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および【及び】🔗⭐🔉
および【及び】
〔接続〕
(動詞オヨブの連用形から。「及」の字の漢文訓読に由来する)主に名詞相互をつなぎ、それらの指すものに一括して言及する意を表す。ならびに。かつ。…も…もみな。今昔物語集2「流離王―四種の兵、迦毗羅城に入る時」。「京都―奈良の寺」
⇒および‐ごし【及び腰】
⇒および‐ぞり【及び剃り】
⇒及びもつかない
および‐かか・る【及び掛る】🔗⭐🔉
および‐かか・る【及び掛る】
〔自四〕
①もう少しで届く。新撰六帖4「ななそぢに―・れる杖なれば」
②前の方へのしかかる。徒然草「人のうしろにさぶらふは、様あしくも―・らず」
および‐がた・い【及び難い】🔗⭐🔉
および‐がた・い【及び難い】
〔形〕[文]およびがた・し(ク)
およぶことができない。かなわない。「私などにはとうてい―・い相手だ」「筆舌に―・い」
および‐ぐる・し【及び苦し】🔗⭐🔉
および‐ぐる・し【及び苦し】
〔形シク〕
およびにくい。新撰六帖5「―・しき恋もするかな」
および‐ごし【及び腰】🔗⭐🔉
および‐ごし【及び腰】
①腰をまげ、手を伸ばして物を取ろうとする時の、不安定な姿勢。へっぴり腰。
②比喩的に、確信のないふらふらした態度。「―の交渉」
⇒および【及び】
および‐ぞり【及び剃り】🔗⭐🔉
および‐ぞり【及び剃り】
及び腰で剃ること。狂言、重喜「―にぞ剃つたりける」
⇒および【及び】
および‐な・し【及び無し】🔗⭐🔉
および‐な・し【及び無し】
〔形ク〕
及ぶことができない。分ぶんに過ぎる。源氏物語紅葉賀「いとど―・き心地し給ふに」
○及びもつかないおよびもつかない🔗⭐🔉
○及びもつかないおよびもつかない
ある段階までとても達しない。とてもかなわない。「最盛時には―客の入り」
⇒および【及び】
およ・ぶ【及ぶ】
〔自五〕
原義は、足もとの位置はもとのままで、離れた所に届くように手足・上体を伸ばす意。
①腰をまげ手を伸ばして取ろうとする。及び腰になる。遍昭集「女郎花の見えしを―・びて折りしほどに馬より落ちて」
②ある所・時・程度にとどく。いたる。達する。宇津保物語藤原君「岩の上にならびて生ふる松よりぞ雲ゐに―・ぶ枝もありなむ」。宇津保物語楼上上「子どもの数こそ―・ばざらめ、車は、今は五つこなたのはまた添へむ」。「5万人に―・ぶ人出」「深夜に―・ぶ会議」
③遂にそんな事態にまでなる。たちいたる。古今著聞集1「寺中へ乱れ入らんとする間、合戦に―・びて」。日葡辞書「ナンギニヲヨブ」。「実力行使に―・ぶ」
④(勢力や影響が)ある範囲に行き渡る。普及する。源氏物語澪標「まして心の―・ばむにしたがひては何事もうしろみきこえむとなむ思ひ給ふ」。「恵みが国中に―・ぶ」
⑤追いつく。また、とり返しがつく。源氏物語紅葉賀「引きはなちて出で給ふをせめて―・びて」。「後悔しても―・ばない」
⑥(多く打消の語を伴う)肩をならべる。匹敵する。源氏物語帚木「なにがしが―・ぶべきほどならねば、上が上はうち置き侍りぬ」。「力―・ばず敗れる」「足もとにも―・ばない」
⑦(多くは打消の語を伴う)成就する。望みどおりになる。かなう。新勅撰和歌集恋「朝な朝なあまの棹さす浦深み―・ばぬ恋も我はするかな」。「―・ばぬ願い」
⑧(助詞「に」を受け、打消・反語の言い方で)可能である。また、必要である。宇治拾遺物語1「雨風はしたなくて、帰るに―・ばで」。古今著聞集5「御よるなれば此の御文参らするに―・ばず」。「わざわざ来るには―・ばない」
