動サ変) 今よりあとになる。「それは―・して生捕るは易いこと/歌舞伎・好色伝授」

しり【尻・臀・後】🔗🔉

しり 【尻・臀・後】 ■一■ [2] (名) (1)四足動物の胴の後肢の付け根の後方,肛門のあるあたりで,肉が豊かについているところ。臀部(デンブ)。けつ。おいど。いしき。 (2)空間的または時間的に順序をなして続いているものの,最後の部分。後尾。しまい。うしろ。 ⇔あたま 「行列の―につく」「言葉の―」 (3)上と下,前とうしろ,本と末,頂と底のあるものの,下・うしろ・末・底の部分。「縄の―」「なべの―」 (4)あとに残った,処理しなくてはならない懸案。あと始末。「不始末の―を持って行く」 (5)(「じり」の形で)名詞の下に付いて複合語をつくる。(ア)ものの一番終わり,または終わりの部分をいう。「幕―」「帳―」「言葉―」(イ)「帳尻」の略。「貿易―」 ■二■ (接尾) 助数詞。矢羽に用いる鳥の羽を数えるのに用いる。尾羽を用いるところからいう。大ワシは一四枚,小ワシは一二枚,タカは一〇枚で一尻という。「紺の布百反,鷲の羽百―/義経記 7」

しり-え【後方・後】🔗🔉

しり-え ―ヘ [3][0] 【後方・後】 (1)うしろの方。後方。うしろ。 ⇔まえ (2)左右に分かれて勝ちを競う競技で,右方の組。「みな,前・―の心,駒どりに方分きて/源氏(若菜下)」

しりえ-の-まつりごと【後の政】🔗🔉

しりえ-の-まつりごと ―ヘ― 【後の政】 皇后が天皇の政をたすけること。「必ず―有るべし/続紀(天平一宣命)」

しりえ-の-みや【後の宮】🔗🔉

しりえ-の-みや ―ヘ― 【後の宮】 「後宮(コウキユウ)」を訓読した語。

のち【後】🔗🔉

のち [2][0] 【後】 (1)あること,また,ある時のあと。 ⇔まえ 「食事の―出発する」「晴れ―曇り」 (2)今から先。未来。将来。 ⇔まえ ⇔さき 「―に説明する」「―の世」 (3)死後。「我が―のことを心配する」 (4)子孫。「秀よりの―,さつまに有といふは是がそれなるべし/胆大小心録」 〔副詞的用法の場合,アクセントは [0]〕

のち-の-あおい【後の葵】🔗🔉

のち-の-あおい ―アフヒ 【後の葵】 賀茂の祭の当日に簾(スダレ)などに掛けた葵を,祭りが過ぎてもそのまま付けておいたもの。「祭過ぎぬれば,―不用なりとて,ある人の御簾なるを皆取らせられ侍りしが/徒然 138」

のち-の-あした【後の朝】🔗🔉

のち-の-あした 【後の朝】 男女が会って共寝をした翌朝。のちのあさ。きぬぎぬ。「―は,残り多かるここちなむする/枕草子(一三九・能因本)」

のち-の-あやめ【後の菖蒲】🔗🔉

のち-の-あやめ 【後の菖蒲】 「六日(ムイカ)の菖蒲(アヤメ)」に同じ。

のち-の-いみな【後の諱】🔗🔉

のち-の-いみな 【後の諱】 死後に贈られる称号。おくりな。いみな。「後の御いみな清慎公と聞ゆ/栄花(月の宴)」

のち-の-おや【後の親】🔗🔉

のち-の-おや 【後の親】 実の親が死んだあと,親として頼りにする人。まま親。「今はただ,この―をいみじうむつびまつはし聞こゆ/源氏(若紫)」

のち-の-きく【後の菊】🔗🔉

のち-の-きく 【後の菊】 「十日(トオカ)の菊」に同じ。

のち-の-こと【後の事】🔗🔉

のち-の-こと 【後の事】 (1)死後に営む仏事や法事。のちの業(ワザ)。「命つきぬと聞こしめすとも,―おぼし営むな/源氏(松風)」 (2)後産(アトザン)。のちのもの。「心もとなきもの…子生みたる―の久しき/枕草子 160」

のち-の-つき【後の月】🔗🔉

のち-の-つき 【後の月】 (1)陰暦八月十五夜に対して,九月十三夜の月。十三夜。[季]秋。《―庭に化物つくりけり/太祇》 (2)閏月(ウルウヅキ)。

のち-の-つきみ【後の月見】🔗🔉

のち-の-つきみ 【後の月見】 (1)陰暦九月十三夜の月見。八月一五日の中秋の月見に対していう。「―の芋を食て,屁のごとき小冊成る/滑稽本・浮世風呂(前)」 (2)近世,遊里での紋日(モンビ)の一。陰暦九月一三日に遊女を揚げて月見をした。「河庄が所へも―の払というて/浄瑠璃・天の網島(下)」

