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○足らず余らず子三人たらずあまらずこさんにん🔗⭐🔉
○足らず余らず子三人たらずあまらずこさんにん
①貧乏でも金持ちでもなく、子供が3人いる、そんな生活が理想的である。
②子供を持つなら3人が適当である。
⇒た・る【足る】
だら‐すけ【陀羅助】
(→)陀羅尼助だらにすけに同じ。
たらず‐まえ【不足前】‥マヘ
不足な分。補充の分。たしまえ。洒落本、辰巳婦言「この―は、またこつちに算段があらあ」
たら‐せんそう【鱈戦争】‥サウ
アイスランドの周辺海域のタラ漁場をめぐるアイスランド・イギリス間の紛争。アイスランドが漁業専管水域を拡大したことに端を発し、1950年代から1970年代にかけて3度発生。200海里制度の定着とともに沈静。
たら‐ぞうすい【鱈雑炊】‥ザフ‥
タラの身を入れた雑炊。〈[季]冬〉
たら‐たら
①液体のしずくがとぎれることなく次々としたたるさま。「汗が―と流れる」
②見苦しかったり聞き苦しかったりすることを長々と続けるさま。「不平―」「―とお世辞を言う」
たら‐たら【誑誑】
たらす者。たらし。すっぱ。狂言、磁石「たそや、あたりに音するは。古の―よ」
だら‐だら
①粘り気のある液体が糸を引くようにしたたるさま。「冷や汗が―と流れる」
②なだらかな傾斜が続くさま。「―とした坂道」
③物事の進行が非常に遅く、際限なく続くさま。「挨拶が―と続く」
④無意味に怠けて時を過ごすさま。「家で―している」
⇒だらだら‐おり【だらだら降り】
⇒だらだら‐きゅう【だらだら急】
⇒だらだら‐ざか【だらだら坂】
⇒だらだら‐のぼり【だらだら上り】
⇒だらだら‐まつり【だらだら祭】
だらだら‐おり【だらだら降り】
坂の傾斜のゆるやかなくだり。
⇒だら‐だら
だらだら‐きゅう【だらだら急】‥キフ
初めはゆるやかで、にわかに急になること。
⇒だら‐だら
だらだら‐ざか【だらだら坂】
ゆるやかな傾斜が長く続く坂。
⇒だら‐だら
だらだら‐のぼり【だらだら上り】
道の傾斜がゆるやかな上りであること。
⇒だら‐だら
だらだら‐まつり【だらだら祭】
東京、芝大神宮の例大祭の俗称。9月11日より21日までの長期間行われるのでいう。→生薑市しょうがいち→千木箱ちぎばこ
⇒だら‐だら
たらち‐お【足乳男・垂乳男】‥ヲ
(垂乳女に対して作られた語)生みの父。父親。元輔集「―の帰るほどをも知らずしていかで捨ててし雁のかひこぞ」↔たらちめ
たらち‐し【垂乳し】
〔枕〕
「母」にかかる。
⇒たらちし‐の【垂乳しの】
⇒たらちし‐や【垂乳しや】
たらちし‐の【垂乳しの】
〔枕〕
(→)「たらちし」に同じ。
⇒たらち‐し【垂乳し】
たらちし‐や【垂乳しや】
〔枕〕
(→)「たらちし」に同じ。
⇒たらち‐し【垂乳し】
たらち‐ね【足乳根・垂乳根】
(乳を垂らす女、また乳の足りた女、満ち足りた女の意などという)
①女親。母。たらちめ。金葉和歌集雑「―は黒髪ながらいかなればこのまゆ白き糸となるらむ」
②ふたおや。父母。今鏡「―はいかにあはれと思ふらむ三年になりぬ足立たずして」
③(母を意味する「たらちめ」の語が生じたことから)父親。拾玉集1「―も又たらちめもうせはてて」
⇒たらちね‐の【足乳根の・垂乳根の】
たらちね‐の【足乳根の・垂乳根の】
〔枕〕
「母」「親」にかかる。万葉集11「―母に申さな」。古今和歌集別「―親のまもりとあひそふる心ばかりはせきなとどめそ」
⇒たらち‐ね【足乳根・垂乳根】
たらち‐め【足乳女・垂乳女】
(「垂乳根たらちね」の類推で生じた語)生みの母。母親。金葉和歌集雑「―の嘆きをつみて」↔たらちお
たら‐ちり【鱈ちり】
鍋料理の一種。タラを野菜・豆腐などと煮て、ポン酢醤油などをつけて食べる。〈[季]冬〉
だらつ・く
〔自五〕
だらだらする。ぐずぐずする。浄瑠璃、長町女腹切「―・くまいぞ」
タラップ【trap オランダ】
船舶・航空機の乗り降りに用いるはしご。
ダラディエ【Édouard Daladier】
フランスの政治家。急進社会党党首。1933〜34年首相。35年人民戦線に参加、38年同派から首相に就任後離脱、ミュンヘン会談ではチェンバレンに同調。40年辞職。(1884〜1970)
たら‐でんぶ【鱈田麩】
タラの身でつくったでんぶ。
だらに【陀羅尼】
(梵語dhāraṇī 総持・能持と漢訳。よく善法を持して散失せず、悪法をさえぎる力の意)梵文の呪文を翻訳しないで、そのまま読誦するもの。一字一句に無辺の意味を蔵し、これを誦すればもろもろの障害を除いて種々の功徳を受けるといわれる。一般に、短いものを真言、長いものを陀羅尼という。秘密語。密呪。呪。明呪。
⇒だらに‐がね【陀羅尼鐘】
⇒だらに‐じゅ【陀羅尼呪】
⇒だらに‐すけ【陀羅尼助】
だらに‐がね【陀羅尼鐘】
陀羅尼を誦する時につく鐘。特に、京都建仁寺の百八陀羅尼鐘のこと。
⇒だらに【陀羅尼】
だらに‐じゅ【陀羅尼呪】
陀羅尼のこと。また、密教の呪文。
⇒だらに【陀羅尼】
だらに‐すけ【陀羅尼助】
