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さし【差(し)・指(し)】🔗⭐🔉
さし 【差(し)・指(し)】
■一■ [2] (名)
〔動詞「差す」の連用形から〕
(1)二人で一緒に仕事をしたり,また向かい合って何かをする状態。さしむかい。「―で話したいことがある」
(2)さしつかえ。さしあい。「おまへの方に―があつたらうまくくりあはせて/安愚楽鍋(魯文)」
(3)(普通「サシ」と書く)謡曲で,拍子に合わせず,ごく単純な節で謡う部分。さしごえ。
■二■ (接頭)
動詞に付いて,語勢をととのえたり,意味を強めたりする。「―押さえる」「―迫る」「―招く」
■三■ (接尾)
助数詞。舞の曲数,あるいは手を差し出す類の動作を数えるのに用いる。「一―舞う」
さし-あい【差(し)合い・指(し)合い】🔗⭐🔉
さし-あい ―アヒ [0] 【差(し)合い・指(し)合い】 (名・形動)
(1)さしつかえ。さしさわり。
(2)あたりさわり。「へえー,と細君が―のない返事をする/吾輩は猫である(漱石)」
(3)連歌・俳諧で,一巻の中に類似の言葉や事物が規定以上に近づくのを嫌うこと。また,それを禁ずる規定(去り嫌い),規定された事項(嫌い物)をもいう。
→去り嫌い
(4)人の前でしてはならないことや,言ってはならないこと。望ましくないこと。また,そのさま。遠慮。「悪口も―あれば喧嘩の種なり/仮名草子・浮世物語」「お堀端でみかけたが―なつれであつたから/洒落本・角鶏卵」
(5)一人の遊女に同時に二人の客が来合わせること。「女郎―,名代廻り部屋/洒落本・遊子方言」
(6)二人で力を合わせて行うこと。「二人で―にかつぐ/野菊之墓(左千夫)」
(7)〔女房詞〕
月のさわり。月経。
さし-あ・う【差(し)合う】🔗⭐🔉
さし-あ・う ―アフ [0][3] 【差(し)合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)他の物事と重なって,さしつかえる。当たり障りがある。
(2)出会う。出くわす。向かい合う。「あまた火ともさせて,小路ぎりに辻に―・ひぬ/落窪 1」「胡国と日本の東のおくの地とは―・ひてぞあんなると/宇治拾遺 15」
(3)言い合う。言い争う。「たとへば山賊と海賊と寄合て互に犯科(ボンカ)の得失を―・ふが如し/太平記 27」
(4)重なり合う。「かやうの事ども―・ひて/狭衣 2」
(5)(酒などを)互いにつぎあう。「美き酒にて有りければ,三人―・ひて/今昔 19」
さし-あお・ぐ【差し仰ぐ】🔗⭐🔉
さし-あお・ぐ ―アフグ 【差し仰ぐ】 (動ガ四)
あおぐ。上を向く。「ただ―・ぎて泣きをり/竹取」
さし-あわ・す【差し合はす】🔗⭐🔉
さし-あわ・す ―アハス 【差し合はす】 (動サ下二)
(1)合わせる。同じにする。「御心を―せて宣はむ事/源氏(行幸)」
(2)いっしょに起こる。重なる。「二つ三つ―・せてあしき事の出きぬる上は/愚管 5」
さし-あわせ【差し合はせ】🔗⭐🔉
さし-あわせ ―アハセ 【差し合はせ】
(1)前後二人で物をかつぐこと。さしにない。「旅の世の憂きをいとはば輿かきのくるしむ道ぞ―なる/三十二番職人歌合」
(2)急な場合に役立てられるもの。「たからは身の―/浮世草子・胸算用 5」
(3)さしさわり。支障。
さし-いらえ【差し応へ】🔗⭐🔉
さし-いらえ ―イラヘ 【差し応へ】