のち-の-ひがん【後の彼岸】🔗🔉

のち-の-ひがん 【後の彼岸】 秋の彼岸のこと。[季]秋。

のち-の-ひな【後の雛】🔗🔉

のち-の-ひな 【後の雛】 九月九日の重陽(チヨウヨウ)の節句の菊雛。[季]秋。《白に黄に―衣女夫衣/露月》

のち-の-ほとけ【後の仏】🔗🔉

のち-の-ほとけ 【後の仏】 釈迦仏のあとを継ぐ仏。すなわち弥勒(ミロク)仏。「釈迦のみあと石に写し置き敬ひて―に譲りまつらむ捧げまうさむ/仏足石歌」

のち-の-もの【後の物】🔗🔉

のち-の-もの 【後の物】 「後産(アトザン)」に同じ。のちのこと。「寅の時ばかりに生れ給ひて,声高に泣き給ふ…―もいと平らかなり/宇津保(蔵開上)」

のち-の-やぶいり【後の藪入り】🔗🔉

のち-の-やぶいり 【後の藪入り】 七月一六日の盆の藪入り。正月の藪入りに対していう。

のち-の-よ【後の世】🔗🔉

のち-の-よ [4][0] 【後の世】 (1)これからの世。将来。「―まで語り継ぐ」 (2)死後。また,死後の世界。後世(ゴセ)。来世。あの世。

のち-の-よつ【後の四つ】🔗🔉

のち-の-よつ 【後の四つ】 近世,江戸吉原で,引け時に拍子木を打って知らせた時刻。遊郭での終業時間は四つ(午後一〇時頃)とされていたが,実際に終業する九つ(午後一二時頃)に四つとして打ったもの。引け四つ。「―三味線引きとあばた也/柳多留 15」

のち-の-わざ【後の業】🔗🔉

のち-の-わざ 【後の業】 「後の事{(1)}」に同じ。「便悪しく狭き所にあまたあひゐて,―ども営みあへる/徒然 30」

ゆり【後】🔗🔉

ゆり 【後】 のち。後刻。「灯火(トモシビ)の光に見ゆるさ百合花―も逢はむと思ひそめてき/万葉 4087」

あと【後】(和英)🔗🔉

あと【後】 (1) the back[rear](後方);→英和 the future (将来).→英和 (2)[残り]the rest[remainder];→英和 the others.〜に[で][時]later on;afterward;after;→英和 [位置]after;behind;→英和 in the rear.→英和 〜の[時]later;→英和 subsequent;→英和 [位置]back;backward;→英和 rear;the next[following];→英和 the latter.→英和 〜になる fall behind.〜に残る(残される) remain (be left) behind.〜に回す put off;postpone.→英和 ‖後は野となれ山となれ After me the deluge.

あとずさり【後ずさりする】(和英)🔗🔉

あとずさり【後ずさりする】 move[step]backwards;flinch;→英和 draw back.

あとのまつり【後の祭(だ)】(和英)🔗🔉

あとのまつり【後の祭(だ)】 a day after the fair (be too late).→英和

うしろ【後ろ】(和英)🔗🔉

うしろ【後ろ】 the back;→英和 the rear.→英和 〜の back;rear.〜に behind;→英和 at the back of;<米話>in back of;in the rear of.〜から from behind.〜からついて行く follow.→英和 〜へ(もたれる) (lean) backward.→英和 〜をふり向く look[turn]back.

うしろぐらい【後ろ暗い】(和英)🔗🔉

うしろぐらい【後ろ暗い】 shady;→英和 underhand(ed);→英和 suspicious.→英和 後ろ暗く思う have a guilty conscience.

うしろすがた【後ろ姿】(和英)🔗🔉

うしろすがた【後ろ姿】 a person's back;from behind.

うしろだて【後ろ楯】(和英)🔗🔉

うしろだて【後ろ楯】 [後援]backing;→英和 support;→英和 [後援者]a supporter;→英和 a sponsor;→英和 a patron.→英和 〜になる back up;support;→英和 sponsor.

うしろで【後ろ手に縛る】(和英)🔗🔉

うしろで【後ろ手に縛る】 tie a person's hands behind his back.

うしろまえ【後ろ前に着る】(和英)🔗🔉

うしろまえ【後ろ前に着る】 wearwith the front side back.

うしろむき【後ろ向きになる】(和英)🔗🔉

うしろむき【後ろ向きになる】 [背を向ける]turn one's back upon another.〜になって with one's back (turned).

うしろめたい【後ろめたい】(和英)🔗🔉

うしろめたい【後ろめたい】 ⇒後ろ暗い.

うしろゆび【後ろ指をさされる】(和英)🔗🔉

うしろゆび【後ろ指をさされる】 be spoken unkindly of;be backbitten.

おくれげ【後れ毛】(和英)🔗🔉

おくれげ【後れ毛】 loose hair.

のち【後】(和英)🔗🔉

のち【後】 [未来]future.→英和 〜の later;→英和 subsequent;→英和 future (未来の).〜に afterward;later;in future.〜ほどお目にかかりましょう See you later.その〜 after that.2日〜に two days later[afterward].

のちのち【後々】(和英)🔗🔉

のちのち【後々】 the future.→英和 〜のために for the sake of the future.→英和

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