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広辞苑の検索結果 (49)
さし【差し】🔗⭐🔉
さし【差し】
[一]〔名〕
①(「尺」とも書く)長短をはかる具。ものさし。
②二人ですること。
㋐さしむかい。人情本、縁結娯色糸えんむすびごしきのいと「併し―ぢや飲めねえね」。「―で話す」
㋑さしにない。「―でかつぐ」
③さしさわり。歌舞伎、小袖曾我薊色縫「御新造の前では―であつた」
④さしとおすもの。
㋐(「釵子」とも書く)かんざし。
㋑(「刺」「指」とも書く)米刺こめさし。
㋒(「緡」とも書く)銭差ぜにさし。狂言、緡縄さしなわ「いや―がなうて。えつながなんだ」
⑤(普通「サシ」と書く)能の構成要素の一つ。拍子に合わせない謡で、ごく単純な節で言い流す一節。
⑥舞楽・能などで、手をさし出す類の動作。また、舞曲を数えるのに用いる語。「一―舞う」
⑦下級の女官。おさし。
[二]〔接頭〕
動詞に冠して語勢を強め、あるいは調える。万葉集11「雷神なるかみのしまし響とよもし―曇り」。「―招く」「―出す」「―迫る」
ざし【差し】🔗⭐🔉
ざし【差し】
〔接尾〕
ある語に添えて物の姿・状態を表す語。「枝―」「おも―」
さし‐あお・ぐ【差し仰ぐ】‥アフグ🔗⭐🔉
さし‐あお・ぐ【差し仰ぐ】‥アフグ
〔自四〕
上を向く。あおぐ。竹取物語「えとどむまじければ、ただ―・ぎて泣きをり」
さし‐いそ・ぐ【差し急ぐ】🔗⭐🔉
さし‐いそ・ぐ【差し急ぐ】
〔自五〕
「いそぐ」を強めていう語。
さし‐いらえ【差し応へ】‥イラヘ🔗⭐🔉
さし‐いらえ【差し応へ】‥イラヘ
①応答。返事。源氏物語夕顔「え―も聞えず」
②相手をすること。合奏などをすること。源氏物語宿木「ひとりごとはさうざうしきを、―し給へかし」
さし‐おさ・える【差し押さえる】‥オサヘル🔗⭐🔉
さし‐おさ・える【差し押さえる】‥オサヘル
〔他下一〕[文]さしおさ・ふ(下二)
①「おさえる」を強めていう語。とどめる。
②差押えをする。「証拠物件を―・える」
さし‐かえ・る【差し帰る】‥カヘル🔗⭐🔉
さし‐かえ・る【差し帰る】‥カヘル
〔自四〕
棹をさして帰る。源氏物語橋姫「―・る宇治の川をさ」
さし‐かか・る【差し掛かる】🔗⭐🔉
さし‐かか・る【差し掛かる】
〔自五〕
①その場に臨む。その時期になる。「峠に―・る」「雨期に―・る」
②まぎわになる。さしせまる。狂言、山立聟「―・つた事で御座れば、断りを云うて、後から送らせられい」
③上からおおいかぶさる。好色一代男1「世之介四阿屋あずまやの棟に―・り」
さし‐かく・す【差し隠す】🔗⭐🔉
さし‐かく・す【差し隠す】
〔他五〕
(扇・袖などを)かざしてかくす。源氏物語横笛「まろ、顔は隠さむ。なほなほとて、御袖して―・し給へば」
さし‐か・ける【差し掛ける】🔗⭐🔉
さし‐か・ける【差し掛ける】
〔他下一〕[文]さしか・く(下二)
①盃をさし向ける。蜻蛉日記下「土器かわらけ―・けられ」
②かさなどを上からかざす。狂言、末広がり「内へ入つて―・けい」
③寄りかからせる。
さし‐かた【差し肩】🔗⭐🔉
さし‐かた【差し肩】
高く張って水平になった肩。いかり肩。今昔物語集24「丈高くて―にて見苦しかりけるを」↔撫肩なでがた
