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なごり【名残・余波】🔗⭐🔉
なごり【名残・余波】
(ナミ(波)ノコリ(残)の約という)
➊(「余波」と書く)
①風が静まって後も、なおしばらく波の立っていること。また、その波。万葉集7「なごの海の朝けの―」
②波が退いて後に汀みぎわに残る波。また、残された海藻など。万葉集6「難波潟潮干の―」
➋①物事の過ぎ去った後、なおその気配や影響などの残ること。余韻。万葉集11「待ちし夜の―そ今も寝いねかてにする」。方丈記「かくおびたたしくふる事は、しばしにて止みにしかども、その―しばしは絶えず」。「昔の―をとどめる」
②特に、人との別れを惜しむ気持。源氏物語若紫「―も慰めがたう泣き居給へり」。「―が尽きない」
③もれ残ること。もれ残り。源氏物語紅葉賀「―なく内にも宮人も喜び聞え給ふ」
④別れること。また、別れとなること。ものごとの終り。天草本平家物語「―を惜しみ、涙を流されぬはなかつた」
⑤子孫。栄華物語様々喜「尚侍、六の女御など聞えし御―も」
⑥「名残の折」の略。
⇒なごり‐がお【名残顔】
⇒なごり‐きょうげん【名残狂言】
⇒なごり‐の‐うら【名残の裏】
⇒なごり‐の‐おもて【名残の表】
⇒なごり‐の‐おり【名残の折】
⇒なごり‐の‐さかずき【名残の杯】
⇒なごり‐の‐しも【名残の霜】
⇒なごり‐の‐そで【名残の袖】
⇒なごり‐の‐たもと【名残の袂】
⇒なごり‐の‐ちゃ【名残の茶】
⇒なごり‐の‐つき【名残の月】
⇒なごり‐の‐なみだ【名残の涙】
⇒なごり‐の‐はな【名残の花】
⇒なごり‐の‐ゆき【名残の雪】
⇒なごり‐やみ【名残病み】
なごり‐おし・い【名残惜しい】‥ヲシイ🔗⭐🔉
なごり‐おし・い【名残惜しい】‥ヲシイ
〔形〕
別れがつらく心残りである。
なごり‐がお【名残顔】‥ガホ🔗⭐🔉
なごり‐がお【名残顔】‥ガホ
なごり惜しそうな顔つき。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐きょうげん【名残狂言】‥キヤウ‥🔗⭐🔉
なごり‐きょうげん【名残狂言】‥キヤウ‥
①役者がその地を離れようとし、または引退しようとする時に演ずる歌舞伎狂言。お名残狂言。
②9月に入って行われる歌舞伎興行。11月が年度変りだったところからの名。秋狂言。九月狂言。〈[季]秋〉
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐うら【名残の裏】🔗⭐🔉
なごり‐の‐うら【名残の裏】
連歌・俳諧の懐紙かいしの「名残の折」の裏。略して、名裏。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐おもて【名残の表】🔗⭐🔉
なごり‐の‐おもて【名残の表】
連歌・俳諧の懐紙かいしの「名残の折」の表。略して、名表。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐おり【名残の折】‥ヲリ🔗⭐🔉
なごり‐の‐おり【名残の折】‥ヲリ
連歌・俳諧の懐紙かいしの最後の一折。百韻では表14句・裏8句、歌仙では表12句・裏6句を記す。略して名残または名。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐さかずき【名残の杯】‥サカヅキ🔗⭐🔉
なごり‐の‐さかずき【名残の杯】‥サカヅキ
名残を惜しんでくみかわす杯。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐しも【名残の霜】🔗⭐🔉
なごり‐の‐しも【名残の霜】
八十八夜の頃に、これを限りにして置く霜。忘れ霜。別れ霜。〈[季]春〉
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐そで【名残の袖】🔗⭐🔉
なごり‐の‐そで【名残の袖】
名残を惜しんで分かつ袖。謡曲、松虫「さらばよ友人―を招く尾花の」
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐たもと【名残の袂】🔗⭐🔉
なごり‐の‐たもと【名残の袂】
(→)「名残の袖」に同じ。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐ちゃ【名残の茶】🔗⭐🔉
なごり‐の‐ちゃ【名残の茶】
茶の湯で、古茶の名残に、陰暦の8月末から9月までに行う茶事。残茶。今は、風炉から炉に移る10月の中頃から11月初めに行う。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐つき【名残の月】🔗⭐🔉
なごり‐の‐つき【名残の月】
①夜明けの空に残った月。ありあけの月。残月。
②一年中の最後の名月、すなわち陰暦九月十三夜の月。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐なみだ【名残の涙】🔗⭐🔉
なごり‐の‐なみだ【名残の涙】
名残を惜しんで流す涙。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐はな【名残の花】🔗⭐🔉
なごり‐の‐はな【名残の花】
①散り残った花。特に桜の花を指すことがある。残花。〈[季]春〉。玉葉集春「春をしたふ―も」
②(→)「においのはな」に同じ。
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐の‐ゆき【名残の雪】🔗⭐🔉
なごり‐の‐ゆき【名残の雪】
春になってから冬のなごりに降る雪。涅槃雪ねはんゆき。雪のはて。忘れ雪。〈[季]春〉
⇒なごり【名残・余波】
なごり‐やみ【名残病み】🔗⭐🔉
なごり‐やみ【名残病み】
以前の病がもとで再発した病。
⇒なごり【名残・余波】
○名を残すなをのこす🔗⭐🔉
○名を残すなをのこす
歴史に残るような功績を立てる。名をとどめる。源氏物語絵合「名を残しける古き心をいふに」。「末代に―」
⇒な【名】
広辞苑に「名残」で始まるの検索結果 1-18。