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きれ【切れ】🔗🔉

きれ【切れ】 [名]物の切れ端。「板の―」「布―」(「布」「裂」とも書く)織物を切ったもの。また、織物。布(ぬの)。「木綿の―」「余り―(ぎれ)書画などの、古人の筆跡の断片。断簡。「高野―(ぎれ)」「古筆―(ぎれ)刃物の切れぐあい。切れ味。「包丁の―がにぶる」頭脳や技術の働きの鋭さ。「頭の―のいい人」「技に―がない」投げた球の曲がりぐあいの鋭さ。「カーブの―がいい」さらっとして後に残らない口あたり。「―のいいウイスキー」水気などがなくなること。また、そのぐあい。「油の―がよくないフライ」付着していたものや残っていたものがなくなること。また、そのぐあい。「泡の―のよい洗剤」「痰(たん)の―をよくする薬」目じりの切れ込みのぐあい。「―の長い目」石材の体積の単位。一切れは一尺立方で、約〇・〇二八立方メートル。(「ぎれ」の形で)名詞の下に付き、そのものを使い切っている意を表す。「期限―」「在庫―」同類の中の末端の一人。はしくれ。「望んで軍(いくさ)に立ってこそ男の―ともいふべけれ」〈浄・用明天王〉〔接尾〕助数詞。切ったものを数えるのに用いる。「たくあん一―」「ようかん二―」江戸時代、一分金を数えるのに用いる。「白銀五百匁二包み、小判二十五両一歩合わせて四十―」〈浄・二枚絵草紙〉 [下接語]板切れ・紙切れ・半切れ・一切れ・棒切れ・襤褸(ぼろ)切れ(ぎれ)当て切れ・有り切れ・歌切れ・裏切れ・恵比須(えびす)切れ・木切れ・錦(きん)切れ・小切れ・古(こ)切れ・古代切れ・古筆切れ・細(こま)切れ・時代切れ・竹切れ・裁ち切れ・継ぎ切れ・出切れ・共切れ・布切れ・端(は)切れ・古(ふる)切れ・名物切れ・寄せ切れ

きれ‐あが・る【切れ上がる】🔗🔉

きれ‐あが・る【切れ上がる】 [動ラ五(四)]上の方まで切れる。また、目尻や額の生え際などが上の方へ上がっている。「―・った目元」

きれ‐あじ【切れ味】‐あぢ🔗🔉

きれ‐あじ【切れ味】‐あぢ 刃物の切れぐあい。「―のいいナイフ」才能・技などの鋭さ。「鋭い―の批評」「―のいいショット」

きれ‐ぎれ【切れ切れ】🔗🔉

きれ‐ぎれ【切れ切れ】 [名・形動]細かくいくつにも切れていること。また、そのさま。「―な(の)雲」「―な(の)記憶」切れそうになって、からくもつながっているさま。「息も―に言う」

きれ‐くち【切れ口】🔗🔉

きれ‐くち【切れ口】 物の切れた部分。切断面。「材木の―」「堤の―」たんかを切ること。威勢のよい放言。「そのやうな―をきくが」〈洒・夢の盗汗〉

きれ‐こみ【切れ込み】🔗🔉

きれ‐こみ【切れ込み】 切れ込むこと。また、切れ込んだところ。「―のある襟(えり)葉・花びらなどの縁の刻み。欠刻。収支決算の赤字。欠損。

きれ‐こ・む【切れ込む】🔗🔉

きれ‐こ・む【切れ込む】 [動マ五(四)]切れ目が物の中に深く入り込む。「海岸線が深く―・んでいる」その方向へ入り込んでいく。「往還から横に―・み」〈蘆花・思出の記〉収支決算が赤字になる。

きれ‐じ【切れ地・△布地・△裂地】‐ヂ🔗🔉

きれ‐じ【切れ地・布地・裂地】‐ヂ 織物。反物。また、その地質。「厚い―」織物の切れ端。袋物や鼻緒などにする特別の紋織物。

きれ‐じ【切れ字】🔗🔉

きれ‐じ【切れ字】 連歌・俳諧の発句で、句中または句末に用いて、句に曲折をもたせたり、特別に言い切る働きをしたりする語。終助詞や用言の終止形・命令形などが多い。「や」「かな」「けり」など。

きれ‐じ【切れ×痔・△裂れ×痔】‐ヂ🔗🔉

きれ‐じ【切れ×痔・裂れ×痔】‐ヂ 肛門(こうもん)の粘膜が、硬い便の排出時などに切れる病気。排便時に激痛があり、ただれ・出血などもみられる。肛門裂創。裂肛。裂け痔。

きれじ‐じゅうはちじ【切れ字十八字】‐ジフハチジ🔗🔉

きれじ‐じゅうはちじ【切れ字十八字】‐ジフハチジ 連歌・俳諧で秘伝とされた一八の切れ字。かな・もがな・し・じ・や・らん・か・けり・よ・ぞ・つ・せ・ず・れ・ぬ・へ・け・に。このうち、「せ」「れ」「へ」「け」は動詞の命令形語尾、「し」は形容詞語尾で、「に」は副詞「いかに」のこと。他は助動詞と終助詞。