⑨他の動詞の連用形に付いてその意を強め、その機能や作用が十分にとどいた形で行われることを示す。徒然草「人はいまだ聞き―・ばぬこと」。「考え―・ぶ」
およぼ・す【及ぼす】
〔他五〕
およぶようにする。とどかす。白氏文集天永点「願はくは此の恵を推して天下に及オヨホシて…同じく欣々たらしめむ」。「影響を―・す」
およ‐もん【およ物】
(幼児語)恐ろしいものの称。
おより‐こう【御寄講】‥カウ
浄土真宗の信徒が在家で開く親睦会。御寄坊主はその寄合に招かれる坊主。おより。
お‐よる【御夜・御寝】
「寝ること」の尊敬語。弁内侍日記「御所もいまだ―にもならせおはしまさず」↔御昼。
⇒およる‐な・る【御寝なる】
お‐よ・る【御寝る】
〔自四〕
「寝る」の尊敬語。おやすみになる。御寝ぎょしんなる。増鏡「御門はいづくに―・るぞ」。末広鉄腸、雪中梅「旦那、今朝こんちょうは珍らしくよく―・りましたネ」
およる‐な・る【御寝なる】
〔自四〕
おやすみになる。古今著聞集5「月をも御覧ぜで―・れば」
⇒お‐よる【御夜・御寝】
およん‐な・る【御寝んなる】
〔自四〕
(オヨルナルの転)おやすみになる。およる。↔おひんなる
おら【己】
〔代〕
(一人称)おれ。おいら。江戸時代、男性が用いるのがふつうであったが、女性も使った。狂言、苞山伏「―がひるめしはよそへずい」
おらがはる【おらが春】
俳書。小林一茶著。1冊。1852年(嘉永5)刊。1819年(文政2)57歳当時の著者の周囲の事実や感想を日記体に記した随筆および発句の集。
→文献資料[おらが春]
オラクル【oracle】
神の託宣。神託。
オラショ【oratio ラテン】
(キリシタン用語)祈り。どちりなきりしたん「六十三反べんの―を申し上げ奉るぞ」
おら‐っち【己っち】
(「おらたち」の訛)男性の卑俗な自称語。多く江戸の下町で使われた。「おいらっち」とも。歌舞伎、東海道四谷怪談「風が悪いと思つて、―には、隠すの隠すの」
おらでがま【遠羅天釜】ヲ‥
仮名法語。白隠の著。3巻。1749年(寛延2)刊。武士参禅のこと、病中修行の用意および自らの法華経観を述べる。おらてがま。
オラトリオ【oratorio イタリア】
(祈祷所の意)宗教的音楽劇。通常聖書に取材し、独唱・重唱・合唱・管弦楽などで演奏される。原則として演奏会形式で上演される。17世紀にオペラとともに発展し、ヘンデルが大成。聖譚曲。
おら・ぶ【叫ぶ】
〔自四〕
泣きさけぶ。大声でさけぶ。万葉集9「天あめ仰ぎさけび―・び」
オラン‐ウータン【orang-utan マレー】
(「森の人」の意)オラン‐ウータン科の哺乳類。ボルネオ・スマトラの森林にすむ。身長は雄約1・4メートル、雌1.2メートル。毛は長く赤褐色。耳小さく、上肢がいちじるしく長く、直立すると踝くるぶしまで達する。手足は物を握るのに適し、巧みに樹間を渡る。大きい群れはつくらず、ほとんど樹上で生活し、動作は緩慢。猩々しょうじょう。
オラン-ウータン
オランウータン(雄)
提供:東京動物園協会
オランウータン(雌)
提供:東京動物園協会
オランジュリー【orangerie フランス】
オレンジなどの果実を育成するための、東西に長く、南側に大きなガラス窓を持つ建物。17世紀後半からヴェルサイユなどの宮殿の庭園に作られた。温室建築の先駆。
オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
西ヨーロッパの立憲王国。北海に面し、面積4万平方キロメートル、人口1628万2千(2004)。首都はアムステルダム。1581年ハプスブルク王家の支配から脱し、17世紀に隆盛。1600年、初めて日本と通交。鎖国時代に西洋文化の輸入は専らオランダを経て行われたため、舶来のものに「オランダ」「和蘭」「蘭」の名を冠して呼んだ例が多い。正式呼称、ネーデルラント。→ヨーロッパ(図)。
