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かすり【掠り・擦り】🔗🔉

かすり掠り・擦り】 ①かすること。軽く触れること。 ②うわまえをはねること。また、その金。口銭。余得。わずかな利得。洒落本、根柄異軒之伝「多くはらひものを取次ぎ、少しばかりの―をせしめ」 ③文字などを筆をかすらせて書くこと。 ④「かすり傷」の略。 ⑤地口じぐち。しゃれ。醒睡笑「うまれつきて―秀句をいふに上手なり」 ⑥俳諧で、語の一部分の音に他の意義を兼ねさせること。「うきこと」に「琴」の意をきかせる類。秀句・地口・口合くちあいと同一系統に属する。 ⇒かすり‐うた【掠り唄】 ⇒かすり‐がき【掠り書き】 ⇒かすり‐きず【掠り傷】 ⇒かすり‐ずみ【掠り墨】 ⇒かすり‐で【掠り手】 ⇒かすり‐とり【掠り取り】 ⇒かすり‐ふで【掠り筆】 ⇒かすり‐や【掠り矢】

かす・る【掠る・擦る】🔗🔉

かす・る掠る・擦る】 [一]〔他五〕 ①軽く触れる。わずかに触れて過ぎる。「腕を―・る」 ②ほのめかす。諷する。浄瑠璃、心中万年草「その人の名は言ひかねて、思ふあたりを―・らする」 ③底などをさらう。容器をからにする。傾城禁短気「夕に米唐櫃こめがらとを―・り、朝に薪たえて」 ④文字などをかすり筆で書く。 ⑤かすめ奪う。うわまえをはねる。誹風柳多留2「そば切りのあかりを―・る夜蛤」 [二]〔自下二〕 ⇒かすれる(下一)

かす・れる【掠れる・擦れる】🔗🔉

かす・れる掠れる・擦れる】 〔自下一〕[文]かす・る(下二) ①かすかに触れる。軽く触れて通りすぎる。 ②筆跡の所々に墨・インクなどのつかないところができる。「筆が―・れる」 ③声がしわがれる。

こすり【擦り・錯】🔗🔉

こすり擦り・錯】 ①こすること。ざらざらしたものをすりみがくこと。狂言、太刀奪たちばい「まづおのれ此縄に―をかけて」 ②やすりをかけること。 ③鑢やすりの異称。新撰字鏡6「錯、鑢也、己須利、又也須利、又乃保支利」 ④木片に木賊とくさの枯茎を貼り付け、木などを磨くもの。

こすり‐つ・く【擦り付く】🔗🔉

こすり‐つ・く擦り付く】 [一]〔自五〕 こするように近寄る。 [二]〔他下二〕 ⇒こすりつける(下一)

こすり‐つ・ける【擦り付ける】🔗🔉

こすり‐つ・ける擦り付ける】 〔他下一〕[文]こすりつ・く(下二) 押しつけてなすりつける。力を入れてこする。「靴の泥を石に―・ける」

こす・る【擦る・錯る】🔗🔉

こす・る擦る・錯る】 〔他五〕 ①おしつけて摩擦する。すりみがく。夏目漱石、三四郎「寐てゐた男がむつくり起きて眼を―・りながら下りて行つた」 ②あてこする。いやみをいう。誹風柳多留23「どうるいがあると母親―・られる」

こす・れる【擦れる】🔗🔉

こす・れる擦れる】 〔自下一〕 互いにすれあう。

さっ‐か【擦過】‥クワ🔗🔉

さっ‐か擦過‥クワ かすること。すりむくこと。 ⇒さっか‐しょう【擦過傷】

さっか‐しょう【擦過傷】‥クワシヤウ🔗🔉

さっか‐しょう擦過傷‥クワシヤウ かすりきず。すりきず。 ⇒さっ‐か【擦過】

さつげん‐がっき【擦弦楽器】‥ガク‥🔗🔉

さつげん‐がっき擦弦楽器‥ガク‥ 弦楽器のうち、主として馬尾毛ばすを張った弓で弦をこすって演奏するもの。木の棒でこする場合もある。胡弓・バイオリンの類。擦奏楽器。弓弦楽器。弓奏楽器。