もと陀羅尼を誦する時、睡魔を防ぐために僧侶が口に含んだ苦味薬。ミカン科のキハダの生皮やリンドウ科のセンブリの根などを煮つめて作る黒い塊。苦味が強く腹痛薬に用いる。吉野・大峰・高野山などで製造。だらすけ。
⇒だらに【陀羅尼】
たら‐の‐き【楤木】
ウコギ科の落葉小高木。高さ約5メートル。茎・葉共に大きなとげがあり、葉は二回羽状複葉。初秋、白黄色の小花を球状に集めてつけ、花後紫黒色扁球形の核果を結ぶ。若芽・若葉は山菜として食用。材は小細工用。樹皮は糖尿病に有効という。ウドモドキ。マンシュウダラ。日葡辞書「タラ、また、タラノキ」
タラノキ(花)
撮影:関戸 勇
たら‐の‐め【楤の芽】
春にタラノキの先端に出る若芽。食用。〈[季]春〉
タラノメ
撮影:関戸 勇
たら‐ば【鱈場】
タラのよくとれる漁場。〈[季]冬〉
⇒たらば‐がに【鱈場蟹・多羅波蟹】
たらば‐がに【鱈場蟹・多羅波蟹】
タラバガニ科の一種。形はカニに似ているが真のカニ類ではない。大形で、甲長約22センチメートル、歩脚を広げると150センチメートルに達する。体の表面は暗紫色で小型個体には刺とげが多いが、成長とともに円錐形の突起になる。主要漁場はベーリング海やカムチャツカの近海で、タラの漁場と重なるのでこの名がある。肉は美味。
⇒たら‐ば【鱈場】
たらばき【多羅葉記】
平安末期の梵語字書。常喜院心覚著。梵語を頭音のいろは順によって類聚。多羅要鈔。
たらふく
〔副〕
(「鱈腹」は当て字)腹いっぱいに。十二分に。傾城禁短気「自慢―仰せられて」。「―食った」
ダラブッカ【darabukkah アラビア】
西アジア諸国で広く用いられる片面の太鼓。胴は土・木・金属製で杯または花瓶のような形をしており、脇に挟んで両手の素手でうつ。イランではザルブ・ドンバクともいう。ダルブッカ。
たら‐ぼさつ【多羅菩薩】
(梵語Tārā 瞳子・妙目精と訳す)胎蔵界曼荼羅蓮華部院の一尊。多羅観音。→曼荼羅(図)
たら‐む
(完了の助動詞タリの未然形に推量の助動詞ムの付いたもの)
①…しただろう。…しているだろう。源氏物語帚木「おいらかに鬼とこそ向ひ居たらめ」
②…したような。伊勢物語「たとへば比叡の山を二十ばかり重ねあげたらむほどして」
ダラム【dram】
ヤード‐ポンド法における重さの単位。
①通常16分の1オンス。1.772グラム。
②薬物では8分の1薬量オンス。3.8879グラム。ダラクマ。ドラム。
たらめ・く
〔自四〕
水の滴る音がする。〈日葡辞書〉
たら‐よう【多羅葉】‥エフ
①ヤシ科の多羅樹の葉。鉄筆などでこれに写経した。→貝ばい多羅葉。
②モチノキ科の常緑高木。暖地の山地に自生。高さ約8メートル。葉は長楕円形で厚く革質、光沢を有する。葉を乾すか熱すれば黒褐色となる。傷つけると黒変して字が書けるので、1に擬しこの名がある。夏、葉腋に緑黄色の花を密生。果実は暗紅色球形。庭園に栽植し、材は細工物に用い、樹皮からは鳥黐とりもちを製する。モンツキシバ。ノコギリシバ。
たらよう
たらり
液体が一滴したたるさま。「脂汗が―と流れる」
だらり
(ダラニ(陀羅尼)の転)
①(→)陀羅尼に同じ。
②(→)陀羅尼鐘に同じ。浄瑠璃、長町女腹切「どんどんぐりのづしを出づれば建仁寺、―が鳴るぞだらつくまいぞ」
だらり
①物が力なくたれ下がったさま。また、しまりがなく、だらしないさま。日葡辞書「ヲビ、また、ケンナドガダラリトサガッタ」。「腕を―と下げる」
②だらりと結び下げる帯の結び方。江戸時代の女性に流行し、現在は京都の舞妓などに残る。だらりのおび。「―結び」
たら‐れば
「…したら」「…すれば」の末尾を重ねて、実現しなかったことを仮定する話であることをいう俗語。「それは―の話だ」
タラワ【Tarawa】
中部太平洋、キリバス共和国のギルバート諸島中部に位置する島。また、同国の首都。1943年日米の激戦地。人口3万7千(2000)。
たらわ・す【足らはす】タラハス
〔自四〕
足りるようになさる。十分に…される。万葉集19「から国に行き―・して帰りこむますらたけをに御酒たてまつる」
タランチュラ【tarantula】
①南欧産のコモリグモ科のクモ。体長は30ミリメートルに達し、網を張らず地上を歩き回る。名はイタリア南部の港町タラントに由来し、猛毒と恐れられるが実際は毒性は低い。タランチュラ‐コモリグモ。
②大形で毛むくじゃらのクモ、特にオオツチグモ科の俗称、ペット名。
タランテラ【tarantella イタリア】
①イタリア南部タラント地方から起こったと伝える急速度の舞踏曲。
②1に合わせて演ずる二人一組のイタリア舞踏。
タラント【talent】
⇒タレント1
だらん‐と
〔副〕
①布などがだらしなく垂れ下がっているさま。「旗が―垂れている」
②肉体が緊張を欠いてしまりが無いさま。「口を―開ける」
ダランベール【Jean Le Rond d'Alembert】
フランスの物理学者・数学者・哲学者。ニュートンの力学を剛体に拡張してダランベールの原理を樹立、また、積分の原理、弦・空気の振動、天文学に関する理論などを発表。哲学上は感覚論・相対主義をとり、不可知論を主張。ディドロらと「百科全書」を刊行、その「序論」および「数学」を執筆。(1717〜1783)