さし‐かた・める【差し固める・鎖し固める】🔗⭐🔉
さし‐かた・める【差し固める・鎖し固める】
〔他下一〕[文]さしかた・む(下二)
①門・戸などを堅くとざす。固く警戒する。源氏物語横笛「こはなど、かく―・めたる」
②厳重に身ごしらえをする。平治物語「腹巻に小具足―・めて」
さし‐がね【差し金】🔗⭐🔉
さし‐がね【差し金】
①(「指矩」とも書く)(→)「まがりがね(曲尺)」に同じ。
②文楽の人形の左手に取り付けられ、手首や指を動かす棒と紐ひもの仕掛け。
③歌舞伎の小道具。蝶・鳥などを操る黒塗りの細い竹ざお。
④転じて、陰で人をそそのかしあやつること。「局長の―で動く」
⑤⇒さしきん
さし‐く・む【差し汲む】🔗⭐🔉
さし‐く・む【差し汲む】
〔他四〕
手を伸ばして汲み取る。蜻蛉日記中「雲ゐよりこちくの声を聞くなへに―・むばかり見ゆる月影」
さし‐ぐ・む【差し含む】🔗⭐🔉
さし‐ぐ・む【差し含む】
〔自五〕
なみだぐむ。後撰和歌集恋「いにしへの野中の清水見るからに―・むものは涙なりけり」
さし‐く・る【差し繰る】🔗⭐🔉
さし‐く・る【差し繰る】
〔他五〕
さしつかえのないように都合をつける。くりあわせる。「時間を―・る」
さし‐くわ・える【差し加える】‥クハヘル🔗⭐🔉
さし‐くわ・える【差し加える】‥クハヘル
〔他下一〕[文]さしくは・ふ(下二)
「加える」を強めていう語。つけ加える。
さし‐こ・える【差し越える】🔗⭐🔉
さし‐こ・える【差し越える】
〔自下一〕[文]さしこ・ゆ(下二)
あるべき順序をふみこえて行う。特に、人をさしおいて先に出る。
さし‐こ・す【差し越す】🔗⭐🔉
さし‐こ・す【差し越す】
〔自五〕
①越えて前へ出る。
②他をさしおいて事を行う。一定の順序・手続をふまずに行う。
③(他動詞として)送って来る。よこす。
さし‐こなし【差しこなし】🔗⭐🔉
さし‐こなし【差しこなし】
刀などを腰にさした具合。さしぶり。浄瑠璃、聖徳太子絵伝記「大刀・刀の―」
さし‐こ・ゆ【差し越ゆ】🔗⭐🔉
さし‐こ・ゆ【差し越ゆ】
〔自下二〕
①上を越えて通る。蜻蛉日記上「松山の―・えてしもあらじ世をわれによそへて騒ぐ波かな」
②さしでる。でしゃばる。枕草子28「今参りの―・えて、物知り顔に教へやうなる事いひうしろみたる」
さし‐こわら・す【差し強らす】‥コハラス🔗⭐🔉
さし‐こわら・す【差し強らす】‥コハラス
〔他四〕
刀を腰にさしていかめしく装う。浄瑠璃、持統天皇歌軍法「大だら―・し」
さし‐じお【差し塩】‥ジホ🔗⭐🔉
さし‐じお【差し塩】‥ジホ
苦味のある劣等な塩。↔真塩ましお
さしすぎ‐びと【差し過ぎ人】🔗⭐🔉
さしすぎ‐びと【差し過ぎ人】
出過ぎたことをする人。さしでもの。でしゃばり。源氏物語夢浮橋「例の物めでの―、いと有難くをかしと思ふべし」
さし‐す・ぐ【差し過ぐ】🔗⭐🔉
さし‐す・ぐ【差し過ぐ】
〔自上二〕
①出過ぎる。さしでる。源氏物語空蝉「未だいと若きここちにさこそ―・ぎたるやうなれど」
②通り過ぎる。平家物語10「佐野の松原―・ぎて」
さし‐すぐ・す【差し過す】🔗⭐🔉
さし‐すぐ・す【差し過す】
〔自四〕
(→)「さしすぐ」1に同じ。
