さく [0][2] 刺身にするため大きく切りそろえた切り身。

さく [1] 鍬(クワ)で畑を打ち返すこと。また，打ち返したうね。田のうね。さくり。

さく [1] 【冊】 昔，中国で天子が后妃・諸侯を立てたり，封禄・爵位を授けるときに発する勅書。

さく 【作】 （１） [1][2] 文学や美術工芸・音楽などの芸術的作品。「『草枕』は漱石の―だ」 （２） [0][2] 農産物のでき具合。「今年の―は昨年を上回るだろう」

さく [1][0] 【昨】 きのう。昨日(サクジツ)。「この日冷風―の如く/日乗（荷風）」

さく [2] 【柵】 （１）木や竹を一定の間をおいて立て，それに横木をとりつけて，人や動物が勝手に出入りできないようにした垣。 （２）とりで。

さく [1] 【朔】 （１）月と太陽との視位置の黄経が等しくなること。また，その時刻。月全体が太陽光線を背後から受けることになるので，地球からは月が見えない。新月。 ⇔望(ボウ) （２）陰暦で，月初めの日のこと。ついたち。 （３）古代中国で，その年の歳末に翌年の暦と政令を頒布したこと。また，その暦と政令。

さく [1] 【索】 （１）太いなわ。つな。 （２）仏像が手にしているなわ。不動の金剛索，観音の羂索(ケンサク)など。

さく [2][1] 【策】 （１）計略。はかりごと。「―を練る」「―をめぐらす」 （２）物事や事件に対して行う処置・手段。「こうなっては―の施しようがない」「―を講ずる」 （３）永字八法(エイジハツポウ)の第五筆の横画。 →永字八法

さく [1] 【】 （１）昔，中国で髪を包んだきれ。頭巾。 （２）天皇が神事に臨むとき，冠の纓(エイ)を巾子(コジ)ぐるみ包んで後ろで結び，垂れる白い絹。 →御(オサク)

さく [1] 【】 （１）蘚(セン)類の胞子嚢(ホウシノウ)。胞子体の主要部。球形・楕円形などで基部に柄があり，配偶体の上部につく。蘚。 （２）「果(サクカ)」に同じ。

さく 【簀】 （１）すのこ。 （２）竹を編んだむしろ。たかむしろ。

さく 【佐久】 長野県東部の市。佐久盆地の商業の中心。市街地は岩村田・中込・野沢の各町に分散。岩村田は旧城下町，また中山道の宿場町。コイなどの養殖が盛ん。

さ・く [0] 【咲く】 （動カ五［四］） （１）花のつぼみが開く。 ⇔散る 「花が―・く」 （２）波が砕けて白く見える。白波が立つ。「味鎌の潟に―・く波/万葉 3551」 [可能] さける [慣用] 話に花が―/死に花を咲かせる・一花咲かせる

さ・く [1] 【裂く・割く】 ■一■ （動カ五［四］） （１）一枚の布や紙を無理に二つ以上に引き離す。ひきやぶる。《裂》「シーツを―・く」「絹を―・くような悲鳴」 （２）動物の腹を刃物で切り開く。「腹を―・いて卵を取り出す」 （３）親密な関係にある人を無理やり引き離す。《裂》「二人の仲を―・く」「生木を―・く」 （４）時間・金・人手・スペースなどの一部分を分けて他の用途に振り向ける。《割》「賞金の一部を―・いて施設に寄付する」「誘拐事件の報道に一面全部を―・く」 （５）目尻などに入れ墨をする。「あめつつ，ちどり，ましととなど―・ける利目(トメ)/古事記（中）」 〔「裂ける」に対する自動詞〕 [可能] さける ■二■ （動カ下二） ⇒さける

さ・く 【離く・放く】 ■一■ （動カ四） 遠くへやる。引き離す。遠ざける。「見も―・かず来(キ)ぬ/万葉 450」 ■二■ （動カ下二） （１）{■一■}に同じ。「難波津(ナニワヅ)にみ船泊(ハ)てぬと聞こえ来(コ)ば紐解き―・けて立ち走りせむ/万葉 896」 （２）他の動詞の連用形に付いて，心理的に外に向かう動作を表す。…やる。…して気を晴らす。「語り―・け見―・くる人目ともしみと/万葉 4154」 →振り放(サ)く →見放(サ)く