さっ‐こん【擦痕】🔗🔉

さっ‐こん擦痕(→)氷河擦痕に同じ。

さつ‐ざい【擦剤】🔗🔉

さつ‐ざい擦剤】 皮膚に塗擦し内部に吸収させる外用薬。石鹸・脂肪油などに種々の薬物を混和したもの。リニメント。

さっ‐しょう【擦傷】‥シヤウ🔗🔉

さっ‐しょう擦傷‥シヤウ すりむいた傷。すりきず。

さっ‐ぴつ【擦筆】🔗🔉

さっ‐ぴつ擦筆】 吸取紙・鞣革なめしがわを巻いて筆のようにつくったもの。コンテ・木炭画などの線をぼかすのに用いる。 ⇒さっぴつ‐が【擦筆画】

さっぴつ‐が【擦筆画】‥グワ🔗🔉

さっぴつ‐が擦筆画‥グワ 擦筆を用いてぼかしをかけた画。 ⇒さっ‐ぴつ【擦筆】

さつ‐もん【擦文】🔗🔉

さつ‐もん擦文】 土器の表面を木片でこすったときについた、刷毛目はけめ状の痕跡。 ⇒さつもん‐ぶんか【擦文文化】

さつもん‐ぶんか【擦文文化】‥クワ🔗🔉

さつもん‐ぶんか擦文文化‥クワ 8〜13世紀、北海道全域と東北地方北端に見られる文化。擦文土器を指標とする。北海道特有の続縄文文化に当時の本州の文化が刺激を与え、成立したもの。石器は消滅し鉄器が普及。一部農耕も行われたが、狩猟・漁労に生活基盤をおく。近世アイヌ文化の先駆と考えられる。 ⇒さつ‐もん【擦文】

すった‐もんだ【擦った揉んだ】🔗🔉

すった‐もんだ擦った揉んだ⇒する(摩)(成句) ○擦った揉んだすったもんだ もつれが起こって争うさま。ごたごたもめるさま。「投票をめぐって―する」「―のあげくに」 ⇒す・る【摩る・擦る・磨る・擂る】