アムステルダム
撮影:田沼武能
⇒オランダ‐いちご【オランダ苺】
⇒オランダ‐かいう【阿蘭陀海芋】
⇒オランダ‐がらし【オランダ芥子】
⇒オランダ‐きじかくし【和蘭雉隠し】
⇒オランダ‐きょうばいほう【オランダ競売法】
⇒オランダ‐くだり【和蘭下り】
⇒オランダ‐げんげ【和蘭翹揺】
⇒オランダ‐ご【オランダ語】
⇒オランダ‐じい【和蘭字彙】
⇒オランダ‐ししがしら【和蘭獅子頭】
⇒オランダ‐しょうがつ【和蘭正月】
⇒オランダ‐しょうかん【和蘭商館】
⇒オランダ‐ずみ【和蘭墨】
⇒オランダ‐せきちく【和蘭石竹】
⇒オランダ‐ぜり【和蘭芹】
⇒オランダ‐せんりがん【和蘭千里眼】
⇒オランダ‐つうじ【和蘭通詞】
⇒オランダ‐ひがしインドがいしゃ【オランダ東印度会社】
⇒オランダ‐ふうせつがき【阿蘭陀風説書】
⇒オランダ‐みつば【和蘭三葉・塘蒿】
⇒オランダ‐やき【和蘭焼】
⇒オランダ‐やしき【和蘭屋敷】
⇒オランダ‐りゅう【阿蘭陀流】
オランダ‐いちご【オランダ苺】
バラ科の多年生果菜。いわゆるイチゴ。南米チリ産の一種が改良され、ヨーロッパで栽培されて世界に広まった。天保(1830〜1844)年間にオランダから渡来。ランナーと呼ぶ匍匐ほふく枝を出し繁殖。白色の五弁花をつけ、果実は鮮紅色。生食され、またジャム・ジュースの原料。1899年(明治32)福羽逸人によって育成された福羽やダナーなど多くの栽培品種がある。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐かいう【阿蘭陀海芋】
(→)カラーの和名。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐がらし【オランダ芥子】
クレソンの和名。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐きじかくし【和蘭雉隠し】
アスパラガスの和名。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐きょうばいほう【オランダ競売法】‥キヤウ‥ハフ
売手から最高価を呼びあげ、買手の出るまで価格を減らしてゆく競売法。ダッチ‐オークション。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐くだり【和蘭下り】
江戸時代、長崎のオランダ商館長が毎春江戸へ参府したこと。和蘭わたり。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐げんげ【和蘭翹揺】
シロツメクサの異称。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐ご【オランダ語】
(Dutch)オランダの公用語。ほかにベルギー・カナダ・アメリカなどで話される。インド‐ヨーロッパ語族ゲルマン語派中の西ゲルマン語群に属する。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐じい【和蘭字彙】‥ヰ
「ハルマ(波留麻)2」参照。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐ししがしら【和蘭獅子頭】
⇒ししがしら2。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐しょうがつ【和蘭正月】‥シヤウグワツ