さし‐ちがえ【差し違え】‥チガヘ🔗⭐🔉
さし‐ちがえ【差し違え】‥チガヘ
①入れ違えること。誤って他の方へ差すこと。
②たがいちがいにすること。
③相撲で、行司が勝負を見誤り、負けた方に軍配を差すこと。
さし‐ちが・える【差し違える】‥チガヘル🔗⭐🔉
さし‐ちが・える【差し違える】‥チガヘル
〔他下一〕[文]さしちが・ふ(下二)
①たがいちがいにする。枕草子278「三尺の御几帳一具ひとよろいを―・へて」
②誤って他の方へさし入れる。
③相撲で、行司が誤って負けた方へ軍配をあげる。
○差しつ抑えつさしつおさえつ🔗⭐🔉
○差しつ抑えつさしつおさえつ
盃をさしたり、他人のさしてくれるのをおさえたり。盛んに盃をとりかわして、の意。
⇒さ・す【差す・指す】
さし‐つかえ【差支え】‥ツカヘ
さしつかえること。都合の悪い事情。さわり。さまたげ。支障。「―があって行けない」
さし‐つか・える【差し支える】‥ツカヘル
〔自下一〕[文]さしつか・ふ(下二)
都合の悪いことが生ずる。障害が生ずる。さまたげとなる。さしあう。「夜更しは仕事に―・える」
さし‐つかわ・す【差し遣わす】‥ツカハス
〔他五〕
さしむけてつかわす。派遣する。
さし‐つぎ【刺継ぎ】
布地の弱った所を、同質・同色のやや細めの糸で刺縫いして丈夫にする継ぎ方。
さし‐つぎ【指し継ぎ】
将棋で、指しかけの対局を再開すること。
さし‐つぎ【差次・差継】
①次の位置。次位。つぎ。源氏物語末摘花「左衛門の乳母とて、大弐の―におぼいたるが娘」
②極臈ごくろうに次ぐ六位の蔵人。
③差引勘定。
さし‐つ・く【差し着く・差し付く】
[一]〔自四〕
さす棹で舟が岸に着く。源氏物語浮舟「かの岸に―・きて下り給ふに」
[二]〔他下二〕
①物におしあてる。
②棹をさして舟を岸に着ける。源氏物語澪標「岸に―・くるほど見れば」
③目の前に差し出す。つきつける。
④あてつける。あてこする。
さし‐つ・ぐ【差し次ぐ・差し継ぐ】
〔自四〕
次につづく。後につづく。源氏物語若菜下「この院・大殿に―・ぎ奉りては、人も参り仕うまつり」
さしつけ‐て【差付けて】
〔副〕
つきつけて。あからさまに。歌舞伎、幼稚子敵討おさなごのかたきうち「―申出す折もござりませぬ」
さしつけ‐に【差付けに】
〔副〕
いきなり。うちつけに。
さしっ‐こ【刺子】
サシコの促音化。
さし‐つかわ・す【差し遣わす】‥ツカハス🔗⭐🔉
さし‐つかわ・す【差し遣わす】‥ツカハス
〔他五〕
さしむけてつかわす。派遣する。
さし‐つ・ぐ【差し次ぐ・差し継ぐ】🔗⭐🔉
さし‐つ・ぐ【差し次ぐ・差し継ぐ】
〔自四〕
次につづく。後につづく。源氏物語若菜下「この院・大殿に―・ぎ奉りては、人も参り仕うまつり」
○差しつ差されつさしつさされつ🔗⭐🔉
○差しつ差されつさしつさされつ
互いに何度も酒を注つぎあうさま。「―一晩語り合う」
⇒さ・す【差す・指す】
さ‐しったり【然知ったり】
①かねて待ちかまえていた時に発する声。こころえた。おっと合点だ。浄瑠璃、ひらかな盛衰記「はつしと打つ。―と開く身に」
②心得ていたのに油断して失敗した時に発する声。ええしまった。浄瑠璃、日本振袖始「突けども斬れども手答へなし。―と取り直し」
