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お-まい【御前】🔗⭐🔉
お-まい [0] 【御前】 (代)
〔「おまえ」の転〕
二人称。同等以下の相手に用いる。
〔「おまえ」よりやや卑俗な語感をもつ〕
お-まえ【御前】🔗⭐🔉
お-まえ ―マヘ 【御前】
■一■ (名) [2]
(1)神仏・貴人の前。おんまえ。みまえ。「神の―にぬかずく」
(2)身分の高い人を直接にさすことを避けていう語。「―にはいと悩ましげにて/落窪 1」
(3)(「…のおまえ」の形で)身分の高い人を敬う気持ちで付ける語。「殿の―は三十より関白せさせ給ひて/大鏡(道長)」
■二■ (代) [0]
(1)二人称。(ア)同等またはそれ以下の相手をさしていう。多く男性が用いる。「―はなんというだらしない男だ」(イ)相手を敬っていう語。男女ともに用いる。あなたさま。「―にだにつつませ給はむことを,ましてことびとはいかでか/源氏(手習)」
(2)三人称。第三者を敬っていう語。あのかた。「これは―に参らせ給へ/源氏(玉鬘)」
〔二人称としては近世前期までは最も高い敬意をもって用いられたが,次第に敬意が薄れ,明治以降は対等またはそれ以下の者に対する語となった〕
おまえ-がた【御前方】🔗⭐🔉
おまえ-がた ―マヘ― 【御前方】 (代)
〔「がた」は接尾語〕
二人称の複数。相手を敬っていう語。あなたさまがた。「卒爾ながら―の懐中(フトコロ)を詮議して下されませ/歌舞伎・一心二河白道」
おまえ-ざた【御前沙汰】🔗⭐🔉
おまえ-ざた ―マヘ― 【御前沙汰】
正式の裁判。おおやけ沙汰。
⇔内沙汰
「こなたは口不調法なほどに,―では負けになりませう/狂言記・内沙汰」
おまえ-さま【御前様】🔗⭐🔉
おまえ-さま ―マヘ― 【御前様】 (代)
二人称。近世にはきわめて高い敬意を表し,男女ともに用いた。あなたさま。「―がもうちつと大人らしくあそばせばよいに/人情本・娘節用」
おまえ-さん【御前さん】🔗⭐🔉
おまえ-さん ―マヘ― [0] 【御前さん】 (代)
〔「おまえさま」の転〕
二人称。
(1)親しみの気持ちをこめて自分より下の人を呼ぶ語。「―は長生きするよ」
(2)妻が夫を呼ぶ語。「―,帰りにパンを買ってきて」
(3)相手を敬っていう語。近世,一般社会でも遊里でも用いられ,かなり高い敬意を表した。「―にはちとおあつうございませう/滑稽本・浮世風呂 2」
おまえ-たち【御前達】🔗⭐🔉
おまえ-たち ―マヘ― [2][3] 【御前達】
■一■ (代)
二人称の複数。
(1)二人以上の,同等あるいはそれ以下の相手に対して用いる。「―は,しっかり勉強しなさいよ」
(2)貴人に対して,敬意をこめていう。「―にまさりたる人々など,いたう,いかで,いかで,とぞ言へど/狭衣 1」
■二■ (名)
貴人の前に仕える人たち。宮仕えの女房たち。「―も必ずさ思すゆゑ侍らむかし/更級」
おまえ-の-こころみ【御前の試み】🔗⭐🔉
おまえ-の-こころみ ―マヘ― 【御前の試み】
「ごぜん(御前)のこころみ」に同じ。「―の夜の御髪上/枕草子 156」
おまえ-まち【御前町】🔗⭐🔉
おまえ-まち ―マヘ― [2][3] 【御前町】
社寺などの前に発達した町。門前町。
おまえ-ざき【御前崎】🔗⭐🔉
おまえ-ざき オマヘ― 【御前崎】
静岡県中南部,駿河湾と遠州灘を分ける岬。付近一帯は海抜40メートルの隆起海食台。
お-めえ【御前】🔗⭐🔉
お-めえ [0] 【御前】 (代)
〔「おまえ」の転〕
二人称。
(1)同輩以下の者に対するぞんざいな言い方として用いられる。「おれがこうなったのも―のせいだ」
(2)近世には,対等あるいはそれ以上の者に対して,男女ともに用いる。「―お茶を上がるかえ/洒落本・青楼楽種」
おめえ-さま【御前様】🔗⭐🔉
おめえ-さま 【御前様】 (代)
二人称。対等あるいはそれ以上の者に対して,かなり高い敬意を表す。「きうくつにすわつて―といひ/柳多留 10」
おめえ-さん【御前さん】🔗⭐🔉
おめえ-さん 【御前さん】 (代)
二人称。対等あるいはそれ以上の者に対して用いる。「―,お上がんなせえ/滑稽本・浮世床(初)」
