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広辞苑の検索結果 (49)

ひき【引き】🔗🔉

ひき引き】 [一]〔名〕 ①ひくこと。ひきいて行くこと。万葉集6「皇おおきみの―のまにまに」 ②ひきたてること。つて。縁故。手づる。落窪物語2「弁の君が―にて参りたり」。「上役の―で昇進した」 ③引出物ひきでものの略。義経記8「これは一期の―にて候」 ④江戸時代、検地の誤り、地形・地味の変化、水旱・風害・虫害などによる減収を点検してその分の石高を村高から引き去り、租税対象からはずしたこと。→連連引→年年引。 ⑤引く力に堪える力。「―のある紙」 ⑥魚釣りで、魚が餌をくわえて引っ張ること。また、引っ張る力。「―が強い」 ⑦引合紙ひきあわせがみの略。 ⑧値引き。値下げ。「一割―」 [二]〔接頭〕 動詞に冠して、その意を強め、または語調を整える。後に続く音により、促音化して「ひっ」または撥音化して「ひん」ともなる。「―会わせる」「ひっかける」「ひんむく」

ひき‐あ・う【引き合う】‥アフ🔗🔉

ひき‐あ・う引き合う‥アフ 〔自五〕 ①互いに引く。双方で引っぱる。 ②互いに助け合う。太平記37「平一揆は葛山と―・ひて」 ③双方の重さが釣り合う。日葡辞書「ヒキアワヌニ(荷)ヂャ」 ④取引をする。約束する。東海道中膝栗毛5「先刻内々―・うて置いた、アノ美しい可愛らしい弁才天女」 ⑤商いをして利がある。転じて、苦労するかいがある。割に合う。浮世風呂4「やつぱり―・ひません」

ひき‐あ・ける【引き開ける】🔗🔉

ひき‐あ・ける引き開ける】 〔他下一〕 引いてあける。強いてあける。

ひき‐うつ・る【引き移る】🔗🔉

ひき‐うつ・る引き移る】 〔自五〕 他の場所へうつる。引っ越す。

ひき‐おこ・す【引き起こす】🔗🔉

ひき‐おこ・す引き起こす】 〔他五〕 ①倒れたもののある部分に力をかけ、引き上げて起こす。 ②衰えたものを再び起こし立てる。 ③(「惹き起こす」とも書く)事件などをしでかす。惹起じゃっきする。「騒ぎを―・す」

ひき‐おろ・す【引き下ろす】🔗🔉

ひき‐おろ・す引き下ろす】 〔他五〕 ひいて下へおろす。また、ひっぱって無理におろす。「会長の座から―・す」

ひき‐か・える【引き替える・引き換える】‥カヘル🔗🔉

ひき‐か・える引き替える・引き換える‥カヘル 〔他下一〕[文]ひきか・ふ(下二) ①他の物ととりかえる。交換する。源氏物語東屋「牛など―・ふべき心設けし給へり」 ②すっかりかえる。あべこべにする。源氏物語賢木「公私―・へたる世の有様に」。山家集「―・へて花みる春は夜はなく月見る秋は昼なからなん」。「それに―・え私は」 ③姿をかえる。様子をかえる。源氏物語竹河「大方の有様―・へたるやうに」

ひき‐か・く【引き駆く・引き懸く】🔗🔉

ひき‐か・く引き駆く・引き懸く】 〔他下二〕 馬を駆け走らせる。今昔物語集25「逸物に乗りて―・けて、飛ぶが如くに」

ひき‐かく・す【引き隠す】🔗🔉

ひき‐かく・す引き隠す】 〔他四〕 物をひっこめて隠す。枕草子3「粥の木―・して」

ひき‐かく・る【引き隠る】🔗🔉

ひき‐かく・る引き隠る】 〔自下二〕 ひきこもって隠れる。十訓抄「―・れてのぞきけるに」

ひき‐か・ける【引き掛ける】🔗🔉

ひき‐か・ける引き掛ける】 〔他下一〕[文]ひきか・く(下二) ①かけてつりさげる。万葉集13「末枝ほつえに黐もち―・け」 ②引いて上にかぶる。ひきかぶる。源氏物語柏木「衾ふすま―・けてふし給へり」 ③引合いに出す。関係をつける。口実にする。源氏物語総角「千々の社を―・けて」

