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広辞苑の検索結果 (7)
の(音節)🔗⭐🔉
の
①舌尖を前硬口蓋に接して発する鼻子音〔n〕と母音〔o〕との結合した音節。〔no〕 上代特殊仮名遣では奈良時代に甲〔no〕乙〔nö〕2類の別があった。
②平仮名「の」は「乃」の草体。片仮名「ノ」は「乃」の最初の1画。
の【荷】🔗⭐🔉
の【荷】
荷にの古形。複合語に用いる。万葉集2「―前さきの篋はこの」
の【野】🔗⭐🔉
の【幅】🔗⭐🔉
の【幅】
①布の幅はばを数える語。一幅は普通鯨尺8寸ないし1尺(約30センチメートルないし38センチメートル)。「三み―ぶとん」
②一幅分の布。はぎ合わせたものの部分についていう。
の【箆】🔗⭐🔉
の【箆】
①ヤダケの古名。〈倭名類聚鈔20〉
②矢柄やがら。平家物語9「馬の額を―深に射させて」
の(助詞)🔗⭐🔉
の
〔助詞〕
➊(格助詞)
①連体格を示す。前の語句の内容を後の体言に付け加え、その体言の内容を限定する。現代語では「の」の前後の内容に場面の差がない時に使われ、その差がある時は「…からの」「…までの」のように、その差を示す語を補って使うが、古代語では場面から理解できれば「…の」だけで使えた。後に付く体言が省略され、体言に準じて使われることもある。
㋐場所を示す。…にある。…にいる。…における。皇極紀「彼方おちかた―浅野―雉きぎし」。万葉集7「巻向―桧原の山を」。土佐日記「県あがた―四年五年果てて」。古今和歌集序「大空―月」。平家物語9「宇治川―先陣」。「東京―おじさん」
㋑時を示す。…における。万葉集2「秋―月夜は」。万葉集12「夕よい―物思ひ」。「昨日―出来事」
㋒位置・方角を示す。…に対する。万葉集2「御井―上より」。万葉集4「餓鬼―後しりえにぬかづくがごと」。「都―西北」
㋓向かって行く時・所を示す。…までの。…への。万葉集15「会はむ日―形見にせよと」。伊勢物語「都―つとにいざといはましを」。源氏物語若紫「朱雀院―行幸あるべし」
㋔対象を示す。…への。…との。…についての。源氏物語手習「山ごもり―御羨み」。源氏物語玉鬘「故少弐―仲悪しかりける国人」。「自動車―運転」「夫―操縦法」
㋕所有者を示す。「が」に比べ敬意をこめて使われると捉えられることもある。…のものである。…が持っている。古事記中「をとめ―床の辺」。万葉集1「采女―袖」。源氏物語葵「若君―御乳母」。史記抄「晋文公―夫人は繆公―女ぢや」。「私―本」「あなた―家」
㋖所属を示す。…に属している。万葉集1「珠裳たまも―裾に」。万葉集5「玉桙の道―隈廻くまみに」。万葉集5「天の下申し給ひし家―子と選び給ひて」。竹取物語「駿河の国にあなる山―頂き」。平家物語1「神祇官―官人」。「本校―生徒」「腕―付け根」「子供―手を引く」「5月―5日」「東京―世田谷」
㋗同格の関係であることを示す。…である。…で。…であり、かつ…である。万葉集9「見てしかといぶせむ時―垣ほなす人の問ふ時」。今昔物語集31「若き女―年二十余ばかりにていと清げなる出で来たり」。蒙求抄10「歩兵の官の人―厨に営む人あつて」。「弟―三郎」
㋘原料・材料を示す。…でできた。古事記上「玉―みすまる」。古今和歌集春「白
しろたえ―袖ふりはへて」。「毛糸―セーター」
㋙資格や置かれた状態・状況を示す。…である。…という。万葉集3「わが背―君」。源氏物語桐壺「帝王―上なき位」。徒然草「希有―狼藉」。「博士―称号」「入ったばかり―新人」「交戦中―国」
㋚固有名詞による限定。…という(名の)。古事記上「八千矛―神」。万葉集1「大和―国」。堤中納言物語「中将―乳母めのと」
㋛思い浮かぶもとを示す。「天神様―北野」「津―伊勢」
㋜体言・形容詞語幹・副詞・句などの属性を持つことを示す。万葉集2「おそ―みやび男」。万葉集18「あはれ―鳥と」。竹取物語「猛―者」。源氏物語夕顔「わざと―声」。新古今和歌集恋「忘れじ―行く末まではかたければ」。平家物語9「あなむざん―盛長や」。「急―話」