(1)返事をすること。「ときどきさるべきことの―,繁樹もうちおぼえ侍らむかし/大鏡(序)」
(2)楽器演奏の相手をすること。「さらば一人事(=独奏)はさうざうしきを,―し給へかし/源氏(宿木)」
さし-おさえ【差し押(さ)え・差押え】🔗⭐🔉
さし-おさえ ―オサヘ [0] 【差し押(さ)え・差押え】
(1)特定の物または権利について私人の処分を禁止する国家権力の行為。
(2)民事訴訟法上,金銭債権の執行の最初の段階として,執行機関が債務者の財産の処分を禁止する強制行為。
(3)行政法上,租税の滞納処分の一段階として滞納者の財産の処分を禁止すること。
(4)刑事手続における押収(オウシユウ)の一方法。
→押収
さし-おさ・える【差し押(さ)える】🔗⭐🔉
さし-おさ・える ―オサヘル [5][0] 【差し押(さ)える】 (動ア下一)[文]ハ下二さしおさ・ふ
差し押さえをする。「工場の設備を―・える」
さし-おろ・す【差(し)下ろす】🔗⭐🔉
さし-おろ・す [0][4] 【差(し)下ろす】 (動サ五[四])
おろす。ある方へ向けて下ろす。「長き枝を水の面に―・したる蔭に/即興詩人(鴎外)」
さし-かえ【差(し)替え・差(し)換え】🔗⭐🔉
さし-かえ ―カヘ [0] 【差(し)替え・差(し)換え】
(1)〔古くは「さしがえ」〕
さしかえること。また,そのために用意しておく物。「―の刀」
(2)活版組版で,校正の指定に従って,組版の誤植や組み違いを正すため活字の取り替え,または組み替えをすること。「誤植の―」
さし-か・える【差(し)替える・差(し)換える】🔗⭐🔉
さし-か・える ―カヘル [0][4][3] 【差(し)替える・差(し)換える】 (動ア下一)[文]ハ下二 さしか・ふ
(1)他の物と入れかえる。取り替える。「メンバーを―・えて試合にのぞむ」
(2)取り替えて別の物を差す。「櫛(クシ)を―・える」
(3)印刷で,校正の指定に従って,活字を取り替えたり組み替えたりする。
さし-かか・る【差し掛(か)る】🔗⭐🔉
さし-かか・る [4][0] 【差し掛(か)る】 (動ラ五[四])
(1)移動していて,ちょうどある地点に至る。通りかかる。「いよいよ最後の急坂に―・る」
(2)ある時期にはいる。その時期・状況になろうとする。「雨期に―・る」
(3)上からおおいかぶさる。「木ノ枝水ニ―・ル/日葡」
さし-かく・す【差(し)隠す】🔗⭐🔉
さし-かく・す [0][4] 【差(し)隠す】 (動サ五[四])
かざして隠す。おおうように隠す。「扇で顔を―・す」
さし-かけ【差(し)掛け】🔗⭐🔉
さし-かけ [0] 【差(し)掛け】
(1)さしかけること。
(2)母屋の壁面から屋根を片流れに出してつけたした部分。下屋(ゲヤ)。
(3)平安時代,四位以下の人の沓(クツ)。鼻切れ。「乗らむとする舟の,―のかたへばかりに見くだされたる/蜻蛉(中)」
さしかけ-がさ【差(し)掛け傘】🔗⭐🔉
さしかけ-がさ [5] 【差(し)掛け傘】
供の者が主人に後方からさしかける長柄の傘。さしかけからかさ。
さしかけ-やね【差(し)掛け屋根】🔗⭐🔉
さしかけ-やね [5] 【差(し)掛け屋根】
母屋へ片流れにさしかけた屋根。さしかけ。下屋(ゲヤ)。
さし-か・ける【差(し)掛ける】🔗⭐🔉
さし-か・ける [0][4] 【差(し)掛ける】 (動カ下一)[文]カ下二 さしか・く
(1)物を差し出して,他の物をおおうようにかざす。「傘を―・ける」