○擦った揉んだすったもんだ🔗🔉

○擦った揉んだすったもんだ もつれが起こって争うさま。ごたごたもめるさま。「投票をめぐって―する」「―のあげくに」 ⇒す・る【摩る・擦る・磨る・擂る】 す‐づつ酢筒】 昔、酢を入れるのに用いた竹筒。狂言、酢薑すはじかみ「あれをすつぱと切て―にしたらばよからう」 ずって 相殺そうさいすること。帳消しにすること。浄瑠璃、新版歌祭文「それで算用―にさんせ」 すって‐の‐こと既の事(→)「すんでのこと」に同じ。浄瑠璃、生写朝顔話「―にあぶない所を」 すってん‐ころり 勢いよくころぶさま。 すってんてん 金銭や物が全くなくなったさま。「株に失敗して―になる」 すっ‐と 〔副〕 ①瞬時に音もなく行われるさま。「ドアが―開いた」「―通る」 ②まっすぐにのびるさま。狂言、萩大名「―出た枝を見たか」。「眉を―引く」 ③わだかまりがとれて気が晴れるさま。「胸が―する」 ずっ‐と 〔副〕 ①数量・程度にはなはだしい開きのあるさま。はるかに。段違いに。ずいぶん。浮世床2「―あとで見る」。「この方が―よい」「―昔」 ②ためらわないさま。さらに進むさま。ずいと。浄瑠璃、心中宵庚申「案内なしに―通り」 ③同じ状態が切れ目なく続くさま。時間的にも空間的にもいう。「―立ち通しだ」 すっとこ‐どっこい ①馬鹿囃子ばかばやしのはやしことば。 ②ののしっていう語。馬鹿野郎の類。 すっと‐の‐かわすっとの皮‥カハ (→)「すっぱのかわ」に同じ。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「アノ爰ここな―めが」 すっ‐とば・す素っ飛ばす】 〔他五〕 (スッは接頭語) ①勢いよく飛ばす。また、車などを勢いよく走らせる。 ②途中を抜かす。「予定のプログラムを―・す」 すっ‐と・ぶ素っ飛ぶ】 〔自五〕 (スッは接頭語) ①勢いよく飛ぶ。飛び出る。「帽子が―・ぶ」「記者は現場へ―・んだ」 ②急に消えてなくなる。消滅する。「眠気が―・ぶ」 すっ‐とぼ・ける素っ惚ける】 〔自下一〕 (スッは接頭語)「とぼける3」を強めて言う語。そらとぼける。 すっ‐とんきょう素頓狂‥キヤウ 「頓狂」を強めていう語。非常に間の抜けたさま。「―な声を出す」 ずつ‐な・い術無い】 〔形〕[文]ずつな・し(ク) (ズチナシの転)処置のしようがない。苦しい。今昔物語集4「我等餓えつかれて―・し」。浄瑠璃、女殺油地獄「アア―・い、母様母様」 ずつ‐なが・る術無がる】 〔自四〕 苦しがる。切せつながる。歌舞伎、幼稚子敵討おさなごのかたきうち「イヤモウ細かには存ぜぬ、と―・る」 ずつ‐なし術無し】 はたらきのない者。無能者。 ずつ‐な・し術無し】 〔形ク〕 ⇒ずつない すっ‐ぱ透波・素っ破】 ①戦国大名が野武士・強盗などの中から召し出して、間諜または軍隊の先導などを勤めさせたもの。乱波らっぱ。間者。忍びの者。甲陽軍鑑9「―共は又敵地へ罷越候へと」 ②盗賊。すり。かたり。狂言、真奪しんばい「おのれこそ―なれ」 ③うわきな人。ふまじめな人。浄瑠璃、本朝廿四孝「男たらしの―より、可愛らしいのはこの三橋」 ④人をだますこと。うそ。洒落本、秘事真告ひじまつげ「おぼこな顔をしてといふ様な―はすくなし」 ⇒すっぱ‐ぬき【素っ破抜き】 ⇒すっぱ‐ぬ・く【素っ破抜く】 ⇒すっぱ‐の‐かわ【透波の皮】 すっぱ・い酸っぱい】 〔形〕 酸い味がする。酸い。「―・い梅干」「口を―・くして注意する」 すっ‐ぱだか素っ裸】 まるはだか。すはだか。〈[季]夏〉 すっぱ‐と 〔副〕 みごとに物を切るさま。すぱっと。狂言、酢薑すはじかみ「あれを―切て」 ずっぱ‐と 〔副〕 勢いよく物を貫き通すさま。また、勢いよく切るさま。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「―切れども」 すっぱ‐ぬき素っ破抜き】 すっぱぬくこと。特に、人の秘密をあばいて公にすること。 ⇒すっ‐ぱ【透波・素っ破】 すっぱ‐ぬ・く素っ破抜く】 〔他五〕 ①刀などをだしぬけに抜く。 ②突然、人の隠し事などをあばく。