さし‐づつ【指筒】
(→)受筒うけづつ1に同じ。
さし‐づと【差髱】
江戸中期、髱たぼを水平に丸く突き出すのに用いたかもじ。
さし‐つど・う【差し集う】‥ツドフ
〔自五〕
寄りあつまる。枕草子82「長押なげしのしもに火近く取りよせて、―・ひて」
さし‐づな【差綱】
(→)「さしなわ」に同じ。
さし‐つま・る【差し詰る】
〔自四〕
①つまる。窮する。浄瑠璃、曾我会稽山「この詞に兄弟―・つたる気を開き」
②その場にせまる。さしせまる。世間胸算用3「それぞれの家業外になり行き、―・りて迷惑する事なり」
さしつめ‐ひきつめ【差詰め引詰め】
(サシは矢を弦につがえる、ヒキは弓をひきしぼる意)多くの矢を次々に手早く弦につがえて射出すさま。さしとりひきつめ。さしとりひきとり。平家物語4「究竟くっきょうの弓の上手どもが矢先を揃へて―さんざんに射る」
さし‐つらぬ・く【刺し貫く】
〔他五〕
さしとおす。太平記20「罪人を鉄くろがねの串に―・き」
さし‐て【指し手】
①将棋で、駒を進める方法。
②将棋を指す人。
さし‐て【差し手】
相撲で、自分の手を相手の腋わきの下に差し入れること。また、その手。「―争い」
さし‐て
〔副〕
①(下に打消の語を伴って)これといって。さほど。たいして。格別に。源氏物語賢木「―思ふことなきだに」。「―苦労はない」
②特に。とりわけ。平家物語12「鎌倉殿に―申すべき大事ども候ふ」
⇒さしてもない
さし‐で【差し出】
①さしでること。
②差し出口。日葡辞書「サシデヲイウ」
③差出者。〈日葡辞書〉
⇒さしで‐ぐち【差し出口】
⇒さしで‐の‐いそ【差出の磯】
⇒さしで‐はんがく【差出半学】
⇒さしで‐もの【差し出者】
さしで‐がまし・い【差し出がましい】
〔形〕[文]さしでがま・し(シク)
でしゃばるようである。「―・いまねはよせ」
さしで‐ぐち【差し出口】
分を越えて口出しすること。さしいでぐち。
⇒さし‐で【差し出】
さし‐つま・る【差し詰る】🔗⭐🔉
さし‐つま・る【差し詰る】
〔自四〕
①つまる。窮する。浄瑠璃、曾我会稽山「この詞に兄弟―・つたる気を開き」
②その場にせまる。さしせまる。世間胸算用3「それぞれの家業外になり行き、―・りて迷惑する事なり」
さし‐に【差し荷】🔗⭐🔉
さし‐に【差し荷】
さしにないの荷物。
さし‐の・べる【差し伸べる・差し延べる】🔗⭐🔉
さし‐の・べる【差し伸べる・差し延べる】
〔他下一〕[文]さしの・ぶ(下二)
(ある方向にのばすようにして)出す。さし出す。「救援の手を―・べる」
さし‐はさ・む【挟む・差し挟む】🔗⭐🔉
さし‐はさ・む【挟む・差し挟む】
〔他五〕
①間に入れる。はさみこむ。さしこむ。源氏物語若菜下「(端書を)えよくも隠し給はで、御しとねの下に―・み給ひつ」。「口を―・む」
②転じて、ひそかに心にいだく。含む。多く、悪い思いをいだく意にいう。平家物語5「野心を―・んで朝威をほろぼさんとする輩」
さし‐はず・す【差し外す】‥ハヅス🔗⭐🔉
さし‐はず・す【差し外す】‥ハヅス
〔他四〕
(棹などを)はずす。また、さしそこなう。源氏物語浮舟「童、棹―・して落ち入り侍りにける」
さし‐び【差し火】🔗⭐🔉
さし‐び【差し火】
