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広辞苑の検索結果 (31)
お‐まえ【御前】‥マヘ🔗⭐🔉
お‐まえ【御前】‥マヘ
[一]〔名〕
神仏または貴人の前。ごぜん。おんまえ。みまえ。狂言、福の神「何かと申す内に、是ははや―で御座る」
[二]〔代〕
(二人称)もとは目上を、今は主に男性が同等あるいは目下を指す。
⇒おまえ‐がた【御前方】
⇒おまえ‐ざた【御前沙汰】
⇒おまえ‐さま【御前様】
⇒おまえ‐さん【御前様】
⇒おまえ‐たち【御前達】
⇒おまえ‐の‐こころみ【御前の試】
⇒おまえ‐ぼうこう【御前奉公】
⇒おまえ‐まち【御前町】
おまえ‐がた【御前方】‥マヘ‥🔗⭐🔉
おまえ‐がた【御前方】‥マヘ‥
〔代〕
(二人称)目上の人を敬っていう語。あなたがた。
⇒お‐まえ【御前】
おまえ‐ざき【御前崎】‥マヘ‥🔗⭐🔉
おまえ‐ざき【御前崎】‥マヘ‥
①静岡県中部、遠州灘と駿河湾との間に突出する岬。御前埼灯台がある。
②静岡県中南部の市。茶・イチゴ・メロンの栽培と観光を基幹とする。浜岡原子力発電所がある。人口3万5千。
おまえ‐ざた【御前沙汰】‥マヘ‥🔗⭐🔉
おまえ‐ざた【御前沙汰】‥マヘ‥
(→)「おおやけざた」1に同じ。狂言、内沙汰「―ではまけになりませう」
⇒お‐まえ【御前】
おまえ‐さま【御前様】‥マヘ‥🔗⭐🔉
おまえ‐さま【御前様】‥マヘ‥
〔代〕
「お前」の尊敬語。近世では、非常に高い敬意を表した。
⇒お‐まえ【御前】
おまえ‐さん【御前様】‥マヘ‥🔗⭐🔉
おまえ‐さん【御前様】‥マヘ‥
〔代〕
①「お前」の親称。近世では、はじめかなり高い敬意を表した。
②庶民層で妻がその夫を呼ぶ称。
⇒お‐まえ【御前】
おまえ‐たち【御前達】‥マヘ‥🔗⭐🔉
おまえ‐たち【御前達】‥マヘ‥
[一]〔名〕
貴人の御前に仕える女房たち。更級日記「―も必ずさおぼすゆゑ侍らむかし」
[二]〔代〕
二人以上の同等あるいは目下めしたの相手を呼ぶ語。
⇒お‐まえ【御前】
おまえ‐の‐こころみ【御前の試】‥マヘ‥🔗⭐🔉
おまえ‐の‐こころみ【御前の試】‥マヘ‥
11月中なかの寅の日の夜、天皇が清涼殿に舞姫を召して舞を見る行事。五節ごせちの行事の一つ。枕草子156「―の夜の御髪上みぐしあげ」
⇒お‐まえ【御前】
おまえ‐ぼうこう【御前奉公】‥マヘ‥🔗⭐🔉
おまえ‐ぼうこう【御前奉公】‥マヘ‥
貴人のそば近く仕える奉公。
⇒お‐まえ【御前】
おまえ‐まち【御前町】‥マヘ‥🔗⭐🔉
おまえ‐まち【御前町】‥マヘ‥
社寺などの前にある町。門前町。
⇒お‐まえ【御前】
お‐めえ【御前】🔗⭐🔉
お‐めえ【御前】
〔代〕
(「おまえ」の転)「おまえ」のぞんざいな言い方。
おん‐まえ【御前】‥マヘ🔗⭐🔉
おん‐まえ【御前】‥マヘ
女子の手紙の脇付わきづけ。御前に。
ご‐ぜ【御前】🔗⭐🔉
ご‐ぜ【御前】
①(御前駆ごぜんくの略)(→)「みさきおい」に同じ。今昔物語集31「指貫さしぬき姿の―ども十余人」
②貴婦人の尊敬語。今昔物語集31「わが―たちの御あたりには」
③(接尾語的に用いる)女性の尊敬語。「姫―」→ごぜん
ご‐ぜん【御前】🔗⭐🔉
ご‐ぜん【御前】
①貴人の座前または面前の尊敬語。おんまえ。源氏物語若菜下「―などにてたびたび試みさせ給ふに」
②(御前駆の略)貴人の前駆の尊敬語。みさきばらい。宇津保物語蔵開上「御随身ども―すべき人」
③自分の妻または他の女性に対する称。宇治拾遺物語14「―たち、…わび給ふなよ」
④貴人に対する敬称。江戸時代、大名・旗本などをその家臣から言った敬称。また、大名・高家などの奥方の敬称。好色一代女1「或大名の―死去の後」
⑤(接尾語的に用いる)神・貴人・白拍子しらびょうしなどを呼ぶのに敬意や親愛を表す。「竜王―」「静―」「若君―」「大姫―」→ごぜ。
⇒ごぜん‐かいぎ【御前会議】
⇒ごぜん‐がかり【御前掛り】
⇒ごぜん‐くじ【御前公事】
⇒ごぜん‐こう【御前講】
⇒ごぜん‐さま【御前様】
⇒ごぜん‐じあい【御前試合】
⇒ごぜん‐そう【御前僧】
⇒ごぜん‐ちょう【御前帳】
⇒ごぜん‐ちょくし【御前勅使】
⇒ごぜん‐ひこう【御前披講】
⇒ごぜん‐まじわり【御前交わり】
⇒ごぜん‐むき【御前向き】
⇒御前去らず
ごぜん‐かいぎ【御前会議】‥クワイ‥🔗⭐🔉
ごぜん‐かいぎ【御前会議】‥クワイ‥
明治憲法下で、国家の重大な緊急事件について、天皇出席のもとに、重臣・大臣などが催す会議。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐がかり【御前掛り】🔗⭐🔉
ごぜん‐がかり【御前掛り】
能や狂言などで貴人上覧の際の特別な演じ方。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐くじ【御前公事】🔗⭐🔉
ごぜん‐くじ【御前公事】
主君が直接に訴訟を審理すること。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐こう【御前講】‥カウ🔗⭐🔉
ごぜん‐こう【御前講】‥カウ
貴人の前で、書物などの講義をすること。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐さま【御前様】🔗⭐🔉
○御前去らずごぜんさらず🔗⭐🔉
○御前去らずごぜんさらず
主君のお気に入りで、常にそのそばに侍するのにいう。
⇒ご‐ぜん【御前】
こ‐せんじ【小宣旨】
太政官の弁官が諸司や社寺に下した公文書。小事で大臣宣を要しないもの。↔大宣旨
こぜん‐し【濃染紙】
紫色に濃く染めた紙。紫式部日記「いたうかすめたる―に」
ごせん‐し【五線紙】
五線記譜法用の五線を印刷した紙。
⇒ご‐せん【五線】
ごぜん‐じあい【御前試合】‥アヒ
天覧試合。また、将軍・大名などの前で行なった武術の試合。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごせんしゅう【後撰集】‥シフ
「後撰和歌集」の略称。
こ‐せんじょう【古戦場】‥ヂヤウ
昔、戦争のあった場所。
ごぜん‐じょうとう【御膳上等】‥ジヤウ‥
上等を強めていう語。
⇒ご‐ぜん【御膳】
ごぜん‐じるこ【御膳汁粉】
こし餡あんを溶かして餅を入れて仕立てた上等の汁粉。→田舎汁粉。
⇒ご‐ぜん【御膳】
こ‐せんすい【涸山水】
(→)枯山水かれさんすいに同じ。
ごぜん‐そう【御前僧】
宮中で法事を勤めた僧。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐そば【御膳蕎麦】
上等なそば。卵らん切りなど。
⇒ご‐ぜん【御膳】
ごぜん‐たちばな【御前橘】
(「御前」は石川・岐阜県境の白山はくさんの主峰名。白山で最初に発見された)ミズキ科の常緑多年草。北半球の亜高山帯の林下に生じる。高さ約10センチメートルで、葉は4〜6片輪生。花軸の頂に白色4片の総苞、中央に小花を多数つける。果実は赤く熟す。