さ・く 【避く】 （動カ下二） ⇒さける（避）

さく-あたり [3] 【作当(た)り】 農作物の実りのよいこと。豊作。 ⇔作違い

さく-い ― [1] 【作為】 （名）スル （１）あることに見せかけようと，わざと人の手を加えること。つくりごと。「―の跡が残る」「―を施す」 （２）つくること。こしらえること。「君主と人民との間を…強ひて其区別を―し/文明論之概略（諭吉）」 （３）〔法〕 人の行為のうち，積極的な行為・挙動。人を殺す，金品を盗むなど。 ⇔不作為

さくい-さいむ ―― [4] 【作為債務】 物の給付ではなく，一定の行為を積極的になすことを内容とする債務。 ⇔不作為債務

さくい-たいけん ―― [4] 【作為体験】 〔心〕 自分の考えや行為が，他人によってさせられていると感じる病的な体験。精神分裂病に特有の症状。させられ体験。

さくい-てき ―― [0] 【作為的】 （形動） わざと行なったさま。「―な感がある記事」

さくい-はん ―― [3] 【作為犯】 殺人罪や窃盗罪などのように，積極的な行為（＝作為）によって成立する犯罪。現行法規の規定する犯罪の大部はこれに属する。 ⇔不作為犯

さく-い [1][2] 【作意】 （１）芸術作品における作者の意図・趣向。「折節あはれなる―など聞ゆ/奥の細道」 （２）機転。工夫。 （３）意志。たくらみ。 （４）茶道で，創意工夫。作分(サクブン)。

さく・い [2] （形） （１）形式ばらずあっさりしていてつきあいよい。さっぱりしている。気さくだ。「あんなに気の―・い隣の席の妙子も黙つてゐた/うづまき（敏）」 （２）もろい。こわれやすい。［日葡］

さく-イオン [3] 【錯―】 錯体であるイオン。陽イオン・陰イオンの両方の場合がある。［Co（NH）］ や ［PtCl］ など。 →錯塩 →錯体

さく-いたべい [4] 【柵板塀】 柵の裏に板を張った塀。

さく-いん [0] 【索引】 ■一■ （名） ある書物に載っている項目・人名・用語などを書き出して五十音順などに並べ，その所在ページなどを示した表。インデックス。 ■二■ （名）スル （綱で）引っ張ること。「車両を―する」

さく-えん [2][0] 【錯塩】 錯イオンを含む塩。また，錯化合物の俗称。 →錯イオン →錯体

さく-おう [0] 【策応】 （名）スル お互いにしめし合わせて行動すること。「協力―して大に敵を悩まし/此一戦（広徳）」

さく-おとこ ―ヲトコ [3] 【作男】 雇われて耕作に従事する男。

さく-おんな ―ヲンナ [3] 【作女】 雇われて耕作に従事する女。

さく-か [1] 【昨夏】 昨年の夏。去年の夏。さっか。

さく-か ―クワ [0][1] 【果】 裂果の一種。二枚以上の心皮からなる子房で，成熟すると果皮が乾燥し，縦に開裂して種子を出す。アサガオ・ホウセンカなどの実。。さっか。

さく-が ―グワ [0] 【作画】 （名）スル 絵や写真を作ること。

さく-がく [0] 【錯愕】 おどろきまどうこと。

さく-かごうぶつ ―クワガフブツ [4] 【錯化合物】 錯体を含む化合物。配位化合物。

さく-がら [0] 【作柄】 （１）農作物の生育状態やでき具合。「―概況」 （２）芸術作品のでき具合。

さくがん-き [3] 【鑿岩機】 圧縮空気または電気で動かして岩盤に深く細い穴をあける機械。 〔「削岩機」とも書く〕

さく-ぎょう ―ゲウ [0] 【昨暁】 きのうの夜明け方。

さく-ぐ [1] 【索具】 綱を材料として作った，帆綱などの船具の総称。綱具。

さく-くしろ 【拆釧】 ■一■ （名） 古代の腕飾り。鈴がついている。 ■二■ （枕詞） 拆釧{■一■}に多くの鈴がついていることから，地名「五十鈴(イスズ)」にかかる。「この二柱の神は―伊須受能宮に拝(イツ)き祭る/古事記（上）」

