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なごり【名残】🔗⭐🔉
なごり【名残】
《「余波(なごり)」から》
ある事柄が過ぎ去ったあとに、なおその気配や影響が残っていること。また、その気配や影響。余波(よは)。「台風の―の高波」「古都の―をとどめる」
人と別れるときに思い切れない気持ちが残ること。また、その気持ち。「尽きない―」
物事の最後。終わり。「この世の―」「一期(いちご)の―ぢゃと思うて清水へ参って」〈狂言記・武悪〉
亡くなった人をしのぶよすがとなるもの。忘れ形見。子孫。「かの維時(これとき)が―は、ひたすら民となりて」〈増鏡・新島守〉
病後のからだに残る影響。「いと重くわづらひ給へれど、ことなる―残らず」〈源・夕顔〉
残り。残余。「弥生中の六日なれば花はいまだ―あり」〈平家・三〉
「名残の折」「名残の茶事」などの略。







名残を惜し・む🔗⭐🔉
名残を惜し・む
別れがつらく、惜しいと思う。「旅立つ友と―・む」「行く春の―・む」
なごり‐おし・い【名残惜しい】‐をしい🔗⭐🔉
なごり‐おし・い【名残惜しい】‐をしい
[形]
なごりを・し[シク]別れがつらく、心残りのするさま。「親友との別れはことさら―・い」

なごり‐きょうげん【名残狂言】‐キヤウゲン🔗⭐🔉
なごり‐きょうげん【名残狂言】‐キヤウゲン
御名残狂言(おなごりきようげん)

なごり‐な・い【名残無い】🔗⭐🔉
なごり‐な・い【名残無い】
[形]
なごりな・し[ク]残るところがない。あとかたない。物事の影響や余韻がない。「打続いての快晴で空は―・く晴渡ッてはいたが」〈二葉亭・浮雲〉「柴の戸をさすや日影の―・く春暮れかかる山のはの雲」〈新古今・春下〉

なごり‐の‐うら【名残の裏】🔗⭐🔉
なごり‐の‐うら【名残の裏】
連歌・連句を書きつける懐紙の最後の一折の裏。百韻では最後の八句、歌仙では最後の六句を書く。名裏。
なごり‐の‐おもて【名残の表】🔗⭐🔉
なごり‐の‐おもて【名残の表】
連歌・連句を書きつける懐紙の最後の一折の表。百韻では一四句、歌仙では一二句を書く。名表。
なごり‐の‐おり【名残の折】‐をり🔗⭐🔉
なごり‐の‐おり【名残の折】‐をり
連歌・連句を書きつける懐紙の最後の一折。百韻では四枚目、歌仙・五十韻では二枚目についていう。名残。→初折
なごり‐の‐さかずき【名残の杯】‐さかづき🔗⭐🔉
なごり‐の‐さかずき【名残の杯】‐さかづき
別れを惜しんでくみかわす杯。別杯(べつぱい)。
なごり‐の‐しも【名残の霜】🔗⭐🔉
なごり‐の‐しも【名残の霜】
八十八夜のころ降りる、霜。別れ霜。忘れ霜。《季 春》
なごり‐の‐そで【名残の×袖】🔗⭐🔉
なごり‐の‐そで【名残の×袖】
別れの心残りを惜しむことのたとえ。なごりのたもと。「さらばよ友人、―を招く尾花のほのかに見えし跡絶えて」〈謡・松虫〉
なごり‐の‐たもと【名残の×袂】🔗⭐🔉
なごり‐の‐たもと【名残の×袂】
「名残の袖(そで)」に同じ。「泣いて尽きせぬ―見捨てて抱(かか)へを手繰り寄せ」〈浄・天の網島〉
なごり‐の‐ちゃ【名残の茶】🔗⭐🔉
なごり‐の‐ちゃ【名残の茶】
茶の湯で、残り少なくなった前年の古茶の名残を惜しんで、陰暦八月末日から九月にかけて催す茶会。今は、風炉から炉に移る一〇月中旬より下旬にかけて催す。名残の茶事。
なごり‐の‐ちゃじ【名残の茶事】🔗⭐🔉
なごり‐の‐ちゃじ【名残の茶事】
「名残の茶」に同じ。
なごり‐の‐つき【名残の月】🔗⭐🔉
なごり‐の‐つき【名残の月】
夜明け方の空に残る月。有り明けの月。残月。
《その年の最後の観月となるところから》陰暦九月十三夜の月。十三夜。後の月。《季 秋》


なごり‐の‐なみだ【名残の涙】🔗⭐🔉
なごり‐の‐なみだ【名残の涙】
名残を惜しんで流す涙。別れの涙。「息をとぢたる眼(まなこ)にも―せきあへず」〈浄・用明天王〉
なごり‐の‐はな【名残の花】🔗⭐🔉
なごり‐の‐はな【名残の花】
散り残っている花。残花。多く桜をいう。
連句で、名残の折の裏に詠む花。歌仙では名残の裏の五句目に花の句を詠み込む。


なごり‐の‐ゆき【名残の雪】🔗⭐🔉
なごり‐の‐ゆき【名残の雪】
春が来ても消え残っている雪。
春が来てから降る雪。《季 春》


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