ごぜんたちばな
ごぜん‐だな【御膳棚】
①床脇棚の一種。膳具を載せる棚。
②台所に設け、膳部の品々を載せておく棚。
⇒ご‐ぜん【御膳】
ごぜん‐ちょう【御前帳】‥チヤウ
①権力機構の頂点に立つ人物が直接的に掌握するために作成した重要帳簿。
②近世には、検地により確定した村の石高を、国郡別に編成した帳簿。1591年(天正19)の豊臣秀吉の時以来、江戸時代においても諸大名に調進を命じ、国絵図とともに将軍に提出された。ここに登録された村高の集計がいわゆる大名の表高おもてだか。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐ちょくし【御前勅使】
古代、斎王いつきのみこの御禊ごけいの時、河原まで供奉ぐぶした勅使。
⇒ご‐ぜん【御前】
こせん‐の‐さいしょう【巨川の済渉】‥セフ
[書経説命上「若し巨川を済わたるときは、汝を用い舟楫と作なさん」](「済渉」は渡る意)政治を行うこと。
⇒こ‐せん【巨川】
ごぜん‐はこずし【御膳箱鮨】
江戸時代、江戸本石町の伊勢屋八兵衛が売り出した上等の押鮨。御膳鮨。
⇒ご‐ぜん【御膳】
ごぜん‐ばし【ごぜん箸】
食物を指で挟んで食べること。俚言集覧「御前箸…五指にてつかむ故にいふと云へり」
ごぜん‐ばん【御膳番】
主君の御膳をつかさどる役。
⇒ご‐ぜん【御膳】
ごぜん‐ひこう【御前披講】‥カウ
宮中御歌会の時、天皇の前で、和歌をよみ上げること。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごせん‐ひら【五泉平】
五泉市で生産される精好せいごう織の袴はかま地。
⇒ごせん【五泉】
ごせん‐ふ【五線譜】
五線記譜法によって記された楽譜。
⇒ご‐せん【五線】
ごぜん‐ぶぎょう【御膳奉行】‥ギヤウ
江戸幕府の職名。若年寄に属し、将軍の食膳の事をつかさどった。
⇒ご‐ぜん【御膳】
ごぜん‐まい【御膳米】
神饌や貴人の御膳に供する米。
⇒ご‐ぜん【御膳】
ごぜん‐まじわり【御前交わり】‥マジハリ
他の家来たちとともに同僚として主君の前に伺候すること。また、その交際。狂言、生捕鈴木「わつぱを法師になし給ひ、―あやまりと京わらんべがとりどりに申候」
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐むき【御前向き】
主君などの用向き。浄瑠璃、雪女五枚羽子板「―を有りていに承らん」
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐むし【御膳蒸】
(→)御飯蒸ごはんむしに同じ。
⇒ご‐ぜん【御膳】
こ‐せんりゅう【古川柳】‥リウ
江戸中期に柄井からい川柳によって確立された古典的な川柳。明治後期に復興したものに対していう。
ごせんわかしゅう【後撰和歌集】‥シフ
勅撰和歌集。三代集の第2。20巻。951年(天暦5)村上天皇の勅命で和歌所が設置され、大中臣能宣よしのぶ・清原元輔・源順したごう・紀時文・坂上望城もちき(梨壺の五人)が撰進。古今集に採り残された貫之・伊勢以下情趣的な歌が多く、撰者の作品はない。後撰集。
コソ【koso】
〔植〕
⇒クッソ
こそ
〔助詞〕
➊(係助詞)多くの中からある内容を強く指示する働きがある。指示した物事以外との間に対比(逆接)の関係が生じ、その結果、結びが活用語の時は、逆接を表す機能もある已然形が使われ、「こそ…已然形」の係結びの関係ができることになる。ただし、奈良時代は結びが形容詞および形容詞型活用の助動詞の場合、「難波人葦火焚く屋のすしてあれど己が妻―常めづらしき」(万葉)のように連体形となった例もある。平安時代には、已然形の機能の変化に伴い、「子ある仲なりければこまかに―あらねど時々ものいひおこせけり」(伊勢)のように、結びの部分に逆接を表す語が補われる言い方が現れ、徐々に「こそ」の係結びに乱れが生ずる。口語では特殊の成句のほかは、已然形で結ぶことは行われない。
①一つの事柄を特に強調して示す。他の強調を表す「ぞ」「なむ」よりも、その度が強い。万3「昔こそよそにも見しか吾妹子が奥つ城と思へば愛しき佐保山」。古今和歌集夏「いそのかみふるき都のほととぎすこゑばかり―昔なりけれ」。源氏物語帚木「うつつとも覚えず―」。天草本平家物語「これ―世にをかしい」。浄瑠璃、丹波与作待夜の小室節「馬方―すれ、伊達の与作が惣領ぢや」。「笑われ―すれ、褒められはしない」「君だから―話すけど、他人には秘密だ」「今度―心を改めます」
②助詞「も」と接合し「もこそ」の形で、危惧・懸念を表す。源氏物語桐壺「かかる折にもあるまじき恥も―(恥をかくといけない)と心づかひして」。源氏物語若紫「(雀の子を)烏なども―見つくれ」→もぞ。
③相手に感情をこめて呼びかける。…よ。大和物語「聞き給ふや西―」。源氏物語夕顔「北殿―。聞き給ふや」。源氏物語若紫「うへ―。この寺にありし源氏の君こそおはしたなれ」
➋(終助詞)(語源については定説を得ない。係助詞「こそ」の文末用法とする説、「来為こそ」とする説、助動詞「こす」の命令形の古形という説など。→こす)奈良時代、動詞の連用形に付いて、他へ求め誂える意を表す。…してほしい。…しておくれ。万葉集5「うぐひすの待ちかてにせし梅が花散らずあり―思ふ児がため」。万葉集20「あさびらき我わは漕ぎ出ぬと家に告げ―」
こそ
〔接尾〕
人名に添える敬称。宇津保物語忠乞「名をばただ―といふ」
こ‐ぞ
①去年。昨年。〈[季]新年〉。万葉集8「―の春い掘こじて植ゑしわがやどの」
②今夜。一説に、昨夜。古事記下「下泣きに我が泣く妻を―こそはやすく肌触れ」
ご‐そ【語素】
(→)造語成分に同じ。
ご‐そ【鼯鼠・梧鼠】
(→)鼺鼠むささびに同じ。
⇒鼯鼠の五技
こ‐そ‐あ‐ど
(国語学者、佐久間鼎による命名)「しじご(指示語)」参照。
こ‐そう【古層】
時代の奥行きを新古の階層に分けた時の古い方の層。「歴史意識の―」
こ‐そう【固相】‥サウ
固体状態をなす相。
こ‐そう【枯草】‥サウ
かれた草。かれ草。
⇒こそう‐きん【枯草菌】
⇒こそう‐ねつ【枯草熱】
こ‐そう【枯燥】‥サウ
枯れかわくこと。転じて、生気が乏しいこと。
こ‐そう【胡僧】
①胡国の僧。西域やインドから来た僧。広く、異国の僧。
②禅の語録などで、達磨大師のこと。
こ‐そう【個装】‥サウ
袋や箱に入れる製品を、一つずつ個別に包装すること。
こ‐そう【鼓譟・鼓騒】‥サウ
①戦場で、太鼓を打ち鳴らし、鬨ときの声をあげて騒ぐこと。
②さわぎたてること。
こ‐そう【瞽叟・瞽瞍】
①盲目の老翁。
②古代中国の舜帝の父の名。
こ‐ぞう【小僧】
①年少の僧。子供の僧。雛僧すうそう。今昔物語集28「然らば御前をば、小寺こでらの―とこそ申すべかりけれ」
②商店で使われている少年店員。丁稚でっち。
③年少の男子をあなどっていう語。こわっぱ。
こぞう【姑臧】‥ザウ
