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うけ【受・請・承】🔗🔉

うけ【受・請・承】 1 相手の動作や働きかけに反応を示すこと。 相手の要求、命令、申し出などを承諾すること。引き受けること。*承応版狭衣‐一下「忽ちのうけはせねど」競技、ゲーム、闘技などで、相手の攻撃を防御すること。また、する人。「攻めと受け」「受けにまわる」歌舞伎十八番の「暫(しばらく)」で、花道からのせりふを舞台の二重(にじゅう)にいて受けとる公家悪(くげあく)の敵役の通称。能楽、または長唄の囃子で、大鼓(おおつづみ)、小鼓、太鼓の打ち方の名称。受頭(うけがしら)、受三地(うけみつじ)、受走(うけばしり)など。旅芝居などで、町触れの太鼓が帰ってきたとき、小屋で待ち受けてたたく大太鼓の称。 2 世間の評判。おもわく。受け取られ方。 世間の評判。人望。特に演劇で観客の反響。「生徒にうけがよい先生」*浮・当世芝居気質‐一「太夫は声にはよらぬ。見物のうけばっかりをあぢいれ」もてなし。待遇。あしらい。態度。*浄・躾方武士鑑‐八「浪人じゃと云と、強(きつ)い茶屋の受けが違ふて」 3 物を受け取ること。他人から、なにかを手に入れること。受け取り。 4 物を受けたり支えたりするもの。 物を受け入れる設備。「新聞受け」「郵便受け」支えるもの。「軸受け」「棚の受け」生け花の立花(りっか)で、心(しん)、副(そえ)などの枝に対して、低く横に出て全体の釣り合いをとる枝。 5 相対すること。ある方向に面すること。また、面している部分。 能の演技の型で、正面、または、ある方向に体を向けている者が、他の方向に向きを変えること。左受(ひだりうけ)、隅受(すみうけ)、脇正受(わきしょううけ)、脇座受(わきざうけ)など。建造物などで、ある方向に向いている部分。*浄・冥途の飛脚‐下「にしうけのたけれんじ」 6 代価を償って、一定の拘束をうけていた人や品物を引き取ること。*伎・時桔梗出世請状‐二幕「殊の外質屋は忙がしうござりまする。〈略〉二朱一本の兜を持って来ましたが、これは受けになりますかえ」 7 保証すること。 貸借関係や身もとの保証をすること。また、保証する人。保証人。うけにん。*俳・類船集‐為「印判〈略〉奉公人は請なくては置かたし」江戸時代、新田の開墾をするときに、請け負ってその土地を借り受けること。 ●請けに立(た)つ 請け人に立つ。保証人となる。 ●受けを取(と)る 芝居で、見物人の喝采を博する。うける。*浮・当世芝居気質‐一「見物のうけをとって」

●請けに立(た)つ🔗🔉

●請けに立(た)つ 請け人に立つ。保証人となる。 ●受けを取(と)る 芝居で、見物人の喝采を博する。うける。*浮・当世芝居気質‐一「見物のうけをとって」 うけ【食】 食べ物。「うけもちのかみ(保食神)」「とようけのおおかみ(豊受大神)」などにみられる「うけ」も同意。*釈日本紀‐六「宇気者食之義也」 ●食の御魂(みたま) =うか(食)の御魂(みたま)*十巻本和名抄‐一「稲魂〈略〉宇介乃美太万俗云宇加乃美太万」

うけ‐あい【請合・受合】(‥あひ)🔗🔉

うけ‐あい【請合・受合】(‥あひ) 1 だいじょうぶだと自信をもって言いきること。保証。請負。*伎・傾城壬生大念仏‐中「是は遣手のたまが請合(ウケアヒ)なれば」 2 支払い額をあらかじめとりきめて仕事を引き受けること。また、その仕事。請負。*雑俳・柳多留‐九「請合いで土こね迄が足をぬき」 〔形動〕確かにそうなると思われる物事のさま。また、心配ないと確信できる物事のさま。「失敗することは請合だ」