太陽暦の正月を祝う賀宴。江戸時代長崎の出島蘭館のオランダ人や通詞らが行なった。江戸では寛政6年閏11月11日(1795年1月1日)に芝蘭堂で蘭学者大槻玄沢が賀宴を開いたのが始まり。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐しょうかん【和蘭商館】‥シヤウクワン
江戸時代、貿易のため日本におかれたオランダ東インド会社の支店。1609年(慶長14)平戸に設置、41年(寛永18)長崎の出島でじまに移転。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐ずみ【和蘭墨】
インクのこと。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐せきちく【和蘭石竹】
カーネーションの和名。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐ぜり【和蘭芹】
パセリの異称。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐せんりがん【和蘭千里眼】
(近世語)眼鏡のこと。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐つうじ【和蘭通詞】
長崎でオランダ人の通訳に当たった役人。蘭通詞。↔唐とう通事。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐ひがしインドがいしゃ【オランダ東印度会社】‥グワイ‥
1602年、東洋貿易振興のために創設されたオランダの拓殖株式会社。喜望峰・マゼラン海峡間の貿易権、条約締結権、軍事権を与えられ、政府の厚い保護を受けた。1799年解散。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐ふうせつがき【阿蘭陀風説書】
近世、長崎入港のオランダ船がもたらした海外情報。1641年(寛永18)より1859年(安政6)まで、毎年オランダ商館長より長崎奉行を通じて幕府に提出。オランダ通詞が翻訳し、幕府はこれによって海外事情を知ることができた。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐みつば【和蘭三葉・塘蒿】
セロリの異称。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐やき【和蘭焼】
①白身魚に塩をふって卵白を塗り、卵黄の薄焼を張りつけてあぶった料理。紅毛焼。
②江戸時代にオランダ船によってもたらされた陶磁器の総称。オランダのデルフト窯の製品が主で、染付や色絵の陶器を茶人が珍重した。紅毛焼。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐やしき【和蘭屋敷】
江戸時代、長崎港内の出島にあったオランダ商館。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランダ‐りゅう【阿蘭陀流】‥リウ
①オランダ伝来の流派。
②貞門の古流を排して、西鶴が大坂で中心になってたてた、軽口狂句を主とする新しい俳風。初めは貞門派が誹謗して呼んだ名。
⇒オランダ【Olanda ポルトガル・和蘭・阿蘭陀】
オランデーズ‐ソース