たり【足り】
①たりること。好色一代男6「心やすき内証咄の―あまりのことまで打ち明けて」
②たしにするもの。たし。浮世風呂4「三十二文で薪か味噌の―にでもなりたいと」
たり【疣】
いぼ。〈新撰字鏡3〉
たり【撓】
たわんでいること。横にわたした木などにくるいの出ること。
たり【罇】
酒を入れて杯に注ぎ入れる口のついた道具。古事記下「秀罇ほだり取り堅く取らせ」
たり【驇】
馬の脚がかがまって重くなる病。今でも、牛馬の悪癖を「たり」「たる」「だる」などというのも恐らく同源。倭名類聚鈔11「驇、俗云太利、馬脚屈重也」
たり
〔助動〕
➊(格助詞トにアリが付いたトアリの約)(活用はラ変型。[活用]たら/たり・と/たり/たる/たれ/たれ。連用形に「と」があり、中止法は「として」となる)
①体言に付いて、物事を指定する意を表す。…だ。…である。(平安時代から漢文訓読文系に見られるもので、物語文学には少ない。口語では、連用形「と」は副詞として扱われ、連体形だけが、重々しい調子の文に用いられる)玄奘表啓平安初期点「経たる途みちたる万里なれども」。平家物語2「君、君たらずといへども、臣以て臣たらざるべからず」。「教師たる者の心得が書いてある」
②状態を表す漢語に付いて、その状態にあることを示す。タリ活用形容動詞の語尾とすることもある。平家物語10「北には青山峨々として、松吹く風索々たり」。「百花爛漫たり」「堂々たる風格の書だ」
➋(テアリの約)(活用はラ変型。[活用]たち/たり/たり/たる/たれ/たれ)動詞型活用の語の連用形に付いて、ある動作がなされて、その結果が今もあることを示す。平安末期から、動詞に付いた場合は単にその事態があったことを表すだけになった。時の助動詞の中で、平安時代までは使い分けた「き」「けり」「つ」「ぬ」「り」が徐々に衰えて行き、「たり」だけが残って現代語の「た」になる。
①動作・作用が完了し、その結果が現在もある意を表す。…てある。…ている。…た。万葉集17「羽咋はくいの海朝凪ぎしたり船楫もがも」。竹取物語「門たたきて、くらもちの皇子おはしたりと告ぐ」。天草本平家物語「重盛が首の刎ねられたらうずるを見て仕れ」。歌舞伎、鳴神「生まれてはじめてのんだれば、腹の内がひつくり返る」
②動作・作用が確かにあったと認める意を表す。…た。源氏物語若紫「さて心安くてしもえ置きたらじをや」。天草本平家物語「あはれ、その人が亡びたらば、その国は明かうず」
たり
〔助詞〕
(文語完了の助動詞タリから)
①動詞の連用形に付いて「…たり…たり」の形で、動作の並行・継起することを表す。前が撥音はつおんのときは「だり」となる。仮名文章娘節用「力になつ―なられ―するのは」。「飛んだりはねたり」
②同様のことが他にあるのを暗示しつつ、例示する。「泣い―しては駄目」
③命令・勧誘の意を表す。「さあ、どい―、どい―」
たり【人】
〔接尾〕
人を数えるのに用いる語。「み―」「いく―」
だり
近世、かごかきや馬方の隠語で、4のこと。浄瑠璃、日本西王母「言ひも習はぬ駕かきことば、なりくだいたり―坂東」
ダリ【Salvador Dalí】
スペイン、カタルニア生れの画家。緻密な写実的手法で夢や空想の世界を描く。1930年代以降のシュールレアリスムを代表し、第二次大戦後は古典主義に復帰。宝飾などの装飾美術にも活躍。(1904〜1989)
ダリ(1)
提供:Maxppp/APL
ダリ(2)
提供:Maxppp/APL
ダリア【Dahlia ラテン】
(スウェーデンの植物学者A. Dahl 〜1787に因んで命名)キク科の球根植物。メキシコ原産で同国の国花。高さ1〜2メートルに達し、葉は羽状複葉。茎には多く白粉をつける。ポンポン咲き、カクタス咲き、矮生種など1万以上の園芸品種がある。夏秋にわたり大形の白・紅・黄・紫などの花を開く。日本では江戸時代以後普及した。広義にはキク科ダリア属植物(その学名)をいう。テンジクボタン。
ダリア
撮影:関戸 勇
タリアテッレ【tagliatelle イタリア】
パスタの一種。幅が1センチメートル足らずの平らな麺。→パスタ(図)
ダリーオ【Rubén Darío】
(本名Félix Rubén García Sarmiento)中央アメリカ、ニカラグアの詩人。スペイン語圏のモデルニスモ運動の中心的存在。作「青」「生命と希望の歌」など。(1867〜1916)
ダリウス【Darius】
⇒ダレイオス
タリウム【thallium】
(ギリシア語のthallos(緑の小枝)から。スペクトルに現れる緑線に因む)金属元素の一種。元素記号Tl 原子番号81。原子量204.4。1861年、クルックス(W. Crookes1832〜1919)が発見。天然には硫化鉱物またはある種の雲母中に微量に存在。鉛に似た帯青白色の金属。人工宝石の製造などに利用。
たり‐お【垂り尾】‥ヲ
長くたれさがった尾。しだりお。万葉集7「庭つ鳥鶏かけの―の乱れ尾の長き心も」
タリオ【talio ラテン】
〔法〕(→)同害報復に同じ。
たり‐かつよう【たり活用】‥クワツ‥