中国、漢代の県名。今の甘粛省武威市の地。五胡十六国の前涼・後涼・南涼・北涼の都。涼州。
こ‐ぞう【故造】‥ザウ
ことさらに、たくみつくり設けること。「有心―」
ご‐そう【五宗】
高祖・曾祖・祖・子・孫の五つの親族の総称。「―三族」
ご‐そう【五葬】‥サウ
5種の葬法、すなわち土葬・火葬・水葬・野葬・林葬の総称。
ご‐そう【互層】
〔地〕2種以上の岩石から成る地層が交互に重なっていること。砂岩と泥岩とが繰り返し重なっている砂泥互層など。
ご‐そう【御僧】
僧の敬称。
ご‐そう【誤想】‥サウ
おもいちがい。考えちがい。清水紫琴、泣て愛する姉妹に告ぐ「眼を閉ぢて黒白を分つよりも猶且一層甚しき―にあらずや」
⇒ごそう‐ぼうえい【誤想防衛】
ご‐そう【護送】
①付き添って護り送ること。
②勾留されている被告人、受刑者など身柄を拘束されている者を拘束したまま別の地へ送ること。押送おうそう。「警官が犯人を―する」
⇒ごそう‐せんだん【護送船団】
ご‐そう【吾曹】‥サウ
〔代〕
われら。わがともがら。吾人。
ご‐ぞう【五臓】‥ザウ
①漢方で、心・肝・脾ひ・肺・腎じんの五つの内臓。五内ごないごだい。
②渾身こんしん。全身。
⇒ごぞう‐ぶと【五臓太】
⇒ごぞう‐ろっぷ【五臓六腑】
コソヴォ【Kosovo】
セルビア南部の自治州。多数派を占めるアルバニア系住民の独立運動が続き、1998年以降、セルビア政府との武力衝突が頻発。99年にはNATOによる空爆が行われ、国連の介入を招いた。面積1万1000平方キロメートル。人口約190万。州都プリシュティナ。
こそう‐きん【枯草菌】‥サウ‥
(Bacillus subtilis ラテン)土壌・枯草など自然界に広く分布するグラム陽性・芽胞形成性の大型の桿菌かんきん。芽胞は数時間の煮沸に耐える。病原性はないが時に結膜炎などの原因となる。納豆菌は枯草菌の一種。ズブチルス。
⇒こ‐そう【枯草】
ご‐ぞうさ【御造作】‥ザウ‥
饗応の尊敬語。ごちそう。おもてなし。大矢数3「―や百味の飲食おんじき備へられ」
こ‐そうじ【小障子】‥サウ‥
小形の障子。こしょうじ。枕草子108「豆一盛やをら取りて―のうしろにて食ひければ」
こ‐ぞうし【小草紙】‥ザウ‥
小形の草紙。宇津保物語楼上下「もろこしの集の中に―に所々ゑがき給ひて」
ご‐そうし【御葬司】‥サウ‥
古代、御大葬の際、臨時におかれて、一切の事務をつかさどった官。
こ‐ぞうしき【小雑色】‥ザフ‥
年若い雑色。十訓抄「いつも―一人ばかりを相具したりけり」
ごそう‐じょうじん【五相成身】‥サウジヤウ‥
〔仏〕密教の観法の一つ。通達菩提心・修菩提心・成金剛心・証金剛身・仏身円満の五段階を経て、行者自身が金剛界大日如来の身を成就する。五法成身。五転成身。
ごそう‐せんだん【護送船団】
①船団の中で速力の小さい船を護送しながら航行する船団。
②比喩的に、行政が、特定の産業を保護するため、弱小の企業に足並をそろえ、全体の安泰を図ること。特に、第二次大戦後の日本の金融行政にいう。「―方式」
⇒ご‐そう【護送】
こそう‐ねつ【枯草熱】‥サウ‥
〔医〕花粉症など特定の季節に発生するアレルギー性鼻炎。枯草によって発症することからの名。ヘイ‐フィーバー。
⇒こ‐そう【枯草】
ごぞう‐ぶと【五臓太】‥ザウ‥
馬などの体躯の太くたくましいこと。源平盛衰記37「宿鴾毛さびつきげなる馬の―なるが」
⇒ご‐ぞう【五臓】
ごそう‐ぼうえい【誤想防衛】‥サウバウヱイ
〔法〕正当防衛の要件である事実、例えば急迫不正の侵害がないのにあると誤信して防衛行為をすること。
⇒ご‐そう【誤想】
こ‐ぞうりとり【小草履取】‥ザウ‥
男色の流行した時代に、武家で草履取の名目で召し使った若衆。好色一代男2「或は―の鼻筋けたかきをかやうに仕立て」
ごぞう‐ろっぷ【五臓六腑】‥ザウロク‥
①漢方で、五臓と六腑(大腸・小腸・胃・胆・膀胱・三焦)。臓腑。多く、からだ全体の意に用いる。
②腹の中。心の中。
⇒ご‐ぞう【五臓】
こ‐そく【古則】
〔仏〕古人が示した、参禅者の規範となる語句。
こ‐そく【姑息】
(「姑」はしばらくの意)一時のまにあわせ。その場のがれ。夏目漱石、彼岸過迄「其日其日を―に送つてゐる様な気がして」。「―な手段」「因循―」
こそ・ぐ【刮ぐ】
〔他下二〕
⇒こそげる(下一)
こ‐ぞく【古俗・故俗】
古くからの風俗。昔の風俗。
ご‐そく【五則】
[漢書律暦志上]準則とすべき五つのもの、すなわち規ぶんまわし・矩じょうぎ・権はかり・衡はかりざお・縄すみなわの総称。
ご‐ぞく【五族】
漢・満州・蒙古・西蔵チベット・回紇ウイグルの五つの民族。
⇒ごぞく‐きょうわ【五族共和】
ご‐ぞく【語族】
〔言〕(family of languages)共通の祖語から派生したと考えられる諸言語の総称。音韻的・語彙的対応がみられる。インド‐ヨーロッパ語族、アルタイ語族、アフロ‐アジア語族、ドラヴィダ語族、シナ‐チベット語族、オーストロネシア語族など。下位分類として語派、その下に語群がある。
ごぞく‐きょうわ【五族共和】
中国で、辛亥しんがい革命当時、帝政を廃して五族による共和政体樹立を目指した標語。
⇒ご‐ぞく【五族】
こぞ‐くさ【去年草】
(二年草であるからいう)麦の異称。和訓栞「―は麦をいふといへり」
ご‐そくさい【御息災】
①息災の尊敬語。
②のんきで、物事に無頓着なこと。
ごそく‐もじ【御息文字】
「御息災」の文字詞。浮世草子、御前義経記「ずゐぶんずゐぶん―にて御暮し」
こそぐ・る【擽る】
〔他五〕
(古くは清音)皮膚を刺激して、くすぐったい感覚を起こさせる。くすぐる。
ご‐そくろう【御足労】‥ラウ
相手が来ること、行くことを敬っていう語。「―をわずらわす」
こそげ‐おと・す【刮げ落とす】
〔他五〕
へばりついているものを、へらなどでけずって落とす。「鍋底の汚れを―・す」
こそげ‐ぞり【刮げ剃り】
こそげるように剃ること。浄瑠璃、嫗山姥こもちやまうば「小額眉際中剃逆剃―、お顔はたつた一剃刀に」
こそ・げる【刮げる】
〔他下一〕[文]こそ・ぐ(下二)
(古くは清音)こすりけずる。そぎへずる。宇治拾遺物語3「銅あかがね、薬に―・げて」
こそ‐こそ
①知られては困ることを気づかれないように行うさま。愚管抄7「にくみもするすぢの―とうせぬる上は」。夏目漱石、行人「影で狐鼠々々こそこそ何か遣られるのを忌む」
②気づかないほどしずかな音のするさま。今昔物語集27「此の板―として入ぬ」
③くすぐるさま。狂言、子盗人「ちとすかしませう、―、―」
⇒こそこそ‐さんり【こそこそ三里】
⇒こそこそ‐ちぎり【こそこそ契り】
⇒こそこそ‐どろぼう【こそこそ泥棒】
⇒こそこそ‐ばなし【こそこそ話】
⇒こそこそ‐やど【こそこそ宿】
ごそ‐ごそ
材質の粗いものが触れあって発する音。また、そのような音を立てて行動するさま。日葡辞書「ナワ(縄)ヲシゴシャクゴソゴソトナウテ」。夏目漱石、門「―下駄を探してゐる所へ」