(sauce hollandaise フランス)フランス料理のソースの一つ。卵黄と少量の水を湯煎で温めながらかき立て、溶かしバターを混ぜ込み、レモン汁を加える。
おり【折】ヲリ
①折ること。また、折ったもの。「―本」「二の―」
②折箱。折箱につめたもの。折詰。また、折箱を数える語。「赤飯の―」「菓子一―」
③季節。時季。「暑さの―」
④機会。その際。場合。「―をみて」「出かけた―に」
⑤幾度もくりかえすこと。古事記上「八塩―」
⑥折り重ねたものを数える語。「半紙一―」
⇒折に触れる
⇒折もあろうに
⇒折も折
おり【澱】
液体の底に沈んだ滓かす。おどみ。
おり【檻】ヲリ
猛獣や罪人などを入れておく堅固なかこい、または室。古今著聞集20「熊鷹の―」
おり【織】
織ること。また、その物。織りぐあい。
お‐り【汚吏】ヲ‥
[孟子滕文公上]よこしまな役人。不正な事をする役人。「貪官たんかん―」
お・り【居り】ヲリ
〔自ラ変〕
⇒おる(五)
おり‐あい【折合い】ヲリアヒ
おりあうこと。妥協。「―が悪い」「―がつく」
おり‐あ・う【折り合う】ヲリアフ
〔自五〕
対立した同士が譲り合って解決をつける。妥協する。おれ合う。「値段が―・わない」
おり‐あお【織襖】‥アヲ
織物の狩衣かりぎぬ。裏をつけ、綿を入れるのもある。
おり‐あか・す【居り明かす】ヲリ‥
〔自四〕
寝ずに夜明しする。万葉集18「―・しも今宵は飲まむ」
おり‐あがり【織上り】
織って仕上がったこと。また、そのできぐあい。
おり‐あが・る【織り上がる】
〔自五〕
布を織り終わる。織って仕上がる。
おり‐あげ【折上げ】ヲリ‥
支輪しりんや蛇腹じゃばらで曲面部を作り、天井の中央部を高くすること。また、その曲面部分。
⇒おりあげ‐てんじょう【折上天井】
おりあげ‐てんじょう【折上天井】ヲリ‥ジヤウ
天井の一形式。周囲の桁や長押なげしの上から折上げにして張る天井。
⇒おり‐あげ【折上げ】
おり‐あ・げる【織り上げる】
〔他下一〕[文]おりあ・ぐ(下二)
布を織って仕上げる。織りおえる。
おり‐あ・し【折悪し】ヲリ‥
〔形シク〕
①折がわるい。時機がわるい。まがわるい。源氏物語総角「―・しき御なやみかな」
②⇒おりあしく
おり‐あしく【折悪しく】ヲリ‥
〔副〕
(形容詞「おりあし」の連用形から)都合がよくないさま。時機の悪いことに。あいにく。「―先客があった」
おり‐い【下り居】‥ヰ
車・馬などからおりていること。謡曲、熊野ゆや「ここより花車―の衣播磨潟はりまがた」
⇒おりい‐の‐みかど【下り居の帝】
⇒おりい‐の‐みや【下り居の宮】
オリーヴ【olive】
⇒オリーブ
おり‐い・ず【織り出づ】‥イヅ
〔他下二〕
(→)「おりいだす」に同じ。
おり‐いだ・す【織り出す】
〔他四〕
織って作り出す。新勅撰和歌集秋「白露の―・す萩の下紅葉ころもにうつる秋は来にけり」
おり‐いっ‐て【折り入って】ヲリ‥
〔副〕
心をこめて人に頼んだり相談したりする時にいう語。切に。ぜひ。たって。「―お願いがあります」
おり‐いと【織糸】
織物に用いる糸。
おりい‐の‐みかど【下り居の帝】‥ヰ‥
退位された天皇。太上天皇。上皇。源氏物語若菜上「―と等しく定まり給へれど」
⇒おり‐い【下り居】
おりい‐の‐みや【下り居の宮】‥ヰ‥
上皇の御所。仙洞せんとう御所。
⇒おり‐い【下り居】
オリーブ【olive】
①〔植〕モクセイ科の常緑小高木。地中海地方の原産で暖地に生育、乾燥に強い。葉は対生、深緑、裏面は灰白色、革質。初夏、芳香ある淡緑白花を総状花序につける。果実は楕円形の核果で、青いうちに採取し塩漬にして食用とし、熟果からオリーブ油を採る。日本では瀬戸内海の小豆島で栽培。枝はヨーロッパでは平和と充実の象徴。古くホルトの樹と称。「橄欖」と訳すことがあるが、別種。オレーフ。オレフ。