文語形容動詞の活用の一つ。語尾が「たら・たり(と)・たり・たる・たれ・たれ」と変化するもの。「堂々たり」「泰然たり」の類。語幹は漢語であるものが多い。→形容動詞
た‐りき【他力】
①仏・菩薩の加護の力。浄土門において阿弥陀仏の本願の力により往生することをいう。↔自力。
②他人の助力。
⇒たりき‐しゅう【他力宗】
⇒たりき‐ねんぶつ【他力念仏】
⇒たりき‐ほんがん【他力本願】
⇒たりき‐もん【他力門】
たりき‐しゅう【他力宗】
(→)他力門に同じ。↔自力宗。
⇒た‐りき【他力】
たりき‐ねんぶつ【他力念仏】
阿弥陀仏の本願に頼って念仏すること。
⇒た‐りき【他力】
たりき‐ほんがん【他力本願】‥グワン
①阿弥陀仏の本願。また、衆生がそれに頼って成仏を願うこと。
②転じて、もっぱら他人の力をあてにすること。
⇒た‐りき【他力】
たりき‐もん【他力門】
他力によって極楽往生を求める宗門。浄土真宗・浄土宗など浄土門の各宗派。他力宗。↔自力門
⇒た‐りき【他力】
だり‐き・る
〔自四〕
すっかりしまりがなくなる。だらしがなくなる。浮世風呂3「大酒となつて―・つたはな」
たり‐くち【垂口】
唇の垂れた口つき。〈新撰字鏡〉
たり‐くび【垂領・垂頸】
正面の領えりの左側と右側とを垂らし引き違えて合わせる着用法。下襲したがさね・単ひとえ・袿うちき・小袖など「かくえり」はすべてこのように着るが、「まるえり」も鎌倉時代から水干すいかんでは領を折り込んで上前の紐を左脇から出して結び、たりくびに着ることも行われた。↔盤領あげくび
たり‐けり
(存続・完了の助動詞タリの連用形に過去の助動詞ケリの付いたもの)
①…していた。伊勢物語「草の上におきたりける露を」
②…したのだった。古今和歌集雑「法皇御覧じにおはしましたりけり」
たり‐こと
うるさいこと。そうぞうしいこと。〈群書類従本新撰字鏡〉
た‐りつ【他律】
①自分の意志によるのでなく、他からの命令や束縛によって行動すること。
②〔哲〕(Heteronomie ドイツ)
㋐カント倫理学の用語では、意志が、理性の命令でなく、感性の自然的欲望(傾向性)によって規定されること。
㋑広義には、ある文化領域が独自の意義をもたず他の手段となっていること。
↔自律
だ‐りつ【打率】
野球で、安打数を打撃数で割った率。打撃率。
たり‐ない【足りない】
頭の働きが悪い。→たりる3
タリバン【Tālibān ダリー】
イスラム神学生を主体とするアフガニスタンの宗教・政治勢力で、1990年代半ばに国土の大半を制圧したが、2001年、米国の武力攻撃などで政権は崩壊。ターリバーン。
たり‐ひ【垂氷】
(→)「たるひ」に同じ。
たり‐ひずみ‥ヒヅミ
たわみゆがむこと。転じて、欠点。難癖。浄瑠璃、仮名手本忠臣蔵「召使は―を付けて、段々に暇遣はし」→たり(撓)
タリフ【tariff】
関税。関税率。
たり‐ふし
〔副〕
(頭を垂れ伏しの意から)ねんごろに。切に。平家物語4「法皇の御事を―申されければ」
たり‐ふそく【足り不足】
(足りているだの足りないだのの意で)不平。苦情。人情本、春色英対暖語「お前も私も、―を言ふ様だと、宗さんもお困りだらふけれども」
たり‐ほ【垂穂】
実ってたれさがっている稲などの穂。神代紀上「其の秋の垂穎たりほ」
タリム【Tarim・塔里木】
中国新疆ウイグル自治区南部、崑崙こんろん・天山2山脈間にある盆地。面積約40万平方キロメートル。そこを流れる同名の河はカラコルム山脈に発源し、タクラマカン砂漠をめぐり、ロブノールに注ぐ。長さ約2137キロメートル。→西域
だり‐むく・る
〔自四〕
①酔って正体がなくなる。酔いどれる。しまりがなくなる。
②身を持ちくずしてしくじる。立ちゆかなくなる。破滅する。歌舞伎、三人吉三廓初買「とうとう寺を―・り」
だり‐むくれ
酔漢。よいどれ。滑稽本、素人狂言紋切形「別して私ども二人は名代の―にござります」
だり‐むく・れる
〔自下一〕
(→)「だりむくる」に同じ。
たり‐やか【足りやか】
十分にみち足りるさま。十分。懐竹抄「―にならぬ笛のある故なり」
だり‐やみ
(九州地方で)晩酌。
た‐りゅう【他流】‥リウ
他の流儀。他の流派。
⇒たりゅう‐じあい【他流試合】
たりゅう‐じあい【他流試合】‥リウ‥アヒ
自分の流派と異なる人との試合。
⇒た‐りゅう【他流】
たり‐よ【足り夜】
満ち足りた夜。また、よもすがら。終夜。万葉集13「夢いめにだにあふと見えこそ天の―を」
た‐りょう【多量】‥リヤウ
分量の多いこと。多くの分量。「―に出回る」「出血―」
た‐りょく【多力】
力の強いこと。能力のあること。また、権力の強いこと。
だ‐りょく【惰力】
惰性にもとづく力。「―で動く」
た・りる【足りる】
〔自上一〕
(近世頃から江戸で使われるようになった)
①数量などが必要なだけある。十分である。大淵代抄2「まだ吹毛の金な性が残り磨きが―・りぬ」。浮世風呂2「まだ―・りねえからもつと酒買つてこいだ」。「五千円あれば―・りる」
②するだけの価値がある。「一読するに―・りる本」
③(「―・りない」の形で)頭の働きが悪い。欠点がある。「少し―・りないやつ」