「スキャンダルを―・く」 ③人の意表に出る。だしぬく。 ⇒すっ‐ぱ【透波・素っ破】 すっぱ‐の‐かわ透波の皮‥カハ かたり。盗人。盗人根性。すっとの皮。浄瑠璃、八百屋お七「―な若衆が、此久兵衛が僅かなる家一軒を見込みにて」 ⇒すっ‐ぱ【透波・素っ破】 すっ‐ぱらいすっ払い‥パラヒ (青森地方で)末っ子。 すっぱり ①みごとに切り離すさま。あざやかに切るさま。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「横に払へば又―」 ②思い切りがよいさま。きれいさっぱり。東海道中膝栗毛5「そんな事はもつてこいだ。―とわつちが上方でやらかしやしやう」。「―手を切る」「―とあきらめる」 ③全く。断然。ことごとく。すっかり。歌舞伎、お染久松色読販「あれ程な代物が―はけて」 すっ‐ぴん素っぴん】 化粧をしていないこと。素顔のままであること。 ずっぷり ①水・湯などの中に全体をつけるさま。また、雨などのために全身が濡れるさま。松翁道話「この身は―、教の中へ漬りて居ながら」。「―と湯につかる」 ②日がすっかり暮れるさま。とっぷり。浄瑠璃、伊賀越道中双六「話に紛れて―と日の暮れてあるに気が付かなんだ」 スッペFranz von Suppé】 オーストリアの作曲家。オペレッタ「詩人と農夫」「軽騎兵」「ボッカッチョ」などで知られる。ズッペ。(1819〜1895) スッペ 提供:Lebrecht Music & Arts/APL →オペレッタ「詩人と農夫」序曲 提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株) すっぺが・す 〔他四〕 ①前髪を剃り落とす。 ②はがす。 すっぺら‐ぽん 残らず。すっかり。からっぽ。すっからかん。歌舞伎、幼稚子敵討おさなごのかたきうち「おだて上げて―と遣はせしまうて」 すっぺり 〔副〕 ①残らず。すっかり。浄瑠璃、心中宵庚申「父様の病は―癒らう」 ②平らで滑らかなさま。 すっ‐ぽかし ①すっぽかすこと。 ②いいかげんなこと。うそ。東海道中膝栗毛6「さつきの女どもがとんだ―を教へやアがつた」 すっ‐ぽか・す 〔他五〕 ①そのままにして捨て置く。ほかす。 ②約束をしたこと、しなければいけないことを履行しないでほうっておく。 すっぽ‐ぬけすっぽ抜け】 ①すっぽ抜けること。 ②全く忘れること。 すっぽ‐ぬ・けるすっぽ抜ける】 〔自下一〕 ①はまっていたものが、何かの拍子に抜ける。「靴が―・ける」 ②野球などで、投球の際に球がうまく指にかからず、狙いが外れる。 ③すっかり忘れる。「会議の予定が―・けていた」 すつぼ‐めすつぼ目】 落ちくぼんだ目。かなつぼまなこ。狂言、今参「―で候へば」 すっぽり ①吸い込まれるようにはまり込んだり、はまり込んでいたものが勢いよく抜け出たりするさま。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「踏みつくれば底も鏡も―と抜けたるを」。「穴に―はまりこむ」 ②(すっぽりと抜けているの意で)愚鈍なもの。間抜け。浄瑠璃、傾城八花がた「ヤレうつそりの―め」 ③完全に包み込まれているさま。「ふとんを―かぶる」 すっぽん】 ①カメの一種。甲羅は軟らかな皮膚でおおわれ、他のカメと異なり鱗板はない。また、中央を除いて骨質板の退化が著しく、縁辺は軟らかい。頸は長く、自在に伸縮する。背部は淡暗青灰色、腹部は白色、口吻は尖ってよく物を噛む。前後肢共に3爪を具える。本州・四国・九州の河川・池沼にすむ。肉は美味、滋養に富み、血は強精剤とされる。また、広義にはスッポン科のカメの総称。アジア・アフリカ・アメリカに約20種。蓋ふた。川亀。どろがめ。まる。「何を音にすぽん鳴くらん五月雨闇さつきやみ(其角)。「―のように食い付いたら離れない」 すっぽん ②歌舞伎劇場の本花道の七三しちさんにある切穴。奈落ならくから花道へ役者をせり上がらせるためのもの。 ③船の淦あかをくみ出すためのポンプ。あかとり。 ⇒すっぽん‐たけ【鼈茸】 ⇒すっぽん‐に【鼈煮】 ⇒すっぽん‐もどき【鼈擬き】 ⇒鼈が時をつくる