炭火をさらにつぎ足すこと。また、その火。
さし‐ひ・く【差し引く】🔗⭐🔉
さし‐ひ・く【差し引く】
[一]〔自五〕
(潮が)差したり引いたりする。増減する。日葡辞書「ネッキ(熱気)ガサシヒク」
[二]〔他五〕
ある数から一部を引き去る。へらす。「給料から税金を―・く」
さし‐ひびき【差し響き】🔗⭐🔉
さし‐ひびき【差し響き】
音などがひびくこと。転じて、関係が他に及ぶこと。影響。
さし‐ひび・く【差し響く】🔗⭐🔉
さし‐ひび・く【差し響く】
〔自五〕
(音などが他に響くことから転じて)他に関係を及ぼす。影響する。
さし‐ふる・す【差し旧す・挿し旧す】🔗⭐🔉
さし‐ふる・す【差し旧す・挿し旧す】
〔他四〕
櫛くし・刀などを古くなるまで長い間さす。
さし‐まわし【差し回し】‥マハシ🔗⭐🔉
さし‐まわし【差し回し】‥マハシ
さしまわすこと。
さし‐まわ・す【差し回す】‥マハス🔗⭐🔉
さし‐まわ・す【差し回す】‥マハス
〔他五〕
そちらへ行かせる。さし向ける。「車を―・す」
さし‐め【差し芽】🔗⭐🔉
さし‐め【差し芽】
植物の無性繁殖法の一つ。通常、わずかに枝・茎のついた芽を床とこにさし、発根させて新株を得る。
さし‐や・る【差し遣る】🔗⭐🔉
さし‐や・る【差し遣る】
〔他四〕
押しやる。進める。やる。源氏物語紅葉賀「掻きあはせばかり弾きて、―・り給へれば」
さし‐ゆる・す【差し許す】🔗⭐🔉
さし‐ゆる・す【差し許す】
〔他五〕
「許す」をおもおもしくいう語。
さし‐よ・す【差し寄す】🔗⭐🔉
さし‐よ・す【差し寄す】
〔他下二〕
①そばへよせる。源氏物語若菜上「廊の外とに御車―・せたる人々も」
②短く縮める。三道「五段の内序急を―・せて」
さし‐よ・る【差し寄る】🔗⭐🔉
さし‐よ・る【差し寄る】
〔自四〕
近寄る。寄る。万葉集19「―・らむ磯の崎崎、漕ぎ泊はてむ泊とまり泊に」
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さし【差(し)・指(し)】🔗⭐🔉
さし 【差(し)・指(し)】
■一■ [2] (名)
〔動詞「差す」の連用形から〕
(1)二人で一緒に仕事をしたり,また向かい合って何かをする状態。さしむかい。「―で話したいことがある」
(2)さしつかえ。さしあい。「おまへの方に―があつたらうまくくりあはせて/安愚楽鍋(魯文)」
(3)(普通「サシ」と書く)謡曲で,拍子に合わせず,ごく単純な節で謡う部分。さしごえ。
■二■ (接頭)
動詞に付いて,語勢をととのえたり,意味を強めたりする。「―押さえる」「―迫る」「―招く」
■三■ (接尾)
助数詞。舞の曲数,あるいは手を差し出す類の動作を数えるのに用いる。「一―舞う」
さし-いらえ【差し応へ】🔗⭐🔉
さし-いらえ ―イラヘ 【差し応へ】
(1)返事をすること。「ときどきさるべきことの―,繁樹もうちおぼえ侍らむかし/大鏡(序)」
(2)楽器演奏の相手をすること。「さらば一人事(=独奏)はさうざうしきを,―し給へかし/源氏(宿木)」
さし-おさえ【差し押(さ)え・差押え】🔗⭐🔉
さし-おさえ ―オサヘ [0] 【差し押(さ)え・差押え】
(1)特定の物または権利について私人の処分を禁止する国家権力の行為。