④間に合う。役に立つ。「用が―・りる」
タリン【Tallinn】
ロシアの西、エストニア共和国の首都。同国北西部にあり、フィンランド湾に臨む。歴史地区は世界遺産。人口39万7千(2003)。旧称レーヴェリ。
タリン
提供:JTBフォト
だ‐りん【舵輪】
舵かじを操作する円形の把手とって。
たる【垂】
(垂水たるみの略)滝。たろ。(和訓栞)
たる【樽】
酒・醤油などをいれる木製の容器。桶に似て蓋をしたもの。〈文明本節用集〉
た・る【足る】
〔自五〕
必要な範囲の量・程度に達している意。
①必要な数量がある。十分である。万葉集16「仏造る真朱まそほ―・らずは水たまる池田の朝臣あそが鼻の上をほれ」。源氏物語若菜下「院の御よはひ―・り給ふ年なり」。天草本平家物語「備中の瀬尾と備前の有木の別所の間は、わづかに五十町に―・らぬ所であれば」。「努力が―・らぬ」
②物事の状態が満ちととのう。満ち足りる。万葉集2「天地日月と共に―・りゆかむ神の御面と」。「―・ることを知る」
③するだけの価値がある。源氏物語松風「いみじうなまめいて由ありたをやぎたるけはひ、親王みこ達といはむにも―・りぬべし」。徒然草「万事は皆非なり。言ふに―・らず、願ふに―・らず」。「一見するに―・る」「国民の代表というに―・る人物」
④(「―・らぬ」の形で)頭の働きが悪い。鹿の子餅「日頃は―・らぬやつと思うてゐたが」
⑤間に合う。役に立つ。「用が―・る」
⇒足らず余らず子三人
た・る【垂る】
[一]〔自四〕
(四段活用は奈良時代から鎌倉時代頃まで行われ、のち自動詞としても下二段活用が行われた)
①重みで下にだらりとさがる。ぶらさがる。源氏物語蓬生「柳もいたう―・りて築地ついじにもさはらねば」
②液状のものが筋をひいて、また、しずくになっておちる。万葉集20「涙―・りなげきのたばく」
③力が失せてぐったりする。へなへなとなる。今昔物語集16「その人歩びこうじてただ―・りに―・り居たるを見れば」
[二]〔自他下二〕
⇒たれる
ダル【dull】
鈍いさま。退屈。不活発。「―‐ゲーム」
だ・る
〔自四〕
疲れる。〈日葡辞書〉
たるい【樽井】‥ヰ
姓氏の一つ。
⇒たるい‐とうきち【樽井藤吉】
たる・い【怠い・懈い】
〔形〕[文]たる・し(ク)
①おっくうである。気がすすまない。だるい。たゆし。毛吹草7「難波江のあしより手こそ―・からめ」。夏目漱石、彼岸過迄「又すぐ夢現ゆめうつつの―・い眼付に戻つて」
②(主に中部地方で)考えが未熟で言動が一人前でない。
だ‐るい【堕涙】
なみだをこぼすこと。落涙。
だる・い【怠い・懈い】
〔形〕
(タルシの転)
①疲れたような、おっくうな感じである。たるい。玉勝間「手足のたゆきを俗言に―・いと云ふ」。「全身が―・い」
②のろい。にぶい。浮世草子、椀久一世の物語「―・いこと見ていることでないと」
③しまりがない。また、あまったるい。男色大鑑「下髪さげがみの―・い姿をようは見てゐること」
たるい‐とうきち【樽井藤吉】‥ヰ‥
社会運動家。大和出身。自由民権運動に参加。社会問題・大陸問題に関心を寄せ、1882年(明治15)東洋社会党を結成。大井憲太郎らと大阪事件に連座。著「大東合邦論」。(1850〜1922)
⇒たるい【樽井】
たる‐いれ【樽入れ】
①不漁の場合、他の大漁のあった方へ樽酒を贈って共に酒宴し、大漁にあやかること。この際、酒を贈られた方からの返礼を樽返しという。
②婚約成立のかためとして婿方から嫁方へ、仲人が柳樽を持参すること。きまりざけ。
ダルー【Jules Dalou】
フランスの彫刻家。写真表現を基に記念碑彫刻を制作。ドラクロアらの肖像彫刻ものこした。(1838〜1902)
ダル‐エス‐サラーム【Dār es Salām アラビア】
(「平和の家」の意)タンザニア連合共和国の主要都市。インド洋に臨む港湾都市で、同国の旧首都。人口109万6千(1985)。
たる‐かいせん【樽廻船】‥クワイ‥
江戸時代、大坂・江戸間の定期便船の一種。酒樽を運送したのに始まり、幕末には菱垣廻船を圧倒した。たるぶね。
たる‐かがみ【樽鏡】
樽のふた。
たる‐がき【樽柿】
空いた酒樽に渋柿をつめ、樽のアルコール分によって渋味を抜きとったもの。さわし柿。
ダルガチ【達魯花赤】
モンゴル帝国・元朝の官名。ジンギス汗は初め占領地の施政官として創設、元では地方行政官庁の監督官としておかれ、少数の色目人を除き、モンゴル人が任命された。
タルカム【talcum】
タルカム‐パウダーのこと。
⇒タルカム‐パウダー【talcum powder】
タルカム‐パウダー【talcum powder】
滑石の微粉末(タルク)で製する化粧・医薬用品。汗知らず。
⇒タルカム【talcum】
たる‐き【垂木・棰・椽・榱・架】
屋根の裏板または木舞こまいを支えるために、棟から軒にわたす材。はえき。
垂木
垂木
撮影:関戸 勇
⇒たるき‐がた【垂木形】
⇒たるき‐だけ【垂木竹】
⇒たるき‐ばな【椽鼻】
⇒たるき‐わり【垂木割】
たるき‐がた【垂木形】
屋根の端に、垂木と平行に取り付けた幅の狭い簡略な破風板。
⇒たる‐き【垂木・棰・椽・榱・架】