ひき‐かた・む【引き堅む】🔗🔉

ひき‐かた・む引き堅む】 〔他下二〕 ひきしぼる。しっかり引く。宇治拾遺物語15「―・めて、とろとろと放ちて」

ひき‐かなぐ・る【引きかなぐる】🔗🔉

ひき‐かなぐ・る引きかなぐる】 〔他四〕 手荒くひきのける。源氏物語帚木「荒らかにも―・らめ」

ひき‐がね【引き金・引鉄】🔗🔉

ひき‐がね引き金・引鉄】 ①小銃・拳銃などに装置してある湾曲した金具で、これを指で引くと発射するもの。「ピストルの―を引く」 ②比喩的に、物事が引き起こされるきっかけ。「事件の―になる」

ひき‐くく・る【引き括る】🔗🔉

ひき‐くく・る引き括る】 〔他五〕 強くくくる。手早くくくる。ひっくくる。今昔物語集16「腰を此の藁筋を以て―・りて」

ひき‐ぐ・す【引き具す】🔗🔉

ひき‐ぐ・す引き具す】 〔他サ変〕 ①引き連れる。ともなう。たずさえる。宇津保物語楼上下「左大殿の君達いと多く―・して」 ②具備する。源氏物語薄雲「琵琶を…少しかき合はせたる、いかでかうのみ―・しけんと思さる」

ひき‐くる・める【引き括める】🔗🔉

ひき‐くる・める引き括める】 〔他下一〕[文]ひきくる・む(下二) 一つにまとめる。包括する。一括する。ひっくるめる。「一切合財を―・める」

ひき‐こ・す【引き越す】🔗🔉

ひき‐こ・す引き越す】 [一]〔自四〕 ①ひいて越える。越える。太平記13「相模川を―・して」 ②転宅する。転居する。ひっこす。信長公記「皆々、家宅―・し候へ」 [二]〔他四〕 ①後ろから前へ肩を越えさせる。枕草子248「纓を―・して」 ②順位を越えて、上位の扱いをする。源氏物語竹河「兄君たちよりも―・し、いみじうかしづき給ふ」 ③位などを追いこす。栄華物語布引滝「お兄の左衛門督を―・させ給ひて」

ひき‐さが・る【引き下がる】🔗🔉

ひき‐さが・る引き下がる】 〔自五〕 さがる。退く。「すごすごと―・る」

ひき‐さ・げる【引き下げる】🔗🔉

ひき‐さ・げる引き下げる】 〔他下一〕[文]ひきさ・ぐ(下二) ①手にさげて持つ。携える。ひっさげる。枕草子95「鋤など―・げて」 ②身に従える。引きつれる。伴う。落窪物語4「子―・げてゐたらむ、いと見苦しからむ」 ③現在の位置から下へ移す。 ㋐地位・身分を低くする。 ㋑提出したものを取り下げる。 ㋒後方へ退かす。 ㋓値段や比率などを低くする。「公定歩合を―・げる」

ひき‐さ・る【引き去る】🔗🔉

ひき‐さ・る引き去る】 〔他五〕 ①引っぱって連れ去る。 ②へらす。減ずる。

ひき‐しぼ・る【引き絞る】🔗🔉

ひき‐しぼ・る引き絞る】 〔他五〕 ①弓に矢をつがえて弦を十分に引っ張る。 ②強くしぼる。浄瑠璃、冥途飛脚「腰の手のごひ―・り」 ③声を無理に出そうとする。

ひき‐しろ・う【引きしろふ】‥シロフ🔗🔉

ひき‐しろ・う引きしろふ‥シロフ 〔他四〕 ①引っ張りあう。ひき争う。源氏物語紅葉賀「とかく―・ふ程に」 ②ひきずる。徒然草「物も着あへずいだき持ち、―・ひて逃ぐる」 ③ひきのばす。元禄大平記「半年程―・ふうちに」 ④引きつづく。史記抄「禍が五世までつたわりて、―・うたぞ」