(2)おおうように寄りかからせる。もたせかける。「よしずを―・ける」
(3)杯を相手の方に向けて,酒をすすめる。「かはらけを―・けられなどするを/蜻蛉(下)」
さし-がさ【差(し)傘】🔗⭐🔉
さし-がさ [3] 【差(し)傘】
(かぶる笠に対し)手で持ってさす傘。手傘。
⇔かぶりがさ
さし-かた【差(し)肩】🔗⭐🔉
さし-かた [2] 【差(し)肩】
かどばった肩。いかり肩。
さし-かた・める【差(し)固める・鎖し固める】🔗⭐🔉
さし-かた・める [0][5] 【差(し)固める・鎖し固める】 (動マ下一)[文]マ下二 さしかた・む
(1)門や戸などを,固く閉ざす。「家々は多く戸を―・めたれど/ふところ日記(眉山)」
(2)守備の人を多数置いて,出入りや周囲を厳重に警戒する。「陣の周りを―・める」
(3)厳重に身ごしらえをする。「コテ,コグソクヲ―・メタ/日葡」
さし-がね【差(し)金】🔗⭐🔉
さし-がね [0] 【差(し)金】
(1)(「指矩」とも書く)大工の使う鋼または黄銅製の L 字形の物差し。まがりがね。かねざし。
→曲尺(カネジヤク)
(2)({(4)}より転じて)陰にいて人をそそのかし操ること。「こんなことをしたのは誰の―か」「いらざる―」
(3)操り人形で,人形の手首や指を操作する棒。
(4)黒塗りの竿(サオ)の先に針金をつけた芝居の小道具。陰火やチョウを飛ばしたり,ネズミなど小動物を動かしたりするのに用いる。
差し金(4)
[図]
[図]
さし-かまい【差し構い】🔗⭐🔉
さし-かまい ―カマヒ [0] 【差し構い】
さまたげになること。差し支えること。さしかまえ。「少々のことは―ない」
さし-かわ・す【差(し)交わす】🔗⭐🔉
さし-かわ・す ―カハス [0] 【差(し)交わす】 (動サ五[四])
交差させる。「緑樹枝を―・したる中より/舞姫(鴎外)」
さし-きん【差(し)金】🔗⭐🔉
さし-きん [2] 【差(し)金】
(1)内金(ウチキン)。手付け金。
(2)不足を補うために出す金銭。
さし-くち【指(し)口・差(し)口】🔗⭐🔉
さし-くち [2][0] 【指(し)口・差(し)口】
〔「さしぐち」とも〕
(1)
(ホゾ)を受けるためにつくった
穴。仕口。
(2)将棋を指す手口。
(3)他から申し入れる言葉。申告。告発。密告。
(4)入り口。また,初め。「爰は東海道の―にて,往来しげき逢坂の関路なれば/浮世草子・妾形気」
(ホゾ)を受けるためにつくった
穴。仕口。
(2)将棋を指す手口。
(3)他から申し入れる言葉。申告。告発。密告。
(4)入り口。また,初め。「爰は東海道の―にて,往来しげき逢坂の関路なれば/浮世草子・妾形気」
さし-ぐ・む【差し含む】🔗⭐🔉
さし-ぐ・む [0][3] 【差し含む】 (動マ五[四])
〔「ぐむ」は接尾語〕
目に涙がわいてくる。涙ぐむ。「熱き涙―・みたる両眼を/露団々(露伴)」「見ゆるごとにただ―・めるにのみあり/蜻蛉(上)」
さし-くり【差(し)繰り】🔗⭐🔉
さし-くり [0] 【差(し)繰り】
都合をつけること。くりあわせること。やりくり。「時間の―をつけて出席する」
さし-く・る【差(し)繰る】🔗⭐🔉
さし-く・る [0][3] 【差(し)繰る】 (動ラ五[四])
予定をなんとか都合つける。くりあわせる。「忙しい日程を―・って出席する」
[可能] さしくれる
さし-げた【差(し)下駄】🔗⭐🔉
さし-げた [0][2] 【差(し)下駄】