たるき‐だけ【垂木竹】
竹を用いた垂木。また、そのための竹。
⇒たる‐き【垂木・棰・椽・榱・架】
たるき‐ばな【椽鼻】
垂木の先。また、そこに付ける飾り。日本永代蔵3「瑪瑙の釘隠し、青貝の―」
⇒たる‐き【垂木・棰・椽・榱・架】
たるき‐わり【垂木割】
垂木の配置方法。本繁割・まばら割・吹寄割などの種類がある。→繁棰→疎棰まばらだるき→吹寄せ3
⇒たる‐き【垂木・棰・椽・榱・架】
タルク【talc】
(→)滑石かっせき。また、その微粉末。
ダルクローズ【Émile Jaques-Dalcroze】
スイスの音楽教育家。ウィーン生れ。リトミックの創始者。ジャック=ダルクローズ。(1865〜1950)
ダル‐ゲーム【dull game】
だらだらして活気のない試合。
タルコフスキー【Andrei Arsen'evich Tarkovskii】
ソ連の映画監督。「僕の村は戦場だった」で国際的に認められる。1984年西側に亡命。ほかに「惑星ソラリス」「鏡」「ノスタルジア」など。(1932〜1986)
ダルゴムイシスキー【Alexandr S. Dargomyzhskii】
ロシアの作曲家。ロシア国民楽派の一人。ロシア語の抑揚を生かした独特の叙唱法はムソルグスキーに大きな影響を与えた。歌劇「ルサルカ」など。(1813〜1869)
たる‐ざかな【樽肴】
酒樽と肴。特に進物に用いる。西鶴織留2「庭には―持ち集ひて」
たる‐ざけ【樽酒】
樽に入れた酒。樽詰めの酒。
ダルシマー【dulcimer】
(「甘美な旋律」の意のdulcis melos ラテンに由来)台形の平たい箱に金属弦を多数(12〜25コース)張り、木製の桴ばちまたはハンマーで打って音を出す楽器。方形のものもある。ハンガリーのツィンバロム、ドイツのハックブレット、中国の洋琴(ヤンチン)などはみな同属の楽器。
タルスキ【Alfred Tarski】
ポーランドの数学者・論理学者。モデル理論の創始者で、対象言語とメタ原語を区別して真理概念を意味論的に定式化した。主著「形式言語における真理概念」。(1901〜1983)
ダル‐セーニョ【dal segno イタリア】
〔音〕
記号(セーニョ)の箇所へ戻り、そこから繰り返し演奏せよの意。略号D.S.
たる‐だい【樽代】
祝儀などで、酒を贈る代りに包む金。結納・転宅などの時にいうことが多い。浄瑠璃、山崎与次兵衛寿の門松「その礼とて目くさり金、―としてよこした」
タルタル【Tartar】
「韃靼だったんの」の意。
⇒タルタル‐ステーキ【tartar(e) steak】
⇒タルタル‐ソース【tartar(e) sauce】
タルタル‐ステーキ【tartar(e) steak】
肉料理の一種。生の赤身の牛肉を挽き、調味してハンバーグのような形にし、生の卵黄・玉葱たまねぎ・ケイパーなどを添えて食べる。
⇒タルタル【Tartar】
タルタル‐ソース【tartar(e) sauce】
マヨネーズにパセリ・玉葱たまねぎ・ピクルスなどの微塵みじん切りを加えて作ったソース。
⇒タルタル【Tartar】
タルタロス【Tartaros ギリシア】
ギリシア神話で、冥界の最深部。また、冥界。
タルチュフ【Tartuffe】
モリエールの喜劇。1664年初演。宗教的偽善を痛烈に批判・諷刺したもの。
タルティーニ【Giuseppe Tartini】
イタリアのバイオリン奏者・作曲家・音楽理論家。バイオリン‐ソナタ「悪魔のトリル」など、多数のソナタ・協奏曲を作曲。新しい運弓法を確立し、差音の現象を発見。(1692〜1770)
タルト【taart オランダ】
(菓子の意)ゆず餡あんなどをカステラで巻いた和洋折衷の菓子。愛媛県松山の名産。江戸初期、藩主久松定行が長崎から製法を伝えた。
タルト【tarte フランス】
果物・ジャムなどをのせた円形の焼き菓子。タート。
アップルタルト
撮影:関戸 勇
⇒タルト‐レット【tartelette フランス】
タルド【Jean Gabriel de Tarde】
フランスの社会学者。社会は人と人との心理的関係によって成立すると見、その原動力を模倣に求め、社会心理学に寄与。デュルケムと鋭く対立、犯罪については社会環境の意味を重視。著「犯罪の比較研究」「模倣の法則」「社会法則」など。(1843〜1904)
タルト‐レット【tartelette フランス】
一人用に作った小型のタルト。
⇒タルト【tarte フランス】
ダルトン【Dalton】
⇒ドルトン
たる‐にんぎょう【樽人形】‥ギヤウ
宴席の座興に、柳樽に衣服を着せ編笠をかぶせ、人形に擬して踊らせたもの。寛文・延宝(1661〜1681)頃流行。
樽人形
たる‐ぬき【樽抜き】
①樽の蓋を抜くこと。
②樽柿にして渋を抜き取ること。また、その渋を抜き取った柿。
タルバガン【tarbagan ロシア・旱獺】
(タルバハンとも)リス科の哺乳類。体長50センチメートル内外で胴は太く、四肢は短い。体毛は黄褐色。ヨーロッパ東部から中国西部・北部の草原に分布。地中に穴を掘り、集団生活をし、冬は地下の巣で冬ごもりする。毛皮を利用。モンゴル‐マーモット。