すり‐がね【擦鉦・摺鉦】🔗🔉

すり‐がね擦鉦・摺鉦(→)当り鉦がねに同じ。

すり‐がらし【擦り枯らし】🔗🔉

すり‐がらし擦り枯らし】 (スリカラシとも) ①食い詰めておちぶれること。また、その人。浄瑠璃、薩摩歌「気味よいあたまのすり鉢びん、江戸―と見えたよな」 ②すれからし。すれっからし。西鶴織留5「大坂中の水呑ふでまはりし―の、右の手にしやくしの柄の跡のつきたる女」

すり‐きず【擦傷】🔗🔉

すり‐きず擦傷】 擦りむいた肌の傷。擦過傷さっかしょう。かすりきず。

すり‐ちが・う【擦り違ふ】‥チガフ🔗🔉

すり‐ちが・う擦り違ふ‥チガフ 〔自四〕 「すれちがう」に同じ。浄瑠璃、堀川波鼓「―・うて妹のお藤、するすると走り出で」

すり‐つけぎ【擦付木・摺付木】🔗🔉

すり‐つけぎ擦付木・摺付木】 (明治期の語)マッチのこと。

すり‐つ・ける【擦り付ける】🔗🔉

すり‐つ・ける擦り付ける】 〔他下一〕[文]すりつ・く(下二) ①こすりつける。なすりつける。 ②すって火をつける。

すり‐ぬ・ける【擦り抜ける】🔗🔉

すり‐ぬ・ける擦り抜ける】 〔自下一〕 ①狭い所や群集の中などを、ぶつからないよう体をかわしながらぬけでる。「人ごみを―・ける」 ②あれこれとまぎらわしてうまく免れる。「その場はなんとか―・けた」

すり‐ば【擦場】🔗🔉

すり‐ば擦場】 川魚が川底に身をすりつけて産卵する場所。掘場。付場。

すり‐び【擦火・摺火】🔗🔉

すり‐び擦火・摺火】 燧石ひうちいしを火打金ひうちがねですって出す火。きりび。 ⇒すりび‐うち【擦火打】

すりび‐うち【擦火打】🔗🔉

すりび‐うち擦火打】 燧石ひうちいしを火打金ですって火を出すこと。また、それらの道具。 ⇒すり‐び【擦火・摺火】

すり‐む・く【擦り剥く】🔗🔉

すり‐む・く擦り剥く】 [一]〔他五〕 物に強くすって外皮をむく。「膝を―・く」 [二]〔自下二〕 ⇒すりむける(下一)

すり‐む・ける【擦り剥ける】🔗🔉

すり‐む・ける擦り剥ける】 〔自下一〕[文]すりむ・く(下二) 物に強くすれて外皮がむける。

すり‐よ・る【擦り寄る・摩り寄る】🔗🔉

すり‐よ・る擦り寄る・摩り寄る】 〔自五〕 ①すれ合うほどに側近く寄る。 ②すり膝で近寄る。いざって近寄る。 ③力のある者に何らかの意図をもって近づく。「上司に―・る」

す・る【摩る・擦る・磨る・擂る】🔗🔉

す・る摩る・擦る・磨る・擂る】 [一]〔他五〕 ①物と物とを力をこめて触れ合わす。こする。万葉集5「たまきはる命絶えぬれ立ちをどり足―・り叫び伏し仰ぎ胸うち嘆き」。源氏物語明石「空は墨を―・りたるやうにて日も暮れにけり」。天草本平家物語「磯に出て網人、釣人に手を―・り、膝をかがめて魚をもらひ」。歌舞伎、景清「胡弓をば人丸に―・らせ」。「マッチを―・る」 ②《擂》擂鉢・石臼などに入れて、すりつぶして細かにくだく。曠野「味噌―・る音の隣さわがし」(舟泉)。「山芋を擂鉢で―・る」「胡麻を―・る」 ③費やす。使い果たす。日葡辞書「スリキッタヒト」。「博打ばくちですっかり―・ってしまった」 ④(「掏る」と書く)人の身につけている金品を直接ひそかに盗みとる。「電車の中で財布を―・られる」 [二]〔自下二〕 ⇒すれる(下一) ⇒擦った揉んだ

