【渾】 12画　水部　 区点=6253　16進=5E55　シフトJIS=9FD3 《音読み》　コン／ゴン〈hn〉 《訓読み》　にごる／にごす／すべて 《意味》 ｛動・形｝にごる。にごす。ごたまぜになっている、また、そのさま。〈同義語〉→溷コン・→混コン。「渾濁コンダク」「莫笑農家臘酒渾＝笑フナカレ農家ノ臘酒渾ルト」〔→陸游〕 ｛動・形｝分化せずに全体が一つにとけあっている。また、そのさま。「渾沌コントン（＝混沌）」「渾一コンイツ（＝混一）」「円渾エンコン（まるくとけあって角カドがない性格）」 ｛副｝すべて。まったく。ぜんぶ。ひっくるめて。〈類義語〉→全。「渾欲不勝簪＝渾テ簪ニタヘザラント欲ス」〔→杜甫〕 《解字》 会意兼形声。軍は「勹（とりかこむ）＋車」の会意文字で、戦車を円陣を成すように並べてまるくまとめること。郡や群と同系で、全体がまとまっている意を含む。渾は「水＋音符軍」で、全体がまるくまとまり、とけあっていること。混ときわめて近い。→軍 《熟語》 →熟語 →下付・中付語

【渾大】 コンダイ まるくて大きい。

【渾天】 コンテン 地をとりまく、まんまるい球形をした天。

【渾天儀】 コンテンギ 今日の地球儀のようなもので、昔、天（宇宙）の形をかたどって、日・月・星などの動きを測定するのに用いたもの。『渾儀コンギ』

【渾名】 コンメイ 人の顔かたちやくせなどによって実名以外につける名。あだな。

【渾身】 コンシン からだ全体。全身。満身。

【渾厚】 コンコウ 大きくて、どっしりと、深みのあること。

【渾淪】 コンリン・コンロン 二つ以上のものがまだわかれずにもやもやとしていて、個々のものがはっきりしないさま。〈同義語〉混淪。〔→列子〕

【渾渾】 コンコン 濁った水が盛んにわき出るさま。〈同義語〉滾滾・混混。みだれ、にごるさま。奥深く、大きく、もやもやしたさま。〈同義語〉混混。 〈注〉その他の熟語は→【混】を見よ。

【諢名】 コンメイ ＝渾名。親しみや軽べつの気持ちで、その人につける本名以外の呼び名。あだな。〈類義語〉綽名シャクメイ。