うけあい‐ひき【請合引】(うけあひ‥)🔗🔉

うけあい‐ひき【請合引】(うけあひ‥) 人の支払いを保証して、自分の負担とすること。信用貸しに立替え払いをすること。

うけ‐あ・う【請け合う・受け合う】(‥あふ)🔗🔉

うけ‐あ・う【請け合う・受け合う】(‥あふ) 〔他ワ五(ハ四)〕(「うけやう」ということもある) 1 責任をもって引き受ける。*狂言記・鶯「易い事でござる進上申さふと申て、請合ました」 2 確かだ、心配ないということを責任をもって言いきる。保証する。証人になる。*浮・好色万金丹‐一「揚屋もうけあへば、それに仕立てけれど」

うけ‐いだ・す【請け出だす】🔗🔉

うけ‐いだ・す【請け出だす】 〔他サ四〕=うけだす(請出)*評判・色道大鏡‐凡例「かならず、請出(ウケイダ)したる男の家名をそへて」

うけ‐いり【受入・請煎】🔗🔉

うけ‐いり【受入・請煎】 鯛などの身をすり身にして小梅ほどに丸め、熱湯でゆでて、たまりや、みそ仕立ての汁で煮た料理。うけいれ。

うけ‐いん【請印】🔗🔉

うけ‐いん【請印】 保証人の印。請け判。

うけ‐うら【請浦】🔗🔉

うけ‐うら【請浦】 江戸時代、浦の歩一税徴収を特定の者に定額で請け負わせた浦。実際の徴収額との差額は請負者に帰属させる。

うけ‐お・う【請け負う】(‥おふ)🔗🔉

うけ‐お・う【請け負う】(‥おふ) 〔他ワ五(ハ四)〕 1 債務を負う。 2 日限、報酬などを取り決めたうえで、仕事を引き受ける。*俳・曠野‐員外「代まいりただやすやすと請おひて」

うけ‐かえ・す【請け返す・受け返す】(‥かへす)🔗🔉

うけ‐かえ・す【請け返す・受け返す】(‥かへす) 〔他サ五(四)〕 1 質入れ品や抵当物件を、代価を払ってとりもどす。*仮・仁勢物語‐上「古の質の札をばうけ返し」 2 身売りした者を代金を払って廃業させたり、自由の身にしたりする。身請(みうけ)する。 3 (受返)相手の言葉を受けて、こちらから言い返す。

うけ‐かか・る【請け懸かる】🔗🔉

うけ‐かか・る【請け懸かる】 〔他ラ四〕自分の任務とする。保証人として引き受ける。*どちりなきりしたん(一六〇〇年版)六「ただわれらがとがを御身のうへにうけかかり玉ひ」

うけ‐がき【請書】🔗🔉

うけ‐がき【請書】 =うけしょ(請書)

うけ‐きり【請切】🔗🔉

うけ‐きり【請切】 (「うけぎり」とも) 1 中世、荘園領主に対して、荘官その他が請所(うけしょ)の契約を結ぶこと。 2 色里の遊興費。揚げ代。また、その勘定書。*歌謡・松の葉‐二「散茶町から参りたが、おうけぎりをとりましょ」 3 遊女に定まった客があるのに、横合いから身請けすること。*伎・傾城浅間曾我‐三「うけきりした盗賊(どろぼう)なれ、それ剥げよ、叩け」

うけ‐くち【請口】🔗🔉

うけ‐くち【請口】 =うけりょう(請料)

うけ‐こみ【請込・受込】🔗🔉

うけ‐こみ【請込・受込】 1 責任をもって引き受けること。また、その事柄。*浮・新吉原常々草‐下「勒(つと)め金の用意なき時、くるしからず迚(とて)、牛(ぎゅう)が請込とて客にする」 2 受けとられ具合。思われ方。