ひきずり‐こ・む【引き摺り込む】🔗🔉

ひきずり‐こ・む引き摺り込む】 〔他五〕 ①引きずって内へ入れ込む。 ②むりやりに仲間に入れる。「悪の道に―・む」 ③横領する。梅暦「畠山さまの宝ものを―・んで、梶原家へ売つけて」

ひきずり‐だ・す【引き摺り出す】🔗🔉

ひきずり‐だ・す引き摺り出す】 〔他五〕 引きずって外に出す。いやがる者を無理に引っぱり出す。「部屋の外に―・す」「裁きの場に―・す」

ひきずり‐まわ・す【引き摺り回す】‥マハス🔗🔉

ひきずり‐まわ・す引き摺り回す‥マハス 〔他五〕 ①引きずったままあちこちと動きまわる。 ②無理やり連れてあちこち歩き回る。引っぱりまわす。「1日中―・されて迷惑した」

ひき‐たが・う【引き違ふ】‥タガフ🔗🔉

ひき‐たが・う引き違ふ‥タガフ 〔他下二〕 ①方向を変える。源氏物語帚木「方ふたげて―・へほかざまへと」 ②今までとちがったようにする。源氏物語帚木「―・へ、心づくしなることを御心にとどむる癖なむ、あやにくにて」

ひき‐ちが・う【引き違ふ】‥チガフ🔗🔉

ひき‐ちが・う引き違ふ‥チガフ 〔他下二〕 うちちがいにする。交叉させる。平家物語2「しきりに衣の胸を―・へ―・へぞし給ひける」

ひき‐ちぎ・る【引きちぎる】🔗🔉

ひき‐ちぎ・る引きちぎる】 〔他五〕 ひっぱって無理に切りとる。

ひき‐つ・ぐ【引き継ぐ】🔗🔉

ひき‐つ・ぐ引き継ぐ】 〔他五〕 あとをうけつぐ。また、あとをうけつがせる。「仕事を―・ぐ」

ひき‐つぼ・ぬ【引き局ぬ】🔗🔉

ひき‐つぼ・ぬ引き局ぬ】 〔他下二〕 (屏風・几帳などを)引き回して囲う。栄華物語若枝「屏風、几帳ばかりを―・ねて」

ひき‐つ・む【引き詰む】🔗🔉

ひき‐つ・む引き詰む】 〔他下二〕 ①ぴんと引っ張る。引っ張ってきつくする。 ②弓をひきしぼる。〈日葡辞書〉 ③(「差しつめ―・め」の形で)手ばやく幾回となく弓を引く。 ④あることにしっかりした考えを持ち、屈しない。日葡辞書「ココロヲヒキツメタヒト」

