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○文目もわかぬあやめもわかぬ🔗⭐🔉
○文目もわかぬあやめもわかぬ
物の区別もつかない。また、物事の分別もつかない。
⇒あや‐め【文目】
あやめゆかた【菖蒲浴衣】
長唄。2世杵屋勝三郎・3世杵屋正次郎作曲。1859年(安政6)5世芳村伊三郎の襲名披露に初演。伊三郎と勝三郎の和解を記念するものという。
あや・める【危める】
〔他下一〕[文]あや・む(下二)
(危うくするの意から)傷つける。殺す。狂言、胸突「人を―・めて苦しう無くは、是非に及ばぬ」
あゆ【東風】
(アイとも)東のかぜ。あゆのかぜ。万葉集18「寄する白波いや増しに立ちしき寄せ来く―をいたみかも」
あゆ【鮎・香魚・年魚】
アユ科の硬骨魚。東アジア、特に日本の名産魚。全長約30センチメートル。稚魚期を海で過ごし、初春川をさかのぼり、急流にすむ。珪藻を食べ、肉に香気がある。寿命は普通1年なので「年魚」の字を当てるが、越年鮎も知られている。あい。〈[季]夏〉。万葉集5「裳の裾濡れて―か釣るらむ」
あゆ
アユ
提供:東京動物園協会
あ‐ゆ【阿諛】
おもねりへつらうこと。おべっか。「―迎合」「―追従ついしょう」
あ・ゆ【肖ゆ】
〔自下二〕
似る。あやかる。〈応神紀訓注〉
あ・ゆ【零ゆ】
〔自下二〕
①こぼれ落ちる。万葉集18「―・ゆる実は玉にぬきつつ」
②したたり出る。流れる。能因本枕草子すさまじきもの「乳―・えずなりぬる乳母めのと」
あ‐ゆい【足結・脚結】‥ユヒ
動きやすいように、袴を膝頭の下で結んだ紐。鈴や玉をつけ服飾とした。あしゆい。あよい。古事記下「宮人の―の小鈴落ちにきと」↔手結たゆい
あゆいしょう【脚結抄】アユヒセウ
語学書。5巻6冊。富士谷成章なりあきら著。1778年(安永7)刊。国語の品詞を、名・よそひ・かざし・あゆひの四つに分かち、その中の「あゆひ」(助詞・助動詞・接尾語)について各語の意味・用法を説き、古歌を引証。→挿頭抄かざししょう
あ‐ゆ・う【足結ふ】‥ユフ
〔自四〕
行動しやすいように、袴の裾を紐でくくる。万葉集7「―・ひ出で沾ぬれぬ」
あゆ‐かけ【鮎掛け】
カジカ科の淡水産の硬骨魚。カジカに似るが、頭が大きく丸い。日本固有種。全長20センチメートル。アラレガコ。カマキリ。カクブツ。
あゆ‐かけばり【鮎掛鉤】
錨いかりのような形に作った鉤を糸につけて流し、鮎をひっかけるもの。→ころがし3
あゆ‐かご【鮎籠】
口細く尻のふくれた竹籠。山城(京都府)桂川の鮎漁に用いたという。桂籠。
あゆかわ【鮎川】‥カハ
姓氏の一つ。
⇒あゆかわ‐のぶお【鮎川信夫】
あゆかわ‐のぶお【鮎川信夫】‥カハ‥ヲ
詩人・評論家。本名、上村隆一。東京生れ。早大中退。1947年(昭和22)「荒地」を創刊し、戦後詩をリード。作「鮎川信夫詩集」「戦中日記」など。(1920〜1986)
⇒あゆかわ【鮎川】
あゆ・く【揺く】
〔自四〕
ゆらゆら動く。あよく。拾遺和歌集物名「星の―・くと見えつるは蛍の空にとぶにぞありける」
あゆ‐くみ【鮎汲み】
川をさかのぼる鮎を網ですくいとること。〈[季]春〉
あゆ‐ずし【鮎鮨】
塩・酢につけた鮎の腹に飯をつめた鮨。また、鮎をたねにした鮨。あゆのすし。
アユタヤ【Ayutthaya】
タイのバンコク北方の都市。1351年に興り、1767年ビルマに滅ぼされた同名の王朝の首都。国際貿易の要衝として栄え、外国人の多く居住した都市で、日本人町の遺跡があり、山田長政も住んだ。歴史上の遺跡は世界遺産。アユチア。