うけこみ‐や【請込屋】🔗🔉

うけこみ‐や【請込屋】 (よろず引受所の意で)損料貸し屋の異称。古手屋(ふるてや)の経営が多かった。

うけ‐こ・む【請け込む・受け込む】🔗🔉

うけ‐こ・む【請け込む・受け込む】 〔他マ四〕責任をもって引き受ける。*浮・西鶴織留‐一「二割の利銀をかまはず、先(まづ)請込(うけコミ)て」

うけ‐ざ【請座】🔗🔉

うけ‐ざ【請座】 「うけざかなもの(請座金物)」の略。

うけざ‐かなもの【請座金物】🔗🔉

うけざ‐かなもの【請座金物】 扉の軸のはまる軸穴の周囲に取り付ける金物。請座。

うけ‐ざかや【請酒屋】🔗🔉

うけ‐ざかや【請酒屋】 請け売りをする酒屋。小売り酒屋。

うけ‐さく【請作】🔗🔉

うけ‐さく【請作】 1 農民が、荘園領主の田地や国衙(こくが)領の公田を割り当てられて耕作すること。 2 江戸時代、地主から田畑を借り耕作すること。小作。

うけ‐ざけ【請酒】🔗🔉

うけ‐ざけ【請酒】 問屋から卸売の酒を買って小売りすること。

うけ‐しばい【請芝居】(‥しばゐ)🔗🔉

うけ‐しばい【請芝居】(‥しばゐ) 芝居の一座を迎えて、その土地の有力者などが請元(うけもと)となり、必要経費を負担して興行する芝居。

うけ‐しょ【請所】🔗🔉

うけ‐しょ【請所】 中世、地頭、名主などが荘園領主(本所領家)に対して一定額の年貢納入を請け負い、かわりに年貢徴収などの荘園管理を委任されるもの。うけどころ。御請。

うけ‐しょ【請書】🔗🔉

うけ‐しょ【請書】 1 依頼や命令に対し、それを承知した旨を書いた文書。承諾書。うけがき。 2 確かに受け取ったという証明書。受領書。

うけ‐じょう【請状】(‥ジャウ)🔗🔉

うけ‐じょう【請状】(‥ジャウ) 1 文書を受け取った時、その返書として差し出す文書。 2 引き請けをした旨を記した証書。保証書。奉公人の身元保証書や寺請状、借屋請状、奉公人請状など。

うけ‐しょうもん【請証文】🔗🔉

うけ‐しょうもん【請証文】 江戸時代、民事訴訟の判決の際、その裁許をうける旨を書き記して、原告、被告から奉行所に提出した誓約書。裁許請状。

うけ‐そう【請奏】🔗🔉

うけ‐そう【請奏】 ⇒しょうそう(請奏)

うけ‐だ・す【請け出す】🔗🔉

うけ‐だ・す【請け出す】 〔他サ五(四)〕 1 借り金を払って、質にはいっているものを引き取る。請け戻す。*浮・西鶴織留‐二「元利揃て毎年請出し」 2 身代金と負債とを、抱え主に支払って遊女や芸妓を自由の身とする。身請けをする。*評判・色道大鏡‐二「傾城をうけ出す事、男の大功に似たりといへども、頗る陽気の沙汰なり」

うけっ‐こ【受けっこ・請けっこ】🔗🔉

うけっ‐こ【受けっこ・請けっこ】 1 手のひらをくぼめ、差し出して物を受けること。物をもらうこと。*雑俳・川柳評万句合‐宝暦一二「歌かるたうばはむせうに請っこし」 2 物もらい。乞食。また、人をののしっていうのにも用いる。*雑俳・川柳評万句合‐宝暦一一「毘沙門はうけっこの来ぬ立すがた」 3 賭博で胴元から寺銭などを借り受けること。*雑俳・川柳評万句合‐宝暦一二「請っこの銭で相手がひとりふへ」

うけ‐て【受手・請手】🔗🔉

うけ‐て【受手・請手】 1 受けるほうの人。受取手。「ボールの受け手」 2 身請けをする人。請け出す人。*浮・風流曲三味線‐五「請手は御手代の藤七殿」 3 コミュニケーションで、人から思想、感情、情報などを伝達される側の者。レシーバー。⇔送り手。 4 空手(からて)などで、相手の入れてくる手を受ける手。内受け、外受け、上げ受け、払い受けなど。

うけ‐てには【請手爾波】🔗🔉

うけ‐てには【請手爾波】 1 連歌の付合での表現技巧の一つ。前句の末の言葉を受けて、続きのよい言葉を付句の頭におく付け方。たとえば、「さ夜ふけて人音はなし窓の雨」に「ふるさといまは誰か問ひ来ん」と付けるなど。うけとりてには。⇔掛手爾波(かけてには)。 2 連歌で、一句の結びを助詞の「に」でとどめること。

うけ‐どころ【請所】🔗🔉

うけ‐どころ【請所】 =うけしょ(請所)