たる‐ひ【足日】
物事の十分に満ち足りた日。よい日。吉日。祝詞、神賀詞「今日の生日いくひの―に」
たる‐ひ【垂氷】
雨・雪などの水滴がこおって垂れさがったもの。つらら。〈[季]冬〉。源氏物語末摘花「朝日さす軒の―は解けながら」↔立氷たちひ
たるひと‐しんのう【熾仁親王】‥ワウ
有栖川宮ありすがわのみや幟仁たかひと親王の第1王子。王政復古の際に新政府の総裁。戊辰戦争に東征大総督、1876年(明治9)元老院議長、西南戦争に征討総督。陸軍大将。左大臣・参謀総長を歴任。(1835〜1895)
たる‐ひろい【樽拾い】‥ヒロヒ
得意先の酒の空樽を集めて歩く酒屋の小僧。誹風柳多留初「―あやふい恋の邪魔をする」
たる‐ぶね【樽船】
(→)樽廻船たるかいせんに同じ。
だるま【達磨】
①(梵語Bodhidharma 菩提達摩)禅宗の始祖。南インドのバラモンに生まれ、般若多羅に学ぶ。中国に渡って梁の武帝との問答を経て、嵩山すうざんの少林寺に入り、9年間面壁坐禅したという。その伝には伝説的要素が多い。その教えは弟子の慧可えかに伝えられた。諡号しごうは円覚大師・達磨大師。達摩だつま。( 〜530?)
②達磨大師の坐禅した姿に模した張子の玩具。普通、顔面以外の部分を赤く塗り、底を重くして、倒してもすぐ真直に立つように作る。開運の縁起物とし、願いごとがかなった時に目玉を描き入れるならわしがある。不倒翁。「―に目を入れる」
だるま(大阪)
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
だるま(山梨)
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
だるま(静岡)
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
三角だるま(新潟)
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
古代だるま(福島)
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
女だるま(千葉)
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
松川だるま(宮城)
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
火伏だるま(宮城)
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
近江だるま(滋賀)
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
高崎だるま(群馬)
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
③(→)だるま2のような、ずんぐりと丸い形状。「雪―」「火―になる」
④下等な売春婦の異称。じごく。
⇒だるま‐いち【達磨市】
⇒だるま‐いと【達磨糸】
⇒だるま‐うた【達磨歌】
⇒だるま‐おとし【達磨落し】
⇒だるま‐がえし【達磨返し】
⇒だるま‐かずき【達磨被き】
⇒だるま‐き【達磨忌】
⇒だるま‐ぎく【達磨菊】
⇒だるま‐しゅう【達磨宗】
⇒だるま‐ストーブ【達磨ストーブ】
⇒だるま‐はがし【達磨剥し】
⇒だるま‐ぶね【達磨船】
⇒だるま‐や【達磨屋】
だるま‐いち【達磨市】
縁起物の達磨を売る市。東日本で多く正月に開かれる。〈[季]新年〉
達磨市(深大寺)
提供:東京都
⇒だるま【達磨】
だるま‐いと【達磨糸】
足踏式製糸機械で製した生糸。多く農家の副業として作られるもの。自転車取糸。
⇒だるま【達磨】
だるま‐うた【達磨歌】
わかりにくい歌をあざけっていう語。特に藤原定家の若いころの作を当時世間でこう呼んだ。拾遺和歌集愚草員外「新儀非拠の―と称し、天下の貴賤のために悪まれ」
⇒だるま【達磨】
だるま‐おとし【達磨落し】
数個の同型の木製の輪を重ね、その上に置いた達磨の人形を落とさないように小槌で打って輪をはずす遊び。輪抜き達磨。
だるまおとし
撮影:薗部 澄(JCII蔵)
⇒だるま【達磨】
だるま‐がえし【達磨返し】‥ガヘシ
女の髪の結い方。髪をひねって髱たぼの中に押し入れ簪かんざしで止めたもの。江戸の粋人の年増に多く行われた。
達磨返し
⇒だるま【達磨】
だるま‐かずき【達磨被き】‥カヅキ
達磨が緋衣をかぶっているように、頭から衣服をひっかぶること。狂言、どちはぐれ「残る五拾文では紙を買ひ衾をつくり、―にかぶつて、坐禅の工夫をするならば」
⇒だるま【達磨】
だるま‐き【達磨忌】
禅家で、達磨大師の忌日(10月5日)に行う法会。
⇒だるま【達磨】
だるま‐ぎく【達磨菊】
キク科の多年草。九州・中国地方の海岸に生え、観賞用に栽培。下部は木質で全草軟毛を密生。高さ約30センチメートル。葉はへら形。秋、帯紫淡紅色の舌状花のある頭状花を開く。
⇒だるま【達磨】
だるま‐しゅう【達磨宗】
①中国・日本で、禅宗の異称。特に、院政期の大日能忍一派を指す。
