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広辞苑の検索結果 (18)
なごり【名残・余波】🔗⭐🔉
なごり【名残・余波】
(ナミ(波)ノコリ(残)の約という)
➊(「余波」と書く)
①風が静まって後も、なおしばらく波の立っていること。また、その波。万葉集7「なごの海の朝けの―」
②波が退いて後に汀みぎわに残る波。また、残された海藻など。万葉集6「難波潟潮干の―」
➋①物事の過ぎ去った後、なおその気配や影響などの残ること。余韻。万葉集11「待ちし夜の―そ今も寝いねかてにする」。方丈記「かくおびたたしくふる事は、しばしにて止みにしかども、その―しばしは絶えず」。「昔の―をとどめる」
②特に、人との別れを惜しむ気持。源氏物語若紫「―も慰めがたう泣き居給へり」。「―が尽きない」
③もれ残ること。もれ残り。源氏物語紅葉賀「―なく内にも宮人も喜び聞え給ふ」
④別れること。また、別れとなること。ものごとの終り。天草本平家物語「―を惜しみ、涙を流されぬはなかつた」
⑤子孫。栄華物語様々喜「尚侍、六の女御など聞えし御―も」
⑥「名残の折」の略。
⇒なごり‐がお【名残顔】
⇒なごり‐きょうげん【名残狂言】
⇒なごり‐の‐うら【名残の裏】
⇒なごり‐の‐おもて【名残の表】
⇒なごり‐の‐おり【名残の折】
⇒なごり‐の‐さかずき【名残の杯】
⇒なごり‐の‐しも【名残の霜】
⇒なごり‐の‐そで【名残の袖】
⇒なごり‐の‐たもと【名残の袂】
⇒なごり‐の‐ちゃ【名残の茶】
⇒なごり‐の‐つき【名残の月】
⇒なごり‐の‐なみだ【名残の涙】
⇒なごり‐の‐はな【名残の花】
⇒なごり‐の‐ゆき【名残の雪】
⇒なごり‐やみ【名残病み】
なごり‐おし・い【名残惜しい】‥ヲシイ🔗⭐🔉
なごり‐おし・い【名残惜しい】‥ヲシイ
〔形〕
別れがつらく心残りである。
なごり‐がお【名残顔】‥ガホ🔗⭐🔉
なごり‐がお【名残顔】‥ガホ
なごり惜しそうな顔つき。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐きょうげん【名残狂言】‥キヤウ‥🔗⭐🔉
なごり‐きょうげん【名残狂言】‥キヤウ‥
①役者がその地を離れようとし、または引退しようとする時に演ずる歌舞伎狂言。お名残狂言。
②9月に入って行われる歌舞伎興行。11月が年度変りだったところからの名。秋狂言。九月狂言。〈[季]秋〉
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐うら【名残の裏】🔗⭐🔉
なごり‐の‐うら【名残の裏】
連歌・俳諧の懐紙かいしの「名残の折」の裏。略して、名裏。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐おもて【名残の表】🔗⭐🔉
なごり‐の‐おもて【名残の表】
連歌・俳諧の懐紙かいしの「名残の折」の表。略して、名表。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐おり【名残の折】‥ヲリ🔗⭐🔉
なごり‐の‐おり【名残の折】‥ヲリ
連歌・俳諧の懐紙かいしの最後の一折。百韻では表14句・裏8句、歌仙では表12句・裏6句を記す。略して名残または名。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐さかずき【名残の杯】‥サカヅキ🔗⭐🔉
なごり‐の‐さかずき【名残の杯】‥サカヅキ
名残を惜しんでくみかわす杯。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐しも【名残の霜】🔗⭐🔉
なごり‐の‐しも【名残の霜】
八十八夜の頃に、これを限りにして置く霜。忘れ霜。別れ霜。〈[季]春〉
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐そで【名残の袖】🔗⭐🔉
なごり‐の‐そで【名残の袖】
名残を惜しんで分かつ袖。謡曲、松虫「さらばよ友人―を招く尾花の」
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐たもと【名残の袂】🔗⭐🔉
なごり‐の‐たもと【名残の袂】
(→)「名残の袖」に同じ。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐ちゃ【名残の茶】🔗⭐🔉
なごり‐の‐ちゃ【名残の茶】
茶の湯で、古茶の名残に、陰暦の8月末から9月までに行う茶事。残茶。今は、風炉から炉に移る10月の中頃から11月初めに行う。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐つき【名残の月】🔗⭐🔉
なごり‐の‐つき【名残の月】
①夜明けの空に残った月。ありあけの月。残月。
②一年中の最後の名月、すなわち陰暦九月十三夜の月。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐なみだ【名残の涙】🔗⭐🔉
なごり‐の‐なみだ【名残の涙】
名残を惜しんで流す涙。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐はな【名残の花】🔗⭐🔉