うけ‐とり【受取・請取】🔗🔉

うけ‐とり【受取・請取】 (古くは「うけどり」とも) 1 受け取ること。手もとに引き渡されたものを手に入れること。 2 =うけとりしょうしょ(受取証書)「飲屋の受け取」 3 引き受けた仕事。また、引き受けた人。受持ち。担当。*日葡辞書「コレワワガ vqetorigia(ウケトリヂャ)」 4 =うけおい(請負) 5 物事を自分の考えで、こうこうだと認めること。理解。のみこみ。*随・独寝‐上「ことに器用にて請取もはやく」 ●請取の=御献(ぎょこん)[=九献(くこん)] 宮中で元旦から三日の間(室町時代は三が日に限らない)主上に差し上げる膳部。屠蘇を含めて三献がきまり。

●請取の=御献(ぎょこん)[=九献(くこん)]🔗🔉

●請取の=御献(ぎょこん)[=九献(くこん)] 宮中で元旦から三日の間(室町時代は三が日に限らない)主上に差し上げる膳部。屠蘇を含めて三献がきまり。 うけとり‐かんじょう【受取勘定】(‥カンヂャウ) 簿記で、売掛金、受取手形などの受取債権を総称する勘定。

うけとり‐しごと【請取仕事】🔗🔉

うけとり‐しごと【請取仕事】 =うけおいしごと(請負仕事)

うけとり‐しょうもん【受取証文・請取証文】🔗🔉

うけとり‐しょうもん【受取証文・請取証文】 =うけとりしょうしょ(受取証書)

うけとり‐てがた【受取手形・請取手形】🔗🔉

うけとり‐てがた【受取手形・請取手形】 1 =うけとりしょうしょ(受取証書) 2 簿記で、手形上の債権をいう。→支払手形

うけとり‐ぶしん【請取普請】🔗🔉

うけとり‐ぶしん【請取普請】 (「うけとりふしん」とも)請負でする土木、建築の仕事。

うけとり‐わたし【受取渡・請取渡】🔗🔉

うけとり‐わたし【受取渡・請取渡】 1 一方の人が渡した物や人を、他方の人が受け取ること。うけわたし。授受。*申楽談儀「識事(しきじ)のうけとりわたしの年期」 2 請負師が請け負った仕事をさらに他の者に請け負わせること。

うけ‐と・る【受け取る・請け取る】🔗🔉

うけ‐と・る【受け取る・請け取る】 〔他ラ五(四)〕 1 自分のほうへ来るものや渡されるものを手に入れる。収め入れる。受領する。*古事記‐中「其の横刀(たち)を受取たまひし時」 2 事柄を身に引き取る。 ある事柄を責任をもって引き受ける。担当する。*源氏‐若菜上「その御うしろみの事をば、うけとりきこえん」人から仕事などを引き継ぐ。*宇治拾遺‐一一・九「つどひたる者ども、うけとりうけとり打ちければ」 3 物事を自分の考えや感じによって、そうだと認める。承知する。納得する。信ずる。また、解釈する。「悪く受取る」*評判・難波物語「うけとりさうな、はり合をいひ」 4 話などに応ずる。*浄・碁盤太平記「ヤイ岡平はおらぬか。物申(ものもふ)がある、うけとれ」 5 他からの作用が身に及ぶ。こうむる。*大鏡‐四「さばかりおもきやまひをうけとりたまひて」 ●受け取ったりや 掛合いの声色使いなどがよく使うきまり文句。掛合いの一方から受け取った者が、その際「受け取ったりや、その次は団十郎にて願います」などと言う。

うけ‐に【受荷・請荷】🔗🔉

うけ‐に【受荷・請荷】 先に決めた約束によって引き渡しを受ける荷物。

うけ‐にく・い【受け難い・請け難い】🔗🔉

うけ‐にく・い【受け難い・請け難い】 〔形口〕うけにく・し〔形ク〕承知しにくい。どうかと思う。いただけない。文化、文政、天保期に遊里から広まって上方で特に流行した語。*浄・伊賀越乗掛合羽「余り料理がへち過ぎて、夜食には請にくい」