アユタヤの遺跡(1)
撮影:小松義夫
アユタヤの遺跡(2)
撮影:小松義夫
アユタヤ(1)
提供:NHK
アユタヤ(2)
提供:JTBフォト
アユタヤ
提供:NHK
あゆち【年魚市・吾湯市】
尾張国愛知郡の古地名。名古屋市の熱田神宮付近。のち愛智・愛知と書く。
⇒あゆち‐がた【年魚市潟】
あゆち‐がた【年魚市潟】
名古屋市の熱田付近から北西に湾入していた潟。古代の景勝地。万葉地名。今は陸地化。(歌枕)
⇒あゆち【年魚市・吾湯市】
あゆ‐ついしょう【阿諛追従】
相手に気に入られようと、こびへつらうこと。
あゆ‐つりばり【鮎釣鉤】
蚊鉤かばりのこと。
あゆ‐なえ【鮎苗】‥ナヘ
放流用の稚鮎ちあゆ。
あゆ‐の‐かぜ【東風・鮎の風】
⇒あゆ。万葉集17「越の俗語に東風を安由乃可是あゆのかぜと謂へり」
あゆ・ぶ【歩ぶ】
〔自四〕
(→)「あゆむ」に同じ。今昔物語集1「翁…杖にかかりて疲れ―・ぶ」
あゆまい【歩まひ】アユマヒ
歩きぶり。源氏物語行幸「面持・―など大臣といはむに」
あゆみ【歩み】
①あるくこと。足のはこび。足並。歩行。歩調。万葉集6「馬の―押さへとどめよ」。梁塵秘抄「―を運びて来しかども、十六羅漢にも後れにき」。「―をとめる」「―をそろえる」
②物事の進行。傾城禁短気「筆の―」。「この1年の―を顧みると」
③(→)「歩み板」4の略。
④和船で水夫が棹を押す所。また、帆柱を挟んで2本並行に船尾まで渡した材。
⑤〔機〕ねじ山の間隔。ねじが1回転したとき進む距離。ピッチ。
⑥〔建〕並んだ数個の部材などの間の距離。
⑦相場の歩調。値段の推移。足取り。
⇒あゆみ‐あい【歩み合い】
⇒あゆみ‐あし【歩み足】
⇒あゆみ‐いた【歩板】
⇒あゆみ‐ぶり【歩み振り】
⇒あゆみ‐より【歩み寄り】
あゆみ‐あい【歩み合い】‥アヒ
(→)「あゆみより」に同じ。
⇒あゆみ【歩み】
あゆみ‐あし【歩み足】
剣道・柔道での足の運び方。普通の歩みのように、前進・後退をする。→送り足。
⇒あゆみ【歩み】
あゆみ‐いた【歩板】
①歩いて渡るためにかけ渡す板。
②船から船へ、または船から岸へかける橋板。歩みの板。平家物語8「千余艘が…―をひき並べひき並べ渡いたれば」
③平安時代の木材規格。長さ2丈、厚さ2寸5分以上のもの。
④歌舞伎の劇場で、本花道と仮花道とを正面2階の桟敷の下でつなぐ幅の狭い板の通路。観客の往来用にも演技にも用いたが、座席の枡形を廃した時になくなった。歩あゆみ。歌舞伎、傾情吾嬬鑑ト書「権八、以前の形にて出て来る。―の中程にて」
⇒あゆみ【歩み】
あゆみ‐ぶり【歩み振り】
あるきかた。あるきぶり。
⇒あゆみ【歩み】
あゆみ‐より【歩み寄り】
折れ合うこと。双方の条件・主張を近づけ合うこと。歩み合い。
⇒あゆみ【歩み】
あゆみ‐よ・る【歩み寄る】
〔自五〕
①あるいて近寄る。「ゆっくり2、3歩―・る」
②転じて、互いに譲歩し合う。折れ合う。「労使が―・る」
あゆ・む【歩む】
〔自五〕
(アは足。一説に、ユムはヨム(数える意)の転か)
①足を動かして進む。あるく。万葉集7「妹が家に早く至らむ―・め黒駒」
②ゆっくりと、着実に進行する。「研究一筋の道を―・む」「事態は解決に向けて―・む」
あゆ‐もどき【鮎擬き】