オリーブ
オリーブ(実)
提供:ネイチャー・プロダクション
②〔医〕延髄の錐体の後外側で、脊髄側索につづく長卵円形の隆起。その中にオリーブ核を容れ、オリーブ核は錐体外路系に属して種々の部から情報を受け、これを小脳に投射する。小脳はそれによって随意運動、殊に直立歩行の円滑調節をする(オリーブ‐小脳系)。
⇒オリーブ‐いろ【オリーブ色】
⇒オリーブ‐オイル【olive oil】
⇒オリーブ‐やま【オリーブ山】
⇒オリーブ‐ゆ【オリーブ油】
オリーブ‐いろ【オリーブ色】
オリーブの果実のように黄みを帯びた緑色。また暗緑色をもいう。
Munsell color system: 7.5Y3.5/4
⇒オリーブ【olive】
オリーブ‐オイル【olive oil】
(→)オリーブ油ゆに同じ。
⇒オリーブ【olive】
オリーブ‐やま【オリーブ山】
エルサレムの東にある山。イエスがここからエルサレムのために嘆き、またそのふもとのゲツセマネの園で苦しみ、その山頂から昇天したと伝える。橄欖山かんらんざん。
オリーブ山
撮影:小松義夫
⇒オリーブ【olive】
オリーブ‐ゆ【オリーブ油】
オリーブの果実から採取した帯緑黄色の不乾性油。食用・薬用のほか、石鹸の原料などに用いる。オレーフ油。
⇒オリーブ【olive】
おり・いる【下り居る】‥ヰル
〔自上一〕
①(車・馬・船などから)下へおりている。おりてすわる。伊勢物語「その木のもとに―・ゐて」
②天皇が位を退く。源氏物語紅葉賀「帝―・ゐさせたまはむの御心づかひ」
おり‐い・る【折り入る】ヲリ‥
〔他下二〕
①折って中へ入れる。おりこむ。
②言葉や意味をはさみ入れる。よみ込む。狂言、三人夫「汝等が名を―・れ、歌を一首詠め」
おり‐いろ【織色】
①糸を染めて織った織物の色。
②経糸たていとと緯糸よこいととの色をかえて織った色合い。女郎花おみなえし・紅梅の類。
③濃い浅葱あさぎ色。
オリヴァー‐トゥイスト【Oliver Twist】
ディケンズの小説。1838年刊。孤児オリヴァーの懸命な生き方を通じてヴィクトリア朝社会のモラルの欠如を問う。
オリヴィエ【Laurence Kerr Olivier】
イギリスの俳優・演出家。シェークスピア劇で名声を得、多くの映画に出演。「ヘンリー五世」「ハムレット」「王子と踊子」などでは自ら監督・出演。(1907〜1989)
オリヴィエ【Émile Ollivier】
ハイチ出身の作家。モントリオール大学社会学教授。小説「孤独‐母」「百家争鳴」、評論「評定」など。(1940〜2002)
おり‐うず【折櫃】ヲリウヅ
オリビツの音便。
おり‐えいそう【折詠草】ヲリ‥サウ
横に長く二つに折り、さらに縦に二つに折った紙に和歌を記した草稿。
おり‐えだ【折り枝】ヲリ‥
折り取った木の枝。また、造花をつけた枝。
おり‐えび【織葡萄】
紫と赤の糸で織り出したえび色。
おり‐えぼし【折烏帽子】ヲリ‥
頂を折り伏せた烏帽子。侍烏帽子。
おり‐えり【折襟】ヲリ‥
洋服の襟やカラーの、外へ折りかえすように仕立てたもの。↔立襟たちえり
オリエンタリスト【orientalist】
東洋学者。東洋語学者。
オリエンタリズム【Orientalism】
①ヨーロッパ人が主としてトルコやアラブなどオリエント(中近東)の風俗・事物にあこがれと好奇心を抱く異国趣味。東方趣味。
②西洋で行われている東洋、特に中東地域の学術研究。
③西洋の東洋に対する支配の様式(サイードの定義)。東洋に後進性・官能性・受動性・神秘性といった非ヨーロッパ‐イメージを押しつける、西洋の自己中心的な思考様式。