さく-ぐわ ―グハ [0] 【作鍬】 耕作に用いる鍬。

さく-げ 【作毛】 ⇒さくもう（作毛）

さく-げき [0] 【作劇】 （名）スル 戯曲を作ること。「―術」

さく-げつ [0] 【朔月】 （１）朔のときの月。新月。 （２）陰暦で，ついたち。朔日。

さく-げん [0] 【削減】 （名）スル 削ってへらすこと。「軍事予算を―する」

さく-げん [0] 【策源】 「策源地」の略。

さくげん-ち [3] 【策源地】 戦地で，前線の部隊に対し，物資の補給などの兵站(ヘイタン)活動を行う後方基地。

さく-げん [0] 【遡源・溯源】 〔「そげん（遡源）」の慣用読み〕 源にさかのぼること。物事の根本をつきとめること。

さくげん-しゅうりょう ―シウリヤウ 【策彦周良】 (1501-1579) 室町末期の禅僧。丹波の人。天竜寺妙智院の住僧。五山文学最後の巨匠。遣明使として二度明に渡る。著「入明日記初渡集」「再渡集」「南遊集」など。

さく-こ [0][1] 【柵戸】 奈良時代，辺境の開拓・経営と防備のために移住させられた戸。きのへ。きべ。

さく-ご [0] 【索語】 ⇒索話(サクワ)

さく-ご [0] 【錯語】 〔心〕 表出される語が誤っていること。失語症の症状の一つで，音韻の誤りや語の代用がみられる。「―症」

さく-ご [1] 【錯誤】 （１）まちがい。あやまり。「―を犯す」「―におちいる」「試行―」「時代―」 （２）〔法〕 事実とそれに対する人の認識が一致しないこと。

さく-さく [0] 【索索】 (ト|タル)[文]形動タリ 風が木のこずえを鳴らすさま。「青山峨々として，松吹く風―たり/平家 10」

さく-さく [0] 【嘖嘖】 (ト|タル)[文]形動タリ 人々が口々に言いはやすさま。「好評―」「評判―たりし当代の佳人/風流仏（露伴）」 〔「悪評嘖嘖」は誤用〕

さく-さく [0] 【鑿鑿】 (ト|タル)[文]形動タリ 言葉たくみなさま。「巌公の論―として皆肯綮に中る/佳人之奇遇（散士）」

さく-さく [1] （副） （１）野菜などを切るときの軽い感じの音を表す語。「―とキャベツを刻む」 （２）雪や霜を踏んで歩く音を表す語。「―と霜を踏む」 （３）食べ物を歯でかむ音を表す語。「―とリンゴをかじる」 （４）水を注ぎ入れる音を表す語。「新しき桶に水を入れてこの釜どもに―と入る/宇治拾遺 1」 （５）はっきりものを言うさま。「―ト物ヲ言ウ人ヂャ/日葡」

さく-ざつ [0] 【錯雑】 （名・形動）スル [文]ナリ いろいろなものが見分けがつかないほどに入りまじっている・こと（さま）。錯綜。「種々(イロイロ)な叫びの―して聞える声が/土（節）」「差別なく混合して記載したる六国史等の―なるに比すれば/日本開化小史（卯吉）」

さく-さん [0] 【柞蚕】 ヤママユガ科のガ。淡褐色で前後のはねにそれぞれ透明な窓状の斑紋がある。中国原産。繭から糸をとる。明治時代に輸入され長野県の一部で飼育。幼虫はクヌギ・コナラなどの葉を食う。

さくさん-し [3] 【柞蚕糸】 柞蚕の繭からとった太い糸。やや褐色で光沢がある。この糸で織ったものを絹紬(ケンチユウ)という。

さく-さん [0][3] 【酢酸・醋酸】 刺激臭と酸味とをもつ無色の液体。化学式 CHCOOH　酢の中に約3パーセント含まれ，その酸味の主成分をなす。酒類の酢酸発酵によって生じるほか，工業的にはエチレンからアセトアルデヒドを経て大量につくられる。生体の代謝の重要物質。染色や食品調味料として使われるほか，医薬品や，酢酸ビニル・酢酸セルロースなど化学工業における用途が広い。

さくさん-アミル [5] 【酢酸―】 酢酸とアミルアルコール（ペンタノール）とのエステル。化学式 CHCOOCH　異性体が八種類あり，いずれも無色の液体。工業用の酢酸アミルは異性体の混合物でリンゴ・ナシなどの香気をもち，溶剤・人工果実エッセンスに用いる。