ドジョウ科の淡水産の硬骨魚。体長約10センチメートル。体は太く側扁、吻は長く6本の触鬚しょくしゅがある。体は褐色、7個の横縞がある。琵琶湖・淀川水系や岡山県に産する。ウミドジョウ。毛吹草4「大井川ノ鮎モドキ」
あ‐よい【足結】‥ヨヒ
(→)「あゆい」に同じ。皇極紀「―た作り」
あよ・く【揺く】
〔自四〕
ゆれる。動く。あゆく。万葉集20「妹が心は―・くなめかも」
あよ・ぶ【歩ぶ】
〔自四〕
あゆむ。宇治拾遺物語9「鬼は―・びかへりぬ」
あよ・む【歩む】
〔自四〕
あゆむ。草根集「旅ゆく人の―・む姿は」
あら【荒】
姓氏の一つ。
⇒あら‐まさひと【荒正人】
あら【粗】
①魚類などのおろし身をとったあとに残る頭・骨・えら。
②あらぬか。
③人の欠点。「―をさがす」
あら【
】
①スズキ科の海産の硬骨魚。全長約1メートル。口が大きく、背部は灰色で紫色を帯び、腹部は銀白色。北海道からフィリピンまでのやや深海の岩礁部にすむ。冬に美味。オキスズキ。〈[季]冬〉。〈類聚名義抄〉
②(九州で)クエ(九絵)の別称。
あら【荒・粗】
〔接頭〕
「あれはてた」「荒々しい」「こまやかでない」「くわしくない」「まばらな」「人工を加えぬ」「かたい」などの意を表す。「―えびす」↔にき(和)
あら【現】
〔接頭〕
「世に現れている」「目に見えている」「現在ある」などの意を表す。「―人神」
あら【新】
〔接頭〕
「新しい」「まだ使わない」「人工を加えぬ」「馴れない」などの意を表す。「―手の軍勢」
あら
〔感〕
(女性が)驚いたり不審に思ったりする時に発する声。「―、本当かしら」
アラー【Allāh アラビア】
⇒アッラー
アラービー【Aḥmad al-‘Arābī】
エジプトの軍人・政治家。立憲制と外国支配の排除をめざし、「エジプト人のエジプト」を唱えて、アラービー革命(1881〜82年)を指揮。敗れてイギリス軍に屈したが、その後のエジプト民族主義運動に大きな影響を与えた。オラービー。(1839〜1911)
アラーム【alarm】
①警報。警報装置。
②目覚し時計。また、その音。
あら‐あら【粗粗・荒荒】
①ざっと。大略。多く副詞的に用いる。発心集「―書きつけむといふ」
②荒々しいさま。狂言、鈍太郎「―と申して帰して御座る」
⇒あらあら‐かしこ
あら‐あら
〔感〕
(アラの畳語)甚だしく驚く時の声。
あらあら‐かしこ
女性の手紙の末尾に用いる語。意をつくさず恐れ入るの意。
⇒あら‐あら【粗粗・荒荒】
あらあら‐し・い【粗粗しい・荒荒しい】
〔形〕[文]あらあら・し(シク)
①大層粗末である。粗雑である。大ざっぱである。源氏物語浮舟「あたらしうきよげにつくりたれどさすがに―・しくて」
②甚だ手荒い。大層乱暴である。源氏物語玉鬘「舟子どもの―・しき声にて」。「―・い男たち」「―・く戸を閉める」
あらい【洗い】アラヒ
①洗うこと。せんたく。「―が悪い」
②(「洗膾」「洗魚」とも書く)コイ・タイ・スズキなどの肉の生身を冷水や氷で洗い縮ませたさしみ。〈[季]夏〉
⇒あらい‐いと【洗糸】
⇒あらい‐いも【洗芋】
⇒あらい‐おけ【洗い桶】
⇒あらい‐おとし【洗い落し】
⇒あらい‐がえ【洗い替え】
⇒あらい‐がき【洗柿】
⇒あらい‐かた【洗い方】
⇒あらい‐がみ【洗い髪】
⇒あらい‐かわ【洗革】
⇒あらい‐ぎぬ【洗い衣】
⇒あらい‐ぐすり【洗い薬】
⇒あらい‐ぐつわ【洗轡】
⇒あらい‐ぐま【洗い熊・浣熊】
⇒あらい‐こ【洗い粉】
⇒あらい‐ざら【洗い皿】
⇒あらい‐ざらい【洗い浚い】
⇒あらい‐ざらし【洗い晒し】