すれ【摩れ・擦れ】🔗🔉

すれ摩れ・擦れ】 すれること。手ずれ。

すれ‐あ・う【摩れ合う・擦れ合う】‥アフ🔗🔉

すれ‐あ・う摩れ合う・擦れ合う‥アフ 〔自五〕 ①物と物とがふれあう。摩擦する。 ②争いにくむ。仲が悪く相争う。西鶴織留5「その後は日毎に―・ひ、内儀腹立して」

すれ‐からし【擦れ枯らし】🔗🔉

すれ‐からし擦れ枯らし】 世間ずれして、厚かましく、わるがしこくなったこと。また、その人。すれっからし。すりがらし。梅暦「たしかにうはきの風に吹き流された―と思ひの外に」

すれ‐きず【擦れ疵】🔗🔉

すれ‐きず擦れ疵】 すれてできた疵。すりきず。

すれ‐すれ【摩れ摩れ・擦れ擦れ】🔗🔉

すれ‐すれ摩れ摩れ・擦れ擦れ】 ①ほとんど触れ合うほどに、近づくさま。きわどいさま。「断崖―に走るバス」「―で合格する」 ②互いに仲のわるいさま。浄瑠璃、妹背山婦女庭訓「御領分のせり合で、お二人の親御様は―」

すれ‐ちがい【擦れ違い】‥チガヒ🔗🔉

すれ‐ちがい擦れ違い‥チガヒ すれちがうこと。「対向車との―」「議論の―」

すれ‐ちが・う【擦れ違う】‥チガフ🔗🔉

すれ‐ちが・う擦れ違う‥チガフ 〔自五〕 ①たがいに触れ合うほど近くを通って、それぞれ反対の方向へ行く。「列車が―・う」 ②出会うはずのところを出会わないでしまう。行き違う。「ちょっとのところで―・う」 ③議論などで、論点が合致しない状態になる。

すれっ‐からし【擦れっ枯らし】🔗🔉

すれっ‐からし擦れっ枯らし】 スレカラシの促音化。

すれ‐もの【擦れ者・摩れ者】🔗🔉

すれ‐もの擦れ者・摩れ者】 ①世情に馴れた者。物事になれた者。傾城禁短気「傾城遊女にまさる―」 ②遊興に馴れた者。遊里の事に通じて、享楽を巧みにする者。粋人。好色一代男2「かかる所にも―ありやと」

す・れる【摩れる・擦れる・磨れる・擂れる】🔗🔉

す・れる摩れる・擦れる・磨れる・擂れる】 〔自下一〕[文]す・る(下二) ①物と物とが触れ合って動く。こすれる。続猿蓑「後屋の塀に―・れたり村紅葉」 ②ものに触れて原形が損じ、または尽きる。「袖口が―・れた服」 ③(人が)世の中でもまれて純真さを失う。馴れ馴れしくずるくなる。「あの人は都会に出てから―・れてしまった」 ④仲悪く争う。きしる。すれあう。

なすく・る【擦くる】🔗🔉

なすく・る擦くる】 〔他五〕 (→)「なする」に同じ。

なすり‐あい【擦り合い】‥アヒ🔗🔉

なすり‐あい擦り合い‥アヒ 罪や責任などを押しつけあうこと。「責任の―」

なすり‐つ・ける【擦り付ける】🔗🔉

なすり‐つ・ける擦り付ける】 〔他下一〕[文]なすりつ・く(下二) ①こすりつける。すりつける。 ②責任または罪などを他人に負わせる。

なす・る【擦る】🔗🔉

なす・る擦る】 〔他五〕 ①すりつける。ぬりつける。 ②責任または罪を他人に負わせる。転嫁する。「罪を人に―・る」

[漢]擦🔗🔉

 字形  筆順 〔手(扌)部14画/17画/常用/2704・3B24〕 〔音〕サツ(漢) 〔訓〕る・れる [意味] 手でさする。こする。「摩擦・塗擦剤・擦過傷」 [解字] 形声。「手」+音符「察」(=家のすみずみまでこすってきれいにする)。手でこすって汚れをとりさる意。

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