(2)民事訴訟法上,金銭債権の執行の最初の段階として,執行機関が債務者の財産の処分を禁止する強制行為。
(3)行政法上,租税の滞納処分の一段階として滞納者の財産の処分を禁止すること。
(4)刑事手続における押収(オウシユウ)の一方法。
→押収
さし-おさ・える【差し押(さ)える】🔗⭐🔉
さし-おさ・える ―オサヘル [5][0] 【差し押(さ)える】 (動ア下一)[文]ハ下二さしおさ・ふ
差し押さえをする。「工場の設備を―・える」
さし-おろ・す【差(し)下ろす】🔗⭐🔉
さし-おろ・す [0][4] 【差(し)下ろす】 (動サ五[四])
おろす。ある方へ向けて下ろす。「長き枝を水の面に―・したる蔭に/即興詩人(鴎外)」
さし-かえ【差(し)替え・差(し)換え】🔗⭐🔉
さし-かえ ―カヘ [0] 【差(し)替え・差(し)換え】
(1)〔古くは「さしがえ」〕
さしかえること。また,そのために用意しておく物。「―の刀」
(2)活版組版で,校正の指定に従って,組版の誤植や組み違いを正すため活字の取り替え,または組み替えをすること。「誤植の―」
さし-か・える【差(し)替える・差(し)換える】🔗⭐🔉
さし-か・える ―カヘル [0][4][3] 【差(し)替える・差(し)換える】 (動ア下一)[文]ハ下二 さしか・ふ
(1)他の物と入れかえる。取り替える。「メンバーを―・えて試合にのぞむ」
(2)取り替えて別の物を差す。「櫛(クシ)を―・える」
(3)印刷で,校正の指定に従って,活字を取り替えたり組み替えたりする。
さし-かか・る【差し掛(か)る】🔗⭐🔉
さし-かか・る [4][0] 【差し掛(か)る】 (動ラ五[四])
(1)移動していて,ちょうどある地点に至る。通りかかる。「いよいよ最後の急坂に―・る」
(2)ある時期にはいる。その時期・状況になろうとする。「雨期に―・る」
(3)上からおおいかぶさる。「木ノ枝水ニ―・ル/日葡」
さし-かく・す【差(し)隠す】🔗⭐🔉
さし-かく・す [0][4] 【差(し)隠す】 (動サ五[四])
かざして隠す。おおうように隠す。「扇で顔を―・す」
さし-かけ【差(し)掛け】🔗⭐🔉
さし-かけ [0] 【差(し)掛け】
(1)さしかけること。
(2)母屋の壁面から屋根を片流れに出してつけたした部分。下屋(ゲヤ)。
(3)平安時代,四位以下の人の沓(クツ)。鼻切れ。「乗らむとする舟の,―のかたへばかりに見くだされたる/蜻蛉(中)」
さしかけ-がさ【差(し)掛け傘】🔗⭐🔉
さしかけ-がさ [5] 【差(し)掛け傘】
供の者が主人に後方からさしかける長柄の傘。さしかけからかさ。
さしかけ-やね【差(し)掛け屋根】🔗⭐🔉
さしかけ-やね [5] 【差(し)掛け屋根】
母屋へ片流れにさしかけた屋根。さしかけ。下屋(ゲヤ)。
さし-か・ける【差(し)掛ける】🔗⭐🔉
さし-か・ける [0][4] 【差(し)掛ける】 (動カ下一)[文]カ下二 さしか・く
(1)物を差し出して,他の物をおおうようにかざす。「傘を―・ける」
(2)おおうように寄りかからせる。もたせかける。「よしずを―・ける」
(3)杯を相手の方に向けて,酒をすすめる。「かはらけを―・けられなどするを/蜻蛉(下)」