ひき‐と・く【引き解く】🔗🔉

ひき‐と・く引き解く】 〔他四〕 引いて結び目などをほどく。紫式部日記「御紐―・きて」

ひき‐ぬら・す【引きぬらす】🔗🔉

ひき‐ぬら・す引きぬらす】 〔他四〕 引きほどく。ほどけるようにする。万葉集11「ぬば玉のわが黒髪を―・し」

ひき‐のば・す【引き延ばす・引き伸ばす】🔗🔉

ひき‐のば・す引き延ばす・引き伸ばす】 〔他五〕 ①引っぱって長くする。拡大する。 ②おくらせる。長びかせる。「回答を―・す」 ③写真を原板から拡大して作る。

ひき‐の・ぶ【引き延ぶ・引き伸ぶ】🔗🔉

ひき‐の・ぶ引き延ぶ・引き伸ぶ】 〔他下二〕 ひきのばす。源氏物語若菜上「物を―・ぶるやうにおよすげ給ふ」

ひき‐は・う【引き延ふ】‥ハフ🔗🔉

ひき‐は・う引き延ふ‥ハフ 〔他下二〕 ひきのばす。長くのばす。能因本枕草子人の家の門の前を「をのこごの十ばかりなるが、髪をかしげなる、―・へても」

ひき‐はこ・ゆ【引きはこゆ】🔗🔉

ひき‐はこ・ゆ引きはこゆ】 〔他下二〕 裾を引き上げてふくらむようにする。枕草子158「壺装束などにはあらで、ただ―・えたるが」

ひき‐はず・す【引き外す】‥ハヅス🔗🔉

ひき‐はず・す引き外す‥ハヅス 〔他五〕 ①ひっぱってはずす。はずす。 ②身を引いて去る。逃げる。〈日葡辞書〉

ひき‐ひろ・ぐ【引き広ぐ】🔗🔉

ひき‐ひろ・ぐ引き広ぐ】 〔他下二〕 ひいて広げる。枕草子277「―・げて見れば」

ひき‐ほ・す【引き干す】🔗🔉

ひき‐ほ・す引き干す】 〔他四〕 ぬきとって日光にさらす。万葉集9「小垣内おかきつの麻を―・し」

ひき‐まわ・す【引き回す】‥マハス🔗🔉

ひき‐まわ・す引き回す‥マハス 〔他五〕 ①ひっぱってくるくるまわす。 ②ひっぱり歩く。つれ歩く。恨之介「とある木蔭に―・し」 ③張りめぐらす。蜻蛉日記「幕―・して」 ④取り囲む。とりまく。源平盛衰記42「高松山を―・し一人ももらさずなどか夜討にせざるべき」 ⑤世話をし指導する。 ⑥引回しの刑に処する。

ひき‐むす・ぶ【引き結ぶ】🔗🔉

ひき‐むす・ぶ引き結ぶ】 〔他五〕 ①引っぱって結ぶ。引きくくる。万葉集2「磐代の浜松が枝を―・び」 ②草庵を、構える。平家物語1「嵯峨の奥なる山里に、柴の庵を―・び」