こそこそ‐さんり【こそこそ三里】
内証話は、とかく漏れて遠くまで聞こえがちであること。
⇒こそ‐こそ
こそこそ‐ちぎり【こそこそ契り】
内証で契ること。私通。浄瑠璃、孕常盤「仮そめの―ぱつとなり」
⇒こそ‐こそ
こそこそ‐どろぼう【こそこそ泥棒】‥バウ
人に知られないようにわずかなものを盗むどろぼう。こそどろ。
⇒こそ‐こそ
こそこそ‐ばなし【こそこそ話】
小声で内密に語る話。ひそひそ話。私語。密語。
⇒こそ‐こそ
こそこそ‐やど【こそこそ宿】
男女が内密に忍び会いする宿。浄瑠璃、雪女五枚羽子板「―の情事なさけごと」
⇒こそ‐こそ
こぞ‐ことし【去年今年】
①去年と今年。ここ一、二年。
②新年を迎えて、年の移り変りをあらためて実感していう語。行く年来る年。〈[季]新年〉
ごそしちこく‐の‐らん【呉楚七国の乱】
前154年、前漢の景帝が封建諸王の領地を削ったのに対し、呉・楚・趙・膠西こうせい・膠東・
川しせん・済南の七国の諸王が起こした反乱。直ちに鎮圧されて中央集権が強化された。
こそ‐だい【姑蘇台】
中国江蘇省呉県(現、蘇州市)の南西、姑蘇山上にあった離宮。呉王夫差が越を破って得た美人西施らを住まわせた。胥台しょだい。
こ‐そだて【子育て】
子をそだてること。育児。浮世風呂2「私どもは兎角に―がなくてこまりますよ」
こそ‐つ・く
〔自四〕
①人に気づかれないように物事をする。
②こそこそと音がする。
ごそ‐つ・く
〔自五〕
ごそごそと音がする。夏目漱石、虞美人草「生ひ茂る立ち枯れの萱を―・かせた後ろ姿」
こぞっ‐こ【小僧子】
小僧・丁稚でっち・年少の男子をののしっていう語。こわっぱ。青二才。
こぞっ‐て【挙って】
〔副〕
(コゾリテの音便)一人残らず。ことごとく皆。あげて。「―参加する」
ごそっ‐と
〔副〕
①材質の粗いものが崩れてこすれる音、また、そのさまを表す語。「紙屑の下で何かが―動いた」
②一時に出たり抜けたりするものが大量であるさま。ごっそり。「社員が―やめた」
こ‐そで【小袖】
①袖口の小さい垂領たりくびの着物。平安時代は貴族の筒袖の下着。鎌倉時代に袂たもとを加え、やがて武家や庶民もこれにならい、内着や上着として用いた。室町後期から武家女子は袴をはかない小袖着流し姿とし、正装に身丈の長い小袖を打掛と称して用いた。近世以降庶民の小袖が発達し、現在の着物の母体となる。
②礼服らいふくの大袖の下に重ねる、筒袖の盤領まるえりの衣。
小袖
③絹の綿入れ。丸物。〈[季]冬〉
⇒こそで‐いか【小袖凧】
⇒こそで‐ぐるみ【小袖包み】
⇒こそで‐しょうぞく【小袖装束】
⇒こそで‐たこ【小袖凧】
⇒こそで‐ぬぎ【小袖脱ぎ】
⇒こそで‐はかま【小袖袴】
⇒こそで‐びき【小袖引き】
⇒こそで‐まく【小袖幕】
⇒こそで‐わた【小袖綿】
こそで‐いか【小袖凧】
小袖の形に作った凧いかのぼり。小袖たこ。
⇒こ‐そで【小袖】
こそで‐ぐるみ【小袖包み】
絹の衣服をまとっていること。ぜいたくな生活をしていることにいう。おかいこぐるみ。
⇒こ‐そで【小袖】
こそで‐しょうぞく【小袖装束】‥シヤウ‥
小袖を着用した姿。
⇒こ‐そで【小袖】
こそでそが【小袖曾我】
能。直面物ひためんもの。曾我十郎・五郎の兄弟が敵工藤祐経を討とうとして、母に五郎の勘当の許しを請い、富士の狩場に急ぐ。
⇒こそでそが‐あざみのいろぬい【小袖曾我薊色縫】
こそでそが‐あざみのいろぬい【小袖曾我薊色縫】‥ヌヒ
歌舞伎脚本。7幕。河竹黙阿弥作の世話物。通称「十六夜清心いざよいせいしん」。1859年(安政6)初演。僧清心は、遊女十六夜と心中未遂で心を変え、鬼薊清吉と名乗り、再会した十六夜とともに悪事を働くが、因果の果て二人は自殺する。
→文献資料[小袖曾我薊色縫]
⇒こそでそが【小袖曾我】
こそで‐たこ【小袖凧】
小袖の形に作ったたこ。小袖いか。
⇒こ‐そで【小袖】
こそで‐ぬぎ【小袖脱ぎ】
小袖を脱いで纏頭はなとして与えること。御供古実「御能などの時―の事、時分は難定候。乍去御能過て御酒之時可然候」
⇒こ‐そで【小袖】
こそで‐はかま【小袖袴】
小袖に袴をつけた服装。鎌倉時代、下級女官の準礼装。
⇒こ‐そで【小袖】
こそで‐びき【小袖引き】
小袖を引出物ひきでものとすること。宗五大草紙「大酒の時、―、素襖引、刀引、常の事なり」
⇒こ‐そで【小袖】
こそで‐まく【小袖幕】
花見などの時、小袖を脱ぎ、張り渡した綱にかけて幕の代用としたもの。衣裳幕。好色五人女1「これなる―の内ゆかしく」
⇒こ‐そで【小袖】
こそで‐わた【小袖綿】
小袖などに入れる、薄く引き延ばした打綿。
⇒こ‐そで【小袖】
こそ‐どろ【こそ泥】
「こそこそ泥棒」の略。
こ‐ぞなえ【小備え】‥ゾナヘ
小人数のそなえ。陣立ての小さいもの。
ごぜん‐だな【御膳棚】
①床脇棚の一種。膳具を載せる棚。
②台所に設け、膳部の品々を載せておく棚。
⇒ご‐ぜん【御膳】
ごぜん‐ちょう【御前帳】‥チヤウ
①権力機構の頂点に立つ人物が直接的に掌握するために作成した重要帳簿。
②近世には、検地により確定した村の石高を、国郡別に編成した帳簿。1591年(天正19)の豊臣秀吉の時以来、江戸時代においても諸大名に調進を命じ、国絵図とともに将軍に提出された。ここに登録された村高の集計がいわゆる大名の表高おもてだか。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐ちょくし【御前勅使】
古代、斎王いつきのみこの御禊ごけいの時、河原まで供奉ぐぶした勅使。
⇒ご‐ぜん【御前】
こせん‐の‐さいしょう【巨川の済渉】‥セフ
[書経説命上「若し巨川を済わたるときは、汝を用い舟楫と作なさん」](「済渉」は渡る意)政治を行うこと。
⇒こ‐せん【巨川】
ごぜん‐はこずし【御膳箱鮨】
江戸時代、江戸本石町の伊勢屋八兵衛が売り出した上等の押鮨。御膳鮨。
⇒ご‐ぜん【御膳】
ごぜん‐ばし【ごぜん箸】
食物を指で挟んで食べること。俚言集覧「御前箸…五指にてつかむ故にいふと云へり」
ごぜん‐ばん【御膳番】
主君の御膳をつかさどる役。
⇒ご‐ぜん【御膳】
ごぜん‐ひこう【御前披講】‥カウ
宮中御歌会の時、天皇の前で、和歌をよみ上げること。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごせん‐ひら【五泉平】
五泉市で生産される精好せいごう織の袴はかま地。
⇒ごせん【五泉】
ごせん‐ふ【五線譜】
五線記譜法によって記された楽譜。
⇒ご‐せん【五線】
ごぜん‐ぶぎょう【御膳奉行】‥ギヤウ
江戸幕府の職名。若年寄に属し、将軍の食膳の事をつかさどった。
⇒ご‐ぜん【御膳】
ごぜん‐まい【御膳米】
神饌や貴人の御膳に供する米。
⇒ご‐ぜん【御膳】
ごぜん‐まじわり【御前交わり】‥マジハリ
他の家来たちとともに同僚として主君の前に伺候すること。また、その交際。狂言、生捕鈴木「わつぱを法師になし給ひ、―あやまりと京わらんべがとりどりに申候」