⇒あらい‐しゅ【洗朱】
⇒あらい‐すすぎ【洗い濯ぎ】
⇒あらい‐ぜき【洗堰】
⇒あらい‐ぞめ【洗染・退紅】
⇒あらい‐だし【洗い出し】
⇒あらい‐たて【洗い立て】
⇒あらい‐だて【洗い立て】
⇒あらい‐ば【洗い場】
⇒あらい‐はり【洗い張り】
⇒あらい‐ばん【洗い盤】
⇒あらい‐まき【洗い蒔き】
⇒あらい‐まるた【洗い丸太】
⇒あらい‐めし【洗い飯】
⇒あらい‐もの【洗い物】
⇒あらい‐や【洗矢】
⇒あらい‐よね【洗い米】
あらい【荒井】‥ヰ
姓氏の一つ。
⇒あらい‐かんぽう【荒井寛方】
あらい【新井】‥ヰ
新潟県西部の地名。妙高市に属する。もと北国ほっこく街道・飯山街道の宿場町。スキー用品製造が盛ん。
あらい【新井】‥ヰ
姓氏の一つ。
⇒あらい‐はくせき【新井白石】
あら・い【荒い・粗い】
〔形〕[文]あら・し(ク)
➊《荒》
①ごつごつしている。また、けわしい。万葉集15「岩が根の―・き島根に」
②(波・風などが)はげしい。すさまじい。万葉集19「―・き風波に遇はせず平けく」。「―・い息遣い」
③心・言動などが、乱暴である。あらあらしい。あらっぽい。宇津保物語俊蔭「牝熊、牡熊、―・き心を失ひて」。枕草子28「遣戸を―・く閉たて開くる」。「気が―・い」「金遣いが―・い」
④程度がはなはだしい。玉塵抄22「心の散り乱れ、―・う浮き上がり」
➋《粗》
①ざらざらしてなめらかでない。孝徳紀「その帷帳かたびらかきしろのごときには―・き布を用ゐるべし」。「きめの―・い肌」
②編目や粒などが、こまかでなく大きい。また、密でなくまばらである。古今和歌集恋「塩焼き衣筬おさをあらみ間遠にあれや」。日葡辞書「アライコ(粉)」「アライフルイ(篩)」。「目が―・い織物」
③心くばりや造作などが、おおざっぱである。綿密丁寧でなく粗雑である。中華若木詩抄「―・きと云ふも、つくろはずしてあるゆゑなり」。「調べ方が―・い」「細工が―・い」
◇「荒」は性質や動きが激しい場合、「粗」は事物が細かくない、大ざっぱな場合に使う。
あらい‐あ・げる【洗い上げる】アラヒ‥
〔他下一〕[文]あらひあ・ぐ(下二)
①洗い終える。十分に洗う。
②すっかり調べ上げる。「身許を―・げる」
アライアンス【alliance】
同盟。提携。特に、国際的な企業連合をいう。
あらい‐いと【洗糸】アラヒ‥
薄紅に染めた糸。
⇒あらい【洗い】
あらい‐いも【洗芋】アラヒ‥
里芋の異称。あらいも。
⇒あらい【洗い】
あらい‐おけ【洗い桶】アラヒヲケ
台所で食器・野菜などを、また風呂で体を洗うのに用いる桶。
⇒あらい【洗い】
あらい‐おとし【洗い落し】アラヒ‥
休眠状態となった蚕種を清水で洗浄して、付着している塵埃・雑物を除去する作業。
⇒あらい【洗い】
あらい‐がえ【洗い替え】アラヒガヘ
洗濯したときに、代りに着る衣類。
⇒あらい【洗い】
あらい‐がき【洗柿】アラヒ‥
染色の名。うすい柿色。薄柑子うすこうじ。
Munsell color system: 2.5YR7.5/5
⇒あらい【洗い】
あらい‐かた【洗い方】アラヒ‥
①物をあらう方法。また、あらった程度。
②料理屋などで、魚・野菜など料理の素材を洗う者。
⇒あらい【洗い】
あらい‐がみ【洗い髪】アラヒ‥
女が髪を洗って解き下げたままのもの。〈[季]夏〉。小栗風葉、深川女房「お光は些ちっとも動ぜず―のハラハラ零こぼれるのを掻揚げながら」
⇒あらい【洗い】