差し歯の下駄。足駄(アシダ)。
さしこし-ねがい【差(し)越し願い】🔗⭐🔉
さしこし-ねがい ―ネガヒ [5] 【差(し)越し願い】
規定の順序をふまないで,直接に上官や上司に願い出ること。直訴(ジキソ)。
さし-こ・す【差(し)越す】🔗⭐🔉
さし-こ・す [3] 【差(し)越す】 (動サ五[四])
(1)送ってよこす。
(2)他をさしおいて行う。「つい米八を―・して打解過ぎるむつましさも/人情本・英対暖語」
(3)越えて前に出る。「―・してすすきはほかにまねけども/夫木 11」
さし-こみ【差(し)込み】🔗⭐🔉
さし-こみ [0] 【差(し)込み】
(1)さしこむこと。
(2)さしこむもの。特に,電気器具などで電流の取り入れ口にあたる端子。プラグ。また,コンセント。
(3)胸・腹などに急に激しい痛みを感じること。癪(シヤク)。「急に―が起こる」
(4)かんざしの一種。花模様などの飾り物を差し込んで取り付けるもの。
さしこみ-おび【差(し)込み帯】🔗⭐🔉
さしこみ-おび [5] 【差(し)込み帯】
腰に締めた帯の端を結ばないで挟んでとめておくこと。はさみおび。つき込み帯。
さし-こ・む【差(し)込む】🔗⭐🔉
さし-こ・む [0][3] 【差(し)込む】 (動マ五[四])
(1)物の中や間に,ほかの物を突き入れる。さしいれる。「コンセントにプラグを―・む」「かぎを―・む」
(2)(「射し込む」とも書く)光が入ってくる。「窓から朝日が―・む」
(3)胸や腹などが,きりで突いたように急に激しく痛む。「胃のあたりがキリキリと―・む」
(4)指名して呼ぶ。「約諾してあとより―・むには/評判記・色道大鏡」
(5)わきから口を出す。入れ知恵する。「―・む奴があるゆゑに気随気儘も云ふならんと/人情本・辰巳園 4」
[可能] さしこめる
さし-こ・ゆ【差し越ゆ】🔗⭐🔉
さし-こ・ゆ 【差し越ゆ】 (動ヤ下二)
でしゃばる。「いま参りの―・えて…いとにくし/枕草子 28」
さし-こわら・す【差し強らす】🔗⭐🔉
さし-こわら・す ―コハラス 【差し強らす】 (動サ四)
刀を差していかめしく装う。「直垂上下,長刀―・し/浄瑠璃・井筒業平」
さし-ざお【差し竿・刺し竿】🔗⭐🔉
さし-ざお ―ザヲ [2] 【差し竿・刺し竿】
小鳥をとるために,竿先にとりもちをつけた竿。
さし-じお【差(し)塩】🔗⭐🔉
さし-じお ―ジホ [0][2] 【差(し)塩】
苦みのある品質の悪い塩。
⇔真塩(マシオ)
さし-す・ぐ【差し過ぐ】🔗⭐🔉
さし-す・ぐ 【差し過ぐ】 (動ガ上二)
(1)度を超える。出すぎる。「足らず,また,―・ぎたることなく,物し給ひけるかな/源氏(帚木)」
(2)通過する。「佐野の松原―・ぎて/平家 10」
さし-ずめ【差(し)詰め】🔗⭐🔉
さし-ずめ ―ヅメ [0] 【差(し)詰め】
■一■ (名)
さしつまること。どんづまり。「もし―になり,ぜひ死ないでかなはずば/浮世草子・新色五巻書」
■二■ (副)
(1)結局。要するに。「―社長は一国の領主だ」
(2)当面。さしあたって。「―食うには困らない」
さし-ちがえ【差(し)違え】🔗⭐🔉
さし-ちがえ ―チガヘ [0] 【差(し)違え】
(1)入れ違えること。誤って他の方へ差し入れること。
(2)相撲で,行司が判定をまちがって,負けた力士に軍配を上げること。
(3)互い違いにすること。交差させること。
さし-ちが・える【差(し)違える】🔗⭐🔉