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐むき【御前向き】
主君などの用向き。浄瑠璃、雪女五枚羽子板「―を有りていに承らん」
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐むし【御膳蒸】
(→)御飯蒸ごはんむしに同じ。
⇒ご‐ぜん【御膳】
こ‐せんりゅう【古川柳】‥リウ
江戸中期に柄井からい川柳によって確立された古典的な川柳。明治後期に復興したものに対していう。
ごせんわかしゅう【後撰和歌集】‥シフ
勅撰和歌集。三代集の第2。20巻。951年(天暦5)村上天皇の勅命で和歌所が設置され、大中臣能宣よしのぶ・清原元輔・源順したごう・紀時文・坂上望城もちき(梨壺の五人)が撰進。古今集に採り残された貫之・伊勢以下情趣的な歌が多く、撰者の作品はない。後撰集。
コソ【koso】
〔植〕
⇒クッソ
こそ
〔助詞〕
➊(係助詞)多くの中からある内容を強く指示する働きがある。指示した物事以外との間に対比(逆接)の関係が生じ、その結果、結びが活用語の時は、逆接を表す機能もある已然形が使われ、「こそ…已然形」の係結びの関係ができることになる。ただし、奈良時代は結びが形容詞および形容詞型活用の助動詞の場合、「難波人葦火焚く屋のすしてあれど己が妻―常めづらしき」(万葉)のように連体形となった例もある。平安時代には、已然形の機能の変化に伴い、「子ある仲なりければこまかに―あらねど時々ものいひおこせけり」(伊勢)のように、結びの部分に逆接を表す語が補われる言い方が現れ、徐々に「こそ」の係結びに乱れが生ずる。口語では特殊の成句のほかは、已然形で結ぶことは行われない。
①一つの事柄を特に強調して示す。他の強調を表す「ぞ」「なむ」よりも、その度が強い。万3「昔こそよそにも見しか吾妹子が奥つ城と思へば愛しき佐保山」。古今和歌集夏「いそのかみふるき都のほととぎすこゑばかり―昔なりけれ」。源氏物語帚木「うつつとも覚えず―」。天草本平家物語「これ―世にをかしい」。浄瑠璃、丹波与作待夜の小室節「馬方―すれ、伊達の与作が惣領ぢや」。「笑われ―すれ、褒められはしない」「君だから―話すけど、他人には秘密だ」「今度―心を改めます」
②助詞「も」と接合し「もこそ」の形で、危惧・懸念を表す。源氏物語桐壺「かかる折にもあるまじき恥も―(恥をかくといけない)と心づかひして」。源氏物語若紫「(雀の子を)烏なども―見つくれ」→もぞ。
③相手に感情をこめて呼びかける。…よ。大和物語「聞き給ふや西―」。源氏物語夕顔「北殿―。聞き給ふや」。源氏物語若紫「うへ―。この寺にありし源氏の君こそおはしたなれ」
➋(終助詞)(語源については定説を得ない。係助詞「こそ」の文末用法とする説、「来為こそ」とする説、助動詞「こす」の命令形の古形という説など。→こす)奈良時代、動詞の連用形に付いて、他へ求め誂える意を表す。…してほしい。…しておくれ。万葉集5「うぐひすの待ちかてにせし梅が花散らずあり―思ふ児がため」。万葉集20「あさびらき我わは漕ぎ出ぬと家に告げ―」
こそ
〔接尾〕
人名に添える敬称。宇津保物語忠乞「名をばただ―といふ」
こ‐ぞ
①去年。昨年。〈[季]新年〉。万葉集8「―の春い掘こじて植ゑしわがやどの」
②今夜。一説に、昨夜。古事記下「下泣きに我が泣く妻を―こそはやすく肌触れ」
ご‐そ【語素】
(→)造語成分に同じ。
ご‐そ【鼯鼠・梧鼠】
(→)鼺鼠むささびに同じ。
⇒鼯鼠の五技
こ‐そ‐あ‐ど
(国語学者、佐久間鼎による命名)「しじご(指示語)」参照。
こ‐そう【古層】
時代の奥行きを新古の階層に分けた時の古い方の層。「歴史意識の―」
こ‐そう【固相】‥サウ
固体状態をなす相。
こ‐そう【枯草】‥サウ
かれた草。かれ草。
⇒こそう‐きん【枯草菌】
⇒こそう‐ねつ【枯草熱】
こ‐そう【枯燥】‥サウ
枯れかわくこと。転じて、生気が乏しいこと。
こ‐そう【胡僧】
①胡国の僧。西域やインドから来た僧。広く、異国の僧。
②禅の語録などで、達磨大師のこと。
こ‐そう【個装】‥サウ
袋や箱に入れる製品を、一つずつ個別に包装すること。
こ‐そう【鼓譟・鼓騒】‥サウ
①戦場で、太鼓を打ち鳴らし、鬨ときの声をあげて騒ぐこと。
②さわぎたてること。
こ‐そう【瞽叟・瞽瞍】
①盲目の老翁。
②古代中国の舜帝の父の名。
こ‐ぞう【小僧】
①年少の僧。子供の僧。雛僧すうそう。今昔物語集28「然らば御前をば、小寺こでらの―とこそ申すべかりけれ」
②商店で使われている少年店員。丁稚でっち。
③年少の男子をあなどっていう語。こわっぱ。
こぞう【姑臧】‥ザウ
中国、漢代の県名。今の甘粛省武威市の地。五胡十六国の前涼・後涼・南涼・北涼の都。涼州。
こ‐ぞう【故造】‥ザウ
ことさらに、たくみつくり設けること。「有心―」
ご‐そう【五宗】
高祖・曾祖・祖・子・孫の五つの親族の総称。「―三族」
ご‐そう【五葬】‥サウ
5種の葬法、すなわち土葬・火葬・水葬・野葬・林葬の総称。
ご‐そう【互層】
〔地〕2種以上の岩石から成る地層が交互に重なっていること。砂岩と泥岩とが繰り返し重なっている砂泥互層など。
ご‐そう【御僧】
僧の敬称。
ご‐そう【誤想】‥サウ
おもいちがい。考えちがい。清水紫琴、泣て愛する姉妹に告ぐ「眼を閉ぢて黒白を分つよりも猶且一層甚しき―にあらずや」
⇒ごそう‐ぼうえい【誤想防衛】
ご‐そう【護送】
①付き添って護り送ること。
②勾留されている被告人、受刑者など身柄を拘束されている者を拘束したまま別の地へ送ること。押送おうそう。「警官が犯人を―する」
⇒ごそう‐せんだん【護送船団】
ご‐そう【吾曹】‥サウ
〔代〕
われら。わがともがら。吾人。
ご‐ぞう【五臓】‥ザウ
①漢方で、心・肝・脾ひ・肺・腎じんの五つの内臓。五内ごないごだい。
②渾身こんしん。全身。
⇒ごぞう‐ぶと【五臓太】
⇒ごぞう‐ろっぷ【五臓六腑】
コソヴォ【Kosovo】
セルビア南部の自治州。多数派を占めるアルバニア系住民の独立運動が続き、1998年以降、セルビア政府との武力衝突が頻発。99年にはNATOによる空爆が行われ、国連の介入を招いた。面積1万1000平方キロメートル。人口約190万。州都プリシュティナ。
こそう‐きん【枯草菌】‥サウ‥
(Bacillus subtilis ラテン)土壌・枯草など自然界に広く分布するグラム陽性・芽胞形成性の大型の桿菌かんきん。芽胞は数時間の煮沸に耐える。病原性はないが時に結膜炎などの原因となる。納豆菌は枯草菌の一種。ズブチルス。
⇒こ‐そう【枯草】
ご‐ぞうさ【御造作】‥ザウ‥
饗応の尊敬語。ごちそう。おもてなし。大矢数3「―や百味の飲食おんじき備へられ」
こ‐そうじ【小障子】‥サウ‥
小形の障子。こしょうじ。枕草子108「豆一盛やをら取りて―のうしろにて食ひければ」
こ‐ぞうし【小草紙】‥ザウ‥
小形の草紙。宇津保物語楼上下「もろこしの集の中に―に所々ゑがき給ひて」