オリエンタル【oriental】
「東方の」「東洋の」「東洋風の」の意。
オリエンテーション【orientation】
①ものごとの進路・方向を定めること。また、それが定まるように指導すること。方向づけ。
②新入生や新入社員に対する説明・教育。
オリエンテーリング【orienteering】
野外運動競技の一つ。地図と磁石を頼りに、山野に設けた指定地点を発見・通過し、短時間に目的地に着くことを競うもの。
オリエント【Orient】
(日の出の地oriens ラテンに由来)
①東洋。東方諸国。
②ヨーロッパから見て、近東諸国。西洋史上、特に古代のエジプト・メソポタミアを指す。
↔オクシデント
おり‐おき【折置】ヲリ‥
民家で柱の上に梁はりをかけ、その上に軒桁のきげたを置いた構造。↔京呂きょうろ
おり‐おり【折折】ヲリヲリ
〔名・副〕
①ときどき。そのときどき。おりふし。竹取物語「恋しからむ―取り出でて見給へ」。「四季―の花」
②段々。次第次第。方丈記「齢は歳々にたかく栖すみかは―にせばし」
オリオン【Ōriōn】
ギリシア神話で、ボイオティアの巨人の猟師。アルテミスに殺されたというが、異説もある。
⇒オリオン‐ざ【オリオン座】
⇒オリオン‐せいうん【オリオン星雲】
オリオン‐ざ【オリオン座】
(Orion ラテン)天の赤道の両側にまたがる星座。首星はベテルギウス。俗に三つ星と呼ぶものを含む。2月上旬の夕暮れに南中。
オリオン座
⇒オリオン【Ōriōn】
オリオン‐せいうん【オリオン星雲】
オリオン座の三つ星の南に扇形に広がった星雲。代表的な散光星雲。
オリオン星雲の中心部
撮影:NASA/STScI
オリオン星雲
撮影:Anglo-Australian Observatory/Royal Observatory,Edinburgh
⇒オリオン【Ōriōn】
オリガーキー【oligarchy】
寡頭制。寡頭政治。
おり‐かえし【折返し】ヲリカヘシ
①折り返すこと。また、その折り目。「羽織の―」
②引き返すこと。
③詩や歌の各節に共通して繰り返す結尾の句。リフレーン。ルフラン。
④(副詞的に)返事・返答をすぐにするさま。間をおかずに。「―上京を促した」
⇒おりかえし‐うんてん【折返し運転】
⇒おりかえし‐てん【折返し点】
⇒おりかえし‐めい【折返し銘】
おりかえし‐うんてん【折返し運転】ヲリカヘシ‥
列車・バスなどが、災害・事故などで不通になった区間の前後だけを往復して運行すること。
⇒おり‐かえし【折返し】
おりかえし‐てん【折返し点】ヲリカヘシ‥
同じ道を往復する場合の往きの終点で、そこから来た方向に引き返す地点。
⇒おり‐かえし【折返し】
おりかえし‐めい【折返し銘】ヲリカヘシ‥
刀の茎なかごをすり上げるとき、銘が切れるのを惜しんで裏に折り返したもの。
⇒おり‐かえし【折返し】
おり‐かえ・す【折り返す】ヲリカヘス
〔他五〕
①折って二重にする。二重に折る。「すそを―・す」
②(詩歌などを)くりかえす。再びする。
③来た方へもどす。引き返す。「20キロ地点で―・す」
おり‐かがみ【折り屈み】ヲリ‥
礼儀作法。立居振舞い。おれかがみ。浮世風呂2「どのやうにやかましく申しても、―が直りませぬ」
おり‐か・く【折り懸く】ヲリ‥
〔他下二〕
①折ってひっかける。
②(矢などを)折ってそのままにしておく。保元物語「射向けの袖に立ちたる矢ども―・け」
③(自動詞的に)折り返して寄せかける。平家物語3「白波しきりに―・けて」
おり‐かけ【折懸・折掛】ヲリ‥
①おりかけること。