㋝形式名詞に先立ってその実質・内容を示す。万葉集2「朝露―如ごと、夕霧―如」「波―共むたか寄りかく寄る」。万葉集20「大君の任まけ―まにまに」。竹取物語「御心ざし―程は見ゆべし」。源氏物語桐壺「右大弁の子―やうに思はせて」
㋞比喩を示す。…のような。「花―都パリ」
→が。
②後の体言が省略されたもの。(古くは体言のみを受けたが室町時代以後は活用語の連体形をも受ける。口語では頻用され、準体助詞として別扱いする説もある)
㋐先行する名詞を省略。仏足石歌「仏は常―もあれど」。土佐日記「とかく言ひて前の守かみも今―ももろともにおりて」。四河入海「世間にある兎は皆雌也。月中―は雄兎ぞ」。「この万年筆はどなた―ですか」
㋑体言の代用をする。…のもの。…のこと。…の人。狂言、絹粥ひめのり「それがしが好いて読む―は源氏平家の物語」。浄瑠璃、ひらかな盛衰記「これ申し、お隣り―」。「できた―をもらう」
③体言を受け、連用修飾語を示す。
㋐(多く、和歌の序詞の技法)上の語句の内容を比喩・例示とするもの。…のように。万葉集2「樹この下隠りゆく水―吾こそ増さめ御念ひよりは」。万葉集5「鳴きゆく鳥―音ねのみし鳴かゆ」。源氏物語夕顔「例―急ぎ給うて」
㋑(「もの―」の形で)1㋗の同格の用法から転じて、矛盾した状態の共存を示し、逆接の接続助詞的用法となる。源氏物語夕顔「つれなくねたきもの―忘れがたきにおぼす」。源氏物語明石「をかしきもの―さすがにあはれと聞き給ふふしふしもあり」
④もたらした主体を示す。
㋐従属文での述語の表す内容をもたらした主体を示す。…が。…のする。主文で「が」を使うのに対し従属文では「の」を使うとする考えもあったが、現代語では、従属文でも「が」で表すことが多い。現代語では「の」を受けた文末は詠嘆止めとなる。古事記中「命―全けむ人は」。万葉集10「にほふ黄葉もみち―散らまく惜しも」。伊勢物語「栗原のあねはの松―人ならば」。古今和歌集序「春のあしたに花―散るを見」。蒙求抄3「氷―はる時分」。毛詩抄「成王―もつてきて、近比辛労ぢやと云て」。天草本平家物語「宰相殿―さてござれば」。「あなた―読んだ本」「こぼれた後にまた露―置く」
㋑疑問・反語・詠嘆の文で、もたらした主体を示す。万葉集1「心なく雲―かくさふべしや」。万葉集7「巻向山は継ぎ―よろしも」。古今和歌集恋「思ひつつ寝ぬればや人―見えつらむ」
㋒言い切り文の主体を示す。中古の詠嘆文に始まり、室町・江戸期に多くあるが、そのほとんどが感動・強調などの表現。古今和歌集哀傷「見れば涙―たぎまさりけり」。曾我物語3「梶原殿―来きたれり」。東海道中膝栗毛3「外聞げえぶん―わるい」
㋓対象を示す。述語は体言と同等になるために連体格と同等にも考えられる。万葉集3「手弱き女おみなにしあればすべ―知らなく」。万葉集5「妹らを見らむ人―羨ともしさ」。万葉集11「妹が目―見まく欲しけく」。蒙求抄10「酒―飲みたき時ゆく也」。浮世風呂前「とつさまが曲つた事―嫌きれえな人だのに」
⑤撥音ンで終わる体言に助詞「を」が付き、連声れんじょうによってノとなったもの。目的格を示す。狂言、烏帽子折「油断―させまいといふ事ぢや」。浄瑠璃、凱陣八島「哀憐―垂れ、通さんこそ本意ならめ」。東海道中膝栗毛2「しからば六十二文―つかはそうか」
➋(並立助詞)(室町時代以後の用法)
①事物を並べあげて問題にする。同類を集めたり、反対のものを比較したりする。史記抄「日本には、裳―、ひの袴―なんどと云て」。浄瑠璃、大経師昔暦「宿賃―、米―、味噌―と算用したら」。「貸した―借りない―と言いあっていた」「行く―行かない―、迷って決められない」
②ある活用語とその否定形とを重ねて上の語の意味を強める。「いやもう、面白い―面白くない―って」「走った―走らない―、ものすごい勢いだった」