ご‐そうし【御葬司】‥サウ‥
古代、御大葬の際、臨時におかれて、一切の事務をつかさどった官。
こ‐ぞうしき【小雑色】‥ザフ‥
年若い雑色。十訓抄「いつも―一人ばかりを相具したりけり」
ごそう‐じょうじん【五相成身】‥サウジヤウ‥
〔仏〕密教の観法の一つ。通達菩提心・修菩提心・成金剛心・証金剛身・仏身円満の五段階を経て、行者自身が金剛界大日如来の身を成就する。五法成身。五転成身。
ごそう‐せんだん【護送船団】
①船団の中で速力の小さい船を護送しながら航行する船団。
②比喩的に、行政が、特定の産業を保護するため、弱小の企業に足並をそろえ、全体の安泰を図ること。特に、第二次大戦後の日本の金融行政にいう。「―方式」
⇒ご‐そう【護送】
こそう‐ねつ【枯草熱】‥サウ‥
〔医〕花粉症など特定の季節に発生するアレルギー性鼻炎。枯草によって発症することからの名。ヘイ‐フィーバー。
⇒こ‐そう【枯草】
ごぞう‐ぶと【五臓太】‥ザウ‥
馬などの体躯の太くたくましいこと。源平盛衰記37「宿鴾毛さびつきげなる馬の―なるが」
⇒ご‐ぞう【五臓】
ごそう‐ぼうえい【誤想防衛】‥サウバウヱイ
〔法〕正当防衛の要件である事実、例えば急迫不正の侵害がないのにあると誤信して防衛行為をすること。
⇒ご‐そう【誤想】
こ‐ぞうりとり【小草履取】‥ザウ‥
男色の流行した時代に、武家で草履取の名目で召し使った若衆。好色一代男2「或は―の鼻筋けたかきをかやうに仕立て」
ごぞう‐ろっぷ【五臓六腑】‥ザウロク‥
①漢方で、五臓と六腑(大腸・小腸・胃・胆・膀胱・三焦)。臓腑。多く、からだ全体の意に用いる。
②腹の中。心の中。
⇒ご‐ぞう【五臓】
こ‐そく【古則】
〔仏〕古人が示した、参禅者の規範となる語句。
こ‐そく【姑息】
(「姑」はしばらくの意)一時のまにあわせ。その場のがれ。夏目漱石、彼岸過迄「其日其日を―に送つてゐる様な気がして」。「―な手段」「因循―」
こそ・ぐ【刮ぐ】
〔他下二〕
⇒こそげる(下一)
こ‐ぞく【古俗・故俗】
古くからの風俗。昔の風俗。
ご‐そく【五則】
[漢書律暦志上]準則とすべき五つのもの、すなわち規ぶんまわし・矩じょうぎ・権はかり・衡はかりざお・縄すみなわの総称。
ご‐ぞく【五族】
漢・満州・蒙古・西蔵チベット・回紇ウイグルの五つの民族。
⇒ごぞく‐きょうわ【五族共和】
ご‐ぞく【語族】
〔言〕(family of languages)共通の祖語から派生したと考えられる諸言語の総称。音韻的・語彙的対応がみられる。インド‐ヨーロッパ語族、アルタイ語族、アフロ‐アジア語族、ドラヴィダ語族、シナ‐チベット語族、オーストロネシア語族など。下位分類として語派、その下に語群がある。
ごぞく‐きょうわ【五族共和】
中国で、辛亥しんがい革命当時、帝政を廃して五族による共和政体樹立を目指した標語。
⇒ご‐ぞく【五族】
こぞ‐くさ【去年草】
(二年草であるからいう)麦の異称。和訓栞「―は麦をいふといへり」
ご‐そくさい【御息災】
①息災の尊敬語。
②のんきで、物事に無頓着なこと。
ごそく‐もじ【御息文字】
「御息災」の文字詞。浮世草子、御前義経記「ずゐぶんずゐぶん―にて御暮し」
こそぐ・る【擽る】
〔他五〕
(古くは清音)皮膚を刺激して、くすぐったい感覚を起こさせる。くすぐる。
ご‐そくろう【御足労】‥ラウ
相手が来ること、行くことを敬っていう語。「―をわずらわす」
こそげ‐おと・す【刮げ落とす】
〔他五〕
へばりついているものを、へらなどでけずって落とす。「鍋底の汚れを―・す」
こそげ‐ぞり【刮げ剃り】
こそげるように剃ること。浄瑠璃、嫗山姥こもちやまうば「小額眉際中剃逆剃―、お顔はたつた一剃刀に」
こそ・げる【刮げる】
〔他下一〕[文]こそ・ぐ(下二)
(古くは清音)こすりけずる。そぎへずる。宇治拾遺物語3「銅あかがね、薬に―・げて」
こそ‐こそ
①知られては困ることを気づかれないように行うさま。愚管抄7「にくみもするすぢの―とうせぬる上は」。夏目漱石、行人「影で狐鼠々々こそこそ何か遣られるのを忌む」
②気づかないほどしずかな音のするさま。今昔物語集27「此の板―として入ぬ」
③くすぐるさま。狂言、子盗人「ちとすかしませう、―、―」
⇒こそこそ‐さんり【こそこそ三里】
⇒こそこそ‐ちぎり【こそこそ契り】
⇒こそこそ‐どろぼう【こそこそ泥棒】
⇒こそこそ‐ばなし【こそこそ話】
⇒こそこそ‐やど【こそこそ宿】
ごそ‐ごそ
材質の粗いものが触れあって発する音。また、そのような音を立てて行動するさま。日葡辞書「ナワ(縄)ヲシゴシャクゴソゴソトナウテ」。夏目漱石、門「―下駄を探してゐる所へ」
こそこそ‐さんり【こそこそ三里】
内証話は、とかく漏れて遠くまで聞こえがちであること。
⇒こそ‐こそ
こそこそ‐ちぎり【こそこそ契り】
内証で契ること。私通。浄瑠璃、孕常盤「仮そめの―ぱつとなり」
⇒こそ‐こそ
こそこそ‐どろぼう【こそこそ泥棒】‥バウ
人に知られないようにわずかなものを盗むどろぼう。こそどろ。
⇒こそ‐こそ
こそこそ‐ばなし【こそこそ話】
小声で内密に語る話。ひそひそ話。私語。密語。
⇒こそ‐こそ
こそこそ‐やど【こそこそ宿】
男女が内密に忍び会いする宿。浄瑠璃、雪女五枚羽子板「―の情事なさけごと」
⇒こそ‐こそ
こぞ‐ことし【去年今年】
①去年と今年。ここ一、二年。
②新年を迎えて、年の移り変りをあらためて実感していう語。行く年来る年。〈[季]新年〉
ごそしちこく‐の‐らん【呉楚七国の乱】
前154年、前漢の景帝が封建諸王の領地を削ったのに対し、呉・楚・趙・膠西こうせい・膠東・
川しせん・済南の七国の諸王が起こした反乱。直ちに鎮圧されて中央集権が強化された。
こそ‐だい【姑蘇台】
中国江蘇省呉県(現、蘇州市)の南西、姑蘇山上にあった離宮。呉王夫差が越を破って得た美人西施らを住まわせた。胥台しょだい。
こ‐そだて【子育て】
子をそだてること。育児。浮世風呂2「私どもは兎角に―がなくてこまりますよ」
こそ‐つ・く
〔自四〕
①人に気づかれないように物事をする。
②こそこそと音がする。
ごそ‐つ・く
〔自五〕
ごそごそと音がする。夏目漱石、虞美人草「生ひ茂る立ち枯れの萱を―・かせた後ろ姿」
こぞっ‐こ【小僧子】
小僧・丁稚でっち・年少の男子をののしっていう語。こわっぱ。青二才。
こぞっ‐て【挙って】
〔副〕
(コゾリテの音便)一人残らず。ことごとく皆。あげて。「―参加する」
ごそっ‐と
〔副〕
①材質の粗いものが崩れてこすれる音、また、そのさまを表す語。「紙屑の下で何かが―動いた」
②一時に出たり抜けたりするものが大量であるさま。ごっそり。「社員が―やめた」
こ‐そで【小袖】
①袖口の小さい垂領たりくびの着物。平安時代は貴族の筒袖の下着。鎌倉時代に袂たもとを加え、やがて武家や庶民もこれにならい、内着や上着として用いた。室町後期から武家女子は袴をはかない小袖着流し姿とし、正装に身丈の長い小袖を打掛と称して用いた。近世以降庶民の小袖が発達し、現在の着物の母体となる。