さくさん-エステル [5] 【酢酸―】 酢酸とアルコールから生成するエステル。一般式 CHCOOR　一般に芳香のある無色の液体。アセテート。

さくさん-エチル [5] 【酢酸―】 エチルアルコールと酢酸とのエステル。化学式 CHCOOCH　硫酸を触媒として加熱蒸留して得られる無色の液体。水には溶けにくい。パイナップルに似た芳香がある。香料や抽出溶媒に用いる。

さくさん-きん [0][3] 【酢酸菌】 エチルアルコールを直接酸化して酢酸をつくる好気性の細菌の総称。桿菌(カンキン)で運動性がなく，連鎖状につながる。醋母(サクボ)。

さくさん-けんし [5] 【酢酸絹糸】 アセテート。

さくさん-せんいそ ―セン― [7] 【酢酸繊維素】 酢酸セルロース。

さくさん-ナトリウム [7] 【酢酸―】 酢酸と水酸化ナトリウムの反応で生ずる白色の結晶。化学式 CHCOONa　水に溶ける。媒染剤・緩衝液のほか，保温剤としても用いられる。

さくさん-なまり [5] 【酢酸鉛】 普通は酢酸鉛（II）をいう。無色の結晶。化学式 Pb（CHCOO）　無水塩・三水塩・一〇水塩がある。水によく溶け，甘みがあるがいずれも有毒。三水塩は鉛糖ともよばれる。鉛塩の製造・染色・医薬に用いる。また，この水溶液をしみこませて乾かした紙は酢酸鉛紙とよばれ，硫化物イオンの検出に用いる。他に酢酸鉛（IV）（4酢酸鉛）がある。

さくさん-はっこう ―カウ [5] 【酢酸発酵】 酸素の存在下で酢酸菌のはたらきによりエチルアルコールから酢酸が生成する反応。酒類が長時日のうちに酸味を帯びてくる現象はこれにあたる。食酢の製造に利用。

さくさん-ビニル [5] 【酢酸―】 酢酸亜鉛を触媒として，アセチレンと酢酸から製造される無色の液体。化学式 CH＝CHOCOCH　甘い臭気がある。水にはあまり溶けない。ポリ酢酸ビニルの製造原料。エチレンと酢酸から製造する方法もある。

さくさん-メチル [5] 【酢酸―】 メチルアルコールと酢酸を，硫酸触媒の共存下で反応させて得られるエステル。化学式 CHCOOCH　無色の液体で，水やアルコール・エーテルに溶ける。芳香がある。香料・抽出溶媒・ワニス・ラッカーのほか，合成樹脂製造に用いる。

さく-し [0] 【作詞】 （名）スル 歌の文句を作ること。「―家」

さく-し [0] 【作詩】 （名）スル 詩を作ること。

さく-し [0][1] 【柵址】 古代の城柵の遺跡。柵跡。

さく【作】 [製作・著作]a work;→英和 (a) production;→英和 [作物]a harvest;→英和 a crop.→英和 〜が良(悪)い have a good (bad) crop.‖平年作 an average crop.

さく【策】 [計画]a plan;→英和 a scheme;→英和 a policy;→英和 [手段]a step;→英和 a measure.→英和 〜が尽きる be at one's wit's end.〜に富む be resourceful.〜を講じる take steps;devise a plan.〜を弄(ろう)する use tricks;resort to wiles.

さく【柵】 a fence;→英和 a stockade;→英和 palings.〜を作る fence round.〜で囲う enclose with a palisade.→英和

さく【咲く】 bloom;→英和 blossom;→英和 come out.咲いている be out[open];be inbloom;→英和 〔形〕blooming[open].

さく【裂く】 rend;→英和 tear;→英和 sever.→英和

さく【割く】 spare.→英和

さくい【作為】 artificiality.〜的 artificial;→英和 intentional (故意).→英和

さくい【作意】 a motif (創作);→英和 an intent(ion) (故意).→英和 〜的 intentional;→英和 deliberate.→英和 〜あって intentionally;→英和 on purpose.

さくいん【索引】 an index.→英和 〜を付ける index.

さくおとこ【作男】 a farmhand.→英和

さくがら【作柄】 a harvest;→英和 a crop.→英和

さくがんき【削岩機】 a rock[pneumatic]drill;<米>a jackhammer.→英和

さくぐ【索具】 rigging.→英和

さくげん【削減】 (a) reduction;→英和 acut.→英和 〜する cut (down);curtail.→英和

さくご【錯誤】 a mistake;→英和 an error.→英和

さくさん【醋酸】 acetic acid.醋酸塩 acetate.→英和