②幟のぼりの上の乳ちに通すための折金。
③折懸垣の略。
④折懸灯籠の略。
⑤折懸旗の略。
⇒おりかけ‐いはい【折掛位牌】
⇒おりかけ‐がき【折懸垣】
⇒おりかけ‐だる【折掛樽】
⇒おりかけ‐どうろう【折懸灯籠】
⇒おりかけ‐ばた【折懸旗】
おりかけ‐いはい【折掛位牌】ヲリ‥ヰ‥
(壱岐で)墓場へ持参しておいてくる位牌。野辺位牌のべいはい。
⇒おり‐かけ【折懸・折掛】
おりかけ‐がき【折懸垣】ヲリ‥
竹・柴などを折り曲げ、両端を地に刺したものをつらねて作る垣。おりかけ。謡曲、鉢木「山里の―の梅をだに」
⇒おり‐かけ【折懸・折掛】
おりかけ‐だる【折掛樽】ヲリ‥
神に酒をささげる器。竹を二つの節の外から切って中間を削そぎ、二つに折り曲げて両端に神酒をいれ、木の枝などにかける。
⇒おり‐かけ【折懸・折掛】
おりかけ‐どうろう【折懸灯籠】ヲリ‥
竹を折りかけて作った盆灯籠。おりかけ。〈[季]秋〉
⇒おり‐かけ【折懸・折掛】
おりかけ‐ばた【折懸旗】ヲリ‥
旗竿の先端に横手をつけ四半しはんを通した幟のぼりの一種。おりかけ。
⇒おり‐かけ【折懸・折掛】
おり‐かご【折籠】ヲリ‥
折のように作った籠。食品などを入れて客に供する。
おり‐かさな・る【折り重なる】ヲリ‥
〔自五〕
多くのものが上へ上へと重なりあう。尾崎紅葉、不言不語「露けき梢
々じょうじょうに―・るを」。「―・って倒れる」
おり‐かさ・ねる【折り重ねる】ヲリ‥
〔他下一〕[文]をりかさ・ぬ(下二)
折って、上へ積み重ねる。畳んで重ねる。新拾遺和歌集雑「花の錦は―・ねつつ」。「古新聞を―・ねる」
おり‐がし【折菓子】ヲリグワ‥
折詰にした菓子。
おり‐かた【折形】ヲリ‥
①飾り物または贈り物を紙で包む時にその紙を折る方式。時代・流儀などによって、種類が多い。
②赤飯などを贈る時、胡麻塩などを包む折紙。
③紙を種々の形に折りたたむこと。
おり‐がね【折金】ヲリ‥
①(→)帯留1に同じ。
②幟の横上よこがみの乳ちに通すための曲がった金。おりかけ。
おり‐かばん【折鞄】ヲリ‥
書類などを入れて携えるのに用いる、二つに折りたためるかばん。おれかばん。
おり‐がみ【折紙】ヲリ‥
(室町時代は清音)
①折った紙。特に、奉書・鳥の子・檀紙などを横に二つに折ったもので、消息、進物の目録、鑑定書などに用いる。また、「たとうがみ(畳紙)」のこと。玉葉集雑「信実朝臣、夢に―に書きて定家卿の前にさしおくと」
②書画・刀剣・器物・技量などの鑑定書。転じて、一般に保証すること。→極書きわめがき。
③色紙いろがみで鶴・風船などを折る子供の遊び。折紙細工。また、それに用いる紙。
⇒おりがみ‐じょう【折紙状】
⇒おりがみ‐だち【折紙太刀】
⇒おりがみ‐つき【折紙付】
⇒おりがみ‐どうぐ【折紙道具】
⇒おりがみ‐もの【折紙物】
⇒折紙を付ける
おりがみ‐じょう【折紙状】ヲリ‥ジヤウ
折紙1に書いた書状。
⇒おり‐がみ【折紙】
おりがみ‐だち【折紙太刀】ヲリ‥
折紙2つきの太刀。
⇒おり‐がみ【折紙】
おりがみ‐つき【折紙付】ヲリ‥
①鑑定保証の折紙がついていること。また、そのもの。「―の壺」
②保証付のもの。確かなもの。「―の怠け者」
⇒おり‐がみ【折紙】
おりがみ‐どうぐ【折紙道具】ヲリ‥ダウ‥
折紙つき、すなわち鑑定書のついた道具。
⇒おり‐がみ【折紙】
おりがみ‐もの【折紙物】ヲリ‥
折紙つきのもの。刀剣の値が金4枚以上のものにいう。(嬉遊笑覧)→札物ふだもの
⇒おり‐がみ【折紙】











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