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かげ【影・陰・蔭・翳】🔗🔉

かげ影・陰・蔭・翳】 ➊日・月・灯火などの光。万葉集11「灯し火の―にかがよふうつせみの妹が笑まひし面影に見ゆ」。「月―がさえる」 ➋光によって、その物のほかにできる、その物の姿。 ①水や鏡の面などにうつる物の形や色。万葉集20「池水に―さへ見えて咲きにほふあしびの花を」 ②物体が光をさえぎったため、光源と反対側にできる暗い部分。万葉集2「橘の―踏む道の」。「障子に猫の―がうつる」 ③比喩的な用法。 ㋐あるものに離れずつきまとうもの。古今和歌集「心は君が―となりにき」 ㋑やせ細ったもの。古今和歌集「恋すればわが身は―となりにけり」 ㋒薄くぼんやり見えるもの。平家物語7「―の如くなるものを御前に参じて」 ㋓ほのかに現れた好ましくない影響・兆候。「死の―におびえる」「日本の経済に暗い―を落とす」 ➌物の姿。 ①形。古今和歌集哀傷「霞の谷に―隠し」。「見る―もない」 ②おもかげ。万葉集2「たまかづら―に見えつつ」。「亡き母の―を慕う」 ③原物に似せて作ったもの。肖像や模造品。浄瑠璃、雪女五枚羽子板「誠の小水竜は庫に収め、―を作つて持つたるゆゑ」 ➍物の後の、暗いまたは隠れた所。 ①物にさえぎられ、またはおおわれた、背面・後方の場所。古事記「門かなと―かく寄りこね」。万葉集3「鴨そ鳴くなる山―にして」。平家物語1「一樹の―に宿り合ひ」 ②他の者をおおうように及ぶ、その恩恵・庇護。古今和歌集東歌「君がみ―にます―はなし」。「お―さま」 ③人目の届かない、隠れた所。「―ひなたなく働く」「―ながら御成功を祈ります」 ④人目に隠れた暗い面。かげり。「彼の人生には―がある」 ⑤正式のものに対して、略式に行う方。「―祭」 ➎二匁取りの下級女郎。二寸。浮世草子、御前義経記「千歳といへる女郎、お位は―」 ◇➊・➋・➌・➎には「影」、➍には「陰・蔭」をふつう使う。また、➍4は「翳」と書くことが多い。 ⇒影が薄い ⇒影が差す ⇒陰で糸を引く ⇒陰で舌を出す ⇒影と添う ⇒陰に居て枝を折る ⇒陰に隠す ⇒陰になり日向になり ⇒陰に回る ⇒影の形に随うが如し ⇒陰の朽木 ⇒影踏むばかり ⇒影身に添う ⇒影も形も無い ⇒影を搏つ ⇒影を畏れ迹を悪む ⇒影を落とす ⇒影をひそめる

広辞苑 ページ 3573 での単語。