ひき‐めぐら・す【引き回らす】🔗🔉

ひき‐めぐら・す引き回らす】 〔他五〕 引いてめぐらす。ひきまわす。めぐらす。

ひき‐も‐きらず【引きも切らず】🔗🔉

ひき‐も‐きらず引きも切らず】 絶え間なしに。ひっきりなしに。太平記7「恥をあらはせる落人共、毎日に―十方へ逃げ散る」。「―客が訪れる」

ひき‐や・る【引き遣る】🔗🔉

ひき‐や・る引き遣る】 〔他四〕 ひきのける。押しやる。源氏物語夕顔「御几帳―・りたれば」

ひき‐ゆ・う【引き結ふ】‥ユフ🔗🔉

ひき‐ゆ・う引き結ふ‥ユフ 〔他四〕 ①引きよせて結ぶ。 ②強く力をこめて結ぶ。

ひき‐ゆる・む【引き緩む】🔗🔉

ひき‐ゆる・む引き緩む】 〔自五〕 (取引用語)値が下がり気味となる。↔引き締まる

ひき‐よ・せる【引き寄せる】🔗🔉

ひき‐よ・せる引き寄せる】 〔他下一〕[文]ひきよ・す(下二) ①引いて手許に寄せる。 ②近寄らせる。「敵を―・せて一気に討つ」

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ひき【引き】🔗🔉

ひき 【引き】 ■一■ [0][2] (名) (1)引くこと。また,その力。また,引く力に耐える強さ。「―のある和紙」 (2)特別に目をかけて力添えすること。引き立て。「社長の―で昇進する」 (3)頼りにできる特別の関係。つて。縁故。「友人の―で就職する」 (4)魚釣りで,魚が餌(エサ)をくわえて引くこと。また,その力。「―が強い」 (5)写真撮影で,カメラを後ろへ下げて撮影すること。あるいは下げる余地。「―がない」 →ズーム-バック (6)観測点における地震波の P 波初動の方向が,震源の方に向くこと。 (7)江戸時代,検地の誤りや,風水害などで減収となった際に田租を減免すること。 (8)率いること。手引き。案内。「ますらをの―のまにまに/万葉 4220」 (9)「引き出物」の略。「三百づつお―をやる合点ぢや/浄瑠璃・万年草(中)」 ■二■ (接頭) 動詞に付いて,その意味や語調を強めるのに用いられる。「ひっ」「ひん」となることも多い。「―止める」「―合わせる」 →ひっ →ひん

ひき-あ・ける【引(き)開ける】🔗🔉

ひき-あ・ける [4] 【引(き)開ける】 (動カ下一) 引いてあける。閉じているものを開く。「蓋を―・けて見る」

ひき-うつ・る【引(き)移る】🔗🔉

ひき-うつ・る [4] 【引(き)移る】 (動ラ五[四]) 他の場所に移る。引っ越す。「郊外に―・る」 [可能] ひきうつれる

ひき-おこ・す【引(き)起こす】🔗🔉

ひき-おこ・す [4] 【引(き)起こす】 (動サ五[四]) (1)倒れたものを引っぱって起こす。「負傷者を―・す」 (2)(「惹き起こす」とも書く)新しい事態を生じさせる。特に事件などを起こす。「家出騒動を―・す」 [可能] ひきおこせる

ひき-おろ・す【引(き)下ろす】🔗🔉

ひき-おろ・す [4] 【引(き)下ろす】 (動サ五[四]) 引いて上から下へおろす。ひきずりおろす。「旗を―・す」「盟主の座から―・す」「馬ども浦に―・して/蜻蛉(中)」 [可能] ひきおろせる

ひき-おん【引き音】🔗🔉

ひき-おん [0] 【引き音】 長音の引き延ばされた部分を音韻論的単位としてとらえていう称。 →長音

ひき-かえ【引(き)換え・引換・引(き)替え】🔗🔉

ひき-かえ ―カヘ [0] 【引(き)換え・引換・引(き)替え】 ■一■ (名) 取り換えること。交換すること。「代金と―にする」 ■二■ (連語) (「…にひきかえ」の形で)前のことと全く異なっているさまを表す語。…とは違って。…と比べて。「妹に―兄貴と来た日には…」 →引き替える

ひき-か・える【引(き)換える・引(き)替える】🔗🔉

ひき-か・える ―カヘル [4][3] 【引(き)換える・引(き)替える】 (動ア下一)[文]ハ下二 ひきか・ふ (1)ある物を渡して別の物を手に入れる。交換する。「当たり券を賞品に―・える」 (2)(連用形の形で用いて)反対になる。あべこべになる。がらりと変わる。「去年に―・え,今年は大変好調だ」 (3)姿・様子をかえる。「大方の有様,―・へたるやうに/源氏(竹河)」

ひき-か・く【引き掻く・引き掛く】🔗🔉

ひき-か・く [3] 【引き掻く・引き掛く】 ■一■ (動カ五[四]) 「ひっかく(引掻)」に同じ。 ■二■ (動カ下二) ⇒ひきかける

ひき-か・ける【引(き)掛ける】🔗🔉

ひき-か・ける [4] 【引(き)掛ける】 (動カ下一)[文]カ下二 ひきか・く (1)無造作に着たり履いたりする。ひっかける。「寝衣(ネマキ)を―・け窓を開きて見渡す/谷間の姫百合(謙澄)」「下駄を―・けて,急ぎ足で/吾輩は猫である(漱石)」 (2)一端を物に掛ける。「高欄に御車―・けて立ち給へり/源氏(夕顔)」 (3)掛けて他の物を覆う。「ふすま―・けて臥し給へり/源氏(柏木)」 (4)引き合いに出す。「己が身を―・けていひ出たる/徒然 56」