さし-ちが・える ―チガヘル [0][5] 【差(し)違える】 (動ア下一)[文]ハ下二 さしちが・ふ
(1)入れ違える。誤って他の方へ差し入れる。
(2)相撲で,行司が判定を誤って負けの力士の方へ軍配を上げる。
(3)入れ違いにする。交差させる。交錯させて置く。「三尺の御几帳一よろひを―・へて/枕草子 278」
さし-つかえ【差(し)支え】🔗⭐🔉
さし-つかえ ―ツカヘ [0] 【差(し)支え】
何かをするのに都合の悪い事情。さまたげ。支障。「―がなければ来てほしい」
さしつかえ-な・い【差(し)支え無い】🔗⭐🔉
さしつかえ-な・い サシツカヘ― [6] 【差(し)支え無い】 (形)[文]ク さしつかへな・し
不都合ではない。かまわない。
さし-つか・える【差(し)支える】🔗⭐🔉
さし-つか・える ―ツカヘル [0][5] 【差(し)支える】 (動ア下一)[文]ハ下二さしつか・ふ
ある事をするのにさまたげになる。都合の悪い状態になる。「明日の仕事に―・えるので早く帰る」
さし-つかわ・す【差し遣わす】🔗⭐🔉
さし-つかわ・す ―ツカハス [0][5] 【差し遣わす】 (動サ五[四])
金品や人をおくる。派遣する。「特使を―・す」「金子(キンス)幾干(イクラ)かを―・し/当世書生気質(逍遥)」「右健三三歳の砌(ミギ)り養子に―・し置候処/道草(漱石)」
さし-づな【差(し)綱】🔗⭐🔉
さし-づな [2][0] 【差(し)綱】
「差(サ)し縄(ナワ){(1)}」に同じ。
さし-つま・る【差し詰まる】🔗⭐🔉
さし-つま・る 【差し詰まる】 (動ラ四)
(1)困った状況に追いこまれて窮する。「此詞に兄弟―・つたる気を開き/浄瑠璃・会稽山」
(2)その場に迫る。さしあたる。「それぞれの家業外に成り行き―・りて迷惑する事なり/浮世草子・胸算用 3」
さし-つ・む【差し詰む】🔗⭐🔉
さし-つ・む 【差し詰む】 (動マ下二)
(1)せっぱつまった状態になる。「この御返事を大神宮の仰せと思ひ候はんずるなりと―・めておほせられたりける/愚管 4」
(2)(矢を)つがえる。「冑鉢とも言はず,―・めて思様に射けるに/太平記 1」
差し詰め引き詰め🔗⭐🔉
差し詰め引き詰め
矢を次々と手早くつがえて射るさま。「―さんざんに射る/平家 4」
さし-とめ【差(し)止め】🔗⭐🔉
さし-とめ [0] 【差(し)止め】
さしとめること。禁止。「出入り―」
さしとめ-せいきゅう【差(し)止め請求】🔗⭐🔉
さしとめ-せいきゅう ―キウ [5] 【差(し)止め請求】
(1)他人の違法な行為によって自分の利益が侵害される恐れがある場合にその行為を行わないように相手に請求すること。
(2)特に公害等によって利益が侵害された場合に,被害者が加害者に対して侵害の停止や予防を求めること,あるいは,そのために行う訴訟。
さし-と・める【差(し)止める】🔗⭐🔉
さし-と・める [4][0] 【差(し)止める】 (動マ下一)[文]マ下二 さしと・む
(1)ある動作をやめさせる,禁止する。「出版を―・める」「出入りを―・められる」
(2)船を停泊させる。「けふは難波に船―・めて/源氏(澪標)」
さし-の・ぶ【差し伸ぶ・差し延ぶ】🔗⭐🔉
さし-の・ぶ 【差し伸ぶ・差し延ぶ】
■一■ (動バ上二)
のびのびとする。「詠み持ちたる歌どもの中にも―・びたる物どもありき/後鳥羽院御口伝」
■二■ (動バ下二)
⇒さしのべる