おめえ-たち【御前達】🔗⭐🔉
おめえ-たち 【御前達】 (代)
二人称の複数。対等あるいはそれ以下の者に対して用いる。「第一―に切つかけも稽古もいらねえから,まちげえがなくつていい/滑稽本・八笑人」
おん-まえ【御前】🔗⭐🔉
おん-まえ ―マヘ [1] 【御前】
(1)貴人の前。「陛下の―に進み出る」
(2)女性の手紙の脇付(ワキヅケ)に用いる語。御前に。
ご-ぜ【御前】🔗⭐🔉
ご-ぜ 【御前】
〔「ごぜん(御前)」の転〕
■一■ (名)
貴人などに対する敬称。ごぜん。「夷(エビス)の―腰掛けの石/狂言・石神」
■二■ (代)
二人称。女性に対し敬意を含めて用いる。ごぜん。「や―,―と言ひけれども音もせず/義経記 7」
■三■ (接尾)
女性の名などに付けて,敬意を添える。ごぜん。「姫―」
ご-ぜん【御前】🔗⭐🔉
ご-ぜん [0][1] 【御前】
〔「おまえ」の漢字表記「御前」を音読みした語〕
■一■ (名)
(1)天皇や貴人の前。また,神仏の前。「―に伺候する」
(2)〔「御前駆」の略〕
騎馬で貴人の先導をする者。「―どもの中に例見ゆる人などあり/蜻蛉(下)」
(3)貴人に対する敬称。近世,大名・旗本・大名の奥方に対する敬称。「―御寝なりて/今昔 24」
■二■ (代)
二人称。
(1)女性に対し敬意を含めて用いる。「―たち,さはいたく笑ひ給ひてわび給ふなよ/宇治拾遺 14」
(2)近世,大名・旗本,その奥方などを家臣が敬っていう語。「是ははしたない,―の御いでなさるる儀ではござりませぬ/歌舞伎・毛抜」
■三■ (接尾)
(1)神の名に付けて,尊敬の意を表す。「かかる折節には竜王―ともこそかしづき申すべき/盛衰記 18」
(2)人の名などに付けて軽い尊敬や親愛の気持ちを表す。「小松三位中将殿の若君六代―/平家 12」
(3)白拍子(シラビヨウシ)の名に付ける敬称。「祇王―/平家 1」
ごぜん-かいぎ【御前会議】🔗⭐🔉
ごぜん-かいぎ ―クワイ― [4] 【御前会議】
戦前の日本で国家の重大時に,天皇の出席のもとに,元老・主要閣僚・軍部首脳などによって開かれた最高会議。
ごぜん-がかり【御前掛(か)り】🔗⭐🔉
ごぜん-がかり [4] 【御前掛(か)り】
貴人上覧の際,能楽などを通常とは違った特別な作法で演ずること。
ごぜん-さま【御前様】🔗⭐🔉
ごぜん-さま [4][5] 【御前様】
〔「御前」をさらに敬っていう語〕
(1)高位・高官の人,また高僧をその使用人や信者などが敬っていう語。
(2)特に,大名や高禄の旗本などの夫人を敬っていう語。
〔(1)(2)とも,二人称の人代名詞的にも用いられることがある〕
ごぜん-じあい【御前試合】🔗⭐🔉
ごぜん-じあい ―アヒ [4] 【御前試合】
将軍・大名などの前で行う武術の試合。また,天覧試合。
ごぜん-たちばな【御前橘】🔗⭐🔉
ごぜん-たちばな [5] 【御前橘】
ミズキ科の常緑多年草。高山の針葉樹林内に生える。茎は高さ10センチメートル内外で,頂に狭倒卵形の葉六個が輪生する。初夏,葉心から花柄を出し,頭状に多数の小花をつけ,球形の赤い実を結ぶ。
ごぜん-の-こころみ【御前の試み】🔗⭐🔉
ごぜん-の-こころみ 【御前の試み】
五節(ゴセチ)の儀式の一。一一月中(ナカ)の寅の日の夜,天皇が五節の舞姫の試舞を見るもの。五節の試み。おまえのこころみ。
ごぜん-ひこう【御前披講】🔗⭐🔉
ごぜん-ひこう ―カウ [4] 【御前披講】
宮中での歌合(ウタアワセ)や歌会の時,天皇の前で和歌を詠み上げること。
み-さき【御先・御前】🔗⭐🔉
み-さき 【御先・御前】
(1)貴人の外出の際などの先導をすること。先払い。前駆(ゼンク)。「―の松明(マツ)ほのかにて,いと忍びていで給ふ/源氏(夕顔)」
(2)神が,使者としてつかわす動物。御先物。
ごぜん【御前】(和英)🔗⭐🔉
ごぜん【御前】
(1)[貴人の前]the presence.→英和
(2)[敬称]Your[His]Excellency;my lord.‖御前会議 a council in the Imperial presence.
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