ひき-がし【引(き)菓子】🔗🔉

ひき-がし ―グワシ [3] 【引(き)菓子】 祝い事や仏事などの際に,引き出物として客に出す菓子。

ひき-がも【引き鴨】🔗🔉

ひき-がも [0] 【引き鴨】 暖かくなって再び北方へ帰って行く鴨。帰る鴨。[季]春。

ひき-くく・る【引き括る】🔗🔉

ひき-くく・る [4] 【引き括る】 (動ラ五[四]) 「ひっくくる」に同じ。「ひもで―・る」 [可能] ひきくくれる

ひき-くる・める【引き括める】🔗🔉

ひき-くる・める [5] 【引き括める】 (動マ下一)[文]マ下二 ひきくる・む 「ひっくるめる」に同じ。「すべてを―・めた費用」

ひき-こし【引(き)越し】🔗🔉

ひき-こし [0] 【引(き)越し】 「ひっこし(引越)」に同じ。

ひき-こ・す【引(き)越す】🔗🔉

ひき-こ・す [3] 【引(き)越す】 (動サ五[四]) (1)「ひっこす」に同じ。「住みにくさが高じると,安い所へ―・したくなる/草枕(漱石)」 (2)引いて越える。越える。「横雲の空ゆ―・し遠みこそ/万葉 2647」 (3)頭・肩などを越して前方にもってくる。「纓(エイ)を―・して顔にふたぎて/枕草子 248」 (4)下位のものが上位のものを越えて上の位になる。「兄君たちよりも―・し,いみじうかしづき給ひ/源氏(竹河)」

ひき-さが・る【引き下(が)る】🔗🔉

ひき-さが・る [4] 【引き下(が)る】 (動ラ五[四]) (1)その場から離れる。退く。「次の間へ―・る」 (2)負けたり,やりこめられたりして,しりぞく。「すごすご―・る」「恐れ入って―・る」 (3)遅れる。後ろにつく。「すこし―・つて,兵五六十騎が程河原へうちいでたり/平家 11」 [可能] ひきさがれる

ひき-さげ【引(き)下げ】🔗🔉

ひき-さげ [0] 【引(き)下げ】 引き下げること。「物価の―」

ひき-さ・げる【引(き)下げる】🔗🔉

ひき-さ・げる [4] 【引(き)下げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 ひきさ・ぐ (1)値段などを安くする。「税金を―・げる」 (2)地位・身分などを低くする。「課長から主任に―・げる」 (3)ある場所から退かせる。後退させる。「車を―・げる」 (4)出した要求などを取り下げる。「提案を―・げる」 (5)下げて持つ。「鋤(スキ)など―・げて/枕草子 95」 (6)引きつれる。伴う。「子―・げてゐたらむ,いと見苦しからむ/落窪 4」

ひき-しろ・う【引きしろふ】🔗🔉

ひき-しろ・う ―シロフ 【引きしろふ】 (動ハ四) (1)互いに引っ張り合う。しきりに引っ張る。「小さき児(チゴ),はひかかり―・へば/源氏(夕霧)」 (2)引っ張り回す。「敵にさがし出され,義朝の女よなど―・はれ/平治(中)」 (3)引きずる。「物も着あへず抱き持ち,―・ひて逃ぐる/徒然 175」 (4)引きつれる。「大臣殿以下妻子を具せられけれども,つぎざまの人共はさのみ―・ふに及ばねば/平家 7」 (5)ひき続かせる。「禍が五世までつたはりて―・うたぞ/史記抄 17」

ひき-たが・う【引き違ふ】🔗🔉

ひき-たが・う ―タガフ 【引き違ふ】 (動ハ下二) (1)方向を変える。「方ふたげて,―・へほかざまへと思さむは/源氏(帚木)」 (2)まちがって引く。引き違える。「おぼつかなけふは子(ネ)の日を山菅の―・へても祈りつるかな/栄花(殿上の花見)」 (3)今までとは違ったようにする。反対にする。「稀には,あながちに―・へ,心づくしなる事を,御心におぼしとどむる癖なむ,あやにくにて/源氏(帚木)」 (4)世間の常識とは違うことをする。「あまり―・へたる御事なり/源氏(乙女)」 (5)期待・予想に反する。期待を裏切る。「世の中の人もさやうに思ひよりぬべき事なるを,―・へ心清くて扱ひ聞えむ/源氏(澪標)」