さし-の・べる【差(し)伸べる・差(し)延べる】🔗⭐🔉
さし-の・べる [4][0] 【差(し)伸べる・差(し)延べる】 (動バ下一)[文]バ下二 さしの・ぶ
(1)伸ばす。「首を―・べる」
(2)「…に手をさしのべる」の形で…を援助する,の意を表す。「救いの手を―・べる」
さし-は・う【差し延ふ】🔗⭐🔉
さし-は・う ―ハフ 【差し延ふ】 (動ハ下二)
ことさらにする。わざわざする。「―・へたる御文にはあらで/源氏(空蝉)」
さし-び【差(し)火】🔗⭐🔉
さし-び [2] 【差(し)火】
炭火の少ないとき,さらに炭火を加えること。また,その炭火。
さし-ひかえ【差(し)控え】🔗⭐🔉
さし-ひかえ ―ヒカヘ [0] 【差(し)控え】
(1)さしひかえること。
(2)江戸時代の刑罰の一。公家もしくは武士が,職務上に過失があったとき,出仕を禁じ,自宅で謹慎させたこと。
さし-ひか・える【差(し)控える】🔗⭐🔉
さし-ひか・える ―ヒカヘル [5][0] 【差(し)控える】 (動ア下一)[文]ハ下二 さしひか・ふ
(1)物事をひかえめにする。内輪にする。「酒とタバコを―・える」
(2)ある動作をなるべくしないようにする。見あわせる。「外出を―・える」「この件については論評を―・えたい」
(3)控えている。「次の間に―・えておれ」
さし-ひき【差(し)引き】🔗⭐🔉
さし-ひき [2] 【差(し)引き】 (名)スル
(1)ある数量から他の数量を引くこと。また,その残り。「貸しと借りを―する」「―千円の損」
(2)増減すること。(ア)潮の満ち干。(イ)体温の上がり下がり。
(3)指図すること。差配。「糊加減は某(ソレガシ)見申て,―を致さん/仮名草子・浮世物語」
さし-びき【差(し)引き】🔗⭐🔉
さし-びき [0] 【差(し)引き】
人力車でかじ棒を引く者のほかにもう一人が綱をつけて引くこと。また,その車夫。
さし-ひ・く【差(し)引く】🔗⭐🔉
さし-ひ・く [3] 【差(し)引く】 (動カ五[四])
(1)ある数量から他の数量を引きさる。さっぴく。「手数料を―・く」
(2)潮が満ちたり引いたりする。
[可能] さしひける
さし-ひびき【差(し)響き】🔗⭐🔉
さし-ひびき [0] 【差(し)響き】
関係が他に及ぶこと。影響。「御家計に―を生ずる程にはあらねども/経国美談(竜渓)」
さし-ひび・く【差(し)響く】🔗⭐🔉
さし-ひび・く [0][4] 【差(し)響く】 (動カ五[四])
関係が他にも及ぶ。他にも影響する。「値上げが生活費に―・く」
さし-ふだ【差(し)札・指札】🔗⭐🔉
さし-ふだ [2][0] 【差(し)札・指札】
組香で,香札の代わりに使う札。木や象牙で作り,表に花模様・紋印,裏に一・二・三などと記してある。八角一枚札。
さし-ぶた【挿し蓋・差し蓋】🔗⭐🔉
さし-ぶた [0] 【挿し蓋・差し蓋】
「落(オ)とし蓋(ブタ)」に同じ。
さし-まじ・る【差し交じる】🔗⭐🔉
さし-まじ・る 【差し交じる】 (動ラ四)
(1)まじる。「かやうなる事も―・りけり/栄花(月の宴)」
(2)人とつきあう。交際する。「さすがに人に―・り心などのあるを/枕草子 292」
さし-まわし【差(し)回し】🔗⭐🔉
さし-まわし ―マハシ [0] 【差(し)回し】
指定の場所に向けること。回送。「会社―の車に乗る」
さし-まわ・す【差(し)回す】🔗⭐🔉
さし-まわ・す ―マハス [0][4] 【差(し)回す】 (動サ五[四])
