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た‐の‐み【田の実】🔗🔉

た‐の‐み田の実】 ①田にみのった稲の実。源氏物語明石「この世の設けに秋の―を刈り収め」 ②陰暦8月朔日ついたちに新穀を贈答して祝った民間行事。田の実すなわち稲のみのりを祝う意から起こるという。「たのみの祝」「たのむの節」「たのむの日」「たのも節供」などという。 ③(「憑」と書く)君臣相たのむ意にかけて、たのみ奉る主君へ太刀・馬・唐物などを贈り、主君からも物を返し賜ること。鎌倉中期から武家の間に行われ、室町時代には幕府の重い儀式となり、憑たのみ総奉行を置いた。江戸時代に至り、徳川家康の江戸入城が8月朔日だったので元日と同じく重い式日とし、諸大名は賀辞を述べ太刀献上の事があった。

たの・む【頼む・恃む・憑む】🔗🔉

たの・む頼む・恃む・憑む】 [一]〔他五〕 手を合わせて祈る意からか。自分を相手にゆだねて願う意。 ①力を貸してもらえるよう、相手にすがる。万葉集14「いましを―・み母に違ひぬ」。源氏物語明石「住吉の神を―・みはじめ奉りて、この十八年になり侍りぬ」 ②あてにする。それを力とする。万葉集11「吾妹子が袖を―・みて真野の浦の小菅の笠を着ずて来にけり」。源氏物語賢木「なき人に行きあふ程をいつと―・まむ」。「衆を―・んで横車を押す」「師と―・む人」 ③信用する。万葉集4「百千たび恋ふといふとも諸茅らが練の言葉は吾は―・まじ」 ④他にゆだねる。委託する。依頼する。天草本伊曾保物語「親類を―・うで、再び帰りあはれいと妻を頼まるれど」。「仕事を―・む」「出前を―・む」 ⑤その人を主人として一身を託する。平家物語12「頼朝を―・まば助けて使はんは、いかに」。狂言、吾妻大名「身共が―・うだ人はお大名でござるが」 ⑥武士などが、他家を訪れて案内を請う言葉。たのもう。歌舞伎、勧善懲悪覗機関「しかし―・まう―・まうは本職だ」 ⑦懇願する。歌舞伎、助六所縁江戸桜「白玉さん、―・みやんすにえ」。「―・むから許してやってくれ」 [二]〔他下二〕 たのみに思わせる。あてにさせる。万葉集14「あれを―・めてあさましものを」。源氏物語夕顔「この世のみならぬ契りなどまで―・め給ふに」 ⇒頼む木の下に雨漏る

たのもし【頼母子・憑子】🔗🔉

たのもし頼母子・憑子】 (「たのむ(田の実)」から出た語か)頼母子講のこと。 ⇒たのもし‐こう【頼母子講】

つか・れる【憑かれる】🔗🔉

つか・れる憑かれる】 〔自下一〕 他の霊魂がのりうつった状態になる。神がかりになる。「ものに―・れる」

つき‐びと【憑き人】🔗🔉

つき‐びと憑き人】 もののけ・狐などにつかれた人。枕草子一本23「わび泣いたる様の心苦しげなるを、―の知り人どもなどはらうたく思ひ」

つき‐もの【付き物】🔗🔉

つき‐もの付き物】 ①ある物に当然付属してあるべき物。硯すずりに墨の類。また、ある事にいつも付随して生じるもの。島崎藤村、夜明け前「物を極端に持つて行くことは維新の―であるのか」 ②(「憑物」と書く)人にのりうつったものの霊。もののけ。風姿花伝「仮令けりょう―の品々、神・仏・生霊・死霊の咎めなどは」。「―が落ちる」

ひょう‐い【憑依】🔗🔉

ひょう‐い憑依】 (「憑」は、よる・つくの意) ①よりすがること。よりどころとすること。 ②霊などがのりうつること。憑くこと。

ひょう‐きょ【憑拠】🔗🔉

ひょう‐きょ憑拠】 よりどころ。依拠。根拠。また、証拠。

より‐しろ【依代・憑代】🔗🔉

より‐しろ依代・憑代】 神霊が招き寄せられて乗り移るもの。樹木・岩石・御幣・神籬ひもろぎなどの有体物で、これを神霊の代りとして祭る。かたしろ。

より‐まし【憑坐】🔗🔉

より‐まし憑坐】 神霊が取り付く人間。特に、祈祷師が神霊を招き寄せて乗り移らせたり託宣を告げさせたりするためにともなう霊媒としての女性や童子。ものつき。よりびと。尸童。平家物語3「―明王みょうおうの縛ばくにかけて、霊あらはれたり」

[漢]憑🔗🔉

 字形 〔心(忄・)部12画/16画/5665・5861〕 〔音〕ヒョウ(漢) 〔訓〕よる・たのむ・つく [意味] ①よりかかる。たよりとする。たのむ。「憑拠・信憑性」。よりどころ。「徴憑・証憑」 ②とりつく。もののけなどがつく。のりうつる。「憑依」 ③徒歩でわたる。(同)馮。「暴虎ぼうこ憑河」 ▷は異体字。

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