ひき-ちがい【引(き)違い】🔗🔉

ひき-ちがい ―チガヒ [0] 【引(き)違い】 (1)文様・紋章で,二つを交差させたもの。 (2)二枚以上の戸・障子を二本以上の平行な溝・レールの上を走らせて開け閉めするもの。

ひき-ちがえ【引(き)違え】🔗🔉

ひき-ちがえ ―チガヘ [0] 【引(き)違え】 連歌の付合方法の一。「月」に「雨」,「花」に「風」など,反対の趣向の句で付けること。引き違い付け。違い付け。

ひき-ちが・える【引(き)違える】🔗🔉

ひき-ちが・える ―チガヘル [5] 【引(き)違える】 (動ア下一)[文]ハ下二 ひきちが・ふ (1)引き方を誤る。引き間違える。「線を―・える」 (2)交わらせる。交差させる。「頻(シキリ)に衣のむねを―・へ―・へぞし給ひける/平家 2」 (3)間違える。「理運左右に及ばぬ事を―・へさせ給ふは/平家 3」 (4)入れ違いになる。「客を送り出すと―・えて友人が来た」

ひき-ちぎ・る【引きちぎる】🔗🔉

ひき-ちぎ・る [4] 【引きちぎる】 (動ラ五[四]) 無理に引っぱって切る。手荒くちぎる。「ボタンを―・る」 [可能] ひきちぎれる

ひき-つ・める【引(き)詰める】🔗🔉

ひき-つ・める [4] 【引(き)詰める】 (動マ下一)[文]マ下二 ひきつ・む (1)たるみのないようにきつく引く。「髪を後ろに―・めて束ねる」 (2)弓を絶え間なく引く。射続ける。「さしつめ―・めさんざんに射る/平家 4」

ひき-とき【引(き)解き】🔗🔉

ひき-とき [0] 【引(き)解き】 「ときあけもの(解明物)」に同じ。

ひき-のばし【引(き)延ばし・引(き)伸ばし】🔗🔉

ひき-のばし [0] 【引(き)延ばし・引(き)伸ばし】 (1)ひきのばすこと。「会期の―」 (2)「引き伸ばし写真」の略。

ひき-のば・す【引(き)延ばす・引(き)伸ばす】🔗🔉

ひき-のば・す [4] 【引(き)延ばす・引(き)伸ばす】 (動サ五[四]) (1)引っ張ってのばしたり,大きくしたりする。「ゴムひもを―・す」 (2)写真を拡大して焼き付ける。「航空写真を―・す」 (3)時間を長くかけてなかなか終了しないようにする。長引かせる。「会議を―・す」 [可能] ひきのばせる

ひき-はず・す【引(き)外す】🔗🔉

ひき-はず・す ―ハヅス [4] 【引(き)外す】 (動サ五[四]) (1)ひっぱってはずす。無理にはずす。「橋桁(ハシゲタ)を―・す」 (2)避ける。そらす。「たまさかに行きあひて,―・されたらむばかり,あかずわびしく/寝覚 5」 [可能] ひきはずせる

ひき-ひき【引き引き】🔗🔉

ひき-ひき 【引き引き】 (名・形動ナリ) 〔「ひきびき」とも〕 自分の心にまかせてすること。思い思い。すきずき。てんでに。「―にわがめでつると思ひける/山家(百首)」