②藤原定家などの和歌の新風をあざけっていった称。無名抄「中頃の体を執する人は、今の世の歌をば、…やや―などといふ異名をつけてそしり嘲る」
⇒だるま【達磨】
だるま‐ストーブ【達磨ストーブ】
達磨2に似て、ずんぐりとした丸型の、投げこみ式石炭ストーブ。
⇒だるま【達磨】
ダルマティカ【dalmatica ラテン】
古代ローマ末期から中世にかけてヨーロッパで着用された緩やかなT字型の貫頭衣。現在はキリスト教の祭服に残る。
ダルマパーラ【Dharmapāla 梵】
僧、護法ごほうの梵語名。
だるま‐はがし【達磨剥し】
人の着ている羽織をはぐこと。また、その賊。
⇒だるま【達磨】
だるま‐ぶね【達磨船】
和洋折衷型の幅の広い大形のはしけ。
⇒だるま【達磨】
だるま‐や【達磨屋】
私娼を置いている宿。あいまい屋。
⇒だるま【達磨】
たる‐まる【樽丸】
半加工した酒樽用材。良質の杉材を産出する吉野で享保(1716〜1736)年間に開発される。
たるみ
満潮となり、しばらく潮の流れの停止している時。とろみ。
たるみ【弛み】
たるむこと。また、その程度。「心の―」
たる‐み【垂水】
垂れ落ちる水。たき。万葉集8「石激いわばしる―の上のさわらびの萌えいづる春になりにけるかも」
たる‐みこし【樽御輿】
酒樽を神輿みこしのようにかついで祭に加わるもの。もとは神酒を神にささげた形と思われる。
たるみず【垂水】‥ミヅ
鹿児島県、大隅半島西岸の市。鹿児島市との連絡港。温州ミカン・ポンカンなどの産地。人口1万9千。
たる・む【弛む】
[一]〔自五〕
張りつめていたものが、ゆるむ。たゆむ。日葡辞書「ココロガタルム」。「電線が―・む」
[二]〔他下二〕
⇒たるめる(下一)
タルムード【Talmud】
(ヘブライ語で、学習・研究の意)ユダヤ教でモーセの律法に対して、十数世紀にわたって口伝された習慣律をラビ達が集大成したもの。本文であるミシュナー(Mishnah)、その注釈であるゲマラ(Gemara)の2部から成り、広くユダヤ民族の社会生活を物語る。エルサレム(またはパレスチナ)‐タルムード(5世紀)とバビロニア‐タルムード(6〜8世紀)とがある。
ダルメシアン【Dalmatian】
(ダルマチアンとも。クロアチアの地名に由来)イヌの一品種。肩高55センチメートルほど。垂れ耳で、尾は細長い。毛色は白地に黒または黒茶色の小さい斑点。本来は猟犬だが、馬車に伴走したマスコット犬として知られる。現在は愛玩用。
ダルメシアン
たる・める【弛める】
〔他下一〕[文]たる・む(下二)
ゆるむようにする。たるませる。日葡辞書「ツナヲタルムル」
たるや‐おせん【樽屋おせん】
大坂天満てんまの樽屋の妻。隣家の長左衛門との不義を夫に発見され、1685年(貞享2)正月自殺。「樽屋おせん歌祭文」に歌われ、西鶴の「好色五人女」第2話の題材となる。歌舞伎では近松徳叟作「銘作切籠曙きりこのあけぼの」の通称だが、題材は異なる。
たれ【垂れ】
①たれること。また、そのもの、その程度。
②焼物・鍋物の調味用の汁。醤油や味噌などに調味料・香辛料を加えて作る。
③垂駕籠のむしろ戸。
④切平緒きりひらおに付けて垂れるもの。→平緒。
⑤漢字構成上の名称。漢字の上から左に垂れている字形。雁垂がんだれ・麻垂まだれ・病垂やまいだれなど。
⑥能の仮髪。肩の辺まで垂らす髪で、原則として面をかけ冠・烏帽子の類をかぶる役に限り用いる。黒垂は男女一般に、白垂は老人に使用する。
⑦(→)「下がり」8に同じ。
⑧(名詞の下に付けて)人を悪く言う意を表す語。「はな―小僧」「くそ―」「ばか―」
たれ【誰】
〔代〕
(不定称)
①はっきりとは知らない人、また名を知らない人を指したり問うたりするのに使う語。
㋐どの人。古事記中「七行くをとめども―をしまかむ」
㋑どんな人。伊勢物語「後は―と知りにけり」
②考えうる範囲の任意の人。万葉集11「―しの人も君にはまさじ」
→だれ
⇒誰かある
⇒誰か烏の雌雄を知らん
だれ
だれること。また、その程度。
だれ【誰】
〔代〕
(不定称)タレの転。江戸時代以後生じた形で、現在は「たれ」よりも一般的。
たれ‐あま【垂尼】
髪を短くそいで垂らしている尼。また、その髪型。そぎあま。
ダレイオス【Dareios】
(1世)古代ペルシア、アケメネス朝の王。国内の反乱を鎮定、財政を整備し中央集権を確立。インドまで遠征、全オリエントを支配し帝国の極盛期を迎えた。ダリウス大王。(在位前522〜前486)
たれ‐えい【垂纓】
⇒すいえい
タレーラン【Charles Maurice de Talleyrand-Périgord】
フランスの政治家。オータンの司教。大革命直前の全国三部会聖職者(僧侶)議員。革命勃発後、教会財産の国有化を提案、教皇に破門される。ナポレオン1世およびルイ18世の外相。ウィーン会議では自国領土の保全に成功。(1754〜1838)
だれ‐か【誰か】
(代名詞的に)はっきり特定できない人を指す。「―が侵入した」


























広辞苑 ページ 12389 での【○足らず余らず子三人】単語。