うけ‐にん【請人・受人】🔗🔉

うけ‐にん【請人・受人】 1 中世、借金、為替などの債務や、荘園の代官や農民などの年貢上納義務について、債務者が債務返済などの義務を履行しないときに、それらを代償することを保証する人。証人。 2 中世、売買契約について売主と連帯的に損害弁償の義務を負う保証人。 3 江戸時代、保証人の一般的呼称。 4 特に、江戸時代の奉公契約で、雇用者に対し奉公人の人柄や労働能力などを保証する人。

うけにん‐や【請人屋】🔗🔉

うけにん‐や【請人屋】 江戸時代、奉公人周旋業者をいう。周旋手数料のほかに、親類や知人に代わって請人として加判する報酬を受け取った。請人宿。口入宿。人宿。桂庵(けいあん)。

うけ‐ばな【請花】🔗🔉

うけ‐ばな【請花】 1 塔の九輪の下にある花形の飾り。多く八葉蓮華で上を向いている。 2 仏像の台座の部分の下敷蓮(はす)の別名。

うけ‐もと【請元】🔗🔉

うけ‐もと【請元】 地方で演芸を興行するとき、役者側と契約して主催する責任者。建元。興行主。

うけ‐もど・す【受け戻す・請け戻す】🔗🔉

うけ‐もど・す【受け戻す・請け戻す】 〔他サ五(四)〕 1 借金を払って、質または抵当にはいっているものを取り返す。受け出す。*浮・当世乙女織‐一「先二ケ所の家質をうけもどし」 2 手形、小切手の裏書人や振出人などが、償還を果たして、所持人から手形、小切手を取り返す。 3 預けておいた金を返してもらう。 4 一度送り出した荷物を、送り主に返す。

うけ‐やど【請宿】🔗🔉

うけ‐やど【請宿】 =うけにんや(請人屋)

うけ‐やま【請山】🔗🔉

うけ‐やま【請山】 1 江戸時代、領主の管理、支配する山林を、一定の条件の下で領民に貸与し、樹木、下草の採取、植栽、監護などを行なわせ、また、立ち木を払い下げたりした山林。請負山。宛山(あてやま)。 2 年期証文を入れ、毎年小作料を納めて、他村の山の草木を採集すること。 3 山師が山代金を負担して鉱山の経営または立木の伐採を請け負うこと。

う・ける【受ける・請ける】🔗🔉

う・ける【受ける・請ける】 〔他カ下一〕う・く〔他カ下二〕 他から加えられる作用を身に引き取る。また、他の言うことやすることに応じて行なう。 1 落ちてくるものや向かってくるものなどを支え止める。受け止める。*万葉‐一九六六「風に散る花橘を袖に受(うけ)て」 2 渡される物を引き取る。もらう。*宇治拾遺‐三・一「酒を一かはらけうけて、持ちながら」 3 よいと認めて受け入れる。承知する。賛成する。喝采する。*竹取「よき事なりとうけつ」 4 外のもの、あるいは、外からのはたらきかけに対して応じる。呼応する。 他の人からの問いかけ、命令などに応じる。「質問(注文)を受ける」「電話(訪問)を受ける」*万葉‐三八八六「参り来て命(みこと)受例(うくレ)ば」調査などに応じる。「試験(検査)を受ける」芝居で、下座の切れ目に合わせて幕あけの拍子木を打つ。文法で、前の語句に応ずる。 5 信用する。信頼して大事にする。*源氏‐御法「あやしきまですずろなる人にもうけられ」 6 神仏を、つつしんで迎える。*義経記‐七「うけ奉りて、験者一座せさせ奉りて見ばや」 7 (「承」とも)あとを継ぐ。継承する。「親の血を受ける」*風姿花伝‐五「その風をうけて」 8 天から授かる。「この世に生を受ける」*大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点「玄奘、質<身>を稟(ウケ)たること愚魯にして」*平家‐一一「生をうくる物」 他から身に作用を加えられる。 1 評判、尊敬、恩恵などを身に加えられる。また、病気、恥、疑いなどを被る。*地蔵十輪経元慶七年点‐四「忍び難きを受(うケ)」*今昔‐三一・四「身に重き病を受けて」 2 光、風などに身をさらす。*嵯峨本方丈記「落日を請て眉間の光とす」 3 ある方角に面する。*人情・英対暖語‐二「此庭は東南をうけて居るから」 4 がまんして相手の話を聞く。特に、のろけ話などの聞き手になる。*滑・八笑人‐初「人がちっと受(ウケ)ると、御大相なほらを吹からどうもならねへ」 代金を払って引き取る。 1 質に入れた物をうけ出す。*浮・世間胸算用‐一「質に置けるか、そののち請(ウク)る事成がたく」 2 遊女などを身請けする。*浄・冥途の飛脚‐下「同じ傾城請(ウケ)る身が」 3 問屋などから品物を仕入れる。仕込む。*浮・日本永代蔵‐六「浮世山枡を受(ウケ)て小袋に入行」 賭け事に勝ち、金を得る。*黄・莫切自根金生木‐中「一番もうけねへ」 〔自カ下一〕芝居などで見物人に喜ばれて喝采される。また、よい評判を得る。人気を得る。「この歌は子供に受ける」*滑・七偏人‐三「ヤンヤとうけるきでゐるんだアな」 ●受け難(がた)き=人身(にんじん)[=身(み)] めったに生まれてくることのできない人間というもの。人の生。 ●受けず施(ほどこ)さず 日蓮宗の不受不施派(ふじゅふせは)の考え方をいう。 ●受けつ流(なが)しつ 受けたりはずしたりしてあしらう。*浄・国性爺合戦‐一「受つながしつ戦ふたり」