ひき-まわし【引(き)回し】🔗🔉

ひき-まわし ―マハシ [0] 【引(き)回し】 (1)引き回すこと。 (2)あれこれ人を指導し,世話をすること。「よろしくお―の程お願いいたします」 (3)江戸時代,打ち首以上の重罪に付加した刑。処刑前に,罪人を馬に乗せ,罪状を書いて,府内・犯罪地,その住所などを引き回して見せしめとしたこと。 (4)木綿製の丸合羽(ガツパ)。また,インバネス。 (5)のこぎりの一。板を曲線状に切るときに使う。肉厚で幅が狭く,先が細くなっているもの。

ひき-まわ・す【引(き)回す】🔗🔉

ひき-まわ・す ―マハス [4] 【引(き)回す】 (動サ五[四]) (1)ひっぱって回す。また,周りにぐるりと張る。「幕を―・す」 (2)あちらこちら連れて歩く。「東京じゅう―・される」 (3)あれこれ人を指導し,世話をする。「先輩が親切に―・してくれる」 (4)引き回しの刑にする。 (5)周りを取り囲む。「東は足柄の峰をさかひ…西は富士川を際(キワ)として,―・されにけり/曾我 8」 [可能] ひきまわせる

ひき-も-きらず【引きも切らず】🔗🔉

ひき-も-きらず [2] 【引きも切らず】 (副) 絶え間なく続くさま。ひっきりなし。「見物人が次から次へ―押し寄せる」

ひき-ゆる・む【引(き)緩む】🔗🔉

ひき-ゆる・む [4] 【引(き)緩む】 (動マ五[四]) 取引で,値段が下がり気味となる。 ⇔引き締まる 「相場が―・む」

ひき-よ・せる【引(き)寄せる】🔗🔉

ひき-よ・せる [4] 【引(き)寄せる】 (動サ下一)[文]サ下二 ひきよ・す 引いて手もとに近づける。「明かりを―・せる」

ひき-わざ【引(き)技】🔗🔉

ひき-わざ [0] 【引(き)技】 相撲で,相手を引いて倒す技。

ひき-わり【引(き)割り】🔗🔉

ひき-わり [0] 【引(き)割り】 歌舞伎の舞台転換法。大道具を左右に引き込み,奥に用意してある道具や背景を出す方法。

ひき【引き】(和英)🔗🔉

ひき【引き】 (1)[ひいき]favor;→英和 patronage;→英和 [つて]influence;→英和 a pull.→英和 (2)[割引]discount.→英和 2割5分〜で at 25% discount.〜の引きで through a person's influence[pull].

ひきおこす【引き起こす】(和英)🔗🔉

ひきおこす【引き起こす】 (1)[倒れたものを]raise;→英和 helpget up (手を貸して). (2)[事件などを]cause;→英和 raise;bring about.

ひきかえる【引き換える】(和英)🔗🔉

ひきかえる【引き換える】 exchange;→英和 cash.→英和

ひきさがる【引き下がる】(和英)🔗🔉

ひきさがる【引き下がる】 leave;→英和 withdraw.→英和

ひきさげる【引き下げる】(和英)🔗🔉

ひきさげる【引き下げる】 (1)[引き降ろす]pull down;[後へ]put back.(2)[値段を]reduce;→英和 cut.→英和

ひきずる【引きずる】(和英)🔗🔉

ひきずる【引きずる】 drag;→英和 trail.→英和 引きずり出す(込む) drag[pull]out of (into).

ひきちぎる【引きちぎる】(和英)🔗🔉

ひきちぎる【引きちぎる】 tear off.

ひきのばす【引き延[伸]ばす】(和英)🔗🔉

ひきのばす【引き延[伸]ばす】 (1)[ひっぱる]extend;→英和 stretch (out).→英和 (2)[写真を]enlarge.→英和 (3)[期間などを]extend;delay (おくらす).→英和

ひきまわす【引き回す】(和英)🔗🔉

ひきまわす【引き回す】 (1)[幕などをまわりに]draw[pull]around.(2)[連れ歩く]takearound.

ひきもきらず【引きも切らず】(和英)🔗🔉

ひきもきらず【引きも切らず】 ⇒引っ切りなしに.

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