さし-ぐ・む【差し含む】🔗⭐🔉
さし-ぐ・む [0][3] 【差し含む】 (動マ五[四])
〔「ぐむ」は接尾語〕
目に涙がわいてくる。涙ぐむ。「熱き涙―・みたる両眼を/露団々(露伴)」「見ゆるごとにただ―・めるにのみあり/蜻蛉(上)」
さし-げた【差(し)下駄】🔗⭐🔉
さし-げた [0][2] 【差(し)下駄】
差し歯の下駄。足駄(アシダ)。
さしこし-ねがい【差(し)越し願い】🔗⭐🔉
さしこし-ねがい ―ネガヒ [5] 【差(し)越し願い】
規定の順序をふまないで,直接に上官や上司に願い出ること。直訴(ジキソ)。
さし-こ・す【差(し)越す】🔗⭐🔉
さし-こ・す [3] 【差(し)越す】 (動サ五[四])
(1)送ってよこす。
(2)他をさしおいて行う。「つい米八を―・して打解過ぎるむつましさも/人情本・英対暖語」
(3)越えて前に出る。「―・してすすきはほかにまねけども/夫木 11」
さし-こ・ゆ【差し越ゆ】🔗⭐🔉
さし-こ・ゆ 【差し越ゆ】 (動ヤ下二)
でしゃばる。「いま参りの―・えて…いとにくし/枕草子 28」
さし-ざお【差し竿・刺し竿】🔗⭐🔉
さし-ざお ―ザヲ [2] 【差し竿・刺し竿】
小鳥をとるために,竿先にとりもちをつけた竿。
さし-じお【差(し)塩】🔗⭐🔉
さし-じお ―ジホ [0][2] 【差(し)塩】
苦みのある品質の悪い塩。
⇔真塩(マシオ)
さし-す・ぐ【差し過ぐ】🔗⭐🔉
さし-す・ぐ 【差し過ぐ】 (動ガ上二)
(1)度を超える。出すぎる。「足らず,また,―・ぎたることなく,物し給ひけるかな/源氏(帚木)」
(2)通過する。「佐野の松原―・ぎて/平家 10」
さし-ちがえ【差(し)違え】🔗⭐🔉
さし-ちがえ ―チガヘ [0] 【差(し)違え】
(1)入れ違えること。誤って他の方へ差し入れること。
(2)相撲で,行司が判定をまちがって,負けた力士に軍配を上げること。
(3)互い違いにすること。交差させること。
さし-ちが・える【差(し)違える】🔗⭐🔉
さし-ちが・える ―チガヘル [0][5] 【差(し)違える】 (動ア下一)[文]ハ下二 さしちが・ふ
(1)入れ違える。誤って他の方へ差し入れる。
(2)相撲で,行司が判定を誤って負けの力士の方へ軍配を上げる。
(3)入れ違いにする。交差させる。交錯させて置く。「三尺の御几帳一よろひを―・へて/枕草子 278」
さし-つま・る【差し詰まる】🔗⭐🔉
さし-つま・る 【差し詰まる】 (動ラ四)
(1)困った状況に追いこまれて窮する。「此詞に兄弟―・つたる気を開き/浄瑠璃・会稽山」
(2)その場に迫る。さしあたる。「それぞれの家業外に成り行き―・りて迷惑する事なり/浮世草子・胸算用 3」
さし-の・ぶ【差し伸ぶ・差し延ぶ】🔗⭐🔉
さし-の・ぶ 【差し伸ぶ・差し延ぶ】
■一■ (動バ上二)
のびのびとする。「詠み持ちたる歌どもの中にも―・びたる物どもありき/後鳥羽院御口伝」
■二■ (動バ下二)
⇒さしのべる
さし-の・べる【差(し)伸べる・差(し)延べる】🔗⭐🔉
さし-の・べる [4][0] 【差(し)伸べる・差(し)延べる】 (動バ下一)[文]バ下二 さしの・ぶ
(1)伸ばす。「首を―・べる」