乗り物などを,ある場所へわざわざ差し向ける。「迎えの車を―・す」
[可能] さしまわせる
さし-むかい【差し向(か)い】🔗⭐🔉
さし-むかい ―ムカヒ [0] 【差し向(か)い】
二人,特に男女が向かい合うこと。さし。「夫婦―の食事」「―で飲む」
さし-むか・う【差し向かふ】🔗⭐🔉
さし-むか・う ―ムカフ 【差し向かふ】 (動ハ四)
(1)その方に向く。むかう。「牡牛(コトイウシ)の三宅の潟に―・ふ鹿島の崎に/万葉 1780」
(2)対座する。さしむかいになる。向かいあう。「へだてなきどち―・ひて/徒然 175」
さし-むき【差(し)向き】🔗⭐🔉
さし-むき [0] 【差(し)向き】 (副)
(1)今のところ。目下。さしあたり。「民間に何程の不平家があつても,―腕力の競争に打勝つ事の出来ぬは/雪中梅(鉄腸)」「―の用件」
(2)さしずめ。言ってみれば。「―半道仇(ハンドウガタキ)に打つてつけの顔に不似合なぞろりとしたる扮装(イデタチ)/社会百面相(魯庵)」
さし-む・ける【差(し)向ける】🔗⭐🔉
さし-む・ける [4][0] 【差(し)向ける】 (動カ下一)[文]カ下二 さしむ・く
(1)その方へ向ける。「顔を正面に―・ける」
(2)人に命じて,ある所に行かせる。遣わす。「迎えの車を―・ける」
さし-や・る【差し遣る】🔗⭐🔉
さし-や・る 【差し遣る】 (動ラ四)
前の方に押しやる。「かき合せばかり弾きて―・り給へれば/源氏(紅葉賀)」
さし-ゆる・す【差(し)許す】🔗⭐🔉
さし-ゆる・す [0][4] 【差(し)許す】 (動サ五[四])
(目下の者に対して)ゆるす。許可する。「許す」をおもおもしく言う語。「名字帯刀を―・す」「学校より書状来りぬ…入舎―・すとの文言なり/当世書生気質(逍遥)」
さし-よ・す【差し寄す】🔗⭐🔉
さし-よ・す 【差し寄す】 (動サ下二)
そばへよせる。「廊の外に御車―・せたる人々も/源氏(若菜上)」
さし-よ・る【差し寄る】🔗⭐🔉
さし-よ・る 【差し寄る】 (動ラ四)
そばへ寄る。近寄る。「乳母に―・りて,いざかし,ねぶたきにとのたまへば/源氏(若紫)」
差しつ抑(オサ)えつ🔗⭐🔉
差しつ抑(オサ)えつ
酒杯をさしたり,相手のさしてくれるのを押し返してすすめたりして酒を飲む。盛んに杯をくみかわす。
差しつ差されつ🔗⭐🔉
差しつ差されつ
酒杯を相手にさしたり,相手からさされたりして酒を飲むさま。盛んに杯をくみかわすさま。さしつおさえつ。
さしかかる【差し掛かる】(和英)🔗⭐🔉
さしかかる【差し掛かる】
(1)[通りかかる]come near;approach.→英和
(2)[垂れ下がる]hang over;be suspended.(3)[切迫する]be pressing[imminent].
さしかける【差し掛ける】(和英)🔗⭐🔉
さしかける【差し掛ける】
holdover a person.→英和
さしつかえる【差し支える】(和英)🔗⭐🔉
さしつかえる【差し支える】
[支障]be hindered[prevented];be engaged (先約);[不足]be pressed;stand in need.
さしまわす【差し回す】(和英)🔗⭐🔉
さしまわす【差し回す】
send (round).→英和
差回しの車 the car sent round.
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