こい【請・乞】(こひ)🔗🔉

こい【請・乞】(こひ) 1 他人に物などを所望すること。*古今‐一六七「隣よりとこ夏の花をこひにおこせたりければ」 2 ある事を他人に願い求めること。*名語記‐二「請に応ずといへり」

こい‐う・ける【請い受ける・乞い受ける】(こひ‥)🔗🔉

こい‐う・ける【請い受ける・乞い受ける】(こひ‥) 〔他カ下一〕こひう・く〔他カ下二〕頼み込んでものを受ける。請い求めて受け取る。*百座法談‐六月五日「長者、きた太子に地をこひうくるに」

こい‐ずて【請捨・乞捨】(こひ‥)🔗🔉

こい‐ずて【請捨・乞捨】(こひ‥) 請い、あるいは願ったまま、その諾否を聞かないでほうっておくこと。願い放し。

こい‐ちか・う【請い誓う・乞い誓う】(こひちかふ)🔗🔉

こい‐ちか・う【請い誓う・乞い誓う】(こひちかふ) 〔他ハ四〕神仏の前などに誓いごとをして願う。誓願する。*書紀‐推古二九年二月(岩崎本院政期訓)「親(みつか)ら経を説く日に、誓願(コヒチカヒ)て曰く」

こい‐つ・む【請い詰む・乞い詰む】(こひ‥)🔗🔉

こい‐つ・む【請い詰む・乞い詰む】(こひ‥) 〔他マ下二〕やかましく催促する。きびしく請求する。

こい‐な・く【請い泣く・乞い泣く】(こひ‥)🔗🔉

こい‐な・く【請い泣く・乞い泣く】(こひ‥) 〔自カ四〕物をねだって泣く。

こいのま‐く【請い祈まく・乞い祈まく】(こひのま‥)🔗🔉

こいのま‐く【請い祈まく・乞い祈まく】(こひのま‥) (動詞「こいのむ」のク語法)請い祈ること。*万葉‐四〇〇八「手向の神に幣(ぬさ)奉りあが許比能麻久(コヒノマク)はしけやし君が正香(ただか)を」

こい‐の・む【請い祈む・乞い祈む】(こひ‥)🔗🔉

こい‐の・む【請い祈む・乞い祈む】(こひ‥) 〔他マ四〕神に請い祈る。請願する。祈願する。*万葉‐九〇四「まそ鏡手に取り持ちて天つ神仰ぎ許比乃美(コヒノミ)」

こ・う【請う・乞う】(こふ)🔗🔉

こ・う【請う・乞う】(こふ) 〔他ワ五(ハ四)〕 1 他人に、物を与えてくれるよう求める。*古事記‐中・歌謡「前妻(こなみ)が肴(な)許波(コハ)さば」*源氏‐帚木「参るとて御返りこふ」 2 望みがかなうように神仏に求める。祈る。*万葉‐三六八二「天地の神を許比(コヒ)つつ吾待たむ」 3 ある事を他人に願い求める。願い望む。「案内を乞う」*書紀‐神代上(寛文版訓)「請(コフ)、姉、天国を照し臨みたまはんこと」