➌(終助詞)
①会話の中で、語調をやわらげつつ、聞き手を意識しての感動を示す。狂言、釣狐「其狐を釣る物をちと見たい―」。狂言、吟じ聟「鈍な奴―」。浄瑠璃、女殺油地獄「ア、ざはざはと何ぢや―」。浮世風呂2「ヲヤおばさん、お早かつた―」。「わたしはこれが好きな―」「私、何とも思っていません―」
②疑問文の末尾の「か」を略したもの。「何を話している―」「京都へはいつ行く―」「もう御飯は食べた―」
➍(間投助詞)文節の切れ目に付いて聞き手に軽く念を押しながら話を進める。江戸語に多く、遠慮のいらない聞き手に対して用いる。…ね。浮世風呂2「いま―、お前の所へ寄つたら―」。仮名文章娘節用「アノ、内に居る様におこると―、をばさんが泊めて下さらないヨ」
しろたえ―袖ふりはへて」。「毛糸―セーター」
㋙資格や置かれた状態・状況を示す。…である。…という。万葉集3「わが背―君」。源氏物語桐壺「帝王―上なき位」。徒然草「希有―狼藉」。「博士―称号」「入ったばかり―新人」「交戦中―国」
㋚固有名詞による限定。…という(名の)。古事記上「八千矛―神」。万葉集1「大和―国」。堤中納言物語「中将―乳母めのと」
㋛思い浮かぶもとを示す。「天神様―北野」「津―伊勢」
㋜体言・形容詞語幹・副詞・句などの属性を持つことを示す。万葉集2「おそ―みやび男」。万葉集18「あはれ―鳥と」。竹取物語「猛―者」。源氏物語夕顔「わざと―声」。新古今和歌集恋「忘れじ―行く末まではかたければ」。平家物語9「あなむざん―盛長や」。「急―話」
㋝形式名詞に先立ってその実質・内容を示す。万葉集2「朝露―如ごと、夕霧―如」「波―共むたか寄りかく寄る」。万葉集20「大君の任まけ―まにまに」。竹取物語「御心ざし―程は見ゆべし」。源氏物語桐壺「右大弁の子―やうに思はせて」
㋞比喩を示す。…のような。「花―都パリ」
→が。
②後の体言が省略されたもの。(古くは体言のみを受けたが室町時代以後は活用語の連体形をも受ける。口語では頻用され、準体助詞として別扱いする説もある)
㋐先行する名詞を省略。仏足石歌「仏は常―もあれど」。土佐日記「とかく言ひて前の守かみも今―ももろともにおりて」。四河入海「世間にある兎は皆雌也。月中―は雄兎ぞ」。「この万年筆はどなた―ですか」
㋑体言の代用をする。…のもの。…のこと。…の人。狂言、絹粥ひめのり「それがしが好いて読む―は源氏平家の物語」。浄瑠璃、ひらかな盛衰記「これ申し、お隣り―」。「できた―をもらう」
③体言を受け、連用修飾語を示す。
㋐(多く、和歌の序詞の技法)上の語句の内容を比喩・例示とするもの。…のように。万葉集2「樹この下隠りゆく水―吾こそ増さめ御念ひよりは」。万葉集5「鳴きゆく鳥―音ねのみし鳴かゆ」。源氏物語夕顔「例―急ぎ給うて」
㋑(「もの―」の形で)1㋗の同格の用法から転じて、矛盾した状態の共存を示し、逆接の接続助詞的用法となる。源氏物語夕顔「つれなくねたきもの―忘れがたきにおぼす」。源氏物語明石「をかしきもの―さすがにあはれと聞き給ふふしふしもあり」
④もたらした主体を示す。
㋐従属文での述語の表す内容をもたらした主体を示す。…が。…のする。主文で「が」を使うのに対し従属文では「の」を使うとする考えもあったが、現代語では、従属文でも「が」で表すことが多い。現代語では「の」を受けた文末は詠嘆止めとなる。古事記中「命―全けむ人は」。万葉集10「にほふ黄葉もみち―散らまく惜しも」。伊勢物語「栗原のあねはの松―人ならば」。古今和歌集序「春のあしたに花―散るを見」。蒙求抄3「氷―はる時分」。毛詩抄「成王―もつてきて、近比辛労ぢやと云て」。天草本平家物語「宰相殿―さてござれば」。「あなた―読んだ本」「こぼれた後にまた露―置く」
㋑疑問・反語・詠嘆の文で、もたらした主体を示す。万葉集1「心なく雲―かくさふべしや」。万葉集7「巻向山は継ぎ―よろしも」。古今和歌集恋「思ひつつ寝ぬればや人―見えつらむ」