あらい‐かわ【洗革】アラヒカハ
毛皮の毛を去り、洗いなめした革。白革。一説に薄紅色の革という。あらかわ。
⇒あらい【洗い】
あらい‐かんぽう【荒井寛方】‥ヰクワンパウ
日本画家。本名、寛十郎。栃木県出身。日本美術院同人。仏画を得意とし、インドのアジャンター壁画や法隆寺金堂壁画の模写に従事。(1878〜1945)
⇒あらい【荒井】
あらい‐ぎぬ【洗い衣】アラヒ‥
〔枕〕
洗った着物と取り替えて着る意から、類音の「とりかひ川」にかかる。万葉集12「―取替川とりかいがわの川淀のよどまむ心思ひかねつも」
⇒あらい【洗い】
あらい‐ぐすり【洗い薬】アラヒ‥
眼や傷口などを洗う薬。
⇒あらい【洗い】
あらい‐ぐつわ【洗轡】アラヒ‥
馬を洗ったり厩うまやにつないだりする時や乗馬練習の時にかける簡単な轡。水勒すいろく。→乗轡のりぐつわ。
⇒あらい【洗い】
あらい‐ぐま【洗い熊・浣熊】アラヒ‥
アライグマ科の哺乳類。体長約50センチメートル。一見タヌキに似るが、尾に黒い輪状斑がある。北アメリカに分布し、近似種が南アメリカにもいる。低木林に生活し、雑食性で、水中のカニや貝類も食べる。名の由来は食物を水で洗って食べる習性から。ラクーン。
アライグマ
提供:東京動物園協会
⇒あらい【洗い】
あらい‐こ【洗い粉】アラヒ‥
物、特に髪や皮膚を洗うのに用いた粉。小麦粉などの澱粉質に石鹸末・ホウ酸末・重曹などをまぜたもの。
⇒あらい【洗い】
あらい‐こ・す【洗ひ越す】アラヒ‥
〔他四〕
境を越して水が寄せる。山家集「畔のうきひぢ―・されて」
あらい‐ざら【洗い皿】アラヒ‥
中に水をたたえて盃などを洗いすすぐ皿。
⇒あらい【洗い】
あらい‐ざらい【洗い浚い】アラヒザラヒ
〔副〕
何から何まで。残らず。すっかり。尾崎紅葉、阿蘭陀芹「殿様の所へ行つて―申立て」。「―ぶちまける」
⇒あらい【洗い】
あらい‐ざらし【洗い晒し】アラヒ‥
①幾度も洗って染色がさめたこと。また、そのような衣服。「―の浴衣」
②流れ灌頂かんじょうの異称。
⇒あらい【洗い】
あらい‐ざら・す【洗い晒す】アラヒ‥
〔他五〕
衣服を、色がさめるほど繰り返し洗う。
あら‐いし【荒石】
石切場から採取したままで人工を加えてない石。野面石のづらいし。
あらい‐しゅ【洗朱】アラヒ‥
黄みを帯びた丹色に近い朱。また、その色の漆うるしで刷毛目はけめを立てて塗った器物。日葡辞書「アライジュ」
Munsell color system: 9R6.1/7.5
⇒あらい【洗い】
あらい‐すすぎ【洗い濯ぎ】アラヒ‥
⇒せんたく。
⇒あらい【洗い】
あらい‐ぜき【洗堰】アラヒ‥
川幅いっぱいに水流を横ぎってつくる堰。上流の水位を高めると同時に、水を常に堰を越して下流へ流す。
⇒あらい【洗い】
あら‐いそ【荒磯】
荒波のうちよせる磯。また、大きい岩石の多い磯。ありそ。拾遺和歌集恋「―のほか行く波の」
⇒あらいそ‐ぎれ【荒磯切】
⇒あらいそ‐じま【荒磯島】
⇒あらいそ‐どんす【荒磯緞子】
⇒あらいそ‐なみ【荒磯波】
あらいそ‐ぎれ【荒磯切】
中国渡来の古代切の一種。濃いはなだ色地に、金糸で波に鯉の模様を織り出した織物。荒磯金襴。
⇒あら‐いそ【荒磯】
あらいそ‐じま【荒磯島】
荒波のうちよせる島。謡曲、俊寛「―にただ一人」
⇒あら‐いそ【荒磯】
あらいそ‐どんす【荒磯緞子】
波間におどる鯉を織り出した緞子。荒磯文様。
⇒あら‐いそ【荒磯】
あらいそ‐なみ【荒磯波】
荒磯にうちよせる波。