(2)「…に手をさしのべる」の形で…を援助する,の意を表す。「救いの手を―・べる」
さし-は・う【差し延ふ】🔗⭐🔉
さし-は・う ―ハフ 【差し延ふ】 (動ハ下二)
ことさらにする。わざわざする。「―・へたる御文にはあらで/源氏(空蝉)」
さし-び【差(し)火】🔗⭐🔉
さし-び [2] 【差(し)火】
炭火の少ないとき,さらに炭火を加えること。また,その炭火。
さし-ひき【差(し)引き】🔗⭐🔉
さし-ひき [2] 【差(し)引き】 (名)スル
(1)ある数量から他の数量を引くこと。また,その残り。「貸しと借りを―する」「―千円の損」
(2)増減すること。(ア)潮の満ち干。(イ)体温の上がり下がり。
(3)指図すること。差配。「糊加減は某(ソレガシ)見申て,―を致さん/仮名草子・浮世物語」
さし-びき【差(し)引き】🔗⭐🔉
さし-びき [0] 【差(し)引き】
人力車でかじ棒を引く者のほかにもう一人が綱をつけて引くこと。また,その車夫。
さし-ひ・く【差(し)引く】🔗⭐🔉
さし-ひ・く [3] 【差(し)引く】 (動カ五[四])
(1)ある数量から他の数量を引きさる。さっぴく。「手数料を―・く」
(2)潮が満ちたり引いたりする。
[可能] さしひける
さし-ぶた【挿し蓋・差し蓋】🔗⭐🔉
さし-ぶた [0] 【挿し蓋・差し蓋】
「落(オ)とし蓋(ブタ)」に同じ。
さし-まわし【差(し)回し】🔗⭐🔉
さし-まわし ―マハシ [0] 【差(し)回し】
指定の場所に向けること。回送。「会社―の車に乗る」
さし-まわ・す【差(し)回す】🔗⭐🔉
さし-まわ・す ―マハス [0][4] 【差(し)回す】 (動サ五[四])
乗り物などを,ある場所へわざわざ差し向ける。「迎えの車を―・す」
[可能] さしまわせる
さし-よ・す【差し寄す】🔗⭐🔉
さし-よ・す 【差し寄す】 (動サ下二)
そばへよせる。「廊の外に御車―・せたる人々も/源氏(若菜上)」
さし-よ・る【差し寄る】🔗⭐🔉
さし-よ・る 【差し寄る】 (動ラ四)
そばへ寄る。近寄る。「乳母に―・りて,いざかし,ねぶたきにとのたまへば/源氏(若紫)」
差しつ抑(オサ)えつ🔗⭐🔉
差しつ抑(オサ)えつ
酒杯をさしたり,相手のさしてくれるのを押し返してすすめたりして酒を飲む。盛んに杯をくみかわす。
差しつ差されつ🔗⭐🔉
差しつ差されつ
酒杯を相手にさしたり,相手からさされたりして酒を飲むさま。盛んに杯をくみかわすさま。さしつおさえつ。
さしかかる【差し掛かる】(和英)🔗⭐🔉
さしかかる【差し掛かる】
(1)[通りかかる]come near;approach.→英和
(2)[垂れ下がる]hang over;be suspended.(3)[切迫する]be pressing[imminent].
さしかける【差し掛ける】(和英)🔗⭐🔉
さしかける【差し掛ける】
holdover a person.→英和
さしまわす【差し回す】(和英)🔗⭐🔉
さしまわす【差し回す】
send (round).→英和
差回しの車 the car sent round.
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