㋒言い切り文の主体を示す。中古の詠嘆文に始まり、室町・江戸期に多くあるが、そのほとんどが感動・強調などの表現。古今和歌集哀傷「見れば涙―たぎまさりけり」。曾我物語3「梶原殿―来きたれり」。東海道中膝栗毛3「外聞げえぶん―わるい」
㋓対象を示す。述語は体言と同等になるために連体格と同等にも考えられる。万葉集3「手弱き女おみなにしあればすべ―知らなく」。万葉集5「妹らを見らむ人―羨ともしさ」。万葉集11「妹が目―見まく欲しけく」。蒙求抄10「酒―飲みたき時ゆく也」。浮世風呂前「とつさまが曲つた事―嫌きれえな人だのに」
⑤撥音ンで終わる体言に助詞「を」が付き、連声れんじょうによってノとなったもの。目的格を示す。狂言、烏帽子折「油断―させまいといふ事ぢや」。浄瑠璃、凱陣八島「哀憐―垂れ、通さんこそ本意ならめ」。東海道中膝栗毛2「しからば六十二文―つかはそうか」
➋(並立助詞)(室町時代以後の用法)
①事物を並べあげて問題にする。同類を集めたり、反対のものを比較したりする。史記抄「日本には、裳―、ひの袴―なんどと云て」。浄瑠璃、大経師昔暦「宿賃―、米―、味噌―と算用したら」。「貸した―借りない―と言いあっていた」「行く―行かない―、迷って決められない」
②ある活用語とその否定形とを重ねて上の語の意味を強める。「いやもう、面白い―面白くない―って」「走った―走らない―、ものすごい勢いだった」
➌(終助詞)
①会話の中で、語調をやわらげつつ、聞き手を意識しての感動を示す。狂言、釣狐「其狐を釣る物をちと見たい―」。狂言、吟じ聟「鈍な奴―」。浄瑠璃、女殺油地獄「ア、ざはざはと何ぢや―」。浮世風呂2「ヲヤおばさん、お早かつた―」。「わたしはこれが好きな―」「私、何とも思っていません―」
②疑問文の末尾の「か」を略したもの。「何を話している―」「京都へはいつ行く―」「もう御飯は食べた―」
➍(間投助詞)文節の切れ目に付いて聞き手に軽く念を押しながら話を進める。江戸語に多く、遠慮のいらない聞き手に対して用いる。…ね。浮世風呂2「いま―、お前の所へ寄つたら―」。仮名文章娘節用「アノ、内に居る様におこると―、をばさんが泊めて下さらないヨ」
ノー【no】🔗⭐🔉
ノー【no】
①否定・拒否を表す語。いや。いいえ。否。「―がなかなか言えない」↔イエス。
②(接頭語的に)「非」「無」などの意。「―‐スリーブ」「―‐コメント」
大辞林の検索結果 (8)
の🔗⭐🔉
の
(1)五十音図ナ行第五段の仮名。歯茎鼻音の有声子音と後舌の半狭母音とから成る音節。
(2)平仮名「の」は「乃」の草体。片仮名「ノ」は「乃」の初画。
〔奈良時代までは,上代特殊仮名遣いで甲乙二類の別があり,発音上区別があったとされる〕
の【野】🔗⭐🔉
の [1] 【野】
(1)自然のままに草や木の生えた広い平らな土地。野原。「―を越え山を越え」「やはり―におけれんげ草」
(2)田畑。のら。「―に出て働く」
(3)建築・器物などで,内部に隠れて外から見えない部分。
⇔化粧
(4)名詞の上に付いて複合語をつくる。(ア)動植物を表す語に付いて,それが自然に山野で生長したものであること,野生のものであることを表す。「―ねずみ」「―いちご」「―うさぎ」(イ)人を表す語に付いて,正式のものでないこと,粗野であることの意を表す。「―幇間(ダイコ)」「―出頭」
の【幅・布】🔗⭐🔉
の [1] 【幅・布】
(1)布製のものの幅(ハバ)を数える単位。並幅(約36センチメートル)一枚を一幅(ヒトノ)とする。「四―の布団」「三―半」
(2)接ぎ合わせた布の一枚一枚。「主や誰きるひとなしに藤袴見れば―ごとにほころびにけり/詞花(秋)」
の🔗⭐🔉
の
■一■ (格助)