②礼服らいふくの大袖の下に重ねる、筒袖の盤領まるえりの衣。
小袖
③絹の綿入れ。丸物。〈[季]冬〉
⇒こそで‐いか【小袖凧】
⇒こそで‐ぐるみ【小袖包み】
⇒こそで‐しょうぞく【小袖装束】
⇒こそで‐たこ【小袖凧】
⇒こそで‐ぬぎ【小袖脱ぎ】
⇒こそで‐はかま【小袖袴】
⇒こそで‐びき【小袖引き】
⇒こそで‐まく【小袖幕】
⇒こそで‐わた【小袖綿】
こそで‐いか【小袖凧】
小袖の形に作った凧いかのぼり。小袖たこ。
⇒こ‐そで【小袖】
こそで‐ぐるみ【小袖包み】
絹の衣服をまとっていること。ぜいたくな生活をしていることにいう。おかいこぐるみ。
⇒こ‐そで【小袖】
こそで‐しょうぞく【小袖装束】‥シヤウ‥
小袖を着用した姿。
⇒こ‐そで【小袖】
こそでそが【小袖曾我】
能。直面物ひためんもの。曾我十郎・五郎の兄弟が敵工藤祐経を討とうとして、母に五郎の勘当の許しを請い、富士の狩場に急ぐ。
⇒こそでそが‐あざみのいろぬい【小袖曾我薊色縫】
こそでそが‐あざみのいろぬい【小袖曾我薊色縫】‥ヌヒ
歌舞伎脚本。7幕。河竹黙阿弥作の世話物。通称「十六夜清心いざよいせいしん」。1859年(安政6)初演。僧清心は、遊女十六夜と心中未遂で心を変え、鬼薊清吉と名乗り、再会した十六夜とともに悪事を働くが、因果の果て二人は自殺する。
→文献資料[小袖曾我薊色縫]
⇒こそでそが【小袖曾我】
こそで‐たこ【小袖凧】
小袖の形に作ったたこ。小袖いか。
⇒こ‐そで【小袖】
こそで‐ぬぎ【小袖脱ぎ】
小袖を脱いで纏頭はなとして与えること。御供古実「御能などの時―の事、時分は難定候。乍去御能過て御酒之時可然候」
⇒こ‐そで【小袖】
こそで‐はかま【小袖袴】
小袖に袴をつけた服装。鎌倉時代、下級女官の準礼装。
⇒こ‐そで【小袖】
こそで‐びき【小袖引き】
小袖を引出物ひきでものとすること。宗五大草紙「大酒の時、―、素襖引、刀引、常の事なり」
⇒こ‐そで【小袖】
こそで‐まく【小袖幕】
花見などの時、小袖を脱ぎ、張り渡した綱にかけて幕の代用としたもの。衣裳幕。好色五人女1「これなる―の内ゆかしく」
⇒こ‐そで【小袖】
こそで‐わた【小袖綿】
小袖などに入れる、薄く引き延ばした打綿。
⇒こ‐そで【小袖】
こそ‐どろ【こそ泥】
「こそこそ泥棒」の略。
こ‐ぞなえ【小備え】‥ゾナヘ
小人数のそなえ。陣立ての小さいもの。
ごぜん‐じあい【御前試合】‥アヒ🔗⭐🔉
ごぜん‐じあい【御前試合】‥アヒ
天覧試合。また、将軍・大名などの前で行なった武術の試合。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐そう【御前僧】🔗⭐🔉
ごぜん‐そう【御前僧】
宮中で法事を勤めた僧。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐たちばな【御前橘】🔗⭐🔉
ごぜん‐たちばな【御前橘】
(「御前」は石川・岐阜県境の白山はくさんの主峰名。白山で最初に発見された)ミズキ科の常緑多年草。北半球の亜高山帯の林下に生じる。高さ約10センチメートルで、葉は4〜6片輪生。花軸の頂に白色4片の総苞、中央に小花を多数つける。果実は赤く熟す。
ごぜんたちばな
ごぜん‐ちょう【御前帳】‥チヤウ🔗⭐🔉
ごぜん‐ちょう【御前帳】‥チヤウ
①権力機構の頂点に立つ人物が直接的に掌握するために作成した重要帳簿。
②近世には、検地により確定した村の石高を、国郡別に編成した帳簿。1591年(天正19)の豊臣秀吉の時以来、江戸時代においても諸大名に調進を命じ、国絵図とともに将軍に提出された。ここに登録された村高の集計がいわゆる大名の表高おもてだか。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐ちょくし【御前勅使】🔗⭐🔉
ごぜん‐ちょくし【御前勅使】
古代、斎王いつきのみこの御禊ごけいの時、河原まで供奉ぐぶした勅使。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐ひこう【御前披講】‥カウ🔗⭐🔉
ごぜん‐ひこう【御前披講】‥カウ
宮中御歌会の時、天皇の前で、和歌をよみ上げること。
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐まじわり【御前交わり】‥マジハリ🔗⭐🔉
ごぜん‐まじわり【御前交わり】‥マジハリ
他の家来たちとともに同僚として主君の前に伺候すること。また、その交際。狂言、生捕鈴木「わつぱを法師になし給ひ、―あやまりと京わらんべがとりどりに申候」
⇒ご‐ぜん【御前】
ごぜん‐むき【御前向き】🔗⭐🔉
ごぜん‐むき【御前向き】
主君などの用向き。浄瑠璃、雪女五枚羽子板「―を有りていに承らん」
⇒ご‐ぜん【御前】
み‐さき【御先・御前】🔗⭐🔉
み‐さき【御先・御前】
①さきばらい。前駆。先駆。継体紀「前駈みさき警蹕おひて」
②神の使と信ぜられた動物。
㋐稲荷の狐の異称。
㋑烏の異称。東北地方で、正月11日に田に出て「おみさき、おみさき」と呼ぶ習俗がある。
⇒みさき‐おい【御先追・警蹕】
⇒みさき‐がみ【御先神】
⇒みさき‐がらす【御前烏】
みさき‐がらす【御前烏】🔗⭐🔉
みさき‐がらす【御前烏】
市子いちこの口寄せに、死者の近くにいて、それに手向けるものを奪って食うという烏。
⇒み‐さき【御先・御前】
み‐まえ【御前】‥マヘ🔗⭐🔉
み‐まえ【御前】‥マヘ
貴人または神仏の前。御前ごぜん。古今和歌集神遊歌「神の―に茂りあひにけり」
大辞林の検索結果 (26)
お-まい【御前】🔗⭐🔉
お-まい [0] 【御前】 (代)
〔「おまえ」の転〕
二人称。同等以下の相手に用いる。
〔「おまえ」よりやや卑俗な語感をもつ〕
お-まえ【御前】🔗⭐🔉
お-まえ ―マヘ 【御前】
■一■ (名) [2]
(1)神仏・貴人の前。おんまえ。みまえ。「神の―にぬかずく」
(2)身分の高い人を直接にさすことを避けていう語。「―にはいと悩ましげにて/落窪 1」
(3)(「…のおまえ」の形で)身分の高い人を敬う気持ちで付ける語。「殿の―は三十より関白せさせ給ひて/大鏡(道長)」
■二■ (代) [0]
(1)二人称。(ア)同等またはそれ以下の相手をさしていう。多く男性が用いる。「―はなんというだらしない男だ」(イ)相手を敬っていう語。男女ともに用いる。あなたさま。「―にだにつつませ給はむことを,ましてことびとはいかでか/源氏(手習)」
(2)三人称。第三者を敬っていう語。あのかた。「これは―に参らせ給へ/源氏(玉鬘)」
〔二人称としては近世前期までは最も高い敬意をもって用いられたが,次第に敬意が薄れ,明治以降は対等またはそれ以下の者に対する語となった〕
おまえ-がた【御前方】🔗⭐🔉
おまえ-がた ―マヘ― 【御前方】 (代)
〔「がた」は接尾語〕
