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なごり【名残】🔗⭐🔉
なごり [3][0] 【名残】
〔「なごり(余波)」と同源〕
(1)物事が過ぎ去ったあとになお残る,それを思い起こさせる気配やしるし。余韻や余情。また,影響。「熱戦の―を残すグラウンド」「昔の―をとどめる古城」「夏の―」
(2)別れたあとに面影などが残って,なお心引かれること。また,別れの際の心残り。「―を惜しむ」「―が尽きない」
(3)物事の最後。終わり。「―の夜」「この世の―」「その日の―なれば限りの風(フウ)なり/花鏡」
(4)去った人や故人を思い出すよすがとなるものや事。故人の形見や子孫。「おぼし出づばかりの―とどめたる身も,いとたけく/源氏(澪標)」「さてかの維時が―は/増鏡(新島守)」
(5)病後などの身体に残る影響。「いと重くわづらひ給ひつれど,ことなる―残らず/源氏(夕顔)」
(6)残り。残余。「弥生中の六日なれば花はいまだ―あり/平家 3」
(7)「名残の折」の略。
なごり-がお【名残顔】🔗⭐🔉
なごり-がお ―ガホ [0] 【名残顔】
名残惜しそうな顔つき。
なごり-きょうげん【名残狂言】🔗⭐🔉
なごり-きょうげん ―キヤウ― [4] 【名残狂言】
⇒お名残狂言
なごり-の-うら【名残の裏】🔗⭐🔉
なごり-の-うら 【名残の裏】
連歌や連句を懐紙に書くときの最後の一折の裏のこと。名裏。名ウ。
なごり-の-えん【名残の宴】🔗⭐🔉
なごり-の-えん 【名残の宴】
別れを惜しんで催す酒盛り。
なごり-の-おもて【名残の表】🔗⭐🔉
なごり-の-おもて 【名残の表】
連歌や連句を懐紙に書くときの最後の一折の表のこと。名表。名オ。
なごり-の-おり【名残の折】🔗⭐🔉
なごり-の-おり ―ヲリ [0] 【名残の折】
連歌や連句を懐紙(カイシ){(2)}に書くときの最後の一折のこと。裏表に分け百韻では表に一四句,裏に八句,歌仙(三六句)では表に一二句,裏に六句を記す。名残。
→懐紙
なごり-の-さかずき【名残の杯】🔗⭐🔉
なごり-の-さかずき ―サカヅキ 【名残の杯】
別れを惜しんで酒を酌み交わす杯。
なごり-の-しも【名残の霜】🔗⭐🔉
なごり-の-しも 【名残の霜】
八十八夜の頃に降りる霜。別れ霜。忘れ霜。
なごり-の-そで【名残の袖】🔗⭐🔉
なごり-の-そで 【名残の袖】
別れの悲しさにあふれる涙でぬれた袖。別離の心残りを惜しむたとえ。名残の袂(タモト)。「別れけむ―もかわかぬに置きやそふらむ秋の夕露/新古今(哀傷)」
なごり-の-ちゃ【名残の茶】🔗⭐🔉
なごり-の-ちゃ 【名残の茶】
残り少なくなった茶の名残を惜しんで,旧暦八,九月頃催す茶会。名残の茶事。
なごり-の-つき【名残の月】🔗⭐🔉
なごり-の-つき 【名残の月】
(1)夜明けに空に残っている月。有明けの月。残月。
(2)陰暦九月十三夜の月。その年最後の観月。後(ノチ)の名月。
なごり-の-はな【名残の花】🔗⭐🔉
なごり-の-はな 【名残の花】
(1)散り残っている(桜の)花。
(2)連句で,名残の折の裏の定座(ジヨウザ)に詠まれる花の句。
なごり-の-ゆき【名残の雪】🔗⭐🔉
なごり-の-ゆき 【名残の雪】
(1)春にはいってから降る雪。[季]春。
(2)春になっても消え残っている雪。
なごり-おし・い【名残惜しい】🔗⭐🔉
なごり-おし・い ―ヲシイ [5] 【名残惜しい】 (形)[文]シク なごりを・し
別れを惜しむ気持ちが強く,別れるのがつらい。心残りが多くて別れにくい。「―・いが,これでお別れしましょう」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
なごり-な・し【名残無し】🔗⭐🔉
なごり-な・し 【名残無し】 (形ク)
(1)残すところがない。あとかたない。「―・く燃ゆと知りせば/竹取」
(2)心残りがない。思い残すところがない。「いみじく―・くも見つるかなと宣へば/枕草子 49」
(3)以前と全く異なる様子である。打って変わったさまである。「よろづ涙留めしのぶべき心地もせずなりて,―・く御簾の内に入れ奉りて/浜松中納言 1」
なごり【名残り】(和英)🔗⭐🔉
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