⇒あら‐いそ【荒磯】
あらい‐ぞめ【洗染・退紅】アラヒ‥
薄紅の染色。あらぞめ。〈新撰字鏡12〉
⇒あらい【洗い】
あら‐いた【粗板】
挽ききったままで、まだ鉋かんなでけずってない板。
あらい‐だし【洗い出し】アラヒ‥
①コンクリート・モルタルなどの壁面・床面が固まらないうちに表面を洗い出して、中の素材を露出させておく仕上げ。
②人造石が硬化しないうちに、その表面を水洗いして、中の細石を浮き出させること。
③杉板を擦り洗って柾目・板目を高く出したもの。
④広く探索して事情を究明すること。「犯人の―を急ぐ」
⇒あらい【洗い】
あらい‐た・ず【洗ひたづ】アラヒタヅ
〔他下二〕
洗いこする。擦り洗う。日葡辞書「フネヲアライタヅル」
あらい‐だ・す【洗い出す】アラヒ‥
〔他五〕
①おおっているものを洗い落として中の形をあらわす。「木目を―・す」
②丹念に調べて、隠されていた物事や事情を明らかにする。「問題点を―・す」
あらい‐たて【洗い立て】アラヒ‥
洗ってまだ間のないこと。
⇒あらい【洗い】
あらい‐だて【洗い立て】アラヒ‥
人の品行や悪事の真相を探って暴露すること。
⇒あらい【洗い】
あらい‐た・てる【洗い立てる】アラヒ‥
〔他下一〕[文]あらひた・つ(下二)
①念入りに洗う。十分に洗う。
②転じて、他人の品行や悪事をあばき出す。「罪状を―・てる」
あらい‐なお・す【洗い直す】アラヒナホス
〔他五〕
①改めて洗う。
②もう一度調べかえす。再検討する。「法案を―・す」
あらい‐なが・す【洗い流す】アラヒ‥
〔他五〕
①洗ってよごれを流し去る。
②好ましくない思いやわだかまりを、残さないようにする。
あらい‐の‐せき【新居の関・荒井の関】‥ヰ‥
1601年(慶長6)徳川氏が浜名湖の湖口の西(今の静岡県浜名郡新居町)に置いた関所。→今切いまぎれ
あらい‐ば【洗い場】アラヒ‥
①風呂で体を洗う所。
②野菜・衣類などを洗う所。
⇒あらい【洗い】
あらい‐はくせき【新井白石】‥ヰ‥
江戸中期の儒学者・政治家。名は君美きんみ。字は済美。通称、勘解由。江戸生れ。木下順庵門人。6代将軍徳川家宣、7代家継の下で幕政を主導した(正徳の治)。朝鮮通信使への応対変更、幣制・外国貿易の改革、閑院宮家創立などは主な業績。公務に関する備忘録「新井白石日記」や「藩翰譜」「読史余論」「采覧異言」「西洋紀聞」「古史通」「東雅」「折たく柴の記」などの著がある。(1657〜1725)
→作品:『折たく柴の記』
→作品:『読史余論』
→作品:『西洋紀聞』
⇒あらい【新井】
あらい‐はり【洗い張り】アラヒ‥
着物などをほどいて洗濯し、板などに張ってしわを伸ばすこと。板張り・伸子張り・アイロン仕上げなどがある。
⇒あらい【洗い】
あらい‐ばん【洗い盤】アラヒ‥
物を洗うのに用いる盤。
⇒あらい【洗い】
あらい‐まき【洗い蒔き】アラヒ‥
籾もみを水に浸さず、ただ洗っただけでまくこと。
⇒あらい【洗い】
あらい‐まるた【洗い丸太】アラヒ‥
杉丸太を洗い、磨いたもの。柱・縁桁えんげたなどに用いる。みがきまるた。
⇒あらい【洗い】
あら‐いみ【荒忌・散斎】
祭祀の際、神事にあずかる人が真忌まいみの前後に行う軽い斎戒。大忌おおみ。
あらい‐めし【洗い飯】アラヒ‥
盛夏、水漬けにして食べる飯。〈[季]夏〉。→水飯みずめし。
⇒あらい【洗い】
あら‐いも【荒芋】
(アラヒイモ(洗芋)の約)洗って皮をむいた里芋。