二人称の複数。相手を敬っていう語。あなたさまがた。「卒爾ながら―の懐中(フトコロ)を詮議して下されませ/歌舞伎・一心二河白道」
おまえ-ざた【御前沙汰】🔗⭐🔉
おまえ-ざた ―マヘ― 【御前沙汰】
正式の裁判。おおやけ沙汰。
⇔内沙汰
「こなたは口不調法なほどに,―では負けになりませう/狂言記・内沙汰」
おまえ-さま【御前様】🔗⭐🔉
おまえ-さま ―マヘ― 【御前様】 (代)
二人称。近世にはきわめて高い敬意を表し,男女ともに用いた。あなたさま。「―がもうちつと大人らしくあそばせばよいに/人情本・娘節用」
おまえ-さん【御前さん】🔗⭐🔉
おまえ-さん ―マヘ― [0] 【御前さん】 (代)
〔「おまえさま」の転〕
二人称。
(1)親しみの気持ちをこめて自分より下の人を呼ぶ語。「―は長生きするよ」
(2)妻が夫を呼ぶ語。「―,帰りにパンを買ってきて」
(3)相手を敬っていう語。近世,一般社会でも遊里でも用いられ,かなり高い敬意を表した。「―にはちとおあつうございませう/滑稽本・浮世風呂 2」
おまえ-たち【御前達】🔗⭐🔉
おまえ-たち ―マヘ― [2][3] 【御前達】
■一■ (代)
二人称の複数。
(1)二人以上の,同等あるいはそれ以下の相手に対して用いる。「―は,しっかり勉強しなさいよ」
(2)貴人に対して,敬意をこめていう。「―にまさりたる人々など,いたう,いかで,いかで,とぞ言へど/狭衣 1」
■二■ (名)
貴人の前に仕える人たち。宮仕えの女房たち。「―も必ずさ思すゆゑ侍らむかし/更級」
おまえ-の-こころみ【御前の試み】🔗⭐🔉
おまえ-の-こころみ ―マヘ― 【御前の試み】
「ごぜん(御前)のこころみ」に同じ。「―の夜の御髪上/枕草子 156」
おまえ-まち【御前町】🔗⭐🔉
おまえ-まち ―マヘ― [2][3] 【御前町】
社寺などの前に発達した町。門前町。
おまえ-ざき【御前崎】🔗⭐🔉
おまえ-ざき オマヘ― 【御前崎】
静岡県中南部,駿河湾と遠州灘を分ける岬。付近一帯は海抜40メートルの隆起海食台。
お-めえ【御前】🔗⭐🔉
お-めえ [0] 【御前】 (代)
〔「おまえ」の転〕
二人称。
(1)同輩以下の者に対するぞんざいな言い方として用いられる。「おれがこうなったのも―のせいだ」
(2)近世には,対等あるいはそれ以上の者に対して,男女ともに用いる。「―お茶を上がるかえ/洒落本・青楼楽種」
おめえ-さま【御前様】🔗⭐🔉
おめえ-さま 【御前様】 (代)
二人称。対等あるいはそれ以上の者に対して,かなり高い敬意を表す。「きうくつにすわつて―といひ/柳多留 10」
おめえ-さん【御前さん】🔗⭐🔉
おめえ-さん 【御前さん】 (代)
二人称。対等あるいはそれ以上の者に対して用いる。「―,お上がんなせえ/滑稽本・浮世床(初)」
おめえ-たち【御前達】🔗⭐🔉
おめえ-たち 【御前達】 (代)
二人称の複数。対等あるいはそれ以下の者に対して用いる。「第一―に切つかけも稽古もいらねえから,まちげえがなくつていい/滑稽本・八笑人」
おん-まえ【御前】🔗⭐🔉
おん-まえ ―マヘ [1] 【御前】
(1)貴人の前。「陛下の―に進み出る」
(2)女性の手紙の脇付(ワキヅケ)に用いる語。御前に。
ご-ぜ【御前】🔗⭐🔉
ご-ぜ 【御前】
〔「ごぜん(御前)」の転〕
■一■ (名)
貴人などに対する敬称。ごぜん。「夷(エビス)の―腰掛けの石/狂言・石神」
■二■ (代)
二人称。女性に対し敬意を含めて用いる。ごぜん。「や―,―と言ひけれども音もせず/義経記 7」
■三■ (接尾)
女性の名などに付けて,敬意を添える。ごぜん。「姫―」
ご-ぜん【御前】🔗⭐🔉
ご-ぜん [0][1] 【御前】
〔「おまえ」の漢字表記「御前」を音読みした語〕
■一■ (名)
(1)天皇や貴人の前。また,神仏の前。「―に伺候する」
(2)〔「御前駆」の略〕
騎馬で貴人の先導をする者。「―どもの中に例見ゆる人などあり/蜻蛉(下)」
(3)貴人に対する敬称。近世,大名・旗本・大名の奥方に対する敬称。「―御寝なりて/今昔 24」
■二■ (代)
二人称。
(1)女性に対し敬意を含めて用いる。「―たち,さはいたく笑ひ給ひてわび給ふなよ/宇治拾遺 14」
(2)近世,大名・旗本,その奥方などを家臣が敬っていう語。「是ははしたない,―の御いでなさるる儀ではござりませぬ/歌舞伎・毛抜」
■三■ (接尾)
(1)神の名に付けて,尊敬の意を表す。「かかる折節には竜王―ともこそかしづき申すべき/盛衰記 18」
(2)人の名などに付けて軽い尊敬や親愛の気持ちを表す。「小松三位中将殿の若君六代―/平家 12」
(3)白拍子(シラビヨウシ)の名に付ける敬称。「祇王―/平家 1」
ごぜん-かいぎ【御前会議】🔗⭐🔉
ごぜん-かいぎ ―クワイ― [4] 【御前会議】
戦前の日本で国家の重大時に,天皇の出席のもとに,元老・主要閣僚・軍部首脳などによって開かれた最高会議。
ごぜん-がかり【御前掛(か)り】🔗⭐🔉
ごぜん-がかり [4] 【御前掛(か)り】
貴人上覧の際,能楽などを通常とは違った特別な作法で演ずること。
ごぜん-さま【御前様】🔗⭐🔉
ごぜん-さま [4][5] 【御前様】
〔「御前」をさらに敬っていう語〕
(1)高位・高官の人,また高僧をその使用人や信者などが敬っていう語。
(2)特に,大名や高禄の旗本などの夫人を敬っていう語。
〔(1)(2)とも,二人称の人代名詞的にも用いられることがある〕
ごぜん-じあい【御前試合】🔗⭐🔉
ごぜん-じあい ―アヒ [4] 【御前試合】
将軍・大名などの前で行う武術の試合。また,天覧試合。
ごぜん-たちばな【御前橘】🔗⭐🔉
ごぜん-たちばな [5] 【御前橘】
ミズキ科の常緑多年草。高山の針葉樹林内に生える。茎は高さ10センチメートル内外で,頂に狭倒卵形の葉六個が輪生する。初夏,葉心から花柄を出し,頭状に多数の小花をつけ,球形の赤い実を結ぶ。
ごぜん-の-こころみ【御前の試み】🔗⭐🔉
ごぜん-の-こころみ 【御前の試み】
五節(ゴセチ)の儀式の一。一一月中(ナカ)の寅の日の夜,天皇が五節の舞姫の試舞を見るもの。五節の試み。おまえのこころみ。
ごぜん-ひこう【御前披講】🔗⭐🔉
ごぜん-ひこう ―カウ [4] 【御前披講】
宮中での歌合(ウタアワセ)や歌会の時,天皇の前で和歌を詠み上げること。
み-さき【御先・御前】🔗⭐🔉
み-さき 【御先・御前】
(1)貴人の外出の際などの先導をすること。先払い。前駆(ゼンク)。「―の松明(マツ)ほのかにて,いと忍びていで給ふ/源氏(夕顔)」
(2)神が,使者としてつかわす動物。御先物。
ごぜん【御前】(和英)🔗⭐🔉
ごぜん【御前】
(1)[貴人の前]the presence.→英和
(2)[敬称]Your[His]Excellency;my lord.‖御前会議 a council in the Imperial presence.
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