しょう【請】(シャウ)🔗🔉

しょう【請】(シャウ) 1 こい願うこと。頼むこと。また、人を招くこと。要請。*今昔‐三・四「我等が請を受けよ」 2 律令制で、特定の身分の者に対して与えられた刑法上の特典。議(ぎ)につぐ資格として、五位以上の貴族などに適用された。

しょう‐いん【請印】(シャウ‥)🔗🔉

しょう‐いん【請印】(シャウ‥) 律令制の下で、公文書にその書類に応じて内印(天皇御璽)または外印(太政官印)を捺印する儀式。

しょう‐う【請雨】(シャウ‥)🔗🔉

しょう‐う【請雨】(シャウ‥) =あまごい(雨乞)

しょううきょう‐の‐ほう【請雨経の法】(シャウウキャウのホフ)🔗🔉

しょううきょう‐の‐ほう【請雨経の法】(シャウウキャウのホフ) 仏語。密教で旱魃(かんばつ)の時、大雲輪請雨経二巻等の所説により諸大竜王を勧請して、雨の降ることを祈祷する修法。請雨法。

しょうう‐ほう【請雨法】(シャウウホフ)🔗🔉

しょうう‐ほう【請雨法】(シャウウホフ) =しょううきょうのほう(請雨経法)

しょう‐か【請暇】(シャウ‥)🔗🔉

しょう‐か【請暇】(シャウ‥) =せいか(請暇)1

しょう‐けん【請見】(シャウ‥)🔗🔉

しょう‐けん【請見】(シャウ‥) 謁見を請うこと。面会を願い出ること。請謁。せいけん。

しょうじ‐い・れる【請じ入れる・招じ入れる】(シャウじ‥)🔗🔉

しょうじ‐い・れる【請じ入れる・招じ入れる】(シャウじ‥) 〔他ラ下一〕しゃうじい・る〔他ラ下二〕客などを招き入れる。家の中に導き入れる。座敷へ案内する。*竹取「先づしゃうし入(いれ)奉らん」

しょう・じる【請じる】(シャウじる)🔗🔉

しょう・じる【請じる】(シャウじる) 〔他ザ上一〕サ変動詞「しょうずる(請)」の上一段化した語。

しょう‐・ず【請ず】(シャウ‥)🔗🔉

しょう‐・ず【請ず】(シャウ‥) 〔他サ変〕⇒しょうずる(請)

しょう‐・ずる【請ずる】(シャウ‥)🔗🔉

しょう‐・ずる【請ずる】(シャウ‥) 〔他サ変〕しゃう・ず〔他サ変〕招待する。まねく。案内して内にまねく。*竹取「とまれかくまれ、先づしゃうじ入れ奉らん」

しょう‐そう【請奏】(シャウ‥)🔗🔉

しょう‐そう【請奏】(シャウ‥) 主に平安時代、太政官に請求の願を出すこと。行事の用度物の下付などを願うこと。

しょう‐そう【請僧】(シャウ‥)🔗🔉

しょう‐そう【請僧】(シャウ‥) 法会などに僧を招くこと。また、招請された僧。

しょう‐たい【招待・請待】(セウ‥)🔗🔉

しょう‐たい【招待・請待】(セウ‥) (古くは「しょうだい」)客などを招いてもてなすこと。*仮・伊曾保物語‐中「その後、又蛙鼠をしゃうだひす」

しょう‐だい【招待・請待】(セウ‥)🔗🔉

しょう‐だい【招待・請待】(セウ‥) ⇒しょうたい(招待)

しょう‐やく【請益】(シャウ‥)🔗🔉

しょう‐やく【請益】(シャウ‥) 1 仏語。師に対して不明の点につき、さらに一段の教えを請うこと。禅宗では「しんえき」。 2 =せいえき(請益)

しん‐か【請暇・請仮】🔗🔉

しん‐か【請暇・請仮】 (「しん」は「請」の唐宋音) 1 仏語。禅家で、一五日以内の外出許可を求め他行すること。 2 ⇒せいか(請暇)

せい【請】🔗🔉

せい【請】 1 こいもとめること。ねがうこと。 2 「せいげん(請減)」の略。

せい‐いん【請印】🔗🔉

せい‐いん【請印】 =しょういん(請印)