なごり‐の‐はな【名残の花】
①散り残った花。特に桜の花を指すことがある。残花。〈[季]春〉。玉葉集春「春をしたふ―も」
②(→)「においのはな」に同じ。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐ゆき【名残の雪】🔗⭐🔉
なごり‐の‐ゆき【名残の雪】
春になってから冬のなごりに降る雪。涅槃雪ねはんゆき。雪のはて。忘れ雪。〈[季]春〉
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐やみ【名残病み】🔗⭐🔉
なごり‐やみ【名残病み】
以前の病がもとで再発した病。
⇒なごり【名残・余波】
○名を残すなをのこす🔗⭐🔉
○名を残すなをのこす
歴史に残るような功績を立てる。名をとどめる。源氏物語絵合「名を残しける古き心をいふに」。「末代に―」
⇒な【名】
大辞林の検索結果 (17)
なごり【名残】🔗⭐🔉
なごり [3][0] 【名残】
〔「なごり(余波)」と同源〕
(1)物事が過ぎ去ったあとになお残る,それを思い起こさせる気配やしるし。余韻や余情。また,影響。「熱戦の―を残すグラウンド」「昔の―をとどめる古城」「夏の―」
(2)別れたあとに面影などが残って,なお心引かれること。また,別れの際の心残り。「―を惜しむ」「―が尽きない」
(3)物事の最後。終わり。「―の夜」「この世の―」「その日の―なれば限りの風(フウ)なり/花鏡」
(4)去った人や故人を思い出すよすがとなるものや事。故人の形見や子孫。「おぼし出づばかりの―とどめたる身も,いとたけく/源氏(澪標)」「さてかの維時が―は/増鏡(新島守)」
(5)病後などの身体に残る影響。「いと重くわづらひ給ひつれど,ことなる―残らず/源氏(夕顔)」
(6)残り。残余。「弥生中の六日なれば花はいまだ―あり/平家 3」
(7)「名残の折」の略。
なごり-がお【名残顔】🔗⭐🔉
なごり-がお ―ガホ [0] 【名残顔】
名残惜しそうな顔つき。
なごり-きょうげん【名残狂言】🔗⭐🔉
なごり-きょうげん ―キヤウ― [4] 【名残狂言】
⇒お名残狂言
なごり-の-うら【名残の裏】🔗⭐🔉
なごり-の-うら 【名残の裏】
連歌や連句を懐紙に書くときの最後の一折の裏のこと。名裏。名ウ。
なごり-の-えん【名残の宴】🔗⭐🔉
なごり-の-えん 【名残の宴】
別れを惜しんで催す酒盛り。
なごり-の-おもて【名残の表】🔗⭐🔉
なごり-の-おもて 【名残の表】
連歌や連句を懐紙に書くときの最後の一折の表のこと。名表。名オ。
なごり-の-おり【名残の折】🔗⭐🔉
なごり-の-おり ―ヲリ [0] 【名残の折】
連歌や連句を懐紙(カイシ){(2)}に書くときの最後の一折のこと。裏表に分け百韻では表に一四句,裏に八句,歌仙(三六句)では表に一二句,裏に六句を記す。名残。
→懐紙
なごり-の-さかずき【名残の杯】🔗⭐🔉
なごり-の-さかずき ―サカヅキ 【名残の杯】
別れを惜しんで酒を酌み交わす杯。
なごり-の-しも【名残の霜】🔗⭐🔉
なごり-の-しも 【名残の霜】
八十八夜の頃に降りる霜。別れ霜。忘れ霜。
なごり-の-そで【名残の袖】🔗⭐🔉
なごり-の-そで 【名残の袖】
別れの悲しさにあふれる涙でぬれた袖。別離の心残りを惜しむたとえ。名残の袂(タモト)。「別れけむ―もかわかぬに置きやそふらむ秋の夕露/新古今(哀傷)」
なごり-の-ちゃ【名残の茶】🔗⭐🔉
なごり-の-ちゃ 【名残の茶】
残り少なくなった茶の名残を惜しんで,旧暦八,九月頃催す茶会。名残の茶事。
なごり-の-つき【名残の月】🔗⭐🔉
なごり-の-つき 【名残の月】
(1)夜明けに空に残っている月。有明けの月。残月。
(2)陰暦九月十三夜の月。その年最後の観月。後(ノチ)の名月。
なごり-の-はな【名残の花】🔗⭐🔉
なごり-の-はな 【名残の花】
(1)散り残っている(桜の)花。
(2)連句で,名残の折の裏の定座(ジヨウザ)に詠まれる花の句。
なごり-の-ゆき【名残の雪】🔗⭐🔉
なごり-の-ゆき 【名残の雪】
(1)春にはいってから降る雪。[季]春。
(2)春になっても消え残っている雪。
なごり-おし・い【名残惜しい】🔗⭐🔉
なごり-おし・い ―ヲシイ [5] 【名残惜しい】 (形)[文]シク なごりを・し
別れを惜しむ気持ちが強く,別れるのがつらい。心残りが多くて別れにくい。「―・いが,これでお別れしましょう」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
なごり-な・し【名残無し】🔗⭐🔉
なごり-な・し 【名残無し】 (形ク)
(1)残すところがない。あとかたない。「―・く燃ゆと知りせば/竹取」
(2)心残りがない。思い残すところがない。「いみじく―・くも見つるかなと宣へば/枕草子 49」
(3)以前と全く異なる様子である。打って変わったさまである。「よろづ涙留めしのぶべき心地もせずなりて,―・く御簾の内に入れ奉りて/浜松中納言 1」
なごり【名残り】(和英)🔗⭐🔉
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