(1)連体修飾語を作る。(ア)後続する名詞との所有・所在・所属・行為者などの関係を表す。「私―本」「空―星」「学校―先生」「偉人―業績」(イ)性質・状態・材料などを表して下に続ける。「花―都」「紫―糸」「急―話」(ウ)人間・数量・位置・論理などについての関係を表す。「社会悪―問題」「大臣―身辺」(エ)同格の関係を表す。現代語では「ところの」「との」の形をとることがある。(a)「政治家―山下氏」「よろしくと―おことば」(b)「ビール―冷やしたの」「ある荒夷(エビス)―,恐しげなるが/徒然 142」(オ)動作性名詞に付いて,その動作・作用の主が後ろの名詞であることを表す。「操業中―漁船」「ご賛成―方」(カ)後ろの動作性名詞が表す動作・作用の主体・対象であることを表す。「彼―援助で助かる」「酒―飲みたさをこらえる」(キ)「ごとし」「ようだ」「こと」などを続いて言って,実質・内容を表す。「リンゴ―ように赤い」「よって件(クダン)―ごとし」
(2)従属句の主格・対象語格を表す。「ぼく―読んだ本」「お酒―飲みたい人」「折節―移りかはるこそ,ものごとに哀なれ/徒然 19」
(3)(序詞などで用いて)「のように」の意味で,下の用言にかかる。「青山を横ぎる雲―いちしろく我と笑まして人に知らゆな/万葉 688」
(4)叙述を途中で言いさして,後に続ける。「門出したる所は,めぐりなどもなくて,かりそめの茅屋―,しとみなどもなし/更級」
■二■ (準体助)
「のもの」など,名詞に準ずる意味に用いられる。
(1)名詞に付いて,「のもの」の意を表す。「ぼく―がない」「こっち―がいい」「草の花は,なでしこ。唐―はさらなり。大和―もいとめでたし/枕草子 67」
(2)活用語の連体形に付いて,その活用語を体言と同じ資格にする。「リンゴは赤い―がいい」「行く―はだれだ」
(3)(「のだ」「のです」「のだろう」などの形で)確信的な断定・推定を表す。「ついに失敗した―である」「君がやった―だ」
■三■ (並立助)
用言その他の語に付いて,物事をいくつも並べあげる場合に用いる。「なん―か―とうるさいぞ」「貸す―貸さない―とさんざんにもめた」「神仙伝―列仙伝―神仙通鑑―なんどと言うたぞ/史記抄 10」
■四■ (終助)
(1)(下降調のイントネーションを伴って)断定の意を表す。「お金,使っちゃった―」「だめだった―」
(2)(上昇調のイントネーションを伴って)質問の意を表す。「のか」の形をとることもある。「だれがした―」「ねえ,くれない―」
(3)念を押す気持ちを表す。「のよ」「のね」などの形をとることもある。「道草しないで帰る―よ」「ふうん,ほんとうだった―」
(4)(強いイントネーションを伴って)命令の意を表す。「さあ,早く寝る―」「だまって歩く―」
〔上代からの語。(1)語や文節を結び付け,連体修飾語を作る(■一■(1))のが本来の用法。(2)■二■は■一■から派生したものであるが,(1)の用法はすでに上代からみられる。(3)■三■は中世以降の用法。(4)■四■は■二■(2)から派生したもので,近世以降の用法。(5)■一■(4)は,断定の助動詞の連用形とする説もある〕
の🔗⭐🔉
の (格助)
〔格助詞「を」が,撥音「ん」の後に来て,連声によって「の」の形をとったもの。中世後期から近世へかけての語〕
格助詞「を」に同じ。「一すぢながながととほりて剣―とぎたてたが如くにてあるそ/中華若木詩抄」
の🔗⭐🔉
の
■一■ (終助)
(1)文末に用いて,感動の気持ちをこめ,同意をうながしたり念を押したりする。だね。「しばらく見ないうちに,ずいぶん大きくなった―」「誠らしうは思はねど嘘に涙は出ぬもの,真実去るが定ぢや―/浄瑠璃・宵庚申(下)」
(2)文末にあって,感動の意をこめて指定する。だなあ。「おのれ,にくいやつ―/狂言・末広がり(虎寛本)」
■二■ (間投助)
文節末に用いて,言葉の調子を整える。ね。「そうして―,とうとう死んでしまったとさ」
〔中世後期以降の語。■二■は現在ではやや古めかしい言い方にのみ用いられる〕
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