せい‐えき【請益】🔗🔉

せい‐えき【請益】 1 さらに増すことを請うこと。重ねて教えを願うこと。しょうやく。 2 朝廷の儀式の場で会釈して許しをうけること。しょうやく。

せい‐えつ【請謁】🔗🔉

せい‐えつ【請謁】 1 貴人に面会を願うこと。 2 目上の者に頼み入ること。権力者に願いもとめること。

せい‐か【請暇・請仮】🔗🔉

せい‐か【請暇・請仮】 1 休暇を請求すること。また、その休暇。しょうか。しんか。 2 特に、律令制で定期的な休暇のほかに臨時の休暇を官に請うこと。仮寧令に原則的な規定がある。 3 ⇒しんか(請暇)

せい‐がん【請願】(‥グヮン)🔗🔉

せい‐がん【請願】(‥グヮン) 1 こいねがうこと。願い出ること。 2 国民が、国、または公共団体の機関に対して、損害の救済、公務員の罷免(ひめん)、法令の制定・廃止、その他の事項について、文書で希望を申し述べること。「請願書」

せいがん‐いいん【請願委員】(セイグヮンヰヰン)🔗🔉

せいがん‐いいん【請願委員】(セイグヮンヰヰン) 旧制で、議会開会中、請願を審査するため、衆議院および貴族院に設けられた常任委員。

せいがん‐けん【請願権】(セイグヮン‥)🔗🔉

せいがん‐けん【請願権】(セイグヮン‥) 国や地方公共団体に対して請願できる権利。

せい‐きゅう【請求】(‥キウ)🔗🔉

せい‐きゅう【請求】(‥キウ) 1 こうしてほしいと要求すること。現在では、金銭に関していう場合が多い。 2 民事訴訟法上、原告が訴えによってその当否の審判を求める法律的主張。

せいきゅう‐けん【請求権】(セイキウ‥)🔗🔉

せいきゅう‐けん【請求権】(セイキウ‥) 特定の人に一定の行為を請求できる権利。支配権、形成権に対する概念で、債権がその主なもの。

せいきゅう‐しょ【請求書】(セイキウ‥)🔗🔉

せいきゅう‐しょ【請求書】(セイキウ‥) 金銭や品物またはその代金などを請求するために出す文書。

せい‐くん【請訓】🔗🔉

せい‐くん【請訓】 外国に駐在している大公使などが、本国の政府に訓令を求めること。⇔回訓

せい‐けん【請見】🔗🔉

せい‐けん【請見】 謁見をこうこと。面会をこうこと。

せい‐げん【請減】🔗🔉

せい‐げん【請減】 律に定められた減刑制度の一つ。六議(りくぎ)の者の親族、または四位、五位、および勲四等以上の者が死罪を犯したときは、罪状および断罪を上奏して勅許を請い、流罪以下は自動的に罪一等が減ぜられる特典。請。

せい‐しつ【請室】🔗🔉

せい‐しつ【請室】 裁きを待つ部屋。牢屋。

せい‐そう【請奏】🔗🔉

せい‐そう【請奏】 1 申しあげること。奏上すること。 2 ⇒しょうそう(請奏)

せい‐たく【請託・請托】🔗🔉

せい‐たく【請託・請托】 内々のたのみ。権力などのある人に、私事を願いたよること。情実上の依頼。

そう‐・ず【請ず】(サウ‥)🔗🔉

そう‐・ず【請ず】(サウ‥) 〔他サ変〕=しょうずる(請)*宇津保‐蔵開上「いときよらなる女のさうぞくをとり給ひて、三の宮さうじたてまつり給ひて」

ね・ぐ【労ぐ・請ぐ】🔗🔉

ね・ぐ【労ぐ・請ぐ】 〔他ガ上二〕(他の心を慰めいたわるのが原義で、上位に対するときには願う意に、下位に対するときにはねぎらう意になるという) 1 (請)神の心を慰め、その加護を願う。*書紀‐神功摂政前(熱田本訓)「和魂を請(ネキ)て」 2 苦労を慰める。いたわる。ねぎらう。*万葉‐九七三「うづの御手もちかき撫でそ禰宜(ネギ)たまふ」

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