あらい‐もの【洗い物】アラヒ‥
洗うべきもの。衣類や食器類にいう。
⇒あらい【洗い】
あらい‐や【洗矢】アラヒ‥
先端に布を巻き、銃腔をぬぐうのに用いる鉄製の棒。
⇒あらい【洗い】
あらい‐よね【洗い米】アラヒ‥
神仏に供えるために洗い清めた白米。かしよね。せんまい。
⇒あらい【洗い】
あら‐う【荒鵜】
鵜飼で、まだ飼主になれていない鵜。〈[季]夏〉。新撰六帖3「沖つ島浪のまもなく―とやほせど翼のかわかざるらむ」
あら・う【洗う】アラフ
〔他五〕
①水などですすぎ清める。よごれを落とす。万葉集11「川上に―・ふ若菜の流れ来て」。「体を―・う」
②不純なものを取り除く。「心が―・われる」
③水や波が、岸辺に寄せたり返したりする。「岸辺を―・う波」
④しらべる。せんさくする。「身許を―・う」
アラウィー【‘Alawī アラビア】
イスラムのシーア派に属する一分派。シリア・レバノン・トルコに分布。ヌサイリー派。
あら‐うし【荒牛】
凶暴な牛。あばれ牛。
あら‐うち【荒打】
①土蔵の壁の下地として、最初に荒木田土あらきだつちに砂・藁苆わらすさをまぜたものを塗ること。
②まだ加工してない弓竹。
③鍛冶屋が鉄を強くざっと打ちきたえること。また、手斧で材木を荒削りすること。〈日葡辞書〉
④粗野なさま。日葡辞書「アラウチナヒト」
あら‐うま【荒馬】
荒々しくて乗りこなすのがむずかしい馬。あばれ馬。
あら‐うま【新馬】
新たに牧場から引き出した馬。1歳の馬。
あら‐うみ【荒海】
波が荒い海。奥の細道「―や佐渡によこたふ天の河」
⇒あらうみ‐の‐そうじ【荒海障子】
あらうみ‐の‐そうじ【荒海障子】‥サウ‥
清涼殿の東の広廂ひろびさしの北にあった布張りの衝立ついたて障子。墨絵で、表には山海経せんがいきょうによる手長・足長の図、裏には宇治の網代あじろで氷魚ひおを捕る図を描く。→清涼殿(図)
⇒あら‐うみ【荒海】
アラウンパヤー‐ちょう【アラウンパヤー朝】‥テウ
(Alaungpaya)(→)コンバウン朝に同じ。
あら‐えぞ【荒蝦夷】
(→)「あらえみし」に同じ。
あら‐えびす【荒夷】
(都の人が野蛮な東国人を指していった語)
①荒々しい人。浜松中納言物語4「いみじからむ―も泣きぬばかりに」
②荒々しい田舎武士。東国武士。平家物語8「ひたすらの―のやうなれども」
あら‐えみし【荒蝦夷】
粗野で朝廷に服属しない遠方の蝦夷。斉明紀「類たぐい三種くさ有り…次の者をば―と名づけ」↔にきえみし
あらお【荒尾】‥ヲ
熊本県北西端の市。有明海に面する。大牟田市に隣接し、かつては三池炭田の炭鉱都市として栄えた。人口5万6千。
あら‐お【荒男・荒雄】‥ヲ
(→)「荒し男お」に同じ。
あら‐おこし【荒起し・粗起し】
水田の土を大ざっぱに掘り起こすこと。稲作の最初の準備作業。
あら‐おだ【荒小田・新小田】‥ヲ‥
荒れた田。一説に、新しく開いた田。
⇒あらおだ‐を【新小田を】
あらおだ‐を【新小田を】‥ヲ‥
〔枕〕
田を鋤すき返す意から、「かへす」にかかる。
⇒あら‐おだ【荒小田・新小田】
あら‐おり【粗織】
粗末な糸で目をあらく織ること。また、その織物。
あら‐か【殿】
(アリカ(在処)の転)宮殿。御殿。万葉集2「み―を高知りまして」
あらがい【争い・諍い・抗い】アラガヒ
あらがうこと。あらそい。喧嘩けんか。古今著聞集8「よも御―は候ふまじ」
⇒争い木登り川渡り








広辞苑 ページ 636 での【○文目もわかぬ】単語。