きれっ‐と【切れっ△処・切れっ戸】🔗🔉

きれっ‐と【切れっ処・切れっ戸】 登山で、山稜が深く切れこんで低くなっているところ。きりと。きれと。ギャップ。

きれっ‐ぱし【切れっ端】🔗🔉

きれっ‐ぱし【切れっ端】切れ端」に同じ。

きれ‐て【切れ手】🔗🔉

きれ‐て【切れ手】 金ばなれのいい人。気前のいい人。「全体おまはんは粋(すい)の―ぢゃによって」〈洒・北川蜆殻〉切れ者。敏腕家。やり手。「あの子はここの内中での―だといふぜ」〈洒・船頭深話〉

きれ‐なが【切れ長】🔗🔉

きれ‐なが【切れ長】 [名・形動]目尻が細長く切れ込んでいること。また、そのさま。「―な(の)目」

きれ‐はし【切れ端】🔗🔉

きれ‐はし【切れ端】 必要な部分を切り取った残りの小部分。きれっぱし。「材木の―」

きれ‐はな・る【切れ離る】🔗🔉

きれ‐はな・る【切れ離る】 [動ラ下二]切れて別々になる。「理不尽者が切った時、―・れぬ用心ぢゃ」〈咄・鹿の子餅〉思い切る。「―・れたる行き方はさすが所に住めばなり」〈浄・阿波鳴渡〉

きれ‐はなれ【切れ離れ】🔗🔉

きれ‐はなれ【切れ離れ】 思い切ること。あきらめ。きりはなれ。「―よく向を変えて右の坂をすたすたと上りはじめた」〈鏡花・高野聖〉気前。金ばなれ。きりはなれ。「尤も商人(あきんど)で―が良く相談(はなし)は早解りがするから」〈魯庵・社会百面相〉

きれ‐ま【切れ間】🔗🔉

きれ‐ま【切れ間】 物が切れてできた間。また、物事のとだえた合間。絶え間。「雲の―」「雨の―」

きれ‐め【切れ目】🔗🔉

きれ‐め【切れ目】 切れてできたあと。「包丁で―を入れる」続いて並んでいるものの、とぎれたところ。「行列の―」継続して行われている物事の、いったんとぎれるところ。ひと区切りついたところ。「仕事の―」「文章の―」物事や関係などの尽きた時。「金の―が縁の―」

きれ‐もの【切れ物】🔗🔉

きれ‐もの【切れ物】 物を切る道具。刃物。よく切れる刀剣。「みづからの刀の―なる由をいひしを聞きて」〈折たく柴の記・上〉品切れのもの。「当年は柑子(かうじ)が―ぢゃほどに」〈虎明狂・柑子俵〉

きれ‐もの【切れ者】🔗🔉

きれ‐もの【切れ者】 頭の回転が速く、物事をてきぱきと処理する才能のある人。敏腕家。やり手。「社内きっての―」切り人(びと)」に同じ。「今内務の―の白井なんかひどいそうです」〈蘆花・黒潮〉

き・れる【切れる】🔗🔉

き・れる【切れる】 [動ラ下一]き・る[ラ下二]力が加わって、ひと続きのもの、つながっているものなどが分かれる。「ひもが―・れる」「緊張の糸が―・れる」傷ついたり、裂け目ができたりする。「ひびが―・れる」「手の―・れるような札(さつ)破れ崩れる。「堤防が―・れる」こすれてへる。すりきれる。「着物の裾が―・れる」「靴下が―・れる」つながっていた関係がなくなる。「縁が―・れる」「彼女とはもう―・れた」今まで続いていたものが、途中やあるところでなくなる。「音信が―・れる」「電話が―・れる」「―・れた雲間から光がさす」並び続いているものがとだえる。「町並みが―・れる」「人通りが―・れる」売れたり使いきったりして今まであった物がなくなる。「品物が―・れている」「油が―・れる」それが有効である一定の時間・期間が終わりになる。「期限が―・れる」「車検が―・れる」「麻酔が―・れる」ある基準以下になる。不足する。「元値が―・れる」「目方が―・れる」振り落としたり、したたらせたりした結果、水分がなくなる。「洗った野菜の水気が―・れる」進む方向が横へそれる。左右いずれかへ曲がる。「道が左へ―・れる」「打球が―・れる」トランプ・カルタなどの札(ふだ)がよくまじり合う。囲碁で、石がつながらない状態になる。刃物の切れ味が鋭い。「よく―・れる刀」見事な効果を示す。「技が―・れる」頭の働きが速く、物事をてきぱきと処理する能力にすぐれる。「頭が―・れる」「―・れる男」(「息がきれる」の形で)激しい運動などのあと、せわしく苦しそうに呼吸する。(「しびれがきれる」の形で)足がしびれる。待ちくたびれる。(動詞の連用形に付いて、多く打消しの語を伴って用いる)最後までしとおすことができる。「こらえ―・れずに泣き出す」「逃げ―・れないと観念する」すっかり…することができる。「食べ―・れないほどのごちそう」物事のきまりがつく。「よき事もわろき事も其時ことは―・るるなり」〈愚管抄・五〉勢力をもつ。幅が利く。「わしゃあこではえらう―・れるがな」〈滑・膝栗毛・五〉気前よく振る舞う。金離れがよい。「是でもはづむ所では随分―・れて見せるよ」〈滑・浮世床・初〉 [下接句]油が切れる・息が切れる・堪忍袋の緒(お)が切れる・痺(しび)れが切れる・手が切れる・元が切れる

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